JP5486771B2 - 装飾用パネル - Google Patents

装飾用パネル Download PDF

Info

Publication number
JP5486771B2
JP5486771B2 JP2008023512A JP2008023512A JP5486771B2 JP 5486771 B2 JP5486771 B2 JP 5486771B2 JP 2008023512 A JP2008023512 A JP 2008023512A JP 2008023512 A JP2008023512 A JP 2008023512A JP 5486771 B2 JP5486771 B2 JP 5486771B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
decorative
decorative pattern
optical
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008023512A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009184129A5 (ja
JP2009184129A (ja
Inventor
孝二 是近
達夫 船藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanko Gosei Ltd
Original Assignee
Sanko Gosei Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanko Gosei Ltd filed Critical Sanko Gosei Ltd
Priority to JP2008023512A priority Critical patent/JP5486771B2/ja
Publication of JP2009184129A publication Critical patent/JP2009184129A/ja
Publication of JP2009184129A5 publication Critical patent/JP2009184129A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5486771B2 publication Critical patent/JP5486771B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、車両用インストルメントパネルの装飾または家具の扉表面や引き出し用鏡板の装飾、携帯電話機本体の表面の装飾、電化製品の表面の装飾などに使用される装飾用パネルに関し、さらに詳しくは、光透過性基材に形成された装飾用の模様パターンを可視領域の色光を利用して任意の色で輝光表示できるようにした装飾用パネルに関するものである。
従来の装飾用パネル、例えば自動車用装飾パネルとして、乗用車の後部端のリアコンビネーションランプ間に装着されるガーニッシュが知られている(特許文献1参照)。
この種の装飾パネルは、アクリル等の透明な合成樹脂材からなるカバーと、このカバーを自動車の車体に取り付けるための取付基材とを備え、カバーの外表面は平滑な面に加工されているとともに取付基材と相対向する内表面には細かい凹凸模様(シボ)が形成されている。また、カバーの内表面と相対向する取付基材の表面には平面的に連続した凹球状の魚眼を形成し、さらに、この凹球状の魚眼にシルバーメタリック塗料を塗布してメタリック塗膜面を形成する。
このような装飾パネルにおいては、カバーを透過した光はカバー内表面の細かい凹凸模様(シボ)により複雑に散乱され、この散乱光が取付基材のメタリック塗膜面に入射されると、凹球状の魚眼形状からくる凹面鏡の作用によって、その入射光の反射の乱れが集約された反射光となり、これにより、フレネルレンズの効果を出して、奥行きの深さを表現できる装飾パネルを提供できるようにしている。
特開平4−78632号公報
しかし、このような従来の装飾パネルは、細かい凹凸模様を有するカバーと、このカバーと対向する表面に形成した凹球状の魚眼にシルバーメタリック塗料を塗布してなるメタリック塗膜面を有する取付基材とから構成されるものであるため、乗用車のガーニッシュなどには好適であるものの、車両用インストルメントパネルの装飾または家具の扉表面や引き出し用鏡板の装飾、携帯電話機本体の表面の装飾などに用いられる装飾パネルには不向きである。なぜならば、装飾パネルはカバーと取付基材とを空間を介して対向配置される構造であるため、装飾パネル自体が厚くなって薄型化できないほか、装飾パネルの構成部品点数が多くなり、コスト高になるという問題がある。
また、従来の装飾パネルを構成する取付基材のメタリック塗膜面は凹球状の凹面鏡からなり、この凹面鏡でカバーの凹凸模様で散乱されて入射される光を集約された反射光、すなわち凹面鏡の大きさに応じた径のスポット光として反射するものであるため、このスポット状反射光の輝度はほとんど均一であるとともに、装飾パネルに対し視点を変えてもスポット光の輝度は変化しない。その結果、インストルメントパネルやドアートリムなどの自動車内装部品の装飾や電化製品などの装飾には変化が乏しく、かつ見栄えが低いという問題があった。
