JP5488951B2 - 液晶表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関する。
図12は従来の液晶表示パネルの額縁近傍の構造を示した断面図である。この液晶表示パネル1には、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等のスイッチング素子がマトリクス状に形成されたTFT基板2と、カラーフィルタ(CF)やブラックマトリクス(BM)等が形成されたCF基板3とを有し、これらの基板の対向面には配向処理が施された配向膜9が形成されている。そして、両基板間に所定のギャップ(間隙)を形成させる為に柱スペーサ10とシール材5とが形成され、そのギャップに液晶材4が封入されている。
ここで図13に従来の液晶表示パネルの貼り合せ工程フローを示す。シール塗布工程において、シール材をTFT基板の所定の位置に塗布して外周(補助)シール及び本シールを未硬化の状態で形成し、続いてAg塗布工程において、AgトランスファーをTFT基板の所定の位置に打点状に塗布していた(TN(Twisted Nematic)モードの液晶表示パネルを作製する場合)。次に、液晶滴下工程において、液晶材を所定の滴下量で、前記本シール内側の所定の位置にマトリックス状、線状或いは放射状に滴下していた。
次に、CF基板の画素領域に、基板間に所定のギャップを形成させる為の柱スペーサ或いは球状スペーサを予め配置し、貼り合せ工程において、前記両基板を接触・加圧することによって、基板間の画素領域全域に液晶材を均一に拡散させながら基板間のギャップを均一に形成していた。
そして、次工程への搬送の際、貼り合せ基板の嵌合ずれを防止する為に、シール材の仮止めとして部分的に数箇所のUV仮硬化を行っていた。このとき、液晶材は時間経過と共に速やかに拡散し、画素領域からその外側の額縁BM形成部を通過してシール材にまで達しており、シール材と接触していた。次のUV硬化工程において、UV照射によりシール材を硬化させていた(このときシール材は半硬化状態である)。従来の方法では、このUV硬化工程を完了させるまでの間、未硬化状態のシール材と液晶材とが長時間接触していたことになる。更に、次の熱硬化工程において、シール材を完全硬化させていたが、このときも初期の半硬化状態のシール材と液晶材とは接触し続けていた。
このように、従来の構造では、貼り合せ工程、UV硬化工程或いは熱硬化工程において、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材とが接触することにより、図12に示すように、不純物イオンなどの多量の不純物がシール材5から液晶材4へ溶出し、液晶材4を汚染させる問題が発生していた。この液晶材4を汚染する物質として、未硬化或いは半硬化状態のシール材5から溶け出すオリゴマー成分、フタル酸エステルなどの有機物、Na、K、Clなどのイオン性不純物などが一例として挙げられる。また、更に液晶材4が未硬化或いは半硬化状態のシール材5と接触し、液晶材4がシール材5とその下地との界面部を浸食することで、シール材5が塗布された基板界面部においてシール接着強度が低下する問題が発生していた。その結果、信頼性試験後の液晶表示パネルのシール周辺部において、シミ、ムラ及びシール剥離などの課題が発生するなど、液晶表示装置の表示品位、信頼性に問題が生じていた。
このような未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材とが接触することに起因した液晶材の汚染及びシール材の接着強度の低下の問題を解決する技術として、(1)障壁を用いた技術と、(2)表面エネルギーを高くする技術とがある。
(1)の障壁を用いた技術を用いた技術は、図14に示すように、TFT基板2の画素領域とシール材5を塗布する領域の間に凸部12を形成し、前記凸部12と前記凸部12に対向するCF基板3との距離を狭く調整することで液晶材4の拡散を抑制するものである。この方法に関連する従来例として、特開平11-38424号公報と特開2003-315810号公報とがあり、特開平11-38424号公報では、TFT基板の画素領域とシール材5を塗布する領域に凸部12を形成し、凸部12の頂部には配向膜として垂直配向膜を形成することについて開示している。特開2003-315810号公報では、図15に示すように、画素領域内或いは、画素領域内及び画素領域外に液晶材4の流動制御壁13を多数形成することについて開示している。
(2)の表面エネルギーを高くする技術に関する従来例として、特開平10−260406号公報があり、この公報では、表示領域から離れた位置の配向膜を表面改質することにより、表示領域の配向膜よりも表面エネルギーを高くすることについて開示している。
特開平11-38424号公報 特開2003-315810号公報 特開平10−260406号公報
しかしながら、特開平11-38424号公報では液晶材の流れを直接止める為の凸部を、前記凸部が対向する基板との間隙が極めて小さくなるように形成している為、液晶材の汚染という課題はある程度解消されるが、液晶止め用凸部を形成することによるシール周辺部のギャップ均一性悪化を招くことについては配慮されていない。すなわち、上記公報による抑制方法は、液晶材の流れを直接止める為の凸部で液晶拡散を抑制するものであり、凸部高さなどで制御する方法である。その為、液晶拡散速度を減少させるにはシール周辺部に、凸部高さを大きく且つ広範囲に凸部を形成させる必要があり、凸部高さのばらつき具合によっては凸部と対向する基板とが局所的に接触する問題が起き、この接触により局所的な応力が発生し、シール周辺部のギャップばらつきを招くことになる。その結果、額縁BM形成部と画素領域との境界部で表示品位の低下が発生する。このことは凸部と基板間距離が短くなるほど顕著に現れる。
