JP5467766B2 - 高圧処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、100MPa以上の高圧を扱う高圧処理装置にあって軽量化を可能にする技術に関するものである。
金属材料やセラミックス等の被処理品を高圧容器内に入れ、アルゴンガス等の不活性ガスで高圧処理する熱間等方圧プレス法(HIP法)は公知である。また、粉末にした被処理品をゴム袋に封入したうえでこのゴム袋を高圧容器内に入れ、水等の液体で高圧処理する冷問静水圧加圧法(CIP法)も公知である。
これらHIP装置やCIP装置で用いられる高圧容器は、円筒部と、円筒部の両端部に嵌り込む上下一対の蓋体とを有している。円筒部と蓋体との嵌合部には、高圧容器内(処理室内)の内圧を保持するため、Oリング等のシール部材が設けられている。また高圧容器全体として、両蓋体相互を対向押圧させる状態にプレス枠体を嵌めるようにする。
なお、高圧容器には円筒部と蓋体とをネジ結合するものもあるが、ネジ結合部分で起こる応力集中が原因で比較的短寿命になり、また蓋体の着脱が面倒(被処理品を頻繁に出し入れし難い)といった事情から、プレス枠体を用いたもの(以下「プレス枠構造」と言う)が主流である。
しかしながら、このプレス枠構造の高圧容器では、プレス枠体を具備していることによる宿命として、装置重量が重くなる問題があった。殊に、高圧容器の容器内を100MPaに達するほど高圧にする場合では、容器壁の肉厚を分厚くせざるを得ず、仮に容器壁を高強度の高靭鋼で可及的に薄肉に形成させたとしても軽量化には自ずと限度があった。
また、高圧容器は大型化の傾向にあり(内径2mを越えるものも製作されている)、なかでもCIP法では、食品や再生医療材料等を扱う場合に処理室内が400MPa〜1GPaもの高圧に及ぶことから、重さに関する問題は益々重大化している。このように、プレス枠構造の高圧容器にとって軽量化は、その耐圧強度を保持させながらも基本的構成を考慮すべき問題として、今日、着目されている。
ところで、高圧容器には、円筒部の容器壁を金属材料(高張力鋼など)で単一層とさせたものがある他、容器壁の内側に内側ライナーを設けると共に、容器壁の外側には鋼線(ピアノ線など)を巻き付けるような状態の強化層を設けて補強したものがある(例えば、特許文献1等参照)。
この特許文献1に記載された技術は、内側ライナーが消耗品であることを前提とし、その交換に係るランニングコストの削減を第一の目的とするものである。解決手段には、まず内側ライナーの肉厚を可及的に薄くすることが挙げられている。そのうえで、内側ライナーの交換時期を実際の破断時とする(定期点検で予見的交換をするのではない)ものとしている。
具体的には、薄肉化した内側ライナーの外周面に螺旋溝を形成しておき、この内側ライナーの破断時にリークする圧力媒体を螺旋溝へと誘導し、もって、容器外から内側ライナーの破断を迅速且つ的確に判別できるようにしている。内側ライナーは、薄肉化によって軸方向へ二分するような状態で破断しやすくなるが、破断の判別を迅速に行えることで容器全体の破損を防止でき、安全であると説明されている。また、特許文献1では、強化層を設けることでプレス枠体を簡素化できるから、軽量化に繋がると説明されている。
一方、容器壁の外側に設ける強化層において、鋼線の代わりにガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等を用いることで、高圧容器の軽量化を図ったものも提案されている(特許文献2参照)。
特表平9−509099号公報 特表2002−516172号公報
プレス枠構造の高圧容器において、容器内を高圧にした場合、円筒部と蓋体との結合部分に設けたシール部材に摩擦が生じ、この摩擦で内側ライナーに軸方向の引張応力が作用し、結果、この引張応力が内側ライナーの破断を誘発し、また破断を早めさせる原因になることが判明した。
この場合、内側ライナーを薄肉化していたのでは破断が益々起こりやすくなるのは必定である。この点で、特許文献1に記載された技術が、プレス枠構造の高圧容器において軽量化を達成するための手段には成り得ないことは明かである。
そもそも、この特許文献1に記載された技術は内側ライナーが消耗品であることを前提とし、またそれに伴うランニングコストの削減を目的としているから、本来の軽量化とは技術思想を全く別異にするものと言わなければならない。のみならず、強化層をその材質を変えることで軽量化させるといったことについては全く記載されていない。
