以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ポータブルゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
まず、図1から図5を用いて、携帯電子機器1の外観を説明する。図1は、本発明の携帯電子機器の一実施形態の概略構成を示す正面図である。また、図2は、図1に示す携帯電子機器の背面図であり、図3は、図1に示す携帯電子機器の側面図であり、図4は、図1に示す携帯電子機器の上面図であり、図5は、図1に示す携帯電子機器のA−A線断面図である。
携帯電子機器1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器1は、筐体2を有し、この筐体2の内部及び表面に各部が配置されている。筐体2は、図1から図4に示すように、箱型形状であり、第1筐体2Aと、第2筐体2Bとを貼り合わせた構造である。第1筐体2Aと第2筐体2Bとは、厚みが薄い板形状であり、夫々の面積が最も広い面同士が向かい合う向きで貼り合わせられている。また、第1筐体2Aと第2筐体2Bとの面積が最も広い面は、同一面積である。また、筐体2(第1筐体2Aと第2筐体2Bと)は、透明な材料で作製されている。ここで、透明な材料とは、光を透過する材料、例えばアクリル樹脂(PMMA)、ポリカードネート(PC)である。また、第1筐体2Aと第2筐体2Bとは、接着剤等で接合されており、接合面は、透明となっている。
筐体2は、外面が、表面(第1主面)3と、表面3に対向する(反対側の面である)裏面4(第2主面)と、表面3と裏面4との間の側面5とで構成されている。なお、第1筐体2Aの面積が最も広い面が表面3となり、第2筐体2Bの面積が最も広い面が裏面4となる。また、側面5は、表面3と裏面4の外縁であり、表面3及び裏面4に平行な方向、つまり図3または図4に示す方向から筐体2を見た場合に見える面である。この筐体2は、中心から端部に向かうにしたがって表面3と裏面4との間隔が短くなる形状である。つまり、筐体2は、図3及び図4に示すように、側面5の断面が曲面となる形状である。
図1に示すように、筐体2(第1筐体2A)の表面3には、シート部6が設けられている。なお、シート部6は、表面3の長手方向において、中央よりも下側(標準的に使用した場合における文字表示方向などを基準として下側となる向き)にオフセットして配置されている。つまり、シート部6は、表面3のうち下側にずれて配置されている。また、シート部6は、短手方向は、略全面に配置されている。このシート部6は、不透明な材料で作製されている。また、シート部6は、可撓性を有し、押されることで変形する。
また、シート部6には、数字キー12、方向及び決定キー13、マイク15、カメラ36が設けられている。数字キー12は、電話番号入力時に数字を入力したり、メール作成時等に文字を入力したりするためのキーであり、シート部6の中央に配置されている。なお、数字キー12は、表面がシート部6に覆われている。方向及び決定キー13は、表示部32に表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するためのキーであり、シート部6の数字キー12よりも上側に配置されている。また、マイク15は、携帯電子機器1の通話時に音声を受け取る部分であり、シート部6の下側で、短手方向の一方の端部(図中左側)に配置されている。さらに、カメラ36は、シート部6の下側で、短手方向の他方の端部(図中右側)に撮影窓が配置されている。さらに、筐体2の表面3の上側には、携帯電子機器1の通話時に音声を発するレシーバ16が設けられている。
次に、図5に示すように、筐体2の内部には、操作基板7と、回路基板8と、タッチパネル14、アンテナ26aと、表示部32と、バッテリ34と、が配置されている。操作基板7は、数字キー12と、方向及び決定キー13とに対面して配置された基板であり、数字キー12と、方向及び決定キー13に入力された操作を検出する検出回路や、検出した入力を後述する主制御部22に送る回路が設けられている。
回路基板8は、後述する主制御部22、記憶部24等の機能を持つ電子部品、例えばCPU、メモリ等が設置されている基板であり、操作基板7よりも裏面4側に配置されている。回路基板8は、表面3に平行な面上において、数字キー12と、方向及び決定キー13が配置されている領域であり、シート部6が配置されている領域内に配置されている。また、回路基板8は、方向及び決定キー13側の一部に、厚みのある回路部材が設けられている。つまり、回路基板8は、方向及び決定キー13側の一部が、他の部分、つまり、マイク15側の部分よりも厚い形状となっている。