また、特開2003-315810号公報では液晶材の流れを直接止める為の凸部状の流動制御壁を多数配置している為、液晶材の汚染という課題はある程度解消されるが、前記流動制御壁を対向する基板に接触するように多数配置させることによる画素領域及びシール周辺部でのギャップ均一性悪化を招くことについては配慮されていない。すなわち、上記公報による抑制方法は、液晶材の流れを直接止める為の凸部状の流動制御壁を多数配置することで液晶拡散を抑制するものであり、流動制御壁の配置数などで制御する方法である。この流動制御壁を画素領域内或いは、画素領域内及び画素領域外に、前記流動制御壁に対向する基板に接触するように多数配置させている為、画素領域、シール周辺部での接触応力によるギャップばらつきを招くことになる。その結果、画素領域の表示品位の低下、額縁BM形成部と画素領域との境界部での表示品位の低下が発生する。
また、特開平10−260406号公報では表示領域から離れた位置の配向膜を、表示領域の配向膜よりも表面エネルギーを高くすることで、液晶表示パネル作製後にシール材中のイオン性不純物が液晶材へ拡散することによる液晶材の汚染という課題はある程度解消されるかも知れないが、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材が接触することに何ら違いはない。すなわち、上記公報による抑制方法では、表示領域から離れた位置の配向膜を、表示領域の配向膜よりも表面エネルギーを高くすることで、液晶表示パネル作製後にシール材から液晶材へと溶け出す或いは既に溶け出していたイオン性不純物を吸着させ、液晶材へと拡散するのを抑制するに過ぎず、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材が接触することで製造中から多量に溶け出すイオン性不純物を事前に抑制することが出来ない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、シール材から溶け出す不純物による液晶材の汚染及びシール材の接着強度の低下を抑制し、液晶表示装置の表示品位、信頼性を向上させることが出来る液晶表示装置及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、対向する一対の基板が画素領域を囲む閉曲線状のシール材で接着され、前記一対の基板間の前記シール材で囲まれる領域に液晶材が挟持されてなる液晶表示装置において、前記画素領域の外周側かつ前記閉曲線状のシール材の内周側に額縁領域を有し、少なくとも一方の基板の前記額縁領域の少なくとも一部における前記液晶材と接する膜面が、前記画素領域における前記液晶材と接する膜面よりも、前記額縁領域を通過する前記液晶材の拡散速度を減少させるような表面粗さの大きな粗面形状であり、前記表面粗さの大きな粗面形状は、柱状又は櫛歯状の凹凸が多数配置された構造、或いは、空孔が多数配置された構造であり、前記表面粗さの大きな粗面形状の膜面が、撥液晶膜からなるものである。

本発明の液晶表示装置及びその製造方法によれば、下記記載の効果を奏する。
本発明の第1の効果は、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材が接触することによる液晶材の汚染及びシール材の接着強度の低下を抑制することが出来るということである。その理由は、CF基板の額縁BM形成部及びそれに対向するTFT基板の遮光領域に形成される膜の表面に、液晶拡散を制御する為の微細な粗面形状を形成することで、この部分での液晶材に対する表面エネルギーを低下させ、その結果、液晶材に対する濡れ性を低下させ、液晶拡散速度を減少させることが出来るからである。
また、本発明の第2の効果は、信頼性が各段に向上した高品質の液晶表示装置を提供することが可能となるということである。その理由は、額縁BM形成部におけるCF基板とTFT基板間との距離を短くする必要がないため、額縁BM近傍のギャップ均一性を悪化させることなしに、必要とする液晶拡散速度を得ることが出来るからである。これは狭額縁化構造或いは高速応答性など、シール材と液晶材が接触し易い製品設計である液晶表示装置に対しても有効な手段となる。
背景技術で示したように、貼り合せ工程、UV硬化工程或いは熱硬化工程において、液晶材の拡散を制御出来ていない為に、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材が接触することによる液晶材の汚染及びシール接着強度の低下という問題が発生していた。そこで、本発明では、画素領域の外周側かつシール材塗布領域の内周側の領域に形成される膜の表面に、液晶拡散を制御する為の粗面形状を形成し、液晶材との接触界面部の表面積を増加させることで、表面エネルギーを低下させる、即ち液晶材に対する濡れ性を低下させ、液晶拡散速度を減少させる。
具体的には、互いに対向した、額縁領域に有機膜或いは無機膜からなるブラックマトリクス(額縁BM)を形成したCF基板と、額縁領域に有機膜或いは無機膜を形成したTFT基板のいずれか一方或いは双方にシール材を塗布し、液晶材を封入する液晶表示パネルにおいて、液晶滴下後の貼り合せの際に、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材が接触することに起因した液晶材の汚染及びシール材の接着強度の低下を抑制することを目的に、CF基板の額縁BM及びそれに対向するTFT基板の膜の表面に、液晶拡散(液晶材が移動し、広がる現象を指す。)を制御する為の微細な粗面形状を設ける。その結果、シール材が未硬化或いは半硬化状態で液晶材と接触することを抑制することができ、信頼性が各段に向上した高品質の液晶表示装置を提供することが可能となる。以下、図面を参照して説明する。
[実施形態1]
