JP5488146B2 - 体積型ホログラム記録用感光性組成物、p偏光回折型偏光分離素子及び液晶体積型ホログラム素子 - Google Patents
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Description
体積型ホログラムは、記録対象物を三次元で表現でき、高い回折効率、波長選択性を持つこと、高密度、かつ、高速のデータ記憶技術として有用なこと、高度な製造技術が必要であることなどから、例えば、意匠用途、光学素子用途及びセキュリティー用途等の分野で幅広く利用されている。
体積型ホログラムは、特に光学素子用途では、液晶プロジェクター用途の偏光子や光ピックアップ用途等の偏光ビームスプリッター等の偏光分離素子へ応用することができる。
図1の(a)に示すように、液晶ホログラム用の組成物の塗膜1を干渉露光すると、照射された光の干渉により、光が強められた領域(以下、単に「明るい領域」ともいう。)30にてアクリルモノマー等の重合成分20が重合し、それに伴いその重合成分20の濃度勾配が生じ、干渉により光が弱められた領域(以下、単に「暗い領域」ともいう。)40から明るい領域30に重合成分20の拡散移動が起こる。結果として、干渉光の強弱に応じて、図1の(b)に示すように、明るい領域30では重合成分20の重合が進行してポリマー21の疎密が生じ(周期的なポリマーリッチ層50と液晶リッチ層60が形成され)、屈折率変調が発生する。
ここで、液晶リッチ層60においては、液晶化合物10が相分離により液晶領域11を形成している。さらに、液晶リッチ層60においては、ポリマー21が形成される際の重合収縮により液晶リッチ層60を挟む両側のポリマーリッチ層50からの張力が働き、液晶領域11の液晶化合物10は、両側のポリマーリッチ層50方向にその液晶化合物10の分子(メソゲン)の長軸を向けて配向している。
また、(A)成分は、本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物(以下、単に「ホログラム用組成物」ということがある。)を干渉露光して、ポリマーリッチ層と液晶リッチ層の周期的な構造を形成する際に、ホログラム用組成物におけるポリマーリッチ層を形成する領域から液晶リッチ層を形成する領域への(C)成分の移動速度を制御する働きも有する。
(A)成分のこれらの働きにより、ホログラム用組成物の干渉露光による硬化物では液晶リッチ層中の液晶領域が増大し、干渉縞の、すなわちポリマーリッチ層と液晶リッチ層のp偏光に対する屈折率差が大きく、かつ、干渉縞の構造安定性及び長期信頼性が高まる。
また、(B)成分は、(A)成分とともに(C)成分との相分離を誘起する働きも有する。
本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物は、上記(A)成分及び(B)成分を含むため、上記p偏光回折型偏光分離素子及び液晶体積型ホログラム素子に好適に用いることができる。
また、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、電磁波と粒子線を総称する放射線及び電離放射線が含まれる。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
本発明に係る体積型ホログラム記録用感光性組成物は、(A)下記一般式(1)で表わされるポリプロピレングリコール誘導体、(B)光重合性シロキサン、(C)非重合性液晶化合物、(D)アクリル樹脂及び/又はメタクリル樹脂、(E)反応開始剤及び(F)増感色素を含むことを特徴とする。
ホログラム用組成物の干渉露光による硬化物70には、照射された光の干渉により、明るい領域30に(B)成分の重合乃至架橋反応物(ポリマー)80が多く含まれるポリマーリッチ層90と、暗い領域40に(C)成分10が多く含まれ、液晶領域12を形成している液晶リッチ層100とが周期的に交互に存在する。
(A)成分は、下記一般式(1)で表わされ、(C)成分との相分離を誘起する働き及びホログラム用組成物の干渉露光時の(C)成分の移動速度を制御する働きを有し、液晶リッチ層の液晶領域を増大させる。
R1及びR2の2価の炭素数1〜14の脂肪族炭化水素(アルキレン)としては、例えば、直鎖状のメチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)及びプロピレン(−CH2CH2CH2−)並びに分岐状の(−CH(CH3)CH2−)等が挙げられる。
R1及びR2は、それぞれ同じであっても良いし、異なっていても良い。
(A)成分の含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されない。
(B)成分は、その分子中にシロキサン結合(Si−O結合)を有することにより、耐久性に優れ、ホログラム用組成物の耐候性の向上並びに上記干渉縞の構造安定性及び長期信頼性の向上に寄与する。
