JP5492620B2 - 一酸化炭素転化用触媒、その製造方法、一酸化炭素転化方法および燃料電池システム用水素の製造方法 - Google Patents

一酸化炭素転化用触媒、その製造方法、一酸化炭素転化方法および燃料電池システム用水素の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は一酸化炭素転化用触媒、その製造方法、一酸化炭素転化方法および燃料電池システム用水素の製造方法に関する。
燃料電池の原料水素は炭化水素の水蒸気改質反応などによって得られる水素含有ガスを用いるが、改質ガス中の一酸化炭素濃度を100ppm(容積)以下、好ましくは50ppm以下に低減させる必要があり、通常、水性ガスシフト反応および一酸化炭素選択酸化反応により低減される。水性ガスシフト反応は多くの場合、高温シフト触媒と低温シフト触媒を使用して一酸化炭素濃度が1容積%以下まで低減される。
低温シフト触媒としては、通常、銅−亜鉛−アルミニウム触媒が使用される。水性ガスシフト反応は反応平衡の観点から反応温度は低いほど好ましいが、200℃以下の低温では反応速度が低下するため、触媒使用量が多くなり、システムがコンパクトにならないという問題点がある。
家庭用燃料電池や燃料電池車用の燃料電池では装置をコンパクトにする必要がある。高活性で高嵩密度の低温シフト触媒を用いると、水性ガスシフト反応器をコンパクトにできる。
さらに200℃以下の低温、例えば170℃以下でも高活性な低温シフト触媒を用いると一酸化炭素選択酸化反応器を必要とせず、より簡単な一酸化炭素選択メタン化反応器でCOを除去でき、装置をコンパクトにできる可能性がある。
特許文献1においては、高嵩密度、高機械的安定性を有するCu-Zn-Al系触媒粒子を何らかの沈殿法で得て、篩い分け後に、一定の粒度分布にそろえた前記触媒粒子をタブレット成形して、触媒(成形体)を得たことを開示している。しかしながら、沈殿物の製造条件の開示はない。
特許文献2は、Cu-Zn-Cr系シフト触媒を共沈法で製造することを開示しているが、共沈時のpHおよび温度については記載されていない。
特許文献3は、ギ酸銅及びギ酸亜鉛を原料として共沈法で得られた銅−亜鉛系シフト触媒を開示している。共沈時のpHは記載されていない。また、Al-O骨格がないため耐久性は低い。
特許文献4は、Cu-Zn-Si-Al系シフト触媒を開示しており、比較例においてCu-Zn-Al系シフト触媒を開示している。いずれも共沈法で製造しているが、得られた触媒の性能に影響を及ぼす沈殿時の溶液中のpHも温度の開示されていない。
特許文献5は、Cu-Al-Zn系シフト触媒を共沈法で製造すること、共沈時のpHも9.0〜9.5、10〜10.5等を開示しているが、沈殿時の最適温度が本願発明のものとは異なっており、焼成後得られた触媒の嵩密度は本発明の触媒より小さくなり、十分なCO変成能力を持たせるためには、触媒を充填する装置が大きくなる恐れがある。
特許文献6は、Cu-Zn-Al系のシフト触媒を開示している。共沈法による製造方法ではpH等の厳密な制御が難しく、その結果、沈殿物の成分や粒径の均一性が低下するため、アルミナ前駆体の沈殿スラリーに、銅塩及び亜鉛塩の水溶液とアルカリ性水溶液とを、同時に一定の速度で加えて触媒前駆体を調製し、固形分45質量%以上の触媒前駆体から焼成した触媒粉から製造した触媒成型体が強度、嵩密度に優れることを開示している。
特開平11-151442号公報 特開2003-275592号公報 特開2001-321679号公報 特開2000-126597号公報 WO2008/044707号公報 特開2007−83197号公報
低温シフト触媒は150〜300℃の比較的低い反応条件で一酸化炭素を転化する必要があるが、反応温度が低いと反応速度が低下するため、多くの触媒量が必要で、反応器がコンパクトになりにくい。高活性かつ嵩密度が大きい触媒を使用するとコンパクトなシステムが可能になる。本発明は、一酸化炭素転化反応において高活性を示し、かつ、嵩密度の大きい触媒を提供することを課題としている。