また、特許文献2に記載された技術は、強化層をガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等で形成することによる軽量化を図ったものであるが、その構成のみをもって問題解決の達成としている。それ故、内側ライナーの肉厚について特段の技術事項を付加するようなことについては一切開示されておらず、シール部材の摩擦を原因とした破断への対処も一切無いままである。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、プレス枠構造の高圧容器に備えられる円筒部として、シール部材の摩擦が原因で破断することがないようにし、そのうえでこのプレス枠構造の高圧容器全体としての軽量化を可能にした高圧処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る高圧処理装置は、円筒部とこの円筒部の軸方向両端部に着脱可能な状態で嵌合する一対の蓋体とを有する高圧容器と、この高圧容器内に発生する軸方向の荷重を保持するプレス枠体と、を有する高圧処理装置において、前記円筒部と蓋体との嵌合部には、高圧容器内の内圧を保持するシール部材が設けられ、前記円筒部は、金属材料製のライナー部材とその外側に巻回状に設けられた強化繊維材からなる強化層とを有しており、前記シール部材の摩擦力に起因しライナー部材に対して軸方向に作用する引張応力が、前記ライナー部材を形成する金属材料の引張強度又は降伏点に比べて小さくなるように、前記ライナー部材の肉厚が設定されていることを特徴とする。
このように、円筒部のライナー部材に対してその外側に設ける強化層を強化繊維材製とすることにより、十分な強度を持たせ且つ基本的な軽量化を達成することができる。そのうえで、ライナー部材の肉厚に所定の条件を付することによって、ライナー部材に破断が生じないようにできる。その結果、プレス枠構造の高圧容器に備えられる円筒部として、シール部材の摩擦が原因で破断することがないようにし、そのうえでこのプレス枠構造の高圧容器全体としての軽量化が可能となる。
前記強化層は、円筒部の接線方向に沿って設けられる強化繊維材と、円筒部の軸方向に沿って設けられる強化繊維材とを略直交させるように編まれた織布強化層を有しているのが好適である。
このように軸方向に沿った強化繊維材を含む織布強化層は、軸方向の引張に対して強いものであるから、この織布強化層を設けることで、ライナー部材に発生する軸方向の荷重を確実に支持できることになる。
前記強化層は、強化繊維材を前記円筒部に沿って巻回して形成された巻成強化層を有し、前記強化層の内層側が前記織布強化層であり、外層側が前記巻成強化層とされているのが好適である。
このようにライナー部材の外周面に織布強化層を直接設け、その更に外側に巻成強化層を設けることで、ライナー部材の補強を効率よく、また一層確実に行えるものとなる。
前記ライナー部材の外面周には周方向の凹溝が軸方向に並んで複数条形成されており、この凹溝内に前記織布強化層の一部が噛み込む状態で設けられたものとするのがよい。
このようにすると、ライナー部材と織布強化層との軸方向結合力を強くできるので、ライナー部材に発生した軸方向荷重をこの織布強化層により、一層効率的に負担させることができるようになる。
前記プレス枠体の外面に強化繊維材からなる強化層が設けられたものとしてもよい。
前記強化層の形成に用いられる強化繊維材は、炭素繊維又はアラミド繊維とすることができる。
なお、本願発明に係る高圧処理装置の最も好ましい形態は、円筒部とこの円筒部の軸方向両端部に着脱可能な状態で嵌合する一対の蓋体とを有する高圧容器と、この高圧容器内に発生する軸方向の荷重を保持するプレス枠体と、を有する高圧処理装置において、前記円筒部と蓋体との嵌合部には、高圧容器内の内圧を保持するシール部材が設けられ、前記円筒部は、金属材料製のライナー部材とその外側に巻回状に設けられた強化繊維材からなる強化層とを有しており、前記シール部材の摩擦力に起因しライナー部材に対して軸方向に作用する引張応力が、前記ライナー部材を形成する金属材料の引張強度又は降伏点に比べて小さくなるように、前記ライナー部材の肉厚が設定されていて、前記強化層は、円筒部の接線方向に沿って設けられる強化繊維材と、円筒部の軸方向に沿って設けられる強化繊維材とを略直交させるように編まれた織布からなる織布強化層を有し、前記強化層の内層側が前記織布強化層であり、外層側が線状の強化繊維材を前記円筒部に沿って巻回して形成された巻成強化層とされていて、前記織布強化層は、前記巻成強化層より薄肉であって単層以上10層未満の積層構造とされていることを特徴とする。
