本発明に係る遊技機は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の遊技機は以下の特徴を単独で、もしくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る遊技機は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域の特定領域を遊技球が通過した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選を行う大当たり抽選手段と、大当たり抽選の結果に基づき、特別図柄を所定期間変動表示した後に停止表示する特別図柄表示手段と、特別図柄とは異なる演出図柄を表示する演出図柄表示手段と、遊技者の操作を検知する検知手段と、所定条件を満たした場合、演出図柄表示手段に表示された演出図柄を変動させ、検知手段から遊技者の操作を検知した場合、変動させた演出図柄を停止させる制御を行う変動停止制御手段と、変動停止制御手段により変動された演出図柄が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示手段において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間を算出する残余時間算出手段と、残余時間算出手段により算出された残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像を記憶する演出画像記憶手段と、残余時間において、演出画像を表示する演出画像表示手段と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、演出図柄表示手段に変動表示された演出図柄が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示手段において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像が演出画像表示手段に表示される。このため、例えば、遊技者の停止操作タイミングが早くて残余時間が長くなった場合は、演出時間が長い演出内容に基づく演出画像が表示され、一方、遊技者の停止操作タイミングが遅くて残余時間が短くなった場合は、演出時間が短い演出内容に基づく演出画像が表示される。これにより、遊技者の停止操作タイミングにかかわらず、演出画像による演出で残余時間が空白の時間にならない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本発明に係る遊技機において、演出図柄表示手段は、各々が複数の演出図柄からなる複数の演出図柄列を表示し、変動停止制御手段は、所定条件を満たした場合、演出図柄表示手段に表示された複数の演出図柄列を変動させ、検知手段から遊技者の操作を検知するごとに、変動させた複数の演出図柄列のうちの一つを停止させる制御を行い、残余時間算出手段は、変動停止制御手段により変動された複数の演出図柄列のうちの一つが遊技者の操作によって停止されるごとに、特別図柄表示手段において特別図柄が停止表示されるまでの各々の残余時間を算出し、演出画像記憶手段は、残余時間算出手段により算出された各々の残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像を記憶していてもよい。
上記の構成によれば、複数の演出図柄列が変動され、遊技者が操作するたびに、複数の演出図柄列のうちの一つが停止される。さらに、演出図柄列が停止されるごとに算出された各々の残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像が演出画像表示手段に表示される。これにより、遊技者の停止操作タイミングに応じて演出内容が変化するため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本発明に係る遊技機において、演出画像記憶手段は、残余時間に応じた複数種類の演出内容に基づく演出画像を記憶し、演出画像表示手段は、複数種類の演出内容のうち何れかの演出内容に基づく演出画像を表示していてもよい。
上記の構成によれば、残余時間に応じた複数種類の演出内容のうち何れかの演出内容に基づく演出画像が演出画像表示手段に表示される。これにより、残余時間が毎回同じであった場合でも異なる演出がされるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本発明に係る遊技機において、演出図柄表示手段は、遊技者の操作によって停止された演出図柄を、演出画像表示手段により表示された演出画像とともに表示していてもよい。
上記の構成によれば、遊技者の操作によって停止された演出図柄の結果が、演出画像表示手段により表示された演出画像とともに、残余時間において演出図柄表示手段に表示される。これにより、停止された演出図柄の結果が停止直後に表示されずに、残余時間において演出画像とともに表示されるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
上記の構成によれば、遊技者の操作によって停止された演出図柄の結果が、残余時間の最後において演出図柄表示手段に表示される。これにより、停止された演出図柄の結果が停止直後に表示されずに、残余時間の最後において表示されるため、遊技者の停止された演出図柄の結果に対する期待感を刺激することができる。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
上記の構成によれば、遊技者の操作によって停止された演出図柄の結果を報知する内容が、演出画像に含まれて演出画像表示手段に表示される。これにより、停止された演出図柄の結果が停止直後に表示されずに、残余時間において演出画像に含まれて表示されるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
以下に、本発明に好適な実施形態を図1乃至図20に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10が実行する演出内容の決定方法を説明した概要図である。図1に示すように、パチンコ遊技機10が有する遊技盤14には、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有する液晶表示装置32が設けられている。この液晶表示装置32は、スロットマシンの回転リール画像93(左リール画像93a、中リール画像93b、右リール画像93c)が変動表示することによって、各々の回転リール画像93に含まれる演出図柄94の変動表示をする。また、変動された演出図柄94は、パチンコ遊技機10が有する操作ボタン80(左ボタン80a、中ボタン80b、および右ボタン80c)の遊技者による押圧操作により停止制御されるようになっている。
さらに、液晶表示装置32は、3つの回転リール画像93により、演出図柄94を変動表示するとともに、回転リール画像93の下方に演出画像95を表示する。この演出画像95は、例えば、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態に遊技状態が移行する際、キャラクタ画像などにより遊技を演出する。
また、遊技盤14の左下方には、特別図柄表示装置35が設けられている。特別図柄表示装置35は、複数の7セグメントLEDで構成されている。この7セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLEDの点灯・消灯によって、“0”から“9”までの数字図柄が、特別図柄として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“21”、“50”又は“64”など)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態に遊技状態が移行する。一方、特別図柄として、特定の数字以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。
ここで、特別図柄表示装置35において表示される特別図柄と、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出図柄94および演出画像95と、は関連して変動表示されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出図柄94の組合せが特定の表示態様(例えば、3×3のマトリクス状に配置された複数の図柄における、横、斜めの有効ラインに“赤7”又は“青7”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、「大当たり!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像などの演出画像95が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。
また、演出画像95に関する演出内容は、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて変動された複数の演出図柄94が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間(以下、単に「残余時間」と呼称する場合がある)に応じて決定される。
例えば、図1に示すように、特別図柄の変動表示が”30秒”であるとする。それに対して、停止タイミング1の場合は、特別図柄の変動が開始してから”10秒”以内に全ての操作ボタン80が遊技者により押圧操作されている。この場合、残余時間は”21〜30秒”と長くなるため、演出時間が”20秒”の演出パターンAが決定される。
一方、停止タイミング2の場合は、特別図柄の変動が開始してから”10秒”以内に2つの操作ボタン80が遊技者により押圧操作され、その後、さらに”10秒”以内に残りの1つの操作ボタン80が遊技者により押圧操作されている。この場合、残余時間は”11〜20秒”と短くなるため、演出時間が”10秒”の演出パターンCが決定される。
上述したように、残余時間に応じた演出内容が決定されるが、図2を参照して、演出パターンAと演出パターンCとの演出の違いを説明する。
図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の表示画面を示す説明図である。図2に示すように、特別図柄表示装置35において特別図柄が変動表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて演出図柄94を含む3つの回転リール画像93が変動表示されている(左上図参照)。
例えば、演出パターンAの場合は、遊技者の操作によって停止された演出図柄94のうち、まず左リール画像93aと右リール画像93cとが停止表示されている。さらに、その結果は、演出画像95により、『7』の特別図柄によるリーチ状態となっている(右上図参照)ことが報知されている。次に、演出画像95により、役が成立することを阻止する演出が行われる(左下図参照)。その後、中リール画像93bにより全ての演出図柄94が停止表示され、『7』の演出図柄94による役が成立した状態となり、演出画像95により、「大当たり〜!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像などの演出がされる(右下図参照)。また、同時に、特別図柄表示装置35において変動表示されていた特別図柄が、停止表示される。なお、この時点で、残余時間をほぼ消化するとなっている。すなわち、残余時間の最後において、変動していた特別図柄および演出図柄94が、演出画像95とともに、停止結果を表示して報知するようになっている。
一方、演出パターンBの場合は、残余時間が短いため、演出パターンAよりも短い演出となり、演出画像95により、役が成立することを阻止する演出(左下図参照)が、省かれた演出内容となる。なお、図2において説明した演出内容は一例であり、これらに限定されることはなく、適宜設定可能である。
このように、液晶表示装置32に変動表示された演出図柄94が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95が液晶表示装置32に表示される。このため、例えば、遊技者の停止操作タイミングが早くて残余時間が長くなった場合は、演出時間が長い演出内容に基づく演出画像95が表示され、一方、遊技者の停止操作タイミングが遅くて残余時間が短くなった場合は、演出時間が短い演出内容に基づく演出画像95が表示される。これにより、遊技者の停止操作タイミングにかかわらず、演出画像95による演出で残余時間が空白の時間にならない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果が、液晶表示装置32により表示された演出画像95とともに、残余時間において液晶表示装置32に表示される。これにより、停止された演出図柄94の結果が停止直後に表示されずに、残余時間において演出画像95とともに表示されるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果が、残余時間の最後において液晶表示装置32に表示される。これにより、停止された演出図柄94の結果が停止直後に表示されずに、残余時間の最後において表示されるため、遊技者の停止された演出図柄94の結果に対する期待感を刺激することができる。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
さらに、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果を報知する内容が、演出画像95に含まれて液晶表示装置32に表示される。これにより、停止された演出図柄94の結果が停止直後に表示されずに、残余時間において演出画像95に含まれて表示されるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
(パチンコ遊技機の機械構成)
上述したパチンコ遊技機10の概観について図3乃至図5を用いて説明する。図3は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図5は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技盤14の概観を示す正面図である。