本発明者らは、上記のような状況に鑑みて鋭意検討した結果、Cu-Al-Zn系シフト触媒の前駆体となる沈殿物を生成させる際のpHや温度条件等を細かくコントロールすることにより、嵩密度が高く、一酸化炭素転化反応において優れた性能を示す触媒が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記
(1)ZnAl24および酸化銅を含み、酸化銅成分30〜85質量%、亜鉛成分(酸化亜鉛換算)5〜50質量%、およびアルミニウム成分(酸化アルミニウム換算)10〜50質量%であり、比表面積が100〜300m2/g、嵩密度が1.4g/ml以上である一酸化炭素転化用触媒、
(2)ジンサイト(zincite、ZnO)を含まない上記(1)に記載の一酸化炭素転化用触媒、
(3)嵩密度が1.5g/ml〜2.0g/mlである上記(1)または(2)に記載の一酸化炭素転化用触媒、
(4)酸化銅の結晶子径が120Å以下、ZnAl24の結晶子径が40Å以下である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の一酸化炭素転化用触媒、
(5)銅、亜鉛およびアルミニウムを含む金属塩水溶液と塩基性物質を含む水溶液とを混合して沈殿物を生成させる沈殿工程、該沈殿物の洗浄工程、乾燥工程、焼成工程および成型工程を含む触媒の製造方法において、沈殿工程を温度15〜50℃、pH9.5〜12で実施することを特徴とする一酸化炭素転化用触媒の製造方法、
(6)前記塩基性物質が水酸化ナトリウムである上記(5)記載の製造方法、
(7)前記pHが10〜11.5である上記(5)または(6)に記載の一酸化炭素転化用触媒の製造方法、
(8)銅、亜鉛及びアルミニウムを含む金属塩水溶液中の金属成分の原子比が以下
Cu/(Cu+Zn+Al)=0.4〜0.9
Zn/(Cu+Zn+Al)=0.01〜0.5
Al/(Cu+Zn+Al)=0.1〜0.6
の範囲である上記(5)〜(7)のいずれかに記載の一酸化炭素転化用触媒の製造方法、
(9)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒を用いて、100〜500℃において水性ガスシフト反応により一酸化炭素を含む水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低下させることを特徴とする一酸化炭素転化方法および
(10)上記(9)に記載の一酸化炭素転化方法により一酸化炭素を含む水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低下させ、一酸化炭素選択酸化反応器を必要としないことを特徴とする燃料電池システム用水素の製造方法を提供する。
本発明の一酸化炭素転化用触媒は高活性な低温シフト触媒であり、これを用いると触媒量を低減でき、反応器をコンパクトにすることができる。また、触媒の嵩密度が大きいので、さらに反応器をコンパクトにすることができる。反応器をコンパクトにすることができれば、コンパクトなシステムが可能となり、家庭用燃料電池や燃料電池車に搭載するコンパクトな改質システムを可能にする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の銅‐亜鉛‐アルミニウム系の一酸化炭素転化用触媒の組成は、酸化銅成分が30〜85質量%、好ましくは30〜80質量%、亜鉛成分(酸化亜鉛換算)が5〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、アルミニウム成分(酸化アルミニウム換算)が10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%である。

前記触媒組成として、酸化銅成分が10〜85質量%の下限値を外れると、活性種の銅原子が少なくて触媒活性が低下し、逆に上限値を外れると、相対的に亜鉛原子、アルミニウム原子が少なくなるため、触媒の耐久性(特に起動・停止を繰り返して使用する状態で、触媒が実用上満足できる活性を維持できる時間。以下、単に耐久性と呼ぶ場合もある)が低下する恐れがある。
