JP5469740B2 - 粉末の表面半径及び/又は粒子密度を求めるための方法 - Google Patents

粉末の表面半径及び/又は粒子密度を求めるための方法 Download PDF

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Description

本発明は、粉末の平均表面半径r及び/又は密度nを求めることに関し、詳細には、高周波電圧が供給される第1の電極と、定電圧に通じる、詳細にはグラウンド電圧に通じる第2の電極との間に形成される体積Vのプラズマ内における、ナノ粉末の平均表面半径r及び/又は密度nを求めることに関する。
ナノ材料の応用に関する開発は増加の一途を辿っている。数例を挙げるにすぎないが、エネルギー、エネルギー用の材料、医療、エレクトロニクス、化粧品及び複合材料のような、数多くの社会経済的な領域にナノ材料が関わることを考えると、次の10年において、ナノ材料の生産によって経済が強く影響を及ぼされることになることを、複数の科学委員会の報告(たとえば、「Rapport AFSSET - les nanomateriaux: effets sur la sante de l'homme et sur l'environnement - juillet 2006」と題するフランス国のAFSSET2006報告等)が示している。これらのナノ材料は、関連する技術に密接に依存する様々な形で現れるであろう。M. C. Roco[M. C. Roco 「International perspective on government nanotechnology funding in 2005」(J. Nanopart. Res. 7(6), pp. 707-712, 2005)]によれば、それらのナノ材料は、以下のように、4つの主な領域に分類することができる。
1−分散及び凝集の両方のナノ構造(エアロゾル、コロイド)を含む、不活性なナノ構造、及びナノ構造を含む材料(コーティング、複合材料のナノ粒子補強材、ナノ構造化金属、ポリマー、セラミック等);
2−生体活性であるナノ構造、医療(又は健康)効果を有するナノ構造(特定された標的およびバイオデバイス等に搬送され、取り込まれる分子等)、及び物理化学的活性を有するナノ構造(3次元トランジスタ、増幅器、アクチュエータ、適応的構造等)を含む、能動的なナノ構造;
3−誘導アセンブリ、3次元ネットワーク、及び階層的アーキテクチャ、ロボティクスのようなナノシステム;及び
4−分子及び原子デバイス、新たに出現する機能等に関連する、分子ナノシステム。
人間活動の全ての分野において、そのようなナノ材料が現在増えている結果として、当然、健康的及び環境的な因果関係に関して疑問が提起されている。雑誌「Technology Review」[www. technologyreview.fr/nano-tech/?id=196]の最近の論文において、このタイプの商品が市場において発売される前に、現時点で必要とされる全ての健康に関する認可を確かに受けている場合であっても、毎日、その調合物(たとえば、家庭用洗剤)を使用することに関連付けられる健康上の問題について言及されている。同様に、カーボンナノ粒子が、マウスの視神経の病変の原因であることが問われている[G. Oberdorster, E. Oberdorster, J. Oberdorster「Concepts of nanoparticle dose metric and response metric」(Environ Health Perspect. 2007, June, 115(6):A290)](G. Oberdorster, University of Rochester)。他の研究によって、フラーレンの存在に関連付けられる問題(E. Oberdorster, Duke University)又はカーボンナノチューブの存在に関連付けられる問題[Chui-Wing Lam, John T. James, Richard McCluskey and Robert L. Hunter, Toxicological Sciences 77, pp. 126-134 (2004)](C. W. Lam, NASA, Houston)が明らかにされている。他の物質もそのリストに定期的に追加されつつある。それにより、必然的に、製品及びその個々の成分が正当であることを確認するために用いられる判定基準の妥当性が注目されている。現在のところ、ナノ材料が正当であることを確認するのに適した方法が存在しないので、ケース−バイーケースに規定が使用されており、それにより、根本的な問題が提起されている。