本発明は上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、光透過性基材に形成された装飾模様を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示できるとともに、変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる装飾用パネルを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、装飾用パネルであって、厚さ方向の一方の面である表面を光入射面とし前記表面と反対の面を裏面とする一定厚さの透明または半透明な板状の基材と、前記基材の前記表面及び前記裏面の一方に形成された装飾模様と、前記装飾模様の表面及び前記装飾模様を除いた前記表面または前記裏面の少なくとも前記装飾模様の表面に均一な厚さに形成され前記装飾模様を着色する着色用の光学装飾膜とを備え、前記装飾模様は、前記基材の前記表面側から入射される入射光を前記表面側へ反射することで当該反射する光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせて前記装飾模様に光の明暗が付けられるようにカオス理論の式であるロジスティック関数により決定されている不規則な三次元形状の反射面で構成され、前記装飾模様が前記基材の前記裏面に形成され、かつ該裏面に形成された前記装飾模様の前記反射面に前記光学装飾膜が形成されている場合の該光学装飾膜は、前記反射面と前記光学装飾膜との界面を透過して前記光学装飾膜に達した入射光が前記光学装飾膜での光の干渉により決定される特定の色の光を前記表面側に向け反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成され、前記装飾模様が前記基材の前記表面に形成され、かつ該表面に形成された前記装飾模様の前記反射面に前記光学装飾膜が形成されている場合の該光学装飾膜は、前記光学装飾膜に入射される入射光が前記光学装飾膜での光の干渉により決定される特定の色の光を前記表面側に向け反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成され、さらに前記基材は有色透明な材質で成形されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の装飾用パネルにおいて、前記光学装飾膜は、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数積層することで構成され、前記積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の装飾用パネルにおいて、前記基材の光入射側である前記表面に、加飾用の模様パターンを有する半透明もしくは透明な加飾層が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1記載の装飾用パネルにおいて、前記基材は、カオス理論により作成可能となった不規則な表面形状の三次元数値データに基づき、最小5nmの表面粗さの加工が可能な超微細加工機を利用し、不規則な表面形状でありながら表面粗さが5nmという鏡面レベルの三次元加工を施した金型により作成した樹脂成形品であることを特徴とする。
本発明の装飾用パネルによれば、基材の表面及び裏面の一方に形成された装飾模様を、基材の表面側から入射される入射光を表面側へ反射することで当該反射する光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせて装飾模様に光の明暗が付けられるようにカオス理論の式であるロジスティック関数により決定されている不規則な三次元形状の反射面で構成し、そして、装飾模様が基材の裏面に形成され、かつ該裏面に形成された装飾模様の反射面に光学装飾膜が形成されている場合の光学装飾膜を、反射面と光学装飾膜との界面を透過して光学装飾膜に達した入射光が光学装飾膜での光の干渉により決定される特定の色の光を表面側に向け反射することで上記光の明暗に合わせて濃淡色にカラー表示するようにし、また、装飾模様が基材の表面に形成され、かつ該表面に形成された装飾模様の反射面に光学装飾膜が形成されている場合の該光学装飾膜を、光学装飾膜に入射される入射光が光学装飾膜での光の干渉により決定される特定の色の光を表面側向け反射することで上記光の明暗に合わせて濃淡色にカラー表示するようにしたので、基材に形成された装飾模様を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様にゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる。
また、本発明の装飾用パネルによれば、基材を有色透明な材質で成形することにより、装飾用パネルの見栄えを色彩の面から強調することができる。
また、本発明の装飾用パネルによれば、カオス理論に基づいて作成した形状データを基に製作した装飾模様複製用の金型を用いて合成樹脂材からなる装飾模様付き基材を形成したので、装飾模様付きの基材を量産することができる。
また、本発明の装飾用パネルによれば、基材の光入射側表面に、模様パターンを有する加飾層を形成したので、加飾層の模様パターンに三次元形状の反射面で生成された反射光による不規則に変化する光の明暗を付加できる。これにより、装飾模様に立体感付与し、より見栄えの良い装飾用パネルを提供できる。
