JP5474039B2 - 電気掃除機用の整流子モータ - Google Patents

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本発明は、電気掃除機用の整流子モータに関する。
電気掃除機用の整流子モータは、一般に、30000〜45000r/minという高回転数で使用されるため、電気掃除機用の整流子モータにおける損失の内訳は、ロータの鉄損が支配的となる。この鉄損を減らすためには、ロータコアのティースの長さの短縮と幅の拡大が有効である。一方、整流子モータの高効率化には、占積率(ここでは、スロットの断面積に占める導体面積の割合)を高めることも重要となる。したがって、占積率の向上と鉄損の低減(つまり、ティースの長さの短縮と幅の拡大)とを両立させることが、整流子モータの高効率化に向けた課題となっている。
ティースの長さを短縮するためには、スロット数を増加して、その分1つのスロットに収容する巻線数を減らして整列性を上げればよいが、スロット数の増加は、コイルの始端と終端とを接続する整流子のセグメント数の増加に繋がる。整流子の各セグメントの間隔は、隣接するセグメントにヒュージング(熱カシメ)等により接続した各コイル端間の絶縁性確保のため、ある一定の距離が必要である。一方、整流子の外径は小さい程機械損が低減できるので、現状既に隣接するセグメント間の距離は絶縁性を確保可能な限界近くまで小さくなっているのが一般的であり、セグメント数の増加は困難である。
整流子モータの効率を向上させる技術としては、例えば、ロータのスロットの内側に多数個のリブを設け、これらのリブの間にロータの巻線を一列に巻くことで占積率を高め、高効率化を図る技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、例えば、スロットを軸方向から見て径方向に長い略長方形形状に形成し、セグメント導体(巻線に相当)がスロット内で径方向に並ぶように配置することにより占積率を高め、さらに、セグメント数(21個)に対してスロット数を増加させた(63個)構成が開示されている(例えば、特許文献2)。
特開平03−265454号公報 特開2008−283849号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、スロット内にリブを設けた分だけ占積率が低下するため、高効率化に対する効果が小さい、という問題があった。また、巻線工程において1つのスロット開口部に対して複数のリブ間に巻線を案内する必要があり生産性が悪い、という問題があった。
また、特許文献2に記載された技術では、略U字状に形成された各セグメント導体の端部をスロット間で電気的に接続(溶接)してコイルを形成するようにしているため、接合箇所が多く生産性が悪い、という問題があった。特に、電気掃除機用の整流子モータでは、1つのコイルを形成する際に、5ターン以上の重ね巻が必要であり、接合箇所が極めて多くなるため、電気掃除機用の整流子モータへの適用は困難である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高効率化と高い生産性とを両立可能な電気掃除機用の整流子モータを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる電気掃除機用の整流子モータは、フレームに固定されて界磁の役割を有するステータと、前記ステータの内側に空隙を介して対向配置され、シャフトにより回転自在に支持されて電機子の役割を有するロータとを具備した電気掃除機用の整流子モータであって、前記ロータは、前記シャフトの軸方向に電磁鋼板を複数枚積層固着してなり、巻線が径方向に一列に並び収納される複数のスロットが周方向外周部に沿って等間隔に形成されるロータコアと、前記ロータコアと共に前記シャフトに固定され、前記スロット数の1/n(nは2以上の整数)のセグメントに周方向外周部に沿って等間隔に分割形成された整流子片を複数有して構成される整流子と、互いに所定のスロット間隔離れた一対の前記スロットに渡って前記巻線が所定回数巻回されて1つのコイルが形成され、1スロット間隔で巻回されてn個の前記コイルを形成する1本の前記巻線が互いに隣接する前記セグメント間に接続され形成された前記スロット数の1/nの電機子巻線と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、電気掃除機用の整流子モータの高効率化と高い生産性とを両立することができる、という効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータを適用したブロワモータの概略構成を示す縦断面図である。 