図1は本発明の第1実施形態の液晶表示パネルの構造を示した断面図である。この液晶表示パネル1には、スイッチング素子がマトリクス状に形成された一方の基板(以下、TFT基板2と呼ぶ。)とカラーフィルタやブラックマトリクス等が形成された他方の基板(以下、CF基板3と呼ぶ。)とを有し、前記TFT基板2の額縁部(周縁部)の液晶材4と接する表面には有機膜或いは無機膜が形成されており、前記CF基板3の額縁部には有機膜或いは無機膜からなる額縁BM6が形成されている。また、これらの基板の対向面の画素領域には少なくとも配向処理が施された配向膜9が形成されている。そして、前記対向した両基板の所定のギャップ(間隙)を維持する為に、柱スペーサ10とシール材5とが形成され、そのギャップに液晶材4が封入されている。
液晶を封入する方式として、液晶注入方式と液晶滴下方式とがあるが、液晶注入方式では液晶を封入する前にシール材は既に硬化が完了しているのに対し、液晶滴下方式では硬化は完了しておらず、液晶滴下後に硬化させるという違いがある。また、液晶注入方式のシール材は画素領域を囲うが、液晶を注入させる必要がある為に閉曲線状に形成することが出来ず、その一部に孔を設ける必要がある。それに対し、液晶滴下方式のシール材は画素領域を囲うように閉曲線状に形成するという違いがある。その為、液晶滴下方式の場合、未硬化或いは半硬化状態のシール材5と液晶材4が接触することによる液晶材4の汚染及びシール材5の接着強度が低下するという課題が顕著に発生する。また。液晶表示装置の技術の進展に伴い、表示の役割に関与しない額縁部、即ち画素領域とシール塗布位置の間を狭くする狭額縁化構造が採用されつつあるが、このことは前記課題をより顕在化させるものである。
そこで、本発明では、未硬化或いは半硬化状態のシール材5と液晶材4とが接触することによる液晶材4の汚染及びシール材5の接着強度の低下を防止する為に、CF基板3の額縁BM6及びそれに対向するTFT基板2の液晶材4と接する膜の表面(以下、額縁BM6で遮光される前記パネル部位を、遮光部と称す。)を、液晶拡散を制御する為の微細な粗面形状11としている。このように膜面を微細な粗面形状11とすることで、この部分での液晶材4に対する表面エネルギー(平均化された一様な表面エネルギーを前提とする。)を低下させることが可能となり、液晶材4と基板との接触角が増大し、濡れ性を低下させることが出来る。
図2に微細な粗面形状の形成領域を示す。微細な粗面形状11は、液晶表示パネル1のTFT基板2及びCF基板3のそれぞれの画素領域とシール塗布位置の間に、一例として詳細に述べれば画素領域の外周領域とシールパターンの内周領域の共通部分で形成される額縁領域に対し、閉曲線状に形成されている。また、液晶材の拡散をより制御する為の微細な粗面形状の形成領域の一例を図3に示す。微細な粗面形状11は、液晶表示パネル1のTFT基板2及びCF基板3のそれぞれの画素領域とシール塗布位置との間に、パネルコーナー部を除く額縁領域に形成されている。これは画素領域内に液晶材を滴下する位置がシール塗布位置に対し、パネルコーナー部の方がパネル辺部に比べ遠くなる場合、パネルコーナー部においてはパネル辺部より液晶材のシール塗布位置への到達時間が比較的に長くなることを考慮したものである。
ここで、図4に本発明の液晶表示パネル工程フローを示す。CF基板の粗面形状形成工程において、画素領域からシール塗布位置間の額縁BMの最表面上すなわち液晶封入後に液晶材と接する膜面に対し、接触角が増大するように微細な粗面形状を施す。このようにして額縁BMに、貼り合せ工程アウト〜熱硬化工程インまでのリードタイムを考慮して設定した所定範囲の粗面形状を形成させる。なお、額縁BMが形成されていないCF基板の場合には、画素領域からシール塗布位置間の液晶材と接する有機膜或いは無機膜に微細な粗面形状を形成させれば良い。また、CF基板の画素領域には、基板間に所定のギャップを形成させる為の柱スペーサが予め形成されているが、柱スペーサが形成されていないCF基板を用いる場合は、粗面形状形成完了後にポリマービーズ、シリカビーズ等の絶縁性の球状スペーサを配置させても良い。
一方、TFT基板の粗面形状形成工程においては、CF基板の前記粗面形状に対向する画素領域からシール塗布位置間のTFT基板の有機膜或いは無機膜の膜面上に対し、同様に微細な粗面形状を施す。例えば、ゲート絶縁膜として使用されるSiNx、画素電極として使用されるITO(Indium Tin Oxide)などの無機膜、或いは前記SiNxよりも更に絶縁性を向上させる為のノボラックなどの有機膜の最表面上に対し、微細な粗面形状を施す。このようにして、TFT基板側にもCF基板と同様に所定範囲の粗面形状を形成させる。
なお、図4では、上記粗面形状形成工程を、ラビング洗浄・乾燥工程の次工程として設けた場合を例にしているが、パネル製造工程の先頭である基板(TFT/CF)洗浄工程の前に粗面形状形成工程を設けても良く、或いは、TFT製造工程の絶縁膜等を形成させるエッチング工程中で粗面形状を予め形成しても良い。すなわち、TFT基板、CF基板のどちらの基板であっても、液晶滴下工程よりも上流側の工程に粗面形状形成工程を設ければよい。
次に、シール塗布工程において、シール材を前記TFT基板の所定の位置に外周(補助)シール及び本シールとしてそれぞれ塗布するが、少なくとも貼り合わせ後に本シールが閉曲線状のシールパターンを形成するように塗布する。続いて、Ag塗布工程において、Agトランスファーを基板の所定の位置に打点状に塗布する(Ag塗布工程は、TNモードの液晶表示パネルを作製する場合に実施し、IPS(In Plane Switching)モードではこの工程は省かれる)。次に、液晶滴下工程において、液晶材を前記シールと接触しないように、所定の滴下量を所定の位置にマトリックス状(マトリックス状に多数打点)、線状或いは放射状等任意の形状で滴下する。
