以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
[遊技機の構成]
まず、遊技機の概観について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図3は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10のランプユニット53の概観を示す正面図である。また、図4は、本実施形態における遊技機10の概観を示す正面図である。
図1乃至図4に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26などが配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、液晶表示装置32と、遊技盤14などが配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図4に示す外レール30a)に囲まれ、遊技媒体の一例である遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には、詳しくは後述する複数の遊技釘13が打ちこまれている。このように、遊技盤14は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
液晶表示装置32は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、背面側から重なるように配設される。言い換えると、この表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14における遊技領域15の全部又は一部と重なるように遊技盤14の後方に配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。特に、液晶表示装置32における表示領域32aでは、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に移行後、特別遊技の実行中に演出用の演出画像が表示される。
このように、本実施形態において、液晶表示装置32などの演出表示手段を遊技盤14の背後に設けることにより、例えば、遊技釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度もさらに大きくすることが可能である。
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設され、液晶表示装置32の前方(前面側)に、遊技球の流路となる空間を構成している。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されている。なお、本実施例においてスペーサーは、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
発射ハンドル26は本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。
遊技盤14の左下方には、ランプユニット53が設けられている。図3に示されるように、ランプユニット53には、特別図柄表示器35、普通図柄表示器33、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。
特別図柄表示器35は、8セグメントLEDで構成されている。この8セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。8セグメントLEDの点灯・消灯によって、所定の変動パターン(例えば、図9参照)で特別図柄(識別情報ともいう)として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”などの図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この大当たり遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ40(図4参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
特別図柄表示器35の下方には、普通図柄表示器33が設けられている。普通図柄表示器33は、二つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。
普通図柄表示器33の下方には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。例えば、特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ34aが点灯する。
普通図柄表示器33の下方には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ50aが点灯する。
特別図柄表示器35の左側には、ラウンド数表示器51a〜51dが設けられている。このラウンド数表示器51a〜51dは、特別遊技の実行中においてラウンド数を表示する。なお、このラウンド数表示器51a〜51dは、4つのLEDから構成されており、LEDごとに点灯と消灯の2つのパターンがあるので、少なくとも16パターンの表示が可能である(2の4乗パターン)。なお、ラウンド数表示器51は、複数の8セグメントLED、液晶表示部、透過性を有する液晶表示部などから構成される場合もある。
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、特別図柄表示器35において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、特別図柄表示器35で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、数字や記号などからなる演出用の識別図柄(例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用の識別情報が停止表示される。
また、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当たりであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、「大当たり!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
図4を用いて、遊技機10の概観をさらに説明する。図4に示すように、遊技機10の遊技盤14上には、二つのガイドレール30(30a及び30b)、ステージ55、通過ゲート54a、54b、ステージ57、始動口25、シャッタ40、大入賞口39、一般入賞口56a、56b、56c、56dなどの遊技部材が設けられている。さらに、扉11の上部には、スピーカ46が設けられている。
遊技盤14の上部にはステージ55が設けられ、遊技盤14の略中央にはステージ57が設けられている。
遊技盤14の左側に設けられている二つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、前述した複数の遊技釘(図示せず)、遊技盤14上に設けられたステージ55、57などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
また、ステージ55の左端部には、入球口24が形成されている。この入球口24に遊技球が入賞すると、遊技盤14の背後において、第1ワープ経路47を経由し、ステージ57の背後に導かれる。ステージ57の背後に導かれた遊技球は、ステージ57に囲まれた排出口(図示せず)から遊技盤14の表側に排出され、当該遊技盤14へと流下する。
前述した始動口25内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には始動入賞球センサ116(図5参照)を備える。遊技球などの遊技媒体が、始動入賞球センサ116で検出された場合、遊技球が入賞したと判定される。遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示器35による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示が保留される。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立するごとに特別図柄の変動表示が開始される。
遊技盤14の略中央の左右両側には通過ゲート54a、54bが設けられている。この通過ゲート54a、54bには、後述する通過球センサ114、115(図5参照)が設けられている。通過球センサ114、115は、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したことを検出する。そして、通過球センサ114、115によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器33において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。
この普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(いわゆる、普通電動役物)が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54a、54bを遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54a、54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が大当たり遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントセンサ104(図5参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態(第1の状態)から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態(第2の状態)までの遊技をラウンドゲームという。従って、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンドなどのラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がカウントセンサ104を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がカウントセンサ104を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技という。
特別遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、停止表示された特別図柄によって異なる。例えば、本実施例において、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が7の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示器35に停止表示される数字図柄が5の場合は、最大継続ラウンド数は2ラウンドとなる。なお、最大継続ラウンド数は2ラウンド又は15ラウンドに限定されない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(メインCPU66を含む主制御回路60(図5参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるようにしてもよい。
