本発明は、グアイフェネシンの徐放製剤に関する。好ましい実施形態では前記製剤は、即時放出型、徐放型、またはその両方で少なくとも1種類の別の薬剤をも含む。各製剤は、所定量のグアイフェネシンを含み、少なくとも1種類の別の薬剤を含んでいても良い。即時放出製剤は、胃中で認められるように、水系酸性媒体中で溶解して、グアイフェネシンおよび適宜に少なくとも1種類の別の薬剤の急速な放出を行うように製剤される。好ましい実施形態では前記徐放製剤は、約1:1〜約9:1の範囲、より好ましくは約3:2〜約6:1の範囲、最も好ましくは約2:1〜約4:1の範囲で親水性ポリマーおよび水不溶性ポリマーの組合せを含む。
好ましい実施形態において、前記親水性ポリマーは、アカシア、トラガカントガム、ローカストビーンガム、グアーガムもしくはカラヤガム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、寒天、ペクチン、カラギーナン、アルギン酸塩、カルボキシポリメチレン、ゼラチン、カゼイン、ゼイン、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、多糖類および加工デンプン誘導体から選択される。より好ましい実施形態では、前記親水性ポリマーは、セルロースエーテル類から選択される。最も好ましい実施形態では前記親水性ポリマーは、Methocel (メトセル)(E10M)などのヒドロキシプロピルメチルセルロース類から選択される。親水性ポリマーの好ましい総量には、1200mg錠剤で0.5重量%超および10重量%未満などがある。より好ましくは親水性ポリマー量には、1.0%超および7.0%未満、2%超および6.0%未満などがある。これらの量は、下記で記載のグアイフェネシンDC中の親水性ポリマーを含む。放出遅延基剤を形成するのに別個に加えられる親水性ポリマーは、好ましくは約0.5%〜4.0%、より好ましくは約1.0%〜2.0%である。認識しておくべき点として、これらの量は600mg錠剤中またはいずれかの所望の製剤強度で比例して存在していることができる。
好ましい実施形態では、水不溶性ポリマーは、ポリアクリル酸類、アクリル樹脂類、アクリルラテックス分散液、酢酸フタル酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される。より好ましい実施形態では、水不溶性ポリマーは、アクリル樹脂類から選択される。最も好ましい実施形態では、水不溶性ポリマーは、Carbomer (カルボマー)934Pなどのカーボマーアクリル樹脂類から選択される。水不溶性ポリマーの好ましい量には、1200mg錠剤で約0.5重量%超および約2.5重量%未満などがある。より好ましくは親水性ポリマー量には、約.75%超および約1.5%未満、最も好ましくは約.9%超および1.25%未満などがある。認識しておくべき点として、これらの量は600mg錠剤中またはいずれかの所望の製剤強度で比例して存在していることができる。
本発明はまた、即時放出製剤のビーズもしくは顆粒および徐放製剤のビーズもしくは顆粒の組合せを有する二層錠剤またはカプセルの形態での上記の種類の徐放製剤に関するものでもある。別の形態では、徐放製剤は、即時放出製剤の層によってコーティングされたコアを有して、単一の錠剤を形成することができる。下記において、例示のみを目的として、二層錠剤の実施形態の文脈で本発明について詳細に説明する。その実施形態が二層錠剤である場合、その錠剤は2つの部分、すなわち徐放製剤を含む一つの部分と即時放出製剤を含む第2の部分から構成されている。好ましい実施形態では、前記少なくとも1種類の別の薬剤は、所望の効果に応じて、徐放製剤内、即時放出製剤内、あるいはその両方に存在していることができる。
例えば、本発明の好ましい実施形態は、徐放層において下記の成分および割合を有する(mg/錠)。すなわち、総徐放重量1228.0mgについて、グアイフェネシンDC(95%)1052.6mg[グアイフェネシン(USP)1000.0mgおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP)52.6mg];シュードエフェドリンHCl(USP)120.0mg;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP)30.0mg[Methocel E10M(USP)];Carbomer 934P(NF)15.0mg[Carbopol (カルボポール) 974P];FD&C赤#40アルミニウムレーキ0.4mg(14〜16%);およびステアリン酸マグネシウム(NF)10.0mgである。好ましい実施形態では、即時放出層は下記の割合を有する。すなわち、総即時放出重量359.0mgについて、グアイフェネシンDC(95%)210.5mg[グアイフェネシン(USP)200.0mgおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP)10.5mg];微結晶セルロース(NF)117.5mg[Avicel PH102];デンプングリコール酸ナトリウム(NF)30.0mg[EXPLOTAB];およびステアリン酸マグネシウム(NF)1.0mgである。
