JP5469635B2 - 遠心ファン、成型用金型および流体送り装置 - Google Patents

遠心ファン、成型用金型および流体送り装置 Download PDF

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Description

この発明は、一般的には、遠心ファン、成型用金型および流体送り装置に関し、より特定的には、空気調和機や空気清浄機などに用いられる遠心ファン、その遠心ファンの製造に用いられる成型用金型およびその遠心ファンを備える流体送り装置に関する。
従来の遠心ファンについて、たとえば、特開平5−106591号公報には、送風効果を向上させることを目的とした送風機用シロッコファンが開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された送風機用シロッコファンは、複数の羽根が等間隔で放射状かつリング状に配設されて形成されている。各羽根には、シロッコファンの中空部分から導入された空気を送風するためのサブブレードが設けられている。
また、特開2009−28681号公報には、気流の循環効率を高めることにより、風量を増大させることなく、室内の空気環境の改善効果を大きく高めることを目的とした空気清浄機が開示されている(特許文献2)。特許文献2に開示された空気清浄機においては、室内の空気を取り入れるための吸い込み口と、吸い込み口から取り入れられた空気中に存在する塵埃などを除去するエアフィルタと、エアフィルタで処理された空気を室内に送り出す吹き出し口と、空気を吸い込み口から吹き出し口まで移動させる送風機とを備えて構成されている。送風機には、シロッコファンが用いられている。
特開平5−106591号公報 特開2009−28681号公報
近年、地球環境の保全のため、家庭用の電気機器のさらなる省エネルギ化が求められている。たとえば、空気調和機(エアーコンディショナ)や空気清浄機といった電気機器の効率は、それに内包される送風機の効率に大きく依存することが知られている。また、送風機に回転物体として設けられたファンブレードの重量を軽量化することにより、ファンブレードを回転駆動するためのモータの消費電力が低減し、送風機または流体送り装置としての効率が向上することが知られている。
しかしながら、ファンブレードの断面形状として採用される翼型(aerofoil)は、そもそも航空機の翼への適用を想定しており、主に航空工学分野において見い出されたものである。このため、翼型のファンブレードは、主に高レイノルズ数領域で最適化されており、家庭用の空気調和機や空気清浄機といった低レイノルズ数領域で用いられるファンブレードの断面としては、必ずしも適切であるとは言えない。
また、ファンブレードの断面形状として翼型や二重円弧が採用される場合、ファンブレードの前縁から30〜50%の範囲に厚肉部が存在する。このため、ファンブレードの重量が大きくなり、回転時の摩擦損失などが増大する原因となる。しかしながら、単にファンブレードを軽量化するだけでは、ファンブレードの強度が低下し、割れやその他の品質不良が発生するおそれがある。
以上の理由から、家庭用の空気調和機や空気清浄機といった電気機器の省エネルギ化のため、低レイノルズ数領域で用いられるファンブレードとして適切な翼断面形状が求められている。また、揚抗比が高く、かつ、薄くて軽く、強度が高い、翼断面形状が求められている。
送風機に用いられるファンとしては、ファンの回転中心側からその半径方向に空気を送り出す遠心ファンがある。その遠心ファンの用途の代表的な例として、空気調和機が挙げられる。家庭用の電気機器のさらなる省エネルギ化が求められる中、空気調和機の低消費電力化は優先順位が高い。この空気調和機の低消費電力化のため、風量を増加させたいといった要請がある。風量を増加させると熱交換器の蒸発や凝縮の性能が増加し、その分、圧縮機の消費電力を低減することができる。しかしながら、風量を増加させると、ファンの消費電力は増大するため、圧縮機における消費電力の低減分とファンの消費電力の増大分との差し引きが低消費電力化された分となり、ファンの風量を増加する効果を最大限に得ることはできない。また、ファンの風量を増加させる手段として、同じファンで回転数を上げる場合、空気調和機の騒音が増大してしまう。
また、遠心ファンの用途の他の例として、空気清浄機が挙げられる。空気清浄機の要請として、集塵能力の増加すなわち風量増加と、低騒音化とがあるが、これら2つの間には二律背反の関係がある。このような課題に対して、上述の特許文献2に開示された空気清浄機においては、吹き出し口から送り出される空気の流れ方向を適当な角度に設定することにより、空気清浄機の吸い込み口および吹き出し口からの騒音を大幅に低減し、さらに風量を増加して集塵能力を大幅に向上させている。
