JP5489812B2 - レーザ焼入れ方法、運動案内装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光を照射することで所望の品質を有する焼入れ鋼材を得るために用いられるレーザ焼入れ方法と運動案内装置に関するものである。
従来から、鉄系金属から成る鋼材の表面に特別の処理を施して表面硬さを改善することにより、耐摩耗性などの鋼材品質を改善する手法が知られている。この種の鋼材表面硬化手法には、表面焼入れや浸炭、あるいは窒化などの方法が存在しており、例えば、高周波焼入れや火炎焼入れなどといった通常の表面焼入れにおいては、高周波誘導加熱、酸素アセチレンの炎、もしくはレーザ光などが用いられている。そして、鋼材表面がレーザ光などの照射を受けると、加熱された鋼材の表皮はオーステナイト化したのちに急冷されるので、表面層のオーステナイト組織が変態してマルテンサイト組織となる。このような原理によって、鋼材の表面層を硬くすることが可能となっている。
以上のような従来の鋼材表面硬化手法のうち、レーザ光を用いて焼入れを行う手法については、鋼材における必要な箇所のみの局部的焼入れが可能であること、冷却のための媒体(油、水等)が不要であること、熱処理によるひずみが小さいこと等の利点の存在から、広く産業界で利用されている(この種の技術を開示する文献として、例えば、下記特許文献1が存在している。)。
特開平5−43940号公報
レーザ光を用いて鋼材表面等に焼入れを行う従来の手法において、鋼材表面の複数の箇所にレーザ光を照射したい場合には、上記特許文献1にも示されているように、1つの光源(レーザヘッド)から照射された1筋のレーザ光を分光ミラーによって分光した上で、これら複数の箇所に対するレーザ光の照射が行われることが一般的であった。このような手法は、複数の箇所に同一条件のレーザ光を照射したいとする思想に基づき採用されたものであった。
しかしながら、レーザ光の照射対象となる鋼材の形状については様々であり、特に、複数の箇所にレーザ光を照射するものの場合、これら複数の箇所の形状や伝熱条件等が同一であることはほとんどない。そして、このような形状や伝熱条件等が異なる部位に対して、同一光源から分光されることで全く同じ条件を有するレーザ光を同時に照射した場合には、複数の箇所での焼入れ後の品質が異なってしまうこととなる。したがって、従来の技術思想に基づいて設計された上記特許文献1に開示の技術を採用して、鋼材表面の複数の箇所にレーザ焼入れを実施した場合には、複数の箇所でそれぞれ異なる焼入れ品質を有する製品しか得ることができなかった。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、鋼材表面の複数の箇所にレーザ焼入れを行う場合において、これら複数の被焼入れ対象箇所における形状や伝熱条件等がたとえ異なる場合であっても、すべての被焼入れ対象箇所で同一の焼入れ品質を有するようにレーザ焼入れを行うことができる新たな手法を提供することにある。
本発明に係るレーザ焼入れ方法は、運動案内装置の構成部材であって長手方向と直交する軸直交断面が略矩形状をした軌道部材に形成される複数条で同一形状をした転動体転走面に対してレーザ光を照射することで、所望の品質を有する運動案内装置の軌道部材を得るために用いられ、レーザ光を照射するためのレーザヘッドを前記複数条で同一形状をした転動体転走面のそれぞれに対して1つずつ設置し、前記複数条で同一形状をした転動体転走面に対して前記複数のレーザヘッドから同時にレーザ光を照射するとともに、前記複数のレーザヘッドのそれぞれから照射されるレーザ光が異なる照射条件にて各レーザヘッドごとに照射されるレーザ焼入れ方法であって、前記軌道部材に形成される複数条で同一形状をした転動体転走面のうち、熱が逃げ難い前記軌道部材の軸直交断面における上面近傍に位置する転動体転走溝よりも、熱が逃げ易い前記軌道部材の軸直交断面における側面に位置する転動体転走溝の方が、より大きい出力のレーザ光を照射されるように設定されることで、焼入れされた前記複数条で同一形状をした転動体転走面のすべてが略同一の品質を有するように焼入れ処理されることを特徴とする。
また、本発明に係る運動案内装置は、長手方向と直交する軸直交断面が略矩形状をした軌道部材と、前記軌道部材に複数の転動体を介して相対移動自在に取り付けられる移動体と、を有し、前記複数の転動体が、前記軌道部材と前記移動体との間に形成された負荷転走路と、その負荷転走路の一端と他端とを結ぶように前記移動体に形成された無負荷転走路とから構成される無限循環路に無限循環可能に設置されることにより、前記移動体の前記軌道部材に対する相対的な往復運動が自在とされる運動案内装置であって、前記軌道部材には、前記負荷転走路の一部を構成する複数条で同一形状をした転動体転走面が形成されており、当該軌道部材には、レーザ光を照射するためのレーザヘッドを前記複数条で同一形状をした転動体転走面のそれぞれに対して1つずつ設置し、前記複数条で同一形状をした転動体転走面に対して前記複数のレーザヘッドから同時にレーザ光を照射するとともに、前記複数のレーザヘッドのそれぞれから照射されるレーザ光を異なる照射条件にて各レーザヘッドごとに照射し、さらに、前記軌道部材に形成される複数条で同一形状をした転動体転走面のうち、熱が逃げ難い前記軌道部材の軸直交断面における上面近傍に位置する転動体転走溝よりも、熱が逃げ易い前記軌道部材の軸直交断面における側面に位置する転動体転走溝の方が、より大きい出力のレーザ光を照射されるように設定されるレーザ焼入れ装置を用いた焼入れ処理が施されており、焼入れ処理が施されている前記軌道部材における前記複数条で同一形状をした転動体転走面の表面硬化層は、構成組織が、各転動体転走面ごとで略同一のマルテンサイト組織を有し、マクロパターン深さが、各転動体転走面ごとで略同一の値を示し、残留オーステナイト量を測定したときに、すべての転動体転走面での残留オーステナイト量の差が、質量%で2.4%以内であることを特徴とする。
本発明によれば、鋼材表面の複数の箇所にレーザ焼入れを行う場合において、これら複数の被焼入れ対象箇所における形状や伝熱条件等がたとえ異なる場合であっても、すべての被焼入れ対象箇所でほぼ同一の焼入れ品質を有するようにレーザ焼入れを行うことができる。
本実施形態でレーザ焼入れ対象とする焼入れ鋼材としての軌道部材(軌道レール)が用いられた運動案内装置の構成を説明するための部分破断斜視外観図である。 図1Aで示された運動案内装置の内部構成を説明するための縦断面図である。 本実施形態に係る焼入れ方法を説明するための概略図である。 本実施形態に係る焼入れ方法を実施するために用いられるレーザ焼入れ装置の具体的構成を例示する図である。 表1にて示した2条件の焼入れ方法にて焼入れされた軌道レールの焼入れ部近傍の様相を観察したマクロパターンの模式図を示しており、図中(a)は、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合のマクロパターンを示す模式図であり、図中(b)は、比較例としての従来技術に係るレーザ焼入れ条件にて焼入れされた場合のマクロパターンを示す模式図である。 表1にて示した2条件の焼入れ方法にて焼入れされた軌道レールの焼入れ部近傍の様相を顕微鏡にてミクロ観察した結果を示す図であり、図中(a)は、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合のミクロ観察写真を示す図であり、図中(b)は、比較例としての従来技術に係るレーザ焼入れ条件にて焼入れされた場合のミクロ観察写真を示す図である。 本発明に係る焼入れ方法が採り得る多様な形態のうちの一例を説明するための概略図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[本発明方法によって得られる焼入れ鋼材について]
まず、本発明方法によって得られる焼入れ鋼材の一形態について説明を行う。本実施形態に係る焼入れ鋼材は、図1Aおよび図1Bに示すリニアガイドとしての運動案内装置10に用いられる軌道部材としての軌道レール11である。この運動案内装置10は、機械の直線運動部を軽く正確に動かす機械要素部品として従来から知られた装置である。かかる運動案内装置10は、軌道レール11と、軌道レール11に多数の転動体として設置されるボール12…を介して往復運動自在に取り付けられた移動体としての移動ブロック13とを備えて構成されている。
軌道レール11は、その長手方向と直交する断面が概略矩形状であり、且つ、両側面の中央部分にくびれた凹みを有する形状にて形成された長尺の鋼製部材であり、その表面(上面両端および両側面上部の近傍)には、ボール12が転がる際の軌道となる転動体転走溝11a…が軌道レール11の長手方向全長に渡って形成されている。
一方、移動ブロック13は、金属材料から成る移動ブロック本体部13aと、移動ブロック本体部13aにおける移動方向の両端面に対して設置される樹脂材料から成る一対のエンドプレート13b,13bとから構成されている。移動ブロック本体部13aには、転動体転走溝11a…とそれぞれ対応する位置に負荷転動体転走溝13c…が設けられている。軌道レール11の転動体転走溝11a…と移動ブロック本体部13aに形成された負荷転動体転走溝13c…とによって負荷転動体転走路22…が形成され、この通路に導入された複数のボール12…は、負荷を受けながら転走することになる。また、移動ブロック本体部13aは、負荷転動体転走溝13c…と平行に延びる無負荷転動体転走路23…を備えている。さらに、一対のエンドプレート13b,13bのそれぞれには、各無負荷転動体転走路23…と各負荷転動体転走路22…とを結ぶ方向転換路25…が設けられている。1つの負荷転動体転走路22および無負荷転動体転走路23と、それらを結ぶ一対の方向転換路25,25との組み合わせによって、1つの無限循環路が構成されることとなる(図1B参照)。
