以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
なお、以下に説明する実施の形態では、商品の入荷、点検、出荷等の各段階を把握して管理する物流管理システムに本発明の情報通信システムを適用した場合の例を用いて説明する。この場合、情報通信システムのプレゼンティティは、商品であるオブジェクトである。また、本実施の形態の場合プレゼンス情報は、オブジェクトの位置情報、工程情報等のオブジェクトがどのような状況にあるのかを示す状態情報を含む。
図1は、本実施の形態における情報通信システムの構成の概要を模式的に示す説明図である。情報通信システムは、インターネット等のネットワークに接続されているプレゼンスサーバ装置1と、複数のプレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…と、複数のウォッチャ端末装置4,4,…とを備えて所謂プレゼンスシステムを構成している。また、商品であるオブジェクト6,6,…には各オブジェクトの識別情報(プレゼンティティID)が記憶されたRFIDタグ7,7,…が取り付けられており、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…の内のプレゼンス端末装置3,3,…は、RFIDタグリーダであるセンサ5,5,…が夫々接続されている。各センサ5,5,…は、所定の距離内の各RFIDタグ7,7,…の存在を検知する。
なお、RFIDタグ7,7,…は他のセンサ5,5,…で存在を検知することが可能な通信機器でもよい。例えば、RFIDタグ7,7,…ではなくバーコード、センサ5,5,…はバーコードリーダであってもよい。
本実施の形態での情報通信システムは、商品がA社で点検されてB社へ出荷され、B社によって集荷、C社へ配達される場合に、各社における商品の状況を監視するための物流管理サービスに適用されている。商品であるオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報を送信するプレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…がA社及びB社に設置されている。A社及びB社に配置されているプレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…の内のプレゼンス端末装置2,2,…は、A社、B社夫々におけるオブジェクト6,6,…の状態情報を登録する操作及びオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知可否を管理する管理者によって使用される。他のプレゼンス端末装置3,3,…は、各社に設置されているセンサ5,5,…に接続されており、商品であるオブジェクト6,6,…に取り付けられたRFIDタグ7,7,…の存在を検出するセンサ5,5,…からの情報を受信することによって位置情報を検知する。また、商品のプレゼンス情報を受信して表示するウォッチャ端末装置4,4,…は、A社、B社、C社、又は社外に存在しており、各社に所属するユーザ(ウォッチャ)によって使用される。プレゼンスサーバ装置1は社外に設置されている。
なお、本実施の形態における構成では、A社、B社夫々における管理者が使用するプレゼンス端末装置2,2,…では、プレゼンス情報を受信して表示することもできる。したがって、プレゼンス端末装置2,2,…は、同時にウォッチャ端末装置4,4,…としても動作する。
オブジェクト6,6,…が存在する場所が変化してセンサ5,5,…によって検知された場合、又はオブジェクト6,6,…の状態情報が管理者によって登録された場合等、プレゼンス情報が発行されたことがプレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…で検知され、そのプレゼンス情報はプレゼンスサーバ装置1を経由してウォッチャ端末装置4,4,…へ通知される。これにより、ウォッチャ端末装置4,4,…を使用する各企業のユーザが商品であるオブジェクト6,6,…夫々の状況をリアルタイムに監視することができる物流管理サービスが実現される。
図2は、本実施の形態におけるプレゼンスシステムを構成するプレゼンス端末装置2,3の内部構成を示すブロック図である。プレゼンス端末装置2はPC(Personal Computer)で構成されており、各構成部を制御するCPU等の制御部20と、ハードディスク等である記憶部21と、制御部20の処理により発生する各種情報を一時的に記憶するDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時記憶領域22と、入力操作を受け付けるキーボード、マウス等の入力部23と、ネットワークへの接続を実現するネットワークカード等である通信部24と、各種情報を表示するモニタである表示部25とを備える。
プレゼンス端末装置2の制御部20は、PCがプレゼンス端末装置2として動作するように記憶部21に記憶してある制御プログラムを一時記憶領域22に読み出して実行する。
プレゼンス端末装置2の制御部20は、管理者によるオブジェクト6,6,…の状態情報の入力操作を入力部23により受け付ける。制御部20は、入力部23によりオブジェクト6,6,…の状態情報の入力を受け付けた時点で、入力された状態情報をプレゼンス情報として通信部24によりネットワークを介してプレゼンスサーバ装置1へ送信する。
プレゼンス端末装置3は、プレゼンス端末装置2と同様に制御部30と、記憶部31と、一時記憶領域32と、入力部33と、通信部34とを備える。プレゼンス端末装置3は表示部を備えない一方でプレゼンス端末装置3が備える入力部33は、接続しているセンサ5からの信号を受け付けて制御部30へ通知する機能を有する。
プレゼンス端末装置3の制御部30は、入力部33によりセンサ5からの信号を受け付けた時点で、受け付けた信号が表わす位置情報、又は位置情報から導かれる状態情報をプレゼンス情報として通信部34によりネットワークを介してプレゼンスサーバ装置1へ送信する。
RFIDリーダであるセンサ5,5,…は、オブジェクト6,6,…が所定の距離内に存在する場合、オブジェクト6,6,…に取り付けられたRFIDタグ7,7,…を検知する。センサ5,5,…は、RFIDタグ7,7,…からオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを受信し、自身の識別情報であるパブリッシャIDと共にプレゼンス端末装置3,3,…へ送信する。
図3は、本実施の形態における情報通信システムを構成するプレゼンスサーバ装置1及びウォッチャ端末装置4の内部構成を示すブロック図である。プレゼンスサーバ装置1はサーバコンピュータで構成されており、各構成部を制御するCPU、MPU等の制御部10と、ハードディスク等である記憶部11と、制御部10の処理により発生する各種情報を一時的に記憶するDRAM等の一時記憶領域12と、ネットワークを介したデータの送受信を実現するネットワークカード等である通信部13とを備える。
プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、サーバコンピュータが本発明に係る情報通信システム、即ちプレゼンスサーバ装置1として動作するための制御プログラムが記憶されている。制御部10は、記憶部11から制御プログラムを一時記憶領域12に読み出して実行することにより、プレゼンスサーバ装置1として動作する。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、通信部13により後述するウォッチャ端末装置4,4,…からのプレゼンス情報の通知要求を受信し、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…から通知されるプレゼンス情報を通信部13により受信する。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置4,4,…から受信した通知要求に応じてプレゼンス情報をウォッチャ端末装置4,4,…へ通知するが、このとき、ウォッチャ端末装置4,4,…へ通知してもよいか否かの通知可否の判断を行ってから通知する。なお、プレゼンスサーバ装置1によるウォッチャ端末装置4,4,…への通知可否の判断処理については後述する。
また、プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、プレゼンス情報のウォッチャ端末装置4,4,…への通知可否の判断を行うための各種情報が記憶されている。プレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている各種情報については後述する。
ウォッチャ端末装置4は、PC、PDA(Personal Digital Assistant)、又は携帯電話機等で構成されており、各構成部を制御するCPU等の制御部40と、ハードディスク等である記憶部41と、制御部40の処理により発生する各種情報を一時的に記憶するDRAM等の一時記憶領域42と、入力操作を受け付けるキーボード、マウス等の入力部43と、ネットワークを介してデータの送受信を実現するネットワークカード等である通信部44と、各種情報を表示するモニタである表示部45とを備える。
ウォッチャ端末装置4の記憶部41には、PCがウォッチャ端末装置4として動作するための制御プログラムが記憶されている。制御部40は、記憶部41に記憶されている制御プラグラムを一時記憶領域42に読み出して実行することにより、ウォッチャ端末装置4のユーザ(ウォッチャ)が、プレゼンス情報の通知要求について情報を入力するための画面を表示部45に表示する。更に、制御部40は、ユーザにより入力部43を介して入力された情報を受け付けてプレゼンス情報の通知要求を作成し、通信部44によりプレゼンスサーバ装置1へ通知要求を送信する。
また、ウォッチャ端末装置4の制御部40は、プレゼンスサーバ装置1により通知可であると判断されて通知されたプレゼンス情報を通信部44により受信した場合、受信したプレゼンス情報を表示部45に表示する。
上述のように構成される本発明の情報通信システムにおいて、ウォッチャ端末装置4,4,…から送信される通知要求に応じて、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…から通知されるプレゼンス情報の、プレゼンスサーバ装置1がウォッチャ端末装置4,4,…への通知可否を判断する処理について説明する。
まず、ウォッチャ端末装置4の表示部45に表示される各オブジェクト6,6,…のプレゼンス情報及び、ウォッチャ端末装置4からプレゼンス情報の通知要求が送信される処理について説明する。
図4は、本実施の形態におけるウォッチャ端末装置4の表示部45に表示される画面例を示す説明図である。図4の説明図に示す画面例は、ウォッチャ端末装置4の記憶部41に記憶してある制御プログラムを制御部40が読み出して実行することにより表示される。図4の説明図に示す画面例は、制御部40が表示部45にウォッチャIDの入力画面を表示した場合に、ユーザによってウォッチャIDが入力され、入力されたウォッチャIDをプレゼンスサーバ装置1に送信して認証されたときに表示部45に表示される画面例である。なおこのとき制御部40は、認証されたウォッチャIDを一時記憶領域42に記憶しておき、プレゼンス情報を表示する処理が終了するまで保持しておくようにしてある。
なお、図4の説明図に示した画面例は上述のように、ウォッチャ端末装置4の記憶部41に記憶してある制御プログラムを制御部40が読み出すことによって表示部45に表示される構成とした。しかしながら、これに限らず、ユーザがウォッチャ端末装置4でウォッチャIDにより物流監視システムにログインした場合に、プレゼンスサーバ装置1の動作によってウォッチャ端末装置4へ送信されて表示部45に表示される画面例であってもよい。