別の好ましい実施形態では、グアイフェネシン1200mg/シュードエフェドリン120mg錠剤は、下記の成分および割合を有する。
別の好ましい実施形態において、グアイフェネシン600mg/シュードエフェドリン60mg錠剤は、下記の成分および割合を有する。
別の例では、グアイフェネシン1200mg/シュードエフェドリン120mg錠剤は、下記の特性を有することもできる。
別の例では、グアイフェネシン600mg/シュードエフェドリン60mg錠剤は、下記の特性を有することもできる。
1実施形態において、1200/60mgグアイフェネシン/デキストロメトルファン重量規格は、1530.4mg±3.0%であり、それは1484.5〜1576.3mgの範囲に相当する。600/30mg錠剤の場合、重量規格は765.2mg±3.0%であり、それは742.2〜788.2mgの範囲に相当する。理論重量の±3.0%というこの規格範囲は、それぞれグアイフェネシン単独1200mgおよび600mg錠剤と同様である。
1200/60mgグアイフェネシン/デキストロメトルファン錠剤について提案の硬度および厚さ規格は、それぞれ15〜65SCUおよび約0.787〜0.864cm(0.310インチ〜0.340インチ)である。最小硬度パラメータで527tpmで圧縮した錠剤(12LB86A)は、約0.836〜0.848cm(0.329インチ〜0.334インチ)および17〜23SCUの範囲であった。脆さは、0.20〜0.33%の範囲であった。最小硬度パラメータで737tpmで圧縮した錠剤(12LB86B)は、約0.841〜0.851cm(0.331インチ〜0.335インチ)および15〜24SCUの範囲であった。脆さは、0.20〜0.39%の範囲であった。1時間以内の圧縮での各試験条件(527tpmおよび737tpm)について、溶解試験を行った。試験サンプルとパイロットバッチとの間で、放出プロファイルに有意差は認められなかった。
527tpm(12LB86C)および737tpm(12LB86D)の速度でプレスが許容すると考えられる薄さおよび硬さで圧縮された別の錠剤は、527tpmで39〜47SCUという相当する初期硬度範囲で約0.770〜0.792cm(0.303インチ〜0.312インチ)の厚さ範囲を与えた。脆さは、0.07〜0.13%の範囲であった。737tpmで38〜47SCUの相当する初期硬度範囲で、約0.772〜0.795cm(0.304インチ〜0.313インチ)の厚さ範囲が得られた。脆さは、0.06〜0.13%の範囲であった。以前から、これらの錠剤は圧縮から最初の数日中に硬くなることが認められている。従って、その「硬い」錠剤については、圧縮から少なくとも5日後に、溶解試験を行った。527tpmで圧縮した錠剤において、圧縮後5日目での硬度範囲は52〜60SCUであった。737tpmで圧縮した錠剤において、圧縮後5日目での硬度範囲は48〜56SCUであった。やはり、それらの試験サンプルについての溶解プロファイルは、パイロットバッチで認められたものと非常に近かった。さらに、3ヶ月リアルタイム安定性時間点で、PB01-H30について、60〜79SCUという錠剤の硬度範囲が報告された。「T0」からの溶解プロファイルに有意差は認められなかった。
600/30mgグアイフェネシン/デキストロメトルファン錠剤について提案の硬度および厚さ規格は、それぞれ15〜65SCUおよび約0.559〜0.660cm(0.220インチ〜0.260インチ)であった。最小硬度パラメータで527tpmで圧縮した錠剤(12LB85A)は、約0.653〜0.660cm(0.257インチ〜0.260インチ)および8〜13SCUの範囲であった。脆さは、0.13〜0.26%の範囲であった。最小硬度パラメータで840tpmで圧縮した錠剤(12LB85B)は、約0.655〜0.663cm(0.258インチ〜0.261インチ)および8〜13SCUの範囲であった。脆さは、0.13〜0.26%の範囲であった。1時間以内の圧縮での各試験条件(527tpmおよび840tpm)について、溶解試験を行った。試験サンプルとパイロットバッチとの間で、放出プロファイルに有意差は認められなかった。
錠剤を、プレスが許容すると考えられる薄さおよび硬さで圧縮した。527tpmで25〜30SCUという相当する硬度範囲での圧縮で、約0.589〜0.612cm(0.232インチ〜0.241インチ)の範囲が得られた(12LB85C)。脆さは、0.13〜0.78%の範囲であった。840tpmで23〜30SCUという相当する硬度範囲での圧縮で、約0.584〜0.612cm(0.230インチ〜0.241インチ)の範囲が得られた(12LB85D)。脆さは、0.00〜0.13%の範囲であった。圧縮後7日目での硬度は、28〜33SCUの範囲であった。やはり、それらの試験サンプルについての溶解プロファイル(圧縮7日後)は、パイロットバッチで認められたものと非常に近かった。さらに、3ヶ月リアルタイム安定性時間点で、PB01-H54について、37〜51SCUという錠剤の硬度範囲が報告された。「T0」からの溶解プロファイルに有意差は認められなかった。