また、前述した一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
また、前述した始動口25において入賞と判定されたときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
なお、本実施形態において、演出手段の一例として、液晶表示装置を記載したが、本発明はこれに限定されない。演出手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプや、スピーカや可動役物などの演出手段であってもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図5に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、記憶手段の一例であるメインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66は、レジスタや、リセット端子を備えている。また、メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70などが接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。また、メインCPU66のリセット端子がリセット信号を受信した場合、リセット処理を実行する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、特別図柄決定テーブル(図6参照)、特別図柄変動パターン選択テーブル(図7参照)、演出図柄決定テーブル(図8参照)、特別図柄変動表示パターンテーブル(図9参照)などの各種テーブルも記憶されている。このように、メインROM68は、識別情報変動表示パターン記憶手段など各種記憶手段として機能することとなる。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、領域通過フラグ、遊技状態フラグ、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、リーチパターン選択用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、ラウンド数表示用カウンタ、ラウンド数表示器演出始動用カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄に関する保留個数を示すデータ、普通図柄に関する保留個数を示すデータ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数などが位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。遊技状態フラグは、実行される遊技状態を示すものである。
大当たり判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定するためのものである。大当たり図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定した場合に、停止表示される特別図柄を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当たりではない場合に停止表示する特別図柄を決定するためのものである。リーチパターン選択用乱数カウンタは、リーチパターンを決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、演出用の変動パターンを決定するためのものである。ラウンド数表示器演出始動用カウンタは、通常遊技の実行中にラウンド数表示器に表示を行わせるか決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。また、電源供給経過時間タイマは、パチンコ遊技機10に電源が供給されてからの経過時間を計測するためのものである。なお、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPUなど自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当たり遊技状態における大入賞口の開放回数(いわゆるラウンド数)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口に入賞し、カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。さらに、特別図柄に関する保留個数を示すデータは、始動口25へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、特別図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示すものである。さらに、普通図柄に関する保留個数を示すデータは、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている普通図柄ゲームの保留回数を示すものである。ラウンド数表示用カウンタは、液晶表示装置32において表示されるラウンド数を示すものである。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生する。
初期リセット回路64は、コンデンサと、ウォッチドッグタイマとを備え、コンデンサに印加された電圧が一定の値に達すると、メインCPU66に対してリセット信号を送信する。また、初期リセット回路64は、メインCPU66から所定の制御信号を受信することによって、コンデンサに印加した電圧を解放するために放電する。
シリアル通信用IC72は、メインCPU66と副制御回路200と払出・発射制御回路126と接続され、副制御回路用バッファ72aと、払出・発射制御回路用バッファとを備える。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図5に示すように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bをそれぞれ遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口25を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して始動口25に設けられる羽根部材に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図4に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放状態又は閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時などにおけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。例えば、筐体の電源を落とすことにより、結果データがリセットされる。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126、電源回路500が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150、電源回路500が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサなどの遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
電源回路500は、主制御回路60と、払出・発射制御回路126などと接続されており、外部電源から供給された電力を各回路に供給する。電源回路500から供給された電力に基づいて、パチンコ遊技機10は稼動する。
さらに、主制御回路60には、ランプ74が接続されている。主制御回路60は、ランプ74に対してランプ(LED)制御信号を供給する。なお、ランプ74には、白熱電球、LEDなど、具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器35(8セグメントLED)、普通図柄表示器33(表示用ランプ)などが含まれる。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、ランプ132の制御などを行う。なお、ランプ132には、白熱電球、LEDなど、具体的には、遊技盤14上を明暗表示する装飾ランプ(図示せず)などが含まれる。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
演出制御手段である副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御手段としての表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、ランプや可動役物に関する制御を行う駆動回路240を備える。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210などが接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラム、各種テーブルが記憶されている。
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に関するものである。その他にも、プログラムROM208には、複数種類の特別遊技の実行中の演出パターンが記憶されている。この特別遊技の実行中の演出パターンは、特別遊技におけるラウンドゲームに関連して実行される演出表示の進行に関するものである。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブルなどを記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジなどの記憶媒体に、プログラム、テーブルなどが記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208の代替としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210などに記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタなど、各種の変数などが位置付けられている。
なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
駆動回路240は、ドライブ回路242と、装飾データROM244を備え、サブCPU206に接続されている。ドライブ回路を介してランプ132の発光を制御する。