図4の説明図に示される画面例は、ツールバー401とプレゼンス情報表示エリア402とで構成される。プレゼンス情報表示エリア402には、ログインしたウォッチャIDに対して通知が許可されたプレゼンス情報の最新情報のリストがリアルタイムに更新されて表示される。図4の画面例では、プレゼンティティ名(ID)が夫々「DPCα00001」〜「DPCα00003」のオブジェクト6,6,…(商品はα社製Desktop PC)についての工程情報「A社最終テスト中」、及び位置情報「A社14倉庫ブロックB」並びに「A社14倉庫ブロックC」がプレゼンス情報として表示されている。同様に、プレゼンティティ名が夫々「NPCα00001」及び「NPCα00002」のオブジェクト6,6,…(商品はα社製Note PC)についての工程情報「A社最終テスト中」、「B社入荷済み」がプレゼンス情報として表示されており、プレゼンティティ名が「DPCβ00001」のオブジェクト6,6,…(商品はβ社製Desktop PC)についての位置情報「B社出荷ヤード」がプレゼンス情報として表示されている。なお、太字で表示されているプレゼンス情報は、最近所定時間以内に更新されたプレゼンス情報である。
なお、各オブジェクト6,6,…はグループ分けされて表示されており、プレゼンティティ名「DPCα00001」〜「DPCα00003」のオブジェクト6,6,…は、「α社デスクトップパソコン」グループに、プレゼンティティ名「NPCα00001」及び「NPCα00002」のオブジェクト6,6,…は「α社ノートパソコン」グループに、プレゼンティティ名「DPCβ00001」のオブジェクト6,6,…は「β社デスクトップパソコン」グループに分けられている。
ツールバー401には、ユーザの入力操作を受け付けるボタンが表示されている。図4の説明図に示される画面例では、「グループ作成」ボタン403、「登録」ボタン404及び「終了」ボタン405が表示されている。
図4の画面例の「グループ作成」ボタン403は、プレゼンス情報を整理して表示させるようにグループを登録するためのボタンである。ユーザは、入力部43のマウス等を操作して「グループ作成」ボタン403を押下することにより、グループを作成し、表示されるプレゼンス情報を各グループに係属させて表示させることができる。
図4の画面例の「登録」ボタン404は、ウォッチャであるユーザがオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知をプレゼンスサーバ装置1に要求する際に使用されるボタンである。ユーザは、入力部43のマウス等を操作して「登録」ボタン404を押下することにより、所望のオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知を要求するための情報の入力操作をすることができる。
図4の画面例の「終了」ボタン405は、プレゼンスサーバ装置1との接続を切断し、プレゼンス情報を表示する処理の終了を制御部40に指示するためのボタンである。
図5は、本実施の形態におけるウォッチャ端末装置4の表示部45にグループ作成時に表示される画面例を示す説明図である。図5の説明図に示す画面例は、図4の画面例の「グループ作成」ボタン403が入力部43によって押下されたことを制御部40が検知した場合に表示される例である。
図5の画面例では、グループ名を入力する編集ボックス406、グループの作成の実行を制御部40に指示するための「作成」ボタン407、及び「グループ作成」の処理の中止を制御部40に指示するための「キャンセル」ボタン408が表示されている。ウォッチャであるユーザは、編集ボックス406に任意のグループ名の文字列を入力部43により入力し、「作成」ボタン407を入力部43により押下する。ウォッチャ端末装置4の制御部40は、入力部43からユーザによる入力を検知して、入力された文字列からなるグループ名を記憶部41又は一時記憶領域42に記憶する。これにより、グループが作成される。
図6は、本実施の形態におけるウォッチャ端末装置4の表示部45にプレゼンス情報通知要求時に表示される画面例を示す説明図である。図6の説明図に示す画面例は、図4の画面例の「登録」ボタン404が入力部43によって押下されたことを制御部40が検知した場合に表示される例である。
図6の画面例では、グループ名を選択するためのドロップダウンメニュー409(選択ボックス)、プレゼンス情報の通知を要求するオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを入力する編集ボックス410、プレゼンスエリアに表示する際のプレゼンティティ名を入力する編集ボックス411、プレゼンス情報の通知要求の送信を制御部40に指示するための「登録」ボタン412、「登録」の処理の中止を制御部40に指示するための「キャンセル」ボタン413が表示されている。ユーザは、ドロップダウンメニュー409から通知を要求するプレゼンス情報を係属させるグループを選択することができる。また、ユーザは、編集ボックス411にプレゼンス情報の通知を要求するオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを入力し、編集ボックス411にプレゼンス情報を表示する際のプレゼンティティ名を入力し、「登録」ボタン412を押下することにより、入力したプレゼンティティIDのオブジェクト6,6,…についてのプレゼンス情報の通知要求を制御部40に送信させることができる。ウォッチャ端末装置4の制御部40は、入力部43からユーザによる「登録」ボタン412の押下を入力部43により検知し、選択されたグループ名、入力されたプレゼンティティID及びプレゼンティティ名の文字列を取得し、プレゼンスサーバ装置1へ送信する通知要求の作成処理及び送信処理を実行する。
図7は、本実施の形態におけるウォッチャ端末装置4の制御部40による通知要求の作成処理及び送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
ウォッチャ端末装置4の制御部40は、入力部43により図6の説明図に示した「登録」ボタン412の押下を検知したか否かを判断する(ステップS11)。制御部40は、「登録」ボタン412の押下を検知していないと判断した場合(S11:NO)、処理をステップS11へ戻して「登録」ボタン412の押下を検知したと判断するまで待機する。
制御部40は、「登録」ボタン412の押下を検知したと判断した場合(S11:YES)、選択されたグループ名、入力されたプレゼンティティID及びプレゼンティティ名を取得する(ステップS12)。制御部40は、通知要求コマンド、一時記憶領域42に記憶してあるウォッチャID、ステップS12で取得したプレゼンティティID及びプレゼンティティ名を含むプレゼンス情報の通知要求を作成し(ステップS13)、作成した通知要求をプレゼンスサーバ装置1へ送信し(ステップS14)、処理を終了する。なお、ステップS13で通知要求を作成する際に含められるウォッチャIDは、図4の説明で前述したように、ユーザが表示部45に表示されたウォッチャIDの入力画面に入力され、プレゼンスサーバ装置1によって認証され、一時記憶領域42に記憶してあるウォッチャIDである。
ウォッチャ端末装置4の制御部40は、ステップS14の処理後、図4の画面例の「終了」ボタン405が入力部43により押下されたことを検知するまで、プレゼンスサーバ装置1との接続を維持する。また、制御部40は、プレゼンスサーバ装置1の接続を維持している間、プレゼンスサーバ装置1から通知が許可されたプレゼンス情報の通知を受信し、受信したプレゼンス情報をステップS12で取得したグループに係属させて図4の画面例に示したプレゼンス情報表示エリア402に表示する処理を継続する。
次に、上述のようにウォッチャ端末装置4から送信された通知要求に対し、プレゼンスサーバ装置1が通知可否を判断する処理について説明する。まず、プレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている通知可否を判断するための各種情報について説明する。
プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、各プレゼンティティを識別するプレゼンティティIDが記憶され、各プレゼンティティの属性を表わす情報として、例えば、いずれの会社の製品であるのか及び一般的な商品名が対応付けられて記憶されている。また、プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、ウォッチャIDが記憶されており、各ウォッチャIDにはウォッチャであるユーザの属性、例えばA社、B社、C社のいずれに所属しているかが対応付けられて記憶されている。また、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…を特定するための情報、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…を使用する各社の管理者のID、各センサ5,5,…のIDが記憶されており、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、各IDを読み出すことが可能である。
プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、ウォッチャ端末装置4,4,…への通知可否を判断するための各種情報として、ウォッチャID、プレゼンス情報の内容、及びプレゼンス情報を発行するパブリッシャ(管理者又はセンサ5,5,…)の属性に基づいて通知を許可する条件を含むポリシ情報が記憶されている。また、記憶部11にはポリシ情報の条件に適合してもポリシを適用しない通知要求のリストである例外リストが記憶してある。
更に、通知可否を判断するための各種情報として、ウォッチャ端末装置4,4,…から送信された通知要求が記憶してあるリスト(バディリスト:buddy list)、及びプレゼンティティID毎のプレゼンス情報の最新内容とそのプレゼンス情報の通知が許可されているウォッチャIDとの対応を示す通知許可リストが記憶されている。また、プレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、プレゼンス情報を各ウォッチャ端末装置4,4,…に通知する際に、通知先のユーザによって通知する内容を加工するための内容加工ルールが記憶されている。
図8は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されているポリシ情報の内容例を示す説明図である。
図8の説明図に示すように、ポリシ情報は、プレゼンティティID毎に、そのプレゼンティティIDのオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報をウォッチャ端末装置4,4,…へするプレゼンス情報に関する処理を記述したポリシが記憶してある。ポリシには、ポリシが適用された場合の処理として通知許可/通知拒否/通知転送のいずれかが含まれる。また、ポリシにはポリシの内容を識別する識別情報(ID)が含まれ、ポリシが適用される条件式が含まれている。また、ポリシには、ポリシが適用された場合の処理が「通知転送」である場合の転送先の所定の管理者の管理者ID又は管理者が使用する所定の端末装置のIDが含まれている。
図8の説明図に示された内容例では、プレゼンティティIDが「DPCα00004」であるオブジェクト6についてのポリシが表わされている。図8の内容例では、プレゼンティティIDが「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報は、A社に所属しているユーザが使用するウォッチャ端末装置4へは無条件に通知されることがID「policy1」のポリシ情報として記憶されている。また、B社に所属しているユーザが使用するウォッチャ端末装置4へは、そのプレゼンス情報がA社の管理者によってプレゼンス端末装置2へ登録された情報である場合、及びA社に所属しているセンサ5,5,…の内の所定のセンサ5から送信された信号により発行された位置情報である場合以外であるときは、A社の管理者(ID「UserA」)が使用するプレゼンス端末装置2へ「通知転送」処理(通知可否問い合わせ処理)が行われることがポリシID「policy4」のポリシ情報として夫々記憶されている。また、プレゼンティティIDが「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報は、C社に所属しているウォッチャ端末装置4へは、そのプレゼンス情報の内容が「正常」という情報である場合以外は、B社の管理者(ID「UserB」)が使用するプレゼンス端末装置2へ「通知転送」処理が行われることがポリシID「policy5」のポリシ情報として記憶されている。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置4,4,…から通知要求を受信した場合、共に受信するウォッチャIDをキーにしてユーザの所属先(A社、B社等)を特定することでいずれのポリシが適用されるかを判断することができる。また、通知要求の対象であるプレゼンス情報の内容によって、又はそのプレゼンス情報を発行するパブリッシャのIDによっていずれのポリシが適用されるかを判断することができる。
