JP5484837B2 - 光学素子および光学素子の製造方法ならびに微細凹凸構造 - Google Patents

光学素子および光学素子の製造方法ならびに微細凹凸構造 Download PDF

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Description

本発明は、光学素子および光学素子の製造方法ならびに微細凹凸構造に関する。
光学素子を用いて構成される光学系では、個々の光学素子の光学機能面における入射光の反射は、入射光量の損失や、反射光の予期し得ない散乱による光学性能の低下等の要因となり好ましくない。
そこで、従来ではレンズ等の光学素子の表面に反射防止コーティングが行なわれていた。
そして近年では、反射防止コーティングの代わりに、広い波長帯域および広範囲の入射角度での光の反射抑制が可能、光学素子との一体化が可能、等の種々の利点を有する表面無反射構造が提案されている。
この表面無反射構造、すなわち反射防止構造は、光学素子の光学機能面に入射光の波長以下の微細な凹凸を形成することによって実現されている。
例えば特許第4197100号公報においては、基材表面に反射防止構造である微細凹凸形状が形成されており、それぞれが孤立した凸部の最凸部の山形状を最凹部の谷形状よりも尖った形状にして反射防止性能を向上させている。
特許第4197100号公報
しかしながら、上述の従来技術では以下の技術的課題が残されていた。
すなわち、反射防止構造体として基材表面にそれぞれが独立した凸部を形成している光学素子においては、物体に対する接触等により反射防止構造体の微細な凸部が倒れるように変形したり、破損することにより反射防止効果等の光学性能が劣化してしまう場合がある。
本発明の目的は、外力や接触等による微細凹凸構造の変形や破損を低減し、反射防止効果等の光学性能の劣化を防止することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、その稜線が網目状に連続する凸部と、前記凸部に囲まれた複数の凹部とを含み、隣り合う複数の前記凹部の各々の中心部を通る断面における前記凸部の幅が前記凹部の深さ方向に曲線的に増加している微細凹凸構造を有する光学素子を提供する。
本発明の第2の観点は、光学素子の表面に、稜線が網目状に連続する凸部に囲まれた複数の凹部を含む微細凹凸構造を形成する光学素子の製造方法を提供する。
本発明の第3の観点は、その稜線が網目状に連続する凸部と、前記凸部に囲まれた複数の凹部とを含み、隣り合う複数の前記凹部の各々の中心部を通る断面における前記凸部の幅が前記凹部の深さ方向に曲線的に増加している微細凹凸構造を提供する。
本発明によれば、外力や接触等による微細凹凸構造の変形や破損を低減し、反射防止効果等の光学性能の劣化を防止することが可能な技術を提供することができる。
本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の構成の一例を示す略平面図である。 本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の凹凸部分を拡大して例示した断面図である。 本発明の一実施の形態である微細凹凸構造における凹凸部分の形状の定義例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である微細凹凸構造を備えた光学素子の一例を示す斜視図である。 本発明の他実施の形態である微細凹凸構造を備えた光学素子の構成例を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態である微細凹凸構造を備えた光学素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の凸部の変形例を示す部分断面図である。
本実施の形態の第1態様では、一例として、基材表面に微細な凹凸形状が形成された光学素子において、凸部が連続的に形成され、隣接する凹部の中心線を通る断面において、凹部中心部の隣り合う距離最大部の最大値が可視光波長よりも小さく、かつ該凸部幅が深さ方向に曲線的に増加する形状の微細凹凸構造を有する構成とする。