前記触媒組成として、亜鉛成分(酸化亜鉛換算)が5〜50質量%の下限値を外れると、亜鉛原子が少なくなることで触媒の活性が低下し、逆に上限値を外れると、触媒の耐久性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
前記触媒組成として、アルミニウム成分(酸化アルミニウム換算)が10〜50質量%の下限値を外れると、触媒強度が低下したり、触媒の耐久性が低下する恐れがある。また、逆に上限値を外れると、相対的に銅原子が少なくて触媒活性が低下する恐れがあるので、いずれも好ましくない。
本発明の銅‐亜鉛‐アルミニウム系の一酸化炭素転化用触媒は、より好ましくはジンサイト(zincite、ZnO)を含まないものである。ジンサイトを含まないことにより、耐久性、活性とも向上し、一酸化炭素転化用(シフト)触媒として燃料電池用改質器に搭載すると、起動停止を繰り返して使用しても活性の低下が少なく長期間使用できるメリットがある。
本発明の銅‐亜鉛‐アルミニウム系の一酸化炭素転化用触媒の物性は以下の通りである。
比表面積は100〜300m2/g、好ましくは120〜200m2/gである。比表面積が100〜300m2/gの触媒は、触媒活性の低下や銅のシンタリングの抑制効果が高い。
嵩密度は1.4g/ml以上、好ましくは嵩密度が1.5g/ml〜2.0g/mlである。嵩密度を1.4g/ml以上とすることにより、反応器も小さくてすみ、コンパクトなシステムが可能となり、家庭用燃料電池や燃料電池車に搭載するコンパクトな改質システムを可能にする。
酸化銅の結晶子径は150Å以下が好ましく、より好ましくは120Å以下である。120Å以下である触媒は、反応に有効な銅の活性点数が減少することを防止し、活性が低下するのを防止する。
ZnAl24の微細な結晶のものほど銅のシンタリング抑制に効果的であり、結晶子径は50Å以下が好ましく、40Å以下がより好ましい。ZnAl24の結晶子径を50Å以下とすることにより、銅のシンタリング抑制効果が向上し耐久性の点から好ましい。
本発明の銅‐亜鉛‐アルミニウム系の一酸化炭素転化用触媒中のZnAl24やジンサイト(zincite)の存在または不存在は粉末X線回折測定による回折パターンから確認できる。
ZnAl24のX線回折パターンはd=2.442、d=2.863、d=1.432、d=1.559, d=1.653、d=1.281に回折線を示す。
ジンサイト(zincite)のX線回折パターンはd=2.475、d=2.814、d=2.602、d=1.625, d=1.477、d=1.378に回折線を示す。
ZnAl24が銅原子の近傍にあると、熱および水蒸気の存在下や触媒が酸化、還元の雰囲気が繰り返される状態にある酸化銅または還元された銅がシンタリングして活性が失われることを抑制する効果があり、熱および水蒸気の存在下や酸化、還元の雰囲気が繰り返される条件下においても安定に存在し、銅のシンタリングが抑制され、安定した触媒活性を示す。他方、酸化亜鉛成分がジンサイト(zincite)であると上記、酸化還元の繰り返しでジンサイト(zincite)粒子自体がシンタリングし、銅のシンタリングを促進する。
次に、本発明の銅‐亜鉛‐アルミニウム系の一酸化炭素転化用触媒の製造方法について述べる。
本発明の一酸化炭素転化用触媒は、金属成分の原子比をCu/(Cu+Zn+Al)=0.4〜0.9、好ましくは0.45〜0.85、Zn/(Cu+Zn+Al)=0.01〜0.5、好ましくは0.03〜0.3、Al/(Cu+Zn+Al)=0.1〜0.6、好ましくは0.2〜0.5に調整した銅塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩を含有する金属塩水溶液と塩基性物質を含む水溶液とを混合して共沈させて沈殿物を生成させて洗浄し、それを乾燥し、次いで焼成することにより製造することができる。
金属成分の原子比は上記のような範囲とすることにより、焼成した後に所望のZnAl24が生成することにより、触媒の耐久性(特に起動・停止を繰り返して使用する状態で、触媒が実用上満足できる活性を維持できる時間)の低下を防止し、亜鉛原子が多すぎてジンサイト(zincite)等が生成するのを防止する。その結果、触媒の耐久性が向上する。