しかしながら、さらなる集塵能力の増加すなわち風量増加と、低騒音化との要請があり、これらを満足するためには、空気清浄機の吸い込み口および吹き出し口からの騒音の低減だけでなく、空気を送り出す遠心ファンの騒音を根本的に低減しなければならない。また、風量増加のためには、遠心ファンの回転数を高める必要がある。遠心ファンの回転数を高める場合、ファンに対する入力の低減が必要である。また、ファンブレードの強度を、遠心ファンの回転数の増加に伴って生じる遠心力の増大に打ち勝つほどに増大させる必要がある。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、優れた送風能力を発揮する遠心ファン、その遠心ファンの製造に用いられる成型用金型およびその遠心ファンを備える流体送り装置を提供することである。
この発明に従った遠心ファンは、周方向に互いに間隔を隔てて設けられる複数の羽根部を備える。羽根部は、空気が流入する前縁部と、空気が流出する後縁部とを有する。羽根部には、前縁部と後縁部との間で延在する翼面が形成される。翼面は、遠心ファンの回転方向の側に配置される正圧面と、正圧面の裏側に配置される負圧面とからなる。羽根部は、遠心ファンの回転軸に直交する平面により切断された場合に、正圧面および負圧面に凹部が形成される翼断面形状を有する。羽根部は、前縁部と後縁部との間で延びる翼断面形状の中心線が複数箇所で屈曲してなり、後縁部よりも前縁部に近い領域に配置される屈曲部を有する。凹部は、屈曲部により形成される。屈曲部は、前縁部と後縁部とを結ぶ方向において、折れ方向が交互に反対方向となるように形成される。
このように構成された遠心ファンによれば、遠心ファンの回転時に、前縁部から流入し、翼面を通過し、後縁部から流出する空気流れが発生する。この際、凹部に空気流れの渦(2次流れ)が生成されることによって、翼面を通過する空気流れ(主流)は、凹部に生じた渦の外側に沿って流れる。これにより、羽根部は、渦が形成された分だけ翼断面形状が厚肉化された厚肉翼のような挙動を示す。結果、遠心ファンの送風能力を向上させることができる。また、屈曲部により形成された凹部に空気流れの渦が生成されるため、遠心ファンの送風能力を向上させることができる。また、前縁部の近傍において凹部による上記効果が生じ、高い揚力を発生させることができる。また、屈曲部の形成により、前縁部の近傍において羽根部の強度を向上させることができる。
また好ましくは、屈曲部は、少なくとも1箇所凹部の深さが羽根部の厚みよりも大きくなるように屈曲する。このように構成された遠心ファンによれば、凹部に空気流れの渦をより確実に生成することができる。
また好ましくは、凹部は、遠心ファンの回転軸方向における翼面の一方端から他方端にまで延びて形成される。このように構成された遠心ファンによれば、遠心ファンの回転軸方向における翼面の一方端から他方端にまで延びて形成される凹部に、空気流れの渦が生成されるため、遠心ファンの送風能力をより効果的に向上させることができる。
また好ましくは、凹部は、正圧面および負圧面に、前縁部と後縁部とを結ぶ方向において繰り返し現れるように形成される。このように構成された遠心ファンによれば、正圧面および負圧面に繰り返し現れる凹部に空気流れの渦が生成されるため、遠心ファンの送風能力をより効果的に向上させることができる。
また好ましくは、正圧面に形成される凹部が、負圧面において凸部を構成し、負圧面に形成される凹部が、正圧面において凸部を構成する。このように構成された遠心ファンによれば、正圧面および負圧面に凹部が形成される翼断面形状を容易に得ることができる。
また好ましくは、翼断面形状において、凹部は翼面に現れる凸部間に形成される。凹部と凸部とは、前縁部と後縁部とを結ぶ方向において交互に並んで形成される。このように構成された遠心ファンによれば、凸部間に形成された凹部に空気流れの渦が生成されるため、送風能力をより効果的に向上させることができる。
また好ましくは、羽根部は、前縁部と後縁部との間でほぼ一定の厚みの翼断面形状を有する。このように構成された遠心ファンによれば、ほぼ一定の厚みの翼断面形状を有する羽根部を用いた場合であっても、送風能力を向上させることができる。
また好ましくは、遠心ファンは、樹脂により形成される。このように構成された遠心ファンによれば、軽量かつ高強度の樹脂製の遠心ファンを実現することができる。
この発明に従った成型用金型は、上述に記載の遠心ファンを成型するために用いられる。このように構成された成型用金型によれば、軽量かつ高強度の樹脂製の遠心ファンを製造することができる。