この第1態様に係る光学素子においては、凸部が連続的に形成され、隣接する凹部の中心線を通る断面において、凹部中心部の隣り合う距離最大部の最大値が可視光波長よりも小さく、かつ該凸部幅が深さ方向に曲線的に増加して形成されている。
このような微細凹凸構造を表面に形成した光学素子においては、入射光に対する反射率を効果的に低減でき、かつ凸部の稜線が連続した形状であるため強度が向上することにより、外力や接触等による微細凹凸構造の破損を低減することが可能となる。
第2態様では、第1態様に記載の光学素子において、隣接する凹部の中心線を通る断面において、凹部深さの1/2の位置における凹部幅が、凸部高さの1/2の位置における凸部幅よりも小さく形成されている。
この第2の態様に係る光学素子においては、隣接する凹部の中心線を通る断面において、凹部深さの1/2の位置における凹部幅が、凸部高さの1/2の位置における凸部幅よりも小さく形成されている。
このような微細凹凸構造を表面に形成したことにより、入射光に対する光学面での反射光をさらに均一に低減することが可能になるとともに、さらに凸部の強度が向上することにより接触等による構造体の破損を低減することが可能な光学素子となる。
第3態様では、第1態様または第2態様に記載の光学素子において、基材の表面形状が曲面である光学素子を提供する。
この第3態様に係る光学素子においては、曲面形状の光学素子基材の表面に前記微細凹凸形状が形成されている。
このように、表面に微細凹凸構造を形成した反射防止光学素子において、曲面形状の光学素子基材の表面に微細凹凸構造を形成させることにより、入射光に対する反射光を低減することが可能で、かつ凸部形状の強度が向上することにより接触等による構造体の破損を低減することが可能となり、様々な用途の光学系への適応が可能な光学素子となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の構成の一例を示す略平面図である。
図2は、本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の構成の一例を示す断面図である。
図3は、本発明の一実施の形態である微細凹凸構造の凹凸部分を拡大して例示した断面図である。
図4は、本発明の一実施の形態である微細凹凸構造における凹凸部分の形状の定義例を示す概念図である。
図5は、本発明の一実施の形態である微細凹凸構造を備えた光学素子の一例を示す斜視図である。
なお、本実施の形態では、各図において、互いに直交するX方向、Y方向、Z方向、は図示のとおりとする。
(構成)
図1は基板上に形成された微細凹凸構造8(微細凹凸構造)を上面から見た図であり、図2は図1の線A−A’部分の断面図を示している。
本実施の形態の微細凹凸構造8は、凸頂部2を連ねた稜線部3(稜線部)に沿って網目状に連続する凸部1(凸部)に取り囲まれるように複数の凹部5(凹部)が配列された構成となっている。
たとえば、微細凹凸構造8が配置形成される後述のプリズム20のような光学素子の光学面が平面の場合には、当該光学面に平行なX−Y平面が凹部5の配列面であり、凹部5の深さ方向(すなわち光学面の法線方向)がZ方向である。
本実施の形態の微細凹凸構造8の場合、凸部1の稜線部3から分かれる稜曲面4(すなわち凹部5の内周面7)は、外側、すなわち凹部5の側に凸となっており、凸部1の断面の幅寸法が凹部5の深さ方向に曲線的に増加している。
すなわち、連続した凸部1に囲まれた凹部5の断面形状は、たとえば、凹底部6に向かって先細りの略ロート形を呈している。
このように、本実施の形態の微細凹凸構造8は、単に配列面であるX−Y平面に穴を離散的に配列形成した構造とは全く異なり、隣り合う凹部5と凹部5の境界部にはX−Y平面に平行な平坦部は存在せず、凸部1の凸頂部2を連ねて網目状に連続する稜線部3を境に隣り合う凹部5の内部に落ち込む稜曲面4が存在するだけである。そして、この凸部1の稜曲面4が、同時に凹部5の内周面7となる構造である。
そして、微細凹凸構造8が配置される光学面が平面の場合には、微細凹凸構造8の稜線部3の包絡面が平面となり、光学面が曲面の場合には、微細凹凸構造8の稜線部3の包絡面が当該曲面となる。
このため、本実施の形態の微細凹凸構造8では、凹部5の間に平坦部が存在することに起因する反射防止効果の低下は生じない。
ここで、図3を参照して、本実施の形態の微細凹凸構造8の形状を特徴付ける各種寸法の一例について説明する。