図9は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている例外リストの内容例を示す説明図である。
図9の説明図に示すように、例外リストは、プレゼンス情報が通知された場合にポリシを適用しない通知要求をオブジェクト6,6,…のプレゼンティティID毎に記憶してあるリストである。また、各通知要求にはポリシを適用せずに通知を許可/拒否することを示す「拒否」/「許可」フラグが共に記憶されている。
具体的には、図8の説明図に示したように、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報を通知するか否かのポリシ情報が存在する。ウォッチャID「User5」を通知先とする通知要求については、ウォッチャID「User5」で識別されるユーザがB社に所属しているのでポリシID「policy4」のポリシが適用される可能性がある。これに対し、図9の説明図に示す例外リストには、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知を要求するウォッチャID「User5」からの通知要求に対してはポリシID「policy4」のポリシを適用せずに、通知を許可することが記憶されている。同様にウォッチャID「User6」を通知先とするプレゼンテンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報に対する通知要求についてはポリシID「policy5」を適用せずに通知を拒否することが記憶されている。即ち、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知に対するウォッチャID「User6」からの通知要求の保留原因がポリシID「policy5」のポリシのみである場合には、当該ポリシは適用されない。なお、例外リストに記憶してある通知要求に対する処理は他の通知可否判断の結果よりも優先される。
図10は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されているバディリストの内容例を示す説明図である。バディリストは、ウォッチャ端末装置4,4,…から送信されたオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報に対する通知要求のリストである。ここでは、ウォッチャ端末装置4,4,…に対応するウォッチャIDに対応付けられて、オブジェクト6,6,…(プレゼンティティ)のプレゼンティティIDのリストが送信された通知要求として記憶されている。
図10の説明図に示す内容例では、ウォッチャID「User1」のユーザに使用されているウォッチャ端末装置4から、プレゼンティティID「DPCα00001」〜「DPCα00003」、「NPCα00001」、「NPCα00002」及び「DPCβ00001」のオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知が要求されていることが表わされている。同様に、ウォッチャID「User2」のユーザに使用されているウォッチャ端末装置4から、プレゼンティティID「DPCα00001」〜「DPCα00003」のオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知が要求されていることが表わされている。更に、図10の説明図に示す内容例には、オブジェクト6,6,…のプレゼンティティ名が共に記憶されている。
図11は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている通知許可リストの内容例を示す説明図である。図11の説明図に示すように、通知許可リストは、プレゼンス情報の通知が許可されたユーザのウォッチャIDをオブジェクト6,6,…のプレゼンティティID毎に記載したリストである。ここでは、各オブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDに対応付けて、各オブジェクト6,6,…のリアルタイムのプレゼンス情報と、そのプレゼンス情報の通知が許可されたユーザのウォッチャIDがリストに記憶されている。
図11の説明図に示す内容例では、プレゼンティティID「DPCα00001」のオブジェクト6の最新のプレゼンス情報は「A社最終テスト中」であり、このオブジェクト6のプレゼンス情報の通知が許可されているのはウォッチャID「User1」、「User2」及び「User3」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4,4であることが表わされている。同様に、プレゼンティティID「DPCα00002」のオブジェクト6の最新のプレゼンス情報は「A社14倉庫ブロックB」であり、プレゼンティティID「DPCα00003」のオブジェクト6の最新のプレゼンス情報は「A社14倉庫ブロックC」、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6の最新のプレゼンス情報は「A社最終テスト開始前」である。
図12は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11に記憶されている内容加工ルールの内容例を示す説明図である。図12に示すように、内容加工ルールはオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDに対応付けて、プレゼンス情報の内容を加工する条件と、加工した結果送信するプレゼンス情報の内容とが記憶されている。即ち、内容加工ルールはオブジェクト6,6,…毎に、プレゼンス情報の内容、オブジェクトの属性情報、ウォッチャであるユーザの属性情報、プレゼンス情報を発行するパブリッシャの属性情報の内の一又は複数の条件に応じて開示する内容を記述したルールである。
図12の説明図に示す内容例では、プレゼンティティID「DPCα00001」のオブジェクト6のプレゼンス情報については、C社に所属するユーザが使用するウォッチャ端末装置4,4,…へ通知する場合は、常に内容を「“変化あり”」と加工して通知するようにルールが記述されている。同様に、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報については、A社に所属するユーザが使用するウォッチャ端末装置4,4,…へは内容を加工せずにそのまま全情報を通知するが、例外としてプレゼンス情報の内容が「“詳細検査中”」である場合は、内容を単に「“テスト中”」と加工するようにルールが記述されている。更に、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報については、B社に所属するユーザが使用するウォッチャ端末装置4,4,…へ通知する場合であって、且つ、オブジェクト6の最新のプレゼンス情報を発行したパブリッシャのIDが「A2」である場合は、内容を「“工程進捗”」と加工して通知するようにルールが記述されている。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、図12の説明図に示すような内容加工ルールに従って、プレゼンス情報の内容、オブジェクト6の属性、ウォッチャであるユーザの属性及びパブリッシャの属性に応じて通知するプレゼンス情報の内容を変更するようにしてある。
上述のように記憶部11に記憶してある各種情報に基づいて、ウォッチャ端末装置4,4,…から送信された通知要求に対して通知可否を判断する処理について説明する。
プレゼンスサーバ装置1は、ウォッチャ端末装置4,4,…から送信される、通知要求コマンド、ウォッチャID、プレゼンティティID及びプレゼンティティ名を含む通知要求を受信した場合、バディリストに当該通知要求を記憶し、ポリシ情報を参照してポリシが適用される条件に適合するか否か判断することにより通知の可否を判断する。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、受信した通知要求について通知が許可されている場合は、その時点で最新のプレゼンス情報を通知する。制御部10は、ポリシ情報に基づいて判断された通知可否の内、通知が許可された場合は、通知許可リストに該通知要求を記憶しておく。これにより、後にプレゼンス情報が発行されて通知された場合、制御部10は通知許可リストを参照することによって許可された各ウォッチャ端末装置4,4,…へプレゼンス情報を通知することができる。
図13は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、受信した通知要求について通知可否を判断する処理手順を示すフローチャートである。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ウォッチャ端末装置4,4,…から通知要求を受信したか否かを判断する(ステップS201)。制御部10は、通知要求を受信していないと判断した場合(S201:NO)、処理をステップS201へ戻して通知要求を受信したと判断するまで待機する。
制御部10は、通知要求を受信したと判断した場合(S201:YES)、受信した通知要求に含まれるウォッチャID、プレゼンティティID及びプレゼンティティ名を取得する(ステップS202)。制御部10は、ステップS202で取得したウォッチャID、プレゼンティティID及びプレゼンティティ名を通知要求としてバディリストに記憶し(ステップS203)、取得したウォッチャIDに基づいて、記憶部11にウォッチャID毎に記憶してあるユーザ(ウォッチャ)の属性を取得する(ステップS204)。
制御部10は、記憶部11に記憶してある例外リスト及びポリシ情報を参照し(ステップS205)、ステップS204で取得したユーザの属性とポリシの条件とを比較してステップS201で受信した通知要求についての通知可否を判断し、更に、例外リストを参照して例外リストに記憶されている場合はポリシの条件に適合していても例外リストに設定されている処理を読み出し、処理を決定する(ステップS206)。
制御部10は、ステップS206で決定した処理は通知拒否であるか否かを判断する(ステップS207)。制御部10は、決定した処理は通知拒否であると判断した場合(S207:YES)、通知要求を拒否し(ステップS208)、処理を終了する。
一方、制御部10は、決定した処理は通知拒否でないと判断した場合(S207:NO)、ステップS206で決定した処理は通知許可であるか否かを判断する(ステップS209)。
制御部10は、決定した処理は通知許可でないと判断した場合(S209:NO)、通知要求を保留リストに記憶し(ステップS210)、処理を終了する。
制御部10は、決定した処理は通知許可であると判断した場合(S209:YES)、通知要求を通知許可リストに記憶し(ステップS211)、内容加工ルールを記憶部11に記憶してある内容加工ルールに従い、最新のプレゼンス情報の内容を必要に応じて加工する(ステップS212)。制御部10は、内容を加工したプレゼンス情報を許可されたウォッチャ端末装置4,4,…へ通知し(ステップS213)、処理を終了する。
図13のフローチャートの処理手順に示すように、通知要求が条件付きで許可されていることがポリシ情報に記憶されており、その時点で処理を決定することができない場合は、当該通知要求は保留リストに記憶される。図8のポリシ情報の内容例では、保留リストに記憶される通知要求は、管理者への問い合わせ処理が必要な通知要求である。その他、プレゼンス情報の内容又はパブリッシャの属性等について条件がある場合も保留リストに記憶される。
図14は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10によって記憶部11に記憶される保留リストの内容例を示す説明図である。なお、図14は、図13のフローチャートに示された制御部10の処理手順の内のステップS210で記憶された結果を表わしている。