そして、複数のボール12…が負荷転動体転走路22と無負荷転動体転走路23と一対の方向転換路25,25とから構成される無限循環路に無限循環可能に設置されることにより、移動ブロック13の軌道レール11に対する相対的な往復運動が可能となっている。
以上のような構成を有する運動案内装置10において、複数のボール12…からの転がり負荷を受ける軌道レール11については、ボール12が転がる際の軌道となる転動体転走溝11a…を含む領域に対して焼入れ加工を行うことで表面の硬度を向上させ、耐摩耗性の付与や長寿命化が図られている。このとき行われる焼入れ加工で重要なのは、複数条形成された転動体転走溝11a…のすべてで焼入れ加工後の品質が均一となることである。
特に、図1Aに示すような軌道レール11の場合、4条ある転動体転走溝11a…が軌道レール11の移動ブロック側(上方側)に寄せられて形成されていることから、その形状特性上、移動ブロック側(上方側)に位置する2条の転動体転走溝11a,11aについてはレーザ光の照射によって加熱された際に付与される熱が逃げ難いのに対して、反移動ブロック側(下方側)に位置する2条の転動体転走溝11a,11aについては伝熱性が高く、レーザ光の照射によって加熱された際に付与される熱が逃げ易いという状況にある。このような状況の軌道レール11に対して、従来技術のような1つの光源(レーザヘッド)から分光したレーザ光を4条の転動体転走溝11a…に対して照射した場合には、それぞれの伝熱性の違いから各転動体転走溝11a…で異なる焼入れ品質が付与されてしまうことになる。4条の転動体転走溝11a…のすべてが同一の焼入れ品質を示さない場合には、長尺である軌道レール11の機械的性質が不均一となったり、軌道レール11に曲がりが生じたり、後工程や設置後の不具合発生の原因となったりしてしまい、運動案内装置10自体の案内精度を悪化させてしまうことにもなる。
また、4条の転動体転走溝11a…に対して個別に順次焼入れを行った場合には、先に焼入れされた転動体転走溝11aが後に実施される焼入れの熱影響を受けてしまうことで、非常に鈍ってしまうという不具合が発生してしまうことにもなる。本発明に係るレーザ焼入れ方法は、以上のような問題点を解消するために創案されたものである。
そこで、次に、上述したような複数の転動体転走溝11a…が異なる形状や異なる伝熱性を有する軌道レール11であっても、好適なレーザ焼入れ加工を行うことができる、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法について説明することとする。なお、図1Aおよび図1Bを用いて説明した軌道レール11の形状については、公知の一形態を例示したものであり、本発明に係るレーザ焼入れ方法は、あらゆる形態の軌道レール(軌道部材)に対して適用可能であることを付記しておく。
[本実施形態に係る焼入れ方法について]
図2は、本実施形態に係る焼入れ方法を説明するための概略図である。図2にて説明する実施形態では、軌道レール11を横に倒し、一方の側面に形成された2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aに対してレーザ焼入れを行う場合を例示している。
本実施形態に係る焼入れ方法では、レーザ光を照射するための第一,第二レーザヘッド31a,31bを2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aのそれぞれに対して1つずつ設置しておき、これら2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aに対して2つの第一,第二レーザヘッド31a,31bから同時にレーザ光を照射する手順が採られている。また、2つの第一,第二レーザヘッド31a,31bのそれぞれから同時に照射されるレーザ光の照射条件については、各レーザヘッド31a,31bごとに設定することが可能となっている。
例えば、図2にて例示する軌道レール11の場合、軌道レール11の上方(すなわち、図2における紙面の右側)に位置する第一転動体転走溝11aは、軌道レール11の端に位置することから熱が逃げ難く、軌道レール11の下方(すなわち、図2における紙面の左側)に位置する第二転動体転走溝11aは、軌道レール11の中央部よりやや上方にずれた箇所に位置することから熱が逃げ易いという性質を有している。かかる性質を考慮して、本実施形態に係る焼入れ方法では、焼入れされた後の2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aのすべてがほぼ同一の品質を有するようにするために、第一レーザヘッド31aからのレーザ出力に比べて、第二レーザヘッド31bからのレーザ出力の方が大きくなるように設定がされている。つまり、熱が逃げ難い上方(紙面右側)の第一転動体転走溝11aよりも、熱が逃げ易い下方(紙面左側)の第二転動体転走溝11aの方が、より大きい出力のレーザ光を照射されるように設定されているのである。このように、2つの第一,第二レーザヘッド31a,31bから同時に照射されるレーザ光の照射条件をそれぞれ異なる条件とし、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aの焼入れ品質をほぼ同一とすることで、高い案内性能を発揮する軌道レール11を得ることが可能となる。