図3乃至図5に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11から構成されている。この扉11は、図3に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26、操作ボタン80などが配設されている。
本体枠12は、ベース枠18に前方に開閉自在に支持されており、本体枠12の開口12a内部には、液晶表示装置32と、遊技盤14などが配設されている。なお、遊技盤14、スペーサー31、液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14は、その前面側に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図5に示す外レール30a)に囲まれ、遊技媒体の一例である遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には、詳しくは後述する複数の遊技釘13が打ちこまれている。このように、遊技盤14は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
液晶表示装置32は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、背面側から重なるように配設される。言い換えると、この表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14における遊技領域15の全部又は一部と重なるように遊技盤14の後方に配設される。具体的には、液晶表示装置32は、その表示領域32aが遊技領域15の全部又は一部と、遊技領域外域16の全部又は一部とに重なるように遊技盤14の後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、装飾用の装飾画像など、各種の画像が表示される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aでは、後述する特別図柄表示装置35において表示される特別図柄と関連する演出用の演出図柄94および演出画像95が表示される。
例えば、特別図柄表示装置35で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、数字や記号などからなる演出用の演出図柄94(例えば、“0”から“9”までの数字図柄)が変動表示される。また、特別図柄表示装置35において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出図柄94が停止表示される。このように、液晶表示装置32は、特別図柄とは異なる演出図柄94を表示する演出図柄表示手段の一例である。
また、後述する操作ボタン80の遊技者による押圧操作によって、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて変動表示された演出図柄94が停止されてから、特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95が、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて演出図柄94とともに表示される。このように、液晶表示装置32は、残余時間において、演出画像95を表示する演出画像表示手段の一例である。
このように、本実施形態において、液晶表示装置32などの演出表示手段を遊技盤14の背後に設けることにより、例えば、遊技釘の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度もさらに大きくすることが可能である。
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設され、液晶表示装置32の前方(前面側)に、遊技球の流路となる空間を構成している。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されている。なお、本実施例においてスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、一部が透過性を有する材料で形成されてもよい。また、透過性を有さない材料で形成されてもよい。
扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
発射ハンドル26は本体枠12に対して左側下方に回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者の左手によって握持され、かつ、反時計回り方向へ所定角度以上回動操作されたときには、発射ソレノイド(図示せず)に電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射され、遊技が進められる。これらの発射ハンドル26、発射ソレノイド(図示せず)、タッチセンサ(図示せず)などから構成される発射装置130(図8参照)が遊技盤14に対して左側下方に設置されている。また、下皿22の右側には、喫煙しながら遊技を行う遊技者の便宜を図る灰皿28が設けられている。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、従来の多くの遊技機とは異なり、発射ハンドル26が向かって左側に、灰皿28が向かって右側に、つまり左右が反対に設けられている。そして、発射ハンドル26を反時計回りに回動させることにより、遊技球が遊技盤14に発射される。この際、発射ハンドル26の回動量が大きい場合には、発射される遊技球の勢いが強くなり、発射ハンドル26の回動量が小さい場合には、発射される遊技球の勢いが弱くなる。また、本体枠12における発射ハンドル26の近傍には、発射停止ボタン27が設けられている。この発射停止ボタン27を操作することにより、発射ハンドル26を操作している場合においても遊技球の発射を強制的に停止させることができる。
また、上皿20の前面には、遊技者による操作が可能な操作ボタン80が備えられている。この操作ボタン80は、左図柄停止ボタン(以下、「左ボタン」と称する)80a、中図柄停止ボタン(以下、「中ボタン」と称する)80b及び右図柄停止ボタン(以下、「右ボタン」と称する)80cの3つからなり、相互に水平方向に並設されている。この操作ボタン80は、遊技者の押圧操作により液晶表示装置32に変動表示されたスロットマシンゲームの後述する3つの回転リール画像93を停止し、3つの回転リール画像93に含まれる複数の演出図柄94の変動を停止させることに用いられる。
遊技盤14の左下方には、ランプユニット53が設けられている。図5に示されるように、ランプユニット53には、特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、ラウンド数表示装置51a〜51dが設けられている。
前述したように、特別図柄表示装置35は、複数の7セグメントLEDで構成されている。この7セグメントLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立、すなわち、始動口25への入賞により、点灯・消灯を繰り返す。そして、7セグメントLEDの点灯・消灯によって、“0”から“9”までの数字図柄が、特別図柄として変動表示され、特定の数字図柄(例えば、“21”、“50”又は“64”など)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当たり遊技状態に遊技状態が移行する。この大当たり遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ40(図5参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図5参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、特別図柄として、特定の数字以外の数字図柄が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。このように、特別図柄表示装置35は、大当たり抽選の結果に基づき、特別図柄を所定期間変動表示した後に停止表示する特別図柄表示手段の一例である。
特別図柄表示装置35の下方には、普通図柄表示装置33が設けられている。普通図柄表示装置33は、二つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。
普通図柄表示装置33の下方には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。例えば、特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプ34aが点灯する。
普通図柄表示装置33の下方には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、後述するように、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる、「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ50aが点灯する。
特別図柄表示装置35の右側には、ラウンド数表示装置51a〜51dが設けられている。このラウンド数表示装置51a〜51dは、特別遊技の実行中においてラウンド数を表示する。なお、このラウンド数表示装置51a〜51dは、4つのLEDから構成されており、LEDごとに点灯と消灯の2つのパターンがあるので、少なくとも16パターンの表示が可能である(2の4乗パターン)。なお、ラウンド数表示装置51は、複数の7セグメントLED、液晶表示部、透過性を有する液晶表示部などから構成される場合もある。
図5に示すように、パチンコ遊技機10の遊技盤14上には、二つのガイドレール30(30a及び30b)、ステージ55、通過ゲート54a、54b、ステージ57、始動口25、シャッタ40、大入賞口39、一般入賞口56a、56b、56c、56dなどの遊技部材が設けられている。さらに、扉11の上部には、スピーカ46(図示せず)が設けられている。
遊技盤14の上部にはステージ55が設けられ、遊技盤14の略中央にはステージ57が設けられている。
遊技盤14の左側に設けられている二つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14の上部に移動し、前述した複数の遊技釘(図示せず)、遊技盤14上に設けられたステージ55、57などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。
また、ステージ55の左端部には、入球口24が形成されている。この入球口24に遊技球が入賞すると、遊技盤14の背後において、ワープ経路47を経由し、ステージ57の背後に導かれる。ステージ57の背後に導かれた遊技球は、ステージ57に囲まれた排出口(図示せず)から遊技盤14の表側に排出され、当該遊技盤14へと流下する。
前述した始動口25内には入賞領域が設けられている。この入賞領域には始動入賞球センサ116(図8参照)を備える。遊技球などの遊技媒体が、始動入賞球センサ116で検出された場合、遊技球が入賞したと判定される。遊技球が入賞した場合には、特別図柄表示装置35による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回を上限として特別図柄の変動表示が保留される。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立するごとに特別図柄の変動表示が開始される。
遊技盤14の略中央の左右両側には通過ゲート54a、54bが設けられている。この通過ゲート54a、54bには、後述する通過球センサ114、115(図8参照)が設けられている。通過球センサ114、115は、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したことを検出する。そして、通過球センサ114、115によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示装置33において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。
この普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、始動口25に設けられている普通電動役物48の左右の両側に設けられている羽根部材が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなるようになる。また、羽根部材を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54a、54bを遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54a、54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
大入賞口39には、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示装置35において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が大当たり遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントセンサ104(図8参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。なお、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態(第1の状態)から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態(第2の状態)までの遊技をラウンドゲームという。従って、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンドなどのラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がカウントセンサ104を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口39に受け入れられた遊技球がカウントセンサ104を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技という。