図14の説明図に示すように、保留リストには、通知要求の対象であるオブジェクト6,6,…のプレゼンティティID毎に、通知要求のウォッチャIDと、保留の原因となったポリシのIDと、ポリシの適用可否を示すマークとが記憶される。
図14の説明図の内容例では、ウォッチャID「User2」及び「User4」のユーザからプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知を要求する通知要求は、ポリシ「policy4」に条件が適合する可能性があることによって保留されていることが表わされている。同様に、ウォッチャID「User5」のユーザからプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知を要求する通知要求は、ポリシ「policy5」に条件が適合する可能性があることによって保留されていることが表わされている。
ポリシの適用可否を示すマークは、マークが設定されている場合は保留リストに記憶されていても、保留原因ポリシを適用しないことを示している。マークには「許可」/「拒否」があり、「許可」の場合は保留原因ポリシを評価、適用せずに通知を拒否し、「拒否」の場合は保留原因ポリシを評価、適用せずに通知を許可することを示す。なお、ポリシの適用可否を示すマークについては図14の説明図では設定されていない。マークについては後述で説明する処理によって設定される。
本発明の場合、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、保留リストに記憶されている通知要求に関するプレゼンス情報が発行されて通知されたときは、保留リストに記憶されている保留原因を検証し、必要に応じて当該プレゼンス情報についての通知要求の通知可否を管理者に問い合わせる処理を実行する。
これまでの処理についての1つの具体例として、ウォッチャ端末装置4にウォッチャID「User1」のユーザがログインし、α社のデスクトップパソコンであるプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知を要求する作業を行った場合を当てはめて説明する。
まず、ウォッチャ端末装置4に「User1」を有するユーザがログインし、図4に示した画面例の「登録」ボタン404を押下することによって図6に示した画面例が表示される。ユーザ「User1」はドロップダウンメニュー409からグループ「α社製デスクトップパソコン」を選択し、各編集ボックス410,411にプレゼンティティID及びプレゼンティティ名「DPCα00004」を入力して「登録」ボタン412を押下する。これにより、ウォッチャ端末装置4の制御部40によって図7のフローチャートに示した処理手順が実行され、ウォッチャ端末装置4から、通知要求コマンド、ウォッチャID「User1」、プレゼンティティID「DPCα00004」及びプレゼンティティ名「DPCα00004」が通知要求としてプレゼンスサーバ装置1へ送信される。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、通知要求を受信して図13のフローチャートに示した処理手順を実行する。この場合、制御部10は、ステップS205の処理によりプレゼンティティID「DPCα00004」及びウォッチャID「User1」に基づいてポリシ情報及び例外リストを参照する。このとき、制御部10はステップS204の処理によりウォッチャID「User1」のユーザがA社に所属していることを認識できる。
図8の説明図に示すように、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6について、ユーザがA社に所属している場合は、ポリシID「policy1」のポリシが適用され無条件で通知が許可される。また、例外リストにもウォッチャID「User1」については記憶されていないので通知が許可される。
したがって、プレゼンスサーバ装置1の制御部10によってステップS211の処理が実行される。これにより図10及び図11の説明図に示すように、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知がウォッチャID「User1」が使用するウォッチャ端末装置4は許可されることが通知許可リストに記憶される。
更に、プレゼンスサーバ装置1の制御部10によってステップS212及びステップS213の処理が実行される。これにより、図12の説明図に示すように、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報は、ウォッチャであるユーザがA社に所属している場合は全情報を通知するように内容加工ルールが設定されているので、通知許可リストにある「A社最終テスト開始前」というプレゼンス情報がウォッチャID「User1」が使用するウォッチャ端末装置4へ通知される。
他の具体例として、ウォッチャID「User2」を有するユーザがプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知を要求する作業を行った場合を当てはめて説明する。この場合、ウォッチャ端末装置4からは、通知要求コマンド、ウォッチャID「User2」、プレゼンティティID「DPCα00004」、プレゼンティティ名「DPCα00004」が通知要求としてプレゼンスサーバ装置1へ送信される。
この場合、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は同様に、図13のフローチャートに示した処理手順のステップS205の処理によりプレゼンティティID「DPCα00004」及びウォッチャID「User2」に基づいてポリシ情報を参照する。このとき、制御部10はステップS204の処理によりウォッチャID「User2」のユーザがB社に所属していることを認識することができる。
図8の説明図に示すように、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6の通知要求については、ユーザがB社に所属している場合ポリシID「policy4」のポリシが適用される。B社に所属しているユーザへは「policy2」の条件も適合するが、ポリシID「policy4」のポリシの適合条件にはこの時点で判断できない要素が含まれている(パブリッシャの条件)ので一時的に判断を保留するためにもポリシID「policy4」のポリシが適用される。これにより、プレゼンティティID「DPCα00004」についてのウォッチャID「User2」が使用するウォッチャ端末装置4からの通知要求は、制御部10のステップS210の処理によって図14の説明図に示すようにポリシID「policy4」のポリシを保留原因として保留リストに記憶される。
このようにプレゼンスサーバ装置1の記憶部11には、通知可否の判断がされた結果、通知許可リストにその通知要求が記憶される。また保留リストには、通知可否の判断が保留される通知要求が記憶される。この一方で、パブリッシャによりプレゼンス情報が発行され、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…からプレゼンスサーバ装置1へプレゼンス情報が通知された場合、通知許可リスト及び保留リストを参照し、各ウォッチャ端末装置4,4,…へのプレゼンス情報の通知可否を判断する。
そこで、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…からプレゼンス情報が通知される処理について説明する。
センサ5,5,…は、オブジェクト6,6,…を検知することによって当該オブジェクト6,6,…のプレゼンス情報(位置情報)を発行するパブリッシャである。センサ5,5,…は、オブジェクト6,6,…が所定の距離内に存在し、オブジェクト6,6,…に取り付けられたRFIDタグ7,7,…からプレゼンティティIDが送信された場合、自身のパブリッシャIDと共にプレゼンティティIDをプレゼンス端末装置3,3,…の入力部33へ入力する。
センサ5,5,…からプレゼンティティID及びパブリッシャIDを入力部33により受信したプレゼンス端末装置3,3,…は、プレゼンス情報をプレゼンスサーバ装置1へ通知する。このときプレゼンス端末装置3,3,…の制御部30は、パブリッシャIDによって識別されるセンサ5,5,…でプレゼンティティIDによって識別されるオブジェクト6,6,…が検知されたことに対応する内容のプレゼンス情報、例えばセンサ5はA社の入荷ゲート近辺に設置されているので、当該センサ5でオブジェクトが検知された場合は、「入荷ゲート到着」という内容のプレゼンス情報を通知する。また、プレゼンス端末装置3,3,…の制御部30は、プレゼンス情報を通知する場合、プレゼンス設定コマンド、プレゼンス情報の内容を表わす文字列、プレゼンティティID及びパブリッシャIDを共に送信する。
また、プレゼンス端末装置2,2,…が備える入力部23により、管理者がオブジェクト6,6,…についてのプレゼンス情報の内容を更新、設定する場合もある。管理者はプレゼンス情報の内容を更新、設定することでプレゼンス情報を発行するパブリッシャとなる。プレゼンス端末装置2,2,…の制御部20は、プレゼンス端末装置2,2,…の表示部25に管理者のパブリッシャとしてのIDの入力を受け付ける入力画面を表示させ、入力されたパブリッシャIDを取得する。その後プレゼンス端末装置2,2,…の制御部20は、オブジェクト6,6,…のプレゼンス情報を入力するためにオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを選択するためのドロップダウンメニュー、プレゼンス情報の内容、例えば「詳細テスト中」等を入力するための編集ボックスからなる操作画面(図示せず)を表示させる。プレゼンス端末装置2,2,…の制御部20は、管理者による操作画面への入力を検知して選択されたプレゼンティティID及び入力されたプレゼンス情報の内容の文字列を取得する。
プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…の制御部20,30は、プレゼンス設定コマンド、入力部23,33により入力されたプレゼンス情報の内容を表わす文字列、プレゼンティティID及びパブリッシャIDを共にプレゼンスサーバ装置1へ送信することによりプレゼンス情報を通知する。
図15は、本実施の形態におけるプレゼンス端末装置2,3の制御部20,30が、入力部によりオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報が発行されたことを検知してプレゼンス情報を通知する処理手順を示すフローチャートである。
プレゼンス端末装置2又はプレゼンス端末装置3の制御部20,30は、入力部23によりパブリッシャID、プレゼンティティID及びプレゼンス情報の内容が入力されたか否か、又は入力部33によりセンサ5からプレゼンティティID及びパブリッシャIDを受信したか否かにより、オブジェクト6,6,…のプレゼンス情報が発行されたことを検知したか否かを判断する(ステップS31)。
制御部20,30は、プレゼンス情報が発行されたことを検知していないと判断した場合(S31:NO)、処理をステップS31へ戻してプレゼンス情報が発行されたことを検知したと判断するまで待機する。
制御部20,30は、プレゼンス情報が発行されたことを検知した場合(S31:YES)、送信又は入力されたプレゼンス情報の内容、パブリッシャID、及びプレゼンティティIDを取得し(ステップS32)、取得した各情報を送信することによりプレゼンス情報をプレゼンスサーバ装置1へ通知し(ステップS33)、プレゼンス情報の通知処理を終了する。
上述のようにプレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…からプレゼンス情報が通知された場合、プレゼンスサーバ装置1は、通知されたプレゼンス情報を通知することが許可されたウォッチャ端末装置4,4,…へプレゼンス情報を通知する。また、保留リストに記憶されている通知要求については、プレゼンスサーバ装置1は、プレゼンス情報の内容に応じて通知するか否か、又は管理者が使用するプレゼンス端末装置2,2,…への問い合わせ処理が必要か否かを判断する。
