JP5479829B2 - 自動潅水システムによって地表の温度を自動的に冷却する方法 - Google Patents
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Description
そこで太陽熱による水の気化熱を利用して地球温暖化対策する発明として、本発明者が発明した「自動潅水システム」出願日:2008.1.15(国内優先日:2007.10.1)の発明と、本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」によって、地球の温暖化対策と水不足の対策を同時にすることができます。
「自動潅水システムの貯水潅水方法」による地球温暖化対策について
●自動潅水システムで貯水タンクに溜めた雨水1リットルを太陽熱で自動的に気化(水蒸気)させると、太陽熱で温められた建物から532kcalの熱を奪い、その熱を宇宙空間へと運んで直接放出できます。
(水1リットルを0℃から100℃まで上昇させるのに100kcal必要ですから、これと比較してもかなりの高効率で地上の熱を宇宙空間へと放出できます。)
●自動潅水システムで貯水タンクに溜めた雨水を太陽熱で気化(水蒸気)させると、その水蒸気は大気圏を循環して北極上で冷やされ、氷河が凍結していきます。
(2008/10/12に放映されたNHKの地球温暖化の特別番組で、先進国で排出する排気ガスに含まれるススが大気圏内を流れていき、北極の氷河上に落下していく問題を指摘してたように、先進国で気化した水蒸気は大気圏内を流れていき、北極の氷河まで運ばれます。)
●自動潅水システムを建物の屋上に設置することで、その潅水する水の断熱効果によって冷暖房に要する消費電力が抑えられ、その低減した消費電力分のCO2を削減できます。
●自動潅水システムを建物の屋上に設置して苔を生育すれば、その苔の光合成作用でCO2を自動的に削減できます。
●自動潅水システムで貯水タンクに溜めた雨水を太陽熱で気化(水蒸気)させると、その水蒸気は大気圏を循環していき、雨が降らなくなった地域にその水蒸気分の降雨をもたらすことができます。
(先進国に在る水を雨が降らないアフリカ等の不毛地域に直接輸送して供給することは絶対にできないですが、先進国に降る雨水を貯水タンクに溜めておき、その貯水した雨水を太陽熱で積極的に気化(水蒸気)させることで、その雨水は水蒸気となって大気圏内を循環移動でき、アフリカ等の雨が降らなくなった不毛地域に雨をもたらします。そのため間接的に先進国からその不毛地域に水を輸送して供給するのと同じことになります。)
●自動潅水システムで地球温暖化対策することで、地球が元の温暖化してない状態に戻れば、以前雨が降ってた地域に再び自然に降雨をもたらすことになります。
現在地球温暖化対策としては、大気中のCO2濃度を下げる対策ばかりが重点的にされてますが、熱の移動には赤外線放射、対流、伝導とあり、地上の熱を宇宙空間に放出するには、次の3通りの方法があります。
1)赤外線による熱放射、2)大気による対流、3)大気での伝導、
この3つの方法によって地上の熱は大気圏を介して宇宙空間へと放出されます。その放出される各割合は「月刊廃棄物」の2008年5月号に掲載された記事にあるように、地球が太陽から受取る熱量143のうち、地表面から放出する熱量は、大気への熱伝導が6、水の蒸発での放出が24、熱放射による放出が113です。
本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」は、無電源、無上水、無動力で実現できるシステムであり、この「自動潅水システムの貯水潅水方法」によって、水(=雨水)が蒸発(気化)する際に建物から気化熱を奪う作用を利用することで、今後たとえCO2の排出量が減らなくても、地球温暖化対策(地球を冷却すること)ができます。
前述したように現在地球温暖化対策は、1)(赤外線による)熱放射による放出113を増やすためのCO2を削減する対策のみが行われてますが、その対策とは別に自然の恵みの雨水を有効に利用することで、CO2を全く排出しない地球温暖化対策の方法として、本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」はとても有効であり、今後幾つかの有効な対策を平行に進めていくことは、待ったなしの地球温暖化対策にとって非常に重要ですが、自動潅水システムはかなり大きく貢献できます。