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明にかかる実施の形態1の装飾用パネルを模式的に示す平面図、図2は図1の2−2線に沿う拡大断面図、図3は本発明にかかる実施の形態1の装飾用パネルにおける反射面を光が入射される面と反対の面から見た斜視図、図4は図3の4−4線に沿う拡大断面図、図5は本実施の形態1における装飾模様の表面形状の一例を示す波形図、図6は本実施の形態1における装飾用パネルの三次元形状の反射面に対して入射する光の反射及び透過状態を模式的に示す断面図である。
本実施の形態1に示す装飾用パネル10は、図1及び図2に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明または半透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材または半透明材からなる一定厚さの板状の基材11を備える。この基材11の光入射側の面(表面)11aと反対の面である裏面11bには、不規則な三次元形状の反射面121からなる装飾模様12が形成されている。
上記装飾模様12を構成する三次元形状の反射面121は、図3に示すように、ストライブ状に並列された凹凸状を呈している。
なお、装飾用パネル10の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光等の自然光などが用いられる。
次に、反射面121で生成される反射光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせる場合の具体例について図4〜図6を参照して説明する。
反射面121はカオス理論の関数に基づいて形成された不規則な三次元形状を呈している。
カオス理論の関数は数多く存在するが、本実施例の反射面の三次元形状は(1)式に示すロジスティック関数により決定されている。
(数1)
Xn+1=aXn(1―Xn)・・・・・(1)
ただし 0≦a≦4, 0≦X0≦1
ロジスティック関数は、生物の個体数が世代を経てどのように移動するかを示すモデルである。ここで、a:は繁殖率を表し、Xn:はn世代目の個体数を表し、Xn+1:n+1世代目の個体数を表す。ここで、繁殖率aを定数とし、世代nを横軸に、固体数Xnを縦軸に取り、aに任意の数字を投入すると、例えば図5に示すような波形の曲線が得られる。図5の波形を縦方向又は横方向に伸縮させることで、加工可能な波形に修正すると、不規則な三次元形状の反射面121からなる装飾模様12の表面形状を得られる。
このような本実施の形態1に示す装飾用パネル10において、図6に示すように、基材11の光入射側の面(表面)11aが照明光15により照射されると、この照明光15は図6に示すように入射光15aとなって基材11内を進行し反射面121に達する。そして、反射面121に達した入射光15aの一部は、ロジスティック関数に基づいて決定された反射面121の形状に応じて矢印15bのように基材11の表面11a側へ反射される。これに伴い、基材11の表面11aから出射される反射光15bの輝度に光の明暗パターンを生じさせる。
上記のような本実施の形態1に示す装飾用パネル10によれば、基材11の光入射側である表面11aと反対の面である裏面11bに設けられた装飾模様をカオス理論の式に基づいて構成された不規則な三次元形状の反射面で形成し、基材に入射される光を全体的に反射するかあるいは入射光の一部を反射して残りを透過するとともに、反射する光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせて装飾模様12に光の明暗を付けるようにしたので、反射面121で反射される光の輝度に明暗を生じさせて装飾模様12に光の明暗を付けるように構成したので、基材11に形成された装飾模様12に光のゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて装飾用パネル10を見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮させることができる。(実施の形態2)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態2について図7〜図11を参照して説明する。
図7は本発明にかかる実施の形態2の装飾用パネルを模式的に示す平面図、図8は図7の8−8線に沿う拡大断面図、図9は本実施の形態2における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて反射面を基材の裏面側から見た時の例を示す斜視図、図10は図9の10−10線に沿う拡大断面図、図11は実施の形態2における装飾用パネルの三次元形状の反射面に対して入射する光の反射及び透過状態を模式的に示す断面図である。