また、(B)成分は、Si(珪素)原子及び酸素原子を有するため(A)成分とともに(C)成分との相分離を誘起する働きも有する。
(B)成分は、光重合性を有し、図2に示したように、ホログラム用組成物を干渉露光により硬化させた際に、明るい領域で重合乃至架橋反応し、ポリマーリッチ層を形成する。
(B)成分としては、例えば、特許文献1の式(7)で表わされるシロキサン骨格と2個以上のエポキシ基を持つ化合物又は非特許文献1に記載のシリル化合物を用いることができる。
ここで、光重合性とは、紫外線等の光により重合乃至架橋反応が可能なことをいい、具体的には、(B)成分が電離放射線硬化性不飽和基等を有することをいう。電離放射線硬化性不飽和基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基及びアリル基等のエチレン性不飽和結合並びにエポキシ基等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されない。
非重合性液晶化合物は、図2に示したように、ホログラム用組成物を干渉露光して硬化させた際に、上記(A)成分及び(B)成分と相分離し、暗い領域においてポリマーリッチ層に配向した液晶領域を有する液晶リッチ層を形成する。
後述する液晶体積型ホログラム素子においては、(C)成分は、配向方向を電圧の印加の有無により変え、ポリマーリッチ層と液晶リッチ層の屈折率変調を制御し、p偏光の回折と透過を制御する働きを有する。
なかでも、ネマチック液晶を用いることが好ましい。
市販品としては、例えば、Merck社製の商品名E7、ZLI−1565、ZLI−3417、TL203及びMLC2053等が好ましく挙げられる。
非重合性の液晶化合物を用いることにより、重合性の液晶化合物を用いる場合に比べて後述する液晶体積型ホログラム素子において、電圧の印加により液晶の配向方向を制御できるという利点がある。
(C)成分の含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されない。
(D)成分は、(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基等の光反応性基を有することにより、紫外線等の光により重合乃至架橋反応し得る化合物である。
(D)成分は、図2に示したように、ホログラム用組成物を干渉露光して硬化させた際に主に、上記(B)成分とともに、明るい領域でポリマーリッチ層を形成する。
(D)成分は、1分子中に(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基等の光反応性基を2〜6個有することが架橋度及び反応速度を制御し易いため好ましい。
このような反応希釈剤としての(D)成分としては、1−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、2−エチルヘキシルアクリレート(EHA)及びメチルメタクリレート(MMA)等を挙げることができる。
ホログラム用組成物の粘度が高い場合、このような反応希釈剤を10〜30質量%含有させることで、粘度を低下させることができる。
また、上記反応希釈剤は、低粘度のため、(C)成分の相分離がさらに良くなる効果並びに後述するパウダー状の(E)成分及び(F)成分を良く溶解する効果も有する。
(D)成分の含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されない。
(E)成分は、紫外線等の光照射により上記(A)、(B)及び(D)成分の重合乃至架橋反応を開始する働きを有する。
(E)成分は特に限定されず、従来公知の体積型ホログラムに用いられているラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤又はアニオン重合開始剤等を用いることができる。例えば、特許文献1に記載のα―ジケトン類、アシロイン類、アシロインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、キノン類、ハロゲン化合物、アシルホスフィンオキサイド類及び過酸化酸化物、式(5)で表わされるジアリールヨードニウム塩並びに式(6)で表わされるトリアリールスルフォニウム塩等を挙げることができる。
(E)成分の含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されないが、(C)成分を除いたホログラム用組成物の全固形分質量に対して、1〜5質量%であることが好ましい。
(F)成分は、ホログラム用組成物を干渉露光して硬化させる際に、感度を向上させる働きを有する。
(F)成分は、使用する光源の波長に合わせて、従来公知の増感剤から適宜選択して用いることができる。例えば、特許文献1に記載の、ベンゾフェノン類、クマリン類、キサントン類、ナフタレン類又はアントラセン類等を使用することができる。