2.屋上の余剰スペースを利用できること
1)自動潅水システムの設置に要する費用(コスト)は、実際に建物の屋上に設置して実施することで、その冷暖房効果で削減できる費用(コスト)によって、数年後には必ず回収(元をとることが)できます。
2)現在屋上の余剰スペースは、ヒートアイランド現象の温床になっており、その余剰スペースは全く有効に使われておりません。これに対して屋上の余剰スペースは、日中最も太陽光を受け、最も雨水を受けられる(集められる)場所です。そのためこの大気中に突出する屋上の余剰スペースに供給される自然の恵みの太陽光と雨水を有効に利用しない手はありません。この余剰スペースである屋上で苔を生育することは、地球温暖化対策に確実で有効な方法ですし全く無駄がないです。そしてCO2を多く排出する日本や先進国には、この屋上の余剰スペースはいくらでもあります。
3)植物が光合成を活発に行う条件は、光が十分あること、気温が高いこと、高濃度のCO2があることになりますが、建物の屋上は陽がよく当たり、地面よりも気温が高く、高濃度のCO2も豊富にあり、苔の生育を阻害するものが全く無いため、苔を生育してその光合成によって大気中のCO2を削減するには絶好の場所です。
地球温暖化の対策のひとつに建物の屋上緑化があり、屋上緑化は非常に有効な方法であり対策ですが、しかし従来屋上緑化において大きなハードルになってる設備の問題として、潅水する上水(水道)設備と、水を定期的に給水する制御装置や電源設備が必要になります。(図15参照)また栽培する土の軽量化も必要です。そのため従来屋上緑化には幾つかのハードルがあり、その高額の工事費や設備費がかかるため、実際に上水設備や電源設備を設けて実施するには容易ではありませんでした。(図16参照)この現状があるため、従来屋上緑化は容易に実施できなかったです。
本発明によって、自然の恵みの雨水を自動的に貯水潅水(給水)して苔(植物)を栽培することができ、既存の電源設備や上水設備の無い屋上でも、屋上緑化が無電源、無上水、無メンテナンスで実施できます。自動潅水システムによって苔を生育することは、地球温暖化対策に非常に有効です。(図17参照)
5.自動潅水システムによる冷暖房効果について
自動潅水システムによって水を潅水すると、その水の断熱、保温作用によって冷暖房効果が得られます。
1)夏季の冷房効果について
「自動潅水システム」の構成によって、屋上面に敷いた吸水シートに貯水タンクから給水され、潅水した雨水が太陽熱で気化(蒸発)すると、1kg(=1リットル)あたり532kcalの熱量(気化熱)を奪いますし、日中の直射光を遮断するため、かなり涼しくなります。図19に示すように例えば貯水した雨水10kg(=10リットル)が太陽熱で1時間で気化した場合、仮にエアコンの熱交換効率を100%とすると、1時間に500(W)のエアコンを12.4台稼動して奪う熱量に相当します。(実際はエネルギーの熱変換効率は100%ではなく、実際のエアコンの熱交換効率を60%とすれば、12.4台×1/0.6=20.6台のエアコンが必要になります。これに対して水の気化熱を奪う熱交換効率はほぼ100%と考えてよく、非常に高い効率で気化熱を建物から奪います。)(図19参照)
2)冬季の暖房効果について
「自動潅水システム」の構成で、屋上面に敷いた吸水シートに潅水した雨水によって、水が恒久的に持つ比熱と熱伝導率による断熱効果によって、従来のコンクリートよりも高い保温作用があり暖房効果があります。そしてその吸水シートが日中の太陽光で温められると、水はコンクリートよりも冷め難いため、夜間の室内はいつまでも暖い状態になります。(図20参照)
3)ヒートアイランド現象の低減
夏季には水が気化熱を奪う作用によって建物の蓄熱を防ぎますし、建物の蓄熱した熱は水を媒介にして水蒸気となって奪い宇宙空間へと放出します。
