以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における画像形成システム1の一構成例を示す図である。この画像形成システム1は、複合機やMFPなどと呼ばれる画像形成装置2と、複数のコンピュータ3,4a,4b,4cとがLANなどのネットワーク5を介して相互にデータ通信可能に接続された構成である。
画像形成装置2は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、FAX機能などの画像処理に関する複数の機能を備えている。また画像形成装置2は、印刷用紙などに画像形成を行って出力する機能として、ブラック(K)のトナーのみを用いたモノクロで画像形成を行う機能の他、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の複数のトナーを用いたフルカラーで画像形成を行う機能や、単色カラーで画像形成を行う機能、或いは2色カラーで画像形成を行う機能なども有している。
コンピュータ3,4a,4b,4cは、それぞれ一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成される。図1に示すように、コンピュータ3は、画像形成装置2の管理者が主に使用するコンピュータである。またコンピュータ4a,4b,4cは、それぞれ画像形成装置2の複数の機能のうちの少なくとも1つの機能を使用することができるユーザA,B,Cに対して個別に割り当てられており、それらユーザA,B,Cが主に使用するコンピュータである。尚、以下においては、各ユーザA,B,Cが使用するコンピュータ4a,4b,4cを総称してコンピュータ4と呼ぶことがある。
管理者がコンピュータ3を操作することにより、コンピュータ3から画像形成装置2にプリントジョブを送信してプリントジョブを実行させたり、或いは、画像形成装置2の遠隔操作を行ったりするためには、予め自身のコンピュータ3に画像形成装置2を動作させるためのドライバプログラムをインストールしておく必要がある。同様に、各ユーザA,B,Cが自身のコンピュータ4a,4b,4cを操作することにより、コンピュータ4a,4b,4cのそれぞれから画像形成装置2にプリントジョブを送信してプリントジョブを実行させたり、或いは、画像形成装置2の遠隔操作を行ったりするためには、予め自身のコンピュータ4a,4b,4cに画像形成装置2を動作させるためのドライバプログラムをインストールしておく必要がある。
そこで本実施形態では、例えば、管理者がコンピュータ3を利用することにより、ドライバプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体8を作成する。このとき、管理者は、記録媒体8に格納するドライバプログラムに対して、画像形成装置2を各ユーザA,B,Cが使用する際に機能制限を課すための機能制限情報を付加する。機能制限とは、画像形成装置2に搭載された各種機能のうち特定の機能の実行を制限することであり、例えば、フルカラー、単色カラー又は2色カラーでの画像形成を行う機能を制限してカラー出力を禁止することや、月間出力枚数の上限値を制限することにより上限値を超える出力を禁止することなどである。そのため、機能制限情報には、例えば、機能制限の対象となる機能と、その機能に対してどのような制限を行うかを定めた設定値とが対応付けられる。
各ユーザA,B,Cに対して課す機能制限は、そのユーザの所属部署や職種、又は役職などによって異なる。例えば、部長職の場合には、画像形成装置2の全ての機能を制限なく使用することができるようにし、平社員の場合には、カラー出力を禁止すると共に出力枚数を500枚程度に制限することなどが行われる。そのため、管理者は、ユーザの所属部署や職種、又は役職などに応じた複数パターンの機能制限情報を作成し、各パターンの機能制限情報をドライバプログラムに対して個別に付加することで、各パターンに対応したドライバプログラムを作成する。そして管理者は、コンピュータ3を利用し、それら各パターンに対応したドライバプログラムを個別にCD−Rなどの記録媒体8に記録することで、複数種類の記録媒体8を作成する。
このようにして作成される複数種類の記録媒体8は、管理者によって各ユーザA,B,Cの職種などに応じて各ユーザA,B,Cに配布される。そして各ユーザA,B,Cは、自身に配布された記録媒体8を自身のコンピュータ4a,4b,4cにセットすることで、ドライバプログラムのインストールを行う。
図2は、コンピュータ4aにドライバプログラムをインストールする場合の一態様を示す図である。図2に示すように、管理者から配布される記録媒体8には、コンピュータ4で実行可能なプログラム9が記録されている。このプログラム9には、インストールプログラム9aと、ドライバプログラム9bとが含まれる。インストールプログラム9aは、ドライバプログラム9bをコンピュータ4にインストールするための処理を行うプログラムである。ドライバプログラム9bは、上述したように画像形成装置2を動作させるためのプログラムである。このドライバプログラム9bには、管理者によって設定されたユーザAの職種などに対応する機能制限情報10が付加されている。また、機能制限情報10には、上述したような画像形成装置2の機能を制限するための情報の他に、付属情報11が含まれている。この付属情報11には、例えば、管理者が機能制限情報10を作成した日付(すなわち作成日)、機能制限情報10で設定されている機能制限のパターンを識別するための機能制限識別情報、および、機能制限情報10の内容を書き換えて更新するための更新用パスワードなどが含まれる。
図2に示すように、ユーザAは、記録媒体8をコンピュータ4aにセットしてインストールプログラム9aを起動させると、コンピュータ4aは、ドライバプログラム9bをインストールするための処理を開始する。このとき、インストール対象のドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されていると、コンピュータ4aは、ユーザAに対し、機能制限情報10を自身で画像形成装置2に登録させるための操作を促す。これに伴い、ユーザAは、コンピュータ4aに自身を識別するためのユーザ識別情報(例えば、ユーザIDとパスワードを組合せた情報)を入力して機能制限情報10を画像形成装置2に登録するための操作を行う。コンピュータ4aは、ユーザAによる登録操作が行われるまで、ドライバプログラム9bのインストールを開始せず、ユーザAによる登録操作が行われると、ユーザ識別情報と、ドライバプログラム9bに付加されている機能制限情報10とを画像形成装置2に送信し、その後、ドライバプログラム9bのインストールを開始する。
