JP5480843B2 - 溶解性マイクロニードルの強度増強 - Google Patents

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Description

本発明は、水溶性の洩糸性高分子物質を基剤とする溶解性マイクロニードルの強度増強に関する。
マイクロニードルは、皮膚に刺しても痛みを感じないほどに微細化された針であり、皮膚の最も外側に位置して外界からの細菌やウィルスの進入から体内を防御している角質層を物理的に突破して、従来の技術では経皮的に投与を行っても吸収が望めない薬物、化粧品用化合物あるいは吸収率が極めて低い薬物、化粧品用化合物の吸収率を改善する製剤技術である。
複数のマイクロニードルを整然と林のように構築したマイクロニードル・アレイとしては、金属製で中空構造を有した薬液を注入するタイプであったり、ポリ乳酸などの生分解性高分子製のタイプであったりする。さらに、水溶性物質を基剤とする溶解型のマイクロニードル・アレイも開発されている。すなわち、水溶性物質の基剤に目的物質を保持させておき、皮膚に挿入した後、基剤が皮膚内の水分により溶解することにより、目的物質を経皮的に投与することができる。例えば、麦芽糖、低分子コラーゲン、温度感受性樹脂、ゼラチンを基剤とするマイクロニードルが開示されている(特許文献1)。
本発明者は医薬品として注射剤で用いられているコンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストランおよびアルブミンなどを基剤とする溶解性マイクロニードルを特許出願した(特許文献2および3)。当該発明は、遺伝子組み換え蛋白薬、ワクチン、遺伝子DNAなどの高分子薬、水溶性の難・低経皮吸収性薬物など皮膚透過性が低いために従来の経皮投与では十分な効果が期待できない薬物の皮膚透過性を高めたものである。
国際公開番号WO2008/093679 国際公開番号WO 2006/080508 国際公開番号WO 2009/066763
コンドロイチン硫酸ナトリウムを基剤とする溶解性マイクロニードルは、乾燥条件下においては硬度を維持できるが、高湿度環境下において大気中の水分を吸って脆くなる。逆に、デキストランを基剤とする溶解性マイクロニードルは、高湿度条件下においては硬度を維持できるものの、乾燥条件下においてひび割れなどが生じるために脆くなる。いずれの場合にも、マイクロニードルの先端部が脆くなると、皮膚に突き当てた際に、折れ曲がったり折れたりするために、皮膚にうまく突き刺さらない可能性が生じる。そこで、高湿度および高乾燥のいずれの条件にも耐え得る固くて強い溶解性マイクロニードルが必要とされている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね、溶解性マイクロニードルの基剤であるコンドロイチン硫酸ナトリウムおよびデキストランの各々が有する長所を生かし、両高分子化合物の混合比率を種々に変えて溶解性マイクロニードルをアレイ状に構築したチップを作成し、加湿および乾燥条件下でマイクロニードル・アレイ・チップの強度を測定することにより上記の問題を解決した。
前記コンドロイチン硫酸ナトリウムは医薬品用原料として使用されている局外規コンドロイチン硫酸ナトリウムである。
前記デキストランは医薬品用原料として使用されているデキストラン70(平均分子量約70,000)およびデキストラン40(平均分子量約40,000)である。
コンドロイチン硫酸ナトリウムあるいはデキストランを基剤に用いて溶解性マイクロニードル・アレイを作成すると、通常の条件下では十分な強度を有している。しかし、コンドロイチン硫酸ナトリウムを基剤とする溶解性マイクロニードル・アレイは乾燥条件下においては硬度を維持できるが、高湿度条件下では脆くなる。またデキストランを基剤とする溶解性マイクロニードル・アレイは高湿度条件下においては硬度を維持できるものの、乾燥した条件下ではひび割れなどを生じて脆くなる。そこで、両高分子化合物を適度の割合で混合して溶解性マイクロニードル・アレイを作成すれば、高湿度および高乾燥のいずれの場合においても強度を保ち、上記の問題を解決することができる。
本発明の溶解性マイクロニードル・アレイは、乾燥状態において強度を維持することのできるコンドロイチン硫酸ナトリウムと高湿度状態において強度を維持することのできるデキストランとを適度の割合で混合することにより基剤とした溶解性マイクロニードル・アレイである。
より具体的には、本発明の溶解性マイクロニードル・アレイは、基剤としてコンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストランとの配合比が重量比で1:1から1:2の範囲内にある溶解性マイクロニードル・アレイである。
以下に実施例をあげて具体的な実施形態を説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