自動潅水システムは実際に建物を冷却する効果(=雨水による気化熱で地表の熱を下げる効果)と、建物の冷暖房に要する消費電力の削減での省エネ効果(=雨水による断熱作用による効果)でも、CO2の排出量を削減ができるため、自動潅水システムは一挙両得の効果が得られて地球温暖化対策ができます。さらにその自動潅水システムで苔を生育すれば、その光合成作用による効果(=光合成でCO2を酸素に変換する)でも、地球温暖化対策(地球を冷却させること)を加速することができます。そのため自動潅水システムをすぐにでも導入すれば、長くても10年以内には地球温暖化をストップさせることが可能になります。
従って今すぐにでも先進国が実施できる自動潅水システムを導入し、自然の恵みの雨水を気化させて熱を奪う方法で地球を冷却していけば、すぐにでも地球温暖化をストップさせることが可能です。そしてその設置に要する費用は、冷暖房に要する消費電力費の削減で得られる減却費用分で、数年後には必ず回収(元をとることが)できます。
2008/6/1にNHKスペシャルで放送されましたが、CO2を全く排出しない地球上の自然エネルギーとして、風力発電や太陽光発電の建設が推奨されており、地球上の自然エネルギーを有効に利用すれば、CO2を排出しない低炭素社会にできます。それで自動潅水システムはエアコンを使用した場合と比較して、放出する熱量をかなり削減できます。(図25、図26参照)
そして自動潅水システムも自然エネルギーの雨水を利用するもので、地球上に降る雨水を自動的に有効利用するシステムであり、自然エネルギーを利用する風力発電や太陽光発電と全く同じ次元の対策になります。そして各世帯が太陽光発電の設備を導入するより、自動潅水システムを導入する方が、冷暖房に要する消費電力を抑えられて省エネ化でき、何よりも太陽光発電の設備を導入するより、自動潅水システムの設備を導入する方が低コストであり全く安全です。そして地球温暖化対策に対し多額の設備費をかけて風力発電や太陽光発電の設備を導入しなくても、自動潅水システムを導入することで、数年後にはその減却する電力消費分でその設置費を回収できます。その自動潅水システムの効果は氷河(=氷)→水→水蒸気の物理変化であり、同じ物質の水による同じ水の系の間で循環してなされるため、地球を冷却させる効果は直接的でありすぐに現れるはずです。
図27に示すように日本の電力需要の10%が水力発電によって賄われており、その日本の電力需要の10%を発電するのに必要な貯水ダムに貯水する貯水量は、日本全国に降る降水量の1%にも満たないはずです。その1%にも満たない雨水を貯水ダムに貯水した雨水によって、日本の電力需要の10%を賄えるのですから、如何に地球上の自然エネルギーが地球上に住む人類からすれば無限に大きいかがわかります。それでその1%以外に数%の雨水が生活用水や工業用水に使用されたとしても、残りの90%以上の雨水は全く人類の生活に有効に利用されてないです。この自然の恵みの90%以上が全く利用されてない雨水を、地球温暖化対策に有効に利用すれば、全くCO2を排出することなく、いくらでも地球(地表面)を冷却することができます。
水の気化熱を利用して冷却させる装置として、ドライミストの冷却装置があり、水を霧状に噴射することで水が気化して気化熱を奪い易くしています。(図29参照)夏の暑い日に夕立が降るとその地域の気温が約3℃下がるように、雨水が熱を奪い冷却させる効果は非常に大きいです。人間が体が熱くなると水を飲みますが、これは飲んだ水が体から蒸発する際に気化熱を奪う作用を利用するもので、やはり水の気化熱を利用して体温が上がらないように、人間が無意識にしていることです。またNHKの「ためしてガッテン」の番組で2008年に放送されたように、温度の高い水ほど速く凍る性質があり、熱くなった水蒸気もすぐに凍結する可能性があります。
環境省が「1人1日1kgのCO2の削減」のキャンペーンをしてますが、その1人1日1kgのCO2を削減する効果は、大気圏に存在する温室効果ガス(主にCO2)の総重量から1kg引くものであり、その総重量から1kg引いた温室効果ガスによって吸収される赤外線量の減少分で、実際にCO2を1kg削減した効果(地球上の熱量の減少)は間接的な効果であり、限りなくゼロに近いです。そのため非常に多くの人が参加して実施しなければ、目に見える効果(地球上の熱量の減少)は出せないです。
●北極の氷(532÷80=)6.65kgが融けないで済みます。(図21〜図24参照)
●水の同じ系の物理変化(氷→水→水蒸気)によって、水蒸気になった蒸気は高層圏で冷やされ再び水や雪や氷に変わるため、北極海の氷河はすぐに凍結していきます。(図6、図7参照)