図16及び図17は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、プレゼンス情報が通知された場合に通知可否又は問い合わせ処理の要否を判断する処理手順を示すフローチャートである。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…からプレゼンス情報が通知されたか否かを判断する(ステップS401)。制御部10は、プレゼンス情報が通知されていないと判断した場合は(S401:NO)、処理をステップS401へ戻してプレゼンス情報が通知されたと判断するまで待機する。
制御部10は、プレゼンス情報が通知されたと判断した場合(S401:YES)、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…からプレゼンス設定コマンドと共に送信されたプレゼンス情報の内容、パブリッシャID、及びプレゼンティティIDを取得し(ステップS402)、通知許可リストのプレゼンス情報の内容を更新する(ステップS403)。制御部10は、通知許可リストを参照し(ステップS404)、通知許可リストに記憶されている、通知が許可されている通知要求を抽出する(ステップS405)。制御部10は、抽出した通知要求について内容加工ルールに従ってプレゼンス情報の内容を加工し(ステップS406)、通知許可リストに記憶されている通知要求に対応するウォッチャ端末装置4,4,…へプレゼンス情報を通知する(ステップS407)。
制御部10は、ステップS401で通知されたプレゼンス情報に対応し、保留リストに記憶されている通知要求を保留原因ポリシ毎に取得する(ステップS408)。制御部10は、取得した各通知要求について保留原因ポリシを参照し(ステップS409)、取得した通知要求に対応するウォッチャID、通知されたプレゼンス情報に対応するプレゼンス情報の内容、パブリッシャID及びプレゼンティティIDに基づいてポリシの条件を評価する(ステップS410)。制御部10は、保留原因ポリシの条件に適合するか否かにより、各通知要求に対してポリシに基づいて決定される処理が通知許可であるか否かを判断する(ステップS411)。
制御部10は、決定される処理が通知許可であると判断した場合(S411:YES)、通知許可であると判断された通知要求に対応する内容加工ルールに従ってプレゼンス情報の内容を加工し(ステップS412)、加工したプレゼンス情報を通知する(ステップS413)。
制御部10は、ステップS401で通知されたプレゼンス情報に対応し、保留リストに記憶してある全保留原因ポリシについて通知要求を取得して評価したか否かを判断し(ステップS414)、全保留原因ポリシについて評価していないと判断した場合(S414:NO)、処理をステップS408へ戻し、未だ評価していない他の保留原因ポリシに対応する通知要求を取得してステップS408以降の処理を実行する。
制御部10は、ステップS414で全保留原因ポリシについて評価したと判断した場合(S414:YES)、通知されたプレゼンス情報について通知可否を判断する処理を終了する。
また制御部10は、ステップS411において、決定される処理が通知許可でないと判断した場合(S411:NO)、通知可否の問い合わせ処理が必要であるか否かを判断する(ステップS415)。制御部10は、通知可否の問い合わせ処理が必要であると判断した場合(S415:YES)、問い合わせ処理が必要であると判断された通知要求に対する通知可否の問い合わせ処理を実行し(ステップS416)、ステップS414の判断処理を実行し、全保留原因ポリシについて評価したと判断した場合(S414:YES)、処理を終了する。
制御部10は、通知可否の問い合わせ処理が不要であると判断した場合(S415:NO)、決定される処理は通知拒否であるので、通知を拒否し(ステップS417)、ステップS414の判断処理を実行し、全保留原因ポリシについて評価したと判断した場合(S414:YES)、処理を終了する。
このような処理手順により、ウォッチャ端末装置4,4,…から受信した時点では判断が保留されていた通知要求について、プレゼンス情報が通知された場合に通知可否の判断が実行される。これにより、実際に通知されたプレゼンス情報の内容、オブジェクトの属性情報、プレゼンス情報を発行したパブリッシャのID等、通知要求を受信した時点では判断し得なかった情報をも判断要素とし、柔軟に通知の可否を判断することができる。
また本発明の場合、ポリシが適用されない例外リストに基づいても処理が決定されるので、受信した時点では処理を決定できずに保留となるような通知要求の内の特定の通知要求については、通知可否の判断を保留にせずに効率よく判断することができる。
なお、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、ステップS408において保留原因ポリシ毎に通知要求を取得し、夫々の通知要求が保留原因ポリシの適用条件に適合するか否かを判断する。したがって、ステップS410で評価される結果は各通知要求によって異なる場合があり、その場合ステップS411からステップS417までの処理が各通知要求について実行される。
これまでの処理についての具体例として、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6が、パブリッシャID「A1」のセンサ5で検知された場合を当てはめて説明する。
この場合、センサ5からプレゼンス端末装置3へ、センサ5が存在を検知したオブジェクト6のプレゼンティティID「DPCα00004」及びセンサ5自身のパブリッシャID「A1」が送信される。これらを受信したプレゼンス端末装置3の制御部30は、図15のフローチャートに示した処理手順を実行することにより、プレゼンスサーバ装置1へパブリッシャID「A1」、プレゼンティティID「DPCα00004」及びプレゼンス情報の内容「入荷ゲート到着」を送信する。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、プレゼンス端末装置3,3,…からプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知がされたことにより、図16及び図17のフローチャートに示した処理手順を実行する。この場合、プレゼンスサーバ装置1の制御部10のステップS403の処理により、通知許可リストに含まれるプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6の最新のプレゼンス情報の内容が「入荷ゲート到着」に更新される。また、通知許可リストにウォッチャID「User1」が許可された通知先として記憶されている。したがって、制御部10によるステップS404からステップS407までの処理により通知許可であると判断され、内容加工ルールに従いそのまま「入荷ゲート到着」のプレゼンス情報が、ウォッチャID「User1」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4へ通知される。
一方、ステップS408の処理により、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6を対象とする通知要求が保留リストに記憶されているか否かが判断され、保留リストに記憶されている通知要求について、パブリッシャID「A1」及びプレゼンス情報の内容「入荷ゲート到着」に基づいて再度保留原因ポリシが評価される(S410)。図14の内容例に示すように、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6に関する通知要求は3つ記憶されている。保留リストに記憶されている通知要求の保留原因ポリシの1つであるポリシID「policy4」のポリシの適合条件は、「B社のユーザからの通知要求に対しては、パブリッシャID『A1』と『A3』から発行されたプレゼンス情報以外、ID『UserA』の管理者へ可否を問い合わせ」である。この場合、パブリッシャIDは「A1」であるために「policy4」の適用条件には適合しない。したがって、ウォッチャID「User2」及び「User4」については問い合わせ処理は実行されず、プレゼンス情報が通知される。このとき、ウォッチャID「User2」及び「User4」はB社に所属しているユーザのIDであり、パブリッシャIDが「A1」である場合の通知には内容加工ルールは適用されないのでプレゼンス情報の内容は「入荷ゲート到着」のまま通知される。
他の具体例として、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6が、パブリッシャID「A2」のセンサ5で検知された場合を当てはめて説明する。この場合は、プレゼンスサーバ装置1へパブリッシャID「A2」、プレゼンティティID「DPCα00004」及びプレゼンス情報の内容「テスト工程開始」が送信される。
同様に、プレゼンスサーバ装置1の制御部10の図16及び図17のフローチャートに示した処理が実行され、通知が許可されているウォッチャID「User1」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4へ、プレゼンス情報「テスト工程開始」がそのまま通知される。また、保留リストが参照されて保留原因ポリシが評価されるが、この場合、パブリッシャIDが「A2」であるために、ウォッチャID「User2」及び「User4」の通知要求の保留原因ポリシ「policy4」の適用条件が成立する。したがって、この場合はID「UserA」の管理者が使用するプレゼンス端末装置2へ問い合わせ処理が実行される。なおこのとき、保留原因ポリシ毎に問い合わせ処理が実行されるので、「User2」及び「User4」についての問い合わせ処理は一括して実行される。
次に、保留原因ポリシの条件を評価した結果、問い合わせが必要であると判断された通知要求に対応してプレゼンスサーバ装置1によって実行される問い合わせ処理について説明する。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、問い合わせが必要であると判断された通知要求について、問い合わせコマンドと共に、通知先のウォッチャID、通知対象のオブジェクト6,6,…のプレゼンティティID、問い合わせが必要であると判断された原因となる保留原因ポリシのポリシIDを管理者が使用する所定の端末装置へ送信する。実施の形態1では、管理者が使用する所定の端末装置はウォッチャ端末装置4,4,…でもあるプレゼンス端末装置2,2,…である。
管理者が使用するプレゼンス端末装置2,2,…の制御部20は、プレゼンスサーバ装置1から送信された問い合わせコマンド、ウォッチャID、プレゼンティティID及びポリシIDを受信する。プレゼンス端末装置2,2,…の制御部20は、受信したこれらの情報に基づいて表示部25に問い合わせ画面を表示し、管理者からの通知可否の判断を受け付ける。
図18は、本実施の形態におけるプレゼンス端末装置2,2,…の制御部20が、プレゼンスサーバ装置1からの問い合わせに応じて通知可否の判断を受け付ける処理手順を示すフローチャートである。
プレゼンス端末装置2,2,…の制御部20は、プレゼンスサーバ装置1から問い合わせコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS51)。制御部20は、問い合わせコマンドを受信していないと判断した場合(S51:NO)、処理をステップS51へ戻して問い合わせコマンドを受信したと判断するまで待機する。
制御部20は、問い合わせコマンドを受信したと判断した場合(S51:YES)、問い合わせコマンドと共に送信されるウォッチャID、プレゼンティティID、ポリシID等の各種情報を取得し、それらの各種情報に基づいて表示部25に通知可否の選択の入力部を有する問い合わせ画面を表示する(ステップS52)。
制御部20は、問い合わせ画面の選択の入力部に対して管理者が入力操作することによって、通知可否のいずれかが選択されたか否かを判断する(ステップS53)。制御部20は、いずれも選択されていないと判断した場合(S53:NO)、処理をステップS53へ戻して選択がされたと判断するまで待機する。