この発明に従った流体送り装置は、上述のいずれかに記載の遠心ファンと、遠心ファンに連結され、複数の羽根部を回転させる駆動モータとから構成される送風機を備える。このように構成された流体送り装置によれば、送風能力を高く維持しつつ、駆動モータの消費電力を低減することができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、優れた送風能力を発揮する遠心ファン、その遠心ファンを備える成型用金型およびその遠心ファンを備える流体送り装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1における遠心ファンを示す斜視図である。 図1中のII−II線上に沿った遠心ファンの断面図である。 図2中のファンブレードの翼面上で生じる現象を模式的に表わした図である。 この発明の実施の形態2における遠心ファンを示す断面図である。 図1中の遠心ファンの第1変形例を示す断面図である。 図1中の遠心ファンの第2変形例を示す断面図である。 図1中の遠心ファンの第3変形例を示す断面図である。 図1中の遠心ファンの第4変形例を示す断面図である。 図1中の遠心ファンの第5変形例を示す断面図である。 図1中の遠心ファンの製造時に用いられる成型用金型を示す断面図である。 図1中の遠心ファンを用いた送風機を示す断面図である。 図11中のXII−XII線上に沿った送風機を示す断面図である。 図1中の遠心ファンを用いた空気清浄機を示す断面図である。 本実施例において、遠心ファンの風量と駆動用のモータの消費電力との関係を示すグラフである。 本実施例において、遠心ファンの風量と騒音値との関係を示すグラフである。 本実施例において、遠心ファンの圧力流量特性を示すグラフである。 図16中の各風量における静圧効率(静圧×風量/入力)を示すグラフである。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における遠心ファンを示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った遠心ファンの断面図である。
図1および図2を参照して、本実施の形態における遠心ファン10は、複数のファンブレード21を有する。遠心ファン10は、全体として略円筒形の外観を有し、複数のファンブレード21は、その略円筒形の側面に配置されている。遠心ファン10は、樹脂により一体に形成されている。遠心ファン10は、図1中に示す仮想上の中心軸101を中心に、矢印103に示す方向に回転する。
遠心ファン10は、回転する複数のファンブレード21によって、内周側から取り込んだ空気を外周側に送り出すファンである。遠心ファン10は、遠心力を利用して、ファンの回転中心側からその半径方向に空気を送り出すファンである。遠心ファン10は、シロッコファンである。遠心ファン10は、家庭用の電気機器などのファンに適用される低レイノズル数領域の回転数で使用される。
遠心ファン10は、支持部としての外周枠12および外周枠13をさらに有する。外周枠12,13は、中心軸101を中心に環状に延在して形成されている。外周枠12と外周枠13とは、中心軸101の軸方向に距離を隔てて配置されている。本実施の形態では、外周枠13に、遠心ファン10を駆動モータに連結するためのボス部16が一体に形成されている。
複数のファンブレード21は、中心軸101を中心とする周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。複数のファンブレード21は、中心軸101を中心とする周方向において等間隔に配置されている。複数のファンブレード21は、中心軸101の軸方向における両端において、外周枠12および外周枠13によって支持されている。ファンブレード21は、外周枠13上に立設され、外周枠12に向けて中心軸101の軸方向に沿って延びるように形成されている。
複数のファンブレード21は、互いに同一形状を有する。ファンブレード21は、前縁部26および後縁部27を有する。前縁部26は、ファンブレード21の内周側の端部に配置されている。後縁部27は、ファンブレード21の外周側の端部に配置されている。ファンブレード21は、前縁部26から後縁部27に向けて中心軸101を中心とする周方向に傾斜して形成されている。ファンブレード21は、前縁部26から後縁部27に向けて遠心ファン10の回転方向に傾斜して形成されている。
ファンブレード21には、正圧面25および負圧面24からなる翼面23が形成されている。正圧面25は、遠心ファン10の回転方向の側に配置され、負圧面24は、正圧面25の裏側に配置されている。遠心ファン10の回転時、翼面23上で空気流れが発生するのに伴って、正圧面25で相対的に大きく、負圧面24で相対的に小さくなる圧力分布が生じる。ファンブレード21は、正圧面25側が凹となり、負圧面24側が凸となるように、前縁部26と後縁部27との間で全体的に湾曲した形状を有する。
図2中には、遠心ファン10の回転軸である中心軸101に直交する平面で切断した場合のファンブレード21の翼断面形状が示されている。
ファンブレード21は、中心軸101の軸方向のいずれの位置で切断されても同一の翼断面形状を有するように形成されている。ファンブレード21は、薄肉の翼断面形状を有するように形成されている。ファンブレード21は、前縁部26と後縁部27との間でほぼ一定の厚み(正圧面25と負圧面24との間の長さ)を有するように形成されている。
ファンブレード21は、翼面23の正圧面25に凹部56が形成され、翼面23の負圧面24に凹部57が形成される翼断面形状を有する。