前述した「1人1日1kgのCO2の削減」する方法の場合は、非常に多くの人が参加しなければ効果は出ないですが、提案の「1人1日1リットルの雨水を太陽熱で気化」する方法の場合、一部の人が実施するだけでも非常に大きな効果がすぐに出ますし、しかもその自動潅水システムの設備は、いくらでも容量を大きくできますから、気化させる雨水の量をいくらでも増やせますし、それに比例して地球上の熱をいくらでも低減する対策ができます。
日本の電力需要の約10%が水力発電によって賄われており、その日本の電力需要の約10%を発電するのに必要な貯水ダムに貯水する貯水量は、日本全国に降る降水量の1%にも満たないはずです。その1%にも満たない雨水を貯水ダムに貯水した雨水によって、日本の電力需要の約10%を賄えるのですから、如何に地球上の自然エネルギーが地球上に住む人類からすれば無限に大きいかがわかります。そして数%の雨水が生活用水や工業用水に使用されたとしても、残りの90%以上の雨水は全く人類の生活に有効に利用されてないです。この自然の恵みの90%以上の雨水が全く利用されてないため、この雨水を地球温暖化対策に有効に利用すれば、全くCO2を排出することなくいくらでも地球(地表面)を冷却することができます。
また人類が利用してる電気は、火力発電、原子力発電、水力発電によってほとんど100%が発電され供給されてますが、火力発電、原子力発電はボイラーで水を沸騰させ、その水が沸騰して水蒸気になる際に体積比が1600倍以上になる膨張圧力を利用して発電機を廻し発電するもので、もしこの水が水蒸気になる際に1600倍以上に膨張する性質が無かったら、人類は水力発電だけに頼らざるを得なかったかもしれません。また水力発電においても水の流動性である高い所から低い所へ流れる性質を利用して、一旦ダムに溜めた雨水を高い所から低い所へ落下させて得られる重力の圧力を利用して発電機を廻し発電するものです。
左脳で考える大学教授や科学者は常識的な思考(固定観念)に固執してしまいますが、発明家は右脳で考えるためそういった固定観念に固執することはないです。そして発明家は最も簡単な方法によって問題を解決させようとします。エジソンは簡単な方法で解決させることを示唆してましたが、この考えは現在までに52件発明して出願してる私には理解できます。
2008年に開催した北海道洞爺湖サミットにおいて、先進国G8と参加した発展途上国の首脳によって、「2050年までにCO2の排出量を半減させる」合意がされましたが、この合意の背景には各国の産業経済上の理由や事情もあるでしょうが、この合意事項は全く無意味なものです。(図31、図32参照)例えば「100年後にCO2の排出量を4分の1にする」と合意したとしても、何の意味もありません。100年後のCO2の排出量を目標にしても何の意味もないことです。既に危機的な状況に瀕してる現在、問題は今から具体的にどういう方法で具体的にどう対策するかです!既に危機的な状況になってるにも拘らず、北海道洞爺湖サミットで合意した「2050年までにCO2の排出量を半減させる」は、前記の100年後が42年後に短くなっただけで、全く同じことで全く意味が無いことです。従って今回行われた北海道洞爺湖サミットは、地球温暖化に関しては全く意義の無い全くナンセンスなものでした。形式的にサミットを開いたようなもので、この合意事項では全く先が見えないです。今刻々と地球温暖化が深刻で危機的な事態になってる現在の状況で、42年後などと時代錯誤なことを言っていられないはずです。今こうしてる間にも北極の氷河はどんどん融けてます。
現在、目標値(数値)を設定することばかりなされてますが、対策とは目標値を設定することではないはずです。京都議定書で定めた日本の目標値(マイナス6%)は、実際その設定した目標値(マイナス6%)に対して、プラス6%とその2倍の削減が必要になってしまってます。現在プラス6%であれば目標値(マイナス6%)を達成するには、プラス6%→0%→マイナス6%のトータル12%のCO2の削減が必要です。地球温暖化はまさに待った無しの深刻な問題ですし、今すぐ効果的な対策をしなければなりません。