[具体的な装置構成]
次に、上述した本実施形態に係る焼入れ方法を実施するための具体的な装置構成について、図3を用いて説明を行う。ここで、図3は、本実施形態に係る焼入れ方法を実施するために用いられるレーザ焼入れ装置の具体的構成を例示する図である。
図3に示される本実施形態に係るレーザ焼入れ装置30は、主要な構成として、テーブル部32、2台の第一,第二レーザヘッド31a,31b、CCD(Charge Coupled Device)カメラ33、コンピュータ端末34、および気体ノズル35を備えている。
テーブル部32は、焼入れが実施されることとなる軌道レール11を固定設置するための部材であり、軌道レール11を確実に固定保持するための固定手段を有している。また、このテーブル部32は、軌道レール11を長手方向に位置移動させるための移動手段を有しており、軌道レール11を長手方向に移動させることで、後述する2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bから放射されるレーザ光を軌道レール11の全長に渡って照射できるようになっている。
2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bは、軌道レール11に形成された2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aのそれぞれに対応して1つずつ設置されており、これら2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bのそれぞれから照射されるレーザ光の照射条件が、各レーザヘッドごとで自由に設定変更することが可能となっている。また、2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bは、それぞれ不図示の駆動機構を備えており、2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bごとでレーザ光の照射方向が変更自在となるように構成されている。
CCDカメラ33は、テーブル部32に固定設置された軌道レール11を撮影することで、軌道レール11の位置情報を取得する位置情報取得部として機能する部材である。このCCDカメラ33には、有線(あるいは無線でもよい)にてコンピュータ端末34が接続されており、CCDカメラ33にて取得した位置情報をこのコンピュータ端末34に送信することで、コンピュータ端末34が位置情報に基づき、テーブル部32と2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bとの動作制御を行う制御部としての機能を発揮できるように構成されている。
気体ノズル35は、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aにおけるレーザ光照射位置近傍に対してエアや不活性ガス等の気体を吹き付けるために設置されている。2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aへのレーザ照射時に気体ノズル35から気体を吹き付けることによって、レーザ焼入れ時に発生する可能性のあるスケール等の滓や塵芥等の不要物を除去することができるので、焼入れ品質を向上させることが可能となっている。
続いて、以上の構成を有する本実施形態に係るレーザ焼入れ装置30の動作を説明する。テーブル部32が有する固定手段を用いて軌道レール11を確実に固定した後、テーブル部32が有する移動手段を用いて軌道レール11を長手方向に一度移動させる。このとき、CCDカメラ33にて軌道レール11を撮影することで、軌道レール11の位置情報を画像データとして取得することができる。取得された画像データとしての位置情報は、コンピュータ端末34に送信され、これから焼入れが行われることとなる2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aの位置が正確に検出されることとなる。なお、この位置情報については、テーブル部32や2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bで規定されている2次元もしくは3次元の位置座標データ等に換算することができる。さらに、コンピュータ端末34は、この位置座標データ等の位置情報に基づいて、テーブル部32が有する移動手段と2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bがそれぞれ有する駆動機構に対して動作指令を発信し、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aに対するレーザ焼入れが正確に実施されることとなる。