図3では、凹部幅Wdおよび凸部幅Whの測定位置決める時の基準となる凹部深さDおよび凸部高さHが示されている。
凸頂部2から凹底部6までのZ方向の距離が、凸部1の凸部高さHであり、同時に凹部5の凹部深さDであり、構造的に両者は等しい。
また、凹部5の中心(本実施の形態での正確な定義は後述する)を通り、Z方向に平行な線が、凹部5の中心線5cである。
そして、隣り合う個々の凹部5の中心線5cを含む断面が、線A−A’の断面である。
なお、図1の例では、線A−A’は直線であるが、複数の凹部5の各々の中心線5cを連ねるX−Y平面内の直線がジグザグの場合もあり得る。
線A−A’の断面において、凸部高さHの1/2(=H/2)の位置における幅が、凸部1の凸部幅Whである。
同様に、凹部5の凹部幅Wdは、凹部深さDの1/2(=D/2)における幅である。
そして、本実施の形態の場合、凸部幅Wh>凹部幅Wdとなるように、凸部1および凹部5の輪郭形状が設定および制御されている。
また、線A−A’の断面において凸部1を挟んで隣り合う二つの凹部5の中心線5cの距離が凹部中心部間距離Lである。
本実施の形態の微細凹凸構造8における上述の各部寸法の具体的な一例を以下に例示する。
すなわち、凹部深さDの平均値は、一例として200nm、凸部高さHの平均値は、一例として200nmである。
また、凸部幅Whの平均値は、一例として60nm、凹部幅Wdの平均値は、一例として45nm、である。
また、凹部中心部間距離Lの平均値は、一例として105nmである。
そして、本実施の形態の微細凹凸構造8による反射防止を実現する対象が、たとえば可視光線(波長380nm〜780nm)の場合には、微細凹凸構造8における凹部中心部間距離Lの最大値Lmaxは、Lmax<380nmに設定される。
ここで、図4を参照して、本実施の形態の微細凹凸構造8における各部の寸法やばらつきを評価する方法の一例を説明する。
上述の図1の例では、個々の凹部5のX−Y平面に平行な平面での断面形状は略円形の場合が例示されているが、たとえば、楕円形、繭形、勾玉形等の任意の閉曲線の図形でもよい。
また、図4では、図示の便宜上、凹部5の輪郭を円形の実線で例示しているが、実際は、周囲の凸部1の稜線部3から凹底部6まで連続する曲面としての内周面7(稜曲面4)によって凹部5は形成されている。
この本実施の形態では、一例として、図4に例示されるように、任意の形状の凹部5の中心は、当該凹部5を取り囲む凸部1の稜線部3が交差するすべての稜線交点3aを頂点とする多角形5aの重心5b(中心部)と定義する。
そして、中心線5cは、この重心5bを通りZ方向に平行な線分である。
また、凹部中心部間距離Lは、微細凹凸構造8の配置面が平面や曲面に関係なく、隣り合う凹部5の重心5b間の距離とする。
また、同一形状および同一サイズの凹部5が規則的に配列している場合、光学面の全体での均一な反射防止効果を得られないことがある。
そこで、本実施の形態では、必要に応じて凹部5のサイズや形状(この場合、多角形5aの大きさや形状、さらには凹部5の位置関係、等)にばらつきを持たせて、微細凹凸構造8がむらなく配置されるようにする。
この場合の微細凹凸構造8における凹部5のサイズや形状、配列位置関係等のばらつきを評価する指標として、本実施の形態では、一例として、上述の多角形5aの稜線交点間距離5dのばらつきを用いる。
本実施の形態の場合、稜線交点間距離5dの標準偏差が、たとえば、2から14の範囲となるように制御することにより、微細凹凸構造8の凹部5をむらなく配置し、光学面の全体での均一な反射防止効果を実現する。
また、本実施の形態のように、微細凹凸構造8における凹部5のサイズや形状のばらつきを持たせることにより、光の入射方向における反射防止効果の異方性を解消できる。
図5には、本実施の形態の微細凹凸構造8を備えた光学素子K1の一例としてプリズム20の場合が例示されている。
このプリズム20は、三角柱の三つの側面の各々に、反射コート形成面21、入射面22、出射面23が配置されている。
反射コート形成面21は、たとえば、アルミニウム被覆層からなる反射面である。
そして、光30の光路31に例示されるように、入射面22から入射した光30は、反射コート形成面21で反射され、出射面23から出射する。