画像形成装置2は、コンピュータ4aからユーザ識別情報と機能制限情報10とを受信すると、それを内部に登録する。そしてユーザAが画像形成装置2を使用する際には、ユーザ識別情報に基づいてユーザAを特定し、それに対応する機能制限情報に基づいてそのユーザAに課された機能制限を行うように構成される。尚、他のユーザB,Cについてもこれと同様である。
すなわち、本実施形態の画像形成システム1では、管理者がドライバプログラム9bに機能制限情報10を設定しておき、各ユーザA,B,Cが自身のコンピュータ4a,4b,4cにドライバプログラム9bをインストールする際に、ユーザ自身がコンピュータ4a,4b,4cを操作することにより画像形成装置2に対して自身の機能制限情報を登録するようになっている。以下、このような画像形成システム1についてさらに詳しく説明する。
図3は、画像形成装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置2は、CPU21と、RAM22と、ROM23と、操作パネル24と、ネットワークインタフェース25と、スキャナ部26と、プリンタ部27と、FAX部28と、外部インタフェース29と、記憶装置30とを備えており、これらがデータバス32を介してデータの入出力を行うことができる構成である。
CPU21は、ROM23に予め記憶されているプログラム23aを読み出して実行することにより、各部を制御する。RAM22は、CPU21が各種処理を行う際に必要となる一時的なデータを記憶するものである。ROM23にはプログラム23aの他、各種データなどが予め記憶されている。操作パネル24は、ユーザが画像形成装置2を操作する際のユーザインタフェースとなるものであり、各種情報を表示する表示部24aと、ユーザが操作入力を行う操作部24bとを備えている。この操作部24bには、表示部24aの表面に配置されたタッチパネルキーと、表示部24aの周囲に配置された押しボタンキーとが含まれる。ネットワークインタフェース25は、画像形成装置2をネットワーク5に接続するためのものである。CPU21はこのネットワークインタフェース25を介してコンピュータ3,4とのデータの送受信を行うことができる。
スキャナ部26は、コピー機能、スキャナ機能又はFAX送信機能が使用される際に機能し、原稿を読み取って画像データを生成する。プリンタ部27は、コピー機能、プリンタ機能又はFAX受信機能が使用される際に機能し、印刷用紙などに画像形成を行って出力する。プリンタ部27には、複数色のトナーが設けられており、モノクロ出力だけでなく、カラー出力も行うことが可能である。FAX部28は、FAXデータの送受信を行う処理部であり、FAX機能が使用される際に機能する。外部インタフェース29は、例えばUSBインタフェースで構成され、外部装置を接続するためのものである。
記憶装置30は、例えばハードディスク装置で構成される不揮発性の記憶手段である。この記憶装置30には、ユーザごとの機能制限情報を登録したユーザ情報31が記憶される。このユーザ情報31は、画像形成装置2を使用するユーザごとに、ユーザ識別情報と機能制限情報とが対応付けられた情報となっている。また、ユーザ情報31には、ユーザ識別情報および機能制限情報の他にも種々の情報が登録される。尚、ユーザ情報31の詳細については後述する。
CPU21は、ネットワークインタフェース25を介して各コンピュータ3,4a,4b,4cからユーザ識別情報と機能制限情報とを受信すると、それらをユーザ情報31に登録する。そしてユーザが画像形成装置2の各種機能を使用しようとする際には、例えば操作パネル24に対してユーザ認証を促す画面を表示する。そしてCPU21は、ユーザによって入力される情報がユーザ情報31に登録されたユーザ識別情報と一致するか否かを判別することによりユーザ認証を行う。その結果、ユーザ識別情報と一致すれば、認証成功となり、CPU21は、そのユーザ識別情報に対応付けられている機能制限情報に基づいて画像形成装置2の機能制限を行う。一方、ユーザ識別情報と一致しなかった場合には認証失敗となり、CPU21は、デフォルト状態で使用可能な機能(例えばモノクロ出力)のみを使用できるようにする。ただし、認証失敗の場合は、画像形成装置2の機能を全く使用できないようにしても良い。
次に図4は、コンピュータ4のハードウェア構成の一例を示す図である。尚、図4に示す構成は、各ユーザA,B,Cのコンピュータ4a,4b,4cにおいて共通すると共に、管理者のコンピュータ3にも共通する構成である。コンピュータ4は、CPU40と、記録媒体読取装置45と、ネットワークインタフェース46と、表示部47と、操作入力部48と、メモリ49と、記憶装置50とを備え、これらがデータバス53を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
CPU40は、プログラムを実行することにより、そのプログラムに規定された処理手順に沿った演算処理および入出力処理を行う処理部である。このCPU40は、電源投入時に記憶装置50にインストールされているオペレーティングシステム51を読み出して実行する。記録媒体読取装置45は、記録媒体8に記録された情報を読み取るためのものであり、記録媒体8から読み取った情報をCPU40に出力する。ネットワークインタフェース46は、コンピュータ4をネットワーク5に接続するためのものである。CPU40はこのネットワークインタフェース46を介して画像形成装置2とデータの送受信を行うことができる。表示部47は、例えば液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザに対して各種情報を表示する。操作入力部48は、例えばキーボードおよびマウスで構成され、ユーザによる入力操作が行われるものである。メモリ49は、CPU40が各種処理を行う際に必要となる一時的なデータを記憶するものである。記憶装置50は、例えばハードディスク装置などで構成され、コンピュータ4にインストールされるプログラムやその他各種データなどを記憶するものである。