特別遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、停止表示された特別図柄によって異なる。例えば、本実施形態において、特別図柄表示装置35に停止表示される数字図柄が64の場合は、最大継続ラウンド数は15ラウンドであり、特別図柄表示装置35に停止表示される数字図柄が21の場合は、最大継続ラウンド数は2ラウンドであり、特別図柄表示装置35に停止表示される数字図柄が50の場合は、最大継続ラウンド数は2ラウンドとなる。なお、最大継続ラウンド数は2ラウンド又は15ラウンドに限定されない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(メインCPU66を含む主制御回路60(図8参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるようにしてもよい。
また、前述した一般入賞口56a〜56d、大入賞口39における特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
また、前述した始動口25において入賞と判定されたときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
なお、本実施形態において、演出手段の一例として、液晶表示装置32を記載したが、本発明はこれに限定されない。演出手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプや、スピーカや可動役物などの演出手段であってもよい。
(演出図柄)
上述したような構成のパチンコ遊技機10における液晶表示装置32に表示される演出図柄94について説明する。
液晶表示装置32には、図6に示すように、スロットマシンの回転リール画像93によって、左列、中列、および右列の演出図柄94の可変表示が行われる。回転リール画像93は、円筒体の側面に識別情報として複数の演出図柄94を並べて形成した画像であり、それら左列、中列、および右列の演出図柄94のそれぞれには、図6に示すように、21個の演出図柄94が所定の表示順序で決定されている。具体的に、各図柄の種別としては、赤7、青7、白7、BAR、スイカ、ベル、赤チェリー、青チェリー又はリプレイの各演出図柄94が配されている。なお、図6に示す例によれば、21個の演出図柄94によって回転リール画像93が形成されているが、これよりも多くても逆に少なくてもよく、回転リール画像93の大きさに応じて適宜設定可能である。このように、回転リール画像93は、各々が複数の演出図柄94からなる複数の演出図柄列の一例である。
そして、図5に示すように、遊技盤14の後方には、液晶表示装置32によって、1つの回転リール画像93につき、連続した3つの演出図柄94が対向するように配置されているため、遊技者には、透明の遊技盤14を介して、3×3のマトリクス状に識別図柄が配置されるように視認される。なお、演出図柄94は、図6において図柄番号が大きくなるように、すなわち、遊技者から見れば、上から下に向かって回転するように、回転リール画像93が変動表示され、3×3のマトリクス状に演出図柄94が配置されるように停止表示される。
操作ボタン80における左ボタン80a(図3参照)は左リール画像93a、中ボタン80bは中リール画像93b、右ボタン80cは右リール画像93cにそれぞれ対応し、例えば、左図柄が変動中に左ボタン80a(図3参照)が押圧操作されると、左リール画像93aに含まれる連続した3つの演出図柄94が停止表示される。他の図柄についても同様である。
これら左ボタン80a、中ボタン80b及び右ボタン80cを押圧操作することにより、後述する図柄停止ボタン用スイッチ800(左ボタンスイッチ800a、中ボタンスイッチ800b、および右ボタンスイッチ800c(図3参照))は、オン、オフされる。左ボタンスイッチ800a、中ボタンスイッチ800b、および右ボタンスイッチ800cは、後述するサブCPU206に電気的に接続されている。そして、左ボタン80aが押圧操作されると左ボタンスイッチ800aがオンになって左図柄停止信号がサブCPU206に入力される。同様に、中ボタン80bが押圧操作されると中図柄停止信号が、右ボタン80cが押圧操作されると、右図柄停止信号がそれぞれサブCPU206に入力される。
なお、左図柄停止信号とは、液晶表示装置32にて可変表示中の演出図柄94の図柄列のうち、左の演出図柄94を停止表示させるための信号である。本実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図8参照)により、液晶表示装置32にて変動表示中の図柄列のうち、左の演出図柄94を停止表示させるための制御が行われる。つまり、左ボタン80aは左の演出図柄94と対応しており、左ボタン80aか押圧操作されると左の演出図柄94が停止表示されるようになっている。
また、中図柄停止信号とは、液晶表示装置32にて可変表示中の演出図柄94の図柄列のうち、中の演出図柄94を停止表示させるための信号である。本実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図8参照)により、液晶表示装置32にて変動表示中の図柄列のうち、中の演出図柄94を停止表示させるための制御が行われる。つまり、中ボタン80bは中の演出図柄94と対応しており、中ボタン80bが押圧操作されると中の演出図柄94が停止表示されるようになっている。
また、右図柄停止信号とは、液晶表示装置32にて可変表示中の演出図柄94の図柄列のうち、右の演出図柄94を停止表示させるための信号である。本実施形態において、この信号を受信したサブCPU206(図8参照)により、液晶表示装置32にて変動表示中の図柄列のうち、右の演出図柄94を停止表示させるための制御が行われる。つまり、右ボタン80cは右の演出図柄94と対応しており、右ボタン80cが押圧操作されると右の演出図柄94が停止表示されるようになっている。
すなわち、左ボタン80a、中ボタン80b、および右ボタン80cは、変動表示される演出図柄94(つまり、左、中、および右の演出図柄94)をそれぞれ停止させる機能を有している。このように、操作ボタン80(左ボタン80a、中ボタン80b、および右ボタン80c)は、遊技者の操作を検知する検知手段の一例である。
本実施形態においては、操作ボタン80の操作によって有効ラインに当選役を揃えるスロットゲームが行われる。ここで、有効ラインとは、3×3のマトリクスにおいて、横3列、対角線2列を指し、当選役とは、図6に示す回転リール画像93においては、赤7、青7、ベル、リプレイ、スイカ、赤チェリー、青チェリーが有効ラインに3つ揃うこと、赤チェリー、青チェリーが左リール画像93aと中リール画像93bにおいて有効ライン上に揃うこと、赤チェリー、青チェリーが左リール画像93a上に揃うことである。特に、赤7、青7による当選役を大当たり役、ベル、リプレイ、スイカ、赤チェリー、青チェリーによる当選役を小役と称する。
前述のように、発射ハンドル26が向かって左側に設けられていることから、本実施形態のパチンコ遊技機10では、左手で発射ハンドル26の操作を行いながら、右手は上皿20の手前の縁に載置しておき、所望のタイミングで左ボタン80a、中ボタン80b及び右ボタン80cを押圧操作することにより変動中の演出図柄94の停止操作を行う。そして、例えば、通常遊技状態において、停止操作の結果、有効ラインに赤7、青7が揃った場合には、大当たり遊技に移行する。
図7を用いて、残余時間において液晶表示装置32に表示される演出画像95を決定する際に用いられる”演出パターンテーブル”の説明を行う。
(演出パターンテーブル)
図7に示すように、演出パターンテーブルは、「残余時間21〜30秒時点での停止リール数」、「残余時間11〜20秒時点での停止リール数」、および「残余時間6〜10秒時点での停止リール数」、の各々の停止リール数に対して、”パターンA”から”パターンN”までの14種類の「演出パターン」の情報が格納されている。また、”演出なし”の場合の情報も格納されている。ここで、本実施形態における『演出パターン』には、リーチ演出、大当たり演出、およびハズレ演出などの複数の演出内容を含んでいる。すなわち、特別図柄および演出図柄94の停止結果を含んだ演出が、演出画像95とともに表示可能となっている。さらに、演出パターンテーブルには、各々の演出パターンに対応する「演出時間」が、”5秒”から”20秒”まで5秒間隔で予め決められて格納されている。ここで、『停止リール数』とは、複数の演出図柄94を含んで変動表示された3つの回転リール画像93(左リール画像93a、中リール画像93b、右リール画像93c)のうち、遊技者による操作ボタン80の押圧操作により停止制御された回転リール画像93の数のことである。
例えば、図7の場合であると、「残余時間21〜30秒時点での停止リール数」が”全て停止”している状態は、所謂、液晶表示装置32に変動表示された3つの回転リール画像93の全てが、残余時間21〜30秒を残した時点で、遊技者による操作ボタン80の押圧操作により停止制御された状態を言う。この場合の「演出パターン」は、”パターンA”と”パターンB”の2種類のうち何れかの演出内容が選択され、選択された演出内容が、”20秒間”液晶表示装置32に表示される。
また、「残余時間21〜30秒時点での停止リール数」が”2つ停止”しており、「残余時間11〜20秒時点での停止リール数」が”全て停止”している場合は、”パターンC”と”パターンD”の2種類のうち何れかの演出内容が選択され、選択された演出内容が、”10秒間”液晶表示装置32に表示される。なお、「残余時間6〜10秒時点での停止リール数」において、”全て停止せず”となる場合は、残余時間が短いために、”演出なし”の「演出パターン」が選択される。
なお、本実施形態における演出パターンテーブルの一例を示してきたが、演出パターンテーブルは他の態様であってもよい。例えば、「演出パターン」の数および「演出時間」は、本実施形態に拘ることなく、多くの「演出パターン」を用意していても良いし、より演出時間を細かく区分けしていても良い。
図7の演出パターンテーブルを用いることにより、複数の回転リール画像93が変動され、遊技者が操作するたびに、複数の回転リール画像93のうちの一つが停止される。さらに、回転リール画像93が停止されるごとに算出された各々の残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95が液晶表示装置32に表示される。これにより、遊技者の停止操作タイミングに応じて演出内容が変化するため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、残余時間に応じた複数種類の演出内容のうち何れかの演出内容に基づく演出画像95が液晶表示装置32に表示される。これにより、残余時間が毎回同じであった場合でも異なる演出がされるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
(パチンコ遊技機の電気的構成)
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図8に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)68、記憶手段の一例であるメインRAM(Random Access Memory:読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66は、図示しないレジスタおよびリセット端子66aを備えている。また、メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70などが接続されており、メインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。また、メインCPU66のリセット端子66aがリセット信号を受信した場合、リセット処理を実行する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、各種テーブルも記憶されている。このように、メインROM68は、各種記憶手段として機能することとなる。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、領域通過フラグ、遊技状態フラグ、大当たり判定用乱数カウンタ、大当たり図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、リーチパターン選択用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、ラウンド数表示用カウンタ、ラウンド数表示装置演出始動用カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄に関する保留個数を示すデータ、普通図柄に関する保留個数を示すデータ、変動回数カウンタ、保険機能フラグ、徴収球カウンタ、賞球数カウンタ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数などが位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。遊技状態フラグは、実行される遊技状態を示すものである。