図2は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータのロータコアの横断面図である。 図3は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータの整流子の横断面図である。 図4は、図2に示すロータコアのスロット付近の拡大図である。 図5は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータの巻線結線図である。 図6は、実施の形態2にかかる電気掃除機用の整流子モータの巻線結線図である。 図7は、実施の形態3にかかる電気掃除機用の整流子モータにおけるロータコアのスロット付近の拡大図である。 図8は、実施の形態4にかかる電気掃除機用の整流子モータにおけるロータコアのスロット付近の拡大図である。 図9は、従来の整流子モータのロータコアの横断面図の一例を示す図である。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる電気掃除機用の整流子モータについて説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータを適用したブロワモータの概略構成を示す縦断面図である。ブロワモータ1は、大きく分けて、吸い込む力を生むブロワ部2と、そのブロワ部2を駆動する整流子モータ3との2つのユニットからなる。
ブロワ部2は、複数の翼を備えたファン4と、ファン4を覆い、通流する空気を整流子モータ3へ案内するファンガイド5を備え構成される。
整流子モータ3は、フレーム6に固定されて界磁の役割を有するステータ7と、ステータ7の内側に空隙を介して対向し、回転して電機子の役割を有するロータ8とからなる。
ステータ7は、電磁鋼板を複数枚積層固着してなるステータコア9に界磁巻線10が巻装されて構成される。界磁巻線10に電流を流すことによってステータ7の内側に磁界を発生させる。なお、電源が直流の場合は永久磁石を用いることで磁界を発生させても良い。その場合は、ステータコア9を永久磁石に入れ替えて界磁巻線10を廃した構成となる。
ロータ8は、中心にシャフト11を備えてその周りに電磁鋼板を複数枚積層固着してなるロータコア12および整流子13が固定され、ベアリング14,15を介してフレーム6に回転自在に支持される。シャフト11のブロワ部2側の端部16にはファン4が固定されており、ロータ8の回転に伴ってファン4が駆動される。ロータコア12には巻線が巻装されて複数のコイルが形成され、電機子巻線17が形成される。
フレーム6に保持され、バネで整流子13に押し付けられた1対のブラシ19は、電源(図示せず)に接続されており、整流子13を介して電機子巻線17に電流(電機子電流)を供給する。
ステータ7が発生する磁界と電機子電流とによりロータ8に回転トルクが発生する。ロータ8の回転方向を一定にするため、ロータ8の位相に合わせて電機子電流の流れる向きが切り替わるように、電機子巻線17を形成する巻線の始端(巻き始めの端末)および終端(巻き終わりの端末)とセグメント18とがヒュージング(熱カシメ)等により結線されている。
図2は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータのロータコアの横断面図である。また、図3は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータの整流子の横断面図である。
図2に示すように、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータ3のロータコア12は、その中心軸にシャフト11が挿通され、周方向外周部に沿って等間隔に複数のスロット20と複数のティース21とが交互に形成されている。図2では、スロット20およびティース21がそれぞれ44個形成された例を示している。スロット20は、その内壁面に絶縁材24が施され、巻線31が径方向に一列に並び収納されるように形成されている。そして、スロット開口部22に巻線31の脱落防止用のウェッジ23を挿入するための溝が施されている。