CPU40は、オペレーティングシステム51を実行している状態で、記録媒体読取装置45に記録媒体8がセットされると、記録媒体8に記録されたプログラム9を読み出し、そのプログラム9の実行を開始する。CPU40は、プログラム9の実行を開始すると、プログラム9に含まれるインストールプログラム9aを読み出して実行する。
図4には、CPU40においてインストールプログラム9aが実行されることによって実現されるCPU40の機能を示している。すなわち、CPU40は、インストールプログラム9aを実行することにより、インストール実行部41、情報抽出部42、ユーザ識別情報入力受付部43、情報送信部44として機能する。
インストール実行部41は、記録媒体8に含まれるドライバプログラム9bを、図中破線で示すように記憶装置50に格納することによりコンピュータ4へのインストールを行う処理部である。
情報抽出部42は、そのドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されているか否かを判別し、ドライバプログラム9bに付加された機能制限情報10を抽出する処理部である。情報抽出部42は、機能制限情報10を抽出する際、その機能制限情報10に含まれる付属情報11も抽出する。また情報抽出部42は、ドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されている場合、インストール実行部41によるドライバプログラム9bのインストールを中断させる。
ユーザ識別情報入力受付部43は、ユーザによるユーザ識別情報の入力を受け付ける処理部である。ユーザ識別情報入力受付部43が機能すると、CPU40は表示部47に対し、図5に示すようなユーザ識別情報入力画面G1を表示する。ユーザ識別情報入力画面G1には、図5に示すように、ユーザIDを入力するためのユーザID入力欄47aと、パスワードを入力するためのパスワード入力欄47bが表示される。例えばユーザは、マウス操作を行い、画面内でマウスポインタMPをユーザID入力欄47aとパスワード入力欄47bのそれぞれに移動させて選択し、それに引き続いてキーボード操作を行うことでユーザIDとパスワードの入力操作を行う。そしてユーザIDとパスワードの双方の入力操作が完了すると、OKボタン47cをクリック操作する。またユーザIDとパスワードの入力操作を行わない場合はキャンセルボタン47dをクリックする。
ユーザ識別情報入力受付部43は、上記のようなユーザによるユーザ識別情報の入力操作を受け付け、OKボタン47cがクリック操作されると、それに伴い、情報送信部44を機能させる。一方、ユーザがキャンセルボタン47dを操作した場合には、インストールプログラム9aの実行を終了し、ドライバプログラム9bをコンピュータ4にインストールすることなく、処理を終了させる。
情報送信部44は、情報抽出部42によって抽出される機能制限情報10と、ユーザ識別情報入力受付部43によって入力が受け付けられたユーザIDおよびパスワードからなるユーザ識別情報とを、画像形成装置2に送信する処理部である。本実施形態では、情報送信部44が、機能制限情報10とユーザ識別情報とを画像形成装置2に送信すると、情報抽出部42によって中断されたインストール実行部41によるドライバプログラム9bのインストールが開始する。その結果、記憶装置50にドライバプログラム9bが格納され、コンピュータ4にドライバプログラム9bがインストールされる。
次に、コンピュータ3,4のCPU40が記録媒体8に記録されたプログラム9を実行することによる動作について説明する。図6は、コンピュータ3,4のCPU40で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU40は、プログラム9の実行を開始すると(ステップS101)、インストール対象であるドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されているか否かを判断する(ステップS102)。
機能制限情報10が付加されている場合(ステップS102でYES)、CPU40は、そのドライバプログラム9bから機能制限情報10を抽出して読み出す(ステップS103)。次にCPU40は、ユーザ識別情報入力画面G1を表示部47に表示し(ステップS104)、ユーザによるユーザ識別情報の入力操作を受け付ける(ステップS105)。そしてCPU40は、ユーザがOKボタン47cを操作したか否かを判断し(ステップS106)、OKボタン47cを操作した場合には(ステップS106でYES)、ドライバプログラム9bから読み出した機能制限情報10と、ユーザによって入力されたユーザ識別情報とを画像形成装置2に送信する(ステップS107)。そしてステップS108の処理に進む。尚、ユーザがOKボタン47cを操作しなかった場合(ステップS106でNO)は、ドライバプログラム9bのインストールを行うことなく処理を終了する。
一方、ドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されていなかった場合(ステップS102でNO)、CPU40は、上記ステップS103〜S107をスキップしてステップS108の処理に進む。
そしてCPU40は、ドライバプログラム9bのインストールを開始する(ステップS108)。その後、ドライバプログラム9bのインストールが終了するまで待機する状態(ステップS109)となり、インストールが終了すると(ステップS109でYES)、全ての処理を終了する。
上記のような処理が行われることにより、コンピュータ3,4は、ドライバプログラム9bをインストールする際に、そのドライバプログラム9bに付加された機能制限情報10と、ユーザによって入力されたユーザ識別情報とを画像形成装置2に送信する。尚、画像形成装置2に送信される機能制限情報10には付属情報11も含まれる。