CO2は化石燃料の燃焼による化学変化で生成される非常に安定な不活性ガスであるため、CO2→C + O2の逆の変化はほとんど不可能です。そのため常時排出されるCO2を削減しながら、地球温暖化対策することは非常に難しいです。(CO2を削減する対策の過程でもCO2を発生しますし、また各国が排出枠を決めて取引してもトータルのCO2量が減る訳ではないです。)これに対して水(=雨水)→水蒸気の変化は全くの物理変化であって、その物理変化を太陽熱で行えば、全くCO2を排出することなく1kg(=1リットル)あたり532Kcalの熱量を地球上から自動的に奪って宇宙空間に放出することができます。
2008/10/12と10/19にNHKで世界が直面してる世界食糧危機の問題を放映してました。その世界食糧危機になった大きな要因に、アメリカが生産したとうもろこしをバイオエタノールの生産にまわしてることが挙げられてました。しかしとうもろこしは1年生であり、1年ごとに種を植えて成長させなければなりませんし、収穫した後は枯れて自然分解(炭化)して土壌化します。
それでとうもろこしが生長する間は光合成がなされ、気中のCO2を吸収しますが、収穫した後にとうもろこしが枯れると、その根や茎や葉から自然分解してCO2を発生します。(燃やしてもCO2を発生します。)そのためトータルのCO2の排出量は増えるはずです。その上、収穫したとうもろこしからバイオエタノールを精製したり、輸送したりする過程でまたCO2を発生しますし、さらに精製したバイオエタノールをガソリンに混ぜて燃やすと、そのバイオエタノールが燃えた分のCO2を発生します。
未来の予言者(ジュセリーノ)は、地球温暖化による2043年問題を挙げてます。そして地球温暖化の問題を先送りせず、ターニングポイントはまさに今だと訴えてます。未来の予言者(ジュセリーノ)が警告するように、ここで確かな対策を打たなければ、人類は取り返しのつかない失敗(自滅)を犯すことになります。
実施例に基づいて本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」の説明します。まず、図8〜図10の図を基に詳述すると、図8の構成において、貯水室1Aの上部内で雨受け部1aの下方に、図の様に中央に低く窪んだ空間部1lを形成した貯水部1jを設け、その貯水部1jの中央の窪んだ空間部1lの下方に開口した流入口1nを設けた流入部1mを形成し、その窪んだ空間部1l内に雨水で水没した際に適当な浮力で浮く浮力蓋体2Aを設けて構成したものです。その浮力蓋体2Aの作用と働きについて、図8(c)(d)で詳述します。雨受け部1a上に降った雨水は貯水タンク1の中にどんどん入りながら貯水部1j上に注がれます。すると雨水は貯水部1jの中央が低く窪んだ空間部1l内へとどんどん溜まっていきます。そしてその雨水で浮力蓋体2Aが水没すると、その浮力蓋体2Aの浮力の働きで若干浮き、その際に浮力蓋体2Aと開口した流入部1mの流入口1nとの間に隙間ができるため、図8(d)に示すように雨水はその隙間から下方の貯水室1A内へとどんどん流入していきます。そして雨水が窪んだ空間部1l内に流入していき溜まる間は、浮力蓋体2Aの浮力の作用が働くため、雨水が開口した流入部1mの流入口1nから下方の貯水室1A内へとどんどん流入していくことになります。この浮力蓋体2Aの浮力は、水の比重が1立方cmあたり約1gであるから、浮力蓋体2Aを200立方cmで重量199gで構成すれば、浮力蓋体2Aが水没した際、理論上浮力が若干働いて浮力蓋体2Aと開口した流入口1nの開口面との間に若干隙間ができて、水が下方に流入することになります。浮力蓋体2Aが浮力を受ける条件は、浮力蓋体2Aの比重<水の比重となり、水の比重より軽ければ浮力蓋体2Aは水に浮きます。
1)浮力蓋体2Aの持つ自重の重力で流入口1nを塞ぎます。浮力蓋体2Aはくさび状の錐体をしてるため、その荷重力は流入口1nを塞ぐ方向の垂直方向(矢印)に働きます。
2)蓋部2bと接する流入口1nの内面との間にいくらか水分が残るため、その水分の表面張力によって蓋部2bと流入口1nとの間を密封状態に塞ぎます。この2つの間に介在する水分は空間部1l内に雨水が残る限り存在します。
3)貯水タンク1内は気化していく雨水で常に減圧する負圧状態になるため、その負圧力によって、貯水タンク1内は蓋部2bを下方に吸引する力が常に働いて密封状態にできます。