より具体的には、正圧面25には、複数の凹部56(凹部56p,56q)が形成されている。正圧面25には、複数の凸部51(凸部51p,51q,51r)がさらに形成されている。凸部51は、遠心ファン10の回転方向に向けて突出して形成されている。互いに隣り合って配置された凸部51間の谷部分によって、凹部56が形成されており、たとえば、凸部51pと凸部51qとの間の谷部分によって凹部56pが形成されている。凹部56と凸部51とは、前縁部26と後縁部27とを結ぶ方向において交互に並んで形成されている。凹部56は、略V字状の断面形状を有する。
負圧面24には、複数の凹部57(凹部57p,57q)が形成されている。負圧面24には、複数の凸部52(凸部52p,52q,52r)がさらに形成されている。凸部52は、遠心ファン10の回転方向とは反対方向に向けて突出して形成されている。互いに隣り合って配置された凸部52間の谷部分によって、凹部57が形成されており、たとえば、凸部52pと凸部52qとの間の谷部分によって凹部57pが形成されている。凹部57と凸部52とは、前縁部26と後縁部27とを結ぶ方向において交互に並んで形成されている。凹部57は、略V字状の断面形状を有する。
凹部56と凸部52とは、それぞれ、正圧面25および負圧面24の表裏対応する位置に形成されており、凸部51と凹部57とは、それぞれ、正圧面25および負圧面24の表裏対応する位置に形成されている。本実施の形態では、正圧面25に形成される凹部56が、負圧面24において凸部52を構成し、負圧面24に形成される凹部57が、正圧面25において凸部51を構成する。正圧面25および負圧面24において表裏対応して形成される凹部および凸部は、互いに同一の断面形状を有する。
本実施の形態では、正圧面25に形成される凹部と、負圧面24に形成される凹部とが、同数である。これに限らず、正圧面25に形成される凹部が負圧面24に形成される凹部よりも多い数であってもよいし、負圧面24に形成される凹部が正圧面25に形成される凹部よりも多い数であってもよい。
凹部56,57は、中心軸101の軸方向に沿って延びる溝形状をなす。凹部56,57からなる溝部は、中心軸101の軸方向におけるファンブレード21の一方端と他方端との間で連続的に延びて形成されている。凹部56,57からなる溝部は、中心軸101の軸方向におけるファンブレード21の一方端と他方端との間で直線状に延びて形成されている。
図2中には、ファンブレード21の翼断面形状の厚み方向(正圧面25と負圧面24とを結ぶ方向)における中心線106が示されている。ファンブレード21は、ファンブレード21の翼断面形状の中心線106が前縁部26と後縁部27との間の複数箇所で屈曲する屈曲部41を有する。凹部56,57は、その屈曲部41により形成されている。
本実施の形態では、屈曲部41が前縁部26の近傍に配置されており、その結果、凹部56,57が前縁部26の近傍に形成されている。より具体的には、凸部51pが前縁部26に形成され、凹部56pおよび凸部52pと、凸部51qおよび凹部57pと、凹部56qおよび凸部52qと、凸部51rおよび凹部57qと、凸部52rとが、凸部51pから挙げた順に連続的に並んで形成されている。凹部56,57は、中心線106の全長を前縁部26と後縁部27との間で2等分した場合に、前縁部26に近い側に形成されている。
屈曲部41は、少なくとも1箇所で、凹部56,57の深さTがファンブレード21の厚みtよりも大きくなるように屈曲する。屈曲部41は、前縁部26と後縁部27とを結ぶ方向において、折れ方向が交互に反対方向となるように形成されている。
ファンブレード21は、前縁部26に相対的に近い領域に折れ角度が大きい屈曲部41を有し、前縁部26に相対的に遠い領域に折れ角度が小さい屈曲部41´を有する。ファンブレード21は、後縁部27に隣接する領域に、後縁部27から前縁部26に向かって湾曲しながら延びる湾曲部43を有する。
図3は、図2中のファンブレードの翼面上で生じる現象を模式的に表わした図である。図1から図3を参照して、遠心ファン10を回転させると、図1中の矢印102に示すように、前縁部26から流入し、翼面23上を通過して、後縁部27から流出する空気流れが発生する。この際、翼面23に形成された凹部56,57に空気流れの渦32(2次流れ)が生成されることによって、翼面23上を通過する空気流れ31(主流)は、凹部56,57に生じた渦32の外側に沿って流れる。
これにより、ファンブレード21は、薄肉の翼断面形状を有するにもかかわらず、渦32が形成された凹部56,57の深さの分だけ翼断面形状が厚肉化された厚肉翼のような挙動を示す。この結果、凹部56,57が形成された前縁部26の近傍で生じる揚力を大幅に増大させることができる。また、屈曲部41による屈曲構造によってファンブレード21の強度を向上させることができる。この結果、遠心ファン10の強度に対する信頼性を向上させることができる。