その後、貼り合せ工程において、前記TFT基板と前記CF基板とが互いに対向するようにして、接触・加圧することで、基板間の画素領域及び周辺部に液晶材を均一に拡散させながら、基板間のギャップを均一に形成させる。このとき、画素領域にギャップ均一性を持たせる為には、画素領域にける液晶材の拡散は速い方が良い。これはTFT基板とCF基板を加圧させる間に、液晶材の拡散を速くすることで画素領域内の液晶層を均一にする方が画素領域のギャップ均一性が保たれるからである。それに対し、液晶材の拡散が遅い場合、画素領域の中心部が画素領域の周辺部に比べ液晶層が厚く(太鼓腹状態)なり、ギャップ均一性が損なわれることとなる。
次に、UV硬化工程への搬送の際、貼り合せ基板の嵌合ずれを防止する為に、シール材の仮止めとして、外周シールに対して部分的に数箇所のUV仮硬化を行うことが好ましい。このとき、液晶材は時間経過と共に更に画素領域を速やかに拡散して行き、額縁BM形成部にまで達しているが、この額縁領域においては本発明の微細な粗面形状により液晶材の拡散速度は低下し、シール材には接しない。この状態で次のUV硬化工程において、所定量のUV照射によりシール材を硬化させる(このときシール材は半硬化状態となる)。この液晶拡散制御により、未硬化状態のシール材と液晶材が接触するのを防ぐことが出来る。
そして、次の熱硬化工程において、所定の温度で加熱することによりシール材を完全硬化させ、必要とする接着強度を持たせる。このときも本発明の微細な粗面形状により、液晶材の拡散を制御し続けている為、液晶材はシール材とは接しない。このようにして、半硬化状態のシール材と液晶材が接触することを抑制することが出来る。そして液晶材は加熱とともに次第に粘性が下がり、熱硬化が完了するときには本シール内側全領域に拡散・充填され、シール材と液晶材とが接し合い、額縁BM近傍においてもギャップの均一性が確保される。この後、作製した液晶表示パネルは、ACF(Anisotropic Conductive Film)貼付/TCP(Tape Carrier Package)圧接工程、基板圧接工程を経て、組立工程でバックライト光源を取り付けられ、液晶表示装置が完成する。
このように、本発明では、TFT基板2及びCF基板3の画素領域とシール塗布位置の間の額縁領域に形成される有機膜或いは無機膜の膜面を微細な粗面形状とすることで、液晶材に対する表面エネルギーを低下させ、額縁領域を通過する液晶材の拡散速度を減少させ、未硬化或いは半硬化状態のシール材と液晶材とのが接触を抑制することができる。
なお、粗面形状は画素領域から外側に形成すれば良く、さらにシール材と基板との密着性を向上させるには、シール塗布位置まで延在して形成すると好適である。また、このように配置された粗面形状は、ギャップ形成からシール材硬化までのリードタイムを考慮して、幅やその粗さを適宜設定すれば良い。また、粗面形状の設定によっては、これを配置した部位の液晶の配向が乱れ、液晶表示装置の表示状態に課題(例えば光漏れ)が生じる場合もあるが、その対応は遮光部に粗面形状を配置すれば良い。また、図1では額縁BMとシール材との間に間隔を有する例を示したが、上記で説明したように、額縁BMは必要に応じてシール材の下まで延在させることが出来る。
[実施形態2]
図5は本発明の第2実施形態の液晶表示パネルの構造を示した断面図である。この液晶表示パネル1は、図1に示す第1の実施形態の液晶表示パネルにおいて、額縁BM6を構成する膜の表面及びそれに対向するTFTを構成する膜の表面すなわち液晶材と接する膜面に、例えばゲート/ドレイン/層間絶縁膜/保護膜の表面の所望の位置に、微小凹凸の粗面構造11aを付与した構成となっている。
この微小凹凸の粗面構造11aは高い撥液晶性を示す。Wenzelの理論は膜表面粗度と濡れ性との関係を論じたものであるが、膜表面を粗くすれば濡れ性は低下する。膜表面を粗くすることで液晶材に対する濡れ性が低下するのは、液晶材と膜表面とが接する面積が増大することによる(A.W.Adamson著、「Physical Chemistry of Surfaces (John Wiley & Sons, New York )」)。すなわち、本発明ではWenzelの理論でも明確になっているように、膜表面を粗くすることにより、表面エネルギーを低下させる、即ち液晶材に対する濡れ性を低下させ、その接触角を増大させることで、前記したようにパネル貼り合せ時の液晶の拡散速度を低下させるものである。
但し、単に表面積を増加させる為に凹凸形状を形成しても、液晶材の拡散を制御出来ずに最終的な液晶材の拡散が滞る不具合が発生する。その結果、額縁部においてのギャップ均一性の悪化を引き起こすことも有るので、本発明の微小凹凸の粗面構造11aの形状で、閉曲線状に形成させることが重要となる。その対応を以下に説明する。
図6に本発明に関する粗面構造の形状例を示す。これは、本発明の液晶表示パネルの額縁部を断面方向及び正面方向から見た模式図である。CF基板の額縁BM及びTFT基板の無機膜或いは有機膜の最表面上すなわち液晶材と接する膜面に、柱状、櫛歯状或いは空孔状などの粗面構造を規則的に或いは不規則に有している。柱状は正方形の微小凹凸を規則的に付与した構造であり、櫛歯状は長方形の微小凹凸を規則的に付与した構造であり、また、空孔状は多数の微細な孔を不規則に付与した構造である。
このような粗面構造、すなわち液晶材との接触界面部の表面積を増加させるような表面状態とすることで、額縁BMを通過する液晶材の拡散速度を減少させる効果が得られる。これは、液晶材との接触界面部の表面粗さを大きく、即ち表面積を増加させると、平滑面であるときに比べて表面エネルギーが低下し、接触角が増加していくからである。また、表面エネルギーを低下させ接触角を増加させるには、前記したように接触界面部分の表面粗さを大きくし接触面積を広げれば良く、このとき粗面構造の凹凸が均一或いは不均一な高さで連続したものであっても良い。
