JP5487273B1 - 情報伝達装置及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】環境変化が激しい状況においても異なるネットワークエリア間で情報を伝達できるようにする。
【解決手段】端末100において、ネットワークエリア間を移動するごとに、ネットワーク変遷情報を生成し記憶部101に記憶するようにし、かつネットワークエリアBに存在する状態で当該エリアBに存在する他のノードから送信された伝達情報を受信したとき、この受信された伝達情報を記憶部101に記憶する。そして、端末101がネットワークエリアBからネットワークエリアAに移動した場合に、上記記憶された変遷情報に基づいて自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定し、アンステイブルノードの場合に移動前のネットワークエリアBで受信し記憶した伝達情報を読み出して、移動後のネットワークエリアAに存在するスーパーノードSND1へ送信する。
【選択図】図3
【解決手段】端末100において、ネットワークエリア間を移動するごとに、ネットワーク変遷情報を生成し記憶部101に記憶するようにし、かつネットワークエリアBに存在する状態で当該エリアBに存在する他のノードから送信された伝達情報を受信したとき、この受信された伝達情報を記憶部101に記憶する。そして、端末101がネットワークエリアBからネットワークエリアAに移動した場合に、上記記憶された変遷情報に基づいて自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定し、アンステイブルノードの場合に移動前のネットワークエリアBで受信し記憶した伝達情報を読み出して、移動後のネットワークエリアAに存在するスーパーノードSND1へ送信する。
【選択図】図3
Description
この発明は、例えば災害時のように通信状態が不安定な状況においても情報伝達を可能にする情報伝達装置及びそのプログラムに関する。
近年、災害時等の特殊な状況においても臨機応変に動作するレジリエントなICT(Information and Communication Technology)システムが注目されている。特に、災害時には必要な情報を収集可能なことが安全確保につながるため、その必要性は益々高まっている。しかし、災害時にはインターネット等の上位ネットワークの通信が不安定になる、ネットワークを構成する端末の入れ替わりが頻繁に起こる等の環境変化が激しく、平常時の運用で広く用いられているサーバ・クライアント通信のシステムでは対応が困難という問題がある。
一方、環境変化に依存し難い情報流通を実現する手法として、P2P(Peer-to-Peer)ネットワークを応用した手法が提案されている。例えば、非特許文献1には、同一地域でネットワークエリアを分け、各端末(ノード)がP2P通信を行うことにより同一ネットワークエリア内で情報を送受信可能とする技術が紹介されている。また、各ネットワークエリア内で代表端末(スーパーノード)を選出し、スーパーノード同士が情報を送受信することで、異なるネットワークエリア間における情報伝達を実現する手段も紹介されている。
本多俊貴他、"P2P環境下における災害情報交換システムの提案"、情報処理学会研究報告、EIP、[電子化知的財産・社会基盤]、2009-EIP-46, vol. 13, pp.1-7, 2009.
ところが、非特許文献1に記載された技術では、異なるネットワークエリア間で情報伝送するためには、異なるネットワーク間を接続するためのインターネット等の上位ネットワークを介する必要がなる。このため、ネットワークを構成する端末の入れ替わりという環境変化には対応可能であるが、上位ネットワークの通信状態が不安定になる環境下においては、異なるネットワークエリア間で情報伝達を行えなくなる。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、通信環境の変化が激しい状況においても異なるネットワークエリア間で情報を伝達できるようにした情報伝達装置及びそのプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の第1の観点は、異なるエリアで構成される第1及び第2のネットワーク間を移動しながら当該第1及び第2のネットワークのエリア内に存在する他のノードとの間で情報伝送を行う情報伝達装置にあって、先ず情報伝達装置が第1のネットワークエリアに存在する状態で、当該エリアに存在する他のノードから送信された伝達情報を受信したときに、この受信された伝達情報を記憶媒体に記憶する。また、情報伝達装置が上記ネットワークエリア間を移動するごとに、各エリアへの滞在履歴の変遷を表す情報を生成し記憶する。そして、情報伝達装置が第1のネットワークエリアから第2のネットワークエリアに移動した場合に、上記記憶された変遷情報に基づいて、自装置が上記第1及び第2のネットワーク間を過去に移動した履歴を持つアンステイブルノードであるか否かを判定し、自装置がアンステイブルノードと判定されると、上記第1のネットワークエリアで受信し記憶した伝達情報を読み出して、第2のネットワークエリアに存在する他のノードへ送信するようにしたものである。
また、この発明の第1の観点は以下のような態様を備えることを特徴とする。
第1の態様は、自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定する際に、上記記憶された変遷情報をもとに滞在履歴があるネットワークの実数が予め設定された第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理と、滞在履歴がある複数のネットワークの中にエリア間の物理的距離が予め設定された第2の閾値以上離間しているネットワークが存在するか否かを判定する第2の判定処理と、滞在履歴があるネットワークの実数が2以上でかつ同一のネットワークへの滞在回数が予め設定された第3の閾値以上であるか否かを判定する第3の判定処理のうちの少なくとも一つを用いて、自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定するものである。