また、図3に示すように、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータ3の整流子13は、シャフト11に挿通固定され、周方向外周部に沿って等角度間隔に複数のセグメント18に分割形成された整流子片32を複数有している。各整流子片32には、巻線31を結線するためのヒュージング用フック25が形成されている。図3では、22個のセグメント18に分割形成された整流子片32を22個有する例を示している。
図4は、図2に示すロータコアのスロット付近の拡大図である。本実施の形態では、ロータコア12に形成される各スロット20の幅Wは、上述したように、電機子巻線17を形成する巻線31が径方向に一列に並び収納されるように形成されている。このスロット20の幅Wは、下式(1)で示すように、絶縁材24の厚みTと巻線31の外径Dとの関係式で表すことができる。
W−2T=D+α(但し、α<D) …(1)
ここで、αは巻線31を挿入する際の生産性を考慮した余裕代であり、生産時における巻線装置の位置決め精度や巻線31と絶縁材24との間の摩擦係数により決まる値である。一般的に、生産時における巻線工程にかけるコストを同じとした場合、巻線装置を高速化するためには位置決め精度を犠牲にする必要がある。つまり、生産性を重視する場合には、αの値を大きくし、高効率化を重視して占積率を向上させる場合には、αの値を小さくする。このαの値は、例えば、巻線31の外径Dの10〜20%程度とすればよい。
このように、スロット20を巻線31が径方向に一列に並び収納されるように形成することにより、巻線工程において容易に各スロット20に巻線31を隙間が少なく配置することができ、従来あった巻線位置の不規則さによる無駄な隙間が無くなるので、占積率を向上させることができる。また、隙間が占めていた隙間を詰める分、スロット20の幅Wも小さくなるので、ティース21の幅を大きくすることができる。その反面、スロット20に収納する巻線31の巻回数が等しい場合には、スロット20の長さLが長くなる、すなわち、ティース21の長さが長くなることとなる。
したがって、本実施の形態では、整流子13のセグメント18の数N1とスロット20の数N2との比を、下式(2)で示すような比とする。
N1/N2=1/n(但し、nは2以上の整数) …(2)
このように、スロット数N2をセグメント数N1のn倍とすれば、スロット数N2とセグメント数N1とが等しい場合に比べて、1スロットあたりの巻線31の収納数を1/nとすることができ、スロット20の長さ、すなわち、ティース21の長さも略1/nとすることができる。一方で、ティース21の幅も略1/nとなるので、一概にnの値が大きい方がよいというものではない。したがって、ティース21の長さおよび幅が鉄損に与える影響を考慮して、nの値を設定すればよい。なお、このnの値は、巻線31の外径Dの大きさによっても最適な値が異なる。例えば、巻線31の外径Dが小さい場合には、nの値を大きくする、すなわち、スロット20の数N2を増加させ、巻線31の外径Dが大きい場合には、nの値を小さくする、すなわち、スロット20の数N2を減少させるようにすればよい。
つぎに、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータ3における巻線31の配結線について、図5を参照して説明する。図5は、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータの巻線結線図である。
図5に示す例では、整流子13のセグメント数N1=8、ロータコア12のスロット数N2=24である場合、つまり、セグメント数N1とスロット数N2との比N1/N2が1/3、すなわち、上式(2)においてn=3である場合の巻線結線図を示している。また、図5(a)では全ての巻線31(31−1〜31−8)の結線図を示し、図5(b)ではセグメント18−1から18−2に至る巻線31−1の結線を抜粋して記載している。なお、図5において、実線で示す各巻線31−1〜31−8の経路は、整流子13側から各スロット20に入る経路を示し、破線で示す各巻線31−1〜31−8の経路は、各スロット20から整流子13側に抜ける経路を示している。