次に、アンテナ26aは、筐体2の長手方向において、下側端部近傍に配置されている。具体的には、アンテナ26aは、筐体2の長手方向において、マイク15が配置されている側の端部、つまり、レシーバ16から離れている側の端部に短手方向に伸びて配置されている。また、アンテナ26aは、筐体2の厚み方向において、操作基板7と、回路基板8との間に配置されている。また、アンテナ26aは、表面3に平行な面上において、シート部6が配置されている領域内に配置されている。
バッテリ34は、操作基板7の裏面4側で回路基板8の表面3側、つまり、操作基板7と回路基板8との間に挟まれて配置されている。バッテリ34は、回路基板8のうち厚みが薄い領域と対面している。また、バッテリ34は、筐体2の長手方向において、アンテナ26aよりも上側に配置されている。
表示部32は、筐体2の回路基板8よりも裏面4側に配置されている。また、図1、図2及び図5に示すように、表示部32は、筐体2の長手方向、短手方向の両方向において、裏面4の大部分の領域に配置された板状の部材である。
表示部32は、所定の画像として、携帯電子機器1が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器1の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。表示部32は、例えば、透明液晶モニター等の透明な表示装置であり、反対側が透けて見える。つまり、表示部32は、筐体2の外部から入射した光を通過させ筐体2の外部に射出することが可能となる。表示部32は、透明な表示装置であるため、表示している画像を表面3側、裏面4側の両方から視認することができる。これにより、携帯電子機器1は、表示部32の表面3側の面のうち、シート部6に覆われていない領域を、第1表示面42として用い、表示部32の裏面4側の面の全面を第2表示面44として用いる。つまり、携帯電子機器1は、表面3側から視認可能な第1表示面42と、裏面4側から視認可能な第2表示面44に画像を表示させ、表示部32として使用する。
なお、表示部32のうち、第1表示面42かつ第2表示面44となる領域は、厚み方向に積層されている部材が基本的に透明部材となる。従って、第1表示面42かつ第2表示面44となる領域は、筐体2の外側から見た場合反対側が見える、つまり、透けている状態となる。また、表示部32のうち、第2表示面44のみとなる領域は、表面3側に回路基板8等が配置されている。このため、表示部32を透明に維持すると、裏面4側からは、回路基板8が見える。
タッチパネル14は、表示部32の裏面4側の面に配置されている。タッチパネル14は、裏面4側から入力されるユーザの操作を検出する検出部であり、タッチパネル14のどの部分が指定されているかを検出する。なお、タッチパネル14は、表示部32と対面している領域が透明である。
次に、携帯電子機器1の機能と制御部との関係を説明する。図6は、図1に示す携帯電子機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように携帯電子機器1は、主制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、表示制御部33と、バッテリ34と、カメラ36と、を有する。
主制御部22は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯電子機器1の各種の処理が、操作部28の操作や携帯電子機器1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32等の動作を制御する。主制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。
記憶部24には、主制御部22での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存されている。例えば、記憶部24には、表示部32に表示させる画像を制御するプログラムや、メールの送受信を実行するためのプログラムが保存されている。さらに、記憶部24には、プログラム以外の各種データも記憶されている。例えば、記憶部24には、各種設定条件や、アドレス帳や、文字変換に用いる辞書データや、カメラ(読取部)36で撮影した画像データ等が保存されている。
通信部26は、アンテナ26aを介して、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた数字キー12、方向及び決定キー13、タッチパネル14とで構成される。操作部28は、これらのキーまたはタッチパネル14がユーザの操作により入力されると、その操作内容を主制御部22へ入力する。
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16から出力される音声信号の処理を実行する。