このとき実施されるレーザ焼入れでは、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aの形状や伝熱条件等を考慮して予め設定されたレーザ光が2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bから放射されることになるが、これら2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bによるレーザ光の照射条件は、それぞれ全く異なっている。また、2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bから放射されるレーザ光は、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aに対して同時に照射されるように設定されており、常に所望の照射条件でのレーザ焼入れが実施されるようになっている。
次に、以上説明した本実施形態に係るレーザ焼入れ装置30における具体的なレーザ光照射条件の一例と、その効果を説明する。ここで、以下に示す表1は、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合のレーザ焼入れ条件およびマクロパターン深さと、比較例としての従来技術に係るレーザ焼入れ条件およびマクロパターン深さを示したものである。また、表1にて示した2条件の焼入れ方法にて焼入れされた軌道レール11の焼入れ部近傍の様相を観察したマクロパターンの模式図を図4に示す。ここで、図4中の(a)は、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合のマクロパターンを示す模式図であり、図4中の(b)は、比較例としての従来技術に係るレーザ焼入れ条件にて焼入れされた場合のマクロパターンを示す模式図である。
図4および表1から明らかな通り、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aの形状や伝熱条件等を考慮して、2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bからそれぞれ最適、且つ、異なる条件でのレーザ光を照射した本実施形態のレーザ焼入れ方法の場合には、マクロパターン深さがほぼ同一の深さとなった。
一方、2台の第一,第二レーザヘッド31a,31bから同一条件のレーザ光を照射する従来技術のレーザ焼入れ方法の場合には、マクロパターン深さが第一転動体転走溝11aと第二転動体転走溝11aで若干異なっている。
以上の結果から、本実施形態のレーザ焼入れ方法を用いた場合には、各転動体転走溝11a,11aごとでのマクロパターン深さがほぼ同一となり、すべての被焼入れ対象箇所でほぼ同一の焼入れ深さを得ることが可能であることが確認できた。
なお、発明者らは、マクロパターンを確認した後に、これら2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aについての硬さ試験を実施している。そして、異なる条件でのレーザ光を照射した本実施形態のレーザ焼入れ方法の場合には、各転動体転走溝11a,11aでほぼ同一の硬度が得られていることを確認する一方、同一条件のレーザ光を照射する従来技術のレーザ焼入れ方法の場合には、各転動体転走溝11a,11aで異なる硬度を示す結果となっていることを確認している。
また、発明者らは、図4にて示した焼入れ部位を切断して樹脂に埋め込み、顕微鏡にてミクロ観察した。その結果を、図5に示す。ここで、図5は、表1にて示した2条件の焼入れ方法にて焼入れされた軌道レール11の焼入れ部近傍の様相を顕微鏡にてミクロ観察した結果を示す図であり、図5中の(a)は、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合のミクロ観察写真を示す図であり、図5中の(b)は、比較例としての従来技術に係るレーザ焼入れ条件にて焼入れされた場合のミクロ観察写真を示す図である。
なお、本実施形態でのミクロ観察による焼入れ部近傍の様相の評価は、樹脂に埋め込まれた焼入れ部位を鏡面研磨して腐食した上で、顕微鏡写真を撮影することによって得られたミクロ写真に基づき、腐食面に表れたミクロ組織を目視観察する方法で行った。
図5中の(a)にて示されるように、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合には、第一転動体転走溝11aと第二転動体転走溝11aのいずれにおいても良好なマルテンサイト組織を観察することができた。また、これら2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aでの表面硬化層を構成する組織は、各転動体転走溝ごとでほぼ同一のマルテンサイト組織を有しており、さらに、加熱不足によるフェライト組織は認められなかった。また、トルースタイトおよびベイナイト組織の発生許容量を3%以下とする基準も満たしており、ミクロ観察の結果は、非常に好適な焼入れ処理が実施されていることを示していた。