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データROM216、D/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路などの回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、背景画像データ、演出画像データなどの各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、背景画像データ、演出画像データなど、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
パチンコ遊技機10は、メインROM68に記憶される各種テーブルを用いて、遊技を実行する。図6から図8を用いて、メインROM68に記憶される各種テーブルを説明する。
[特別図柄決定テーブル]
図6は、メインROM68に記憶される特別図柄決定テーブルを示す。なお、特別図柄ゲームの大当たり抽選を特図抽選と以下略称する。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が0〜4のとき、大当たり図柄が7、図柄指定コマンドZ0が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している(いわゆる確変15R大当たり)。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が5のとき、大当たり図柄が5、図柄指定コマンドZ1が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる突然確変、略して突確)。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が6〜8のとき、大当たり図柄が2、図柄指定コマンドZ2が選択され、内容は大当たり、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる小当たり)。低確率状態の場合、大当たり乱数値が7で、大当たり図柄乱数値が9のとき、大当たり図柄が3、図柄指定コマンドZ4が選択され、内容は大当たり、低確率状態(いわゆる通常大当たり、確変状態の場合は、転落など)、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している。低確率状態の場合、大当たり乱数値が上記以外の場合、図柄指定コマンドZ3が選択され、内容ははずれを示している。
高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が0〜4のとき、大当たり図柄が7、図柄指定コマンドZ0が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している(いわゆる確変15R大当たり)。高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が5のとき、大当たり図柄が5、図柄指定コマンドZ1が選択され、内容は大当たり、特図抽選が高確率状態、ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる突然確変、略して突確)。高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が6〜8のとき、大当たり図柄が2、図柄指定コマンドZ2が選択され、内容は大当たり、特図抽選が低確率状態ラウンドごとに0.5秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が2Rであることを示している(いわゆる小当たり)。高確率状態の場合、大当たり乱数値が3,5,7,11,13で、大当たり図柄乱数値が9のとき、大当たり図柄が3、図柄指定コマンドZ4が選択され、内容は大当たり、低確率状態(いわゆる通常大当たり、確変状態の場合は、転落など)、ラウンドごとに30秒間大入賞口39が開放され、最大ラウンド数が15Rであることを示している。高確率状態の場合、大当たり乱数値が上記以外の場合、図柄指定コマンドZ3が選択され、内容ははずれを示している。なお、本実施形態における特別図柄決定テーブルの一例を示してきたが、特別図柄決定テーブルは他の態様であってもよい。例えば、大当たり図柄において指定される図柄は図柄であってもよい。
[特別図柄変動表示パターンテーブル]
図7は、大当たり抽選の結果に対応して識別情報の変動表示パターンを選択するために用いられる特別図柄変動表示パターン選択テーブルの説明図である。図7に示すように、大当たり抽選の結果、図柄指定コマンドがZ0の場合、識別情報の変動表示パターンとして、縦横移動パターンが80%の確率で選択され、斜め移動パターンが20%の確率で選択される。大当たり抽選の結果、図柄指定コマンドがZ1の場合、識別情報の変動表示パターンとして、縦横移動パターンが75%の確率で選択され、斜め移動パターンが25%の確率で選択される。大当たり抽選の結果、図柄指定コマンドがZ2の場合、識別情報の変動表示パターンとして、縦横移動パターンが60%の確率で選択され、斜め移動パターンが40%の確率で選択される。大当たり抽選の結果、図柄指定コマンドがZ3の場合、識別情報の変動表示パターンとして、縦横移動パターンが20%の確率で選択され、斜め移動パターンが80%の確率で選択される。大当たり抽選の結果、図柄指定コマンドがZ4の場合、識別情報の変動表示パターンとして、縦横移動パターンが60%の確率で選択され、斜め移動パターンが40%の確率で選択される。なお、図7の特別図柄変動表示パターンテーブルは、一例であり、他の形態のテーブルであってもよい。
[演出図柄決定テーブル]
図8は、大当たり抽選の結果及び選択された変動表示パターンに対応する演出パターンに基づいて、演出図柄の変動表示及び停止表示パターンを選択する際に用いられる演出図柄決定テーブルの説明図である。図柄指定コマンドがZ0かつ変動表示パターンが縦横移動パターンの場合、演出表示パターンA(演出図柄が上から下方向に変動するパターン)が90%の確率で選択され、演出表示パターンB(演出図柄が左上から右下方向に変動するパターン)が10%の確率で選択される。図柄指定コマンドがZ0かつ変動表示パターンが斜め移動パターンの場合、演出表示パターンAが10%の確率で選択され、演出表示パターンBが90%の確率で選択される。
図柄指定コマンドがZ1かつ変動表示パターンが縦横移動パターンの場合、演出表示パターンAが85%の確率で選択され、演出表示パターンBが15%の確率で選択される。図柄指定コマンドがZ1かつ変動表示パターンが斜め移動パターンの場合、演出表示パターンAが15%の確率で選択され、演出表示パターンBが85%の確率で選択される。
図柄指定コマンドがZ2かつ変動表示パターンが縦横移動パターンの場合、演出表示パターンAが70%の確率で選択され、演出表示パターンBが30%の確率で選択される。図柄指定コマンドがZ2かつ変動表示パターンが斜め移動パターンの場合、演出表示パターンAが30%の確率で選択され、演出表示パターンBが70%の確率で選択される。
図柄指定コマンドがZ3かつ変動表示パターンが縦横移動パターンの場合、演出表示パターンAが10%の確率で選択され、演出表示パターンBが90%の確率で選択される。図柄指定コマンドがZ3かつ変動表示パターンが斜め移動パターンの場合、演出表示パターンAが90%の確率で選択され、演出表示パターンBが10%の確率で選択される。
図柄指定コマンドがZ4かつ変動表示パターンが縦横移動パターンの場合、演出表示パターンAが60%の確率で選択され、演出表示パターンBが40%の確率で選択される。図柄指定コマンドがZ4かつ変動表示パターンが斜め移動パターンの場合、演出表示パターンAが40%の確率で選択され、演出表示パターンBが60%の確率で選択される。このように、メインROM68は、演出図柄の演出表示パターンを、大当たり抽選の結果に対応して複数パターン記憶する演出図柄記憶手段の一例である。また、このように、メインROM68は、当たり抽選の結果が当選の場合に、当選変動表示パターンが選択されたときに、第1演出表示パターンが第2演出表示パターンと比較して高い確率で選択され、大当たり抽選の結果が当選の場合に、非当選変動表示パターンが選択されたときに、第2演出表示パターンが第1演出表示パターンと比較して高い確率で選択されるという対応関係で記憶する演出図柄記憶手段の一例である。
[特別図柄変動表示パターン]
図9は、特別図柄(識別)の変動表示パターンテーブルを示す説明図である。図9に示すように、縦横移動パターンは、パターン1では、8セグメントLEDの中央上のLEDが点灯している。パターン2では、8セグメントLEDの中央上、中央の2つのLED及びドットLEDが点灯している。パターン3では、8セグメントLEDの中央、中央下の2つのLEDが点灯している。パターン4では、8セグメントLEDの中央下のLED及びドットLEDが点灯している。パターン5では、8セグメントLEDの左上、左下の2つのLEDが点灯している。パターン6では、8セグメントLEDの左上、左下、右上、右下の4つLED及びドットLEDが点灯している。パターン7では、8セグメントLEDの右上、右下の2つのLEDが点灯している。パターン8では、8セグメントLEDの右上、右下の2つのLED及びドットLEDが点灯している。このように、縦横移動パターンでは、パターン1から4で縦方向にLEDが順次点灯し、パターン5からパターン8で横方向にLEDが順次点灯していくという変動表示パターンである。
斜め移動パターンは、パターン1では、8セグメントLEDの中央上、右上の2つのLEDが点灯している。パターン2では、8セグメントLEDの右上、右下、中央上、中央、左上の5つのLED及びドットLEDが点灯している。パターン3では、8セグメントLEDの左上、中央、右下の3つのLEDが点灯している。パターン4では、8セグメントLEDの右下、中央、中央下、左上、左下の5つのLED及びドットLEDが点灯している。パターン5では、8セグメントLEDの左下、中央下の2つのLEDが点灯している。パターン6では、8セグメントLEDの右下、中央、中央下、左上、左下の5つのLED及びドットLEDが点灯している。パターン7では、8セグメントLEDの左上、中央、右下の3つのLEDが点灯している。パターン8では、8セグメントLEDの右上、右下、中央上、中央、左上の5つのLED及びドットLEDが点灯している。このように、斜め移動パターンでは、パターン1から4で右上から左下方向にLEDが順次点灯し、パターン5からパターン8で左下から右上方向にLEDが順次点灯していくという変動表示パターンである。この変動表示パターンは一例であり、後述する図18で示すように他の変動表示パターンであってもよい。このように、メインROM68は、大当たり抽選の結果に対応して変動方向が異なる複数パターンの識別情報の変動表示パターンを記憶する識別情報変動表示パターン記憶手段の一例である。
[メイン処理]
図10、図11を用いて、メイン処理について以下に説明する。
ステップS602においては、ウォッチドッグタイマの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグタイマの初期設定をする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS604に処理を移す。