大当たり判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定するためのものである。大当たり図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当たりを判定した場合に、停止表示される特別図柄を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当たりではない場合に停止表示する特別図柄を決定するためのものである。リーチパターン選択用乱数カウンタは、リーチパターンを決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、演出用の変動パターンを決定するためのものである。ラウンド数表示装置演出始動用カウンタは、通常遊技の実行中にラウンド数表示装置に表示を行わせるか決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。また、電源供給経過時間タイマは、パチンコ遊技機10に電源が供給されてからの経過時間を計測するためのものである。なお、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPUなど自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタは、大当たり遊技状態における大入賞口の開放回数(いわゆるラウンド数)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口に入賞し、カウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。さらに、特別図柄に関する保留個数を示すデータは、始動口25へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、特別図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示すものである。さらに、普通図柄に関する保留個数を示すデータは、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている普通図柄ゲームの保留回数を示すものである。ラウンド数表示用カウンタは、液晶表示装置32において表示されるラウンド数を示すものである。
変動回数カウンタは、前回の大当たりからの抽選回数を示すものである。保険機能フラグは、保険機能のオン・オフを示すものである。徴収球カウンタは、保険機能を作動させるために玉貸し時に徴収された遊技球数(有価価値)を示すものである。賞球数カウンタは、賞球数を示すものである。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生する。
初期リセット回路64は、コンデンサと、ウォッチドッグタイマとを備え、コンデンサに印加された電圧が一定の値に達すると、メインCPU66に対してリセット信号を送信する。また、初期リセット回路64は、メインCPU66から所定の制御信号を受信することによって、コンデンサに印加した電圧を解放するために放電する。
シリアル通信用IC72は、メインCPU66と副制御回路200と払出・発射制御回路126と接続され、副制御基板用バッファ72aと、払出・発射制御回路用バッファ72bとを備える。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図8に示すように、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bをそれぞれ遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口25を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して始動口25に設けられる普通電動役物48の羽根部材に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、図5に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放状態又は閉鎖状態とする。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時などにおけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。例えば、筐体の電源を落とすことにより、結果データがリセットされる。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部160が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサなどの遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14に順次発射される。
さらに、主制御回路60には、ランプ74が接続されている。主制御回路60は、ランプ74に対してランプ(LED)制御信号を供給する。なお、ランプ74には、白熱電球、LEDなど、具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示装置35(7セグメントLED)、普通図柄表示装置33(表示用ランプ)などが含まれる。なお、特別図柄表示装置35に表示された特別図柄を変動表示させる時間に関する情報は、このランプ(LED)制御信号に含まれており、主制御回路60により後述するサブCPU206に特別図柄変動時間信号として送信される。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、ランプ132の制御などを行う。なお、ランプ132には、白熱電球、LEDなど、具体的には、遊技盤14上を明暗表示する装飾ランプ(図示せず)などが含まれる。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
演出制御手段である副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御手段としての表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、ランプや可動役物に関する制御を行うランプ制御回路240を備える。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、図柄停止ボタン用スイッチ800(左ボタンスイッチ800a、中ボタンスイッチ800b及び右ボタンスイッチ800c)が副制御回路200に接続されている。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210などが接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラム、各種テーブルが記憶されている。
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に関するものである。その他にも、プログラムROM208には、複数種類の特別遊技の実行中の演出パターンが記憶されている。この特別遊技の実行中の演出パターンは、特別遊技におけるラウンドゲームに関連して実行される演出表示の進行に関するものである。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブルなどを記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジなどの記憶媒体に、プログラム、テーブルなどが記録されていてもよい。もちろん、プログラムROM208の代替としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210などに記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ、スロットマシンゲームのゲーム履歴、スロットマシンゲームで獲得した仮想コイン枚数、などの各種の変数や損失補填表示フラグ、表示頻度フラグなどの各種のフラグが位置付けられている。さらに、ワークRAM210は、液晶表示装置32における各回転リール画像93(左リール画像93a、中リール画像93b、右リール画像93c)に形成されている各演出図柄94の位置情報を記憶する領域を有し、各回転リール画像93の変動によって各演出図柄94の位置が変化するごとに、各演出図柄94の位置情報が更新される。このため、各回転リール画像93の各演出図柄94の位置は、サブCPU206によって監視される。
また、ワークRAM210は、図7の演出パターンテーブルを格納している。遊技者による操作ボタン80の押圧操作により、各回転リール画像93によって変動された演出図柄94が停止された場合に、停止された回転リール画像93の数などの情報が、演出パターンテーブルに格納される。
左ボタンスイッチ800aは左ボタン80aに設けられており、遊技者によって、左ボタン80aが押圧操作された場合に左図柄信号がサブCPU206に送信される。中ボタンスイッチ800bは中ボタン80bに設けられており、遊技者によって、中ボタン80bが押圧操作された場合に中図柄信号がサブCPU206に送信される。右ボタンスイッチ800cは右ボタン80cに設けられており、遊技者によって、右ボタン80cが押圧操作された場合に右図柄信号がサブCPU206に送信される。ここで、サブCPU206は、各図柄信号を受信すると、受信した時間を計時する。そして、サブCPU206は、計時した時間と、主制御回路60から受信した特別図柄変動時間信号に含まれる特別図柄表示装置35に表示された特別図柄を変動表示させる時間と、を用いて、残余時間を算出する。なお、算出された残余時間は、ワークRAM210に格納された図7の演出パターンテーブルに、停止された回転リール画像93の数などの情報を格納する際に用いられる。このように、サブCPU206は、演出図柄94が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間を算出する残余時間算出手段の一例である。
なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM244などから構成されている。
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データROM216、D/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路などの回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、背景画像データ、演出画像データなどの各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。例えば、図7の演出パターンテーブルにおける演出パターンA〜Nの演出内容に基づく演出画像95が記憶されている。このように、画像データROM216は、サブCPU206により算出された残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95を記憶する演出画像記憶手段の一例である。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、背景画像データ、演出画像データ、保険機能関連画像データなど、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる。
本実施形態によれば、小役、例えばスイカが成立した場合には、「スイカ」を揃える必要があるが、遊技者が操作ボタン80を押圧操作した時点で、「スイカ」が有効領域外であるが、その後4コマ以内に「スイカ」がある場合には、「スイカ」をすべらせて有効領域内に表示されるように、すべりコマ数を考慮したリール停止データがサブCPU206から表示制御回路250に送信される。なお、サブCPU206からVDP212に供給される画像表示命令には、液晶表示装置32に変動表示された演出図柄94を停止表示させるタイミングなどの情報が含まれている。すなわち、遊技者による操作ボタン80の押圧操作を検知した時点ですぐに液晶表示装置32に演出図柄94を停止表示させる場合、演出画像95の表示に合わせて演出図柄94を停止表示させる場合、残余時間の最後において演出図柄94を停止表示させる場合、または演出画像95の表示により演出図柄94の停止結果を報知する場合、などの情報が含まれている。
このように、サブCPU206は、所定条件を満たした場合、液晶表示装置32に表示された演出図柄94を変動させ、操作ボタン80から遊技者の操作を検知した場合、変動させた演出図柄94を停止させる制御を行う変動停止制御手段の一例である。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
(主制御メイン処理)
図9を用いて、主制御メイン処理を説明する。
ステップS9においては、初期化設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電源投入に応じて、メインROM68から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM70に記憶されるフラグなどを初期化し、又は電源遮断前の状態に復帰する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS10に処理を移行する。
ステップS10においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移行する。
ステップS11において、メインCPU66は、システムタイマ監視タイマ値が3であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3である場合には、ステップS12に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3でない場合には、ステップS10に処理を移行する。
ステップS12においては、システムタイマ監視タイマリセット処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマをリセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS13に処理を移行する。
ステップS13においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS14に処理を移行する。
ステップS14においては、特別図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御処理を行う。特別図柄制御処理については、後述する。この処理が終了した場合には、ステップS15に処理を移行する。