一方、図5中の(b)で示される従来技術の焼入れ方法を採用した場合には、第一転動体転走溝11aと第二転動体転走溝11aのいずれにおいてもマルテンサイト組織を観察することはできるものの、若干の不完全焼入れ組織が観察された。また、各転動体転走溝ごとでのマルテンサイト組織は異なる様相を呈しており、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aでの品質(硬度など)が異なるものであったという上述した実験結果と符合する観察結果が得られた。
さらに、発明者らは、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aごとでの残留オーステナイト量を確認した。その結果を、表2に示す。
表2において、本実施形態1および本実施形態2と表記されたものが、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合の結果を示しており、本実施形態1および本実施形態2は、同一条件でレーザ焼入れが実施されたものである。一方、比較例1と表記されたものは、従来技術のレーザ焼入れ方法を採用した場合の結果を示している。表2では、これら3つの実験サンプルにおいて、第一転動体転走溝11aおよび第二転動体転走溝11aそれぞれの表面における残留オーステナイト量を測定し、さらに、これら2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aでの残留オーステナイト量の差が3つの実験サンプルごとに示されている。なお、残留オーステナイト量の測定には、X線回折(X-ray diffraction: XRD)が用いられている。
表2に示された結果からは、従来技術の焼入れ方法に比べて、本実施形態に係る焼入れ方法を採用した場合の方が、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aごとでの残留オーステナイト量の差が小さくなっていることが明らかである。このことは、本実施形態に係る焼入れ方法によれば、従来技術に比べて均一な品質を有する軌道レール11を生産可能であることを示している。
また、表2の結果から、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法にて焼入れされたすべての転動体転走溝での残留オーステナイト量の差は、質量%で少なくとも2.4%以内となることが確認された。この実験結果は、換言すれば、このような条件を満足するようにレーザ焼入れを行うことで、焼入れされた複数条の転動体転走溝のすべてが略同一の品質を有することとなり、すべての被焼入れ対象箇所でほぼ同一の焼入れ品質を得ることが可能となることを示している。
またさらに、発明者らは、表2で示された残留オーステナイト量に関する実験結果を受けて、従来から鋼材の焼入れ手法として利用されている高周波焼入れと本実施形態に係る焼入れ方法との比較を行うこととした。その結果を、表3に示す。
表3での比較には、表2で示した実験で残留オーステナイト量の大きかった「本実施形態2」の実験サンプルを利用した。そして、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法を用いた場合(本実施形態2)と高周波焼入れを行った場合(比較例2)との焼入れ品質の差異をより詳細に比較するために、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aごとでの残留オーステナイト量を、転走溝の表面と、表面から20μmの深さ位置とで測定した。
表3での結果から、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法を採用した場合の方が、高周波焼入れの場合と比べて深さ方向での残留オーステナイト量の差が非常に少なく、安定した品質を有することが明らかとなった。また、残留オーステナイト量が20%を越えた場合には、硬度の低下や経年変化を引き起こして不具合発生の原因となり得るが、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法の結果については、いずれも残留オーステナイト量20%以下の条件を満足していた。なお、この程度の残留オーステナイト量であれば、硬さに及ぼす影響はなく、転走溝としての好適な硬度を維持することが可能である。
さらに、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法により焼入れ加工された実験サンプルを確認したところ、残留オーステナイト量が高周波焼入れされたものの値(約12%以下)よりも大きく、レーザ照射時の加熱温度が高いにもかかわらず、粗大粒子が見受けられなかった。この事実から、高周波焼入れの場合に比べて、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法を用いた場合の方が、被焼入れ製品が高い靭性を獲得できることが確認できた。一方で、残留オーステナイト量の増加は疲労亀裂の進展を抑制する効果を期待することができることから、かかる点からも本実施形態に係るレーザ焼入れ方法の有効性を認めることができる。
