JP5478300B2 - ガスエンジン搭載型船外機 - Google Patents
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Description
カセットガスボンベ内には、エンジンの始動時や加速時にエンジンに供給する液体燃料が充填されている。
エンジンの始動時や加速時に、カセットガスボンベの口金(具体的には、ノズル)から液体燃料を供給することで、液体燃料を燃料と併用してエンジンの始動性や加速性を好適に確保することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
構成の簡素化を図るために、燃料をエンジンに供給する前に燃料を加熱して霧化(気化)を促進する手段を用いることが考えられる。
燃料を加熱する手段として、例えば、排気管の熱を利用するベーパライザ装置を備えたガスエンジンが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
このため、燃料供給管の形状が複雑になり、燃料供給管の曲げ形成や燃料供給管の取付けに手間がかかり、この観点から改良の余地が残されていた。
ベーパライザ本体部を排気管に接触させて排気管の熱をベーパライザ本体部で受熱可能とした。さらに、ベーパライザ本体部にベーパライザ配管部を設けてベーパライザ本体部の熱をベーパライザ配管部で受熱可能とした。
これにより、ベーパライザ配管部内に導かれた液体燃料(液相のガス燃料)を排気管の熱で好適に気化することができ、ガスエンジンの始動性などを良好に確保できる。
よって、ベーパライザ本体部およびベーパライザ配管部の材質や形状を各々個別に選択することができる。
さらに、ベーパライザを製造する工程の最適化を図ることができるように、ベーパライザ本体部およびベーパライザ配管部の材質や形状を各々個別に決めることができる。
よって、ベーパライザ配管部を燃料流路から分割することができる。これにより、ベーパライザ配管部の曲げ加工が容易になり、ベーパライザ配管部を排気管の周囲に配置可能に容易に曲げ形成することができる。
さらに、ベーパライザ配管部を燃料流路から分割することで、ベーパライザ配管部の取り扱いが簡単になり、ベーパライザ配管部をベーパライザ本体部に手間をかけないで容易に取り付けることができる。
そして、冷却ファンからの送風を冷却流路で受風して、ベーパライザ配管部内において気化された気体燃料を冷却流路において適温に冷却するようにした。
これにより、排気管に臨む(対向する)周縁部の面積(すなわち、排気管の熱を受熱する面積)を大きく確保でき、排気管の熱を一層効率よく受熱することができる。
図1に示すように、船外機10は、船外機10を船体11(船尾板12)に取り付ける船外機取付手段13と、船外機取付手段13の上側に設けられたマウントケース(船外機本体)14と、マウントケース14に搭載されたガスエンジン15と、ガスエンジン15を覆うエンジンカバー16と、エンジンカバー16に設けられたカセットガスボンベ18と、カセットガスボンベ18の液体燃料(液相のガス燃料)をガスエンジン15に供給する燃料供給手段20(図2、図3参照)とを備えている。
ガスエンジン15の回転がプロペラ25に伝達されることでプロペラ25が回転して船体11が滑走する。
ガスエンジン15は、バーチカル型単気筒エンジンであり、シリンダ35の軸線(シリンダ軸線)36が横向き(略水平)に配置され、クランクシャフト37が縦向きに配置されている。
リコイルスタータ44は、リコイルロープの先端部にグリップが設けられている。
リコイルプーリー42が回転することで、クランクシャフト37が回転してガスエンジン15が始動する。
ガスエンジン15が始動することで、燃焼室内の排気ガスを排気管63(図3参照)を経てマフラー(図示せず)に導く。
排気管63に排気ガスを通すことにより排気ガスの熱で排気管63が加熱される。
エンジンカバー16は、カセットガスボンベ18を収納するガスボンベカバー17を備えている。
ガスボンベカバー17内には、カセットガスボンベ18の口金18aを取り付ける口金受部46が設けられている。
カセットガスボンベ18内の液体燃料が燃料取出パイプおよび供給ノズルを経て燃料供給手段20の燃料流路51に供給される。