図7に柱状の粗面構造の場合の、液晶材との接触界面部の表面粗さと接触角との関係を示す。ここで表面粗さパラメータとして、算術平均粗さ〔Ra〕/凹凸平均間隔〔Sm〕を算出した(Ra及びSmは、JIS B0601-1994による)。この値が大きいと、粗面部の表面粗さが大きく、粗面形状の形成領域における1μm2の単位面積当たりの、液晶材が接する部分の表面積が大きいことを示している。図7より、単位面積当たりの微小凹凸の粗面層の表面粗さが大きくなるにつれ、液晶材に対する接触角は増加することが判る。なお、ここでの粗面層は無機膜であるITO膜面上に付与させた場合である。同様に有機膜上に付与させた場合が、有機膜はもともと無機膜の場合に比べ撥液晶性が高い為、平滑面のときの液晶材に対する接触角は若干大きめであるが、無機膜と同様に単位面積当たりの粗面層の表面粗さが大きくなるにつれ、液晶材に対する接触角は増加することを確認している。
図8は画素領域からシール塗布位置間、すなわち液晶材と接する膜面に前記微小凹凸の粗面層を形成させたTFT基板に対し、液晶材をマトリックス状に滴下させたときの状態(ここでは1滴分)を示す模式図である。本発明の微細構造は液晶材の滴下量(約8mmφ)よりも遥かに小さい表面粗さを有している。粗面層の形成方法としては、収束イオンビーム(FIB)、フェムト秒レーザ、エッチング及びプラズマアッシングなどがある。
柱状、櫛歯状の微細構造においては、0.1〜10μmの範囲内の大きさで垂直方向に深い構造となるように、等ピッチに額縁BM表面及びそれに対向するTFT基板の膜面をエッチングして形成する。例えば柱状構造であれば、各辺が0.5μmの正方形の柱となるように表面を深さ0.5μmまで垂直方向にエッチング処理し、これを1μmピッチで柱状の粗面層を規則的に形成させることが出来る。このように柱状構造であれば、柱の底辺の幅と柱の高さの関係が、〔高さ〕/〔底辺の幅〕≧1以上となるように設定する。また櫛歯状構造であれば、1辺を0.5μm、他の1辺を5μmとする長方形の櫛歯となるように、表面を深さ0.8μmまで垂直方向に更に深い構造となるようエッチング処理し、これを1μmピッチで櫛歯状の粗面層を規則的に形成させることが出来る。このように櫛歯状構造においても、櫛歯の短辺側底辺の幅と櫛歯の高さの関係が、〔高さ〕/〔底辺の幅〕≧1以上となるように設定する。
また、空孔状の微細構造においては、アッシング処理により額縁BM表面上及びそれに対向するTFT基板の膜面上には多数の微細な空孔を形成させることが出来る。空孔径としては100nm以下であり、マクロ孔からマイクロ孔まで幅広い細孔分布を有し、表面積を増加させるような表面状態としている。
以上説明したように、柱状、櫛歯状の微細構造においては多数の突起のような垂直方向に深い構造とすることで、空孔状の微細構造においては多数の微細な空孔を形成させることで、表面エネルギーを低下させる効果をより増大させることができる。
[実施形態3]
図9は本発明の第3実施形態の液晶表示パネルの構造を示した断面図である。この液晶表示パネル1は、図1に示す第1の実施形態の液晶表示パネルにおいて、額縁BM6の表面及びそれに対向するTFT基板2の膜面すなわち液晶材と接する膜面に対し、粗面形状の形成領域に、粗面層と撥液晶膜を順次形成させた構成となっている。粗面化したTFT基板2及びCF基板3の上に發液晶膜を形成することで、前記撥液晶膜の表面粗さが増大し、前記撥液晶膜の撥液晶性と表面粗さの相乗作用により、液晶材に対する濡れ性が更に低下し、額縁BMを通過する液晶材の拡散速度をより減少させる効果が得られる。このように、液晶材の拡散速度をより抑制することが出来るので、狭額縁化構造に設計された液晶表示パネル或いは低粘度の液晶材を使用した液晶表示パネルなどにも十分に対応することが出来る。
なお、撥液晶膜としては、フッ素皮膜、シリコーン皮膜などの皮膜が好適であり、10nm以上の厚さで前記膜を形成すれば、それぞれの皮膜と液晶材とがなす接触角はほぼ変化がないことを確認している。更に100nm以上とすれば、10nmの時と比べ接触角の変化は無いものの、ピンホール等のはじきや塗り残しもなく、安定した膜が形成出来ることを確認している。
図10に粗面形状による液晶拡散制御効果を示す概念図を示す。図10(b)は従来の基板貼り合せ時の液晶材の拡散状態を示しており、CF基板とTFT基板が接触・加圧されると、液晶材は画素領域から額縁BM形成部へと急速に拡散していく。その結果、拡散した液晶材がUV硬化する前の未硬化状態のシール材と接触することとなる。それに対して、図10(a)は本発明の基板貼り合せ時の液晶材の拡散状態を示しており、CF基板とTFT基板が接触・加圧されても、遮光部に、液晶材に対する接触角が増大するような粗面形状を施している為に、液晶材は額縁BM形成部にて拡散速度が著しく減少することとなる。その結果、液晶材がUV硬化する前の未硬化状態のシール材と接触するタイミングを遅らせ、未硬化状態のシール材と液晶材とが接触することを抑制出来る。
前記接触角を、液晶表示パネルに封入する液晶材を使用して、JIS R3257-1999「基板ガラス表面の濡れ性試験方法」に基づき測定すれば(例えば、協和界面科学製の接触角測定機DM300を使用)、撥液晶性の度合いを容易に確認出来る。この撥液晶性は粗面形状が形成されている限り、液晶表示パネルを解体し、アセトン、IPAにて付着している液晶材を除去後、再度測定しても再現する。なお、CF基板の前記額縁BM及びそれに対向するTFT基板の前記膜面に付与した粗面形状の液晶材に対する接触角は、画素領域の配向膜表面上の接触角よりも大きくなる。これはCF基板の前記額縁BM及びそれに対向するTFT基板の前記膜面に付与した粗面形状の表面粗さが、CF基板及びTFT基板の画素領域の表面層である配向膜表面上の表面粗さよりも大きくなるようにしているからである。
ここで、図11に本発明の実施形態に関わる額縁BM形成部での液晶拡散速度とギャップとの関係を示す。図中の×印は粗面層を形成しない場合、△印は正方形の微小凹凸を形成した柱状の粗面層のみ形成した場合、○印は前記柱状の粗面層の上にさらにフッ素皮膜を形成した場合を示している。