本発明に係る高圧処理装置では、高圧容器を構成する円筒部が、シール部材の摩擦が原因で破断することがなく、且つ格段の軽量化が図れている。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1〜図3は、本発明に係る高圧処理装置1の一実施形態を示している。
この高圧処理装置1は、高圧の液体を圧力媒体(以下「圧媒」と言う)とするCIP装置に適用したものであって、高圧容器2を核として構成される。
この高圧容器2は、円筒部3と、この円筒部3の軸方向両端部に着脱可能な状態で嵌合する上下一対の蓋体4,5とを有している。蓋体4,5は短円柱状に形成されている。
円筒部3に対して蓋体4,5が嵌合する部分には、高圧容器2内の内圧を封止するため、リング形のシール部材6が設けられている。このシール部材6は、ゴムなどの弾性材により形成されたOリングとすることが可能である。
下側の蓋体5には、高圧容器2の内外を連通させる状態で下部通路8が設けられており、この下部通路8は圧媒供給源(図示略)に接続されて、容器内へ圧媒を導入したり排出したりできるようになっている。従って、これら円筒部3と蓋体4,5とによって、その内部に高圧処理を実施するための処理室10が形成されることになる。
また、高圧処理中、この高圧容器2のまわりには、円筒部3の軸方向に沿って上下の蓋体4,5をも含めるような状態で窓枠状のプレス枠体12が嵌められる。このプレス枠体12は、高張力鋼板などによって形成されたもので、上下のヨークヘッド13,14と、これら両ヨークヘッド13,14の相互間に設けられるコラム部15とを有して成る。
このプレス枠体12が嵌められることで、高圧容器2は上下の蓋体4,5相互が対向押圧される状態に把持固定され、これら蓋体4,5を介して容器内の軸方向で発生する荷重が保持されるようになる。
円筒部3は、金属材料製のライナー部材16と、このライナー部材16の外側に巻回状に設けられた強化繊維材からなる強化層17とを有している。
ライナー部材16は、強靭鋼などの高強度材料の他、アルミ合金のような低比重の金属材料によって形成されている。アルミ合金などであれば高圧容器2の軽量化にとって有益となることは言うまでもない。
強化層17は、織布強化層20と、巻成強化層21とを有している。ライナー部材16の外周面に対して直接的に織布強化層20が設けられ、この織布強化層20の外周面に巻成強化層21が設けられる構造(巻成強化層21とライナー部材16との間に織布強化層20が設けられる構造)である。
織布強化層20は、円筒部3の接線方向に合致して設けられる強化繊維材20aと、円筒部3の軸方向に沿って設けられる強化繊維材20bとを略直交させるように編成した織布に対し、エポキシ樹脂やフェノール樹脂を含浸させることで形成されている。
このように軸方向に沿った強化繊維材20bを含んだ構造であるから、軸方向の引張に対して強く、従ってライナー部材16に発生する軸方向の荷重を確実に支持できることになる。この意味で、ライナー部材16の外周面に直接設けることに意義がある。ただ、この織布強化層20を過剰に分厚くすることには意味がなく、単層又は数層を重ねる程度で十分である。
巻成強化層21は、ライナー部材16のまわりへ巻回する状態又はそれ以外の状態として配置させる強化繊維材21aに対し、エポキシ樹脂やフェノール樹脂を含浸させることで形成されている。
これら織布強化層20及び巻成強化層21において使用する強化繊維材20a,20b,21aは、炭素繊維(カーボンファイバ)又はアラミド繊維である。なお、エポキシ樹脂はアルミ合金等との馴染みが良好で強い接着強度が得られるという特性があるため、ライナー部材16をアルミ合金製とする場合であれば、強化繊維材20a,20b,21aに含浸させる樹脂にはエポキシ樹脂を使用するのが好ましい。
ところで、円筒部3では、圧媒の漏洩を防止する必要からライナー部材16には気密性の高い金属材料を採用する必要がある。また、単に気密性を高めるだけでなく、圧媒の漏洩を原因とした減圧を防ぐ作用も必要であるため、円筒部3(ライナー部材16)と各蓋体4,5の嵌合部分にシール部材6を設けることは必須不可欠となっている。
それ故、高圧容器2内を高圧にすることによってシール部材6に摩擦力が生じることは不可避となるものであり、この摩擦力が原因となってライナー部材16に軸方向の引張応力が作用することも、避けることができないという事情がある。