ステップS15においては、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過球センサ114、115からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選が当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS16に処理を移行する。
ステップS16においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS14、ステップS15でメインRAM70に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示装置35と、普通図柄表示装置33と、ラウンド数表示装置51とを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。例えば、特別図柄表示装置35を駆動する場合、メインCPU66は、駆動信号を特別図柄表示装置35に制御信号を送信する。特別図柄表示装置35は受信した駆動信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合には、ステップS17に処理を移す。
ステップS17においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、台コンピュータ又はホールコンピュータ(図示せず)に送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS18に処理を移行する。
ステップS18においては、図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、後述するシステムタイマ割込処理におけるスイッチ入力検出処理(図10、ステップS46)にて検出される始動入賞球センサ116及び通過球センサ114、115からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM70に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、特別図柄保留ランプ34a〜34d及び普通図柄保留ランプ50a〜50dを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS19に処理を移す。
ステップS19においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、上記のステップなどでメインRAM70に記憶される制御信号を各ポートに出力する処理を行う。具体的には、特別図柄保留ランプ34a〜34d(図5参照)、特別図柄表示装置35(7セグメントLED、図5参照)、普通図柄表示装置33(表示LED、図5参照)にLED点灯のためのLED電源(コモン信号)やソレノイド駆動のためのソレノイド電源を供給する。さらに、始動記憶データの保留個数の更新データは、副制御回路200に送信される。この処理が終了した場合には、ステップS20に処理を移行する。
ステップS20においては、記憶・遊技状態コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされているか判定し、確変フラグもしくは時短状態フラグがセットされていると判定した場合、確変状態コマンド、時短状態コマンドを生成し、副制御回路200に送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS21に処理を移行する。
ステップS21においては、演出制御コマンド出力制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、演出制御コマンドや、保険機能コマンドや、払出コマンドや、取込コマンドを副制御回路200への出力制御処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS22に処理を移行する。
ステップS22においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39、始動口25、一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路126に送信する。本実施形態においては、大入賞口39に入賞した場合には賞球として15個の遊技球、始動口25に入賞した場合には賞球として3個の遊技球、一般入賞口56a〜56dに入賞した場合には賞球として10個の遊技球が、遊技者に払い出される。この処理が終了した場合には、ステップS10に処理を移行する。
(システムタイマ割込処理)
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU66は、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生させ、これに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。図10を用いて、システムタイマ割込処理を説明する。
ステップS41においては、各レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS42に処理を移行する。
ステップS42においては、システムタイマ監視タイマの値を+1とする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を1加算する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理など)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移行する。
ステップS43においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される大当たり判定用乱数カウンタなどの乱数値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS44に処理を移行する。
ステップS44においては、入力ポート読込処理を行う。この処理において、メインCPU66は、各ポートからの検知信号を読み込む処理を行う。
ステップS46においては、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントセンサ104,一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114,115、始動入賞球センサ116など各スイッチからの検知信号を検出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移行する。
ステップS47においては、各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS41で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移行する。
ステップS49においては、割込み許可処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰させる。
(特別図柄制御処理)
図9のステップS14において実行されるサブルーチンである特別図柄制御処理について図11を用いて説明する。なお、図11において、ステップS72からステップS81の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、図11に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移行する。
なお、後述するステップS72からステップS81において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS81における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは後述する。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移行する。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移行する。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当たり遊技状態へ移行する抽選に当選したか否かを判断する。メインCPU66は、当選である場合に、大当たり遊技開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当たり遊技開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり遊技開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、当選ではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移行する。
ステップS75においては、大当たり遊技開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり遊技開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当たり遊技開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図9のステップS19の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを複数回繰り返し行う可能性がある大当たり遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内のラウンド数表示カウンタに、所定の数字(例えば、“15”)を代入する。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内の大当たり遊技実行時間タイマを使用して大当たり遊技の実行時間の計測を開始する。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移行する。
ステップS77においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移行する。
ステップS78においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移行する。
ステップS79においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39に対応するカウントセンサ104を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが所定数以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当たり遊技終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当たり遊技終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当たり遊技終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。
一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内部に記憶されているラウンド数表示カウンタに“1”を減算するように記憶更新する。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移行する。
ステップS80においては、大当たり遊技終了インターバル処理を実行する。この処理において、詳しくは後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが大当たり遊技終了インターバルを示す値(07)であり、大当たり遊技終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。また、確変状態や時短状態の場合には、遊技状態フラグにそれぞれに対応する値をセットする。この処理が終了した場合には、ステップS81に処理を移行する。
ステップS81においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、詳しくは後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、今回の特別図柄ゲームに関連した特別図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。これによって、特別図柄記憶領域のデータの更新、つまり保留個数の更新を実行することになる。続いて、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする処理を実行する。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図11に示すように、大当たり遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図11に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS81の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当たり遊技状態ではない場合において、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図11に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当たり遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU66は、大当たり遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図11に示すステップS78、ステップS79、ステップS77の処理を所定のタイミングで実行し、大当たり遊技を実行することとなる。なお、大当たり遊技の終了条件が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図11に示すステップS78からステップS81の処理を所定のタイミングで実行し、大当たり遊技を終了することになる。また、本実施形態においては、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(パンク、本実施形態においては、大当たり遊技中に大入賞口39へ1球も遊技球が入らなかったこと)、最大継続ラウンド数(本実施形態においては、大当たり“15”ラウンド、又は“2”ラウンド)のラウンドゲームが終了することも大当たり遊技終了条件である。