沈殿工程においては、温度を15〜50℃、pHを9.5〜12に調整することが重要であり、pHを9.5〜12の範囲内にコントロールすることによって、十分な活性と耐久性を有する触媒が得られる。
温度は好ましくは15〜45℃、pHは好ましくは10〜11.5である。沈殿物を生成させた後、そのままの温度で1〜5時間、好ましくは2〜3時間程度熟成させることが好ましい。
上記のような条件で触媒を調製することにより、嵩密度が高い触媒を、効率良く(収率良く)製造できる。温度が50℃超、pHが12超になると、沈殿物がゲル状の細かいスラリーとならず、沈殿粒子が大きくなりやすく、このような沈殿粒子を乾燥、焼成、成型すると嵩密度が低い触媒となる。15℃未満で沈殿させると、得られる沈殿物の粒子が微細になり過ぎたり、ゾル状になって、濾過し難くなる。粒子が微細になり過ぎるとフィルターの目を小さくせざるを得ず、差圧が発生して濾過効率が悪くなる等の現象が発生し、生産性が低下する。
沈殿工程におけるより好ましい温度とpHの組み合わせは、15〜50℃においてpH10〜11.5である。pHが10未満、特に9.5未満では、得られたスラリーを濾過、乾燥すると、結晶の大きい沈殿粒子となり、乾燥しても稠密な混合物が得られない。これを焼成、成型しても嵩密度が大きい触媒は得られない。塩基性物質としては、NaOHが好ましい。嵩密度が大きい触媒を得やすいからである。
沈殿工程において、NaOHのような塩基性物質を用いて、上記のようなpHおよび温度条件で沈殿させると沈殿物はゲル状のスラリーとなり、熟成後、これを洗浄、濾過すると微粒子間に水を多く含んで膨潤したケーキが得られる。これを乾燥させると粒子が収縮して硬く稠密な固形物が得られる。焼成後、成型すると嵩密度が大きく、強度にも優れる成型触媒となる。
成型方法としては押出成型、転動造粒、打錠成型など特に制限はないが、嵩密度を容易に上げられる点で、打錠成型が好ましい。前述した焼成後の触媒を12メッシュ以下に粉砕して成型用の孔(金型)に充填し、圧壊強度が20〜40Nの範囲になるよう打錠成型すると、嵩密度が1.4g/ml以上になりやすい。通常、打錠成型圧力を高くすると、圧壊強度は高くなり、成型触媒の嵩密度は大きくなるが、あまり高くすると触媒性能が低下することがあるので、圧壊強度が20〜40N程度になるよう打錠成型するのが好ましい。
成型する際には、触媒に成型助剤を加えても良い。通常、グラファイト、セルロース等、周知の成型助剤を用いることができ、添加量は触媒中3質量%以下である。
本発明の一酸化炭素転化用触媒の調製は、銅塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩を含有する溶液と水酸化ナトリウムのような塩基性物質を含有する溶液を混合して銅、亜鉛およびアルミニウムを共沈させる場合には、いずれか一方を撹拌しながらもう一方を混合してもよい。
また、本発明の一酸化炭素転化用触媒の調製は、銅塩、亜鉛塩およびアルミニウム塩溶液と水酸化ナトリウムのような塩基性物質含有溶液の混合を、それぞれの溶液をポンプなどで同時に供給して混合してもよい。
前記のように、本発明の一酸化炭素転化用触媒は、沈殿工程において水酸化ナトリウムのような塩基性物質を用いる。従来技術では、炭酸ナトリウムを沈殿剤とするのが好ましいとする場合が多かった。従来、最適組成と考えられていた高ZnO、低Al23組成領域では、確かに、炭酸ナトリウムを用いた触媒が活性に優れるが、低ZnO、高Al23組成領域においては炭酸ナトリウムを用いて製造した触媒は性能に劣る。一方、低ZnO、高Al23組成領域において、沈殿剤として水酸化ナトリウムを用いることによって、微細な結晶の酸化アルミニウムスピネルが生成し、活性および耐久性に優れる触媒が得られる。
本発明では、銅および亜鉛の塩種としては、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩などを用いることができ、このうち硝酸塩が好ましい。アルミニウム塩は硝酸塩、塩化物、硫酸塩、水酸化物、アルミン酸ナトリウム、プソイドベーマイトなどを用いることができ、硝酸塩、アルミン酸ナトリウムが好ましい。