入射面22および出射面23の各々の表面には、上述の微細凹凸構造8が形成されている。
この場合、入射面22および出射面23の各々の平面が上述の微細凹凸構造8におけるX−Y平面であり、法線方向が、Z方向となる位置関係である。
(作用)
本実施の形態の微細凹凸構造8を備えた光学素子K1であるプリズム20によれば、入射面22および出射面23等の表面に形成された微細凹凸構造8において、凹部5を取り囲む凸部1が、その凸頂部2を連ねた稜線部3が網目状に連続するように連続的に形成されていることにより、凸部が単独で孤立して形成されている形状に比べて、凸部1の外力に対する強度が大幅に向上する。
さらに、凸部1の断面形状の凸部幅が、深さ方向に両側に凸に曲線的に増加する形状であるため、凸部1の外力に対する強度はより一層大きくなる。
この結果、外部の物体に対する微細凹凸構造8の接触や外力の作用による凸部1の倒れや破損を減少させることが出来、微細凹凸構造8による反射防止効果を安定に維持できる。
また、隣接する凹部5の中心線5cを通る断面において、凹部中心部の隣り合う距離最大部(すなわち、凹部中心部間距離L)の最大値Lmaxが可視光波長よりも小さく、かつ、この凸部幅Whが深さ方向に曲線的に増加しているために、可視光波長に対して反射防止性能および光の透過率が向上し、かつ凸部1の外力に対する強度がより保たれる。
さらに、本実施形態においては、一例として、凹部中心部間距離Lの平均値を可視光波長以下の105nmとし、隣接する凹部5の中心線を通る断面において、凹部深さD=200nmの1/2の100nm位置における凹部幅Wdが45nm、凸部高さH=200nmの1/2の100nm位置における凸部幅Whが60nmであるために、可視光線に対する微細凹凸構造8の反射防止効果がより顕著に発現され、凸部1の外力に対する強度もより顕著になる。
また、必要に応じて、微細凹凸構造8における形状的なランダムさの指標である稜線交点間距離5dのばらつきの標準偏差を2〜14とすることで、反射防止効果の異方性を解消でき、微細凹凸構造8による反射防止効果の性能を向上させることができる。
(効果)
これにより微細凹凸構造8の凸部1の外力に対する強度が保たれ、接触などによる構造体の倒れや損傷の発生を抑え、かつ反射防止効果等の光学性能を向上させた光学素子K1を実現できる。
すなわち、外力や接触等による微細凹凸構造8の変形や破損を低減し、反射防止効果等の光学性能の劣化を防止することが可能な光学素子K1を提供することができる。
また、微細凹凸構造8の強度が大きく、把持や接触等によっても変形しにくいため、光学素子K1の取り扱いが容易となり、光学素子K1を任意の光学系に組み込む際の作業性が向上する。
(実施の形態2)
本発明の光学素子の他の実施の形態について図6を参照して説明する。
(構成)
図6は、本発明の他実施の形態である微細凹凸構造を備えた光学素子の構成例を示す斜視図である。
本実施の形態の光学素子K2は、図6が示すように第1面として有効径D0が5.4mm、曲率半径R0が3.5mmの球面である凸光学面41と、第2面として平光学面42を備えた平凸レンズ40である。
そして、第1面である凸光学面41に、上述の図1から図4に例示した微細凹凸構造8が形成されている。
なお、必要に応じて、平光学面42にも微細凹凸構造8を形成してよい。
平凸レンズ40の凸光学面41に形成された微細凹凸構造8は、上述の実施の形態1と同じ形状である。
この場合、微細凹凸構造8が形成される凸光学面41が曲面であるため、上述のZ方向(凹部5の中心線5cの方向)が、凸光学面41の法線方向となるように、当該微細凹凸構造8が形成される。
この場合、曲面からなる凸光学面41の表面全体で均一に、しかも異方性を生じないような反射防止効果が得られるように、凸光学面41の設計形状に合わせて、凹部5のサイズや配列状態が決定される。すなわち、凹部5に関する上述の凹部中心部間距離Lや、稜線交点間距離5dの標準偏差等のパラメータが設定される。
(作用)
本実施の形態2の光学素子K2によれば、平凸レンズ40の凸光学面41に、凸部1の凸頂部2を連ねた稜線部3が連続的に形成された微細凹凸構造8を形成することにより、凸部が単独で孤立して形成されている形状に比べ、凸部1の外力に対する強度が大きくなる。