●(写真図の左)容器の蓋に2mmの開口を空けておく。
●(写真図の真中)容器の蓋に1.5mmの開口を空けて、ティッシュペーパーを挿入しておく。
●(写真図の右)容器の蓋に2mmの開口を空けて、ティッシュペーパーを挿入しておく。
(試験日)2008.1.18〜1.25
(試験結果)
●左の容器の水は全く減らない。
●右の容器の水が5日間で完全に無くなる。
●真ん中の容器の水が7日間で完全に無くなる。
(結論)
容器内の水をその水が持つ表面張力の力で無動力で移動させることができ、この原理を応用して「自動潅水システムの貯水潅水方法」によって、自動的に潅水して給水できる。
(試験日)2008.1.26
(試験結果)
スタート時に容器内の水が9分目あったものが、僅か65分で完全に空になる。
吸水材から余分な水が常時溢れ出て流れ出している。
(結論)
容器内にある水量に比例した水圧が、排出口及び搬送チューブ内に加わるため、その水圧で給水する水量を制御(コントロール)できなく、容器内の水がどんどん給水されてしまう。従って、従来の潅水システムでは、給水を制御する制御装置と電源設備と上水を適当量給水する設備が必要になる。
(試験日)2008.1.12〜1.25
(試験結果)
スタート時に容器内の水が9分目あったものが約2週間で無くなる。
吸水材から蒸発する水量分のみ容器内の水が表面張力によって常時搬送される。
(結論)
容器内の水量に関係なく、吸水材の蒸発する水量分(需要分)のみ給水でき、「自動潅水システムの貯水潅水方法」は、水の表面張力を利用して無電源、無上水、無動力で雨水を自動的に給水できる。また「自動潅水システムの貯水潅水方法」は、水の表面張力を利用するため、容器内から給水させる水量は、連結するチューブの太さや挿入する紐状の吸水材、床に敷く吸水材の面積、その厚さを適当に設定して給水できる。容器内の水が無くなる水量は、吸水材表面から蒸発する水量に比例し、蒸発する水量は気温に比例して増える。そのため気温が低い冬季は蒸発量が少く、気温が高い夏季は蒸発量が多いため、その余分に蒸発する水が気化熱を奪い、自動的に建物を冷やす冷媒効果がある。そのため本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」は、夏季にあっては自動的に潅水して自動的に建物を冷やす一挙両得の2重の効果が得られる。
図41に示すように、世界の人口の65億人の内中国人が13億人で、インド人が11億人を占めます。従って世界の人口の5人に1人が中国人で6人に1人がインド人の割合になります。
それで図2(a)に示すように、世界のCO2の総排出量の増加は中国とインドが大きく寄与しており、特に中国の排出量は2005年に5.1ギガトンだったものが、2030年には11.4ギガトンまで上昇すると予測されてます。そのため今後世界のCO2の総排出量を如何に抑えるかは、とにもかくにも中国の排出量を抑えることが非常に重要です。
このことはどういうことかを添付の図42で具体的に説明します。図42で解かり易いように「地球の大気圏」を「船底に穴が空いた船」として、大気圏に排出されるCO2を船内に浸水する水として考えます。
そうした場合2005年の上位5カ国のCO2排出量は、
インド1.1、日本1.2、ロシア1.5、中国5.1、米国5.8
ですが、2030年には
インド3.3、日本1.2、ロシア2.0、中国11.4、米国6.9
になると予測されてます
(図42に描いた船底に空けた開口幅は、各国の排出量に比例した長さで空いてます。)
そこで図42の2005年の状態から2030年までに、各先進国(日本や米国やヨーロッパ諸国)が莫大な費用をかけて、風力発電や太陽光発電の新エネルギーの開発や導入して、その各先進国が仮にCO2の排出量を半減(図の各開口幅を半分にすること)できたとしても、中国で無尽蔵に増えるCO2の排出量が5.1から11.4に増えてしまえば、船内に浸水する水はほとんど中国の開口した穴11.4からどんどん水(CO2)が浸水することになります。そのため各先進国が2005年からCO2の排出量を抑えていくら各開口を塞いでも、船内に浸水する水(CO2)は中国の開口した大きな穴11.4でほとんど決まってしまいますから、各先進国がいくら莫大な費用をかけて対策しても、その各先進国がした対策努力は、結果的にはほとんど無駄な努力になってしまいます。