第1の態様は、自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定する際に、上記記憶された変遷情報をもとに滞在履歴があるネットワークの実数が予め設定された第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理と、滞在履歴がある複数のネットワークの中にエリア間の物理的距離が予め設定された第2の閾値以上離間しているネットワークが存在するか否かを判定する第2の判定処理と、滞在履歴があるネットワークの実数が2以上でかつ同一のネットワークへの滞在回数が予め設定された第3の閾値以上であるか否かを判定する第3の判定処理のうちの少なくとも一つを用いて、自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定するものである。
第2の態様は、受信された伝達情報を記憶媒体に格納する際に、当該受信された伝達情報及び上記記憶手段に記憶されている伝達情報の優先度をそれぞれ計算すると共に、上記記憶手段の空き容量を計算する。そして、上記計算された空き容量が第4の閾値未満の場合に、上記記憶手段に記憶されている伝達情報の中で、上記受信された伝達情報より優先度が低い伝達情報を削除し、代わりに上記受信された伝達情報を上記記憶媒体に記憶させるようにしたものである。
第3の態様は、上記優先度を計算する手段として、上記受信された伝達情報が上記記憶媒体に記憶された時点で自装置が存在していたネットワークと自装置が現在存在するネットワークとの間の物理的距離を計算する第1の手段と、上記受信された伝達情報と、上記記憶媒体に記憶されている伝達情報との間の類似度を計算する第2の手段と、上記受信された伝達情報の新しさが第5の閾値以上であるか否かを判定する第3の手段を備え、これら第1、第2及び第3の手段による計算結果及び判定結果をもとに、上記受信された伝達情報の優先度を決定するようにしたものである。
第4の態様は、上記類似度を計算する第2の手段として、上記受信された伝達情報を空間ベクトル化してその余弦類似度を算出する手段を用いるものである。
この発明の一観点によれば、第1のネットワークエリアにおいて情報伝達装置が当該エリア内の他のノードから送信された伝達情報を受信し記憶した後、第2のネットワークエリアに移動すると、自装置がネットワーク間で移動した履歴を持つアンステイブルノードであるか否かが判定され、アンステイブルノードであれば自装置に記憶されている伝達情報が読み出されて第2のネットワークエリアに存在する他のノードへ送信される。すなわち、ネットワークエリアとこれらを接続する上位ネットワークとの間で通信障害等が発生した状態で、ネットワークエリア間を移動した履歴を持つ情報伝達装置を仲介してネットワーク間の伝達情報の転送を行うことが可能となる。
また第1の態様によれば、情報伝達装置が過去に滞在したことがあるネットワークの実数と、ネットワーク間の物理的距離と、過去に滞在したことがあるネットワークの実数が2以上でかつ同一のネットワークへの滞在回数が所定数以上であるか否かの判定結果のうちの少なくとも一つを用いて、自装置がアンステイブルノードであるか否かが判定される。このため、情報伝達装置がネットワークエリア間を渡り歩いているノードであるか否かを的確に判定することができる。
第2の態様によれば、伝達情報が受信されるごとに当該伝達情報の優先度と、記憶手段の空き容量が計算され、計算された空き容量が少ない場合に、上記記憶手段に記憶されている伝達情報の中で上記受信された伝達情報より優先度が低い伝達情報が削除されて、代わりに上記受信された伝達情報が上記記憶媒体に記憶される。したがって、伝達情報の仲介を行うアンステイブルノードの限られた記憶容量をより有効に活用することが可能となる。
第3の態様によれば、優先度を計算する際に、移動前後のネットワーク間の距離と、受信された伝達情報と記憶媒体に記憶されている伝達情報との間の類似度と、受信された伝達情報の新しさをもとに、上記受信された伝達情報の優先度が決定される。したがって、受信された伝達情報の優先度を正確に判定することができる。
第4の態様によれば、受信された伝達情報と記憶されている伝達情報との間の類似度が、空間ベクトル化されてその余弦類似度として算出される。このため、比較的簡単に類似度を求めることができる。
すなわちこの発明によれば、環境変化が激しい状況においても異なるネットワークエリア間で情報を伝達することができる情報伝達装置及びそのプログラムを提供することが可能となる。
すなわちこの発明によれば、環境変化が激しい状況においても異なるネットワークエリア間で情報を伝達することができる情報伝達装置及びそのプログラムを提供することが可能となる。
[原理]
この発明では、ネットワークを滞在する端末(ノード)の「滞在したネットワークエリアの変遷」、及び「伝達情報の優先度」を利用することで課題を解決する。以下、図1を用いて説明する。
例えばP2Pネットワークでは、ネットワークに対するノードの加入・離脱が発生する。そこで、各ノードにはどこのネットワークエリアに加入・離脱したかを示す履歴を残しておく。この「所属したネットワークエリアの変遷」を表す情報を用いることで、ノードが同一ネットワークエリアに長期間滞在しているノード(以下ステイブルノードと称する)か、異なるネットワークエリア間を転々と移動しているノード(以下アンステイブルノードと称する)かを判別することが可能となる。
この発明では、ネットワークを滞在する端末(ノード)の「滞在したネットワークエリアの変遷」、及び「伝達情報の優先度」を利用することで課題を解決する。以下、図1を用いて説明する。
例えばP2Pネットワークでは、ネットワークに対するノードの加入・離脱が発生する。そこで、各ノードにはどこのネットワークエリアに加入・離脱したかを示す履歴を残しておく。この「所属したネットワークエリアの変遷」を表す情報を用いることで、ノードが同一ネットワークエリアに長期間滞在しているノード(以下ステイブルノードと称する)か、異なるネットワークエリア間を転々と移動しているノード(以下アンステイブルノードと称する)かを判別することが可能となる。
そして、ネットワークエリア間を転々と移動した履歴を持つアンステイブルノードND3に、移動前のネットワークエリアBで発生した伝達情報を記憶させておき、当該アンステイブルノードND3がネットワークエリアBを離脱して他のネットワークエリアAに移動し加入したときに、上記移動前のネットワークエリアBで記憶した伝達情報を読み出して移動後のネットワークエリアAに存在するスーパーノードSND1へ送信する。