表示部32は、上述したように、透明の表示装置であり、主制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示装置に表示させる。
バッテリ34は、主制御部22等、携帯電子機器1の各部に電力を供給する電力源である。カメラ36は、表面3と対面している撮影領域(一定角度の視野角に含まれる領域)の画像を取得する撮像機構である。カメラ36は、撮影した画像を主制御部22に送る。
このように、携帯電子機器1は、操作基板7と、回路基板8と、アンテナ26aと、バッテリ34とは、数字キー12、方向及び決定キー13と表示部32との間に挟まれた領域、つまり、シート部6と表示部32との間に挟まれた領域に配置されている。したがって、携帯電子機器1を筐体2の表面3側から見た場合、操作基板7と、回路基板8と、アンテナ26aと、バッテリ34とは、本実施形態では、シート部6に隠れて見えない構成となっている。
また、筐体2は、筐体2の側面5における樹脂材料(透明材料)自体の厚さを充分に確保しつつ、側面5を曲面形状とすることで、回路基板8を見ようとして側面5側から筐体2の内部を覗いても、回路基板8が見えない構造となっている。つまり、側面5における樹脂材料を厚くし、かつ、側面5を曲面形状とし、側面5から入射した光を屈折させることで、筐体2の側面5から入射した光が回路基板8に届かない構成となる。
さらに、携帯電子機器1は、筐体2の裏面4側に、表示部32を配置している。これにより、携帯電子機器1は、表示部32に画像を表示させることで、裏面4側からも回路基板8を見えないようにすることができる。
これにより、携帯電子機器1は、筐体2を透明としても、回路基板8等の電子部品を見えないようにすることができ、優れた美観とすることができる。さらに、数字キー12、方向及び決定キー13等の各種キーも配置できるため、操作をしやすくすることができる。
また、数字キー12、方向及び決定キー13が配置されている表面3側に第1表示面42を設けることで、第1表示部42に操作画面を表示させることができる。また、裏面4側により大きい第2表示面44を設けることで、大画面に画像を表示させることができる。また、表示部32を透明表示装置とすることで、1つの表示部32で第1表示面42、第2表示面44の両方に画像を表示させることができる。なお、表示面によって、表示させる画像を判定(選択)させることで、適切な画像を表示させることができる。つまり、主制御部22及び表示制御部33の制御により、使用されている表示面に適切な画像を表示させることができる。また、携帯電子機器1は、表面3に、数字キー12、方向及び決定キー13と、表示面積が小さい第1表示部42とを備え、裏面4に、タッチパネル14と、表示面積が大きい第2表示部44とを備える。これにより、携帯電子機器1の使用用途に応じて、表面3と裏面4とを使い分けることができる。例えば、メール等の数字、文字の入力が多くなる操作は、表面3で行い、画面の拡大や、選択が主の操作となる動画、画像の観賞、操作は、裏面4で行うようにすることができる。これにより、操作性を高くすることができる。
また、筐体2の数字キー12、方向及び決定キー13等の物理キー(所定の位置に固定されており、タッチパネル14のように透明な板状部材ではないキー)が配置されている面に不透明のシート部6を設けることで、より確実に回路基板8を隠すことができる。このような効果を得ることができるため、シート部6は、不透明とすることが好ましいが、これに限定されず、半透明としてもよい。シート部6を半透明とすることで、回路基板8を見えにくくすることができる。シート部6を見えにくくすることで、美観も一定以上高くすることができる。また、シート部6は、本実施形態のように数字キー12の表面を覆うように配置することが好ましい。これにより、数字キー12の表面の外観を1枚のシート状にすることができ、美観に優れた形状とすることができる。また、キーと筺体2との間の隙間が露出しない構成となるため、防水性を高めることができ、筺体2の構造も簡単になる。
また、回路基板8を隠せるため、シート部6を設けることが好ましいが、本発明はこれに限定されず、シート部6を設けなくてもよい。シート部6を設けなくとも、方向及び決定キー13等の物理キーに対応する位置(向かい合う位置)に回路基板8を配置することで、物理キーにより回路基板8を隠すことができる。ここで、物理キーは、凹凸があったり、対応する機能の文字が印刷されていたり、複数のキーに分かれているため、その裏側が見えにくくなっている。これにより、回路基板8を見えにくくすることができる。
なお、物理キーは不透明とすることが好ましい。さらに、物理キーを構成する部分を不透明な部材で形成することが好ましい。これにより、回路基板8を見えにくくすることができる。