ベーパライザ52に導かれた液体燃料が排気管63(図5、図6も参照)の排気熱(熱)で加熱されて気化する。気化された気体燃料が第2チューブ58および第2ホース59を経てレギュレータ53に導かれる。
ミキサー54に導かれた気体燃料がミキサー54でエアと混合され、エアと混合された気体燃料がガスエンジン15の燃焼室に導かれる。
第2チューブ58およびシリンダブロック34間に所定間隔Lが確保されている。
よって、第2チューブ58内において、排気管63(図5、図6も参照)の熱で気化された気体燃料を適温に冷却することができる。
第2チューブ58の全長を比較的長尺寸法に確保することで、第2チューブ58内を流れる気体燃料を効率よく自然放熱することができる。
排気管63は、ガスエンジン15の燃焼室をマフラー(図示せず)に連通することで、燃焼室内の排気ガスをマフラーに導く排気用の管である。
排気管63に排気ガスを通すことにより排気ガスの熱で排気管63が加熱される。排気管63の熱をベーパライザ52に伝えることで液体燃料を気化することが可能になる。
支持プレート部72の中央に受熱ブロック76が設けられ、支持プレート部72のプレート外周72bに沿ってベーパライザ配管部66がろう付けされている。
プレート貫通孔81は、排気管63が貫通可能に形成されている。
鉛直折曲部74は、側面視で略矩形状に形成され、流路連結部67を支える折曲片である。
この受熱ブロック76は、支持ブラケット71に対して一回り小さな略矩形状に形成され、中央にブロック貫通孔83を有する。
そして、重ね合わされた支持プレート部72および受熱ブロック76が一体的にシリンダブロック34の左側壁34aにボルト86・ナット87で取り付けられている。
配管接続部位72cは、支持プレート部72のプレート外周72bに沿って設けられ、ベーパライザ配管部66を接続可能な部位である。
配管接続部位72cにベーパライザ配管部66を接続した状態で、ベーパライザ配管部66は受熱ブロック76のブロック外周76aに近接させた状態で配置されている。
図4〜図6で説明したように、ベーパライザ52は、ベーパライザ本体部65とベーパライザ配管部66とに分割されている。
よって、ベーパライザ本体部65およびベーパライザ配管部66の材質や形状を各々個別に選択することができる。
さらに、ベーパライザ52を製造する工程の最適化を図ることができるように、ベーパライザ本体部65およびベーパライザ配管部66の材質や形状を各々個別に決めることができる。
加えて、ベーパライザ配管部66は、入口端部66aが流路連結部67に連結されるとともに出口端部66bが流路連結部67に連結されている。
入口端部66aの近傍部66cおよび出口端部66bの近傍部66dは、それぞれ水平折曲部73に沿ってろう付けされている。
加えて、受熱ブロック76から支持プレート部72に伝わった熱を配管接続部位72cを経てベーパライザ配管部66で受熱することができる。
好適に気化した気体燃料をガスエンジン15に供給することで、ガスエンジン15の始動性などを良好に確保できる。
周縁部77の凸部77bが排気管63の外壁63aに接触されている。
さらに、複数の凹部77aを排気管63の外壁63aに近接させることで、排気管63の熱を複数の凹部77aから受熱ブロック76に伝えることができる。
受熱ブロック76に伝えられた熱は、ベーパライザ配管部66に伝えられる。
よって、排気管63に臨む(対向する)周縁部77の面積を、ブロック貫通孔83を円形に形成した場合と比較して大きく確保できる。
排気管63に臨む(対向する)周縁部77の面積は、排気管63の熱を受熱する面積である。
したがって、ベーパライザ配管部66内に導かれた液体燃料を排気管63の熱で一層好適に気化することができる。
内側連結部材91の両端部にねじ孔91c,91dがそれぞれ形成されている。
一方の取付孔92aの周囲に環状のシール材96が配置され、他方の取付孔92bの周囲に環状のシール材97が配置されている。
外側連結部材92の両端部に貫通孔92c,92dがそれぞれ形成されている。
さらに、内側連結部材91に外側連結部材92を重ね合わせることで、一方の貫通孔92cおよび一方の取付孔91cが同軸上に配置されるとともに、他方の貫通孔92dおよび他方の取付孔91dが同軸上に配置される。