本発明では、沈殿物を乾燥させる際の温度は特に制限はないが、室温から200℃、好ましくは150℃以下の温度で乾燥するまで実施すればよい。また、焼成条件は特に制限はないが、150〜500℃程度で焼成すればよい。
本発明の一酸化炭素転化方法では、上記の触媒を用いて150〜500℃において水性ガスシフト反応により一酸化炭素を含む水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低下させる。
本発明の触媒を使用する燃料電池システムにおいては、炭化水素燃料を改質して得られた水素を用い、さらにその改質生成物中に含まれる一酸化炭素濃度を、前記の一酸化炭素転化方法によって低下させると同時に水素に転化させる。燃料電池システムの原料である炭化水素燃料としては、LPG、都市ガス、天然ガス、ナフサ、灯油および軽油のいずれも使用できる。
また、本発明は、前記一酸化炭素転化用触媒を用いて、100〜500℃において水性ガスシフト反応により一酸化炭素を含む水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低下させることを特徴とする一酸化炭素転化方法を提供する。さらに、本発明は、前記一酸化炭素転化方法により一酸化炭素濃度を低減させ、一酸化炭素選択酸化反応を行わないことを特徴とする燃料電池システム用の水素の製造方法をも提供する。
本発明の一酸化炭素転化方法において、水性ガスシフト反応は、温度100〜500℃、好ましくは150〜300℃、GHSV2000〜60000h-1、好ましくは3000〜10000h-1程度の条件で行なわれる。
本発明の一酸化炭素転化方法において、前記一酸化炭素転化用触媒は使用前に水素還元により還元するのが好ましい。水素還元は、通常、水素(例えば、水素/窒素混合ガス)気流下、150〜300℃程度の温度で、1〜10時間、好ましくは1〜3時間行う。
水性ガスシフト反応に用い得る一酸化炭素(CO)を含む水素含有ガスとしては、炭化水素原料を含有する原料ガスを改質手段により改質された水素ガスを主成分とする改質ガス、水性ガス、水添工程における排ガス等が挙げられる。
本発明の一酸化炭素転化方法により、前記改質ガス等に含まれるCOを前記一酸化炭素転化用触媒を用いて水性ガスシフト反応により、CO濃度が1%以下、場合によっては0.2%以下に低減された所望の水素含有ガスを製造することができる。
本発明の前記一酸化炭素転化触媒を使用すると、CO濃度が低い(0.6容量%以下)原料ガス中のCO濃度も有効に低減でき、CO濃度が比較的高い(0.6〜2.0容量%)原料ガス中のCO濃度も好適に低減することができ、水性ガスシフト反応器をよりコンパクトにすることができる。
本発明の前記一酸化炭素転化触媒を使用することにより、COを0.2%以下まで低減させた水素含有ガスを得た場合には、一酸化炭素選択酸化反応器を必要とせず、簡単な一酸化炭素選択メタン化反応器でCOを除去できるため、燃料電池システム用をよりコンパクトにすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
硝酸銅三水和物94.1g、硝酸亜鉛六水和物37.4g、硝酸アルミニウム九水和物110.3gを水1リットルに溶解し、A液とした。次に、水酸化ナトリウム2N溶液を調合した。次いで、A液と水酸化ナトリウム溶液を40℃の2リットルの水の入った容器に同時に滴下した。滴下中、沈殿物を攪拌しながら40℃に維持し、pHが10.1となるように水酸化ナトリウム溶液の滴下速度を調整した。この沈殿物を3時間熟成した後、水洗、濾過を行った。取り出した沈殿物を120℃で20時間乾燥した。この固形状の乾燥物を細かく砕いたものを350℃で3時間焼成して焼成物を得た。焼成物のX線回折の結果(結晶子径)、組成分析の結果、BET比表面積を表1に示す。
焼成物を12メッシュ以下に粉砕し、グラファイトが触媒中3質量%になるように加えて打錠成型機で、3φ×3mmで圧縮強度が20〜40Nの触媒成型体を製造した。触媒成型体の嵩密度は1.56g/mlであった。
<触媒の性能評価>