このことを各国の首脳や各国の科学者はどう考えてるのでしょうか
また地球の温度を下げるには、中国のCO2の増加分(11.4-5.1=)6.3を上まわるペースで、世界のCO2の総排出量を最低限削減していかなければ地球温暖化はストップしないですし、それができなければ地球の温度はいっこうに下がらないため、各先進国の対策努力もやはり結果からすれば無駄な努力になります。
地球温暖化の影響で地球の平均気温は100年間で0.74℃上昇してますが、太陽熱で雨水を気化して奪う気化熱の対策によってこの0.74℃下げるには、何リットルの雨水を気化させれば良いかは計算できるはずです。そしてその気化する雨水の量はべらぼうに大きな水量ではないと考えます。
1)年間降水量の1%にも満たない量の貯水ダムに貯めた雨水で、日本国内の約10%の電力需要を賄えること
2)水1リットルを0℃から100℃まで上昇させるのに100kcalの熱量が必要であるのに対して、水1リットルを気化させると532kcalの気化熱を奪えること、この水の気化熱によって熱を奪う冷却効果532kcalは、水1kg(=1リットル)を0℃から100℃まで上昇させるのに必要な熱量100kcalのなんと5.32倍であり、しかもこの場合の熱交換効率もほぼ100%で建物から気化熱を奪って冷却できます。
3)水1リットルを気化させるとその奪う熱量は532リットルの水を1℃下げる能力があること。(532リットルの水はかなりの量であり、その532リットルの水を1℃下げれます。)
であり、かなり短い期間に実現可能と考えます。
(地球の現状)
図44のAの(←)の工程で、今地球上では太陽熱によって北極の氷河はどんどん融かされ水に変ってます。(Aの工程を人為的に増やすことは可能で、例えば北極の氷河を切り取り熱帯地方に運べば可能)
(地球温暖化対策)
図44のBの(→)の工程で、地球上にある水を太陽熱によってどんどん気化させて水蒸気に変えれば可能になります。
前記のAの工程と同様に、Bの工程を人為的に増やすことは可能であり、先進国の首都圏に降る雨水を貯水しておき、晴れた日にその貯水した雨水を太陽熱で気化させれば可能です。その時奪った気化熱は宇宙空間へ放出されるため、その奪った気化熱の量に比例して地球はリアルタイムに冷却します。
(水不足の対策)
水は地球が誕生して以来その水量は不変です。そのため図44のBの(→)の工程を増やせば、その地球が冷却する分Aの(←)の工程の氷河が融かされて水になる量は減ります。そして同時に気化した水が水蒸気になるCの(→)の工程が増えるため、雨が降らなくなった不毛地域に雨をもたらすことになります。
冷蔵庫の冷却能力を高めるには、次の2つの方法があり、
●溶媒の気化量を増やす
●熱を庫外へ放出する熱伝導率を高めて庫外への放出量を増やす
のいずれかですが、溶媒の気化量を増やす方法が最も簡単で効率的です。この冷蔵庫の原理と同様に地球の冷却能力を高めることができます。図45(b)に示すように冷蔵庫の溶媒は地球上の水に相当し、冷蔵庫と同じ原理で地球を冷却するには、地上から気化する水の気化量を増やすのが最も簡単で効率的な方法です。
それで本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」では、地球温暖化対策は図44のBの(→)の工程を積極的に増やす対策であり、その対策は化学変化ではなく水の物理変化を利用するため、地球上から有害な物質を全く排出することもなく、地球上から熱のみ奪って宇宙空間に排出できます。しかも前記したようにその対策で地球が冷却すると、Aの(←)の工程の氷河が融かされ水になる量は減り、同時に気化した水が水蒸気になるCの(→)の工程が増えるため、雨が降らなくなった不毛地域に雨をもたらすことができ、一挙三得の対策が同時にリアルタイムにできます。
●雨水の気化熱による地球冷却化→地球温暖化対策
●気化した水蒸気によって不毛地域に降雨をもたらす→水不足の対策
●気化した水蒸気によって北極域の氷河を氷結させる→海面上昇の対策
●冷暖房に要する消費電力を削減できる→CO2削減による地球温暖化対策
●屋上緑化の実現→植物の光合成によるCO2削減の地球温暖化対策