以上に説明した、この発明の実施の形態1における遠心ファン10の構造についてまとめて説明すると、本実施の形態における遠心ファン10は、周方向に互いに間隔を隔てて設けられる複数の羽根部としてのファンブレード21を備える。ファンブレード21は、空気が流入する前縁部26と、空気が流出する後縁部27とを有する。ファンブレード21には、前縁部26と後縁部27との間で延在する翼面23が形成される。翼面23は、遠心ファン10の回転方向の側に配置される正圧面25と、正圧面25の裏側に配置される負圧面24とからなる。ファンブレード21は、遠心ファン10の回転軸としての中心軸101に直交する平面により切断された場合に、正圧面25および負圧面24にそれぞれ凹部56および凹部57が形成される翼断面形状を有する。
このように構成された、この発明の実施の形態1における遠心ファン10によれば、家庭用の電気機器などのファンに適用される低レイノズル数領域において、ファンブレード21の回転に伴って生じる揚力を大幅に増大させることができる。これにより、遠心ファン10の駆動のための消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態における遠心ファン10においては、屈曲部41によってファンブレード21の強度を向上させつつ、その分だけファンブレード21を薄肉化することができる。これにより、遠心ファン10を軽量化したり、低コスト化したりすることができる。以上の理由により、揚抗比が高く、かつ、薄くて軽く、強度が高い翼断面形状を有する遠心ファン10を実現することができる。
(実施の形態2)
図4は、この発明の実施の形態2における遠心ファンを示す断面図である。図4は、実施の形態1における図2に対応する図である。本実施の形態における遠心ファンは、実施の形態1における遠心ファン10と比較して、基本的に同様の構造を備える。以下、重複する構造についてはその説明を繰り返さない。
図4を参照して、本実施の形態では、ファンブレード21が、翼面23の正圧面25に凹部66が形成され、翼面23の負圧面24に凹部67が形成される翼断面形状を有する。
正圧面25には、複数の凸部61(凸部61p,61q)がさらに形成されている。凸部61は、遠心ファンの回転方向に向けて突出して形成されている。凸部61pと凸部61qとの谷部分によって、凹部66が形成されている。凹部66と凸部61とは、前縁部26と後縁部27とを結ぶ方向において交互に並んで形成されている。凹部66は、一辺が開口された略矩形の断面形状を有する。凹部66は、略矩形の断面形状を規定する底面と一対の側面とから形成されており、底面から遠ざかるに従って一対の側面間の距離が徐々に増大する形状を有する。
負圧面24には、複数の凸部62(凸部62p,62q)がさらに形成されている。凸部62は、遠心ファンの回転方向とは反対方向に向けて突出して形成されている。凸部62pと凸部62qとの間の谷部分によって凹部67が形成されている。凹部67と凸部62とは、前縁部26と後縁部27とを結ぶ方向において交互に並んで形成されている。凹部67は、略V字状の断面形状を有する。
凹部66,67は、ファンブレード21の翼断面形状の中心線106が前縁部26と後縁部27との間の複数箇所で屈曲する屈曲部41により形成されている。
本実施の形態では、屈曲部41が前縁部26と後縁部27との間の翼中央部に配置されており、その結果、凹部66,67が翼中央部に形成されている。より具体的には、凹部66および凹部67は、それぞれ、中心線106の全長方向において、前縁部26および後縁部27から所定の長さだけ離れた位置に形成されている。ファンブレード21は、前縁部26に隣接する領域に、前縁部26から後縁部27に向けて湾曲しながら延びる湾曲部42を有し、後縁部27に隣接する領域に、後縁部27から前縁部26に向かって湾曲しながら延びる湾曲部43を有する。凹部66および凹部67は、湾曲部42と湾曲部43との間に形成されている。
屈曲部41は、前縁部26と後縁部27とを結ぶ方向において、折れ方向が連続して同じ方向となる箇所を含み、この箇所の屈曲部41によって、略矩形の断面形状を有する凹部66が形成されている。
凹部66,67がファンブレード21の翼中央部に形成される場合、翼中央部で生じる気流の剥離を抑制するという効果がさらに得られる。これにより、遠心ファンで発生する広帯域騒音を効果的に抑制することができる。
このように構成された、この発明の実施の形態2における遠心ファンによれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1における遠心ファン10の各種変形例について説明する。
図5は、図1中の遠心ファンの第1変形例を示す断面図である。図5を参照して、ファンブレード21は、翼面23の正圧面25に凹部76が形成され、翼面23の負圧面24に凹部77が形成される翼断面形状を有する。正圧面25には、複数の凹部76が形成されている。正圧面25には、複数の凸部71がさらに形成されている。隣り合う凸部71間の谷部分によって、凹部76が形成されている。負圧面24には、複数の凹部77が形成されている。負圧面24には、複数の凸部72がさらに形成されている。隣り合う凸部72間の間の谷部分によって凹部77が形成されている。