ステップS604おいては、チップセレクト初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、チップセレクトの初期設定をする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS606に処理を移す。
ステップS606においては、ウォッチドッグ出力データにクリアデータ(H01)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータ(H01)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS608に処理を移す。
ステップS608においては、ウェイトタイマ(500ms)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウェイトタイマ(500ms)をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS610に処理を移す。
ステップS610においては、ウォッチドッグ出力データを反転する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データを反転させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS612に処理を移す。
ステップS612においては、ウォッチドッグ出力データを出力する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データを出力する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS614に処理を移す。
ステップS614において、メインCPU66は500msを経過しているか否かを判断する。500msを経過している場合には、ステップS616に処理を移し、500msを経過していない場合にはステップS610に処理を移す。
ステップS616において、メインCPU66は、電断検知信号がHであるか否かを判断する。電断検知信号がH(高)である場合には、ステップS618に処理を移し、電断検知信号がHでない場合にはステップS616に処理を移す。
ステップS618においては、RAMアクセスを許可する処理を行う。この処理において、メインCPU66はRAMアクセスを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS620に処理を移す。
ステップS620において、メインCPU66は、バックアップクリアスイッチの入力があるか否かを判断する。バックアップクリアスイッチの入力がある場合には、ステップS702に処理を移し、バックアップクリアスイッチの入力がない場合には、ステップS622に処理を移す。
ステップS622において、メインCPU66は、電断探知フラグがあるか否かを判断する。電断探知フラグがある場合には、ステップS624に処理を移し、電断探知フラグがない場合には、ステップS702に処理を移す。
ステップS624においては、作業領域損傷チェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、作業領域の破損をチェックする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS626に処理を移す。
ステップS626において、メインCPU66は、作業領域損傷があるか否かを判断する。作業領域損傷がある場合には、ステップS702に処理を移し、作業領域損傷がない場合には、ステップS628に処理を移す。
ステップS628においては、スタックポインタを復帰させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックポインタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS630に処理を移す。
ステップS630においては、スイッチ入力バッファクリア処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スイッチ入力バッファをクリアする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS632に処理を移す。
ステップS632においては、CTC動作設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、CTC(Counter Timer Circuit)の動作を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS634に処理を移す。
ステップS634においては、SIO動作設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、SIO(シリアル入出力)の動作を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS636に処理を移す。
ステップS636においては、LED出力ポートリフレッシュ処理を行う。この処理において、メインCPU66は、LED出力ポートをリフレッシュさせる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS638に処理を移す。
ステップS638においては、電源断前における遊技状態に応じて状態報知LEDを点灯させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は電源断前における遊技状態に応じて状態報知LEDを点灯させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS640に処理を移す。
ステップS640においては、電断復帰コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU66は電断復帰コマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS642に処理を移す。
ステップS642において、メインCPU66は割込フラグが禁止状態であるか否かを判断する。メインCPU66は、割込フラグが禁止状態である場合には、ステップS646に処理を移し、割込フラグが禁止状態でない場合には、ステップS644に処理を移す。
ステップS644においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS646に処理を移す。
ステップS646においては、スタックエリアにおけるレジスタを復帰する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックエリアにおけるレジスタを復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS702においては、スタックポインタを初期化する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックポインタを初期化する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS704に処理を移す。
ステップS704においては、作業領域の先頭アドレスをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、レジスタに作業領域の先頭アドレスをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS706に処理を移す。
ステップS706においては、クリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、クリアデータをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS708に処理を移す。
ステップS708において、メインCPU66は、セットされたアドレスのデータはクリアされたか否かを判断する。セットされたアドレスのデータがクリアされた場合は、ステップS710に処理を移し、クリアされなかった場合は、ステップS706に処理を移す。
ステップS710においては、クリアしたアドレスの次のアドレスをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、クリアしたアドレスの次のアドレスをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS712に処理を移す。
ステップS712において、メインCPU66は作業領域最終アドレスか否かを判断する。メインCPU66は、作業領域最終アドレスである場合には、ステップS714に処理を移し、作業領域最終アドレスでない場合には、ステップS706に処理を移す。
ステップS714においては、特別図柄に関するデータの初期化処理を行う。この処理において、メインCPU66は特別図柄に関するデータを初期化する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS716に処理を移す。
ステップS716においては、CTC動作設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、CTC動作を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS718に処理を移す。
ステップS718においては、SIO動作設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、SIO動作を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS720に処理を移す。
ステップS720においては、LED出力ポートリフレッシュ処理を行う。この処理において、メインCPU66は、LED出力ポートをリフレッシュさせる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS722に処理を移す。
ステップS722においては、状態報知LEDのクリアデータ出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、状態報知LEDのクリアデータを出力する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS724に処理を移す。
ステップS724においては、初期化コマンド送信処理を行う。この処理において、メインCPU66は、初期化コマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS726に処理を移す。
ステップS726においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS728に処理を移す。
ステップS728においては、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS730に処理を移す。