さらにまた、発明者らは、表3にて示した実験で用いた実験サンプルを利用して、各転動体転走溝11a,11aごとの表面における残留応力の測定を行った。その結果を、表4に示す。
表4の結果は、いずれの転動体転走溝11a,11aにおいても、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法を用いた場合の方が、高周波焼入れを実施した場合に比べて、マイナス方向での大きな残留応力の値を示していた。この結果は、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法を用いた場合における残留応力が、圧縮状態にあることを示している。すなわち、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法によれば、焼入れ材料に対して圧縮残留応力を付与することとなる。一般的に、圧縮残留応力が高いほど疲労強度は増すと言われていることから、本実施形態によれば、焼割れ等の不具合発生を好適に防ぐことが可能となる。よって、表4に示された結果からも、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法が、従来技術に比べて優れた手法であることが確認された。
以上、本発明の好適な実施形態と具体的な実施例について説明した。すなわち、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法では、レーザ光を照射するためのレーザヘッドを複数条の転動体転走面のそれぞれに対して1つずつ設置し、複数条の転動体転走面に対して複数のレーザヘッドから同時にレーザ光を照射するとともに、複数のレーザヘッドのそれぞれから照射されるレーザ光の照射条件を各レーザヘッドごとに設定することで、焼入れされた複数条の転動体転走面のすべてが略同一の品質を有するように焼入れ処理されるようにした。これにより、すべての被焼入れ対象箇所でほぼ同一の焼入れ品質を得ることが可能となった。
また、本実施形態に係るレーザ焼入れ方法を実現する装置として、本実施形態では、複数条の転動体転走面のそれぞれに対応して1つずつ設置され、それぞれから照射されるレーザ光の照射条件を任意に設定自在であるレーザヘッドと、鋼材を固定設置するとともに、複数のレーザヘッドに対する鋼材の長手方向での相対的な位置移動を行うテーブル部と、テーブル部に固定設置された鋼材を撮影することで、鋼材の位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報取得部にて取得された位置情報に基づいて、テーブル部と複数のレーザヘッドとの動作制御を行う制御部と、複数条の転動体転走面のレーザ光照射位置近傍に対して気体を吹き付けるための気体ノズルと、を備えるレーザ焼入れ装置について説明した。かかるレーザ焼入れ装置によって焼入れ処理を施された軌道レール11等の焼入れ鋼材は、複数の焼入れ箇所での組織が各焼入れ箇所ごとでマルテンサイト組織を主体とした略同一の様相を呈するように形成されるので、例えば、運動案内装置10に用いられる軌道レール11の場合には、高い案内精度や長寿命といった優位な効果を発揮することが可能となる。
なお、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、2条の第一,第二転動体転走溝11a,11aに対して同時にレーザ焼入れを実施する場合の形態を例示して説明したが、図6に示すように、軌道レール11が有する4条すべての転動体転走溝11a,11a,11a,11aに対してそれぞれ4つのレーザヘッド31a,31b,31c,31dを用意し、4箇所を一度にレーザ焼入れすることも可能である。また、当然ながら、転動体転走溝の条数については、何条であっても本発明に係るレーザ焼入れ方法を適用することが可能である。
また、上述した実施形態では、リニアガイドとしての運動案内装置10に用いられる軌道レール11に対してレーザ焼入れする場合を例示して説明したが、本発明に係るレーザ焼入れ方法の適用範囲はリニアガイド用の軌道レール11のみに限られず、リニアガイド用の移動ブロック13やボールねじに用いられるねじ軸、ボールスプラインに用いられるスプライン軸、回転ベアリングに用いられる内輪や外輪など、複数の転動体転走面を有するあらゆる型式の運動案内装置や軌道部材等を構成する鋼材に対しても、本発明方法を適用することが可能である。
さらに、上述した本実施形態の転動体転走溝は、複数のボールが転走するためのものであったが、本発明方法の適用範囲は、ボール用の断面曲線形状を有する転動体転走溝11aには限られず、ローラ用の断面直線形状を有する転動体転走面など、あらゆる形状の転動体転走面に用いることが可能である。