さらに、マイクロエレクトロニクス産業の製造方法において用いられるプラズマ内にナノ粒子が存在する結果として、デバイス内に回復できない欠陥が生じている。ある特定の部門では、不良率が50%を超える場合もある。その状況は、粉末サイズが0.5μm以上であるという条件で、測定システムが空中を浮遊している粉末を測定することができる無塵室、すなわち、機械が直に接している環境、同じく作業者が直に接している環境にも当てはまる。したがって、気体内でインシチュ(in situ)検出及び測定することに関する必要性が増している。
現時点で実施されている方法の大部分は、光ビームと粉末との間の相互作用に基づく。それらの方法は、光散乱(Lidarを含む)及びレーザ誘起白熱のような、インシチュ測定するための種々のバージョンにおいて見いだすことができる。他のバージョンは、エクスシチュ(ex situ)測定を実行するために、サンプルを収集し、水溶液内に懸濁する必要がある。インシチュで特徴抽出を実行可能にする全ての方法については、関連するシステム(反応器等)の中に光学的にアクセスする必要があり、これは大部分の工業用反応器において利用することができない。さらに、ナノメートルサイズの粉末の場合、散乱断面積が非常に小さくなり、散乱される光の輝度は完全に雑音に埋もれる。結果として、ナノメートルサイズの粉末において信頼性が高い測定を実行するためには、非開扉(non-intrusive)であり、光学的にアクセスする必要がなく、サンプルを取り込む必要がない新規の方法を見つける必要がある。
これらの光学的な技法を利用する数多くの企業が市場に存在し、場合によっては、操作を容易にするために粒子を帯電させるためのシステムに関連する。一例として、それらの技法によれば、粒子を粒径によって分離できるようになる。それにもかかわらず、そのような状況下でも、粉末が取り込まれた場所において、その粉末の濃度に関連付けられる疑問に答えることはできない。そのような企業の中でも、この市場において非常に活動的であるいくつかの企業を挙げることができる。
・GRIMM(独国)
・MALVERN(英国)
・TSI(米国)
・NANOSIGHT(英国)
・NANEUM(英国)
・CILAS(仏国)
それらの企業によって開発された技術は、粒子が予め浸漬されている溶液内で、懸濁された粒子によって光が散乱される(又は回折する)ことを利用する。それにもかかわらず、その技法は、動的光散乱のような、その種々の変形とともに、ナノメートルの粒径範囲内の粒子に作用するときに、散乱断面積に関連付けられる制約を提起する。散乱を用いる場合、散乱輝度はr に比例する。ただし、rは粉末内の粒子の半径である。結果として、散乱は、凝集体の存在に極めて影響を受けやすい。
性能を改善するために、TSIによって、粒子の移動度に基づく別の方法が開発されている。その方法は、走査型移動度粒径測定器(scanning mobility particle sizer:SMPS)として知られており、粒子を粒径によって分類するために、電荷によって、かつ電気的移動度によって粒子を分離できるようにする。最初に、コロナ放電法によって、粒子を帯電させる。SMPS技法によれば、10粒子/cmの濃度を有するエアロゾル内の粒子を測定できるようになる。
その技法をナノメートル粒径範囲内の粒子に対してさらに高感度にするために、TSIによって扱われるCoulterは、レーザ光散乱においてナノ粒子を「見やすく」するために、ナノ粒子の表面上に凝縮する水蒸気の効果を利用する。それにもかかわらず、そのような状況下では、当然に、以下の疑問が投げかけられる:測定されているのは、粒子を「覆っているもの(clad)」のサイズであるのか、その実際の粒径であるのか?
15年以上にわたってGREMI研究所において行なわれた、低圧低温プラズマ内のナノ粒子の形成に関する研究の結果として、検出器手段を提供するために、粉末によって引き起こされる放電特性の変更を利用できることがわかった。この話題に関しては、「Detection of particles of less that 5 nm in diameter formed in an argon-silan capacitively coupled radiofrequency discharge」と題するL. Boufendi等による刊行物(Applied Physics Letters - vol. 79, No. 26 - December 24, 2001)を参照することができる。
それ以来、世界中のいくつかの研究チームが、研究時にその方法を利用してきた。プラズマ内で形成され、浮遊してトラップされたままになる粉末の粒子の粒径及び濃度をインシチュかつリアルタイムに測定するために、その手法を利用している研究はない。