ステップS730においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数の初期値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS732に処理を移す。
ステップS732においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS734に処理を移す。
ステップS734において、メインCPU66は、システムタイマ監視タイマ値が3であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3である場合には、ステップS736に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3でない場合には、ステップS728に処理を移す。
ステップS736においては、システムタイマ監視タイマリセット処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS738に処理を移す。
ステップS738においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行するこの処理が終了した場合には、ステップS740に処理を移す。
ステップS740においては、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU66は、始動入賞球センサ116からの検知信号に応じて、大当たり判定用乱数値と大当たり図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される特別図柄決定テーブル(図6参照)を参照し、大当たり抽選が当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。なお、本実施例において、高確率状態とは、低確率状態より、大当たり抽選に当選しやすい状態である。この処理が終了した場合、ステップS742に処理を移す。
ステップS742においては、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114、115からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選が当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合、始動口25の羽根部材が開放状態となって、遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS744に処理を移す。
ステップS744においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS740、ステップS742でメインRAM70に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示器35と、普通図柄表示器33と、ラウンド数表示器51とを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。メインCPU66は、変動表示パターンに基づく制御信号を特別図柄表示器35に制御信号を送信する。特別図柄表示器35は受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示器33は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS746に処理を移す。このように、メインCPU66は、識別情報変動表示パターン記憶手段に記憶された変動表示パターンに基づいて、識別情報表示手段において、識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行う識別情報表示制御手段の一例である。
ステップS746においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、台コンピュータ又はホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS748に処理を移す。
ステップS748においては、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、後述するシステムタイマ割込処理における入力検出処理(図12、ステップS1204)にて検出される始動入賞球センサ116及び通過球センサ114、115からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM70に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、特別図柄保留ランプ34a〜34d及び普通図柄保留ランプ50a〜50dを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS750に処理を移す。
ステップS750においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、上記のステップなどでメインRAM70に記憶される制御信号を各ポートに出力する処理を行う。具体的には、ランプ74にLED点灯のためのLED電源(コモン信号)やソレノイド駆動のためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合、ステップS752に処理を移す。
ステップS752においては、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS754に処理を移す。
ステップS754においては、記憶・遊技状態コマンド制御処理を行う。記憶・遊技状態コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされているか判定し、確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされていると判定した場合、確変状態コマンド、時短状態コマンドを生成し、副制御回路200に送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS756に処理を移す。
ステップS756においては、コマンド出力制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、コマンド出力を制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS758に処理を移す。
ステップS758においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39、始動口25、一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路126の払出制御用CPUに送信する。この処理が終了した場合には、ステップS728に処理を移す。
[システムタイマ割込処理]
メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとに発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。図12を用いて、タイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS1202においては、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU66は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1204に処理を移す。
ステップS1204においては、システムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を1加算する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理など)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS1206に処理を移す。
ステップS1206においては、ウォッチドッグ出力データにクリアデータ(01H)をセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータ(01H)をセットする。さらに、メインCPU66は、ウォッチドック出力データに基づく制御信号を初期リセット回路64に送信する。初期リセット回路64は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路64に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路64に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、実施品では、3100ms)が経過すると、初期リセット回路64からメインCPU66へシステムリセット信号が出力される。メインCPU66はこの初期リセット回路64が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、ステップS1208に処理を移す。
ステップS1208においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU66は、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当たり判定用乱数カウンタ及び大当たり図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2ms毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS1210に処理を移す。
ステップS1210においては、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU66は、大入賞口39(図4参照)に設けられたカウントセンサ104(図5参照)や、一般入賞口56a、56b、56c、56d(図4参照)に設けられた一般入賞球センサ106,108,110,112(図5参照)や、通過ゲート54a、54b(図4参照)に設けられた通過球センサ114,115(図5参照)や、始動口25(図4参照)に設けられた始動入賞球センサ116(図5参照)からの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU66は、検知したと判定した場合、検知に応じて、始動口入賞検知チェックカウンタや、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタなどを更新する。このように、スイッチ入力処理においては、各スイッチの入力状態を検出しており、チャタリングによる誤検出を防止するために、連続して2回の入力を検出したときに、遊技球の通過を判定している。この入力状態の検出タイミングについては、間隔が長いと、複数の遊技球が短時間に通過した場合に、正しく検出できなくなる可能性があるため、タイマ割込処理にて実行している。この処理が終了した場合、ステップS1214に処理を移す。