このようにすることで、上記各エリアA,Bのネットワークとインターネット等の上位のネットワークとの間に通信障害が発生していても、他のエリアのネットワークに所属するノードに対し情報を伝達することが可能となる。
一方、ネットワークエリアA,Bを転々とするアンステイブルノードには伝達情報が順次蓄積されることになるが、記憶容量等の制限により記憶させることができる情報の数には限度がある。そこで、アンステイブルノードに記憶させるべき情報を決めるために「情報の優先度」を求める。情報の優先度を求めるためのパラメータとしては、例えば「ネットワークエリア間の物理的距離」、「情報の類似度」、「情報の新しさ」を用いる。
先ず、ネットワークエリア間の物理的距離とは、新たに滞在したネットワークエリアと過去に滞在したネットワークエリアとの間の地理的な距離のことである。この発明では、インターネット等の上位ネットワークに接続不可能な場合を想定するため、ネットワークエリアは無線LAN(Local Area Network)のアドホックネットワーク等のように物理的な距離が近い端末同士で構成される。そのため、所属するネットワークエリアが変化するということは地球上の物理的な位置が変化したことと等しく、ネットワークエリア間の遠さはアンステイブルノードの位置変化の大きさと比例する。
次に、情報の類似度とは、新たに受信した情報とアンステイブルノードが記憶している情報との類似度合いを示す値である。似ていると判断されれば同じ内容を示している情報である可能性が高くなり、似ていないとなれば異なる内容を示している可能性が高くなる。この類似度を利用することにより、例えば似ていない情報をアンステイブルノードに優先的に記憶させる。このようにすることで、アンステイブルノードに記憶させるべき情報を自動的に判断でき、ノートの記憶容量を考慮しつつ有効な情報を優先的に伝達させることが可能になる。
情報間の類似度を求める手法としては、情報が文書ファイルであれば、例えばベクトル空間法を用いる。受信した情報の一つをD、アンステイブルノードに記憶されている情報の一つをE、情報Dと情報Eに出現する単語種類数をn、その単語種類のうちi番目の単語をwi 、情報Dおよび情報Eにおける単語wの出現頻度をそれぞれDw 、Ew とすると、情報Dと情報Eの情報の類似度Sim(D,E)は、例えば以下の式(1)により算出できる。
この場合、情報の類似度Simの取りうる値は−1≦Sim≦1であり、値が大きいほど類似していると見なす。
続いて、情報の新しさとは、その情報が登録もしくは更新されたタイムスタンプの新しさのことである。タイムスタンプが現時刻に近いほど新しいと判定し、遠ざかるほど古いと判定する。
以上の「ネットワークエリア間の物理的距離」、「情報の類似度」、「情報の新しさ」を用いて「情報の優先度」を算出する。図2は、情報の優先度の付け方を高、中、低の3段階にした場合を示した図である。この例では、「ネットワークエリア間の物理的距離が近いかつ情報の類似度が低い」ものが優先度を高く、「遠いかつ低い」ものは優先度が中程度、「遠いかつ高い」ものは優先度を低く設定している。さらに、「近いかつ高い」場合は情報の新しさも考慮し、新しければ優先度を高く、古ければ優先度を低く設定する。
この優先度判定例は、物理的に近くで発生した情報を優先的に更新することに主眼が置かれており、近隣に多くのネットワークエリアが存在し情報の変化が頻繁に起こる場合に特に有効な例である。ここで、ネットワークエリア間の物理的距離が遠いほど情報の優先度を高くすると、できる限り情報を遠くの様々なネットワークエリアまで伝達させたい場合に有効になる。この様に、これらのパラメータを利用して情報の優先度を求めることで、どんな情報伝播に主眼を置いているかの場合に応じて柔軟に対応することが容易になる。また、ネットワークエリア間の物理的距離、情報の類似度、情報の新しさは数値で表すことができるため、それらの加重平均値を情報の優先度とするといったように、連続的な値で扱ってもよい。
計算コストをかけても精密な優先度を算出したい場合には、連続的な値を利用するのが適しており、大まかな優先度であっても計算コストがかからないことに主眼をおく場合は上記の3段階(高、中、低)といった離散的な値を利用することが有効である。この様にすることで、精密さか計算コストのどちらを重視するかに対応することが可能になる。
以上のように、「所属したネットワークエリアの変遷」、及び「情報の優先度」を用いることで、インターネット等の上位ネットワークとの間の通信状態が不安定な環境下においても、アンステイブルノードの地域ネットワーク間の移動を利用した情報伝達が可能となる。
[一実施形態]
以下、図面を参照してこの発明に係わる一実施形態を説明する。
(構成)
ここでは、図1に示したネットワークシステムを例に説明する。図3はこの発明の一実施形態に係る情報伝達装置の構成を示す機能ブロック図であり、図1ではノードND1〜ND4がこれに相当する。情報伝達装置は、携帯電話機やスマートホン、タブレット型端末、ノート型パーソナル・コンピュータ等の移動端末(ノード)からなり、それぞれ利用者が所持している。
以下、図面を参照してこの発明に係わる一実施形態を説明する。
(構成)
ここでは、図1に示したネットワークシステムを例に説明する。図3はこの発明の一実施形態に係る情報伝達装置の構成を示す機能ブロック図であり、図1ではノードND1〜ND4がこれに相当する。情報伝達装置は、携帯電話機やスマートホン、タブレット型端末、ノート型パーソナル・コンピュータ等の移動端末(ノード)からなり、それぞれ利用者が所持している。
移動端末100は、この実施形態を実現するために必要な機能として、記憶部101とアンテステイブルノード判定部102と、優先度算出部103と、ネットワークエリア決定部104と、スーパーノード判定部105と、スーパーノード機能部106と、伝達情報送受信部107と、位置情報測定部108と、通信インタフェース110と、タイマ111を備えている。このうち、記憶部101を除いた各機能部は、図示しないプログラムメモリに格納されたアプリケーション・プログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)に実行させることにより実現される。