本実施の形態では、以下に示す経路で巻線31−1をロータコア12に巻回する。なお、以下の説明では、互いに隣接する各スロット20の周方向中心間の間隔を、「1スロット間隔」としている。例えば、セグメント18−1から線を辿ると、まず、巻線31−1は、整流子13側からスロット20−1を通り、その後、所定のスロット間隔(ここでは、9スロット間隔)離れたスロット20−16を通り整流子13側に抜ける経路を所定回数巻回される。つぎに、巻線31−1は、整流子13側からスロット20−2を通り、その後、所定のスロット間隔離れたスロット20−17を通り整流子13側に抜ける経路を所定回数巻回される。つぎに、巻線31−1は、整流子13側からスロット20−3を通り、その後、所定のスロット間隔離れたスロット20−18を通り整流子13側に抜ける経路を所定回数巻回されて、セグメント18−2に至る。この一連の巻回により、スロット20−1とスロット20−16との間、スロット20−2とスロット20−17との間、およびスロット20−3とスロット20−18との間に渡る3つのコイルが形成される。
つまり、図5に示す例では、巻線31−1の始端をセグメント18−1に接続し、スロット20−1およびスロット20−16を渡る配線経路と、スロット20−2およびスロット20−17を渡る配線経路と、スロット20−3およびスロット20−18を渡る配線経路とをそれぞれ所定回数巻回して3つのコイルを形成し、巻線31−1の終端をセグメント18−2に接続する。この一連の配結線を各セグメント間毎に実施することにより、スロット数N2の1/n個、つまり、セグメント数N1と同数(ここでは、8個)の電機子巻線が形成され、ロータコア12への各巻線31−1〜31−8の巻線工程が完了する。
なお、例えば、上式(2)においてn=2である場合には、各セグメント間毎に、2つのコイルが形成され、上式(2)においてn=4である場合には、各セグメント間毎に、4つのコイルが形成される。つまり、各セグメント間毎に、n個のコイルを形成するようにすれば、セグメント数N1を増加させることなく、スロット数N2を増加させることができる。
また、本実施の形態では、図5に示すように、1つのスロット20に2つのコイルを形成する巻線31が収納されるので、1つのコイルを形成するための巻回数は、1つのスロット20に収納すべき最適な値の1/2とすればよい。
なお、図5に示す例では、各巻線31を所定回数巻回してコイルを形成する一対の各スロット20間の間隔を9スロット間隔としたが、これに限るものではなく、スロット数N2の1/2程度の値とすれば、効率的に回転トルクを発生させることができるのでより好ましい。
以上説明したように、実施の形態1の電気掃除機用の整流子モータによれば、ロータコアに形成される各スロットを巻線が径方向に一列に並び収納されるように形成するようにしたので、巻線工程において容易に各スロットに巻線を配線することができ、且つ、占積率を向上させることができる。
また、整流子のセグメント数N1とロータコアのスロット数N2の比をN1/N2=1/n(nは2以上の整数)とし、スロット数N2をセグメント数N1のn倍とすることにより、スロット数N2とセグメント数N1とが等しい場合に比べて、1スロットあたりの巻線の収納数を1/nとすることができ、スロットの長さ、すなわち、ティースの長さも略1/nとすることができる。したがって、ティースの長さおよび幅が鉄損に与える影響を考慮してnの値を設定すれば、電気掃除機用の整流子モータにおける損失の大半を占める鉄損の低減により、占積率の向上と併せて、更なる高効率化を図ることが可能となる。
また、互いに所定のスロット間隔離れた一対のスロットに渡って巻線が所定回数巻回されて1つのコイルが形成され、1スロット間隔で巻回されてn個のコイルを形成する1本の巻線を、互いに隣接するセグメント間に接続して電機子巻線を形成するようにしたので、この一連の配結線を各セグメント間毎に実施することにより、スロット数N2の1/n個、つまり、セグメント数N1と同数の電機子巻線が形成され、ロータコアの巻線工程が完了するので、各スロットへの配線の容易性と併せて、高い生産性を実現することが可能となる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、1つのスロットに2つのコイルを形成する巻線を収納する構成について説明したが、1つのスロットに収納すべき最適な巻回数が奇数である場合には、1つのスロットに収納する2つのコイルの巻線の巻回数を同数に分割できない。本実施の形態では、1つのスロットに1つのコイルを形成する巻線を収納し、1つのスロットに収納すべき最適な巻回数が奇数であっても対応可能な構成について説明する。なお、実施の形態2にかかる電気掃除機用の整流子モータのロータコアのスロットは、実施の形態1と同一構成であるので、ここでは説明を省略する。
本実施の形態では、整流子13のセグメント18の数N1とスロット20の数N2との比を、下式(3)で示すような比とする。