本変形例では、凹部76および凹部77が、一辺が開口された略矩形の断面形状を有する。正圧面25に形成される凹部76が、負圧面24において凸部72を構成し、負圧面24に形成される凹部77が、正圧面25において凸部71を構成する。
ファンブレード21は、前縁部26と後縁部27との間でほぼ一定の厚みを有する。凹部76,77が、ファンブレード21の翼断面形状の中心線106が前縁部26と後縁部27との間の複数箇所で屈曲する屈曲部41により形成されている。屈曲部41は、折れ方向が2回連続して同じ方向となり、次に2回連続してその反対方向となるサイクルを複数回、繰り返すように形成されている。
本変形例に一例を示すように、翼面23に形成される凹部の断面形状は、V字状に限られず、矩形形状やその他の形状を有してもよい。
図6は、図1中の遠心ファンの第2変形例を示す断面図である。図6を参照して、本変形例では、凹部76と凹部77とが、それぞれ、正圧面25および負圧面24の表裏対応する位置に形成されており、凸部71と凸部72とが、それぞれ、正圧面25および負圧面24の表裏対応する位置に形成されている。ファンブレード21は、前縁部26と後縁部27との間で、凹部76および凹部77が形成された位置で相対的に小さく、凸部71および凸部72が形成された位置で相対的に大きくなる厚みを有する。
本変形例に示すように、ファンブレード21は前縁部26と後縁部27との間で異なる厚みを有してもよい。また、正圧面25および負圧面24間で、凹部76,77と凸部71,72とが互いにずれた位置に形成されてもよい。
図7は、図1中の遠心ファンの第3変形例を示す断面図である。図7を参照して、本変形例では、凹部76と凸部72とが、それぞれ、正圧面25および負圧面24の表裏対応する位置に形成されており、凸部71と凹部77とが、それぞれ、正圧面25および負圧面24の表裏対応する位置に形成されている。ファンブレード21は、凹部76および凸部72が形成された位置と、凸部71および凹部77が形成された位置との間で、互いに等しくなる厚みを有する。
本変形例に示すように、本発明は、正圧面25に形成される凹部76が負圧面24において凸部72を構成し、負圧面24に形成される凹部77が正圧面25において凸部71を構成する構造に限られない。
図8は、図1中の遠心ファンの第4変形例を示す断面図である。図4を参照して、本変形例では、ファンブレード21は、全体として、前縁部26の近傍で最も厚みが大きくなり、その位置から後縁部27に向かうに従って厚みが徐々に小さくなる、翼型(aerofoil)の翼断面形状を有する。ファンブレード21には、その翼型に延在する翼面23の表面から凹むように凹部76,77が形成されている。
本変形例に一例を示すように、ファンブレード21は、全体として薄肉の断面形状を有する構造に限られず、翼型や他の断面形状を有してもよい。ファンブレード21は、図5中に示すように、凹部76および凹部77を屈曲部41によって形成する構造に限られず、本変形例のように、凹部76および凹部77を平面状もしくは湾曲面状に延在する翼面23を部分的に凹ませることによって形成する構造であってもよい。
図9は、図1中の遠心ファンの第5変形例を示す断面図である。図9を参照して、本変形例では、凹部76,77が、ファンブレード21の翼断面形状の中心線106が前縁部26と後縁部27との間の複数箇所で折れ曲がる屈曲部41により形成されている。屈曲部41は、丸みを帯びるように折れ曲がって形成されている。ファンブレード21は、S字状の翼断面形状を有する。翼面23(正圧面25および負圧面24)は、前縁部26と後縁部27との間で連続的に湾曲しながら延在している。
本変形例に示すように、凹部76,77を形成する屈曲部41は、角部をなすように折れ曲がって形成される場合のみならず、丸みを帯びるように折れ曲がって形成されてもよい。
このように構成された、この発明の実施の形態3における遠心ファンによれば、実施の形態1に記載の効果を同様に得ることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、図1中の遠心ファン10の製造時に用いられる成型用金型、図1中の遠心ファン10を用いた送風機および空気清浄機について説明を行なう。
図10は、図1中の遠心ファンの製造時に用いられる成型用金型を示す断面図である。図10を参照して、成型用金型110は、固定側金型114および可動側金型112を有する。固定側金型114および可動側金型112により、遠心ファン10と略同一形状であって、流動性の樹脂が注入されるキャビティ116が規定されている。
成型用金型110には、キャビティ116に注入された樹脂の流動性を高めるための図示しないヒータが設けられてもよい。このようなヒータの設置は、たとえば、ガラス繊維入りAS樹脂のような強度を増加させた合成樹脂を用いる場合に特に有効である。
図11は、図1中の遠心ファンを用いた送風機を示す断面図である。図12は、図11中のXII−XII線上に沿った送風機を示す断面図である。図11および図12を参照して、送風機120は、外装ケーシング126内に、駆動モータ128と、遠心ファン10と、ケーシング129とを有する。