このようなことから、ライナー部材16は軸方向の引張応力によって破断するおそれが生じるので、これを回避するために、ライナー部材16の肉厚を十分に確保する必要がある。ライナー部材16の肉厚は、次にのような条件で設定されている。
すなわち、シール部材6の摩擦力が原因で、ライナー部材16に対して軸方向に引張応力が作用したとき、この引張応力がライナー部材16を形成する金属材料の引張強度又は降伏点に比べて小さくなるように、ライナー部材16の肉厚を設定するというものである。
次に、高圧容器2の一部を拡大して示した図2を参照して具体例を挙げる。高圧容器2内(処理室10)の内圧をP、ライナー部材16の内径をD、シール部材6の軸方向厚さをh、ライナー部材16の肉厚(径方向)をtとおく。またシール部材6の摩擦係数をμとおいた場合、シール部材6の摩擦力を原因としてライナー部材16に作用する軸方向の応力σは、
μπDhP=πt(D+t)σ
の関係で表すことができる。
いま、h=D/60、μ=1/3、P=500MPaとおき、σ=2Pになる場合とσ=1/2になる場合とについてライナー部材16の肉厚tを概算する。
なお、h=D/60とする理由は次の通りである。すなわち、シール部材6には内圧Pと同じ圧力が作用するから、このシール部材6がゴム製Oリングであれば圧縮が起こり、大気圧下の状態に比べてシール性(接触面積)は小さくなる。このシール性の縮小化を防止するにはhを小さくするのが効果的であるが、hを小さくし過ぎると圧媒の漏洩に繋がる。このような理由からh=D/50〜D/60程度で設定するものである。
σ=2Pになる場合は、ライナー部材16が引張強度100kgf/mm2の強靭鋼によって形成されたときに相当する。この場合、t=0.033Dとなるが、このままのtの値では、シール部材6の摩擦力で作用する軸方向引張応力によってライナー部材16が破断するおそれがある。
従って、ライナー部材16の肉厚tはこれ以上に形成することが必要である。例えばD=500mmのとき、tは最低でも16.5mm(即ち、16.5mm以上)とする。
またσ=(1/2)Pになる場合は、ライナー部材16が引張強度25kgf/mm2のアルミ合金によって形成されたときに相当する。この場合、t=0.065Dとなるので、D=500mmのとき、tは最低でも32.5mm(即ち、32.5mm以上)とする。
なお、強化層17(織布強化層20及び巻成強化層21)は、引張には強いが剪断荷重や圧縮荷重には弱い一面を有しているため、ライナー部材16は、可及的に軸方向の変形を小さく抑えるのが好ましいという事情がある。
そのため、ライナー部材16に関して、破断だけでなく降伏をも許容しない状態を設定する場合には、ライナー部材16の肉厚tを上記各値の1.2〜3.0倍の目安で更に分厚くするとよい。即ち、σ=2Pになる場合はt=19.8〜49.5mmとし、σ=(1/2)Pになる場合はt=39〜97.5mmとする。
次に、高圧容器2の全体高さを1200mm、ライナー部材16の内径D=500mmとおき、内圧P=500MPaでの高圧処理をするものにおいて、従来との比較を行う。破壊に対する安全率は3に設定する。
このような装置構造で且つ処理条件とした場合、蓋体4,5には9800トン強の軸方向荷重が発生することになり、この軸方向荷重は両蓋体4,5を介してプレス枠体12で保持されることになる。
これと同等の高圧処理を可能にする従来構造の高圧容器を想定したとき、円筒部(強化層を具備せずに単層構造となったもの)を引張強度1000MPa程度の強靭鋼によって製作する場合、その外径を2200mmにしなければならない。
その結果、高圧容器円筒の自荷重は約34トンにも及ぶことになる。更に、プレス枠体を引張強度80kgf/mm2程度の高張力鋼板で製作したとすると、このプレス枠体の自荷重は44トンを超えるほどになるから、プレス枠体を含めた高圧容器全体としては、おおよそ80トンにも達することになる。
従来構造のこのような高圧容器において、軽量化を図るためには、円筒部の容器壁を薄肉化し、そのうえで容器壁の外側に、引張強度250kgf/mm2程度の鋼線(ピアノ線など)を巻き付けるような状態で強化層を設けて補強する、ということを行っていたのである。
しかし、この強化層が鋼線を用いていることで十分な軽量化には繋がらず、しかもこのような鋼線製強化層を設けたとしても、最高圧力が500MPaにも達するような高圧容器では寿命が有限となってしまうという問題があった。