N1/N2=1/(2m)(但し、mは1以上の整数) …(3)
つぎに、実施の形態1にかかる電気掃除機用の整流子モータ3における巻線31の配結線について、図6を参照して説明する。図6は、実施の形態2にかかる電気掃除機用の整流子モータの巻線結線図である。
図6に示す例では、整流子13のセグメント数N1=8、ロータコア12のスロット数N2=32である場合、つまり、セグメント数N1とスロット数N2との比N1/N2が1/4、すなわち、上式(3)においてm=2である場合の巻線結線図を示している。また、図6(a)では全ての巻線31(31−1〜31−8)の結線図を示し、図6(b)ではセグメント18−1から18−2に至る巻線31−1の結線を抜粋して記載している。なお、図6において、実線で示す各巻線31−1〜31−8の経路は、整流子13側から各スロット20に入る経路を示し、破線で示す各巻線31−1〜31−8の経路は、各スロット20から整流子13側に抜ける経路を示している。
本実施の形態では、以下に示す経路で巻線31−1をロータコア12に巻回する。例えば、セグメント18−1から線を辿ると、まず、巻線31−1は、整流子13側からスロット20−1を通り、その後、所定の奇数スロット間隔(ここでは、13スロット間隔)離れたスロット20−20を通り整流子13側に抜ける経路を所定回数巻回される。つぎに、巻線31−1は、整流子13側からスロット20−3を通り、その後、所定の奇数スロット間隔離れたスロット20−22を通り整流子13側に抜ける経路を所定回数巻回されて、セグメント18−2に至る。この一連の巻回により、スロット20−1とスロット20−20との間、およびスロット20−3とスロット20−22との間に渡る2つのコイルが形成される。
つまり、図6に示す例では、巻線31−1の始端をセグメント18−1に接続し、スロット20−1およびスロット20−20を渡る配線経路と、その配線経路から2スロット間隔離れたスロット20−3およびスロット20−22を渡る配線経路とをそれぞれ所定回数巻回して2つのコイルを形成し、巻線31−1の終端をセグメント18−2に接続する。この一連の配結線を各セグメント間毎に実施することにより、ロータコア12への各巻線31−1〜31−8の巻線工程が完了する。
なお、例えば、上式(3)においてm=1である場合には、各セグメント間毎に、1つのコイルが形成され、上式(3)においてm=3である場合には、各セグメント間毎に、3つのコイルが形成される。つまり、各セグメント間毎に、m個のコイルを形成するようにすれば、セグメント数N1を増加させることなく、スロット数N2を増加させることができる。
本実施の形態では、上式(3)に示すように、スロット数N2は偶数となる。したがって、互いに所定の奇数スロット間隔離れた一対のスロットに渡って巻線31が所定回数巻回されて1つのコイルが形成され、2スロット間隔で巻回されてm個のコイルを形成する1本の巻線31を、互いに隣接するセグメント18間に接続して電機子巻線を形成することにより、スロット数N2の1/(2m)個、つまり、セグメント数N1と同数の電機子巻線が形成され、1つの電機子巻線に対してm個のコイルが形成されるので、スロット数N2のm/(2m)個、つまり、スロット数N2の1/2のコイルが形成される。つまり、各スロット20は、整流子13側から各スロット20に入る経路、あるいは、各スロット20から整流子13側に抜ける経路のいずれか一方となり、各スロット20に対する巻線工程は、それぞれ1回で完了する。
つまり、図6に示すように、1つのスロット20に1つのコイルを形成する巻線31が収納されるので、1つのスロット20に収納すべき最適な巻回数が奇数であっても対応可能であり、また、1つのスロット20に対して2つのコイルを形成する巻線31を収納する実施の形態1よりも高い生産性を実現している。
なお、図6に示す例では、各巻線31を所定回数巻回してコイルを形成する一対の各スロット20間の間隔を13スロット間隔としたが、これに限るものではなく、実施の形態1と同様に、スロット数N2の1/2程度の値とすれば、効率的に回転トルクを発生させることができるのでより好ましい。