一般に液晶表示パネルにおいて、額縁BM形成部のギャップ、即ち額縁BMとTFT基板との間隙距離は、額縁BMにおいてCFとなる色層が形成されていない分もあり、画素領域の間隙(ギャップ)より大きい。図11より、額縁BMとTFT基板との間隙距離が短くなる、つまり画素領域のギャップが小さくなるほど、液晶拡散速度が次第に減少していくのが判る。しかしながら、遮光部に粗面形状を施していない場合、額縁BMとTFT基板との間隙距離をかなり短くしても速度減少に限界が有る。そこで更に速度を減少させる為に額縁BMとTFT基板とが接触するくらいまで距離を縮めると、部分的に額縁BMとTFT基板が接触するという問題が起きる。その結果、額縁BM近傍の接触した箇所でギャップ均一性が悪化し、周辺ムラという新たな不具合が発生することになる。
それに対し、表面積増加率の大きな、正方形の微小凹凸を形成した柱状の粗面層を形成、又は、前記柱状の粗面層の上にさらにフッ素皮膜などを形成することで、額縁BMとTFT基板間との間隙距離を極端に短くする必要がなく、液晶表示パネルの狙いの画素領域のギャップ或いは額縁BM幅に応じた粗面形状及びその表面粗さの設定が可能となる。その結果、額縁BM近傍のギャップ均一性を悪化させることなしに、必要とする液晶拡散速度を得ることが出来る。
なお、ここでの前記皮膜の形成膜厚は100nmとした。皮膜と液晶材とがなす接触角は前述のように約10nm以上でほぼ一定の値となるが、ここでは塗り残しによって発生するピンホール発生率も考慮し100nmとした。また、粗面形状の幅は、画素領域からシール塗布位置間の額縁BM幅の許容範囲内で設定することができ、貼り合せ工程アウト〜熱硬化工程インのリードタイムを考慮して設定すると良い。例えば、貼り合せ工程アウト〜熱硬化工程インまでのリードタイムを2.5分以内とするプロセス条件にて、額縁BMとTFT基板との間隙距離が2.0μmである液晶表示パネルを作製する時は、図11より額縁BMの表面上及びそれに対向するTFT基板の膜面上に粗面層となる粗面形状を具備する場合では、ばらつきを加味して粗面形状幅を4.8mm以上とすると良い。このようにすれば未硬化のシール材と液晶材が接することはない。
また、上記各実施形態ではCF基板及びTFT基板の両膜面に、液晶拡散を制御する為の粗面形状を施した構成を例に挙げて説明したが、CF基板或いはTFT基板の少なくとも一方に粗面形状を施した構成とすれば、液晶材の拡散速度を減少させることが可能な為、未硬化或いは半硬化のシール材と液晶材が接する時間を遅らせることができ、液晶材の汚染を抑制することが出来る。
以下の実施例において、本発明の液晶表示パネルの製造方法の具体例を説明するが、本発明の要旨を変更しない限り、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
まず、第1の実施例として、本発明の第2実施形態のIPSモードの液晶表示装置の製造方法を示す。
CF基板の粗面形状形成工程において、画素領域からシール塗布位置間の額縁BMの表面に対し、収束イオンビーム(FIB)装置にて微細加工を施し、各辺0.5μm、深さ0.5μmで1μmピッチの柱状の粗面層(〔Ra〕/〔Sm〕=0.25)を画素領域周辺部に閉曲線状に形成させた。また、額縁BM−TFT基板間の間隙距離が2.1μmである液晶表示パネルで、貼り合せ工程アウト〜熱硬化工程インまでのリードタイムを2分以内とするプロセス条件で作製する為に、粗面層幅を4.2mmとした(画素領域の間隙(ギャップ)の狙い値は2.0μm)。一方、TFT基板の粗面形状形成工程においても、CF基板の前記粗面層に対向する画素領域からシール塗布位置間のTFT基板の膜面に対し、同様な微細加工を施した。このようにしてTFT基板側にもCF基板と同様に、各辺0.5μmで1μmピッチの柱状の粗面層を4.2mm幅で閉曲線状に形成させた。
次に、シール塗布工程において、ハイブリッド型(UV+熱硬化)シール材を、画素領域を囲うように所定の位置に、外周(補助)シール及び本シールとしてそれぞれ閉曲線状に塗布した。次に、液晶滴下工程において、液晶材を前記本シール内側に、所定の滴下量を所定の位置にマトリックス状に滴下した。その後、貼り合せ工程において、前記両基板を接触・加圧することで、基板間の画素領域全域に液晶材を均一に拡散させながら、基板間のギャップを均一に形成させた。
そして、次工程への搬送の際、シール材の仮止めとして部分的に数箇所のUV仮硬化を行った。次に、UV硬化工程において、UV照射量3000mJにてシール材を硬化させた。このとき前記粗面層により、未硬化状態のシール材と液晶材が接触していないことを確認した。そして、次の熱硬化工程において、120℃、1時間加熱することによりシール材を完全硬化させた。このとき加熱開始時点では、前記粗面層により、半硬化状態のシール材と液晶材が接触していないことを確認した。その後、シール材の熱硬化が完了するときには、液晶材は本シール内側全領域に拡散・充填され、シール材と液晶材とが接し合い、額縁BM近傍においてもギャップが形成された。熱硬化完了後、液晶表示パネルの表示部及び額縁BM近傍のギャップ測定を実施した。その結果、表示部全領域で均一なギャップが得られていることを確認出来た。
このようにして作製した本発明の実施例である液晶表示装置の高温高湿試験を実施した。温度60℃、湿度60%環境化で1500h駆動試験を実施した結果、液晶表示パネルのシール周辺部におけるシミ、ムラ及びシール剥離の発生は確認されず、良好な表示状態であった。比較として、粗面形状を形成させていない液晶表示パネルを作製したが、駆動試験1000hに達する頃にシール周辺部においてシミが発生しているのが確認された。
次に、第2の実施例として、本発明の第2実施形態のIPSモードの液晶表示装置に対する別の製造方法を示す。