この実施の形態2に示す装飾用パネル20は、図7及び図8に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明または半透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材または半透明材からなる一定厚さの板状の基材21を備える。この基材21の光入射側の面(表面)21aと反対の面である裏面21bには、不規則な三次元形状の反射面221からなる装飾模様22が形成されている。また、この装飾模様22の表面を含む基材21の裏面21bには、図10及び図11に示すように、装飾模様22を含む装飾用パネル20全体を着色表示する光学装飾膜23が形成されている。
なお、装飾用パネル20の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光等の自然光などが用いられる。
光学装飾膜23は、不規則な三次元形状の反射面221と光学装飾膜23との界面を透過して光学装飾膜23に入射する入射光のうち、光学装飾膜23で決定された特定の色の光を反射面221に向け反射することにより、装飾模様22を光の明暗に合わせて着色表示するように構成されている。
前記光学装飾膜23は、図10及び図11に示すように、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数、例えば5〜10層積層することで構成される。
このような光学装飾膜23は、積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようになっている。
次に、反射面221で生成される反射光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせる場合の具体例について、図11を参照して説明する。
反射面221は、カオス理論の関数に基づいて形成された不規則な三次元形状により構成されている。カオス理論の関数は数多く存在するが、本実施例の反射面の三次元形状は上記(1)式に示すロジスティック関数により決定されている。
このような第2の実施の形態に示す装飾用パネル20において、図11に示すように、基材21の光入射側の面(表面)21aが照明光15により照射されると、この照明光15は、上記実施の形態1に示す場合と同様に入射光15aとなって基材21内を進行し反射面221に達する。そして、反射面221に達した入射光15aの一部はロジスティック関数により決定された反射面221の形状に応じて矢印15bのように基材21の表面21a側へ反射される。これに伴い、基材21の表面21aから出射される反射光15bの輝度に光の明暗パターンを生じさせる。
また、反射面221と光学装飾膜23との界面を透過して光学装飾膜23に入射する入射光15cのうち、光学装飾膜23の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光、例えば青色の波長に相当する光15dが光学装飾膜23で分離され反射面221に向け反射される。これにより、反射面221に応じて不規則に変化する光の明暗と光学装飾膜22で分離された光色とが合成された濃淡色に装飾模様22が着色される。
したがって、本実施の形態2に示す装飾用パネル20によれば、基材21の光入射側である表面21aと反対の面である裏面21bに反射面221を基材21の裏面21bに設けることで装飾模様22を構成することにより、反射面221で反射される光の輝度に明暗を生じさせて装飾模様22に光の明暗を付け、さらに、反射面221と光学装飾膜との界面を透過して光学装飾膜23に入射する入射光のうち、光学装飾膜23の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光を光学装飾膜23で分離して反射面221に向け反射させることにより、装飾模様22を上記光の明暗に合わせた濃淡色に着色するように構成したので、基材21に形成された装飾模様22を可視領域の光を利用して任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様22に光のゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて装飾用パネル20を見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮させることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態3について図12を参照して説明する。
図12は本発明の実施の形態3における装飾用パネルの要部の拡大断面図である。
この実施の形態3は、上記実施の形態2における装飾用パネル20の装飾模様22を構成する反射面221の変形例を示すもので、この反射面221は、図8及び図9に示す場合と同様に、上記(1)式に示すロジスティック関数によって決定される不規則な三次元形状によって構成されている。この反射面22aには光学装飾膜23が形成され、さらに、基材21の光入射側である表面21aには、木目や花柄または幾何学模様などの加飾用の模様パターンを有する半透明もしくは透明な加飾層18が形成されている。
このような第3の実施の形態における装飾用パネルによれば、基材21の光入射側表面21aに、模様パターンを有する加飾層14を形成したので、加飾層14の模様パターンに反射面221で生成された反射光による不規則に変化する光の明暗を付加され、これにより、装飾模様22に立体感を付与し、より見栄えの装飾用パネルを提供できる。
(実施の形態4)
次に、本発明にかかる装飾用パネルの実施の形態4について、図13を参照して説明する。