記憶部101は、変遷情報記憶エリア1011と、伝達情報記憶エリア1012を有する。変遷情報記憶エリア1011は、移動端末100のネットワークエリアへの滞在履歴を表す情報、つまり所属するネットワークの変遷情報を記憶するために用いられる。図4はその一例を示すもので、ネットワークエリアの識別情報であるエリア名に関連付けて、滞在開始時刻及び終了時刻と、滞在位置を示す緯度経度データを記憶したものとなっている。
伝達情報記憶エリア1012は、自端末で生成された伝達情報及び他の端末から受信した伝達情報を記憶するために用いられる。図5はその一例を示すもので、登録時刻と、登録ネットワークエリア名と、緯度経度データと、内容データと、優先度を表す情報とから構成される。
ネットワークエリア決定部104は、どこかのネットワークに加入した場合に当該ネットワークからネットワークエリア情報を受信し、この受信したネットワークエリア情報を記憶部101に記憶する。そして、スーパーノード判定部105、アンステイブルノード判定部102、伝達情報送受信部107及び位置情報測定部108に対し処理開始トリガを与える。また、所属していたネットワークから離脱した場合に、その時刻を記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011内にある該当する項目に格納し、スーパーノード判定部105に対し開始トリガを送信する機能を有する。
スーパーノード判定部105は、上記ネットワークエリア決定部104或いは周期的にトリガを発生するタイマ111から開始トリガを受け取った場合に、自端末がスーパーノードとして動作すべき端末か否かを判定する。そして、スーパーノードとして動作すべきと判定した場合には、スーパーノード機能部106に対し開始トリガを与える。一方、現在スーパーノード機能が動作しているがスーパーノードとして動作する必要がなくなったと判定した場合には、スーパーノード機能部106に対し停止トリガを与える機能を有する。
スーパーノード機能部106は、開始トリガを受け取ったならばスーパーノード機能を起動し、停止トリガを受け取ったならばスーパーノード機能を停止する。なお、スーバーノード機能としては、ネットワークエリア内に新たに参加した端末から伝達情報を受信し、この受信した伝達情報を当該ネットワークエリアに既に所属している他の端末に対し配信する機能と、当該ネットワークエリアに所属している端末を把握する機能がある。この様な機能を有するスーバーノードを用いることで、ネットワークエリア内の伝達情報送受信を円滑に行うことができる。
アンステイブルノード判定部102は、開始トリガを受け取ったならば記憶部101よりネットワーク変遷情報を読み出し、このネットワーク変遷情報をもとに自端末がアンステイブルノードであるか否かを判定して、その判定結果をプログラムメモリに記憶する。アンステイブルノード判定フラグは、プログラム終了後まで保持している必要がないため、プログラムメモリに記憶することで記憶部101の容量を節約する。
伝達情報送受信部107は、開始トリガを受け取ったならば、自端末が滞在するネットワークエリア内に存在する他のノードより伝達情報を受信する。そして、プログラムメモリに自端末がアンステイブルノードであることを示す判定フラグが記憶されているか否かを判定し、記憶されていなければ上記受信した伝達情報を記憶部101の伝達情報記憶エリア1012に記憶する。一方、記憶されている場合には、情報の優先度算出部103に対し開始トリガを与える。また、ネットワークに加入した場合には、記憶部101の伝達情報記憶エリア1012に記憶されている伝達情報を読み出して、スーバーノードになっている端末へ送信する機能を有する。
情報の優先度算出部103は、ネットワークエリア間の物理的距離算出部1021と、情報の類似度算出部1022と、情報の新しさ算出部1023を有する。そして、開始トリガを受け取った場合に伝達情報の優先度を算出し、この算出した優先度を当該伝達情報に対応付けて記憶部101の伝達情報記憶エリア1012に記憶させる。
位置情報判定部108は、開始トリガを受け取った場合に、例えばGPS(Global Area Network)を利用して自端末の位置を測位し、この測位により得られた緯度経度データを記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011内にある該当する項目に記憶させる。
(動作)
次に、以上のように構成された端末100の動作を説明する。図6は端末100による情報伝達動作の全体の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
次に、以上のように構成された端末100の動作を説明する。図6は端末100による情報伝達動作の全体の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
(1)ネットワークBに加入したときの動作
端末100は、先ずステップS1において、ネットワークエリア決定部104により自端末が新たなネットワークに加入したか否かを監視している。そして、例えば図1に示したネットワークエリアBに加入したことが検出されると、ステップS2において当該ネットワークからネットワークエリア情報を受信し、この受信したネットワークエリア情報を記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011に格納する。続いてステップS3において、位置情報測定部108によりGPSを利用して自端末の位置を測位し、この測位により得られた緯度経度データを記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011に記憶させる。
端末100は、先ずステップS1において、ネットワークエリア決定部104により自端末が新たなネットワークに加入したか否かを監視している。そして、例えば図1に示したネットワークエリアBに加入したことが検出されると、ステップS2において当該ネットワークからネットワークエリア情報を受信し、この受信したネットワークエリア情報を記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011に格納する。続いてステップS3において、位置情報測定部108によりGPSを利用して自端末の位置を測位し、この測位により得られた緯度経度データを記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011に記憶させる。