これにより、第1ボルト94および第2のボルト95で内側連結部材91および外側連結部材92が一体に組み付けられている。
よって、ベーパライザ配管部66の入口端部66aおよび第1チューブ57の出口端部57aが同軸上に連結される。
また、ベーパライザ配管部66の出口端部66bおよび第2チューブ58の入口端部58aが同軸上に連結される。
そして、流路連結部67でベーパライザ配管部66を燃料流路51(第1チューブ57の出口端部57aおよび第2チューブ58の入口端部58a)に連結可能とした。
これにより、ベーパライザ配管部66の曲げ加工が容易になり、ベーパライザ配管部66を排気管63(具体的には、受熱ブロック76のブロック外周76a)の周囲に配置可能に容易に曲げ形成することができる。
これにより、ベーパライザ配管部66をベーパライザ本体部65に手間をかけないで容易に取り付けることができる。
図8(a)に示すように、ガスエンジン15が始動することで、図9に示すカセットガスボンベ18から口金受部46に液体燃料が供給される。
口金受部46に供給された液体燃料が第1ホース56および第1チューブ57を経てベーパライザ52のベーパライザ配管部66に矢印Aの如く導かれる。
さらに、周縁部77の凹部77a…が排気管63の外壁63aに近接されることで、排気管63の熱が複数の凹部77aから受熱ブロック76に伝わる。
そして、受熱ブロック76に伝えられた熱がベーパライザ配管部66(図8(b)参照)に伝えられる。
ベーパライザ配管部66に熱が伝わることで、ベーパライザ配管部66内の液体燃料(液相のガス燃料)を加熱して気化(加熱・気化)して気体燃料にする。
ベーパライザ配管部66内で気化された気体燃料が第2チューブ58に矢印Cの如く導かれる。
第2チューブ58を冷却することで、ベーパライザ配管部66内で気化された気体燃料を第2チューブ58において適温に冷却できる。
加えて、第2チューブ58およびシリンダブロック34間に所定間隔Lを確保することで、第2チューブ58の全長が比較的長尺寸法に確保されている。これにより、第2チューブ58内を流れる気体燃料を効率よく自然放熱できる。
第2チューブ58内で適温に冷却された気体燃料が第2ホース59を経てレギュレータ53に矢印Eの如く導かれる。
ミキサー54に導かれた気体燃料がミキサー54でエアと混合され、エアと混合された気体燃料がガスエンジン15の燃焼室に導かれる。
これにより、ガスエンジン15の燃焼室に適温の気体燃料を供給することができ、ガスエンジン15の始動性などを良好に確保できる。
例えば、前記実施例で示した船外機10、マウントケース14、ガスエンジン15、カセットガスボンベ18、冷却ファン41、燃料流路51、ベーパライザ52、第2チューブ58、排気管63、ベーパライザ本体部65、ベーパライザ配管部66、流路連結部67、周縁部77、凹部77aおよび凸部77bなどの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
Claims (2)
- 船外機本体にガスエンジンが搭載され、前記ガスエンジンにカセットガスボンベ内の液体燃料を導く燃料流路が備えられたガスエンジン搭載型船外機において、
前記燃料流路の途中に、前記カセットガスボンベから供給された液体燃料を排気管の熱で気化して気体燃料とするベーパライザが連通され、
前記ベーパライザは、
前記排気管に接触させることで前記排気管の熱を受熱可能なベーパライザ本体部と、
前記ベーパライザ本体部に設けられることで前記ベーパライザ本体部の熱を受熱可能なベーパライザ配管部と、
前記ベーパライザ本体部および前記ベーパライザ配管部に設けられ、前記ベーパライザ配管部を前記燃料流路に連結可能な流路連結部と、を備え、
前記燃料流路のうち、前記ベーパライザの下流側に冷却流路が設けられ、
前記冷却流路は、
金属製のパイプで形成され、かつ、前記ガスエンジンの冷却ファンからの送風を受風可能な位置に設けられ、
前記冷却流路内において、前記排気管の熱で気化された気体燃料を適温に冷却することを特徴とするガスエンジン搭載型船外機。 - 前記ベーパライザ本体部のうち、前記排気管に嵌入して接触する周縁部が凹凸状に形成されたことを特徴とする請求項1記載のガスエンジン搭載型船外機。
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