制御部20は、通知可否のいずれかが選択されたと判断した場合(S53:YES)、選択された通知可否の結果をプレゼンスサーバ装置1へ送信し(ステップS54)、問い合わせに対して通知可否の判断を受け付ける処理を終了する。なお、制御部20は、ステップS54において通知可否の結果を送信する場合、ウォッチャID、プレゼンティティID及び問い合わせ処理の原因となったポリシのIDと共に送信する。これにより、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、いずれのウォッチャIDに対するいずれのオブジェクト6のプレゼンス情報の通知の可否の結果であるかを特定することができる。
図19は、本実施の形態におけるプレゼンス端末装置2の表示部25に表示される問い合わせ画面の内容例を示す説明図である。図19の説明図に示す画面例は、プレゼンス端末装置2の制御部20が問い合わせコマンドを受信した場合に制御部20によって表示部25に表示される。
図19の説明図に示す画面例は、制御部20が受信したプレゼンティティID、ポリシIDに基づいて表示される情報表示エリア201と、通知可否の選択を受け付けるチェックボックス202,202,…及び「属性」ボタン203,203,…で構成される可否選択設定テーブル204と、選択され設定された可否判断結果をプレゼンスサーバ装置1へ送信するための「決定」ボタン205とで構成される。
情報表示エリア201には、通知可否の対象であるオブジェクト6,6,…及び問い合わせ処理が実行された理由であるポリシの情報が表示される。管理者は、情報表示エリア201に表示される情報を把握した上で、当該オブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知を要求するユーザ夫々について、可否選択設定テーブル204で通知可否の選択が可能である。各チェックボックス202,202,…はウォッチャID毎に「今回は許可」、「今回は拒否」、「今後も許可」、「今後も拒否」、「同属性も許可」、「同属性も拒否」の選択肢に夫々対応して排他的に選択可能に構成されている。なお、「同属性も許可」及び「同属性も拒否」は、今回の通知可否の対象であるオブジェクト6,6,…以外の同属性のオブジェクト6,6,…についても「今後も許可」するか又は「今後も拒否」するかを選択し、同属性のオブジェクト6,6,…について以後の問い合わせ処理を省略させるための選択肢である。
更に、ウォッチャID夫々のみならず、全てのウォッチャIDをまとめて選択可能なチェックボックス202も構成されている。これにより、管理者は通知の可否を一括に選択することが可能である。
可否選択設定テーブル中の「属性」ボタン203,203、…は、通知可否の対象であるオブジェクト6,6,…と同属性のオブジェクト6,6,…についてもまとめて通知可否を設定する場合、その「属性」を指定するためのボタンである。
制御部20は「決定」ボタン205が押下されたことを検知した場合、チェックボックス202,202,…のチェックの状態を検知することにより、いずれの通知可否が選択されたかを認識することができる。制御部20は、「決定」ボタン205が押下されたことを検知した場合、通知可否が選択されたことを示す通知可否設定コマンドと共に、夫々の可否設定対象のウォッチャID、各ウォッチャIDに対応して選択された通知可否を示す可否情報、及び問い合わせ処理の原因となったポリシIDをプレゼンスサーバ装置1へ送信する。なお「同属性も許可」又は「同属性も拒否」が選択された場合、プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、指定された属性情報をプレゼンスサーバ装置1へ送信する。
図20は、本実施の形態におけるプレゼンス端末装置2の表示部25に表示される画面例を示す説明図である。図20の説明図に示す画面例は、図19の画面例の「属性」ボタンが入力部23によって押下されたことを制御部20が検知した場合に表示される属性を指定するための画面例である。
図20の説明図に示すように、表示部25には通知可否設定対象のオブジェクト6の属性の一覧がチェックボックス206,206,…でチェック可能に表示される。図20の画面例では、2つの属性「A社」及び「デスクトップパソコン」が表示されている。また、一覧に存在しない属性を入力することができる編集ボックス207が表示されている。管理者は「その他」のチェックボックス206をチェックすることにより、編集ボックス207に任意の属性名を入力することができる。管理者はチェックボックス206のうちのいずれかをチェックするか、又は編集ボックス207に属性名を入力する。「決定」ボタン208はチェックした属性又は入力した属性名を確定するためのボタンであり、制御部20は「決定」ボタン208が押下されたことを検知した場合、チェック又は入力された属性名を取得する。「キャンセル」ボタン209が押下された場合は、制御部20により何も取得されずに画面が閉じられる。
本発明による場合、図19の説明図に示すように、一つの保留原因ポリシに対応する複数の通知要求について一括して選択を受け付けることが可能である。図16及び図17のフローチャートに示したように、保留原因ポリシ毎に通知要求に対する通知可否の問い合わせ処理の要否を判断し、問い合わせ処理が必要な通知要求については一括して送信するようにしてあるからである。これにより、管理者は同一のオブジェクト6についての同一の保留原因に対応する複数のユーザからの通知要求についてまとめて通知可否を判断することができるので、効率的に判断を行うことができる。同一のオブジェクト6について夫々任意の時点で問い合わせ処理が行われる場合と比較して、通知可否の判断を誤る確率も低減され、適切な判断が可能になる点で優れた効果を奏する。特に、本実施の形態のようにオブジェクト6,6,…が多種で多数である場合、同一同属性のオブジェクト6,6,…について一括で通知可否の判断ができるので、管理者の作業効率を向上させることが可能になる。
なお、ウォッチャであるユーザについても同属性、例えば所属が同じユーザが使用するウォッチャ端末装置4,4,…へは通知を許可/拒否することを選択させることができるように構成してもよい。
次に、上述のように管理者が使用するプレゼンス端末装置2から、選択された通知可否の判断結果がプレゼンスサーバ装置1へ送信された場合に、プレゼンスサーバ装置1で実行される処理について説明する。
図21は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の制御部10が選択された通知可否に基づいて実行する処理手順の全体的概要を示すフローチャートである。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、管理者が使用するプレゼンス端末装置2から送信された通知可否設定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS601)。制御部10は、通知可否設定コマンドを受信していないと判断した場合(S601:NO)、処理をステップS601へ戻し、通知可否設定コマンドを受信したと判断するまで待機する。
制御部10は、通知可否設定コマンドを受信したと判断した場合(S601:YES)、共に送信された通知可否設定対象の各ウォッチャID毎に可否情報を読み出し、「今回は許可」、「今後も許可」又は「同属性も許可」であるか否かにより、当該ウォッチャIDのユーザへの通知が許可されたか否かを判断する(ステップS602)。制御部10は、通知が許可されたと判断した場合(S602:YES)、ウォッチャID、実際のプレゼンス情報の内容等に適用される内容加工ルールに従い、通知許可リストに更新されているプレゼンス情報を加工する(ステップS603)。制御部10は、許可されたウォッチャIDのユーザが使用するウォッチャ端末装置4,4,…へ加工したプレゼンス情報を通知する(ステップS604)。
次に制御部10は、選択された通知可否が「今回は許可」であるか否かを判断する(ステップS605)。制御部10は、選択された通知可否が「今回は許可」であると判断した場合(S605:YES)、ステップS601で通知可否設定コマンドと共に受信した全通知可否の判断結果について処理を実行したか否かを判断する(ステップS606)。
なお、「今回は許可」である場合は一時的に通知が許可されるものの依然として判断が保留される。その後同じオブジェクト6のプレゼンス情報が通知された場合でも、通知可否の判断結果として「今回は許可」が選択された通知要求については保留リストに記憶されることになり、再度通知可否の問い合わせ処理が行われる。
一方、制御部10は選択された通知可否が「今回は許可」でないと判断した場合(S605:NO)、「今後も許可」に対応する処理を実行し(ステップS607)、更に、選択された通知可否が「同属性も許可」であるか否かを判断する(ステップS608)。
制御部10は、選択された通知可否が「同属性も許可」でないと判断した場合(S608:NO)、ステップS606の判断処理へ処理を進める。
制御部10は、選択された通知可否が「同属性も許可」であると判断した場合(S608:YES)、「同属性も許可」に対応する処理を実行し(ステップS609)、ステップS606の判断処理へ処理を進める。
また、制御部10はステップS602において通知が許可されなかった、即ち「今回は許可」、「今後も許可」又は「同属性も許可」のいずれでもないと判断した場合(S602:NO)、通知は拒否されたので更に、選択された通知可否が「今回は拒否」であるか否かを判断する(ステップS610)。
制御部10は、選択された通知可否が「今回は拒否」であると判断した場合(S610:YES)、そのままステップS606の判断処理へ処理を進めて全通知可否について処理が実行されていない場合は、他の通知要求についての通知可否に対応する処理を実行する。この場合、「今回は許可」と同様に一時的に通知が拒否されるものであり、依然として判断が保留されているため保留リストに当該通知要求の記憶が保持される。
一方、制御部10は、選択された通知可否が「今回は拒否」でないと判断した場合(S610:NO)、「今後も拒否」に対応する処理を実行し(ステップS611)、更に、選択された通知可否が「同属性も拒否」であるか否かを判断する(ステップS612)。
制御部10は、選択された通知可否が「同属性も拒否」でないと判断した場合(S612:NO)、ステップS606の判断処理へ処理を進める。
制御部10は、選択された通知可否が「同属性も拒否」であると判断した場合(S612:YES)、「同属性も拒否」に対応する処理を実行し(ステップS613)、ステップS606の判断処理へ処理を進める。
制御部10は、ステップS606において、全通知可否の判断結果について処理を実行していないと判断した場合(S606:NO)、処理をステップS602へ戻して他の通知可否の判断結果、即ち他の通知要求についての可否情報についてステップS602以降の処理を実行する。一方制御部10は、全通知可否の判断結果について処理を実行したと判断した場合(S606:YES)、処理を終了する。
次に、選択された各通知可否に対応する処理について説明する。図22は、本実施の形態においてプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、問い合わせ処理によって選択された通知可否が「今後は許可」である場合に実行する処理手順を示すフローチャートである。図22のフローチャートに示す処理手順は、図21のフローチャートに示す処理手順の内のステップS607の「今後も許可」に対応する処理の手順である。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、保留リストから通知が許可された通知要求を削除する(ステップS71)。制御部10は、保留リストを参照して通知要求が他の保留原因ポリシで保留されているか否かを判断する(ステップS72)。制御部10は、他の保留原因ポリシで保留されていると判断した場合(S72:YES)、「今後も許可」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS608へ処理を戻す。
制御部10は、他の保留原因ポリシで保留されていないと判断した場合(S72:NO)、当該通知要求については今後許可されるので通知許可リストに記憶し(ステップS73)、「今後も許可」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS608へ処理を戻す。