端末100は、次にステップS4において、スーパーノード判定部105により自端末がスーパーノードとして動作すべき端末か否かを判定する。スーパーノードとして動作すべきか否かの判定は、スーパーノード型P2Pで一般的に利用されている安定性(電源ON状態が所定期間以上連続していること)、記憶容量が所定容量以上であること、CPUのデータ処理速度が規定速度以上であること等をパラメータとして行われる。同一ネットワークエリア内でこれらの条件を満足すると、自端末をスーパーノードになるべき端末であると判定し、スーパーノード機能部106を動作させる。
端末100は、次にステップS5によりアンステイブルノード判定部102を起動し、このアンステイブルノード判定部102の制御の下で、自端末がアンステイブルノードであるか否かを以下のように判定する。図7はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、先ずステップS501において、予め設定した期間における自端末が滞在したネットワークエリアの変遷情報を、記憶部101のネットワーク変遷情報記憶エリア1011から読み出す。続いてステップS502において、自端末が滞在したネットワークの実数、つまり2回以上滞在したネットワークエリアが存在する場合には当該ネットワークエリアへの滞在数を1回として数えたときのネットワークエリアの数を計数する。例えば、いま図4に示すように4つの滞在データが記憶されている場合、この4つの滞在データのうちエリアAには2回滞在しているためこれを1回とし、その結果滞在したネットワークの実数は3となる。
そして、この計数されたネットワークの実数が予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、ネットワークの実数が予め設定された閾値以上であれば、アンステイブルノード判定部102はステップS505において自端末はアンステイブルノードであると判断し、その旨を示すアンステイブルノード判定フラグをプログラムメモリに記憶させる。
これに対し、上記計数されたネットワークの実数が閾値未満だったとする。この場合アンステイブルノード判定部102は、上記読み出されたネットワークエリア変遷情報の中に、現在滞在するネットワークエリアから予め設定された距離以上離れたネットワークエリアがあるか否かを判定する。例えば、いま読み出されたネットワークエリア変遷情報に図4に示すような滞在データが含まれているとすれば、これらの滞在データに含まれる緯度経度データをもとにネットワークエリア間の距離を算出する。そして、この算出したネットワークエリア間の距離を予め設定された閾値と比較し、閾値以上のネットワークエリアが存在すれば、ステップS505において自端末はアンステイブルノードであると判断して、その旨を示すアンステイブルノード判定フラグをプログラムメモリに記憶させる。
また、上記ステップS503による判定の結果、ネットワークエリア間の距離が閾値以上のネットワークエリアがネットワーク変遷情報中に存在しなかったとする。この場合アンステイブルノード判定部102は、ステップS504に移行して、上記読み出されたネットワークエリア変遷情報の中に、ネットワークエリア実数が2種類以上でかつ同一のネットワークエリアの最大出現数が予め設定された閾数以上あるか否かを判定する。同一のネットワークエリアの最大出現数とは、ネットワークエリア変遷情報の中に同一のネットワークエリアがいくつ含まれているかを数えたうち、最大の数となるものを指す。
図4を例にとると、ネットワークエリアAは2回、エリアBおよびエリアCはそれぞれ1回の出現回数であるため、同一ネットワークエリアの最大出現数は2回となる。ここで、少なくとも2つの異なるネットワークエリアへの滞在履歴があり、かつ同一のネットワークエリアに対し加入・離脱を繰り返す端末は、複数のネットワークエリアを転々と移動することはないが、1つのネットワークエリアに対して定期的に滞在する端末と捉えることが可能であるため、ネットワークエリア間の情報伝播を託すに足りるアンステイブルノードの役割を果たせるとノードと見なすことができる。したがって、滞在したネットワークエリアの実数が2以上でかつ同一ネットワークエリアの最大出現数が閾値以上であれば、ステップS505において自端末はアンステイブルノードであると判断して、その旨を示すアンステイブルノード判定フラグをプログラムメモリに記憶させる。
(2)伝達情報を受信したときの動作
端末100が、図1に示すネットワークエリアBに滞在している状態で、当該ネットワークエリアBに滞在する他の端末から自端末宛の伝達情報が送信されたとする。そうすると端末100は、伝達情報送受信部107の制御の下、ステップS7において上記伝達情報を通信インタフェース110を介して受信する。そして、ステップS8により、プログラムメモリからアンステイブルノード判定フラグを読み出し、この判定フラグにより自端末がアンステイブルノードであるか否かを判定する。
端末100が、図1に示すネットワークエリアBに滞在している状態で、当該ネットワークエリアBに滞在する他の端末から自端末宛の伝達情報が送信されたとする。そうすると端末100は、伝達情報送受信部107の制御の下、ステップS7において上記伝達情報を通信インタフェース110を介して受信する。そして、ステップS8により、プログラムメモリからアンステイブルノード判定フラグを読み出し、この判定フラグにより自端末がアンステイブルノードであるか否かを判定する。
上記判定の結果、自端末がアンステイブルノードであれば、ステップS9に移行してここで情報の優先度算出部103を起動し、この優先度算出部103により上記受信された伝達情報の優先度を以下のように計算する。図8はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、優先度算出部103は先ずステップS901において、上記受信した伝達情報が複数あればその中に優先度をまだ計算していない情報があるかどうかを判定する。そして、未計算の伝達情報があればステップS902に移行し、未計算の伝達情報を1つ選択する。