次に画像形成装置2の動作について説明する。図7は、画像形成装置2において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置2のCPU21によって行われる処理であり、例えばCPU21がネットワークインタフェース25を介して各種情報やデータなどを受信した場合に実行される処理である。図7に示すように、CPU21は、ネットワーク5経由でデータなどを受信すると、その受信したデータがユーザ識別情報と機能制限情報であるか否かを判断する(ステップS201)。このとき、受信したデータが、ユーザ識別情報と機能制限情報との組合せでない場合(ステップS201でNO)、CPU21は、その受信したデータに基づくその他の処理を行って処理を終了する(ステップS202)。
一方、受信したデータが、ユーザ識別情報と機能制限情報との組合せである場合(ステップS201でYES)、CPU21は、ユーザ登録手段として機能する。そして記憶装置30に記憶されているユーザ情報31を読み出し、そのユーザ情報31に、既に同じユーザ識別情報が登録されているか否かを判断する(ステップS203)。そして同じユーザ識別情報が既に登録されていれば(ステップS203でYES)、受信した情報の登録を行わずに処理を終了する。つまり、本実施形態では、ユーザ自身が自由にユーザIDとパスワードとを設定することができるため、受信したユーザ識別情報に含まれるユーザIDとパスワードの組合せと同じものが既にユーザ情報31に登録されている場合には、受信した情報を登録しないようにすることで、例えば別のユーザが登録したユーザ情報を書き換えないようにしている。
これに対し、ユーザ情報31に、受信したユーザ識別情報と同じものが登録されていない場合(ステップS203でNO)、CPU21は、受信した機能制限情報10に付属情報11が含まれているか否かを判断する(ステップS204)。そして付属情報11が含まれている場合(ステップS204でYES)、CPU21は、ユーザ情報31に、受信したユーザ識別情報と、機能制限情報10と、付属情報11とを相互に対応付けて登録する(ステップS205)。また、付属情報11が含まれていない場合(ステップS204でNO)、CPU21は、ユーザ情報31に、受信したユーザ識別情報と、機能制限情報10とを相互に対応付けて登録する(ステップS206)。その後、CPU21は、ユーザ情報31に、ユーザ識別情報などを登録した日を更新日として登録し(ステップS207)、処理を終了する。
上記のような処理が行われることにより、画像形成装置2は、コンピュータ3,4からユーザ識別情報と機能制限情報とを受信すると、それらを対応付けて記憶装置30に記憶されているユーザ情報31に登録する。
図8は、上記のようして生成されるユーザ情報31の一例を示す図である。このユーザ情報31には、登録ユーザの数を示す番号情報31aと、コンピュータ3,4から受信して登録されたユーザ識別情報31bと、同様にコンピュータ3,4から受信して登録された機能制限情報31cと、コンピュータ3,4から受信した機能制限情報10に含まれていた付属情報11のひとつである機能制限識別情報31dと、さらに別の付属情報11のひとつである更新用パスワード31eと、これらの情報が登録された日を示す更新日情報31fとが含まれる。
ユーザ識別情報31bには、画像形成装置2を使用するユーザごとのユーザIDとパスワードとが登録される。また機能制限情報31cには、画像形成装置2を使用するユーザの役職などに対応して機能制限を行うための情報が登録される。また機能制限識別情報31dには、その機能制限のパターンを識別するための情報(例えば、パターンを識別するためのコードなどの情報)が登録される。また更新用パスワード31eには、ユーザ情報31に登録された機能制限情報31cを書き換えて更新するためのパスワードが登録される。さらに更新日情報31fには、機能制限情報31cの登録日、又は更新が行われた場合にはその更新日が登録される。
画像形成装置2は、上記のようにしてユーザごとに機能制限情報31cが登録されたユーザ情報31を記憶装置30に記憶しておくことで、その後、ユーザが画像形成装置2を使用しようとする際には、ユーザ識別情報31bを参照することによりユーザ認証を行ってユーザを特定することができる。そしてユーザ認証に成功した場合には、その認証ユーザに対応付けられている機能制限情報31cを参照して画像形成装置2の機能制限を行うことにより、画像形成装置2は、その認証ユーザの役職などに対応した機能を使用可能な状態とすることができる。
本実施形態では、画像形成装置2の記憶装置30に記憶されるユーザ情報31は、管理者のみがその内容を閲覧することができると共に、その内容を書き換えて更新することができる。例えば、管理者は、画像形成装置2の操作パネル24を操作して管理者IDや管理者用パスワードを入力し、画像形成装置2に対して管理者モードでログインすることにより、ユーザ情報31の内容を閲覧することができる。また例えば、管理者は、自身のコンピュータ3から遠隔操作を行うことによって画像形成装置2に管理者モードでログインすると、コンピュータ3を操作しながらユーザ情報31の内容を閲覧することもできる。
このような閲覧操作が行われると、操作パネル24の表示部24a又はコンピュータ3の表示部47に、画像形成装置2の記憶装置30に記憶されているユーザ情報31の内容が表示される。そのため、管理者は、ユーザごとに登録されている機能制限識別情報31dを参照することにより、各ユーザの機能制限情報31cが役職などに対応して正しく登録されているか否かを確認することができる。そして機能制限情報31cが正しく登録されていない場合は、そのユーザの項目を選択して更新用パスワード31eに一致するパスワードを入力すると、選択した項目の機能制限情報31cを書き換えることができるようになり、各ユーザの役職などに対応した正しい機能制限情報31cに更新することができる。また管理者は、役職などが同じ場合であっても、具体的な職務内容などに応じてユーザごとの機能性制限情報31cを個別に調整することも可能である。例えば庶務課などに属する特定のユーザが上司からの指示により頻繁にコピー機能を利用する場合には、管理者が特定のユーザの機能制限情報31cを個別に書き換えることにより、その特定のユーザの月間出力枚数の上限値を他のユーザよりも多く設定することができる。
ここで、更新用パスワード31eは、記録媒体8に記録されている状態およびユーザ情報31に登録されている状態のいずれにおいても管理者以外のユーザが把握することができない態様で記録されており、管理者以外のユーザによって機能制限情報31cが不正に書き換えられることを防止している。