本発明の目的は、プラズマを生成する高周波電圧の振幅と、その高周波電圧が供給される第1の電極の自己バイアス電圧の値とを測定することによって、プラズマ内に浮遊しているナノ粉末の表面半径パラメータr及び/又は粒子密度パラメータnの値を求めることを可能にする方法を提供することである。
高周波電圧によって駆動される第1の電極と、定電圧であるグラウンド電圧に通じる第2の電極との間に形成される体積Vのプラズマ内に浮遊しているサンプル内における、粉末の粒子の平均表面半径r及び/又は密度nを求める方法であって、
であることを特徴とし、ここで、
RFは、前記プラズマ内に前記粉末が存在する場合の、前記第1の電極に供給される前記高周波電圧の測定瞬間tにおける振幅を示し、
RF(0)は、前記プラズマ内に粉末が存在しない場合の、前記第1の電極に供給される前記高周波電圧の振幅を示し、
DCは、前記プラズマ内に前記粉末が存在する場合の、瞬間tにおける前記第1の電極の自己バイアス電圧を示し、
DC(0)は、前記プラズマ内に粉末が存在しない場合の、前記第1の電極の自己バイアス電圧を示し、
ΔAは、粉末無しの状況に対する、粉末が存在する場合の瞬間tにおける前記第2の電極の表面積の変動を示し、AB0及びAM0は、粉末が存在しない場合の前記電極の実効表面積を示し、
n及びKの値は、実験データを用いて、ΔA及びVRFの関数としてrを与える曲線をプロットすることによって、較正によって求められ、該実験データは、VRF、VRF(0)、VDC及びVDC(0)を測定することによって、かつ前記曲線上で回帰法を実行することによって、既知の粒径を有する粉末から得られ、
αは放電の表面特性であり、A+A=αΠであり、
及びAは電極の実効表面積であり、α=r +r である、
方法を提供する。
前記プラズマは、電気的に陽性なプラズマ又はエア・プラズマである。前記第1の電極及び前記第2の電極は、既に存在する装置の一部を形成することもできるし、吸引手段が設けられた測定セル内に配置することもできる。
本発明は、本方法を実施するためのデバイスであって、該デバイスが、
第1の電極及び第2の電極に電圧を供給して、前記電極間に延在する体積V内に前記プラズマを発生させる高周波発生器と、
前記高周波電圧VRF及び前記自己バイアス電圧VDCを測定するためのデバイスと、
を備えることを特徴とする、デバイスも提供する。
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の説明を読むと、より深く理解することができる。
本発明を実施するためのデバイスの図である。 低圧低温プラズマ内のナノ粉末が成長する間に自己バイアス電圧及び電子密度が如何に変化するかを示す図である。 それらと放電電流の3次高調波の振幅との相関を示す図である。 ナノ粉末が形成される間の高周波励起電圧のピーク−ピーク振幅VRFの経時的な変化を示す図である。 自己バイアス電圧(VDC)及び放電電流の大きさによってナノ粉末の合成が如何に制御されるかを示す図である。 プラズマ内に形成されるナノ粉末のナノ粒子の写真である。 粉末粒子又は粉末粒子の凝集体が存在する際の、Φとn−nと電子温度の変化との関係を示す図である。 ナノ粉末が成長する間の関係VRF×T=一定を示す図である。 ナノ粉末が成長する間の関係VRF×T=一定を示す図である。 ナノ粉末が成長する間の関係VRF×T=一定を示す図である。 メートルで表される、既知の線型化されたrと、本方法により計算によって求められた計算されたrとの間の関係を示す図である。 計算によって求められた既知の粉末の半径r(nm)と、直に測定され計算によって推定された粒子密度との間の関係を示す図である。 計算によって求められた既知の粉末の半径r(nm)と、直に測定され計算によって推定された粒子密度との間の関係を示す図である。 高周波電圧VRF及び/又は自己バイアス電圧VDCを測定するためのデバイスの好ましい実施形態を示す図である。
以下の説明において用いる用語を以下に記載する。
本発明は、低圧(すなわち、圧力P<1mbar)における低温プラズマ(すなわち、kT≦10eV、ただしkはボルツマン定数である)に特に当てはまる。
同様に、後の説明から明らかであるように、その測定方法は差動法であるので、そのプラズマは陽性プラズマ(たとえば、アルゴンプラズマ)又はエア・プラズマとすることができる。
図1を参照すると、本発明によれば、プラズマは、電力に関してサーボ制御されるRF容量放電によって、プラズマ反応器内で開始される。振幅VRFの高周波励起電圧を供給するための高周波発生器との容量性結合は、それ自体が既知であるLチューニングボックスによって得られる。電極間にプラズマが確立されると、励起電圧を受信する電極Bにおいて、自己バイアス電圧VDCが自然に発現する。電極Mは一般的に接地される。