ステップS1214においては、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄制御処理]
図11のステップS740において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。なお、図13において、ステップS1302からステップS1311の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、図13に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS1301)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS1302に処理を移す。
なお、後述するステップS1302からステップS1311において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS1302からステップS1311における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS1302においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1303に処理を移す。
ステップS1303においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS1304の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS1304に処理を移す。
ステップS1304においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当たりか否かを判断する。メインCPU66は、大当たりである場合に、大当たり開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当たり開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS1305の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、大当たりではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS1311の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS1305に処理を移す。
ステップS1305においては、大当たり開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当たり開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図11のステップS750の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを複数回繰り返し行う可能性がある特別遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU66は、役物開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒、0.5秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS1308の処理を実行するように設定するのである。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内のラウンド数表示カウンタに、所定の数字(例えば、“15”)を代入する。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内の特別遊技実行時間タイマを使用して特別遊技の実行時間の計測を開始する。この処理が終了した場合には、ステップS1307に処理を移す。
ステップS1307においては、役物再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが役物再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、役物開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS1308の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS1308に処理を移す。
ステップS1308においては、役物開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが役物開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、役物内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、役物内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、役物内残留球監視時間が経過した後、ステップS1309の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS1309に処理を移す。
ステップS1309においては、役物内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが役物内残留球監視を示す値(05)であり、役物内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“2”(例えば、特別図柄表示器35において停止表示された特定の図柄が“5”、“2”である場合)又は“15”(例えば、特別図柄表示器35において停止表示された特定の図柄が“7”、“3”である場合)以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当たり終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS1310の処理を実行するように設定するのである。また、メインCPU66は、メインRAM70内部の特別遊技数カウンタを“1”増加する。
一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、役物再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内部に記憶されているラウンド数表示カウンタに“1”を減算するように記憶更新する。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS1307の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS1310に処理を移す。
ステップS1310においては、大当たり終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり終了インターバルを示す値(07)であり、大当たり終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS1311の処理を実行するように設定するのである。また、メインCPU66は、確変状態(第1状態)となる場合には、遊技状態フラグに高確率状態を示す値(例えば、1)をメインRAM70の所定領域にセットする。また、メインCPU66は、通常状態(第2状態)となる場合には、遊技状態フラグに通常状態を示す値(例えば、0)をメインRAM70の所定領域にセットする。ここで、本実施形態における確変状態の遊技とは、特別図柄ゲームの当選確率及び、普通図柄ゲームの当選確率を高くした状態のことを指す。この処理が終了した場合には、ステップS1311に処理を移す。
ステップS1311においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、今回の特別図柄ゲームに関連した特別図柄に関する保留球個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。また、メインCPU66は、始動記憶情報が“1”減少する旨の始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70における所定の記憶領域にセットする。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS1302の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、メインCPU66は、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行する実行制御手段の一例である。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図13に示すように、大当たり遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図13に示すステップS1302、ステップS1303、ステップS1304、ステップS1311の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当たり遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図13に示すステップS1302、ステップS1303、ステップS1304、ステップS1305の処理を所定のタイミングで実行し、大当たり遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU66は、大当たり遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図13に示すステップS1308、ステップS1309、ステップS1307の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を実行することとなる。なお、特別遊技(大当たり遊技状態)の終了条件(特別遊技終了条件、大当たり遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図13に示すステップS1308からステップS1311の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を終了することになる。また、本実施形態においては、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(パンク)、最大継続ラウンド数(本実施形態においては、“2”ラウンド又は“15”ラウンド)のラウンドゲームが終了することも特別遊技終了条件である。
[特別図柄記憶チェック処理]
図13のステップS1302において実行されるサブルーチンについて、図14を用いて説明する。