携帯電子機器1のように、回路基板8に加え、バッテリ34や、アンテナ26aも物理キーと表示部32との間に配置することが好ましい。これにより、バッテリ34やアンテナ26aも見えにくくすることができる。また、アンテナ26aは、筐体2の端部に設けることが好ましく、特に、筐体2の下側端部(文字の表示方向を基準として下側となる端部)に設けることが好ましい。アンテナ26aを端部に設けることで、他の機器に影響を与えることを抑制しつつ、感度を向上できる。また、アンテナ26aを、筐体の下側端部に設けることで、ユーザが筐体2を握った場合も露出しやすい位置にアンテナ26aを配置することができ、感度を高く維持できる。
また、携帯電子機器1のように、物理キーを筐体2の長手方向において、中心よりも下側(操作時、つまり文字を表示させる向きを基準として下側)にオフセットして配置することで、操作しやすい位置に物理キーと第1表示面42とを配置することができる。つまり、物理キーを操作しているときに物理キーの上に第1表示面が配置されるため、第1表示面を見ながらの操作を行いやすい。
また、本実施形態では、物理キーとして、表面3に、数字キー12を押下したり、方向及び決定キー13を押下したりすることで操作を入力する装置を配置したが、本発明はこれに限定されない。物理キーとしては、トラックボール、方向キー、タッチパッド、光式ポインティングデバイスを用いることができ、表面3には、これらの少なくとも1つを配置すればよい。なお、裏面4には、本実施形態のように、タッチパネル14を設けることが好ましい。これにより、裏面4の第2表示面44に画像を表示させている場合でも操作を入力することができ、操作性を高くすることができる。
また、本実施形態のように、シート部6に、物理キーに加え、マイク15及びカメラ36を配置することで、筐体2の透明部分をより多くすることができ、装置の美観をより向上させることができる。なお、シート部6に配置する装置としては、マイク、カメラに限定されず、レシーバや、スピーカ等、不透明な部分が筐体2から露出している部材は、シート部6に配置することが好ましい。なお、美観を向上させるためには、これらの不透明な部分が筐体から露出している部材は、シート部6上に配置することが好ましいが、必ずしも配置する必要はなく、少なくとも1つを配置することが好ましい。
ここで、携帯電子機器1は、第2表示面44に表示させる画像の設定を、回路基板8と対面している領域と、回路基板8に対面していない領域とで、切り替えることが好ましい。つまり、表示部32のうち、第1表示面42かつ第2表示面44となる領域と、第2表示面44のみとなる領域とで、異なる表示制御を行うことが好ましい。以下、図7−1から図7−4を用いて説明する。ここで、図7−1は、携帯電子機器の表示部の画面を示す説明図である。また、図7−2から図7−4は、表示部に表示させる画像の一例を示す説明図である。
まず、図7−1に示すように、携帯電子機器1の第2表示面44は、画像を表示させていない状態では、第1表示領域50が透明で筐体2の反対側の景色が透けて見え、第2表示領域52に回路基板8が見える。ここで、第1表示領域50は、第1表示面42かつ第2表示面44となる領域であり、第2表示領域52は、第2表示面44のみとなる領域である。
主制御部22は、図7−2に示すように、待受画面を表示させる場合、第1表示領域50は、背景を透明とし、第2表示領域52は、背景を不透明とする。このように、第2表示領域52を不透明、つまり、何かの画像を表示させることで、第2表示領域52の裏面4にある回路基板8を見えないようにしつつ、表示領域50を透けた状態とすることができる。これにより、携帯電子機器1の透明な美観を生かしつつ、回路基板8が見えることを抑制することができる。
なお、図7−2は、待受画面を表示させるときに、第1表示領域50と第2表示領域52とで背景を切り替えるようにしたが、表示させる画像を切り替えるようにしてもよい。具体的には、図7−3に示すように、待受画面を表示させる際に、第2表示領域52のみに画像を表示させ、第1表示領域50には、画像を表示させないようにしてもよい。このようにしても、第1表示領域50を透明に維持したまま、回路基板8が見えることを抑制することができる。なお、主制御部22は、第2表示領域52に優先的に画像を表示させ、表示させる画像が一定の大きさとなったら、第1表示領域50に画像を表示させるようにしてもよい。なお、その場合も背景(壁紙)は、透明とすることが好ましい。