CF基板の粗面形状形成工程において、画素領域からシール塗布位置間の額縁BMの表面に対し、プラズマアッシング装置にてアッシング処理を施した。このとき処理ガスとして酸素或いは窒素と酸素の混合ガスを使用し、スキャン方式のプラズマアッシングヘッドを駆動させることで粗面形状の形成領域に対し、ピンポイントにプラズマ照射を施した。これより径が80nm以下の空孔状の粗面層を画素領域周辺部に閉曲線状に形成させた。また、額縁BM−TFT基板間の間隙距離が2.1μmである液晶表示パネルで、貼り合せ工程アウト〜熱硬化工程インまでのリードタイムを2分以内とするプロセス条件で作製する為に、粗面層幅を4.2mmとした(画素領域の間隙(ギャップ)の狙い値は2.0μm)。一方、TFT基板の粗面形状形成工程においても、CF基板の前記粗面層に対向する画素領域からシール塗布位置間のTFT基板の膜面に対し、同様なアッシング処理を施した。このようにしてTFT基板側にもCF基板と同様に、径が80nm以下の空孔状の粗面層を4.2mm幅で閉曲線状に形成させた。
次に、シール塗布工程において、ハイブリッド型(UV+熱硬化)シール材を、画素領域を囲うように所定の位置に、外周(補助)シール及び本シールとしてそれぞれ閉曲線状に塗布した。次に、液晶滴下工程において、液晶材を前記本シール内側に、所定の滴下量を所定の位置にマトリックス状に滴下した。その後、貼り合せ工程において、前記両基板を接触・加圧することで、基板間の画素領域全域に液晶材を均一に拡散させながら、基板間のギャップを均一に形成させた。
そして次工程への搬送の際、シール材の仮止めとして部分的に数箇所のUV仮硬化を行った。次のUV硬化工程において、UV照射量3000mJにてシール材を硬化させた。このとき前記粗面層により、未硬化状態のシール材と液晶材が接触していないことを確認出来た。そして、次に、熱硬化工程において、120℃、1時間加熱することによりシール材を完全硬化させた。このとき加熱開始時点では、前記粗面層により、半硬化状態のシール材と液晶材が接触していないことを確認した。その後、シール材の熱硬化が完了するときには、液晶材は本シール内側全領域に拡散・充填され、シール材と液晶材とが接し合い、額縁BM近傍においてもギャップが形成された。熱硬化完了後、液晶表示パネルの表示部及び額縁BM近傍のギャップ測定を実施した。その結果、表示部全領域で均一なギャップが得られていることを確認出来た。
このようにして作製した本発明の実施例である液晶表示装置の高温高湿試験を実施した。温度60℃、湿度60%環境化で1500h駆動試験を実施した結果、液晶表示パネルのシール周辺部におけるシミ、ムラ及びシール剥離の発生は確認されず、良好な表示状態であった。比較として、粗面形状を形成させていない液晶表示パネルを作製したが、駆動試験1000hに達する頃にシール周辺部においてシミが発生しているのが確認された。
次に、第3の実施例として、本発明の第3実施形態のTNモードの液晶表示装置の製造方法を示す。
CF基板の粗面形状形成工程において、画素領域からシール塗布位置間の額縁BMの表面に対し、収束イオンビーム(FIB)装置にて微細加工を施し、各辺0.5μm、深さ0.5μmで1μmピッチの柱状の粗面層(〔Ra〕/〔Sm〕=0.25)を画素領域周辺部に閉曲線状に形成させた。更に前記柱状の粗面層に対し、成膜装置にてフッ素系分子を局所的に堆積させた後、重合処理を行うフッ素化処理を施し、膜厚が約100nmのフッ素皮膜を形成させた。また、額縁BM−TFT基板間の間隙距離が1.8μmである狭額縁化構造の液晶表示パネルで、貼り合せ工程アウト〜熱硬化工程インまでのリードタイムを2分以内とするプロセス条件で作製する為に、粗面層幅を2.8mmとした(画素領域の間隙(ギャップ)の狙い値は1.7μm)。一方、TFT基板の粗面形状形成工程においても、CF基板の前記粗面層+フッ素皮膜に対向する画素領域からシール塗布位置間のTFT基板の膜面に対し、前記同様に粗面形状と撥液晶膜を施した。このようにしてTFT基板側にもCF基板と同様に、各辺0.5μmで1μmピッチの柱状の粗面層と100nmのフッ素皮膜を2.8mm幅で閉曲線状に形成させた。
次に、シール塗布工程において、ハイブリッド型(UV+熱硬化)シール材を、画素領域を囲うように所定の位置に、外周(補助)シール及び本シールとしてそれぞれ閉曲線状に塗布した。次に、Ag塗布工程において、Agトランスファーを前記本シール外側の所定の位置に打点状に塗布した。次に、液晶滴下工程において、液晶材を前記本シール内側に、所定の滴下量を所定の位置にマトリックス状に滴下した。その後、貼り合せ工程において、前記両基板を接触・加圧することで、基板間の画素領域全域に液晶材を均一に拡散させながら、基板間のギャップを均一に形成させた。
そして、次工程への搬送の際、シール材の仮止めとして部分的に数箇所のUV仮硬化を行った。次のUV硬化工程において、UV照射量3000mJにてシール材を硬化させた。このとき前記粗面層により、未硬化状態のシール材と液晶材が接触していないことを確認出来た。そして、次に、熱硬化工程において、120℃、1時間加熱することによりシール材を完全硬化させた。このとき加熱開始時点では、前記粗面層により、半硬化状態のシール材と液晶材が接触していないことを確認した。その後、シール材の熱硬化が完了するときには、液晶材は本シール内側全領域に拡散・充填され、シール材と液晶材とが接し合い、額縁BM近傍においてもギャップが形成された。熱硬化完了後、液晶表示パネルの表示部及び額縁BM近傍のギャップ測定を実施した。その結果、表示部全領域で均一なギャップが得られていることを確認出来た。
このようにして作製した本発明の実施例である液晶表示装置の高温高湿試験を実施した。温度60℃、湿度60%環境化で1500h駆動試験を実施した結果、液晶表示パネルのシール周辺部におけるシミ、ムラ及びシール剥離の発生は確認されず、良好な表示状態であった。比較として、粗面形状を形成させていない液晶表示パネルを作製したが、駆動試験1000hに達する頃にシール周辺部においてシミ及び一部のシール剥離が発生しているのが確認された。
