JP5480097B2 - 配電線転負荷可否判定システム - Google Patents
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Description
すなわち、配電自動化システムで上位系統を判断しようとすると、500kV以下の関係する系統すべての情報を取り込む必要があるため、上述したように機能分散してシステムの負担を軽減している。
特に、複数台の火力発電機が連係されているような110kV系統では、電源線および連系線潮流が需要によって大きく変化するため、ループアングルが一定せず、事前の検討が難しい場合もある。
ここで、前記第3の手段が、次式を用いて前記ループ潮流を前記ループ電流に換算してもよい。
ループ電流(A)=ループ潮流(MW)/{電圧(kV)×10-3×31/2×力率}
前記各区間の許容電流が、前記各区間の配電設備許容電流であってもよい。
前記各区間の配電設備許容電流が、前記各区間の配電線に設置された開閉器(31〜35)および前記各区間の配電線の許容電流であってもよい。
前記ループ切替可否判定手段が、前記第4の手段によってループ切替可と判定された場合には、前記算出されたループ電流およびループ切替可否判定結果を示すループ切替判定情報を前記配電自動化システムに送信する第5の手段をさらに備えてもよい。
前記第5の手段が、前記第4の手段によってループ切替否と判定された場合には、前記算出されたループ電流およびループ切替可否判定結果を示すループ切替判定情報と、対策を制御所に依頼するように指示する対策依頼指示信号とを前記配電自動化システムに送信してもよい。
(1)上位系統情報および営業所情報に基づいて算出した配電線のループ切替時のループ電流に基づいて配電線のループ切替可否判定を行うことにより、配電線のループ切替可否の事前検討および確認を確実かつ迅速に行うことができる。
(2)配電線のループ切替を迅速に行えるため、電力の安定供給を図ることができる。
(3)配電線のループ切替を適格に行えるため、配電設備の損壊を防止できる。
(4)配電線のループ切替可否の事前検討および確認を確実かつ迅速に行えるため、手続の簡素化および業務効率の向上(同系統操作回数の低減)を図ることができる。
本発明の一実施例による配電線転負荷可否判定システム10は、図1に示すように、制御所システム1および配電自動化システム2と通信回線を介して相互に接続されている。
ここで、制御所システム1は、制御所に設置されており、通信網を介して各変電所との間で各種のデータの送受信が可能なものである。また、制御所システム1は、上位系統の潮流および基準変電所から各変電所の1次母線においてのループアングルなどを常時算出している。さらに、制御所システム1は、予め定めた基準変電所を示す基準変電所データ、算出した潮流を示す潮流データおよび算出したループアングルを示すループアングルデータなどを格納するための制御所システム・データベース(不図示)を備える。
配電自動化システム2は、営業所に設置されており、最新の各変電所の設備データや、最新の各配電線の各区間のパーセントインピーダンス(以下、「%Z」と称する。)および負荷電流を示す営業所情報などが格納された配電自動化システム・データベース(不図示)を備える。
ループ電流I’(A)=ループ潮流P’(MW)/{電圧V(kV)×10-3×31/2×力率(=0.95%)} (1)
ここで、ループ潮流P’は、次の(2)式により表わされる。
ループ潮流P’(MW)=Σ(%Z・P)/Σ%Z (2)
ループアングルθ(°)=Σ(%Z・P)/定数(=17.45) (3)
ここで、定数(=17.45)は、角度のラジアンを度に換算する指数であり、π/180≒0.01745から、インピーダンスZはパーセント法(すなわち、%Z)で用いているため、0.01745×103=17.45として電圧単位補正する。
配電自動化システム2は、入力されたループ点指定データ(第1の開閉器31)に基づいて配電自動化システム・データベースを検索し、ループ切替の対象となるループ対象変電所としてA変電所およびB変電所を選択する(ステップS11)。その後、配電自動化システム2は、選択したA変電所およびB変電所を示すループ対象変電所データを制御所システム1および配電線転負荷可否判定システム10に送信する。
また、配電自動化システム2は、選択したA変電所およびB変電所以降の6.6kV配電線のループ点までの営業所情報(A変電所およびB変電所の変圧器の%Zと第1乃至第6区間の%Zおよび負荷電流)を配電自動化システム・データベースから取得する。
また、制御所システム1は、ループ対象変電所データ(A変電所およびB変電所)に基づいて制御所システム・データベースを検索し、A変電所とB変電所との間の母線においてのループアングルθを取得する。
その後、制御所システム1は、算出した上位系統のΣ%ZおよびΣ(%Z・P)と取得したループアングルθとを示す上位系統情報を配電線転負荷可否判定システム10に送信する。
一方、図6に示すように第2区間の負荷電流=200A、第3区間の負荷電流=236A、第4区間の負荷電流=210A、第5区間の負荷電流=109A、第6区間の負荷電流=51Aである以外は図4に示したものと同じである場合には、図7(a),(b)に示すように配電線転負荷可否判定システム10によって算出されるループ電流I’の大きさは65A(=0.71MW/(6.6kV×10-3×31/2×0.95))になるとともにループ電流I’の向きはA変電所からB変電所に流れる向きになる(図7(b)のループアングルθ=3.71°(=65.09/17.45)、ループ潮流P’=0.71MW(=65.09/91.383)およびループ潮流P’の向き=A変電所→B変電所を参照)結果、ループ切替後の第2区間の配電線電流(=第2区間の負荷電流+ループ電流I’)は265A(=200A+65A)になり(図7(b)の計算結果参照)、第2区間の配電線許容電流=205Aより第2区間の配電線電流=265Aの方が大きくなるため、配電線転負荷可否判定システム10はループ切替否と判定する。