次に、上記選択された伝達情報について、ステップS903において、ネットワークエリア間の物理的距離算出部1021により、現在滞在しているネットワークエリアと、上記選択された伝達情報が記憶されたときに自端末が滞在していたネットワークエリアとの間の地理的距離を計算する。この地理的距離は、上記選択された伝達情報に含まれる緯度経度データと、現在滞在しているネットワークエリアの緯度経度データとをもとに計算される。この計算されたネットワークエリア間の物理的距離を表すデータは作業メモリに保存される。
続いてステップS904において、情報の類似度算出部1022により、上記選択された伝達情報と、記憶部102の伝達情報記憶エリア1012に記憶されている全ての伝達情報との間の類似度を算出する。情報の類似度は、先に原理の項で述べたように例えばベクトル空間法を用いて以下のように算出する。
すなわち、選択された伝達情報をD、伝達情報記憶エリア1012に記憶されている伝達情報の一つをE、上記伝達情報Dと記憶された伝達情報Eに出現する単語種類数をn、その単語種類のうちi番目の単語をwi 、伝達情報Dおよび伝達情報Eにおける単語wの出現頻度をそれぞれDw 、Ew とし、伝達情報Dと伝達情報Eとの間の情報の類似度Sim(D,E)を、下記の式(2)により算出する。
そして、この算出された各類似度のデータを作業メモリに保存する。
次にステップS905において、上記計算された類似度が最も低い伝達情報を選択し、この選択された伝達情報を予め設定した閾値と比較して当該閾値以下であるか否かを判定する。この判定の結果、閾値以下であればステップS906に移行し、上記算出したネットワーク間の物理的距離が予め設定された閾値以上であるかどうかを判定する。そして、閾値以上であれば、ステップS909において、上記選択された伝達情報の優先度を「中」に設定し、これを伝達情報に関連付けて作業メモリに保存する。これに対し上記ネットワーク間の物理的距離が閾値未満であれば、ステップS910において、上記選択された伝達情報の優先度を「高」に設定し、これを伝達情報に関連付けて作業メモリに保存する。
一方、上記選択された伝達情報の類似度が閾値より高かったとする。そうするとステップS905からステップS907に移行し、ここで上記算出したネットワーク間の物理的距離が閾値以下であるかどうかを判定する。そして、閾値より高ければステップS911において、上記選択された伝達情報の優先度を「低」に設定し、これを伝達情報に関連付けて作業メモリに保存する。
これに対し、上記算出したネットワーク間の物理的距離が閾値以下だったとすると、ステップS908に移行して、ここで上記選択された伝達情報の新しさが予め設定された閾値以上であるか否かを判定する。この判定の結果、閾値以上であればステップS910において、上記選択された伝達情報の優先度を「高」に設定し、これを伝達情報に関連付けて作業メモリに保存する。一方、閾値未満であればステップS911において、上記選択された伝達情報の優先度を「低」に設定し、これを伝達情報に関連付けて作業メモリに保存する。
以下同様に優先度算出部103は、受信された伝達情報の各々についてそれぞれ優先度を計算し、全ての伝達情報に対する優先度の計算が終了すると、ステップS10に移行して、上記受信された伝達情報を記憶部101の伝達情報記憶エリア1012に記憶させる処理を以下のように実行する。図9はその処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
すなわち、先ず受信された伝達情報に関連付けられた優先度をステップS1001で判定する。この結果、優先度が「低」の伝達情報については、ステップS1002において伝達情報記憶エリア1012の空き容量が所定量以上残っているか否かを判定し、残っていればステップS1003で伝達情報記憶エリア1012に記憶させる。これに対し空き容量がなければ、記憶せずに破棄する。
次に、上記ステップS1001による判定の結果、優先度が「中」の伝達情報については、ステップS1004において伝達情報記憶エリア1012の空き容量が所定量以上残っているか否かを判定し、残っていればステップS1005において伝達情報記憶エリア1012に記憶させる。これに対し所定量以上の空き容量がなければ、ステップS1006において伝達情報記憶エリア1012に記憶されている伝達情報の中に優先度が「中」よりも低い、つまり優先度が「低」の伝達情報があるか否かを判定する。そして、優先度が「低」の伝達情報が見つかった場合には、ステップS1007により当該伝達情報を削除し、しかる後ステップS1008において、上記受信された優先度が「中」の伝達情報を記憶させる。
また、上記ステップS1001による判定の結果、優先度が「高」の伝達情報については、ステップS1009において伝達情報記憶エリア1012の空き容量が所定量以上残っているか否かを判定し、残っていればステップS1010において伝達情報記憶エリア1012に記憶させる。これに対し所定量以上の空き容量がなければ、ステップS1011において伝達情報記憶エリア1012に記憶されている伝達情報の中に優先度が「高」よりも低い、つまり優先度が「低」又は「中」の伝達情報があるか否かを判定する。そして、優先度が「低」又は「中」の伝達情報が見つかった場合には、ステップS1012により当該伝達情報のうち優先度が最も低いものを削除し、しかる後ステップS1013において、上記受信された優先度が「高」の伝達情報を記憶させる。
(3)他の端末から伝達情報の送信依頼を受信したときの動作
ネットワークエリアBに滞在中に、同エリアの他の端末から伝達情報の送信要求が送られたとする。端末100は、ステップS11でこの送信要求の受信を検出すると、ステップS12において伝達情報送受信部107を起動する。そして、この伝達情報送受信部107の制御の下、該当する伝達情報を記憶部101の伝達情報記憶エリア1012から読み出し、この読み出された伝達情報を通信インタフェース110から要求元の端末に向け送信する。
ネットワークエリアBに滞在中に、同エリアの他の端末から伝達情報の送信要求が送られたとする。端末100は、ステップS11でこの送信要求の受信を検出すると、ステップS12において伝達情報送受信部107を起動する。そして、この伝達情報送受信部107の制御の下、該当する伝達情報を記憶部101の伝達情報記憶エリア1012から読み出し、この読み出された伝達情報を通信インタフェース110から要求元の端末に向け送信する。