局外規コンドロイチン硫酸ナトリウム(株式会社マルハニチロ食品)の4.4gに精製水4.4mlを加えて粘調液を作成した。1平方センチメートルあたりに深さ約500マイクロメートル、開口部直径約300マイクロメートルの逆円錐状の細孔を225個有するシリコン樹脂製メス型の上にこの粘調液を塗布した。卓上遠心分離器を用いて毎分3500回転で樹脂製メス型ごと30分間回転させ、遠心力を利用して加重下、充填した。再びコンドロイチン硫酸ナトリウムの粘調液をシリコン樹脂製メス型の上に塗布した。単発打錠器(市橋精機、HANDTAB100)の臼に酢酸セルロースとヒドロキシプロピルセルロースの10:1の混和物の約0.5gを入れ、約10kNの打錠圧で直径1.5cm、厚さ約2.0mmの基盤用錠剤チップを作成した。基盤用錠剤チップにもコンドロイチン硫酸ナトリウムの粘調液を塗り、樹脂製メス型の上に被せ、加重下で乾燥を行った。6時間後に基盤用錠剤チップをメス型から引き離すことにより225本のマイクロニードルをアレイ状に構築したチップを得た。得られたマイクロニードルの平均長さは474±13(標準偏差SD、以下同様)マイクロメートル、基底部の直径は288±8マイクロメートルであった。
(実施例2)
デキストラン70(名糖産業株式会社)の4gに精製水2.8mlを加えて粘調液を作成した。実施例1で用いたのと同様のシリコン樹脂製メス型の上にこの粘調液を塗布した。卓上遠心分離器を用いて毎分3500回転で樹脂製メス型ごと30分間回転させ、遠心力を利用して加重下、充填した。再びデキストラン70の粘調液をシリコン樹脂製メス型の上に塗布した。実施例1で用いたのと同様の基盤用錠剤チップにもデキストラン70の粘調液を塗り、樹脂製メス型の上に被せ、加重下で乾燥を行った。6時間後に基盤用錠剤チップをメス型から引き離すことにより225本のマイクロニードルをアレイ状に構築したチップを得た。得られたマイクロニードルの平均長さは482±8マイクロメートル、基底部の直径は292±8マイクロメートルであった。
(実施例3)
デキストラン40(名糖産業株式会社)の4.5gに精製水2.1mlを加えて粘調液を作成した。実施例1で用いたのと同様のシリコン樹脂製メス型の上にこの粘調液を塗布した。卓上遠心分離器を用いて毎分3500回転で樹脂製メス型ごと30分間回転させ、遠心力を利用して加重下、充填した。再びデキストラン40の粘調液をシリコン樹脂製メス型の上に塗布した。実施例1で用いたのと同様の基盤用錠剤チップにもデキストラン40の粘調液を塗り、樹脂製メス型の上に被せ、加重下で乾燥を行った。6時間後に基盤用錠剤チップをメス型から引き離すことにより225本のマイクロニードルをアレイ状に構築したチップを得た。得られたマイクロニードルの平均長さは480±20マイクロメートル、基底部の直径は294±9マイクロメートルであった。
(実施例4)
ヒアルロン酸(FCH-60、紀文フードケミファ)の1.5gに精製水7.5mlを加えて粘調液を作成した。実施例1で用いたのと同様のシリコン樹脂製メス型の上にこの粘調液を塗布した。卓上遠心分離器を用いて毎分3500回転で樹脂製メス型ごと30分間回転させ、遠心力を利用して加重下、充填した。再びヒアルロン酸の粘調液をシリコン樹脂製メス型の上に塗布した。実施例1で用いたのと同様の基盤用錠剤チップにもヒアルロン酸の粘調液を塗り、樹脂製メス型の上に被せ、加重下で乾燥を行った。6時間後に基盤用錠剤チップをメス型から引き離すことにより225本のマイクロニードルをアレイ状に構築したチップを得た。得られたマイクロニードルの平均長さは476±11マイクロメートル、基底部の直径は286±9マイクロメートルであった。
(実施例5)
乾燥条件下でのマイクロニードルの強度を比較するために、ディジタルフォースゲージ(FGP−50、日本電産シンポ工業)を用いて崩壊強度を比較した。実施例1から実施例4で作成した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップを恒温恒湿器(EYELA、KCL−1000)内で温度約23℃、湿度約30%の乾燥条件下で1日間インキュベートした。厚さ約1.0mmのシリコンゴムシートの上に厚さ約15μmのポリ塩化ビニリデンフィルムを被せた後、実施例1から実施例4で作成したチップの上に構築した225本のマイクロニードルの先端部がポリ塩化ビニリデンフィルムに接触するように置いた。ディジタルフォースゲージで100Nの加重を20秒間かけた後、ビデオマイクロスコープ(キーエンス、VH-5500)を用いて先端部分が崩壊したマイクロニードルの本数を計測した。各製剤の5個を用いて測定したところ以下の結果を得た。
実施例1の製剤:4,4,2,4,3(平均値は3.4)
実施例2の製剤:11,8,10,8,9(平均値は9.2)
実施例3の製剤:11,9,8,7,11(平均値は9.2)
実施例4の製剤:20,19,16,16,22(平均値は18.6)