また、隣接する凹部5の中心線5cを通る断面において、凹部中心部の隣り合う距離最大部の最大値、すなわち、凹部中心部間距離Lの最大値Lmaxが可視光波長よりも小さく、かつ、この凸部幅Whが深さ方向に曲線的に増加する構造であるために、可視光波長に対する反射防止性能および光の透過率が向上し、かつ凸部1の外力に対する強度がより大きくなる。
さらに、本実施の形態2においては凹部中心部間距離Lを可視光波長以下の105nmとし、隣接する凹部5の中心線を通る断面において、凹部深さD=200nmの1/2の100nmの位置における凹部幅Wdが45nm、凸部高さH=200nmの1/2の100nmの位置における凸部幅Whが60nmであるために、可視光線に対する微細凹凸構造8の反射防止効果がより顕著に発現され、凸部1の外力に対する強度もより顕著に大きくなる。
(効果)
外力や接触等による微細凹凸構造8の変形や破損を低減し、反射防止効果等の光学性能の劣化を防止することが可能な光学素子K2を提供することができる。
すなわち、光学素子K2としての平凸レンズ40の凸光学面41に微細凹凸構造8が形成されていることにより、凸部1の外力に対しての強度が保たれ、可視光波長に対して反射防止効果および高い光の透過率を具備する光学素子K2を提供することができ、また、入射光を効率よく集光することが出来る。
このように、微細凹凸構造8を備えた平凸レンズ40は、入射光を効率よく集光できることにより、様々な光学系への適応が可能となる。
なお、光学系において、特に入射側の第1面などの光が入射する位置に本実施の形態の、光学素子K1や光学素子K2を配置することにより、光学面内においてより効果的に反射防止効果を得ることが出来るため、高い反射防止能を有する光学系を構築することが可能となる。
なお、上述の実施の形態1および実施の形態2において凸部1と凸部1の間の凹部5の深さが反射防止効果および強度などの効果が実現できる範囲で異なってもよい。このような場合でも、凸頂部2が稜線部3をなすように連続して形成された凸部1と見なすことができる。
なお、実施の形態2において、光学素子K2として、一方が凸光学面41で他方が平光学面42の平凸レンズ40を例示したが、両面とも曲面でも良く、また曲面形状であれば球面、非球面、自由曲面など、どのような曲面であっても構わない。
また、微細凹凸構造8が形成される光学面が凹面の凹レンズでもよい。
なお、実施の形態2において、凸光学面41における微細凹凸構造8の形成方向(この場合、凹部5の中心線5cの方向、またはZ方向)は反射防止効果および強度などの本発明の効果が保たれる範囲で、平凸レンズ40の光軸43に対して、同じ方向や傾いた方向など、凸光学面41の法線方向からずれて形成しても構わない。
ここで、本発明の上述の各実施の形態における光学素子K1または光学素子K2等に備えられる反射防止効果を有する微細凹凸構造8の形成方法について説明する。
本実施の形態の光学素子においては、どのような方法を用いて光学素子基板および光学素子曲面に微細凹凸構造8を形成しても構わない。
微細凹凸構造8を形成する方法としては、形成しようとする微細凹凸構造8とは逆の凹凸形状を有する成形型を用いて光学素子を成形すると同時に光学素子曲面に微細凹凸構造8を形成する方法を用いることができる。
あるいは、光学素子の表面に硬化性材料を形成した後に形成しようとする微細凹凸構造8とは逆の凹凸形状を有する成形型を用いて硬化性材料に微細凹凸構造8の形状を転写し、硬化性材料を硬化させる方法を用いることができる。
あるいは、光学素子曲面に直接的に電子線描画する方法を用いることができる。
また、これらの方法を任意に組み合わせて用いても構わない。
なお、形成しようとする微細凹凸構造8とは逆の凹凸形状を有する成形型の製作方法においてもどのような方法を用いても構わない。
例えば半導体プロセスの電子線描画やイオンエッチングなどのリソグラフィー技術を利用して型基材に形成しようとする微細構造体とは逆形状の微細構造体を形成して型を作製する方法を用いることができる。
あるいは、型基材に、目的の微細凹凸構造8を形成した後、ニッケル(Ni)などの金属を用いて電鋳法により反転型を作製する方法を用いることもできる。
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施の形態における光学素子の製造方法の一例を説明する。