以上説明したように、実施の形態2の電気掃除機用の整流子モータによれば、整流子のセグメント数N1とロータコアのスロット数N2の比をN1/N2=1/(2m)(mは1以上の整数)とし、互いに所定の奇数スロット間隔離れた一対のスロットに渡って巻線が巻回されて1つのコイルが形成され、2スロット間隔で巻回されてm個のコイルを形成する1本の巻線を、互いに隣接するセグメント間に接続して電機子巻線を形成することにより、スロット数N2の1/(2m)個、つまり、セグメント数N1と同数の電機子巻線が形成され、1つの電機子巻線に対してm個のコイルが形成されるので、スロット数N2のm/(2m)個、つまり、スロット数N2の1/2のコイルが形成される。つまり、各スロットは、整流子側から各スロットに入る経路、あるいは、各スロットから整流子側に抜ける経路のいずれか一方となり、各スロットに対する巻線工程は、それぞれ1回で完了する。これにより、各スロットにはそれぞれ1つのコイルを形成する巻線のみ収容されるので、1つのスロットに収納すべき最適な巻回数が奇数であっても対応可能となり、また、1つのスロットに2つのコイルを形成する巻線を収納する実施の形態1よりも高い生産性を実現することが可能となる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3にかかる電気掃除機用の整流子モータにおけるロータコアのスロット付近の拡大図である。図7に示すように、本実施の形態では、スロット開口部22がロータコア12の外周面に向かうに従いテーパ状に狭くなるようにしている。なお、スロット開口部22の最小幅は、巻線31の配線容易性を考慮して設定すればよい。
例えば、実施の形態1において図4に示した例では、ウェッジ23をスロット開口部22付近に挿入するための溝が施されているが、この場合、ティース21にその溝の分だけ狭くなる部分が生じる。ティース21は磁路となっており、断面積の小さい部分があると、その部分の磁束密度が高くなり、鉄損が増加して効率が低下することとなる。
本実施の形態では、図7に示すように、スロット開口部22がロータコア12の外周面に向かうに従いテーパ状に狭くなるようにしているため、このテーパ面でウェッジ23が遠心方向に向かう力を受けることができ、さらに、ティース21に幅の狭くなる部分が生じないので、鉄損の増加、延いては効率の低下を抑制することができる。
以上説明したように、実施の形態3の電気掃除機用の整流子モータによれば、スロット開口部がロータコアの外周面に向かうに従いテーパ状に狭くなるようにしているので、テーパ面でウェッジが遠心方向に向かう力を受けることができ、ウェッジおよび巻線の脱落を防止すると共に、鉄損の増加を招くティースの幅狭部分が生じないため、鉄損の増加による効率低下を抑制することができる。
なお、実施の形態3におけるウェッジは、あらかじめスロット開口部の形状に合わせて成型して巻線の配線後に挿入するようにしてもよいし、巻線の配線後にスロット開口部を樹脂で埋めることによりウェッジを形成するようにしてもよい。いずれの場合であっても、上述した効果を得ることが可能である。
実施の形態4.
上述した実施の形態1〜3では、スロット開口部に巻線の脱落防止用のウェッジを備える構成について説明したが、本実施の形態では、このウェッジを省略した構成について説明する。
図8は、実施の形態4にかかる電気掃除機用の整流子モータにおけるロータコアのスロット付近の拡大図である。また、図9は、従来の整流子モータのロータコアの横断面図の一例を示す図である。図8に示すように、本実施の形態では、実施の形態1において説明した図4の構成、あるいは、実施の形態3において説明した図7の構成から、ウェッジ23を省略した構成としている。
図9に示す従来の整流子モータにおいては、スロット20内に収容される巻線31の配線位置に再現性がなくランダムであるため、ロータの加減速等、整流子モータへの外力により巻線31の並びが崩れることがあり、コイルに弛みが生じて巻線31が遠心力でスロット開口部22から外側に脱落するのを防止するため、ウェッジ23を備えるのが一般的である。上述した実施の形態1〜3では、スロット20を巻線31が径方向に一列に並び収納されるように形成することにより、占積率が向上するだけでなく、巻線31の弛みを抑制する効果も有している。したがって、本実施の形態では、図8に示すように、ウェッジ23を省略すると共に、スロット20の長さLが巻線31の収容数と外径Dとの積に略一致するように、スロット20を形成する。これにより、スロット20の長さLを短く、すなわち、ティース21の長さを実施の形態1〜3よりも短くすることができ、電気掃除機用の整流子モータにおける損失の大半を占める鉄損をより低減させることができる。
以上説明したように、実施の形態4の電気掃除機用の整流子モータによれば、一般にスロット開口部に備えるウェッジを省略すると共に、スロットの長さが巻線の収容数と外径との積に略一致するようにスロットを形成することにより、スロットの長さ、すなわち、ティースの長さが実施の形態1〜3よりも短くなるので、鉄損をより低減させることができ、電気掃除機用の整流子モータの更なる高効率化に寄与することができる。