(F)成分の含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されないが、(C)成分を除いたホログラム用組成物の全固形分質量に対して、0.1〜1質量%であることが好ましい。
界面活性剤は、例えば、特許文献1に記載のフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を用いる場合、その含有量は、適宜調節して用いれば良く、特に限定されないが、(C)成分を除いたホログラム用組成物の全固形分質量に対して、0.1〜3質量%であることが好ましい。
本発明に係るp偏光回折型偏光分離素子は、一定形状に保持した上記体積型ホログラム記録用感光性組成物が干渉露光されてなるホログラム記録層を有することを特徴とする。
本発明に係るp偏光回折型偏光分離素子は、図2に示すように、一定形状に保持した上記ホログラム用組成物に対して2光束(110と111)により干渉露光を行い、干渉縞が記録されたホログラム記録層70を有する。
2光束(110と111)のなす角は、5°以上が好ましく、5〜180°であることがより好ましい。
p偏光回折型偏光分離素子130は、対向する一対の透明基板140の間に、図2と同様のホログラム記録層70を有している。
ホログラム記録層は、一定形状に保持した上記体積型ホログラム記録用感光性組成物が干渉露光されてなり、干渉縞(ポリマーリッチ層と液晶リッチ層)が記録されている。
一方、液晶リッチ層の屈折率は、液晶化合物が異方性を有するため、その分子への光の入射角度及び振動方向により屈折率が異なる。液晶化合物の分子長軸方向に対して垂直方向に振動している光に対しては屈折率が1.5程度、分子長軸方向に対して平行方向に振動している光に対しては屈折率が1.7程度となる。
上述したようにホログラム記録層においては、液晶リッチ層中の液晶化合物は当該液晶リッチ層を挟み込むポリマーリッチ層に分子(メソゲン)の長軸を向けて配向している。
そのため、図4に示すように、液晶リッチ層100(ホログラム記録層70)にp偏光150を入射すると、上記配向方向と屈折率の関係より、液晶リッチ層100を通過してきたp偏光150は回折する。
これに対して、液晶リッチ層100にs偏光160を入射すると、上記配向方向と屈折率の関係より、s偏光は屈折せずに、又はほとんど屈折せずに透過する。
したがって、本発明に係るp偏光回折型偏光分離素子は、p偏光を選択的に回折することができる。
なお、ホログラム用組成物は、上述したものを用いれば良いためここでの説明は省略する。
透明基板としては、従来公知の光学素子に用いられている透明基板を用いることができる。例えば、ガラス又は(メタ)アクリル樹脂若しくはポリカーボネート樹脂の他、特許文献3に記載のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はポリイミド樹脂等を用いることができる。
可視光域380〜780nmにおける透明基板の平均光透過率は50%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。
なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
透明基板の厚さは特に限定されず、硬さ及び透明性等の所望の性能等に応じて適宜調節すれば良い。
例えば、調製したホログラム用組成物を、一方の透明基板上に塗布し、その塗膜上にもう一方の透明基板を積層して封入し、次いでその塗膜上に干渉露光を行い、干渉縞を形成することでp偏光回折型偏光分離素子を得ることができる。この他、当該封入に代えて、ガラス等の透明基板からなるセルに真空注入法で注入しても良い。
必要に応じて、干渉露光を行った後にさらに残存している未反応の(A)成分、(B)成分又は(D)成分を反応させるために均一に露光(ポスト露光)及びホログラム記録層の耐熱性又は耐湿性等を向上させるために加熱処理を行っても良い。
可視領域でのコヒーレンス性の高い光としては、可視レーザー光が好適であり、例えば、DPSSレーザー(532nm)、アルゴンイオンレーザー(458nm、488nm、514.5nm)、クリプトンイオンレーザー(647.1nm)、ヘリウム−ネオンイオンレーザー(633nm)、YAGレーザー(532nm)又はDyeレーザー(553nm)等を用いることができる。
露光量としては、適宜調節すれば良く特に限定されないが、例えば、50〜10000mJ/m2とすることができる。
ポスト露光の露光量は、適宜調節すれば良く、例えば、50〜10000mJ/m2とすることができる。
本発明に係る液晶体積型ホログラム素子は、一面側に透明電極が設けられた一対の透明基板が当該透明電極を対向するように配置されており、当該対向する一対の透明電極の間に、上記体積型ホログラム記録用感光性組成物が封入され、当該体積型ホログラム記録用感光性組成物が干渉露光されてなるホログラム記録層を有することを特徴とする。