図7は、本発明の一実施の形態である微細凹凸構造を備えた光学素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、光学素子K1や光学素子K2に対する光学的機能の要求仕様に応じて光学面(この場合、プリズム20の入射面22、出射面23、または平凸レンズ40の凸光学面41)の形状を決定する(ステップ101)。
次に、光学面の全域で一様な反射防止効果が実現されるように、微細凹凸構造8における凸部1や凹部5のサイズやレイアウト、すなわち、凹部中心部間距離Lや、上述の稜線交点間距離5d等のばらつきを設定する(ステップ102)。
なお、光学素子K1としてのプリズム20における微細凹凸構造8の形成領域である入射面22および出射面23は平面であるが、稜線交点間距離5dに、適宜、ばらつきをもたせることにより、反射防止効果の異方性が解消されるようにする。
また、光学素子K2のように、凸光学面41に微細凹凸構造8を形成する場合には、凸光学面41の形状に応じて凹部中心部間距離Lや、上述の稜線交点間距離5d等のばらつきを設定することにより、凸光学面41の設計形状を損なうことなく、反射防止効果が全面で一様に実現されるようにする。
そして、光学素子K1における微細凹凸構造8の形成に型を使用するか否かで、以下のように、微細凹凸構造8の形成方法を分ける(ステップ103)。
すなわち、微細凹凸構造8の形成に型を用いる場合には、当該微細凹凸構造8と凹凸が反転した表面形状を有する成形型を作成し(ステップ104)、この成形型の形状を光学素子K1の表面に転写する(ステップ105)。
なお、この微細凹凸構造8の転写による形成の場合には、光学素子K1の基材の成形時に同時に形成してもよいし、基材の表面に被着された樹脂層に微細凹凸構造8を転写形成してもよい。
あるいは、微細凹凸構造8が転写された透明なシートを光学素子K1の基材の表面に貼りつける方法でもよい。
一方、型を使用しないで光学素子K1の光学面に直接的に微細凹凸構造8を形成する場合には(ステップ106)、たとえば、光学素子K1の光学面を直接的に加工して微細凹凸構造8を形成する。
このように、本発明の各実施の形態の光学素子の製造方法によれば、外力や接触等による微細凹凸構造8の変形や破損を低減し、反射防止効果等の光学性能の劣化を防止することが可能であるとともに、微細凹凸構造8が形成される光学面の形状に応じて、反射防止効果の偏りのない、一様な反射防止効果を有する光学素子を提供できる。
以上のように、本発明の各実施の形態の光学素子によれば、表面に微細凹凸構造を形成させた反射防止光学素子において、凸部の稜線を連続的に形成させ凸部幅が深さ方向に曲線的に増加する構造とすることにより、外力や接触による微細凹凸構造の倒れや破損を減少させることが出来、この凸部と凹部の形状の最適化を行なうことにより反射防止性能等の光学性能を向上させることが出来る光学素子を提供することが出来る。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、図8に例示されるように、微細凹凸構造8における凸部1の断面形状における稜曲面4の輪郭は、稜線部3(凸頂部2)の近傍の直線的な稜面4aと、この稜面4aに滑らかに連続する稜曲面4bからなる構成としてもよい。
(付記1)
基材表面に微細な凹凸形状が形成された光学素子において、凸部が連続的に形成され、隣接する凹部の中心線を通る断面において、凹部中心部の隣り合う距離最大部(L)の最大値(Lmax)が可視光波長よりも小さく、かつ該凸部幅が深さ方向に曲線的に増加していることを特徴とする微細凹凸構造を有する光学素子。
(付記2)
隣接する凹部の中心線を通る断面において、凹部深さの1/2の位置における凹部幅が、凸部高さの1/2の位置における凸部幅よりも小さいことを特徴とする付記1に記載の微細凹凸構造を有する光学素子。
(付記3)
基材表面の形状が曲面であることを特徴とする付記1または付記2に記載の微細凹凸構造を有する光学素子。
1 凸部
2 凸頂部
3 稜線部
3a 稜線交点
4 稜曲面
4a 稜面
4b 稜曲面
5 凹部
5a 多角形
5b 重心
5c 中心線
5d 稜線交点間距離
6 凹底部
7 内周面
8 微細凹凸構造
20 プリズム
21 反射コート形成面
22 入射面
22a 反射防止構造形成面