図13は本発明の実施の形態4における装飾用パネルの反射面及び光学装飾膜の光に対する作用を模式的に示す断面図である。
この実施の形態4に示す装飾用パネル30は、図13に示すように、アクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂材またはガラス等の透明材または半透明材または不透明材からなる一定厚さの板状の基材31を備える。この基材31の光入射側である一方の面31aには、装飾模様32が形成されており、装飾模様32は、上記数1のロジスティック関数に基づく三次元形状の反射面321によって構成されている。また、この装飾模様32の一方の面31aには、装飾模様32を含む装飾用パネル30全体を着色表示する光学装飾膜33が形成されている。
なお、装飾用パネル30の照明光15には、各種照明灯の光または太陽光などの自然光などが用いられる。
前記装飾模様32は、光学装飾膜33との界面である基材31の一方の面31aに形成された反射面321を一方の面31aに形成することで構成される。反射面321は、基材31に入射される入射光を反射または透過することにより、不規則に変化する光の明暗を生じさせ、装飾模様32に光の明暗を付ける。また、光学装飾膜33は、この光学装飾膜33に入射される入射光のうち、特定の色の光を基材31と反対の方向へ反射することで装飾模様32を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成されている。
前記光学装飾膜33は、図11に示す場合と同様に、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数、例えば5〜10層積層することで構成される。このような光学装飾膜33は、積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようになっている。
このような本実施の形態4に示す装飾用パネル30において、図13に示すように、基材31の光学装飾膜33が照明光15により照射されると、この照明光は図12に示すように入射光15aとなって光学装飾膜33内を進行し反射面321に達する。そして、反射面321に達した入射光15aの一部は、上記(1)式に示すロジスティック関数により決定された反射面321の形状に応じて矢印15bのように基材31と反対側の面へ反射され、光学装飾膜33の表面から外方へ射出される。これに伴い、光学装飾膜33の表面から出射される反射光15bの輝度に不規則に変化する明暗パターンを生じさせるとともに光波長のシフトにより色収差を生じさせる。
また、光学装飾膜33に入射する入射光15aのうち、光学装飾膜33の屈折率と膜厚で決定される特定の色の光、例えば青色の波長に相当する光が光学装飾膜33で分離されて光学装飾膜33の表面から外方へ向け反射される。これにより、装飾模様32を構成する反射面321の形状に応じて不規則に変化する光の明暗と光学装飾膜33で分離された光色とが合成された濃淡色に装飾模様32が着色される。
このような本実施の形態4に示す装飾パネル40によれば、透明または半透明または不透明な板状の基材31の一方の面に装飾模様32を構成し、この装飾模様32を上記(1)式に示すロジスティック関数によって決定される不規則な三次元形状の反射面により構成することにより、この三次元形状の反射面で反射される光の輝度に光のゆらぎによる明暗を生じさせて装飾模様32に光の明暗を付け、さらに、光学装飾膜33に入射される入射光のうち、特定の色を基材31と反対の方向へ反射することで装飾模様32を上記光の明暗に合わせた濃淡色にカラー表示するようにしたので、基材31に形成された装飾模様32を可視領域の光を利用した任意の色で輝光表示させることができるとともに、装飾模様32にゆらぎによる変化に富んだ見栄えの良い光学的装飾を可能にし、併せて見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる。
上述した装飾用パネル10,20,30は合成樹脂材により複製される。
この場合、装飾模様を構成する不規則な三次元形状の反射面の形状データをカオス理論に基づいて作成し、この形状データを基にナノ加工機を駆動することで装飾模様複製用の金型を製作する。その後、この金型を用いて合成樹脂材により装飾模様付き基材、すなわち装飾用パネル10,20,30を複製する。
この方式によれば、装飾用パネルを量産することができる。
なお、上記実施の形態では、基材に無色透明な材質または半透明な材質または不透明な材質により成形した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、基材を有色透明または有色半透明な材質で成形することも可能である。この場合、装飾用パネルの見栄えを色彩の面から強調することができる。
また、本発明にかかる装飾用パネルの反射面の形状は、上記実施の形態に示したロジスティック関数によって決定されるものに限らず、カオス理論の関数に基づいて決定されるものであれば、どのような形状のものでも良い。