一方、配電線転負荷可否判定システム10は、ループ切替否と判定した場合には、ループ電流I’およびループ切替可否判定結果を示すループ切替判定情報と対策を制御所に依頼するように指示する対策依頼指示信号とを配電自動化システム2に送信する(ステップS18)。これにより、配電自動化システム2の表示装置にループ電流I’およびループ切替否を示す判定結果と対策を制御所に依頼するように指示する依頼指示とが表示されるため、営業所の担当者は、対策を制御所に依頼したのち、その結果に基づいて系統操作手順を作成する(ステップS16)。
まず、営業所の担当者は、ループ点を指定するために、ループ点に設置された第1の開閉器31を示すループ点指定データを配電自動化システム2に入力する。
配電自動化システム2は、入力されたループ点指定データ(第1の開閉器31)に基づいて配電自動化システム・データベースを検索し、ループ切替の対象となるループ対象変電所としてA変電所およびB変電所を選択する(ステップS21)。その後、配電自動化システム2は、選択したA変電所およびB変電所を示すループ対象変電所データを制御所システム1および配電線転負荷可否判定システム10に送信する。
また、配電自動化システム2は、選択したA変電所およびB変電所以降の6.6kV配電線のループ点までの営業所情報(A変電所およびB変電所の変圧器の%Zと第1乃至第6区間の%Zおよび負荷電流)を配電自動化システム・データベースから取得する。
また、制御所システム1は、ループ対象変電所データ(A変電所およびB変電所)に基づいて制御所システム・データベースを検索し、A変電所とB変電所との間の母線においてのループアングルθを取得する。
その後、制御所システム1は、算出した上位系統のΣ%ZおよびΣ(%Z・P)と取得したループアングルθとを示す上位系統情報を配電線転負荷可否判定システム10に送信する。
一方、配電線転負荷可否判定システム10は、ループ切替否と判定した場合には、ループ電流I’およびループ切替可否判定結果を示すループ切替判定情報と、対策を制御所に依頼するように指示する対策依頼指示信号とを配電自動化システム2に送信する。これにより、配電自動化システム2の表示装置にループ電流I’およびループ切替否を示す判定結果と対策を制御所に依頼するように指示する依頼指示とが表示されるため、営業所の担当者は、対策を制御所に依頼する。その結果、制御所では、系統確認を行い(ステップS28)、系統対応および対策を実施したのち(ステップS29)、系統対応および対策を実施した旨を営業所の担当者に通知する。
また、A変電所とB変電所との間の配電線を必ずしも複数の区間に分ける必要はない。
2 配電自動化システム
10 配電線転負荷可否判定システム
31〜35 第1乃至第5の開閉器
P 潮流
P’ ループ潮流
θ ループアングル
Z インピーダンス
I 負荷電流
I’ ループ電流
I” ループ中電流
V 電圧
S11〜S18,S21〜S29 ステップ
Claims (6)
- 制御所システム(1)および配電自動化システム(2)と常時連係された配電線転負荷可否判定システム(10)であって、
ループ点までのループ対象変電所以降の配電線が複数の区間に分けられており、
前記ループ対象変電所の上位系統のパーセントインピーダンス(%Z)の合計(Σ%Z)、パーセントインピーダンスと潮流(P)との積算値の合計(Σ(%Z・P))および基準変電所から前記ループ対象変電所の1次母線においてのループアングル(θ)を示す上位系統情報を前記制御所システムから取得するとともに、前記ループ対象変電所に設置された変圧器のパーセントインピーダンスと該ループ対象変電所以降の配電線の前記複数の区間の各区間のパーセントインピーダンスおよび負荷電流とを示す営業所情報を前記配電自動化システムから取得し、該取得した上位系統情報および営業所情報に基づいて配電線のループ切替時のループ電流(I’)を算出して、該算出したループ電流に基づいて配電線のループ切替可否判定を行うループ切替可否判定手段を具備し、
前記ループ切替可否判定手段が、
前記上位系統情報を前記制御所システムから取得する第1の手段と、
前記営業所情報を前記配電自動化システムから取得する第2の手段と、
前記取得した上位系統情報および営業所情報に基づいて配電線のループ切替時の前記ループ電流を算出する第3の手段と、
前記ループ対象変電所の前記各区間の負荷電流に前記算出されたループ電流を加えた該各区間のループ中電流(I”)の大きさがすべて該各区間の許容電流以上にならない場合にのみループ切替可と判定する第4の手段とを備える、
ことを特徴とする、配電線転負荷可否判定システム。 - 前記第3の手段が、次式を用いて前記ループ潮流を前記ループ電流に換算する、
ループ電流(A)=ループ潮流(MW)/{電圧(kV)×10-3×31/2×力率}
ことを特徴とする、請求項1記載の配電線転負荷可否判定システム。 - 前記各区間の許容電流が、前記各区間の配電設備許容電流であることを特徴とする、請求項1または2記載の配電線転負荷可否判定システム。
- 前記各区間の配電設備許容電流が、前記各区間の配電線に設置された開閉器(31〜35)および前記各区間の配電線の許容電流であることを特徴とする、請求項3記載の配電線転負荷可否判定システム。
- 前記ループ切替可否判定手段が、前記第4の手段によってループ切替可と判定された場合には、前記算出されたループ電流およびループ切替可否判定結果を示すループ切替判定情報を前記配電自動化システムに送信する第5の手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の配電線転負荷可否判定システム。
- 前記第5の手段が、前記第4の手段によってループ切替否と判定された場合には、前記算出されたループ電流およびループ切替可否判定結果を示すループ切替判定情報と、対策を制御所に依頼するように指示する対策依頼指示信号とを前記配電自動化システムに送信することを特徴とする、請求項5記載の配電線転負荷可否判定システム。
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