23 出射面
23a 反射防止構造形成面
30 光
31 光路
40 平凸レンズ
41 凸光学面
42 平光学面
43 光軸
D 凹部深さ
H 凸部高さ
Wd 凹部幅
Wh 凸部幅
K1 光学素子
K2 光学素子
L 凹部中心部間距離

Claims (10)

  1. 稜線部が網目状に連続する凸部と、前記凸部に囲まれた複数の凹部とを含み、隣り合う複数の前記凹部の各々の中心部を通る断面における前記凸部の幅が前記凹部の深さ方向に曲線的に増加している微細凹凸構造を有し、
    前記微細凹凸構造における隣り合う前記凹部の前記中心部の距離の最大値が、可視光波長よりも小さく、
    前記稜線部は、隣り合う前記凹部の内部に落ち込む稜曲面の境となっており隣り合う前記凹部の境界部には前記凹部の配列面と平行な平坦部が存在せず凸頂部を連ねたものであり、前記凹部の配列面と平行な包絡面を有することを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1記載の光学素子において、
    前記微細凹凸構造における前記断面において、前記凹部の凹部深さの1/2の位置における前記凹部の凹部幅が、前記凸部の凸部高さの1/2の位置における前記凸部の凸部幅よりも小さいことを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光学素子において、
    前記微細凹凸構造は、前記凹部の形状および大きさの少なくとも一方がランダムになるように形成されていることを特徴とする光学素子。
  4. 光学素子の表面に、稜線部が網目状に連続する凸部に囲まれた複数の凹部を含み、隣り合う前記凹部の前記中心部の距離の最大値が可視光波長よりも小さい微細凹凸構造を形成し、前記稜線部は、隣り合う前記凹部の内部に落ち込む稜曲面の境となっており隣り合う前記凹部の境界部には前記凹部の配列面と平行な平坦部が存在せず凸頂部を連ねたものであり、前記凹部の配列面と平行な包絡面を有するように形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
  5. 請求項記載の光学素子の製造方法において、
    隣り合う複数の前記凹部の各々の中心部を通る断面における前記凸部の幅が前記凹部の深さ方向に曲線的に増加するように前記微細凹凸構造を形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 請求項記載の光学素子の製造方法において、
    前記断面において、前記凹部の凹部深さの1/2の位置における前記凹部の凹部幅を、前記凸部の凸部高さの1/2の位置における前記凸部の凸部幅よりも小さくすることを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 請求項から請求項のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法において、
    前記微細凹凸構造における前記凹部の形状および大きさの少なくとも一方がランダムになるように形成することを特徴とする光学素子の製造方法。
  8. 稜線部が網目状に連続する凸部と、前記凸部に囲まれた複数の凹部とを含み、隣り合う複数の前記凹部の各々の中心部を通る断面における前記凸部の幅が前記凹部の深さ方向に曲線的に増加し、
    前記稜線部は、隣り合う前記凹部の内部に落ち込む稜曲面の境となっており隣り合う前記凹部の境界部には前記凹部の配列面と平行な平坦部が存在せず凸頂部を連ねたものであり、前記凹部の配列面と平行な包絡面を有し、
    隣り合う前記凹部の前記中心部の距離の最大値が、可視光波長よりも小さいことを特徴とする微細凹凸構造。
  9. 請求項記載の微細凹凸構造において、
    前記断面における、前記凹部の凹部深さの1/2の位置における前記凹部の凹部幅が、前記凸部の凸部高さの1/2の位置における前記凸部の凸部幅よりも小さいことを特徴とする微細凹凸構造。
  10. 請求項8または請求項9に記載の微細凹凸構造において、
    前記凹部の形状および大きさの少なくとも一方がランダムであることを特徴とする微細凹凸構造。
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