また、本発明の装飾用パネルを樹脂成形品で作成する場合、超微細加工機を利用し、不規則でありながら鏡面レベルの超微細な三次元加工を施した金型により作成することができる。金型の加工は、カオス理論によって作成が可能となった不規則な表面形状の三次元データに基づいて行われる。これにより、不規則でありながら鏡面レベルの超微細な三次元表面を装飾模様上に表現することができ、見る者の視覚に作用して、癒し、くつろぎ、または安らぎを与える光学的装飾効果を発揮できる。
本発明にかかる実施の形態1の装飾用パネルを模式的に示す平面図である。 図1の2−2線に沿う拡大断面図である。 本発明にかかる実施の形態1の装飾用パネルの反射面を、光が入射される面と反対の面から見た斜視図である。 図3の4−4線に沿う拡大断面図である。 本実施の形態1における装飾模様の表面形状の一例を示す波形図である。 本発明の実施の形態1における装飾用パネルの三次元形状の反射面の光に対する作用を模式的に示す断面図である。 本発明にかかる実施の形態2の装飾用パネルを模式的に示す平面図である。 図7の8−8線に沿う拡大断面図である。 本発明の実施の形態2における装飾用パネルの光学装飾膜を取り除いて反射面を基材の裏面側から見た時の一例を示す斜視図である。 図9の10−10線に沿う拡大断面図である。 本発明の実施の形態2における装飾用パネルの反射面に対して入射する光の反射及び透過状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3における装飾用パネルの要部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態4における装飾用パネルの反射面及び光学装飾膜の光に対する作用を模式的に示す断面図である。
10,20,30 装飾用パネル
11,21,31 基材
11a,21a,31a 表面
11b,21b,31b 裏面
12,22,32 装飾模様
121,221,321 反射面
14 加飾層
23,33 光学装飾膜

Claims (4)

  1. 厚さ方向の一方の面である表面を光入射面とし前記表面と反対の面を裏面とする一定厚さの透明または半透明な板状の基材と、
    前記基材の前記表面及び前記裏面の一方に形成された装飾模様と、
    前記装飾模様の表面及び前記装飾模様を除いた前記表面または前記裏面の少なくとも前記装飾模様の表面に均一な厚さに形成され前記装飾模様を着色する着色用の光学装飾膜とを備え、
    前記装飾模様は、前記基材の前記表面側から入射される入射光を前記表面側へ反射することで当該反射する光の輝度に不規則に変化する明暗を生じさせて前記装飾模様に光の明暗が付けられるようにカオス理論の式であるロジスティック関数により決定されている不規則な三次元形状の反射面で構成され、
    前記装飾模様が前記基材の前記裏面に形成され、かつ該裏面に形成された前記装飾模様の前記反射面に前記光学装飾膜が形成されている場合の該光学装飾膜は、前記反射面と前記光学装飾膜との界面を透過して前記光学装飾膜に達した入射光が前記光学装飾膜での光の干渉により決定される特定の色の光を前記表面側向け反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成され、
    前記装飾模様が前記基材の前記表面に形成され、かつ該表面に形成された前記装飾模様の前記反射面に前記光学装飾膜が形成されている場合の該光学装飾膜は、前記光学装飾膜に入射される入射光が前記光学装飾膜での光の干渉により決定される特定の色の光を前記表面側に向け反射することで前記装飾模様を前記光の明暗に合わせて着色表示するように構成され、
    さらに前記基材は有色透明な材質で成形されている、
    ことを特徴とする装飾用パネル。
  2. 前記光学装飾膜は、低屈折の薄膜層と高屈折の薄膜層を交互に複数積層することで構成され、前記積層される薄膜層の屈折率と膜厚を変えることで特定の色の光を反射し、それ以外の色の光を透過するようにしたことを特徴とする請求項1記載の装飾用パネル。
  3. 前記基材の光入射側である前記表面に、加飾用の模様パターンを有する半透明もしくは透明な加飾層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の装飾用パネル。
  4. 前記基材は、カオス理論により作成可能となった不規則な表面形状の三次元数値データに基づき、最小5nmの表面粗さの加工が可能な超微細加工機を利用し、不規則な表面形状でありながら表面粗さが5nmという鏡面レベルの三次元加工を施した金型により作成した樹脂成形品であることを特徴とする請求項1記載の装飾用パネル。
JP2008023512A 2008-02-04 2008-02-04 装飾用パネル Active JP5486771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008023512A JP5486771B2 (ja) 2008-02-04 2008-02-04 装飾用パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008023512A JP5486771B2 (ja) 2008-02-04 2008-02-04 装飾用パネル

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009184129A JP2009184129A (ja) 2009-08-20
JP2009184129A5 JP2009184129A5 (ja) 2011-03-17