(特別図柄記憶チェック処理)
図11のステップS72において実行されるサブルーチンである特別図柄記憶チェック処理について、図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを判断する(ステップS101)。制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判断した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS102において、メインCPU66は、保留個数データにおける特別図柄に関する保留個数がいずれも“0”であるか否かを判断する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶される始動記憶データにおける特別図柄に関する保留個数がいずれも“0”であると判断した場合には、ステップS112に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”でないと判断した場合には、ステップS104に処理を移行する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移行する。
ステップS105においては、大当たり判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動記憶があれば図示しない特別図柄決定テーブルに記憶されている大当たり判定値を選択する。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された乱数値と、大当たり判定値とを参照する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当たり遊技状態とするか否かの判定を行うことになる。このように、メインCPU66は、遊技領域の特定領域(始動口25)を遊技球が通過すると遊技者にとって有利な大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選を行う大当たり抽選手段の一例である。
ステップS106においては、図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS105において大当たりと判定された場合には、始動入賞時に抽出された大当たり図柄決定用乱数値を抽出し、その大当たり図柄決定用乱数値に基づいて、特別図柄表示装置35に停止表示させる特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。なお、大当たりと判定されなかった場合(はずれ)には、特別図柄表示装置35に停止表示させる特別図柄をはずれ図柄に決定した特別図柄を示すデータをメインRAM70に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS107処理を移行する。
なお、ステップS106の処理によってメインRAM70の所定領域に記憶された図柄指定コマンドは、図9のステップS21の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に停止図柄指定コマンドとして供給される。
ステップS107においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS106により決定された特別図柄に基づいて、メインROM68に記憶される変動パターンテーブルから特別図柄変動パターンコマンドを選択する。具体的には、ステップS106により決定された特別図柄に応じた演出用の特別図柄変動パターンコマンドが選択され、メインRAM70の所定領域に記憶する。
このように記憶された演出用の特別図柄変動パターンコマンドは、図9のステップS21の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。なお、この変動パターン指定コマンドに対応する演出の演出時間が、特別図柄表示装置35における特別図柄の変動時間に相当し、その変動時間の情報が、サブCPU206に送信される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することになる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
ステップS109においては、決定した演出用の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS107の処理により決定された演出用の変動パターンに対応する変動時間をテーブルより読み出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた大当たり判定用乱数値などが記憶された記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS112においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(特別図柄ゲーム終了処理)
図11のステップS81において実行されるサブルーチンである特別図柄ゲーム終了処理について図13を用いて説明する。
ステップS200において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)であるか否かの判断を行い、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であると判別した場合には、ステップS202に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS202において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている保留個数を“1”減算する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、メインCPU66は、メインRAM70の特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)のデータのそれぞれを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS206に処理を移す。
ステップS206において、メインCPU66は、メインRAM70の特別図柄記憶領域(4)にクリアデータをセットする処理を行う。これによって、特別図柄記憶領域のデータの更新、つまり保留個数の更新を実行することになる。この処理が終了した場合には、ステップS208に処理を移す。
ステップS208において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS210に処理を移す。
ステップS210において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている遊技状態フラグが低確率時短であるか(低確率時短の値であるか)否かを判定する処理を行う。遊技状態フラグが低確率時短であると判定した場合には、ステップS212に処理を移す。遊技状態フラグが低確率時短であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS212において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている時短状態変動回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS214に処理を移す。
ステップS214において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている時短状態変動回数カウンタの値が0以上であるか否かを判定する処理を行う。時短状態変動回数カウンタの値が0以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了する。時短状態変動回数カウンタの値が0以上であると判定しない場合には、ステップS216に処理を移す。
ステップS216において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている遊技状態フラグに通常遊技をセットする(通常遊技状態を示す値を記憶する)処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS218に処理を移す。
ステップS218において、メインCPU66は、メインRAM70の遊技状態コマンドを記憶する領域に、通常遊技状態であることを示すデータをセットする処理を行う。この処理においてセットされた遊技状態コマンドは、図8のステップS20の処理によって、副制御回路200に送信される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(普通図柄制御処理)
図9のステップS15において実行されるサブルーチンである普通図柄制御処理について図14を用いて説明する。なお、図14において、各処理の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する普通図柄制御状態フラグを示し、その普通図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、普通図柄ゲームが進行することとなる。
最初に、図14に示すように、ステップS300において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグを読み出す。
尚、後述する処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップS310〜ステップS350における各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、各処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。
尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期で図10のシステムタイマ割込処理も実行する。
そして、メインCPU66は、ステップS310において、普通図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、普通図柄に関する保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、当り判定等を行う。そして、メインCPU66は、普通図柄変動時間管理を示す値(01)を普通図柄制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動時間を経過した後、後述するステップS320の普通図柄変動時間監視処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS320に処理を移す。
そして、メインCPU66は、ステップS320において、普通図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、普通図柄表示時間監視を示す値(02)を普通図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、後述するステップS330の普通図柄表示時間管理処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS330に処理を移す。
そして、メインCPU66は、ステップS330において、普通図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当りか否かを判断する。メインCPU66は、当りである場合に、普通電役開放設定処理を実行し、普通電動役物開放を示す値(03)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述するステップS340の普通電動役物開放処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS340に処理を移す。
一方、メインCPU66は、当りではない場合に、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)をセットする。つまり、後述するステップS350の普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPU66は、ステップS340において、普通電動役物開放処理を実行する。この処理において、メインCPUは、普通図柄制御状態フラグが普通電役開放を示す値(03)である場合に、普通電動役物の開放中において所定数の始動入賞があったという条件、普通電役開放時間タイマが“0”であるという条件のいずれかを満たすか否かを判断する。
メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、普通電動役物である羽根部材を閉鎖状態にさせるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、普通図柄ゲーム終了を示す値(04)を普通図柄制御状態フラグにセットする。つまり、後述するステップS350の普通図柄ゲーム終了処理を実行するように設定するのである。
そして、メインCPU66は、ステップS350において、普通図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了を示す値(04)である場合に、普通図柄に関する保留個数を示すデータを“1”減少するように記憶更新する。メインCPU66は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、普通図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、上述した普通図柄制御状態フラグをロードする処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