(4)ネットワークからの離脱したときの動作
端末100がネットワークエリアBから離れ、当該ネットワークエリアBに滞在する他の端末から電波を受信できなくなったとする。そうすると、端末100はネットワークエリア決定部104の制御の下、ステップS13により自端末はネットワークエリアBから離脱したと判断し、ステップS14に移行する。そして、このステップS14において、記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011に記憶されている該当する滞在データに、離脱時刻を終了時刻として書込み、次のイベントが発生するまで待機状態となる。
端末100がネットワークエリアBから離れ、当該ネットワークエリアBに滞在する他の端末から電波を受信できなくなったとする。そうすると、端末100はネットワークエリア決定部104の制御の下、ステップS13により自端末はネットワークエリアBから離脱したと判断し、ステップS14に移行する。そして、このステップS14において、記憶部101のネットワークエリア変遷情報記憶エリア1011に記憶されている該当する滞在データに、離脱時刻を終了時刻として書込み、次のイベントが発生するまで待機状態となる。
(5)ネットワークエリアBからネットワークエリアAへ移動したときの動作
端末100が上記ネットワークエリアBから離脱した後、ネットワークエリアAに移動し加入しようとしたとする。端末100は、先に(1)で述べた場合と同様に、ステップS1においてネットワークエリア決定部104により自端末がネットワークに加入したか否かを監視している。そして、図1に示したようにネットワークエリアAに加入したことが検出されると、(1)で述べた場合と同様に、ステップS2乃至ステップS5においてネットワークエリア情報の記憶処理、位置情報の測定処理、スーパーノードの判定処理をそれぞれ行った後、アンステイブルノードの判定処理を行う。
端末100が上記ネットワークエリアBから離脱した後、ネットワークエリアAに移動し加入しようとしたとする。端末100は、先に(1)で述べた場合と同様に、ステップS1においてネットワークエリア決定部104により自端末がネットワークに加入したか否かを監視している。そして、図1に示したようにネットワークエリアAに加入したことが検出されると、(1)で述べた場合と同様に、ステップS2乃至ステップS5においてネットワークエリア情報の記憶処理、位置情報の測定処理、スーパーノードの判定処理をそれぞれ行った後、アンステイブルノードの判定処理を行う。
そして、このアンステイブルノードの判定処理の結果、自端末がアンステイブルノードであれば、ステップS6において伝達情報送受信部107の制御の下、記憶部101の伝達情報記憶エリア1012に記憶されている全ての伝達情報を読み出す。そして、この読み出された伝達情報を、通信インタフェース110からネットワークエリアAのスーパーノードSND1に向け送信する。なお、ネットワークエリアAにスーパーノードSND1が設定されていない場合には、ネットワークエリアAに滞在する全ての端末へ同報送信するようにしてもよい。
したがって、アンステイブルな端末100のネットワーク間移動により、移動前のネットワークエリアBで端末100が受信し記憶した伝達情報は、移動先のネットワークエリアAに存在するスーパーノードSND1又は他の端末ND1,ND2に伝達される。
(効果)
以上詳述したように一実施形態では、端末100においてネットワークエリア間を移動するごとに、各エリアへの滞在履歴の変遷を表す情報を生成し記憶部101に記憶するようにし、ネットワークエリアBに存在する状態で当該エリアBに存在する他のノードから送信された伝達情報を受信したときに、この受信された伝達情報を記憶部101に記憶するようにしている。そして、端末101がネットワークエリアBからネットワークエリアAに移動した場合に、上記記憶された変遷情報に基づいて自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定し、アンステイブルノードの場合に移動前のネットワークエリアBで受信し記憶した伝達情報を読み出して、移動後のネットワークエリアAに存在するスーパーノードSND1へ送信するようにしている。
以上詳述したように一実施形態では、端末100においてネットワークエリア間を移動するごとに、各エリアへの滞在履歴の変遷を表す情報を生成し記憶部101に記憶するようにし、ネットワークエリアBに存在する状態で当該エリアBに存在する他のノードから送信された伝達情報を受信したときに、この受信された伝達情報を記憶部101に記憶するようにしている。そして、端末101がネットワークエリアBからネットワークエリアAに移動した場合に、上記記憶された変遷情報に基づいて自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定し、アンステイブルノードの場合に移動前のネットワークエリアBで受信し記憶した伝達情報を読み出して、移動後のネットワークエリアAに存在するスーパーノードSND1へ送信するようにしている。
したがって、ネットワークエリアA,Bとインターネット等の上位ネットワークとの間で例えば災害により通信障害等が発生したとしても、アンステイブルノードである端末100のネットワーク間移動を利用して、ネットワークエリアA,B間で情報を伝達することが可能となる。
また、端末100がアンステイブルノードであるか否かの判定を、端末100が過去に滞在したことがあるネットワークの実数と、ネットワーク間の物理的距離と、過去に滞在したことがあるネットワークの実数が2以上でかつ同一のネットワークへの滞在回数が所定数以上であるか否かの判定結果を用いて行っている。したがって、端末100がネットワークエリアA,B間を渡り歩いているノードであるか否かを、的確に判定することができる。
さらに、伝達情報が受信されるごとに当該伝達情報の優先度と、記憶部101の伝達情報記憶エリア1012の空き容量が計算され、計算された空き容量が所定量に満たない場合に、上記記憶部101に記憶されている伝達情報の中で上記受信された伝達情報より優先度が低い伝達情報が削除されて、代わりに上記受信された伝達情報が上記記憶部101に記憶される。したがって、伝達情報の仲介を行うアンステイブルノードの限られた記憶容量をより有効に活用することが可能となる。