以上のように本実施形態によれば、画像形成装置2の機能制限を行うためにユーザごとの機能制限情報31cを登録する作業は、各ユーザが自身のコンピュータ4に対してドライバプログラム9bをインストールする際にユーザ自身で行うことになる。そのため、管理者にとっては、複数のユーザのそれぞれに対応する機能制限情報31cを個別に登録する作業は行う必要がなくなるので、管理者の作業負担を軽減することができる。つまり、管理者は、複数の役職などに対応した複数パターンの機能制限情報をドライバプログラム9bに対して個別に付加して記録媒体8を作成するだけで良い。仮に画像形成装置2を使用するユーザが数十名であったとしても、機能制限情報のパターンの数はそれよりも少なく、数パターン程度であるので、管理者が数十名分の登録作業を行う場合と比較すれば、数パターン程度の機能制限情報をドライバプログラム9bに付加して記録媒体8を作成する作業は、管理者にとっても行い易く、効率的に作業を行うことが可能である。
また本実施形態では、特別なサーバ装置などを必要としないので、管理者の作業負担を軽減しつつ、安価な設備で画像形成装置2にユーザごとの機能制限情報を設定することが可能である。
尚、本実施形態では図7のフローチャートにおいて、画像形成装置2がコンピュータ4から受信したユーザ識別情報と同じユーザ識別情報が既にユーザ情報31に登録されている場合、コンピュータ4から受信した情報をユーザ情報31に登録しない例を説明した。しかし、これに限らず、例えば、画像形成装置2がコンピュータ4から受信したユーザ識別情報と同じユーザ識別情報が既にユーザ情報31に登録されている場合であっても、コンピュータ4から受信した情報に基づいてユーザ情報31に登録されている情報を書き換えて更新するように構成しても良い。これにより、例えばユーザが課長や部長に昇進した場合、そのユーザが自身のコンピュータ4に対して課長や部長に対応したドライバプログラム9bを再度インストールする操作を行うことにより、ユーザ自身で昇進前の登録内容を昇進後の登録内容に更新することとなり、管理者の作業負担をより一層軽減することができる。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、各ユーザが自身のコンピュータ4に対してドライバプログラム9bをインストールするとき、ユーザ識別情報となるユーザIDとパスワードとを自由に設定して入力することができる。そのため、管理者の意図しないユーザがドライバプログラム9bのインストール操作を行うことにより、画像形成装置2のユーザ情報31には、管理者の意図しないユーザが登録されてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、管理者の意図しないユーザがユーザ情報31に登録されてしまうことを防止することができる形態について説明する。尚、本実施形態でも、画像形成システム1、画像形成装置2およびコンピュータ3,4の各構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
本実施形態では、第1の実施の形態と同様に、管理者は、複数の役職などに対応した複数パターンの機能制限情報をドライバプログラム9bに対して個別に付加し、それらドライバプログラム9bを記録した複数種類の記録媒体8を作成する。また本実施形態では、記録媒体8の作成作業に伴い、管理者は、画像形成装置2のユーザ情報31に対してユーザごとのユーザ識別情報を仮登録しておく。
図9は、管理者によってユーザ識別情報31bが仮登録された状態のユーザ情報31の一例を示す図である。図9に示すように、管理者は、画像形成装置2を使用する予定のユーザごとに、ユーザIDおよびパスワードからなるユーザ識別情報31bを個別に設定し、ユーザ情報31に仮登録しておく。この仮登録を行うための入力操作は、例えば操作パネル24を操作することによって画像形成装置2に直接入力しても良いし、またコンピュータ3を介して遠隔操作によって入力しても良い。画像形成装置3のCPU21は、管理者により仮登録のための操作が行われると、仮登録手段として機能し、ユーザ識別情報31bを仮登録したユーザ情報31を生成する。図9に示す仮登録状態では、ユーザ情報31にユーザ識別情報31bのみが登録された状態となっており、他の機能制限情報31c、機能制限識別情報31d、更新用パスワード31eおよび更新日31fの項目は空欄となっている。
このような仮登録状態では、各ユーザが画像形成装置2を使用する場合、デフォルト状態で使用可能な機能(例えばモノクロ出力)だけを使用することができる。ただし、これに限らず、仮登録状態の場合には、画像形成装置2の機能を全く使用できないようにしても良い。
そして本実施形態では、管理者は、第1の実施の形態と同様にして作成した複数種類の記録媒体8を、各ユーザA,B,Cの職種などに応じて各ユーザA,B,Cに配布すると共に、ユーザ情報31に仮登録したユーザ識別情報31bのユーザIDおよびパスワードを各ユーザA,B,Cに対して個別に通知する。
各ユーザA,B,Cは、自身に配布された記録媒体8を自身のコンピュータ4にセットしてドライバプログラム9bのインストールを行うための操作を行う。このとき、インストール対象のドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されていると、コンピュータ4は、第1の実施の形態と同様に、ユーザに対してその機能制限情報10を自身で画像形成装置2に登録させるための操作を促す。それに伴い、ユーザは、コンピュータ4に対し、管理者から通知されたユーザ識別情報(すなわちユーザIDとパスワード)を入力して機能制限情報10を画像形成装置2に登録するための操作を行う。そしてコンピュータ4は、ユーザによって入力されたユーザ識別情報と、機能制限情報10とを画像形成装置2に送信する。
本実施形態の画像形成装置2は、コンピュータ4からユーザ識別情報と機能制限情報10とを受信すると、受信したユーザ識別情報と、ユーザ情報31に仮登録されているユーザ識別情報31bとを照合することによりユーザ識別情報の認証処理を行う。そして一致するユーザ識別情報31bが仮登録されていれば、受信した機能制限情報10をユーザ情報31に登録することにより仮登録を本登録に更新する。これにより、ユーザは画像形成装置2を使用する際、ユーザ情報31に登録された機能制限情報31cに基づく機能制限下で画像形成装置2の各種機能を使用することができるようになる。