副制御回路200は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
(サブ制御メイン処理)
図15を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。
ステップS1710においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、プログラムROM208から起動プログラムを読み込むとともに、ワークRAM210に記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1720に処理を移行する。
ステップS1720においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1730に処理を移行する。
ステップS1730においては、コマンド解析処理を行う。この処理の詳細については後述するが、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1740に処理を移行する。
ステップS1740においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うために、表示制御回路250に送信するためのデータを更新する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの演出画像95を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データ、変動速度設定用画像データなど、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1750に処理を移行する。
この時、サブCPU206は、後述する図18の演出パターン設定処理において、残余時間に応じて設定された演出パターンに基づく演出画像95を液晶表示装置32に表示させる。具体的には、演出図柄94の停止結果を報知する、リーチ演出、大当たり演出、およびハズレ演出などの演出を含んだ残余時間に応じた演出画像95を、演出図柄94とともに液晶表示装置32に表示させる。
ステップS1750においては、音制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、音を出力するためのデータを音声制御回路230に送信する。音声制御回路230は、サブCPU206からの音を出力するためのデータに基づいて、音声データROM234から曲データ、効果音データ、声データなどの、各種音データを読み出し、音を重ね合わせ、AMP236で増幅し、スピーカ46から出力する。この処理が終了した場合には、ステップS1760に処理を移行する。
ステップS1760においては、ランプ制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、この処理において、サブCPU206は、ランプを点灯するためのデータをランプ制御回路240に送信する。ランプ制御回路240は、サブCPU206からのランプを点灯するためのデータに基づいて、装飾データROM244から各種の点灯パターンデータを読み出し、ランプ132を点灯する。この処理が終了した場合には、ステップS1720に処理を移行する。
(サブ制御コマンド受信割込処理)
図16を用いて、主制御回路60からコマンドを受信すると実行されるサブ制御コマンド受信割込処理を説明する。
ステップS1810においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1820に処理を移行する。
ステップS1820においては、入力されたコマンドを受信バッファへ格納する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、入力されたコマンドをワークRAM210の受信バッファ領域へ格納する処理を行う。この処理において、格納されたコマンドは、図15のステップS1730の処理で解析される。この処理が終了した場合には、ステップS1830に処理を移行する。
ステップS1830においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1810で退避したプログラムを各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(タイマ割込処理)
また、サブCPU206は、サブ制御メイン処理を実行している状態であっても、サブ制御メイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。サブCPU206は、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生させ、これに応じて、以下のタイマ割込処理を実行する。図17を用いて、タイマ割込処理を説明する。
ステップS1910においては、各レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1920に処理を移行する。
ステップS1920においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶されるタイマの値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1930に処理を移行する。
ステップS1930においては、スイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU206は、図柄停止ボタン用スイッチ800(左ボタンスイッチ800a、中ボタンスイッチ800b及び右ボタンスイッチ800c)、演出ボタン用スイッチ(図示せず)など各スイッチからの検知信号を検出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1940に処理を移行する。
ステップS1940においては、リール制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各回転リール画像93(左リール画像93a、中リール画像93b、右リール画像93c)の停止制御を行う。リール制御処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1950に処理を移行する。
ステップS1950においては、各レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1910で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰させる。
(リール制御処理)
図17のステップS1940において実行されるリール制御処理について図18を用いて説明する。
ステップS2520において、操作ボタン80が有効期間内か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、回転リール画像93が変動表示された時点から計時した変動時間に基づいて、操作ボタン80による停止操作が可能な有効期間内か否かを判定する処理を行う。有効期間内であると判定した場合には、ステップS2530に処理を移行する。有効期間内であると判定しない場合には、ステップS2550に処理を移行する。
ステップS2530において、サブCPU206は、遊技者による操作ボタン80の押圧操作があったか否かを判定する処理を行う。操作ボタン80の押圧操作があったと判定した場合には、ステップS2540に処理を移行する。操作ボタン80の押圧操作があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2540において、押圧操作された操作ボタン80を無効化する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、押圧操作された操作ボタン80を再度押下して、検知信号を発生させたとしてもこの検知信号を無効にする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2550に処理を移行する。
ステップS2550において、サブCPU206は、図示しない停止テーブルを参照して停止位置を検索する処理を行う。ここで、停止テーブルとは、回転リール画像93の停止制御の態様を規定する情報を備えたテーブルである。具体的には、遊技者による左ボタン80a、中ボタン80b、右ボタン80cの操作タイミングに対応する左リール画像93a、中リール画像93b、右リール画像93cの停止態様の情報(例えば、停止開始位置の情報、滑りコマ数の情報など)を備えている。また、停止テーブルは、演出図柄94の役ごとに備えられており、ベル用停止テーブル、スイカ用停止テーブル、赤チェリー用停止テーブル、青チェリー用停止テーブル、赤7用停止テーブル、青7用停止テーブルなどが備えられている。さらに、各停止テーブルは、3つの回転リール画像93ごとに備えられている。具体的には、ベル用停止テーブルであれば、左リール画像93aにおける各演出図柄94の停止位置とすべりコマ数との対応関係のテーブル、中リール画像93bにおける各演出図柄94の停止位置とすべりコマ数との対応関係のテーブル、右リール画像93cにおける各演出図柄94の停止位置とすべりコマ数との対応関係のテーブルが備えられている。なお、停止テーブルは、基本的に、対応する当選役を表示役として成立可能に構成されている。この処理が終了した場合には、ステップS2560に処理を移行する。
ステップS2560において、サブCPU206は、検索結果に基づいたすべりコマ数を決定する処理を行う。具体的には、ステップS2110でセットした当選役(小役、大当たり役)のデータがワークRAM210の所定領域に記憶されている場合には、決定した当選役が成立するように、すべりコマ数を設定する。また、当選役が決定したデータがワークRAM210の所定領域に記憶されていない場合(はずれ役の場合)あるいは当選役が決定されていても、検索結果に当選役となる演出図柄94が存在しない場合には、各有効ラインにおいて当選役が成立しない停止態様となるようにすべりコマ数を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2570に処理を移行する。
ステップS2570において、すべりコマ数に応じたリール停止データをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS2560において決定したすべりコマ数に応じたリール停止データをワークRAM210の所定領域に記憶し、図15のステップS1740の処理において停止コマンドとともにすべりコマ数を指定するリール停止データを表示制御回路250に送信する処理を行う。そして、表示制御回路250が、リール停止データに基づいて回転リール画像93の停止表示制御を行うことにより、中央の有効ラインに位置していた演出図柄94に対して所定のすべりコマ数だけすべった位置の演出図柄94が、演出画像95の演出とともにその停止結果を残余時間の最後に報知するように停止表示される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
すなわち、例えば、変動パターンにおいて「スイカ」が当選役として設定されており、最初に左リール画像93aの停止操作を行った時点の操作タイミングで「スイカ」が停止する場合には、すべりコマ数として0コマが決定され、中央のマスに「スイカ」が停止する。次に、中リール画像93bの停止操作を行った時点の操作タイミングでは有効領域内に「スイカ」が停止しないが、中央のマスに対して4コマ上流側に「スイカ」が位置している場合には、すべりコマ数として4コマが決定され、中央のマスに「スイカ」が停止する。さらに、右リール画像93cの停止操作を行った時点の操作タイミングでは有効領域内に「スイカ」が停止しないが、中央のマスに対して4コマ上流側に「スイカ」が位置している場合には、すべりコマ数として4コマが決定され、中央のマスに「スイカ」が停止する。これにより、スイカが当選役として遊技者に報知される。なお、中央のマスに対して5コマ上流側に「スイカ」が位置している場合には、他の当選役の停止表示にならないようにすべりコマ数が決定され、はずれの停止態様で停止する。
(コマンド解析処理)
図15のステップS1730において実行されるサブルーチンであるマンド解析処理について図19を用いて説明する。
ステップS2010においては、サブCPU206は、主制御回路60から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が、受信コマンドがあると判定した場合には、ステップS2020に処理を移し、受信コマンドがあると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2020においては、サブCPU206は、受信バッファに記憶される受信コマンドの読み出しを行う。この処理が終了した場合には、ステップS2030に処理を移す。
ステップS2030においては、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドか否かを判定する処理を行う。なお、この時受信した変動パターン指定コマンドに対応する演出の演出時間が、特別図柄表示装置35における特別図柄の変動時間に相当する。この処理において、サブCPU206が変動パターン指定コマンドと判定した場合には、ステップS2040に処理を移し、変動パターン指定コマンドと判定しない場合には、ステップS2050に処理を移す。
ステップS2040においては、演出パターン設定処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2050において、サブCPU206は、その他受信したコマンドに対応する処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(演出パターン設定処理)
図19のステップS2040において実行される演出パターン設定処理について図20を用いて説明する。