駆動モータ128の出力軸は、遠心ファン10のボス部16に連結されている。ケーシング129は、誘導壁129aを有する。誘導壁129aは、遠心ファン10の外周上に配置される略3/4円弧によって形成されている。誘導壁129aは、ファンブレード21の回転により発生する気流をファンブレード21の回転方向に誘導しつつ、気流の速度を増大させるように形成されている。
ケーシング129には、吸い込み部130および吹き出し部127が形成されている。吸い込み部130は、中心軸101の延長上に位置して形成されている。吹き出し部127は、誘導壁129aの一部から誘導壁129aの接線方向の一方に開放されて形成されている。吹き出し部127は、誘導壁129aの一部から誘導壁129aの接線方向の一方に突出する角筒形状をなしている。
駆動モータ128の駆動により、遠心ファン10が矢印103に示す方向に回転する。このとき、空気が吸い込み部130からケーシング129内に取り込まれ、遠心ファン10の内周側空間131から外周側空間132へと送り出される。外周側空間132に送り出された空気は、矢印104に示す方向に沿って周方向に流れ、吹き出し部127を通じて外部に送風される。
図13は、図1中の遠心ファンを用いた空気清浄機を示す断面図である。図13を参照して、空気清浄機140は、ハウジング144と、送風機150と、ダクト145と、(HEPA:High Efficiency Particulate Air Filter)フィルタ141とを有する。
ハウジング144は、後壁144aおよび天壁144bを有する。ハウジング144には、空気清浄機140が設置された室内の空気を吸い込むための吸い込み口142が形成されている。吸い込み口142は、後壁144aに形成されている。ハウジング144には、さらに、清浄空気を室内に向けて放出する吹き出し口143が形成されている。吹き出し口143は、天壁144bに形成されている。一般的に、空気清浄機140は、後壁144aを室内の壁に対向させるようにして壁際に設置される。
フィルタ141は、ハウジング144の内部において、吸い込み口142と向い合って配置されている。吸い込み口142を通じてハウジング144内部に導入された空気は、フィルタ141を通過することによって、異物が除去され、清浄空気とされる。
送風機150は、室内の空気をハウジング144内部に吸引するとともに、フィルタ141により清浄された空気を、吹き出し口143を通じて室内に送り出すために設けられている。送風機150は、遠心ファン10と、ケーシング152と、駆動モータ151とを有する。ケーシング152は、誘導壁152aを有する。ケーシング152には、吸い込み部153および吹き出し部154が形成されている。
ダクト145は、送風機150の上方に設けられ、清浄空気をケーシング152から吹き出し口143に導く導風路として設けられている。ダクト145は、その下端が吹き出し部154に連なり、その上端が開放された角筒形をなす形状を有する。ダクト145は、吹き出し部154から吹き出された清浄空気を、吹き出し口143に向けて層流に誘導するように構成されている。
このような構成を備える空気清浄機140においては、送風機150の駆動により、ファンブレード21が回転し、室内の空気が吸い込み口142からハウジング144内に吸い込まれる。このとき、吸い込み口142および吹き出し口143間に空気流れが発生し、吸い込まれた空気に含まれる塵埃等の異物は、フィルタ141により除去される。
フィルタ141を通過して得られた清浄空気は、ケーシング152内部に吸い込まれる。この際、ケーシング152内に吸い込まれた清浄空気は、ファンブレード21周りの誘導壁152aによって層流となる。層流とされた空気は、誘導壁152aに沿って吹き出し部154に誘導され、吹き出し部154からダクト145内に送風される。空気は、吹き出し口143から外部空間に向けて放出される。
このように構成された、この発明の実施の形態4における空気清浄機140によれば、送風能力に優れた遠心ファン10を用いることによって、駆動モータ151の消費電力を低減させることができる。これにより、省エネルギ化に貢献可能な空気清浄機140を実現することができる。
なお、本実施の形態では、空気清浄機を例に挙げて説明したが、この他に、たとえば、空気調和機(エアーコンディショナ)や加湿機、冷却装置、換気装置などの流体を送り出す装置に、本発明における遠心ファンを適用することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、図1中に示す遠心ファン10と、翼面23に凹部および凸部が形成されていないファンブレードを備える比較のための遠心ファンとを、それぞれ、図13中に示す空気清浄機140に組み込み、その空気清浄機140を用いて行なった各種の実施例について説明する。
以下に説明する実施例では、φ200mmの直径、70mmの高さを有する遠心ファン10および比較のための遠心ファンを用い、ファンブレード21の大きさや配置など、凹部および凸部の有無を除いた形状は同一とした。