次に本実施形態のコンピュータ3,4における動作について説明する。図10は、第2の実施の形態においてコンピュータ3,4のCPU40で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。CPU40は、プログラム9の実行を開始すると(ステップS111)、インストール対象であるドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されているか否かを判断する(ステップS112)。機能制限情報10が付加されている場合(ステップS112でYES)、CPU40は、そのドライバプログラム9bから機能制限情報10を抽出して読み出す(ステップS113)。次にCPU40は、ユーザ識別情報入力画面G1(図5参照)を表示部47に表示し(ステップS114)、ユーザによるユーザ識別情報の入力操作を受け付ける(ステップS115)。そしてCPU40は、ユーザがOKボタンを操作したか否かを判断し(ステップS116)、OKボタンを操作した場合には(ステップS116でYES)、ドライバプログラム9bから読み出した機能制限情報10と、ユーザによって入力されたユーザ識別情報とを画像形成装置2に送信する(ステップS117)。
そしてCPU40は、画像形成装置2においてユーザ識別情報の認証処理が行われたことにより送信される信号を受信し、その受信した信号がインストール許可であるか否かを判断する(ステップS118)。そして画像形成装置2からインストール許可を受信した場合(ステップS118でYES)、ステップS119の処理に進む。尚、ユーザがOKボタンを操作しなかった場合(ステップS116でNO)、又は受信した信号がインストール許可でなかった場合(ステップS118でNO)は、ドライバプログラム9bのインストールを行うことなく処理を終了する。
一方、ドライバプログラム9bに機能制限情報10が付加されていなかった場合(ステップS112でNO)、CPU40は、上記ステップS113〜S118をスキップしてステップS119の処理に進む。
そしてCPU40は、ドライバプログラム9bのインストールを開始する(ステップS119)。その後、ドライバプログラム9bのインストールが終了するまで待機する状態(ステップS120)となり、インストールが終了すると(ステップS120でYES)、全ての処理を終了する。
上記のような処理が行われることにより、コンピュータ3,4は、ドライバプログラム9bをインストールする際に、そのドライバプログラム9bに付加された機能制限情報10と、ユーザによって入力されたユーザ識別情報とを画像形成装置2に送信する。尚、本実施形態でも、画像形成装置2に送信される機能制限情報10には付属情報11が含まれる。
次に画像形成装置2の動作について説明する。図11および図12は、第2の実施の形態の画像形成装置2において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置2のCPU21によって行われる処理であり、例えばCPU21がネットワークインタフェース25を介して各種情報やデータなどを受信した場合に実行される処理である。図11に示すように、CPU21は、ネットワーク5からデータなどを受信すると、その受信したデータがユーザ識別情報と機能制限情報であるか否かを判断する(ステップS211)。このとき、受信したデータが、ユーザ識別情報と機能制限情報との組合せでない場合(ステップS211でNO)、CPU21は、その受信したデータに基づくその他の処理を行って処理を終了する(ステップS212)。
一方、受信したデータが、ユーザ識別情報と機能制限情報との組合せである場合(ステップS211でYES)、CPU21は、記憶装置30に記憶されているユーザ情報31を読み出し、仮登録されているユーザ識別情報31bと、受信したユーザ識別情報とを照合してユーザ識別情報の認証処理を行う(ステップS213)。このとき、受信したユーザ識別情報と一致するユーザ識別情報31bがユーザ情報31に登録されていれば認証成功となり、登録されていない場合は認証失敗となる。そして認証に成功したか否かを判断し(ステップS214)、成功した場合は、受信した情報の送信元であるコンピュータ4にインストール許可を送信する(ステップS216)。そしてCPU21は、ユーザ情報登録処理を実行する(ステップS217)。これに対し、認証に失敗した場合は、コンピュータ4に対してインストール禁止を送信し(ステップS215)、処理を終了する。
図12は、ユーザ情報登録処理(ステップS217)の詳細な処理手順の一例を示す図である。この処理を開始すると、CPU21は、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報31が仮登録状態であるか否かを判断する(ステップS221)。ここで、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報31が既に本登録となっている場合(ステップS221でNO)、CPU21は、受信した機能制限情報10に含まれる属性情報11から、その機能制限情報10の作成日を取得し(ステップS222)、その作成日とユーザ情報31に登録されている更新日との比較を行う(ステップS223)。そして更新日が作成日よりも後の日付となっているか否かを判断し(ステップS224)、更新日が作成日よりも後であれば(ステップS224でYES)、受信した情報の登録を行わずに処理を終了する。
一方、更新日が作成日よりも先であれば(ステップS224でNO)、ステップS225の処理に進む。また、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報31が仮登録状態である場合も(ステップS221でYES)、ステップS225の処理に進む。