打錠成型した触媒9ccを内径16mmの反応管に充填した。反応管内でH2/N2=20/80(容量比)の気流中で、230℃で2時間、触媒の還元処理を行なった後、GHSV:3,500h-1の条件でH2/CO/CO2/H2O=49.9/9.9/10.2/30.0(容量%)のガスを導入し、200℃で1時間CO転化反応を行った。得られたガスをサンプリングしてガスクロマトグラフィーにてその濃度を測定した。この結果をもとに、CO転化率を下記式により求めた。結果を第1表に示す。
CO転化率(%)=[(A−B)/A)]×100
上記式において、Aは反応器入口側のCO量[転化前のCO濃度(容量%)×転化前のガス量(cc/分)]、Bは反応器出口側のCO量[転化後のCO濃度(容量%)×転化後のガス量(cc/分)]である。
<嵩密度の評価方法>
JISK3362に準じて評価した。
<XRDによるCuO、ZnAl24の結晶子径の測定>
XRD測定はリガク社製のX線回折装置を用いて行なった。試料をガラス製試料セルに充填し、X線源としてCu−Kα(1.5406Å、グラファイトモノクロメーターにより単色化)を使用し、2θ−θ反射法により測定した。CuO、ZnAl24、ZnOの結晶子径はシェラー式から算出した。
[実施例2]
室温(18℃)においてpH10.4 で沈殿を行なったこと以外は実施例1と同様に行ない、焼成物および触媒成型体を得た。触媒成型体については実施例1と同様に性能評価した。焼成物のX線回折の結果(結晶子径)、組成分析の結果、BET比表面積、触媒成型体の嵩密度、CO転化率を表1に示す。
[実施例3]
硝酸銅三水和物133.1g、硝酸亜鉛六水和物18.2g、硝酸アルミニウム九水和物73.5gを水1リットルに溶解したものをA液とし、40℃でpH10.3で沈殿させた以外は実施例1と同様に行ない、焼成物および成型体を得た。触媒成型体については実施例1と同様に性能評価した。焼成物のX線回折の結果(結晶子径)、組成分析の結果、BET比表面積、触媒成型体の嵩密度、CO転化率を表1に示す。
[比較例
沈殿をpH8.5で行なったこと以外は実施例1と同様に行ない、焼成物および成型体を得た。
触媒成型体については実施例1と同様に性能評価した。焼成物のX線回折の結果(結晶子径)、組成分析の結果、BET比表面積、触媒成型体の嵩密度、CO転化率を表1に示す。
Figure 0005492620
金属塩水溶液と水酸化ナトリウムのような塩基性物質を用いて50℃以下でpH10以上の条件で沈殿させた沈殿物を乾燥、焼成、成型して製造した本発明のCu-Zn-Al系触媒は高活性で嵩密度が大きいのでコンパクトなシステムが可能となり、家庭用燃料電池や燃料電池車に搭載するコンパクトな改質システムを可能にする。

Claims (6)

  1. ZnAl24および酸化銅を含み、酸化銅成分30〜85質量%、亜鉛成分(酸化亜鉛換算)5〜50質量%、およびアルミニウム成分(酸化アルミニウム換算)10〜50質量%であり、比表面積が100〜300m2/g、嵩密度が1.4g/ml以上である一酸化炭素転化用触媒。
  2. ジンサイト(zincite、ZnO)を含まない請求項1に記載の一酸化炭素転化用触媒。
  3. 嵩密度が1.5g/ml〜2.0g/mlである請求項1または2に記載の一酸化炭素転化用触媒。
  4. 酸化銅の結晶子径が120Å以下、ZnAl24の結晶子径が40Å以下である請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化炭素転化用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を用いて、100〜500℃において水性ガスシフト反応により一酸化炭素を含む水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低下させることを特徴とする一酸化炭素転化方法
  6. 請求項5に記載の一酸化炭素転化方法により一酸化炭素を含む水素含有ガス中の一酸化炭素濃度を低下させ、一酸化炭素選択酸化反応器を必要としないことを特徴とする燃料電池システム用水素の製造方法
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