乾燥条件下において実施例1〜実施例4の製剤中の崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は3.4、9.2、9.2、18.6であった。従って、マイクロニードル・アレイの強度は、コンドロイチン硫酸ナトリウムを基剤とする場合が最も強かった。デキストラン70およびデキストラン40の間には差はなかった。一方、ヒアルロン酸は最も弱かった。
(実施例6)
実施例1から実施例4で作成したマイクロニードルの強度を加湿条件下で比較するために、実施例5に準じた方法で強度を比較した。恒温恒湿器内で1時間、温度約25℃、湿度約75%の条件で実施例1から実施例4で作成した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップをインキュベートした。その後、厚さ約1.0mmのシリコンゴムシートの上に厚さ約15μmのポリ塩化ビニリデンフィルムを被せた後、実施例1から実施例4で作成したチップ上に構築した225本のマイクロニードル・アレイの先端部がポリ塩化ビニリデンフィルムに接触するように置いた。ディジタルフォースゲージで50Nの加重を20秒間かけた後、ビデオマイクロスコープを用いて先端部分が崩壊したマイクロニードルの本数を計測した。各製剤の5個を用いて測定したところ以下に示す結果を得た。
実施例1の製剤:191,183,161,191,216(平均値は188.4)
実施例2の製剤:30,25,18,19,18(平均値は22.0)
実施例3の製剤:34,36,38,22,29(平均値は31.8)
実施例4の製剤:201,186,193,225,225(平均値は206.0)
加湿条件下において実施例1〜4の製剤中の崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は188.4、22.0、31.8、206.0であった。加湿条件下におけるマイクロニードル・アレイの強度は、デキストラン70を基剤とする場合が最も強く、次いでデキストラン40、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸の順番となった。
(実施例7)
コンドロイチン硫酸ナトリウムの1.0gに対してデキストラン70もしくはデキストラン40の1.0g、1.5gもしくは2.0gを加えた後、精製水を各々2ml、2.5ml、および3.0mlを加えて粘調液を作成した。実施例1と同様の方法にて225本の溶解性マイクロニードルをアレイ状に構築したチップを得た。
(実施例8)
実施例5と同様の方法で実施例7にて作成した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップの乾燥条件下での強度について評価を行った。各々の製剤の5個を用いて測定したところ以下の結果を得た。
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1の混和物の製剤:
4,2,3,3,4(平均値は3.2)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1の混和物の製剤:
5,7,7,5,6(平均値は6.0)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1.5の混和物の製剤:4,6,6,6,9(平均値は6.2)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1.5の混和物の製剤:4,7,8,8,7(平均値は6.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:2の混和物の製剤:
10,9,10,6,8(平均値は8.6)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:2の混和物の製剤:
4,7,8,8,7(平均値は6.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムに対してデキストラン70あるいはデキストラン40を重量比で1:1から1:2の範囲内で混合してマイクロニードル・アレイ・チップを作成しても乾燥条件下においては著しいマイクロニードル・アレイの強度増強には繋がらなかった。
(実施例9)
実施例6と同様の方法で実施例7にて作成した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップの加湿条件下での強度について評価を行った。各々の製剤の5個を用いて測定したところ以下の結果を得た。
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1の混和物の製剤:
25,38,40,28,28(平均値は31.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1.5の混和物の製剤:20,15,18,21,15(平均値は17.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:2の混和物の製剤:
23,16,18,26,14(平均値は19.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1の混和物の製剤:
29,36,33,27,27(平均値は30.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1.5の混和物の製剤:19,21,20,21,20(平均値は20.2)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:2の混和物の製剤:
22,25,18,17,20(平均値は20.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムに対してデキストラン70の混合量を重量比で1:1、1:1.5、1:2と増すと、崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は31.8、17.8、19.4となり、耐湿性の向上が認められた。一方、コンドロイチン硫酸ナトリウムに対してデキストラン40の混合量を重量比で1:1、1:1.5、1:2と増すと、崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は30.4、20.2、20.4となり、同様に耐湿性の向上が認められた。
(実施例10)
コンドロイチン硫酸ナトリウム単独あるいはコンドロイチン硫酸ナトリウムに対してデキストラン70もしくはデキストラン40を重量比で1:1,1:1.5,1:2の割合で混和して粘調液を作成した。粘調液中における高分子物質の濃度は1g/mlとした。各々の粘調液の2gに対してインスリンナトリウム(自家製)の150mgを加えて練った。実施例1で用いたのと同様のシリコン樹脂製基盤の上にこの粘調液を塗布した。卓上遠心分離器を用いて毎分3500回転で樹脂製メス型ごと30分間回転させ、遠心力を利用して加重下、充填・乾燥を行った。その後、インスリンを加える前の各々の高分子物質の粘調液をシリコン樹脂製基盤の上に塗布した。実施例1で用いたのと同様の基盤用錠剤チップにもコンドロイチン硫酸ナトリウムの粘調液を塗り、樹脂製メス型の上に被せ、加重下で乾燥を行った。6時間後に基盤用錠剤チップを引き離すことにより、インスリンを先端部に含有する2層から成る溶解性マイクロニードルの225本をアレイ状に構築したチップを得た。
(実施例11)
実施例5と同様の方法により乾燥条件下において実施例10にて作成したインスリン含有2層性マイクロニードル・アレイ・チップの強度について評価を行った。各製剤の5個を用いて測定したところ次に示す結果を得た。
コンドロイチン硫酸ナトリウムの製剤:4,5,3,4,3(平均値は3.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1の混和物の製剤:4,5,4,3,6(平均値は4.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1.5の混和物の製剤:6,5,6,7,5(平均値は5.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:2の混和物の製剤:6,9,8,7,8(平均値は7.6)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1の混和物の製剤:3,12,14,13,10(平均値は12.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1.5の混和物の製剤:14,12,8,11,14(平均値は11.9)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:2の混和物の製剤:12,11,11,14,13(平均値は12.2)
コンドロイチン硫酸単独で作成した溶解性マイクロニードル・アレイ・チップの崩壊した本数の平均値は3.8であった。しかし、コンドロイチン硫酸に対するデキストラン70の混合比率を重量比で1:1、1:1.5、1:2と増やすと、崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は4.4,5.8、7.6となった。従って、デキストラン70をコンドロイチン硫酸ナトリウムに対して添加しても乾燥条件下においては著しいマイクロニードルの強度増強は認められなかった。
コンドロイチン硫酸に対するデキストラン40の混合比率を重量比で1:1、1:1.5、1:2と増やすと、崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は12.4,11.9,12.2となった。デキストラン40をコンドロイチン硫酸に対して添加しても乾燥条件下においてはマイクロニードルの強度増強は認められなかった。また、デキストラン40の添加はデキストラン70の添加よりもマイクロニードルの強度を低下させた。