そしてCPU21は、受信したユーザ識別情報と、機能制限情報10と、付属情報11とを相互に対応付けてユーザ情報31に登録する(ステップS225)。これにより、ユーザ情報31において仮登録状態であったものは本登録状態となる。また既に本登録状態であったものはその本登録の内容が書き換えられ更新される。その後、CPU21は、ユーザ情報31に、ユーザ識別情報などを登録した日を更新日として登録し(ステップS226)、処理を終了する。
上記のような処理が行われることにより、画像形成装置2は、ユーザ情報31に仮登録されているユーザ識別情報31bに一致するユーザ識別情報と共に、機能制限情報を受信すると、それらを対応付けてユーザ情報31に追加登録することにより、仮登録状態のユーザ識別情報31bに対して機能制限情報31cを登録することができる。このような処理により、図9に示した仮登録状態のユーザ情報31は、図8に示したような本登録状態のユーザ情報31に更新される。
以上のように本実施形態でも、第1の実施の形態と同様に、画像形成装置2の機能制限を行うためにユーザごとの機能制限情報31cを登録する作業は、各ユーザが自身のコンピュータ4に対してドライバプログラム9bをインストールする際にユーザ自身で行うことになる。そのため、管理者にとっては、複数のユーザのそれぞれに対応する機能制限情報31cを個別に登録する作業は行う必要がなくなるので、管理者の作業負担を軽減することができる。
また本実施形態では、特に管理者が予め画像形成装置2のユーザ情報31に、ユーザごとのユーザ識別情報31bを仮登録しておくことにより、管理者の意図しないユーザがユーザ情報31に登録されてしまうことを防止することが可能である。
また本実施形態では、上述したようにユーザ情報31において既に本登録となっているユーザ識別情報31bに対応した機能制限情報10を受信した場合、その受信した機能制限情報10の作成日と、ユーザ情報31の更新日とを比較し、ユーザ情報31の更新日よりも新しい機能制限情報10である場合にはユーザ情報31の登録内容を変更して更新するように構成されている。これにより、ドライバプログラム9bがバージョンアップされることに伴って機能制限情報10が変更されるような場合には、ドライバプログラム9bのバージョンアップに対応した機能制限情報10をユーザ情報31に登録することができるようになる。
その一方で、本実施形態では、機能制限情報10の作成日よりもユーザ情報31の更新日が新しい場合にはユーザ情報31の登録内容は変更されない。そのため、ユーザが自身のコンピュータ4に対し、以前と同じ機能制限情報10が付加されたドライバプログラム9bを再インストールするような場合には、ユーザ情報31の更新は行われない。これにより、管理者が手動操作で各ユーザの機能制限情報31cを変更する操作を行っていた場合には、その変更された機能制限情報31cがそのまま保持されるようになるので、管理者があらためて機能制限情報31cを変更する操作を行う必要がなくなるという利点がある。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第2の実施の形態では、画像形成装置2においてユーザ情報31が既に本登録となっているユーザ識別情報31bに対応した機能制限情報10を受信した場合、その受信した機能制限情報10の作成日と、ユーザ情報31の更新日とを比較し、ユーザ情報31の更新日よりも新しい機能制限情報10である場合にはユーザ情報31の登録内容を変更して更新する。このような更新が行われたことは、管理者自身がユーザ情報31の内容を閲覧しない限り、把握することができない可能がある。そこで、本実施形態では、画像形成装置2においてユーザ情報31が既に本登録となっているユーザ識別情報31bに対応した機能制限情報10を受信した場合、その受信した機能制限情報10に基づいてユーザ情報31の機能制限情報31cを更新するか否かを、管理者が予め設定しておき、その設定状態に応じてユーザ情報31の更新を許可又は不許可とする形態について説明する。尚、本実施形態においても、画像形成システム1、画像形成装置2およびコンピュータ3,4の各構成は第1の実施の形態で説明したものと同様である。
図13は、画像形成装置2の操作パネル24に表示される管理者設定画面G2の一例を示す図である。例えば管理者は、画像形成装置2のユーザ情報31に各ユーザのユーザ識別情報31bを仮登録する作業が終了すると、それに引き続いてこの管理者設定画面G2を操作パネル24に表示させ、機能制限情報31cの更新設定を行う。この管理者設定画面G2では、ユーザ情報31のユーザ識別情報31bが本登録状態となっている状態で、さらにそのユーザ識別情報31bと同じユーザ識別情報と機能制限情報10とをコンピュータ4から受信した場合に、その受信した機能制限情報10をユーザ情報31に登録するか否かを管理者が予め設定しておく画面構成となっている。すなわち、この画面G2には、本登録後に受信しても機能制限情報31cを更新しないことを指定するボタン37aと、本登録後であっても受信する度に機能制限情報31cを更新することを指定するボタン37bと、本登録後に受信した場合には第2の実施の形態と同様にその機能制限情報10の作成日とユーザ情報31の更新日とを比較して作成日が後の場合に更新を行うことを指定するボタン37cとが表示されている。尚、画面G2の最下部には、管理者が選択したボタンで更新設定を確定させるためのOKボタン37dが表示されている。
管理者は、図13の管理者設定画面G2において3つのボタン37a,37b,37cのうちから一のボタンを選択し、OKボタン37dを操作する。尚、図例では、管理者がボタン37cを選択している状態を示している。管理者がOKボタン37dを操作すると、画像形成装置2は、管理者によって選択されたボタンに基づいて、ユーザ情報31に登録された機能制限情報31cの更新に関する設定を行う。つまり、このとき画像形成装置2のCPU21は、更新設定手段として機能する。そして画像形成装置2は、ユーザ情報31が既に本登録となっているユーザ識別情報31bに対応した機能制限情報10を受信した場合、その更新設定手段による設定状態に応じて、受信した機能制限情報10でユーザ情報31の機能制限情報31cの更新を許可するか否かを判別し、その判別結果に応じた処理を行う。以下、このような画像形成装置2の動作について詳しく説明する。