本発明は、対向する一対の基板間に液晶を挟持する液晶表示パネル及びその製造方法並びに該液晶表示パネルを用いる液晶表示装置に利用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る液晶表示パネルの額縁近傍の構造を示す断面図である。 本発明の粗面形状の形成領域を示す液晶表示パネルの平面図である。 本発明の粗面形状の形成領域を示す液晶表示パネルの平面図である。 本発明の液晶表示パネルの製造工程を示すフロー図である。 本発明の第2の実施形態に係る液晶表示パネルの額縁近傍の構造を示す断面図である。 本発明の粗面構造の形状例を示す断面図である。 液晶材との接触界面における表面粗さと接触角の相関関係を示す図である。 本発明の画素領域からシール塗布位置の間に粗面形状を形成させたTFT基板の模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る液晶表示パネルの額縁近傍の構造を示す断面図である。 粗面形状による液晶拡散制御効果を示す概念図であり、(a)は本発明の基板貼り合せ時の液晶拡散、(b)従来の基板貼り合せ時の液晶拡散を示している。 額縁BM形成部における液晶拡散速度とギャップとの相関関係を示す図である。 従来の液晶表示パネルの額縁近傍の構造を示す断面図である。 従来の液晶表示パネルの製造工程を示すフロー図である。 従来の液晶表示パネルの額縁近傍の他の構造を示す断面図である。 従来の液晶表示パネルの他の構造を示す断面図である。
符号の説明
1 液晶表示パネル
2 TFT基板
3 CF基板
4 液晶材
5 シール材
6 額縁BM
7 色層
8 駆動回路層
9 配向膜
10 柱スペーサ
10a 球状スペーサ
11 粗面形状
11a 微小凹凸の粗面構造
11b 微小凹凸の粗面層+撥液晶層
12 凸部
13 流動制御壁

Claims (7)

  1. 対向する一対の基板が画素領域を囲む閉曲線状のシール材で接着され、前記一対の基板間の前記シール材で囲まれる領域に液晶材が挟持されてなる液晶表示装置において、
    前記画素領域の外周側かつ前記閉曲線状のシール材の内周側に額縁領域を有し、
    少なくとも一方の基板の前記額縁領域の少なくとも一部における前記液晶材と接する膜面が、前記画素領域における前記液晶材と接する膜面よりも、前記額縁領域を通過する前記液晶材の拡散速度を減少させるような表面粗さの大きな粗面形状であり、前記表面粗さの大きな粗面形状は、柱状又は櫛歯状の凹凸が多数配置された構造、或いは、空孔が多数配置された構造であり、前記表面粗さの大きな粗面形状の膜面が、撥液晶膜からなることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記表面粗さの大きな粗面形状が、前記画素領域を囲むように閉曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記表面粗さの大きな粗面形状が、一方の基板の額縁ブラックマトリクス及び他方の基板の前記額縁ブラックマトリクスに対向する有機膜或いは無機膜に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記撥液晶膜は、フッ素皮膜又はシリコーン皮膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の液晶表示装置。
  5. 一方の基板に、画素領域を囲むように閉曲線状にシール材を塗布するシール塗布工程と、前記一方の基板の前記シール材で囲まれた領域に液晶材を滴下する液晶滴下工程と、前記一方の基板と該一方の基板に対向する他方の基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記シール材を硬化させる硬化工程と、をこの順に少なくとも有する液晶表示装置の製造方法において、
    前記液晶滴下工程前の前記一方の基板、及び/又は、前記貼り合わせ工程前の前記他方の基板に対して、前記画素領域の外周側かつ前記閉曲線状のシール材の内周側の額縁領域の少なくとも一部における前記液晶材と接する膜面に、イオンビーム処理を行い、
    前記膜面を、前記画素領域における前記液晶材と接する膜面よりも、前記額縁領域を通過する前記液晶材の拡散速度を減少させるような表面粗さの大きな粗面形状に加工し、加工面に、撥液晶膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  6. 一方の基板に、画素領域を囲むように閉曲線状にシール材を塗布するシール塗布工程と、前記一方の基板の前記シール材で囲まれた領域に液晶材を滴下する液晶滴下工程と、前記一方の基板と該一方の基板に対向する他方の基板とを貼り合わせる貼り合わせ工程と、前記シール材を硬化させる硬化工程と、をこの順に少なくとも有する液晶表示装置の製造方法において、
    前記液晶滴下工程前の前記一方の基板、及び/又は、前記貼り合わせ工程前の前記他方の基板に対して、前記画素領域の外周側かつ前記閉曲線状のシール材の内周側の額縁領域の少なくとも一部における前記液晶材と接する膜面に、プラズマアッシング処理を行い、
    前記膜面を、前記画素領域における前記液晶材と接する膜面よりも、前記額縁領域を通過する前記液晶材の拡散速度を減少させるような表面粗さの大きな粗面形状に加工し、加工面に、撥液晶膜を形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 前記一方の基板に対する前記イオンビーム処理又は前記プラズマアッシング処理を、前記シール塗布工程よりも前に行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示装置の製造方法。
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