最初に、図14に示すように、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを判断する(ステップS1401)。制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判断した場合には、ステップS1403に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1403において、メインCPU66は、始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留球個数が“0”であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される始動記憶数データにおける特別図柄に関する保留球個数が“0”であると判断した場合には、ステップS1414に処理を移し、保留球個数が“0”でないと判断した場合には、ステップS1404に処理を移す。
ステップS1404においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS1405に処理を移す。
ステップS1405においては、特別図柄決定テーブルによる大当たり判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄決定テーブル(図6参照)に記憶されている大当たり判定値を選択する。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当たり判定用乱数値と、大当たり判定値とを参照する。この参照の結果に基づいて、大当たりであるか否かを判断することになる。例えば、メインCPU66は、低確率状態の場合、大当たり乱数値が7のとき、大当たりと判断する。また、メインCPU66は、高確率状態の場合、3、5、7、11、13のとき、大当たりと判断する。この処理が終了した場合には、ステップS1406に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技盤の始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、大当たり遊技を実行するか否かの大当たり抽選を行う大当たり抽選手段の一例である。
ステップS1406においては、特別図柄決定テーブルによる図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当たり図柄用乱数値を抽出し、その大当たり図柄決定用乱数値と特別図柄決定テーブル(図6参照)に基づいて、特別図柄表示器35に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。例えば、メインCPU66は、低確率状態で大当たり乱数値が7の場合、大当たり図柄乱数値が0〜4の場合は、大当たり図柄に7が選択され、図柄指定コマンドはZ0が選択され、特別図柄抽選(特図抽選)は高確率状態が選択され、最大開放時間は30秒が選択され、ラウンド数は15ラウンドが選択されてメインRAM70の指定領域に記憶される。この処理が終了した場合には、ステップS1407に処理を移す。このように、特別図柄表示器35は、始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、識別情報の変動表示及び停止表示を行う識別情報表示手段の一例である。
なお、ステップS1406の処理によってメインRAM70の所定領域に記憶された特別図柄を示すデータは、図11のステップS754の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止図柄指定コマンドとして供給される。
ステップS1407においては、図柄指定コマンドを記憶する処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、選択された図柄指定コマンドをメインRAM70の所定領域に記憶する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1408に処理を移す。
ステップS1408においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、乱数を発生させ、ステップS1407で記憶された図柄指定コマンドと、発生した乱数と、メインROM68に記憶される特別図柄変動表示パターン選択テーブル(図7参照)とを参照し、変動表示パターン(例えば、縦横移動パターンや、斜め移動パターンなど)を決定する。さらに、メインCPU66は、乱数を発生させ、図柄指定コマンドと、変動表示パターンと、発生した乱数と、演出図柄決定テーブル(図8参照)とを参照し、演出図柄の変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に変動表示パターンコマンドとして記憶する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS1409に処理を移す。なお、メインCPU66は、図11のステップS744の処理において、この処理で記憶された変動表示パターンに基づき、特別図柄表示器35の変動表示及び停止表示の制御を行う。
このように、メインROM68は、識別情報の変動表示パターンを、大当たり抽選の結果に対応して複数パターン記憶する識別情報変動表示パターン記憶手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、識別情報表示手段において、大当たり抽選の結果に対応した変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行う識別情報表示制御手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、識別情報表示手段において、大当たり抽選の結果に対応した変動方向による変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行う識別情報表示制御手段の一例である。また、このように、メインROM68は、大当たり抽選の結果が当選の場合に選択される確率が、大当たり抽選の結果が非当選の場合と比較して、高い当選変動表示パターン及び、大当たり抽選の結果が当選の場合に選択される確率が、大当たり抽選の結果が非当選の場合と比較して、低い非当選変動表示パターンを記憶する識別情報変動表示パターン記憶手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、大当たり抽選の結果に応じて、当選変動表示パターン又は、非当選変動表示パターンを選択し、選択した変動表示パターンに応じて、識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行うことによって、大当たり抽選の当選の期待度を予告する識別情報表示制御手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、大当たり抽選の結果に応じて、選択した変動表示パターンに応じて、識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行う識別情報表示制御手段の一例である。
ステップS1409においては、決定した演出用の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS1408の処理により決定された演出用の変動パターンに対応する変動時間をテーブルより読み出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS1410に処理を移す。
ステップS1410において、メインCPU66は、今回の変動表示に用いられた大当たり判定用乱数値などが記憶された記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1414においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[サブ制御メイン処理]
図15を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。
ステップS1510においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、プログラムROM208から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM210に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1520に処理を移す。
ステップS1520においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1530に処理を移す。
ステップS1530においては、コマンド解析制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1540に処理を移す。
ステップS1540においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250は、表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データをプログラムROM208から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。
例えば、サブCPU206は、変動表示パターンコマンドを受信した場合には、液晶表示装置32において演出としての識別情報の変動表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250は、演出としての識別情報の変動表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データをプログラムROM208から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に演出としての識別情報を変動表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1550に処理を移す。このように、液晶表示装置32は、識別情報に対応する演出としての演出図柄の変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示手段の一例である。また、このように、サブCPU206は、演出図柄表示手段における演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行う演出図柄表示制御手段の一例である。このように、サブCPU206は、大当たり抽選の結果及び選択された変動表示パターンに対応する演出パターンに基づいて演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行うことによって、大当たり抽選の当選の期待度を予告する演出図柄表示制御手段の一例である。
ステップS1550においては、音制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、音を出力するためのデータを音声制御回路230に送信する。音声制御回路230は、サブCPU206からの音を出力するためのデータに基づいて、音声データROM234から曲データ、効果音データ、声データなどの、各種音データを読み出し、音を重ね合わせ、AMP236で増幅し、スピーカ46から出力する。