(従来、屋上緑化は電源設備や上水設備が必要でしたが、「自動潅水システム」によって無電源無上水無動力で実施できます。また建物の屋上は植物の光合成に絶好の最適な場所であり、何も使われてない余剰スペースです。)
●ヒートアイランド現象の低減。→冷房に要する消費電力の削減でのCO2削減による地球温暖化対策
また本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」でコケを栽培して地球温暖化対策した場合は、自然の恵みの雨水を自動的に潅水(給水)してコケを栽培することができます。そのため既存の電源設備や上水設備の無い屋上でも屋上緑化が、無電源、無上水、無メンテナンスで実施できますし、次の1挙3得の効果が得られます。
●コケ緑化による冷暖房の消費電力の削減
屋上をコケ緑化することで、夏は断熱効果があるため熱を遮断して室内を涼しくできます。また冬は日中の太陽で温められるため、夜中はその温められた熱の保温効果で室内はいつまでも暖かいです。
●コケ緑化の光合成によるCO2削減
コケは光合成をするため、そして光合成を活発に行う条件は、(1)日当たりが良いこと(2)気温が高いこと(3)高濃度のCO2があることであるため、屋上はこの3条件を満たす絶好の場所であり、普段全く使われてない余剰スペースです。尚、コケは給水されないと休眠状態になって光合成も休止するため、光合成を活発に行わせるには常に給水状態にしておくことが重要です。
●自動潅水システムの気化熱による地球温暖化対策
本発明の「自動潅水システムの貯水潅水方法」によって、貯水した雨水を表面張力の作用でコンスタントに給水することで、その給水した雨水が太陽熱で蒸気化してコケに水をやって生育させる役目と、建物から気化熱を奪う2つの役目を果たします。そのためコケによる屋上緑化を全くメンテナンスを必要とせず半永久的にできます。
本発明の自動潅水システムは、地球の危機を救う今世紀最大の発明になるはずです。
1A : 貯水室
1B : 分室
1a : 雨受け部
1b : 開口部
1c : 囲い部
1d : 排出口
1h : 仕切り部
1j : 貯水部
1k : 導水材
1l : 空間部
1m : 流入部
1n : 流入口
2A : 浮力蓋体
2a : 浮力部
2b : 蓋部
3 : 導水管
4 : 給水管
4a : 中空部
4b : 隙間部
4c : 開口
4d : 給水口
4e : 留め具
5 : 吸水材
5a : (吸水性の)吸水材
5b : (防根透水の)吸水材
5c : 紐状の吸水材
6 : 防水材
7 : 接着材
8 : 立体網材
9 : 苔
10 : 建物
10A : 屋上
10B : 壁面
10C : 屋根
Claims (1)
- 地表の温度を冷却するため、水を貯水する貯水タンクであって該貯水タンクに水を溜める空間部(1l)を形成し、その底に流入部(1m)を設け、該空間部(1l)内に水の浮力作用で浮上し、貯水タンク内に水が流入する流入口(1n)を蓋する浮力蓋体(2A)を設け、該浮力蓋体(2A)の上部に浮力部(2a)を形成し、下部に錐体形状を有する蓋部(2b)を形成し、前記空間部(1l)内に水が溜まると該浮力蓋体(2A)が浮力作用で浮上することで、前記流入口(1n)に隙間ができて貯水タンク内へと水が流入し、該空間部(1l)内に溜まる水が適当に無くなると浮力蓋体(2A)の自重によって流入口(1n)が蓋されて塞がれ、貯水タンク内を密封状態にして水を貯水する貯水タンクでなり、該貯水タンク内に溜めた水を水が持つ表面張力の作用を利用して、水を吸水材(5)に吸水させながら水を移動させ潅水するようにした自動潅水システムを設置することで雨水を貯水タンクに貯水し、その雨水を前記吸水材(5)に吸水させながら潅水させ、その潅水させた雨水を自然の恵みの太陽熱で気化させて、その自動潅水システムによって余剰に気化させて気化熱を奪う自動潅水システムによって、水が恒久的に持つ各性質(水の流動する性質、水の表面張力(毛細管現象)で水が移動する性質、水が物を浮かせる浮力の性質、水が気化する際に気化熱を奪う性質)を組合せて実施でき、そして無電源、無上水、無動力で自動的に半永久的に実施できる方法である自動潅水システムによって地表の温度を自動的に冷却する方法。
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