また優先度を計算する際には、移動前後のネットワーク間の距離と、受信された伝達情報と記憶媒体に記憶されている伝達情報との間の類似度と、受信された伝達情報の新しさをもとに、上記受信された伝達情報の優先度を決定するようにしている。しかも、伝達情報間の類似度の算出手法として、文書ファイルに対するベクトル空間法を用いている。したがって、受信された伝達情報の優先度を正確に判定することができる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、アンステイブルノードである端末100は移動先のネットワークエリアAにおいて、記憶している伝達情報をスーパーノードSND1へ送信する場合を例にとって説明したが、ネットワークエリアAに所属している全てのノードND1,NS2,SND1に同報送信するようにしてもよい。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、前記実施形態では、アンステイブルノードである端末100は移動先のネットワークエリアAにおいて、記憶している伝達情報をスーパーノードSND1へ送信する場合を例にとって説明したが、ネットワークエリアAに所属している全てのノードND1,NS2,SND1に同報送信するようにしてもよい。
また、この発明はP2Pネットワーク以外に、有線LANや無線LAN等のように特定の地域に固定的な通信エリアを構築するネットワークを適用してもよく、その他ネットワークの数やその種類、ノードの種類や構成、伝達情報の送受信制御、優先度の計算、アンステイブルノードの判定等における各処理手順とその処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
ND1〜ND4…ノード、SND1,SND2…スーパーノード、NW…ネットワーク、100…移動端末(ノード)、101…記憶部、1011…ネットワーク変遷情報記憶エリア、1012…伝達情報記憶エリア、102…アンテステイブルノード、103…優先度算出部、1021…ネットワークエリア間の物理的距離算出部、1022…情報の類似度算出部、1023…情報の新しさ算出部、104…ネットワークエリア決定部、105…スーパーノード判定部、106…スーパーノード機能部、107…伝達情報送受信部、108…位置情報測定部、110…通信インタフェース、111…タイマ。
Claims (6)
- 異なるエリアで構成される第1及び第2のネットワーク間を移動しながら当該第1及び第2のネットワークのエリアに存在する他のノードとの間で情報伝送を行う情報伝達装置であって、
前記ネットワーク間を移動するごとに当該ネットワークのエリアへの滞在履歴の変遷を表す情報を生成して記憶する変遷情報管理手段と、
前記第1のネットワークのエリアに存在する状態で、当該エリアに存在する他のノードから送信された伝達情報を受信したときに、この受信された伝達情報を記憶媒体に格納する伝達情報受信手段と、
前記第1のネットワークのエリアから第2のネットワークのエリアに移動した場合に、前記記憶された変遷情報に基づいて、自装置が過去に前記第1及び第2のネットワーク間を移動した履歴を持つアンステイブルノードであるか否かを判定する判定手段と、
自装置がアンステイブルノードと判定された場合に、前記第1のネットワークのエリアで受信し記憶した伝達情報を読み出して、前記第2のネットワークのエリアに存在する他のノードへ送信する伝達情報送信手段と
を具備することを特徴とする情報伝達装置。 - 前記判定手段は、前記記憶された変遷情報に基づいて、滞在した履歴があるネットワークの実数が予め設定された第1の閾値以上であるか否かを判定する第1の判定処理と、滞在した履歴がある複数のネットワークの中にエリア間の物理的距離が予め設定された第2の閾値以上離間しているネットワークが存在するか否かを判定する第2の判定処理と、滞在履歴があるネットワークの実数が2以上でかつ同一のネットワークへの滞在回数が予め設定された第3の閾値以上であるか否かを判定する第3の判定処理のうちの少なくとも一つを用いて、自装置がアンステイブルノードであるか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の情報伝達装置。
- 前記伝達情報受信手段は、
前記受信された伝達情報及び前記記憶手段に記憶されている伝達情報の優先度をそれぞれ計算する手段と、
前記記憶手段の空き容量を計算する手段と、
前記計算された空き容量が第4の閾値未満の場合に、前記記憶手段に記憶されている伝達情報の中で、前記受信された伝達情報より優先度が低い伝達情報を削除し、代わりに前記受信された伝達情報を前記記憶媒体に記憶させる手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の情報伝達装置。 - 前記優先度を計算する手段は、
前記受信された伝達情報を前記記憶媒体に記憶した時点で自装置が存在していたネットワークエリアと、自装置が現在存在するネットワークエリアとの間の物理的距離を計算する第1の手段と、
前記受信された伝達情報と、前記記憶媒体に記憶されている伝達情報との間の類似度を計算する第2の手段と、
前記受信された伝達情報の新しさが第5の閾値以上であるか否かを判定する第3の手段と、
前記第1、第2及び第3の手段による計算結果及び判定結果をもとに前記受信された伝達情報の優先度を決定する手段と
を備えることを特徴とする請求項3記載の情報伝達装置。 - 前記類似度を計算する第2の手段は、前記受信された伝達情報を空間ベクトル化してその余弦類似度を算出することを特徴とする請求項4記載の情報伝達装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の情報伝達装置が備える各手段の処理を、当該情報伝達装置が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
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-
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