JP5469284B1 - 三相4線式電力量計 - Google Patents
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Abstract
Description
三相4線式電力量計では、通信機能と負荷の開閉機能を備えた電力量計である三相4線式スマートメーターを例に説明する。図1は実施の形態1における三相4線式スマートメーターのバイパスタンパリングの検出原理を説明する図で、その(a)はバイパスタンパリングがない正常時を示し、その(b)はバイパスタンパリング時を示す。図2は実施の形態1における三相4線式スマートメーターの内部回路構成を示すブロック図である。図1において、電流Ir,Is,It,Inは、電源(Y結線)とスマートメーターとを接続するR相配電線,S相配電線,T相配電線,中性線(中性配電線)をそれぞれ流れるベクトル量であるR相電流,S相電流,T相電流,N相電流である。スマートメーターにおける1S,2S,3S,0Sは、電源側配電線,中性線にそれぞれ接続される端子、1L,2L,3L,0Lは負荷側配電線,中性線にそれぞれ接続される端子である。Ir,Is,It,Inにおいて、Δtは電流変化が発生した時間帯である。なお、以下で、タンパリングは、バイパスタンパリングを示すものとする。
Ir+Is+It=In ----- I式
Ir=Ira+Irb ----- II式
II式より三相4線式スマートメーター内部に流れる電流Iraは、正常時に比べIrb分減少するため、三相4線式スマートメーターで計測される電力量も小さくなり、需要家(家庭や工場など)の支払う電気料金が不正に軽減される。
正常時 ・・・ Ir+Is+It−In=0・・ I’式
タンパリング時 ・・・ Ira+Is+It−In≠0・ III式
I’式とIII式の違いにより、タンパリングの検知は、各相電流の位相を検出し、ベクトル合成することで、タンパリングの検出は可能だが、位相検出を行う場合、演算ソフトウェアの処理が複雑になる問題がある。そのため、実施の形態1のスマートメーターでは、位相検出を行わないでタンパリングの検出を行う。
すなわち、
||Ir+Is+It|−|In||>D1 ----- IV式
であるか否か判定する。IV式が成立しないときは、スタートに戻り、繰り返し、ステップS11を実行し判定する。繰り返し周期は、例えは、100m sec程度である。IV式が成立すると、タンパリングが発生したと判定する(ステップS12)。
また、I式、II式により、次のとおり、例えばR相バイパス時のタンパリング電流Irbを算出することができる。
|Irb|=||Ira+Is+It|−|In|| ----- V式
但し、Iraはバイパスタンパリング時の電流検出部1によるR相配電線の計測電流、|Ira+Is+It|はIra,IsとItをベクトル合成したものの絶対値、|In|はN相電流の絶対値である。
図4は実施の形態2の三相4線式スマートメーターによるタンパリング検出手順を示すフローチャートである。タンパリング発生時の各相電流の変化については、図1を参照しながら説明する。I式より、N相に流れる電流Inは、R相,S相,T相に流れる電流に依存しているため、正常時(a)、例えばR相に流れる電流Irが変化するとInも変化する。しかし、タンパリング時(b)による分流は、タンパリング箇所で発生するのみであり、配電線に流れる電流は変化しないため、Inは変化しない。
|Ir|−|Ira|>E2,
|Is|−|Isa|>E2,or
|It|−|Ita|>E2 ----- VI式
R相,S相,T相のいずれかで前記式が成立しなければ、スタートに戻り、ステップS21を繰り返し行う。繰り返し周期は、例えば100msec程度である。なお、タンパリング判定前のR相,S相,T相,N相に流れるベクトル量である相電流Ir,Is,It,Inは、電流検出部1で測定され、演算制御部5を経由して記憶部7に100msecの4倍程度の期間記憶されている。タンパリング判定後(判定時)のR相,S相,T相,N相に流れるベクトル量である相電流で、メーター内部に流れる相電流Ira, Isa,Ita,Inaは電流検出部1で測定され、演算制御部5に入力される。
||Ina|−|In||<F2 ----- VII式
であるか否か判定し、成立すれば、タンパリングが発生したと判定する(ステップS23)。
図5は実施の形態3の三相4線式スマートメーターによるタンパリング検出手順を示すフローチャートである。実施の形態1及び実施の形態2では、次のとおり、それぞれにメリットとデメリットがある。
実施の形態1:
メリット R相,S相,T相の各相電流をベクトル合成しているため、各相で発生する負荷変動による電流変化にも対応できる。
デメリット 各相間の位相差を120°としているため、各相に接続されている負荷により位相差が異なる場合、図3のステップS11でのベクトル合成値と実際の負荷電流のベクトル合成値に差が発生し、正常接続時にも関わらずタンパリングを誤検出する可能性がある。
実施の形態2:
メリット 各相毎の電流を監視するため、各相間の位相差に依存せず、タンパリングの監視が可能である。
デメリット R相,S相,T相の各相の電流変化時のN相電流変化を監視しているため、負荷変動による電流変化が発生する環境下では、R相,S相,T相の各相の電流変化とN相の電流変化が同時に発生し、正常接続時にも関わらずタンパリングを誤検出する可能性がある。
すなわち、
||Ir+Is+It|−|In||>D3 ----- IV式