プラズマ内に粉末粒子が現れると(成長することによって、又は実際に注入されることによって)、プラズマの特性が変化する。これらの変化の中でも、電子密度の低下、電子温度の上昇、及びVDC(図2及び図3)及びVRF(図4)の変化を観測することができる。
粉末が成長する種々の段階において粉末を検出するこの方法は、シリカ(SiO)の基板上にナノ粉末を堆積することによって実証された。それは、プラズマ状態にある気体内での粉末核形成及び成長を伴う。核形成及び成長は、反応種、すなわちラジカル(分子のフラグメント)を伴う従来の反応から生じ、ラジカルは、プラズマエッチングの生成物である、たとえばSiF(ただし、x=1、2又は3)によって、又は実際にはプラズマスパッタリングの生成物によって、シラン又はメタン等の反応性分子を解離させることによって生成される。
これらのメカニズムは研究されており、以下の刊行物において要約される:Andre Bouchoule他(Pure and Appl. chem., vol. 68, No.5, pp. 1121-1126 (1996))。
図5は、時間tにおいてナノ結晶凝集段階を開始する前後において、粉末合成の制御が可能であることを示す。
これらの曲線は、プラズマ内での固体粒子の存在を示す。さらに、得られる効果間の相互相関を研究することによって、プラズマ内にトラップされる単粒径(又は単分散)サンプルの粒径及び/又は粒子密度の測定方法を開発することが可能となる。この方法によれば、プラズマ内に粉末が現れることによって引き起こされる励起電圧及び自己バイアス電圧VDCの変化の測定値からサンプルを解析できるようになるので、この方法は比較的簡単である。
考慮に入れられるVRFの値が、本来的にVRF励起電圧の振幅であることと、考慮に入れられるVDCの値が、グラウンドに対する電極Bの電位の平均値であることとが、この時点で指定される。
測定範囲
粒径:数ナノメートルから数マイクロメートル(たとえば、2nm〜10μm)の直径に及ぶ範囲内の粉末の、粒子又は凝集体の平均表面半径rを求める。
粒子密度:粒子密度の範囲は、サンプルを構成する粉末の粒子の粒径に依る。実験から、VDCを10mVの精度で測定できる場合、解析可能な炭素粉末粒子の最小質量は、1μg未満である。このしきい値は、10nmの半径を有する粒子の場合には10粒子/cmに相当し、1μmの半径を有する粒子の場合には10粒子/cmに相当する。上記で与えられた図は、VDCにおける最小の検出可能な変化である10mVを用いて得られたので、より感度の高い測定電子機器を用いることによって、このしきい値を下げることが可能である。
方法の実証
従来のプラズマだけに関連する、すなわち粉末粒子を含まないプラズマに関連する、E, Kawamuraによる刊行物[E. Kawamura, V. Vahedi, M. A. lieberman及びC. K. Birdsall「Ion energy distributions in RF sheaths; review, analysis, and simulation」(Plasma Source Sci. Technol. 8, R45-R64, 1999), IOP Publishing Ltd]から、瞬間tにおいて次のことが当てはまる。
したがって、プラズマと電極との間の電荷交換の実効表面積は、次のように表すことができる。
ただし、αは放電の表面特性である。
結果として、次の式が成り立つことが明らかである。
言い換えると、プラズマと2つの電極のうちの一方との間の電荷交換の実効表面積の変化は、プラズマと他方の電極との間の電荷交換の表面積の変化によって補償される。
この時点で、本発明との関連では、δ及びδがそれぞれ、粉末が存在しない場合の比AB0/AM0及び粉末が存在する場合の比A/Aと見なされ、A=AB0+ΔAと、A=AM0+ΔAとが成り立つ。これにより、次の式が与えられる。
電極Bの表面積の変化は、プラズマ内にトラップされた粉末の累積的な表面積に関連付けられる。したがって次の式が成り立つ。
ただし、rmin及びrmaxは、粉末内に存在する粒子の半径rの最小値及び最大値を示す。
全て同じ粒径を有する球状の粒子を含む、単分散されたサンプル(図6に示される)の場合、次の式が当てはまる。
さらに、プラズマ内の粒子の存在は、大部分が電気的に中性であるプラズマについての式を変更する。結果として次の式が当てはまる。
プラズマ内に浸漬される粉末の粒子又は凝集体を、一方のプレートが浮遊電位(粒子の表面における電位)にあり、他方のプレートがプラズマの電位にある球面コンデンサーであると見なすことによって、粉末の各粒子に付着する電子の数Zは、粒子の半径と、プラズマと粉末の各粒子との間の(平均)電位差|Φ|との関数として表すことができる(ガウスの定理)。
上記の2つの式から、サンプルの「粒径×密度」の積を表すことができる。