(実施例12)
実施例6と同様の方法により加湿条件下において実施例10にて作成したインスリンを先端部に含有する2層性マイクロニードル・アレイ・チップの強度について評価を行った。各製剤の5個を用いて測定したところ次に示す結果を得た。
コンドロイチン硫酸ナトリウムの製剤:204,194,201,190,205(平均値は198.8)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1の混和物の製剤:29,21,26,28,23(平均値は25.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:1.5の混和物の製剤:26,20,23,19,20(平均値は21.6)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン70の1:2の混和物の製剤:21,20,25,24,20(平均値は22.0)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1の混和物の製剤:56,40,50,78,58(平均値は56.4)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:1.5の混和物の製剤:41,26,34,33,21(平均値は31.0)
コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストラン40の1:2の混和物の製剤:13,21,29,24,26(平均値は22.6)
コンドロイチン硫酸単独で作成したインスリン含有2層マイクロニードル・アレイ・チップの崩壊した本数の平均値は198.8であった。コンドロイチン硫酸に対するデキストラン70の混合比率を重量比で1:1、1:1.5、1:2と増やすと、崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は25.4,21.6、22.0となった。デキストラン70をコンドロイチン硫酸に対して添加することにより加湿条件下においては著しいマイクロニードルの強度増強が認められた。コンドロイチン硫酸に対するデキストラン40の混合比率を重量比で1:1、1:1.5、1:2と増やすと、崩壊したマイクロニードルの本数の平均値は56.4,31.0,22.6となった。デキストラン40をコンドロイチン硫酸に対して添加すると加湿条件下においては著しいマイクロニードルの強度増強が認められた。
溶解性マイクロニードル・アレイを作成する場合、水溶性の曵糸性を有する高分子化合物であるコンドロイチン硫酸ナトリウムおよびデキストランは良好な基剤となる。しかし、両高分子化合物を単独で溶解性マイクロニードル・アレイの基剤として用いると各々の欠点が露呈する。すなわち、コンドロイチン硫酸ナトリウムを基剤とする溶解性マイクロニードルは、乾燥条件下においては硬度を維持できるが、高湿度環境下において大気中の水分を吸って脆くなる。逆に、デキストランを基剤とする溶解性マイクロニードルは、高湿度条件下においては硬度を維持できるものの、乾燥条件下においてひび割れなどが生じるために脆くなる。産業上、乾燥および高湿度のいずれの条件においても安定して高い硬度を有する溶解性マイクロニードル・アレイ・チップが求められている。
コンドロイチン硫酸ナトリウムおよびデキストランの両高分子化合物を適度の割合で混合した基剤を用いることにより、両高分子化合物の長所を引き出し、高湿度および高乾燥のいずれの条件下においても高い強度を有する溶解性マイクロニードル・アレイ・チップとすることができる。

Claims (4)

  1. コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストランとを重量比で1:1から1:2の範囲内の比率で混合して基剤とすることにより得られる溶解性マイクロニードル・アレイ製剤
  2. 前記コンドロイチン硫酸ナトリウムは医薬品用原料として使用されている局外規コンドロイチン硫酸ナトリウムである請求項1に記載の溶解性マイクロニードル・アレイ製剤。
  3. 前記デキストランは医薬品用原料として使用されているデキストラン70およびデキストラン40から成る群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の溶解性マイクロニードル・アレイ製剤。
  4. コンドロイチン硫酸ナトリウムとデキストランとを重量比で1:1から1:2の範囲内の比率で混合して基剤とする工程を包含する、溶解性マイクロニードル・アレイ製剤の耐湿性を向上させる方法。
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