またさらに、図3にて示した本実施形態に係るレーザ焼入れ装置30については、種々の変更形態を採用することが可能であり、例えば、量産化設備としての自動化された搬入および搬出機構を備えた大規模な装置として構成することが可能である。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 運動案内装置、11 軌道レール、11a,11a,11a,11a,11a 転動体転走溝、30 レーザ焼入れ装置、31a,31b,31c,31d レーザヘッド、32 テーブル部、33 CCDカメラ、34 コンピュータ端末、35 気体ノズル。

Claims (5)

  1. 運動案内装置の構成部材であって長手方向と直交する軸直交断面が略矩形状をした軌道部材に形成される複数条で同一形状をした転動体転走面に対してレーザ光を照射することで、所望の品質を有する運動案内装置の軌道部材を得るために用いられ、
    レーザ光を照射するためのレーザヘッドを前記複数条で同一形状をした転動体転走面のそれぞれに対して1つずつ設置し、前記複数条で同一形状をした転動体転走面に対して前記複数のレーザヘッドから同時にレーザ光を照射するとともに、前記複数のレーザヘッドのそれぞれから照射されるレーザ光が異なる照射条件にて各レーザヘッドごとに照射されるレーザ焼入れ方法であって、
    前記軌道部材に形成される複数条で同一形状をした転動体転走面のうち、熱が逃げ難い前記軌道部材の軸直交断面における上面近傍に位置する転動体転走溝よりも、熱が逃げ易い前記軌道部材の軸直交断面における側面に位置する転動体転走溝の方が、より大きい出力のレーザ光を照射されるように設定されることで、焼入れされた前記複数条で同一形状をした転動体転走面のすべてが略同一の品質を有するように焼入れ処理されることを特徴とするレーザ焼入れ方法。
  2. 請求項1に記載のレーザ焼入れ方法において、
    焼入れされた前記複数条で同一形状をした転動体転走面の表面硬化層を構成する組織が、各転動体転走面ごとで略同一のマルテンサイト組織を有するように焼入れ処理されることを特徴とするレーザ焼入れ方法。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ焼入れ方法において、
    焼入れされた前記複数条で同一形状をした転動体転走面の表面硬化層のマクロパターン深さが、各転動体転走面ごとで略同一の値を示すように焼入れ処理されることを特徴とするレーザ焼入れ方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のレーザ焼入れ方法において、
    焼入れされた前記複数条で同一形状をした転動体転走面の表面硬化層の残留オーステナイト量を測定したときに、すべての転動体転走面での残留オーステナイト量の差が、質量%で2.4%以内となるように焼入れ処理されることを特徴とするレーザ焼入れ方法。
  5. 長手方向と直交する軸直交断面が略矩形状をした軌道部材と、
    前記軌道部材に複数の転動体を介して相対移動自在に取り付けられる移動体と、
    を有し、
    前記複数の転動体が、前記軌道部材と前記移動体との間に形成された負荷転走路と、その負荷転走路の一端と他端とを結ぶように前記移動体に形成された無負荷転走路とから構成される無限循環路に無限循環可能に設置されることにより、前記移動体の前記軌道部材に対する相対的な往復運動が自在とされる運動案内装置であって、
    前記軌道部材には、前記負荷転走路の一部を構成する複数条で同一形状をした転動体転走面が形成されており、
    当該軌道部材には、
    レーザ光を照射するためのレーザヘッドを前記複数条で同一形状をした転動体転走面のそれぞれに対して1つずつ設置し、前記複数条で同一形状をした転動体転走面に対して前記複数のレーザヘッドから同時にレーザ光を照射するとともに、前記複数のレーザヘッドのそれぞれから照射されるレーザ光を異なる照射条件にて各レーザヘッドごとに照射し、さらに、前記軌道部材に形成される複数条で同一形状をした転動体転走面のうち、熱が逃げ難い前記軌道部材の軸直交断面における上面近傍に位置する転動体転走溝よりも、熱が逃げ易い前記軌道部材の軸直交断面における側面に位置する転動体転走溝の方が、より大きい出力のレーザ光を照射されるように設定されるレーザ焼入れ装置を用いた焼入れ処理が施されており、
    焼入れ処理が施されている前記軌道部材における前記複数条で同一形状をした転動体転走面の表面硬化層は、
    構成組織が、各転動体転走面ごとで略同一のマルテンサイト組織を有し、
    マクロパターン深さが、各転動体転走面ごとで略同一の値を示し、
    残留オーステナイト量を測定したときに、すべての転動体転走面での残留オーステナイト量の差が、質量%で2.4%以内であることを特徴とする運動案内装置。
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