図14および図15は、第3の実施の形態の画像形成装置2において行われるユーザ情報登録処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、第2の実施の形態において図11に示したフローチャートのステップS217に対応している。この処理を開始すると、CPU21は、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報31が仮登録状態であるか否かを判断する(ステップS231)。そして仮登録状態である場合(ステップS231でYES)、CPU21は、受信したユーザ識別情報と、機能制限情報10と、付属情報11とを相互に対応付けてユーザ情報31に登録する(ステップS232)。これにより、ユーザ情報31において仮登録状態であったものは本登録状態となる。その後、CPU21は、ユーザ情報31に、機能制限情報31cなどを登録した日を更新日として登録し(ステップS233)、処理を終了する。
一方、受信したユーザ識別情報に対応するユーザ情報31が既に本登録となっている場合(ステップS231でNO)、CPU21は、本登録更新判別処理を実行する(ステップS234)。図15は、本登録更新判別処理(ステップS234)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理を開始すると、CPU21は、予め管理者によって選択された更新設定の設定状態を読み出す(ステップS241)。そして更新設定の設定状態が「受信しても更新しない」であるか否かを判断する(ステップS242)。ここで設定状態が「受信しても更新しない」であれば(ステップS242でYES)、受信した機能制限情報10をユーザ情報31に登録することなく処理を終了する。
一方、設定状態が「受信しても更新しない」でない場合(ステップS242でNO)、次に更新設定の設定状態が「受信する度に更新する」であるか否かを判断する(ステップS243)。そして設定状態が「受信する度に更新する」であれば(ステップS243でYES)、ステップS247に進む。
また、設定状態が「受信する度に更新する」でない場合(ステップS243でNO)、更新設定として「作成日と更新日とを比較し、作成日が後の場合に更新する」が設定されている状態となる。そのため、CPU21は、受信した機能制限情報10に含まれる属性情報11から、その機能制限情報10の作成日を取得し(ステップS244)、その作成日とユーザ情報31に登録されている更新日との比較を行う(ステップS245)。そして更新日が作成日よりも後の日付となっているか否かを判断し(ステップS246)、作成日が更新日よりも後であれば(ステップS246でYES)、ステップS247に進む。一方、更新日が作成日よりも後であれば(ステップS246でNO)、受信した機能制限情報10をユーザ情報31に登録することなく処理を終了する。
そしてCPU21は、受信したユーザ識別情報と、機能制限情報10と、付属情報11とを相互に対応付けてユーザ情報31に登録する(ステップS247)。これにより、ユーザ情報31において既に本登録状態であったものはその本登録の内容が書き換えられ更新される。その後、CPU21は、ユーザ情報31の本登録状態を更新した日を更新日として登録し(ステップS248)、処理を終了する。
上記のような処理が行われることにより、本実施形態の画像形成装置2は、管理者が予め設定した設定状態に基づいて本登録状態のユーザ情報31を書き換えるか否かを判別し、その判別結果に応じた処理を実行する。そのため、管理者が例えばユーザごとに設定される機能制限情報31cを厳密に管理し、各ユーザによって行われるドライバプログラム9bのインストール操作に伴ってユーザ情報31の機能制限情報31cが書き換えられることを禁止したい場合には、予め「受信しても更新しない」に対応するボタン37aを選択して設定しておけば良い。また、管理者が自身の管理負担を軽減するために、各ユーザによってドライバプログラム9bのインストール操作が行われる都度、ユーザ情報31の機能制限情報31cが書き換えられることを許容しても構わない場合には、予め「受信する度に更新する」に対応するボタン37bを選択して設定しておけば良い。またさらに、管理者が自身で行うユーザごとの機能制限情報31cの更新作業を軽減するために、各ユーザが新しいドライバプログラム9bのインストール操作を行うことを条件として、ユーザ情報31の機能制限情報31cが書き換えられることを許容する場合には、予めそれに対応するボタン37cを選択して設定しておけば良い。
つまり、本実施形態では、管理者自身が、ユーザ情報31に登録されるユーザごとの機能制限情報31cをどのように管理したいかに応じた更新設定が可能となっており、画像形成装置2は管理者によって予め設定された更新設定の設定状態に応じた処理を行うようになっている。それ故、本実施形態の画像形成装置2は、管理者が望むユーザ情報31の管理態様に応じた処理を行うことができ、管理者の作業負担をより効果的に軽減することが可能である。
尚、本実施形態において、上述した処理以外の処理は、第2の実施の形態で説明した処理と同様である。
(変形例)
以上、本発明に関する代表的な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明には、上述した実施形態以外にも種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記実施形態における画像形成装置2は、複合機やMFPなどと呼ばれる装置である場合を例示したが、必ずしもそのような装置に限られない。例えば、画像形成装置2は、スキャナ専用装置であっても良いし、またプリンタ専用機であっても構わない。またFAX専用装置であっても良い。
また上記実施形態では、画像形成装置2の機能制限の一例として、カラー出力を禁止すること、および、月間出力枚数の上限値を制限することにより上限値を超える出力を禁止することなどを例示したが、これら例示したもの以外の機能を制限するものであっても構わない。例えば、ユーザごとにプリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能又はFAX機能などの機能そのものの使用を禁止するようにしても良い。また画像形成装置2にステープル機能やパンチ機能などの後処理機能が装備されている場合には、それらステープル機能又はパンチ機能などの使用をユーザごとに制限するようにしても良い。