JP5486771B2 true JP5486771B2 (ja) 2014-05-07

Family

ID=41067904

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008023512A Active JP5486771B2 (ja) 2008-02-04 2008-02-04 装飾用パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5486771B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016007780A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 スタンレー電気株式会社 装飾照明装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0439040Y2 (ja) * 1987-06-22 1992-09-11
US5126880A (en) * 1990-12-18 1992-06-30 The Dow Chemical Company Polymeric reflective bodies with multiple layer types
JP3901195B2 (ja) * 1997-01-10 2007-04-04 松下電器産業株式会社 電子レンジ
US6531230B1 (en) * 1998-01-13 2003-03-11 3M Innovative Properties Company Color shifting film
KR100472114B1 (ko) * 2000-07-27 2005-03-14 알렉산더 세르게이비치 드미트리프 혼돈 신호를 이용한 정보전송방법
DE10157534C1 (de) * 2001-11-23 2003-05-15 Ovd Kinegram Ag Zug Sicherheitselement mit Beugungsstrukturen
JP4048762B2 (ja) * 2001-11-27 2008-02-20 豊田合成株式会社 加飾成形品の製造方法
MY151411A (en) * 2006-05-02 2014-05-30 Hologram Ind Optical security marking component, method of manufacturing such a component, system comprising such a component, and reader for checking such a component

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009184129A (ja) 2009-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5254558B2 (ja) 装飾用パネル
JP5254557B2 (ja) 装飾用パネル
US9902319B1 (en) Illuminated cup holder
JP5351440B2 (ja) 装飾用パネル
JPH08500684A (ja) 背面光源を使用する高分子反射材料
JP5351412B2 (ja) 装飾用パネル
US20230271549A1 (en) Component for vehicle interior
JP2009269222A (ja) 装飾用パネル
JP5486771B2 (ja) 装飾用パネル
JP4845414B2 (ja) パール模様装飾体
JP2010201652A (ja) 装飾体及びその製造方法
JP2009083375A (ja) 装飾用パネル
JP5275712B2 (ja) 装飾物品
JP6755774B2 (ja) 車両内装品
JP6135928B2 (ja) 装飾部材
CN212841473U (zh) 一种装饰结构及发光装置
US11951837B2 (en) Decorated switch for vehicles and interior panel for vehicles
US20230249492A1 (en) Device with backlit colored display and method of manufacture
JP6135983B2 (ja) 樹脂の積層成形体及び積層成形品
JP5587018B2 (ja) 加飾シート
CN113795391B (zh) 具有多层结构的装饰元件和装饰装置
JP2011068123A (ja) 成形品
JP2010076203A (ja) 装飾パネル
CN115366810A (zh) 装饰组件、内饰组件、交通工具、装饰方法
KR100613146B1 (ko) 다층 영상에 의한 입체감 표현 화면장치

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130820

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5486771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250