液晶体積型ホログラム素子170は、一面側に透明電極180が設けられた対向する一対の透明基板140が、透明電極180を対向するように配置されており、その透明電極180の間に、図2と同様のホログラム記録層70を有している。
したがって、透明電極に電圧を印加していないときは、(C)成分は上記p偏光回折型偏光分離素子と同様の配向をとっており、p偏光を選択的に回折する。そして、透明電極に電圧を印加したときは、透明電極間の電界方向(例えば、図5では縦方向)に(C)成分が配向し、p偏光に対する屈折率変調が生じ、p偏光を透過することができる。
η=sin2(π(Δn)d/λcosθ0)
(式中、ηは回折効率、dは感材膜厚、λは記録レーザー波長、θ0は記録レーザー光の感材中への入射角度である。)
η=tanh2(π(Δn)d/λcosθ0)
(式中、η、d、λ及びθ0は上記と同様である。)
なお、ホログラム用組成物及び透明基板は、上述したものを用いれば良いためここでの説明は省略する。
透明電極は、従来公知の液晶ホログラム及び液晶ディスプレイ等で用いられている透明電極を用いることができる。
透明電極は、例えば、In及びSn等の金属、酸化インジウム及び酸化スズ等の金属化合物、ITO(スズドープ酸化インジウム)等の金属酸化物並びにPEDOT−PSS(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)、ポリパラフェニレン及びポリアセチレン等の導電性高分子等が挙げられる。透明電極としては、ITOが好ましい。
透明電極の厚さは特に限定されず、要求される性能等に応じて適宜調節すれば良く、例えば、透明電極の厚さは10〜200nmとすれば良い。
例えば、上述した図3に示したp偏光回折型偏光分離素子の製造において、透明基板にの一面側にあらかじめITO等の透明電極をスパッタ又は蒸着等により設けたものを用いれば良い。
この他、対向する透明基板の内側に透明電極を設けたセルに、液晶ディスプレイ等で用いられている真空注入によりホログラム用組成物を注入し、干渉露光を行って、液晶体積型ホログラム素子を製造しても良い。
ポリプロピレングリコール(重量平均分子量400)1モル当量と2モル当量の2−イソシアネートエチルメタクリレートを混合し、窒素でパージした後、60℃に加熱し、6時間反応させることで(A)成分であるPPG誘導体を得た。
(A)成分(上記合成したPPG誘導体):20質量部
(B)成分(1,3−ビス(3−メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン):50質量部
(C)成分(メルク(株)製の商品名MLC2053):84.6質量部
(D)成分(1−ビニル−2−ピロリドン):10質量部
(D)成分(トリメチロールプロパントリアクリレート):20質量部
(E)成分(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(一般式(2)においてX1及びX2が水素原子、Y−がPF6 −):3質量部
(F)成分(3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)):0.4質量部
(B)成分(下記一般式(12)で表わされる3−N−(2−メタクリルオキシエトキシカルボニル)アミノプロピルトリエトキシシラン(別名[3−(トリエトキシシリル)プロピル]カルバミド酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル)):10質量部
(C)成分(メルク(株)製の商品名TL203):55質量部
(D)成分(トリメチロールプロパントリアクリレート):40質量部
(D)成分(1−ビニル−2−ピロリドン):10質量部
(D)成分(2−(トリメチルシロキシ)エチルメタクリレート):40質量部
(E)成分(ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(一般式(2)においてX1及びX2が水素原子、Y−がPF6 −):2質量部
(F)成分(3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)):0.2質量部
ITOをスパッタしたガラス基板製のセルに上記ホログラム用組成物1を真空注入し、波長532nmのDPSSレーザーを用いて、各光束の強度を20mW/cm2にて、50秒間干渉露光を行った。その際、光線の入射角は、上記セルの基板面の法線方向から16°の角度で露光を行った。その後、波長365nmにおける強度が300W/m2の高圧水銀灯を用いて30秒間露光を行い、干渉縞が記録されたホログラム記録層を有する液晶体積型ホログラム素子を得た。
実施例1において、ホログラム用組成物1をホログラム用組成物2に代えた以外は実施例1と同様に行い、干渉縞が記録されたホログラム記録層を有する液晶体積型ホログラム素子を得た。