式8及び式11を関連付けることによって、次の式が得られる。
これらの式は、プラズマ内にトラップされた粉末のサンプルの平均表面半径r及び粒子密度nの決定を可能にする方法を提供する。それでも、その方法では電子密度及びイオン密度を知る必要があり、さらには、|Φ|を求めるのに大きな影響を及ぼす平均電子温度も知る必要があるので、実施するのはかなり難しい。
これらのパラメータは、低圧低温プラズマ状態にあるシリコン又は炭素ナノ粉末の成長中に変化する。
これらの測定値から、かつ以下の曲線から明らかであるように、次の式が当てはまる。
ただし、T(0)は、粉末を含まない場合のプラズマの電子温度であり、Tは、粉末が存在する場合の瞬間tにおける電子温度である。
図7は、粉末が存在する場合の|Φ|、n−n、及び電子温度の変化の関係を示す。
さらに、図8a〜図8cにおいて明らかであるように、図8a及び図8bは、それぞれTの変化及びVRFの変化を示し、図8cは積VRF×Tを示しており、高周波発生器の電力に応じたサーボ制御のために、次のことが当てはまる:ナノ粉末の成長中に、VRF×T=一定である。ただし、Tは瞬間tにおける電子温度を示し、T(0)は粉末が存在しない場合(瞬間0)の電子温度を示す。
したがって次の式が当てはまる。
最後に、次の式が当てはまる。
ここで、VDC及びVRFは、瞬間tにおける自己バイアス電圧の値及び励起電圧の値を示し、VDC(0)及びVRF(0)は、粉末が存在しない場合(瞬間0)の、同2つの値を表す。
したがって、較正されるべき2つの定数:n及びKが存在する。これは、既知の直径を有する粒子から構成される粉末の、種々の較正済みサンプルを解析することによって果たすことができる。粒子密度に関する不確定性がプラズマの推定体積Vに関連付けられることも観測することができる。
較正
Ar+CHプラズマにおいて、直径が10nm〜100nmの範囲にある既知の値rの、既知の粒径を有する炭素ナノ粉末粒子を成長させるか、又は直径が既知の粒子を有する他の粉末が用いられる。VRF(r)及びVDC(r)がわかると、次をプロットすることができる。
その後、線形回帰法を用いてn及びKを求めることができる。この線形回帰はrについての計算された値を与え、それはrD−fitで表される。
次のことがわかる。
この関係を検証するために、本方法によって計算される半径と、VDCから得られる線型化された半径(図9を参照されたい)との間に実際に線形な関係があることを観測するために、r=f(rD−fit)、すなわち既知の値rと本発明によって計算される値との間の関係をプロットすることができ、それにより、電極間に導入され未知のパラメータを有する粉末についてのr及び/又はnの決定に用いることが可能な、n及びKについての値の妥当性を検証することができる。
図10及び図11は、凝集体が形成される20秒の成長期間中の、粉末の半径r及び粒子密度nの変化を同時に示す。
本発明の方法によれば、そのような曲線は、最初の瞬間(粉末を導入する前)から開始して、電圧VRF及びVDCの瞬時値が測定されるにつれてプロットできるようになる。
は、Kと、nと、励起電圧と、ΔAとに依存する。K及びnは較正によって求められ、ΔAは電圧VDC及びVRFに依存する。
はプラズマの体積Vにも依存し、その値は、2つの電極間で利用可能な体積に概ね等しいと推定される。
図12は、電位VRF及び自己バイアス電位VDCを測定するための回路の一実施形態を示しており、その回路は、チューニングボックスからの出力において電極Bに接続される。この回路は、プラズマ形成の妨害を避けるように、非常に高いインピーダンス(実際には、>500kΩ、好ましくは、>1MΩ)を与えて設計される。それは、組み込まれる測定デバイスをオプションで含む、任意の既存のデバイスに接続するのに適している。工業用装置において現時点で使用されている測定デバイスは精度を欠いているので、一般的に本発明の方法にとって適していない。
・VDCを測定する:RCタイプのローパスフィルタを用いて、自己バイアス電圧が測定される。出力VDCをオシロスコープ又は電圧測定デバイスに接続するために用いられる、BNCタイプの同軸ケーブルの浮遊容量(〜30pF)によってコンデンサが構成されるので、コンデンサーは図中には示されていない。
・VRFを測定する:測定コンデンサC8に結合されるショットキータイプの高速ダイオードを用いるピーク検出を用いて、電極Bに印加される電圧の振幅が測定される。信号の直流成分を除去するために、ダイオードの前方にハイパスフィルタ(R7、C5)が配置される。フィルタの前方に配置することができる分圧器ブリッジ(R5、R6)が、ダイオードを過電圧から保護するための役割を果たす。