また、本実施の形態では、スロットの長さが巻線の収容数と外径との積に略一致するようにスロットを形成することにより、ロータコアの表面が凹凸の少ない形状になり、風損や風切り音が減るという効果も有している。
さらに、実施の形態3と同様に、巻線の配線後にスロット開口部を樹脂で埋めることによりウェッジを形成するようにしてもよい。これにより、ロータコアの表面がさらに滑らかになり、風損や風切り音をより一層低減させることができる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
1 ブロワモータ
2 ブロワ部
3 整流子モータ
4 ファン
5 ファンガイド
6 フレーム
7 ステータ
8 ロータ
9 ステータコア
10 界磁巻線
11 シャフト
12 ロータコア
13 整流子
14 ベアリング
15 ベアリング
16 シャフト端部
17 電機子巻線
18,18−1〜18−8 セグメント
19 ブラシ
20,20−1〜20−32 スロット
21 ティース
22 スロット開口部
23 ウェッジ
24 絶縁材
25 ヒュージング用フック
31,31−1〜31−8 巻線
32 整流子片

Claims (6)

  1. フレームに固定されて界磁の役割を有するステータと、前記ステータの内側に空隙を介して対向配置され、シャフトにより回転自在に支持されて電機子の役割を有するロータとを具備した電気掃除機用の整流子モータであって、
    前記ロータは、
    前記シャフトの軸方向に電磁鋼板を複数枚積層固着してなり、巻線が径方向に一列に並び収納される複数のスロットが周方向外周部に沿って等間隔に形成されるロータコアと、
    前記ロータコアと共に前記シャフトに固定され、前記スロット数の1/n(nは2以上の整数)のセグメントに周方向外周部に沿って等間隔に分割形成された整流子片を複数有して構成される整流子と、
    互いに所定のスロット間隔離れた一対の前記スロットに渡って前記巻線が所定回数巻回されて1つのコイルが形成され、1スロット間隔で巻回されてn個の前記コイルを形成する1本の前記巻線が互いに隣接する前記セグメント間に接続され形成された前記スロット数の1/nの電機子巻線と、
    を備えることを特徴とする電気掃除機用の整流子モータ。
  2. フレームに固定されて界磁の役割を有するステータと、前記ステータの内側に空隙を介して対向配置され、シャフトにより回転自在に支持されて電機子の役割を有するロータとを具備した電気掃除機用の整流子モータであって、
    前記ロータは、
    前記シャフトの軸方向に電磁鋼板を複数枚積層固着してなり、巻線が径方向に一列に並び収納される複数のスロットが周方向外周部に沿って等間隔に形成されるロータコアと、
    前記ロータコアと共に前記シャフトに固定され、前記スロット数の1/(2m)(mは1以上の整数)のセグメントに周方向外周部に沿って等間隔に分割形成された整流子片を複数有して構成される整流子と、
    互いに所定の奇数スロット間隔離れた一対の前記スロットに渡って前記巻線が所定回数巻回されて1つのコイルが形成され、2スロット間隔で巻回されてm個の前記コイルを形成する1本の前記巻線が互いに隣接する前記セグメント間に接続され形成された前記スロット数の1/(2m)の電機子巻線と、
    を備える
    ことを特徴とする電気掃除機用の整流子モータ。
  3. 前記スロットの開口部は、ロータコアの外周面に向かうに従いテーパ状に狭くなることを特徴とする請求項1または2に記載の電気掃除機用の整流子モータ。
  4. 前記スロットの開口部に前記巻線の脱落防止用のウェッジを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気掃除機用の整流子モータ。
  5. 前記ウェッジは、前記巻線の収容後に前記スロットの開口部を樹脂で埋めて形成されることを特徴とする請求項4に記載の電気掃除機用の整流子モータ。
  6. 前記スロットのロータコア径方向の長さは、前記巻線の収容数と外径との積に略一致することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気掃除機用の整流子モータ。
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