ステップS1560においては、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、この処理において、サブCPU206は、ランプを点灯するためのデータを駆動回路240に送信する。駆動回路240は、サブCPU206からのランプを点灯するためのデータに基づいて、装飾データROM244から各種の点灯パターンデータを読み出し、ランプ132を点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS1520に処理を移す。
[表示画面]
図16と図17を用いて、本実施形態に係る表示画面を説明する。図16は、識別情報の変動表示パターンが縦横移動パターンであり、演出図柄の演出表示パターンが演出表示パターンAである表示画面の説明図である。図17は、識別情報の変動表示パターンが斜め移動パターンであり、演出図柄の演出表示パターンが演出表示パターンAである表示画面の説明図である。
図16と図17に示すように、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、識別情報に対応する演出としての演出図柄94が縦方向に変動表示されている(演出表示パターンA)。また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、演出画像92(例えば、ボクシングをしている二人の男性(ドンちゃん)と、それを見守る初老の男性(親方)の画像)が表示されている。
しかし、図16と図17は、特別図柄表示器35における識別情報の変動表示のパターンが異なっている。図16では、特別図柄表示器35において、縦横移動パターンで識別情報が変動表示している。これに対して、図17では、特別図柄表示器35において、斜め移動パターンで識別情報が変動表示している。このため、特別図柄表示器35における識別情報の変動表示パターンと、液晶表示装置32における演出図柄の演出表示パターンの組合せによって、大当たりへの信頼度が示唆されると知っている遊技者は、知らない遊技者に対して優越感を持って遊技を行うことが可能になる。
以上、説明したように本実施形態によれば、識別情報表示手段(例えば、特別図柄表示器35の8セグメント)において、大当たり抽選の結果に対応した変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行うことによって、大当たり抽選の結果を予告する。例えば、識別情報表示手段の識別情報の変動表示パターンとして、大当たり抽選の結果に対応して英字を表示したり、回転方向を変化して表示したりすることによって、遊技者が識別情報を見ることで、大当たりか否かを推測できる。このため、識別情報の変動表示パターンによって大当たり抽選の結果を予告することにより、遊技者が識別情報の変動表示を見ることにメリットをもたらすことが可能な遊技機を提供することができる。
さらに、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果に対応した変動方向による変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示を行う。例えば、識別情報表示手段が8セグメントの場合、大当たり抽選に当選した場合には、縦横移動パターンで変動表示し、非当選の場合、斜め移動パターンに変動表示する。このように、遊技者は、識別情報の変動表示方向を見ることによって、大当たりか否かわかるため、遊技者が識別情報の変動表示を見ることにメリットをもたらすことが可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果に応じた確率で、当選変動表示パターンや非当選変動表示パターンが選択され、選択された変動表示パターンによって識別情報の変動表示が行われる。遊技者は、変動表示を見ることによって、大当たり抽選の当選の期待度を推測することが可能になる。このように、変動表示を見ることによって、大当たりの期待度が予告されるため、遊技者が識別情報の変動表示を見ることにメリットをもたらすことが可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、大当たり抽選の結果に応じた確率で、当選変動表示パターンや非当選変動表示パターンが選択され、選択された変動表示パターンによって識別情報の変動表示が行われる。さらに、大当たり抽選の結果及び選択された変動表示パターンに対応する演出パターンに基づき演出図柄の変動表示が行われる。遊技者は、識別情報と演出図柄の変動表示の両方を見ることによって、大当たり抽選の当選の期待度を推測することが可能になる。このように、変動表示を見ることによって、大当たりの期待度が予告されるため、遊技者が識別情報の変動表示を見ることにメリットをもたらすことが可能な遊技機を提供することができる。
[第2実施形態及び第3実施形態]
図18は、第2実施形態及び第3実施形態に用いられる遊技機の概観図である。図19は、第2実施形態及び第3実施形態の特別図柄(識別)の変動表示パターンを示す説明図である。
図18は、特別図柄表示器35が、2つの8セグメントLEDを備えて構成されている。他の部分は、第1実施形態の遊技機の概観と同じため、説明を省略する。
[第2実施形態の特別図柄変動表示パターン]
図19に示すように、第2実施形態の特別図柄表示器35は、2つの8セグメントLEDを備えて構成されている。第2実施形態の特別図柄変動表示パターンは、識別情報の変動中に、英字・記号の文字列を2桁のセグメントに流してメッセージを表示する。そして、表示されるメッセージの種類により期待度が異なる。例えば、確変パターンは、特別図柄表示器35において、CHAAAAnCEと順次表示する。また、非確変パターンは、特別図柄表示器35において、CHAnCEと順次表示する。このように、確変パターンのCHAAAAnCEと、非確変パターンのCHAnCEと特別図柄表示器35において表示される識別情報の変動表示によって期待度の違いを示唆する。
このように、第2実施形態によれば、大当たり抽選の結果に対応した時系列的な文字の組合せによる変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示を行う。例えば、大当たり抽選に当選した場合には、時系列に沿って「CHAAAAnCE」の文字を表示し、非当選の場合、時系列に沿って「CHAnCE」の文字を表示する。このように、遊技者は、時系列的な文字の組合せによる変動表示を見ることによって、大当たりか否かわかるため、遊技者が識別情報の変動表示を見ることにメリットをもたらすことが可能な遊技機を提供することができる。このように、メインROM68は、大当たり抽選の結果に対応して時系列的な文字の組み合わせの変動を含む複数パターンの識別情報の変動表示パターンを記憶する識別情報変動表示パターン記憶手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、識別情報表示手段において、大当たり抽選の結果に対応した時系列的な文字の組み合わせによる変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行う識別情報表示制御手段の一例である。
[第3実施形態の特別図柄変動表示パターン]
図19に示すように、第3実施形態の特別図柄表示器35は、2つの8セグメントLEDを備えて構成されている。第3実施形態の特別図柄変動表示パターンは、識別情報の変動表示中に2つの8セグメントLEDに0から99の数字を表示することによって、現在の大当たり抽選の信頼度を表示する。例えば、信頼度が99%のときは、99を点滅表示し、信頼度が9.9%のときは、9.9を点滅表示する。
このように、第3実施形態によれば、大当たり抽選の結果に応じた確率で、当選変動表示パターンや非当選変動表示パターンが選択され、選択された変動表示パターンによって識別情報の変動表示が行われる。遊技者は、変動表示を見ることによって、大当たり抽選の当選の期待度を推測することが可能になる。このように、変動表示を見ることによって、大当たりの期待度が推測できるため、遊技者が識別情報の変動表示を見ることにメリットをもたらすことが可能な遊技機を提供することができる。このように、メインROM68は、大当たり抽選の結果が当選の場合に選択される確率が、大当たり抽選の結果が非当選の場合と比較して、高い当選変動表示パターン及び、大当たり抽選の結果が当選の場合に選択される確率が、大当たり抽選の結果が非当選の場合と比較して、低い非当選変動表示パターンを記憶する識別情報変動表示パターン記憶手段の一例である。また、このように、メインCPU66は、大当たり抽選の結果に応じて、当選変動表示パターン又は、非当選変動表示パターンを選択し、選択した変動表示パターンに応じて、識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行うことによって、大当たり抽選の当選の期待度を予告する識別情報表示制御手段の一例である。
なお、各実施形態において、特別図柄表示器35は、1つ又は2つの8セグメントLEDを備えるものと記載してきたが、本発明はこれに限定されず、他の個数の8セグメントLEDによってもよい。また、特別図柄表示器35は、7セグメントLEDや、他の数のドットLEDや、液晶表示装置など他の表示装置によるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行する実行制御手段と、前記遊技盤の始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、前記大当たり遊技を実行するか否かの大当たり抽選を行う大当たり抽選手段と、前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、識別情報の変動表示及び停止表示を行う識別情報表示手段と、前記識別情報の変動表示パターンを、前記大当たり抽選の結果に対応して複数パターン記憶する識別情報変動表示パターン記憶手段と、前記識別情報変動表示パターン記憶手段に記憶された変動表示パターンに基づいて、前記識別情報表示手段において、識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行う識別情報表示制御手段と、識別情報に対応する演出としての演出図柄の変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示手段と、前記演出図柄表示手段における演出図柄の変動表示及び停止表示の制御を行う演出図柄表示制御手段とを備え、前記識別情報表示制御手段は、前記識別情報表示手段において、前記大当たり抽選の結果に対応した変動表示パターンに基づき識別情報の変動表示及び停止表示の制御を行うことを特徴とする遊技機であるが、遊技盤、実行制御手段と、大当たり抽選手段、識別情報表示手段、識別情報変動表示パターン記憶手段、識別情報表示制御手段、演出図柄表示手段、演出図柄表示制御手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
なお、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。