・さらに、電極Bの電位を妨害するのを避けるために、これら2つの測定回路が高い入力インピーダンスを与えることが重要である。また、回路に接続されるオシロスコープチャネルについて、高い入力インピーダンス(1MΩ)を選択するように気を付ける必要もある。
測定回路は、上記した式に基づいて表面半径r及び/又は粒子密度nを計算するためのモジュールに関連付けることができる。
本発明の方法は、低圧プラズマ状態にあるナノ粉末の出現及び成長に適用することができ、また、注入又は吸引されるナノ粉末にも適用することができる。本発明は、詳細には、
・マイクロエレクトロニクスにおいて用いられるプラズマ反応器の粒子汚染を監視することに適用される:したがって、デバイスは、封止されたデバイスについて用いることができ、検出器をプラズマ反応器内にインシチュ配置することができる。
・反応器及び他の種類の装置が設置される無塵室を監視することに適用され、それにより、作業員を保護することができるようになる。この目的のために、粉末が吸引されて電極間に現れるようにし、空気中でプラズマが得られる。
・空気中で形成されるプラズマを用いて、研究所又は作業場内の環境の監視に適用される。

Claims (10)

  1. 高周波電圧によって駆動される第1の電極と、定電圧であるグラウンド電圧に通じる第2の電極との間に形成される体積Vのプラズマ内に浮遊しているサンプル内における、粉末の粒子の平均表面半径r及び/又は密度nを求める方法であって、
    ここで、
    RFは、前記プラズマ内に前記粉末が存在する場合の、前記第1の電極に供給される前記高周波電圧の測定瞬間tにおける振幅を示し、
    RF(0)は、前記プラズマ内に粉末が存在しない場合の、前記第1の電極に供給される前記高周波電圧の振幅を示し、
    DCは、前記プラズマ内に前記粉末が存在する場合の、瞬間tにおける前記第1の電極の自己バイアス電圧を示し、
    DC(0)は、前記プラズマ内に粉末が存在しない場合の、前記第1の電極の自己バイアス電圧を示し、
    ΔAは、粉末無しの状況に対する、粉末が存在する場合の瞬間tにおける前記第の電極の表面積の変動を示し、AB0及びAM0は、粉末が存在しない場合の前記第1及び第2の電極の実効表面積を示し、
    n及びKの値は、実験データを用いて、ΔA及びVRFの関数としてrを与える曲線をプロットすることによって、較正によって求められ、該実験データは、VRF、VRF(0)、VDC及びVDC(0)を測定することによって、かつ前記曲線上で回帰法を実行することによって、既知の粒径を有する粉末から得られることを特徴とする方法。
  2. 前記プラズマは、電気的に陽性なプラズマであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記プラズマは、エア・プラズマであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、吸引手段が設けられたセル内に配置されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実施するためのデバイスであって、該デバイスが、
    第1の電極及び第2の電極に電圧を供給して、前記電極間に延在する体積V内に前記プラズマを発生させる高周波発生器と、
    前記高周波電圧VRF及び前記自己バイアス電圧VDCを測定するためのデバイスと、
    を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実施するためのデバイス。
  6. 前記高周波電圧VRFを測定するための前記デバイスは、ピーク検出器を形成するショットキーダイオードの上流に配置されるハイパスフィルタ(R7、C5)を含むことを特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記デバイスは、前記ハイパスフィルタの上流に分圧器ブリッジ(R5、R6)を含むことを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
  8. 前記自己バイアス電圧VDCを測定するための前記デバイスは、ローパスフィルタを含むことを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. 前記ローパスフィルタは、抵抗器(R2)及びコンデンサを与え、該コンデンサは、該抵抗器(R2)と直列に接続されるケーブルの静電容量によって構成されることを特徴とする、請求項8に記載のデバイス。
  10. 前記デバイスは、請求項1の式に従って前記表面半径r及び/又は前記粒子密度nを計算するためのモデルを含むことを特徴とする、請求項5〜9のいずれか一項に記載のデバイス。
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