また、図7−2及び図7−3では、待受画面の場合を説明したが、その他のアプリケーションの操作画面、画像を表示させる場合も同様に、第1表示領域50の背景は透明とし、第2表示領域52の背景は不透明とすることが好ましい。例えば、ブラウザを使用し、検索を行った結果の画面を表示させる場合、図7−4に示すように、主制御部22は、第2表示面44に第1表示領域50の背景は透明とし、第2表示領域52の背景は不透明としつつ、検索のキーワードを表示させる検索ボックス53と、検索結果を示す文字情報54とを表示させる。これにより、第1表示領域50に表示される検索ボックス53と、文字情報54は、透明な背景に浮き出したように表示され、第2表示領域52に表示される文字情報54は、不透明な背景の上に表示される。これにより、各種アプリケーションの画面を表示させる場合も、透明な携帯電子機器1の美観を生かしつつ、画像を表示させることができる。
なお、上記実施形態では、いずれも第1表示領域50に表示される背景として壁紙を透明としたがこれに限定されない。主制御部22は、その情報(画像)を表示させるために必要な画像のみを表示させ、その他の画像要素は背景として、第1表示領域50では、表示させずに透明とすればよい。例えば、文字情報を表示させる場合は、文字情報のみを表示させ、その他の画像は表示させないようにすればよい。
次に、上記実施形態では、携帯電子機器1の筐体2の側面5を曲面としたが、本発明はこれに限定されない。ここで、筐体2の側面5は、表面3及び裏面4に平行な方向から筐体2を見たときに、筐体2の内部の回路基板8が見えない(認識できない)、または、見えにくい構成となっていることが好ましく、側面5の少なくとも一部が、表面3に直交する方向に対して傾いていることが好ましい。このように、側面5の少なくとも一部を、表面3に直交する方向に対して傾いている形状、つまり、表面3に直交する面形状ではない形状とすることで、筐体2の内部の回路基板8が見えない(認識できない)、または、見えにくくすることができる。
ここで、図8−1から図8−3は、それぞれ携帯電子機器の他の一例の概略構成を示す上面図である。図8−1に示す携帯電子機器60は、筐体61の側面62が波形状である。このように側面62を波形状とすることで、側面62から筐体60の内部を見えにくくすることができる。図8−2に示す携帯電子機器64は、筐体65の側面66が筐体65の中心に凸の曲面である。このように側面66を筐体65の中心に凸の曲面とすることでも、側面66から筐体64の内部を見えにくくすることができる。図8−3に示す携帯電子機器68は、筐体69の側面70が、表面3に直交する方向に対して筐体69の中心から離れて行く方向に傾いている2つの斜面で構成されている。このように側面70を断面が直線となる形状を組み合わせることでも、側面70から筐体68の内部を見えにくくすることができる。
なお、このように回路基板を見えにくくまたは見えなくできるため、側面の少なくとも一部が、表面3に直交する方向に対して傾いていることが好ましいが、表面3に直交する面としてもよい。また、携帯電子機器は、側面のうち左右方向(長辺側の側面)の側面のみを表面3に直交する方向に対して傾いている形状とすることも好ましい。また、側面のうち、回路基板と対面している部分を表面3に直交する方向に対して傾いている形状とすることも好ましい。このように、側面のうち、回路基板が見えやすい部分、回路基板に近い部分のみを回路基板が見えにくい構成とすることで、携帯電子機器の美観を高くすることができる。
また、本実施形態では、筐体2を表面3側の第1筐体2Aと、裏面4側の第2筐体2Bとに分けたが、これには、限定されない。例えば、筐体は、1つの部材で作製してもよく、また、筐体の上下に分かれる構成としてもよい。また、筐体は、1面が開放された箱と、その箱の開放されている面を塞ぐ蓋とで構成してもよい。さらに、筐体は、3つ以上の部材を接合する構成としてもよい。なお、美観をよくするために、いずれの場合も接合面は、接着剤等で接合し、接合面が透明となるようにすることが好ましい。
また、携帯電子機器1は、バッテリを非接触で充電可能なバッテリ、例えば、電磁誘導型のバッテリとすることが好ましい。バッテリを非接触で充填できるようにすることで、筐体2に充電用の端子を設ける必要がなくなり、筐体2の美観をよりよくすることができる。また、携帯電子機器を防水性の高い携帯電子機器としやすくすることができる。
また、携帯電子機器1は、他の機器とのデータの通信を無線、例えば、赤外線通信、Bluetoothで行うようにすることが好ましい。これにより、データ通信用の端子を設ける必要がなくなり、筐体2の美観をよりよくすることができる。また、携帯電子機器を防水性の高い携帯電子機器としやすくすることができる。
また、上記実施形態では、表示部32を、画像を表示させていない状態では透明としたが、半透明でもよい。半透明でも筐体の向こう側が透けて見えるため、装置の美観を向上させることができる。また、本実施形態では、装置構成が簡単になるため、表示部32を1枚の表示装置で構成したが、2枚の表示装置で構成してもよい。つまり、第1表示面と第2表示面とに異なる表示装置を設けてもよい。