上記実施例及び比較例の液晶体積型ホログラム素子の屈折率変調量(Δn)を以下のようにして求めた。実施例1の液晶体積型ホログラム素子のΔnは0.083、比較例1の液晶体積型ホログラム素子のΔnは0.028であった。
まず、液晶体積型ホログラム素子の透過率を、分光光度計((株)島津製作所製の商品名UV−2450)を用いて測定し、分光透過率曲線を得た。
得られた分光透過率曲線において、ピーク透過率Aおよびベース透過率Bを求め、下記式により、回折効率ηを算出した。
回折効率η=|B−A|/B(%)
η=sin2(π(Δn)d/λcosθ0)
(式中、ηは回折効率、dは感材膜厚、λは記録レーザー波長、θ0は記録レーザー光の感材中への入射角度である。)
なお、感材膜厚dは、得られた液晶体積型ホログラム素子のホログラム記録層単体の厚さとした。
実施例1の透明電極に10V/μmの電圧を印加したところ、回折光のコントラスト比が100:1で良好なスイッチング特性を示した。
比較例1の透明電極に15V/μmの電圧を印加したが、液晶化合物の配向の変化は観察されなかった。
2 従来の液晶ホログラムの組成物を干渉露光した硬化物
10 液晶化合物
11 従来の液晶領域
12 液晶領域
20 重合成分
21 ポリマー
30 明るい領域
40 暗い領域
50 従来のポリマーリッチ層
60 従来の液晶リッチ層
70 ホログラム記録層
80 ポリマー
90 ポリマーリッチ層
100 液晶リッチ層
110、111 光
120 2光束のなす角の二等分線
130 p偏光回折型偏光分離素子
140 透明基板
150 p偏光
160 s偏光
170 液晶体積型ホログラム素子
180 透明電極
Claims (8)
- 前記(B)光重合性シロキサンが、1,3−ビス[(アクリルオキシメチル)フェネチル]テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−メタクリルオキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、(メタクリルオキシメチル)ビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−メタクリルオキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン及びメタクリルオキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン
よりなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。 - (D)アクリル樹脂及び/又はメタクリル樹脂が、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートよりなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- 前記(F)増感色素が、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物。
- 一定形状に保持した前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物が干渉露光されてなるホログラム記録層を有することを特徴とする、p偏光回折型偏光分離素子。
- 対向する一対の透明基板の間に、前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物が封入され、当該体積型ホログラム記録用感光性組成物が干渉露光されてなるホログラム記録層を有することを特徴とする、請求項6に記載のp偏光回折型偏光分離素子。
- 一面側に透明電極が設けられた一対の透明基板が当該透明電極を対向するように配置されており、当該対向する一対の透明電極の間に、前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の体積型ホログラム記録用感光性組成物が封入され、当該体積型ホログラム記録用感光性組成物が干渉露光されてなるホログラム記録層を有することを特徴とする、液晶体積型ホログラム素子。
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2010
- 2010-04-08 JP JP2010089853A patent/JP5488146B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11079678B2 (en) | 2017-09-27 | 2021-08-03 | Lg Chem, Ltd. | Photopolymer composition |
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