図14は、本実施例において、遠心ファンの風量と駆動用のモータの消費電力との関係を示すグラフである。図14を参照して、本実施例では、遠心ファン10を用いた場合と、比較のための遠心ファンを用いた場合とのそれぞれにおいて、風量を変化させながら、各風量における駆動用のモータの消費電力を測定した。測定の結果、遠心ファン10は、比較のための遠心ファンと比較して、同一風量における駆動用のモータの消費電力が低減することを確認できた。
図15は、本実施例において、遠心ファンの風量と騒音値との関係を示すグラフである。図15を参照して、本実施例では、遠心ファン10を用いた場合と、比較のための遠心ファンを用いた場合とのそれぞれにおいて、風量を変化させながら、各風量における騒音値を測定した。測定の結果、遠心ファン10は、比較のための遠心ファンと比較して、同一風量における騒音値が低減することを確認できた。
図16は、本実施例において、遠心ファンの圧力流量特性を示すグラフである。図16を参照して、図中には、一定回転数における遠心ファン10および比較のための遠心ファンの圧力流量特性(P:静圧−Q:風量)が示されている。図17は、図16中の各風量における静圧効率(静圧×風量/入力)を示すグラフである。
図16および図17を参照して、遠心ファン10は、比較のための遠心ファンと比較して、同一回転数におけるP−Q特性が向上した。また、同一風量時における静圧効率が向上し、モータ効率が大幅に改善された。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、主に、空気清浄機や空気調和機などの送風機能を有する家庭用の電気機器に適用される。
10 遠心ファン
12、13 外周枠
16 ボス部
21 ファンブレード
23 翼面
24 負圧面
25 正圧面
26 前縁部
27 後縁部
31 空気流れ
32 渦
41 屈曲部
42、43 湾曲部
51、52、61、62、71、72 凸部
56、57、66、67、76,77 凹部
101、106 中心線
110 成型用金型
112 可動側金型
114 固定側金型
116 キャビティ
120、150 送風機
126 外装ケーシング
127、154 吹き出し部
128、151 駆動モータ
129、152 ケーシング
129a、152a 誘導壁
130、153 吸い込み部
131 内周側空間
132 外周側空間
140 空気清浄機
141 フィルタ
142 吸い込み口
143 吹き出し口
144 ハウジング
144a 後壁
144b 天壁
145 ダクト

Claims (5)

  1. 空気が流入する前縁部と、空気が流出する後縁部とを有し、周方向に互いに間隔を隔てて設けられる複数の羽根部を備え、
    前記羽根部には、前記前縁部と前記後縁部との間で延在し、遠心ファンの回転方向の側に配置される正圧面と、前記正圧面の裏側に配置される負圧面とからなる翼面が形成され、
    前記羽根部は、遠心ファンの回転軸に直交する平面により切断された場合に、前記正圧面および前記負圧面に凹部が形成される翼断面形状を有し、
    前記羽根部は、前記前縁部と前記後縁部との間で延びる前記翼断面形状の中心線が屈曲してなる屈曲部を有し、
    前記凹部は、前記屈曲部により形成され
    前記凹部は、
    前記前縁部と前記後縁部とを結ぶ方向において、前記屈曲部の折れ方向が交互に反対方向となるように形成されてなる第1の凹部と、
    前記屈曲部の折れ方向が連続して同じ方向となる箇所を含むように形成されてなる第2の凹部とを含む、遠心ファン。
  2. 前記第2の凹部は、前記後縁部よりも前記前縁部に近い領域に配置される、請求項1に記載の遠心ファン。
  3. 空気が流入する前縁部と、空気が流出する後縁部とを有し、周方向に互いに間隔を隔てて設けられる複数の羽根部を備え、
    前記羽根部には、前記前縁部と前記後縁部との間で延在し、遠心ファンの回転方向の側に配置される正圧面と、前記正圧面の裏側に配置される負圧面とからなる翼面が形成され、
    前記羽根部は、遠心ファンの回転軸に直交する平面により切断された場合に、前記正圧面および前記負圧面に凹部が形成される翼断面形状を有し、
    前記羽根部は、前記前縁部と前記後縁部との間で延びる前記翼断面形状の中心線が屈曲してなる屈曲部を有し、
    前記凹部は、前記屈曲部により形成され、
    前記前縁部側に形成される前記凹部は、前記後縁部側に形成される前記凹部よりも多い数である、遠心ファン。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の遠心ファンを、樹脂により成型するために用いられる、成型用金型。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の遠心ファンと、前記遠心ファンに連結され、複数の前記羽根部を回転させる駆動モータとから構成される送風機を備える、流体送り装置。
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