ステップS2110において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに対応するデータをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに対応するデータをワークRAM210に記憶する処理を行う。変動パターン指定コマンドに対応するデータは、図15のサブ制御メイン処理におけるステップS1740の処理によって、表示制御回路250に送信される。この処理が終了した場合には、ステップS2120に処理を移す。
ステップS2120において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに対応する演出の演出時間、言い換えれば、特別図柄表示装置35における特別図柄の変動時間に相当する演出時間をワークRAM210の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2130に処理を移す。
ステップS2130において、サブCPU206は、複数の演出図柄94からなる複数の回転リール画像93が変動を開始してからの時間を計測する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移す。
ステップS2140において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域を演出図柄94の変動が開始してからの時間を計時するタイマとして機能させ、3つの操作ボタン80のうち1つ目の操作ボタン80が遊技者により押圧操作されたか否かを判定する処理を行う。遊技者により押圧操作されたと判定した場合には、ステップS2150に処理を移す。一方、遊技者により押圧操作されていないと判定した場合には、ステップS2140において、待機する。
ステップS2150において、サブCPU206は、回転リール画像93が変動してから、1つ目の操作ボタン80が遊技者により押圧操作されるまでの変動時間を計時する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2160に処理を移行する。
ステップS2160において、ステップS2140と同様に、サブCPU206は、3つの操作ボタン80のうち2つ目の操作ボタン80が遊技者により押圧操作されたか否かを判定する処理を行う。遊技者により押圧操作されたと判定した場合には、ステップS2170に処理を移す。一方、遊技者により押圧操作されていないと判定した場合には、ステップS2150において、待機する。
ステップS2170において、サブCPU206は、回転リール画像93が変動してから、2つ目の操作ボタン80が遊技者により押圧操作されるまでの変動時間を計時する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2180に処理を移行する。
ステップS2180において、ステップS2140と同様に、サブCPU206は、3つの操作ボタン80のうち全ての操作ボタン80が遊技者により押圧操作されたか否かを判定する処理を行う。遊技者により押圧操作されたと判定した場合には、ステップS2190に処理を移す。一方、遊技者により押圧操作されていないと判定した場合には、ステップS2180において、待機する。
ステップS2190において、サブCPU206は、回転リール画像93が変動してから、全ての操作ボタン80が遊技者により押圧操作されるまでの総変動時間を計時する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2200に処理を移行する。
ステップS2200において、サブCPU206は、ステップS2120において設定した演出時間とステップS2190において計時した総変動時間とを比較し、総変動時間が演出時間以下であると判定した場合には、ステップS2210に処理を移す。総変動時間が演出時間以下であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2210において、サブCPU206は、ステップS2120において設定した演出時間と、ステップS2150、ステップS2170、およびステップS2190、において計時した変動時間と、を用いて各々の残余時間を算出する。この処理が終了した場合には、ステップS2220に処理を移行する。
ステップS2220において、サブCPU206は、ステップS2210において算出した残余時間を用いて、ワークRAM210に格納した図7の演出パターンテーブルを参照することで、複数種類の演出パターンから何れかの演出パターンを選択して設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2230に処理を移行する。
ステップS2230において、サブCPU206は、ステップS2220において設定した演出パターンに基づく演出実行処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
(本発明の実施の形態の概要)
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤14と、遊技領域の特定領域(始動口25)を遊技球が通過した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選を行う大当たり抽選手段(メインCPU66)と、大当たり抽選の結果に基づき、特別図柄を所定期間変動表示した後に停止表示する特別図柄表示手段(特別図柄表示装置35)と、特別図柄とは異なる演出図柄94を表示する演出図柄表示手段(液晶表示装置32)と、遊技者の操作を検知する検知手段(操作ボタン80)と、所定条件を満たした場合、演出図柄表示手段(液晶表示装置32)に表示された演出図柄94を変動させ、検知手段(操作ボタン80)から遊技者の操作を検知した場合、変動させた演出図柄94を停止させる制御を行う変動停止制御手段(サブCPU206)と、変動停止制御手段(サブCPU206)により変動された演出図柄94が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示手段(特別図柄表示装置35)において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間を算出する残余時間算出手段(サブCPU206)と、残余時間算出手段(サブCPU206)により算出された残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95を記憶する演出画像記憶手段(画像データROM216)と、残余時間において、演出画像95を表示する演出画像表示手段(液晶表示装置32)と、を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、液晶表示装置32に変動表示された演出図柄94が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示装置35において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95が液晶表示装置32に表示される。このため、例えば、遊技者の停止操作タイミングが早くて残余時間が長くなった場合は、演出時間が長い演出内容に基づく演出画像95が表示され、一方、遊技者の停止操作タイミングが遅くて残余時間が短くなった場合は、演出時間が短い演出内容に基づく演出画像95が表示される。これにより、遊技者の停止操作タイミングにかかわらず、演出画像95による演出で残余時間が空白の時間にならない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出図柄表示手段(液晶表示装置32)は、各々が複数の演出図柄94からなる複数の演出図柄列(回転リール画像93)を表示し、変動停止制御手段(サブCPU206)は、所定条件を満たした場合、演出図柄表示手段(液晶表示装置32)に表示された複数の演出図柄列(回転リール画像93)を変動させ、検知手段(操作ボタン80)から遊技者の操作を検知するごとに、変動させた複数の演出図柄列(回転リール画像93)のうちの一つを停止させる制御を行い、残余時間算出手段(サブCPU206)は、変動停止制御手段(サブCPU206)により変動された複数の演出図柄列(回転リール画像93)のうちの一つが遊技者の操作によって停止されるごとに、特別図柄表示手段(特別図柄表示装置35)において特別図柄が停止表示されるまでの各々の残余時間を算出し、演出画像記憶手段(画像データROM216)は、残余時間算出手段(サブCPU206)により算出された各々の残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95を記憶していてもよい。
上記の構成によれば、複数の演出図柄列(回転リール画像93)が変動され、遊技者が操作するたびに、複数の演出図柄列(回転リール画像93)のうちの一つが停止される。さらに、演出図柄列(回転リール画像93)が停止されるごとに算出された各々の残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像95が演出画像表示手段(液晶表示装置32)に表示される。これにより、遊技者の停止操作タイミングに応じて演出内容が変化するため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出画像記憶手段(画像データROM216)は、残余時間に応じた複数種類の演出内容に基づく演出画像95を記憶し、演出画像表示手段(液晶表示装置32)は、複数種類の演出内容のうち何れかの演出内容に基づく演出画像95を表示していてもよい。
上記の構成によれば、残余時間に応じた複数種類の演出内容のうち何れかの演出内容に基づく演出画像95が演出画像表示手段(液晶表示装置32)に表示される。これにより、残余時間が毎回同じであった場合でも異なる演出がされるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出図柄表示手段(液晶表示装置32)は、遊技者の操作によって停止された演出図柄94を、演出画像表示手段(液晶表示装置32)により表示された演出画像95とともに表示していてもよい。
上記の構成によれば、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果が、演出画像表示手段(液晶表示装置32)により表示された演出画像95とともに、残余時間において演出図柄表示手段(液晶表示装置32)に表示される。これにより、停止された演出図柄94の結果が停止直後に表示されずに、残余時間において演出画像95とともに表示されるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出図柄表示手段(液晶表示装置32)は、遊技者の操作によって停止された演出図柄94を、残余時間の最後において表示していてもよい。
上記の構成によれば、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果が、残余時間の最後において演出図柄表示手段(液晶表示装置32)に表示される。これにより、停止された演出図柄94の結果が停止直後に表示されずに、残余時間の最後において表示されるため、遊技者の停止された演出図柄94の結果に対する期待感を刺激することができる。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において、演出画像95は、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果を報知する内容を含んでいていてもよい。
上記の構成によれば、遊技者の操作によって停止された演出図柄94の結果を報知する内容が、演出画像95に含まれて演出画像表示手段(液晶表示装置32)に表示される。これにより、停止された演出図柄94の結果が停止直後に表示されずに、残余時間において演出画像95に含まれて表示されるため、遊技者に残余時間における演出を飽きさせることがない。従って、残余時間による間延びした感覚を遊技者に与えることを低減し、遊技者の遊技意欲を持続させることができる場合がある。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機10は、以下の構成を上述の実施の形態における構成に加えて、或いは重複、置き換えて備えていてもよい。
例えば、本実施形態のパチンコ遊技機10は、演出パターンA〜Nの中に特別図柄および演出図柄94の停止結果を報知する、リーチ演出、大当たり演出、およびハズレ演出などの演出内容が含まれているが、これに拘ることも無く、残余時間に応じた演出パターンに加えて、さらに演出図柄94の停止結果に基づいて演出パターンが複数種類用意されていてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域の特定領域を遊技球が通過した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技状態へ移行するか否かの大当たり抽選を行う大当たり抽選手段と、大当たり抽選の結果に基づき、特別図柄を所定期間変動表示した後に停止表示する特別図柄表示手段と、特別図柄とは異なる演出図柄を表示する演出図柄表示手段と、遊技者の操作を検知する検知手段と、所定条件を満たした場合、演出図柄表示手段に表示された演出図柄を変動させ、検知手段から遊技者の操作を検知した場合、変動させた演出図柄を停止させる制御を行う変動停止制御手段と、変動停止制御手段により変動された演出図柄が遊技者の操作によって停止されてから、特別図柄表示手段において特別図柄が停止表示されるまでの残余時間を算出する残余時間算出手段と、残余時間算出手段により算出された残余時間に応じた演出内容に基づく演出画像を記憶する演出画像記憶手段と、残余時間において、演出画像を表示する演出画像表示手段と、を備えることを特徴とするパチンコ遊技機であるが、遊技盤、大当たり抽選手段、特別図柄表示手段、演出図柄表示手段、検知手段、変動停止制御手段、残余時間算出手段、演出画像記憶手段、演出画像表示手段、などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
なお、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。