であるか否か判定する。IV式が成立しないときは、スタートに戻り、繰り返し、ステップS31を実行し判定する。繰り返し周期は、例えは、100m sec程度である。
|Ir|−|Ira|>E3,
|Is|−|Isa|>E3,or
|It|−|Ita|>E3 ----- VI式
R相,S相,T相のいずれかで前記式が成立しなければ、スタートに戻り、ステップS31から繰り返し行う。繰り返し周期は、例えば100m sec程度である。なお、タンパリング判定前のR相,S相,T相,N相に流れるベクトル量である相電流Ir,Is,It,Inは、電流検出部1で測定され、演算制御部5を経由して記憶部7に100msecの4倍程度の期間記憶されている。タンパリング判定後(判定時)のR相,S相,T相,N相に流れるベクトル量である相電流で、メータ内部に流れる相電流Ira, Isa,Ita,Inaは電流検出部1で測定され、演算制御部5に入力される。
||Ina|−|In||<F3 ----- VII式
であるか否か判定し、成立すれば、タンパリングが発生したと判定する(ステップS34)。
|Irb|=||Ira+Is+It|−|In|| ----- V式
このときも、位相検出は行わないで、各相間(R−S間、S−T間、T−R間)の位相差を120°とみなし、N相電流絶対値とR相電流,S相電流,T相電流をベクトル合成したものの絶対値との差より求めている。V式によりタンパリング電流Irbが算出できるため、Σ[[Vr−n]×[Irb]×t]により、タンパリング積算電力量を算出することができ(ステップS36)、電力供給者の需要家に対する不足金請求などの参考値として使用することができる。但し、[Vr−n]はN相を基準としたR相配電線の電圧Vr−nの瞬時値、[Irb]はIrbの瞬時値、tはタンパリングの発生時間である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
Claims (5)
- 使用電力量を計測する三相4線式電力量計において、
R相配電線,S相配電線,T相配電線,中性線を流れるR相電流Ir,S相電流Is,T相電流It,N相電流Inをそれぞれ計測する電流検出部、及び、
R−S相間,S−T相間,T−R相間の位相差をそれぞれ120°とみなし、前記電流検出部で検出したR相電流,S相電流とT相電流をベクトル合成したものの絶対値とN相電流の絶対値との差の絶対値が所定閾値を超えたとき、バイパスタンパリングが発生したと判定するバイパスタンパリング検出手段を備えたことを特徴とする三相4線式電力量計。 - N相を基準とした各相電圧を計測する電圧検出部、及び、
バイパスタンパリングが発生した相配電線をR相配電線としたとき、
バイパスタンパリング電流Irbを、
|Irb|=||Ira+Is+It|−|In||
但し、Iraはバイパスタンパリング時の前記電流検出部によるR相配電線の計測電流、|Ira+Is+It|はIra,IsとItをベクトル合成したものの絶対値、|In|はN相電流の絶対値、
で求め、
[Irb]×[Vr−n]×t
但し、[Irb]はIrbの瞬時値、[Vr−n]はN相を基準としたR相電圧Vr−nの瞬時値、tはバイパスタンパリングの発生時間、
でバイパスタンパリングされた積算電力量を算出する手段を、さらに備えた請求項1記載の三相4線式電力量計。 - 使用電力量を計測する三相4線式電力量計において、
R相配電線,S相配電線,T相配電線,中性線を流れるR相電流Ir,S相電流Is,T相電流It,N相電流Inをそれぞれ計測する電流検出部、
前記電流検出部で計測され、バイパスタンパリング判定前のR相電流Ir,S相電流Is,T相電流It,N相電流Inをそれぞれ記憶する記憶部、及び、
前記電流検出部で計測される相電流におけるバイパスタンパリングを判定する時点の前後において、R相配電線,S相配電線,T相配電線のいずれかの相電流に第1所定閾値より大きい変化があったときの、中性線のN相電流変化が第2所定閾値より小さい場合に、バイパスタンパリングが発生したと判定するバイパスタンパリング検出手段を備えたことを特徴とする三相4線式電力量計。 - 使用電力量を計測する三相4線式電力量計において、
R相配電線,S相配電線,T相配電線,中性線を流れるR相電流Ir,S相電流Is,T相電流It,N相電流Inをそれぞれ計測する電流検出部、
前記電流検出部で計測され、バイパスタンパリング判定前のR相電流Ir,S相電流Is,T相電流It,N相電流Inをそれぞれ記憶する記憶部、及び、
R−S相間,S−T相間,T−R相間の位相差をそれぞれ120°とみなし、前記電流検出部で検出したR相電流,S相電流とT相電流をベクトル合成したものの絶対値とN相電流の絶対値との差の絶対値が第1所定閾値を超えたとき、かつ、
前記電流検出部で計測される相電流におけるバイパスタンパリングを判定する時点の前後において、R相配電線,S相配電線,T相配電線のいずれかの相電流に第2所定閾値より大きい変化があったときの、中性線のN相電流変化が第3所定閾値より小さい場合に、バイパスタンパリングが発生したと判定するバイパスタンパリング検出手段を備えたことを特徴とする三相4線式電力量計。 - 電力量計は通信機能と負荷の開閉機能を備えたスマートメーターである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の三相4線式電力量計。
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