これに対して本発明では、円筒部3をライナー部材16とその外側に設ける強化繊維材からなる強化層17とで形成し、強化層17の強化繊維材として、例えば引張強度650kgf/mm2程度の炭素繊維(カーボンファイバ)等を使用するものである。
そのため、円筒部3の外径は1200mm程度に径小化でき、高圧容器2の自荷重は僅か2〜3トン程度に抑えられる。プレス枠体にも炭素繊維巻成構造を採用すると、自荷重は、従来(約34トン)の1/15にまで軽量化することが可能となる。
なお、食品の殺菌・加工・調理や、再生医療材料等を扱う分野、或いは今後発展が期待されるバイオ分野では、高圧容器2の設置場所として、狭くて床強度(耐荷重)の小さい場所が割り当てられることが多いため、高圧容器2の小形化及び軽量化は殊更、歓迎されるところとなる。
ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、図4に示すように、ライナー部材16の外面周に対し、周方向の凹溝25を軸方向に複数条並べて形成しておき、この凹溝25内に、織布強化層20の一部が噛み込むような構造にするとよい。
この構造を採用すると、ライナー部材16と織布強化層20との軸方向結合力を強くできるので、ライナー部材16に発生した軸方向荷重をこの織布強化層20により、一層効率的に負担させることができるようになる。
高圧容器2の円筒部3と同様に、プレス枠体12に対しても、その外面に織布強化層20や巻成強化層21を用いた強化層30を巻回状に設けるようにしてもよい(図1参照)。このようにすることで、前述のように高圧処理装置1の全体としてその軽量化を一層推進させることができる。
ライナー部材16の形成材料は、食品分野やバイオ分野では、錆が発生しないステンレス鋼を採用することも可能である。
前記実施形態ではCIP装置への適用を説明したが、HIP装置へも適用できることは言うまでもない。
本発明に係る高圧処理装置のを模式的に示した側断面図である。 図1のA部拡大図である。 円筒部を一部破砕して示した斜視図である。 円筒部の別実施形態を示した要部側断面図である。
符号の説明
1 高圧処理装置
2 高圧容器
3 円筒部
4 蓋体
5 蓋体
6 シール部材
12 プレス枠体
16 ライナー部材
17 強化層
20 織布強化層
20a 円筒部の接線方向に合致して設けられる強化繊維材
20b 円筒部の軸方向に沿って設けられる強化繊維材
21 巻成強化層
21a 巻成強化層を形成する強化繊維材
25 凹溝

Claims (4)

  1. 円筒部とこの円筒部の軸方向両端部に着脱可能な状態で嵌合する一対の蓋体とを有する高圧容器と、この高圧容器内に発生する軸方向の荷重を保持するプレス枠体と、を有する高圧処理装置において、
    前記円筒部と蓋体との嵌合部には、高圧容器内の内圧を保持するシール部材が設けられ、前記円筒部は、金属材料製のライナー部材とその外側に巻回状に設けられた強化繊維材からなる強化層とを有しており、前記シール部材の摩擦力に起因しライナー部材に対して軸方向に作用する引張応力が、前記ライナー部材を形成する金属材料の引張強度又は降伏点に比べて小さくなるように、前記ライナー部材の肉厚が設定されていて、
    前記強化層は、円筒部の接線方向に沿って設けられる強化繊維材と、円筒部の軸方向に沿って設けられる強化繊維材とを略直交させるように編まれた織布からなる織布強化層を有し、
    前記強化層の内層側が前記織布強化層であり、外層側が線状の強化繊維材を前記円筒部に沿って巻回して形成された巻成強化層とされていて、
    前記織布強化層は、前記巻成強化層より薄肉であって単層以上10層未満の積層構造とされている
    ことを特徴とする高圧処理装置。
  2. 前記ライナー部材の外面周には周方向の凹溝が軸方向に並んで複数条形成されており、この凹溝内に前記織布強化層の一部が噛み込む状態で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高圧処理装置。
  3. 前記プレス枠体の外面に強化繊維材からなる強化層が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧処理装置。
  4. 前記強化層の形成に用いられる強化繊維材は、炭素繊維又はアラミド繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高圧処理装置。
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