この処理により、通知可否として「今後も許可」が選択された通知要求は通知許可リストに記憶されるので、他の保留原因ポリシで保留されていない限り、プレゼンス情報が通知され、通知許可リストが参照された時点でプレゼンス情報が通知される。
図23は、本実施の形態においてプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、問い合わせ処理によって選択された通知可否が「同属性も許可」である場合に実行する処理手順を示すフローチャートである。図23のフローチャートに示す処理手順は、図21のフローチャートに示す処理手順の内のステップS609の「同属性も許可」に対応する処理の手順である。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、通知要求の対象であるオブジェクト6と同属性の他のオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを取得する(ステップS81)。なお、「同属性も許可」が選択された場合、通知可否設定コマンドと共に指定された属性情報がプレゼンス端末装置2から送信されるので、プレゼンスサーバ装置1の制御部10はステップS81において、送信された属性情報に基づいて同属性の他のオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを取得する。
制御部10は、取得したプレゼンティティIDの各オブジェクト6,6,…について、同じウォッチャIDのユーザからの通知要求に対しては今後も継続的に通知を許可するため、「許可」する通知要求として「許可」のフラグと共に例外リストに記憶する(ステップS82)。
制御部10は、取得したプレゼンティティIDの各オブジェクト6,6,…について、同じウォッチャIDのユーザからの通知要求が、同一の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されているか否かを判断する(ステップS83)。同属性のオブジェクト6,6,…について既に通知要求が送信されている場合は、同一の保留原因ポリシが適合され、保留リストに記憶されている可能性が高い。制御部10は、通知要求が同一の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されていないと判断した場合は(S83:NO)、同属性のオブジェクト6,6,…について同一の保留原因ポリシに当てはまる通知要求は送信されていないので、「同属性も許可」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS606へ処理を戻す。
制御部10は、ステップS83において、通知要求が同一の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されていると判断した場合は(S83:YES)、記憶されている通知要求を保留リストから削除する(ステップS84)。
制御部10は更に、ステップS81で取得したプレゼンティティIDの各オブジェクト6,6,…についての同じユーザからの通知要求が、他の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されているか否かを判断する(ステップS85)。制御部10は、通知要求が他の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されていると判断した場合(S85:YES)、同属性のオブジェクト6,6,…について通知要求は送信されているが、他のポリシによって保留されており、通知可否の判断ができない。したがって「同属性も許可」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS606へ処理を戻す。
制御部10は、通知要求が他の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されていないと判断した場合(S85:NO)、同属性のオブジェクト6,6,…について既に送信されている通知要求に応じてプレゼンス情報を加工して通知する(ステップS86)。更に、当該通知要求については今後許可されるので通知許可リストに記憶し(ステップS87)、「同属性も許可」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS606へ処理を戻す。
この処理により、通知可否として「同属性も許可」が選択された場合、通知可否設定対象の通知要求のみならず、同一の保留原因ポリシで保留される可能性の高い他の同属性のオブジェクト6,6,…についての通知要求が保留されなくなる。更に、既に送信されている同属性のオブジェクト6,6,…についての通知要求について改めて通知可否をする必要がなくなる。したがって管理者は、同様の判断をすることになるような同一のユーザからの同属性のオブジェクト6,6,…についての通知要求の通知可否を効率的にまとめて判断することができる。同属性のオブジェクト6,6,…については一括して通知を許可/拒否できるので、通知可否の判断を誤る確率が低減され、適切な判断が可能になる。
図24は、本実施の形態においてプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、問い合わせ処理によって選択された通知可否が「今後も拒否」である場合に実行する処理手順を示すフローチャートである。図24のフローチャートに示す処理手順は、図21のフローチャートに示す処理手順の内のステップS611の「今後も拒否」に対応する処理の手順である。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、保留リストに記憶されている通知可否設定対象の通知要求に対応するポリシの適用可否を示すマークに「拒否」を設定し(ステップS91)、「今後も拒否」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS612へ処理を戻す。
この処理により、「今後も拒否」が選択された通知要求については以後、可否問い合わせの実行対象外となる。これにより当該通知要求の対象であるオブジェクト6のプレゼンス情報がプレゼンス端末装置2から通知された場合でも、同一のポリシによって通知可否の問い合わせ処理が実行されない。更に、他のポリシの条件に適合することによって通知が許可された場合であっても、ポリシID「policy4」のポリシに適合する通知要求は拒否される。
図25は、本実施の形態においてプレゼンスサーバ装置1の制御部10が、問い合わせ処理によって選択された通知可否が「同属性も拒否」である場合に実行する処理手順を示すフローチャートである。図25のフローチャートに示す処理手順は、図21のフローチャートに示す処理手順の内のステップS613の「同属性も拒否」に対応する処理の手順である。
プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、通知要求の対象となるオブジェクト6と同属性の他のオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを取得する(ステップS101)。なお、「同属性も拒否」が選択された場合、通知可否設定コマンドと共に指定された属性情報がプレゼンス端末装置2から送信されるので、プレゼンスサーバ装置1の制御部10はステップS101において、送信された属性情報に基づいて同属性の他のオブジェクト6,6,…のプレゼンティティIDを取得する。
制御部10は、ステップS101で取得したプレゼンティティIDの各オブジェクト6,6,…の例外リストに、通知可否設定コマンドと共に送信されたウォッチャID及びポリシIDを「拒否」フラグを対応付けて記憶する(ステップS102)。
次に制御部10は、ステップS101で取得したプレゼンティティIDの各同属性のオブジェクト6,6,…に関する通知要求が同一の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されているか否かを判断する(ステップS103)。同属性のオブジェクト6,6,…について既に通知要求が送信されている場合は、同一の保留原因ポリシが適用され、保留リストに記憶されている可能性が高い。制御部10は、同属性のオブジェクト6,6,…に関する通知要求が同一の保留原因ポリシによって記憶されていないと判断した場合は(S103:NO)、同属性のオブジェクト6,6,…について既に通知要求が送信されていないので、「同属性も拒否」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS606へ処理を戻す。
制御部10は、同属性のオブジェクト6,6,…に関する通知要求が同一の保留原因ポリシによって記憶されていると判断した場合は(S103:YES)、記憶されている通知要求、即ち同属性のオブジェクト6,6,…について既に送信されている通知要求に対応するポリシの適用可否を示すマークに「拒否」を設定し(ステップS104)、「同属性も拒否」に対応する処理を終了し、図21のフローチャートに示したステップS606へ処理を戻す。
この処理により、同属性のオブジェクト6,6,…のプレゼンス情報を要求する、同一の保留原因ポリシで保留される可能性のある通知要求についても一括して通知を拒否させることができる。また、既に送信され、同一の保留原因ポリシによって保留リストに記憶されている同属性のオブジェクト6,6,…に関する通知要求についても、そのオブジェクト6のプレゼンス情報が通知された場合であっても問い合わせ処理が行われず、自動的に通知が拒否される。
これまでの処理についての具体例として、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報がパブリッシャID「A2」のセンサ5によって発行され、ウォッチャID「User2」及び「User4」のユーザからの通知要求の保留原因ポリシ「policy4」の適用条件が成立し、ID「UserA」の管理者が使用するプレゼンス端末装置2へ問い合わせが送信された場合を当てはめて説明する。
ID「UserA」の管理者が使用するプレゼンス端末装置2の表示部25には、図19の説明図に示したように画面が表示される。ID「UserA」の管理者は、ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求に対し、「今回は許可」、「今後も許可」、「同属性も許可」、「今回は拒否」、「今後も拒否」又は「同属性も拒否」のいずれかを選択することが可能である。なお、ウォッチャID「User4」のユーザからの通知要求に対する通知可否の選択も同時に可能である。
ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求に対し、「今回は許可」が選択された場合の処理を具体的に説明する。この場合、ID「UserA」の管理者が使用するプレゼンス端末装置2からは、通知可否設定コマンドと共に、ウォッチャID「User2」、選択された通知可否の可否情報(「今回は許可」)、保留原因ポリシID「policy4」がプレゼンスサーバ装置1へ送信される。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、図21のフローチャートに示した処理手順を実行する。選択された通知可否は「今回は許可」であるので、ステップS602により通知が許可されたと判断され、プレゼンス情報の内容が内容加工ルールに従い加工され、ウォッチャID「User2」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4へ通知される。「今回は許可」が選択されたので、制御部10は処理を終了する。この時点で、保留リストには依然として、ウォッチャID「User2」のユーザからのプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6に関する通知要求が記憶されたままである。
ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求に対し、「今後も許可」が選択された場合の処理を具体的に説明する。管理者が使用するプレゼンス端末装置2から送信される情報は、「今回は許可」が選択された場合と同じである。選択された通知可否は「今後は許可」であるので「今回は許可」が選択された場合同様に、ステップS602により通知が許可されたと判断され、プレゼンス情報は内容が加工された上でウォッチャID「User2」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4へ通知される。
「今後も許可」が選択された場合はこれに加えて、図22のフローチャートに示した処理手順が実行される。ステップS71の処理により、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6について、ポリシID「policy4」のポリシを保留原因ポリシとして記憶されていた、ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求は保留リストから削除される。更に、当該通知要求が他のポリシによって保留されていない場合(S72:NO)、即ちプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6について、ポリシID「policy4」のポリシ以外の保留原因ポリシについてウォッチャID「User2」が記憶されていない場合は、プレゼンティティID「DPCα0004」の通知許可リストにウォッチャID「User2」が追加される。これにより、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報が通知された場合であっても、ウォッチャID「User2」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4への通知が同じポリシによって保留されることはない。
次に、ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求に対し、「同属性も許可」が選択された場合の処理を具体的に説明する。管理者が使用するプレゼンス端末装置2から送信される情報は、「今回は許可」が選択された場合に加え、指定された属性を示す属性情報が送信される。ID「UserA」の管理者により、「α社のデスクトップパソコン」が属性として指定された場合を例に説明する。
なお、「同属性も許可」が選択された場合であっても、図21のフローチャートに示した処理手順の内のステップS603、ステップS604及びステップS607の処理は実行される。したがって、「今後も許可」が選択された場合同様、通知可否設定対象の通知要求に対するプレゼンス情報の通知、保留リストからの削除、場合によっては通知許可リストへの記憶の処理が行われる。
「同属性も許可」が選択された場合はこれに加えて、図23のフローチャートに示した処理手順が実行される。「α社のデスクトップパソコン」が同属性として指定されているので、プレゼンティティID「DPCα00004」と同属性の「DPCα00001」〜「DPCα00003」,「DPCα00005」,「DPCα00006」,…が取得される。ステップS82の処理により、取得された各「α社のデスクトップパソコン」のプレゼンス情報の通知を要求するウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求は、ポリシID「policy4」のポリシを適用せず通知が「許可」されるように例外リストに記憶される。
図26は、本実施の形態におけるプレゼンスサーバ装置1の記憶部11の例外リストに通知要求が追加された例を示す説明図である。図26の説明図は、図9の説明図の例外リストに通知要求が追加されたことを示している。
図26の説明図には、上述の具体例で示したように「α社のデスクトップパソコン」と同属性のオブジェクト6が追記されている。即ちプレゼンティティID「DPCα00001」〜「DPCα00003」及び「DPCα00005」に対応させてウォッチャID「User2」、ポリシID「policy4」が「許可」フラグと共に記憶されている。
更に、同属性の各オブジェクト6,6,…のプレゼンス情報の通知を要求し、同一の保留原因ポリシ(ID「policy4」)によって保留されている通知要求が保留リストに記憶されている場合は、それらの通知要求を保留リストから削除する(S84)。例えば、同属性のオブジェクトのプレゼンティティID「DPCα00005」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知を要求するウォッチャID「User4」のユーザからの通知要求が、ポリシID「policy4」のポリシを保留原因ポリシとして保留リストに記憶されている場合はその通知要求を削除する。
更に、ステップS84の処理によって保留リストから削除した通知要求がポリシID「policy4」以外のポリシによって保留されていない場合は、各通知要求に対してプレゼンス情報の通知を実行し、今後はそのまま許可されるように通知許可リストに追記される。
次に、ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求に対し、「今回は拒否」が選択された場合の処理を具体的に説明する。プレゼンスサーバ装置1の制御部10は、図21のフローチャートに示した処理手順を実行するが、この場合は通知を拒否するので処理は何も行われない。なおこの時点で、保留リストには依然として、ウォッチャID「User2」からのプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6に関する通知要求が記憶されたままである。
「今後も拒否」が選択された場合は、図24のフローチャートに示した処理手順が実行される。この場合、管理者が使用するプレゼンス端末装置2からは、通知可否設定コマンドと共に、ウォッチャID「User2」、選択された通知可否の可否情報(「今後も拒否可」)、保留原因ポリシID「policy4」がプレゼンスサーバ装置1へ送信される。そしてステップS91の処理により、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6について、ポリシID「policy4」のポリシを保留原因ポリシとして記憶されていたウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求について、ポリシの適用可否を示すマーク(「拒否」)が記憶される。図27は、本実施の形態においてプレゼンスサーバ装置1の記憶部11の保留リストにマークが設定された例を示す説明図である。
これにより、プレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報が通知された場合であっても、ウォッチャID「User2」のユーザが使用するウォッチャ端末装置4への通知について保留原因ポリシの適用条件が成立するか否かの評価はされず、ウォッチャID「User2」のユーザへの通知は拒否される。ウォッチャID「User2」のユーザへのプレゼンティティID「DPCα00004」のオブジェクト6のプレゼンス情報の通知については、以後問い合わせ処理の実行対象外となり、保留リストからも削除されない。
次に、ウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求に対し、「同属性も拒否」が選択された場合の処理を具体的に説明する。管理者が使用するプレゼンス端末装置2から送信される情報は、「今後も拒否」が選択された場合に加え、指定された属性を示す属性情報が送信される。ID「UserA」の管理者により、「α社のデスクトップパソコン」が属性として指定された場合を例に説明する。
なお、「同属性も拒否」が選択された場合であっても、図24のフローチャートに示した処理手順(図21のフローチャートのステップS611)は実行される。したがって、「今後も拒否」が選択された場合同様、保留リストに記憶されている通知が拒否された通知要求のポリシの適用可否を示すマーク(「拒否」)が設定される。
「同属性も拒否」が選択された場合はこれに加えて、図25のフローチャートに示した処理手順が実行される。「α社のデスクトップパソコン」が同属性として指定されているので、プレゼンティティID「DPCα00004」と同属性の「DPCα00001」〜「DPCα00003」,「DPCα00005」,「DPCα00006」,…が取得される(S101)。そしてステップS102の処理により、取得された各「α社のデスクトップパソコン」のプレゼンス情報の通知を要求するウォッチャID「User2」のユーザからの通知要求は、ポリシID「policy4」のポリシを適用せず通知が「拒否」されるように例外リストに記憶される。
更に、ステップS104の処理により、取得された各「α社のデスクトップパソコン」のプレゼンス情報の通知を要求するウォッチャID「User2」からの通知要求であって、ポリシID「policy4」のポリシによって保留されている通知要求についてもポリシの適用可否を示すマーク(「拒否」)が設定される。これにより、同属性のオブジェクト6についての同一の保留原因ポリシに当てはまる通知要求について、重複して通知可否の判断をする必要がなくなり、通知可否の判断処理が効率的になる。
本発明による場合はこのように、問い合わせの処理で複数の通知可否の選択肢が選択可能であり、また、同属性のオブジェクト6については一括して通知を許可するか、又は拒否するかを問い合わせが可能である。選択された通知可否を中央装置で記憶しておくことにより、以後プレゼンス情報の通知時に効率的に通知可否の判断を行うことができる。
なお、本実施の形態では保留リストに記憶されていた通知要求は、次に通知要求の対象であるオブジェクト6のプレゼンス情報が通知されるまで、判断が保留されたままとなり、問い合わせ処理も実行されない。したがって、保留リストに記憶されてから所定時間が経過した後は、プレゼンス情報がプレゼンス端末装置2から通知されていない場合であっても問い合わせ処理を行う構成としても良い。また、保留リストに記憶しておく一方で、一回は一時的に通知を許可して直ちにプレゼンス情報を通知するようにしても良い。
なお、本実施の形態では、ウォッチャ端末装置4,4,…から通知要求を受信した時点ではポリシ情報を参照しても処理を決定できなかった通知要求について保留リストに記憶する構成とした。しかしながら、本発明は、単にウォッチャ端末装置4,4,…から受信した通知要求について、プレゼンス情報が通知されるまで判断せずにおく構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、図19の説明図に示したように、問い合わせ画面によって今回は許可/拒否又は今後も許可/拒否を選択可能にし、一時的な可否と継続的な可否に分けて選択を受け付けることができるように構成した。しかしながら本発明はこれに限らず、単に「許可/拒否」の選択を受け付けるように構成し、一時的な可否又は継続的な可否の選択のいずれかのみ行う構成でもよい。
本実施の形態では、ウォッチャ端末装置4及びプレゼンス端末装置2で表示される画面例は各装置の記憶部に記憶してあるアプリケーションプログラムが読み出されて実行されることにより表示される構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、これらの画面がWebブラウザ上で表示され、画面はプレゼンスサーバ装置1から送信される情報に基づいて表示されるように構成してもよい。
なお、本実施の形態では、オブジェクト6,6,…(プレゼンティティ)は物であってRFIDタグ7,7,…が付けられており、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…は、RFIDタグリーダであるセンサ5,5,…(パブリッシャ装置)に接続されている構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、オブジェクト6,6,…(プレゼンティティ)は人であって、且つその人は自身のプレゼンス情報を設定するパブリッシャであり、プレゼンス端末装置2,2,…,3,3,…は、パブリッシャから入力されたプレゼンス情報の内容が変化したことを検知してプレゼンス情報を送信する構成でもよい。この場合、パブリッシャの属性情報は、パブリッシャであって、プレゼンティティでもある人の属性(所属グループ等)を含む。