好ましいグアイフェネシン1200mg/デキストロメトルファン60mg錠剤は、約0.775〜0.851cm(0.305インチ〜0.335インチ)の平均錠剤厚、25〜35SCUの平均錠剤硬度(加工中)および20〜79SCUの平均錠剤硬度(放出時)を有する。
好ましいグアイフェネシン600mg/デキストロメトルファン30mg錠剤は、約0.584〜0.660cm(0.230インチ〜0.260インチ)の平均錠剤厚、20〜30SCUの平均錠剤硬度(加工中)および10〜51SCUの平均錠剤硬度(有効期限後の放出時)を有する。
グアイフェネシン/デキストロメトルファンの両方の錠剤強度の脆さについて設定されたNMT0.8%という規格は、グアイフェネシン単独錠剤で確立された限界値に基づいたものである。乾燥時損失についての規格は、グアイフェネシン単独のものと同等、すなわちNMT2.0%である。水分限度値は、mg/単位用量で記録される総理論錠剤重量の2.0%である。
グアイフェネシンについての規格の範囲は、ラベル表示量1200mgまたは600mg±4.0%に基づいたものである。1200/60mgグアイフェネシン/デキストロメトルファン錠剤の場合、その範囲は1錠当たり1152.0〜1248.0mgである。600/30mgグアイフェネシン/デキストロメトルファン錠剤の場合、その範囲は1錠当たり576.0〜624.0mgである。デキストロメトルファンHBrについての規格の範囲は、ラベル表示量60mgまたは30mg±4.0%に基づいたものである。1200/60mg錠剤の場合、その範囲は1錠当たり57.6〜62.4mgである。600/30mg錠剤の場合、その範囲は1錠当たり28.8〜31.2mgである。
本発明の他の実施形態には、好ましくは43未満、より好ましくは41未満、より好ましくは38未満、より好ましくは37未満、より好ましくは32〜35であるSCUが含まれる。SCUは、好ましくは21超、より好ましくは24超、より好ましくは28超、より好ましくは31超でもある。
二層グアイフェネシン/シュードエフェドリン錠剤(1200mg/120mg)10錠の重量は、好ましくは16.4g未満、より好ましくは16.35g未満、より好ましくは16.29g未満、より好ましくは16.22g未満、より好ましくは16.16g未満、より好ましくは16.10g未満、より好ましくは16.04g未満、より好ましくは15.71g〜16.03gである。二層錠剤10錠の重量は、好ましくは15.35g超、より好ましくは15.40g超、より好ましくは15.46g超、より好ましくは15.53g超、より好ましくは15.59g超、より好ましくは15.65g超でもある。
本発明の他の実施形態および特徴について、下記でさらに詳細に説明する。
徐放製剤
本発明の1実施形態では徐放製剤は、少なくとも1種類の親水性ポリマーおよび少なくとも1種類の水不溶性ポリマーからなるポリマー混合物と混合したグアイフェネシンおよび場合により少なくとも1種類の薬剤の両方を含む。別の実施形態では徐放製剤は、グアイフェネシンと、臭化水素酸デキストロメトルファン、コデイン、ヒドロコドンなどの鎮咳薬;塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイドエフェドリンまたはエフェドリンなどの鬱血除去薬;マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸ブロモフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、コハク酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジンおよびフマル酸クレマスチンなどの抗ヒスタミン剤;アスピリン、イブプロフェン、菜プロ伸およびアセトアミノフェンなどの鎮痛薬;あるいはそれらの組み合わせ(これらに限定されるものではない)から選択することができる少なくとも1種類の他の薬剤との組み合わせを含むことができる。好ましくは前記薬剤は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、シュードエフェドリン塩酸塩、またはそれらの組合せである。
徐放基剤は、下記のようなポリマーを利用して、in vivoでの必要な遅延放出プロファイルを行うものである。その放出プロファイルを得るには、適切な混合および製剤が必要である。例えば、親水性ポリマーが多すぎると、放出が急速過ぎて、12時間の症状緩和ができなくなり、一方で疎水性ポリマーが多すぎると、症状緩和を行うにはCmaxが不十分となる。従って、ポリマーの選択、全体で用いられる量および互いに比較して用いられる量によって基剤が得られ、それを次に下記の方法に従って製剤して、適切な放出プロファイルが得られる。
徐放製剤で使用するのに好適な親水性ポリマーには、アカシア、トラガカントガム、ローカストビーンガム、グアーガムまたはカラヤガムなどの1以上の天然または部分もしくは完全合成親水性ガム類、メチルセルロース、ヒドロキソメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの修飾セルロース誘導体;寒天、ペクチン、カラギーナンおよびアルギナートなどのタンパク質様物質;ならびにカルボキシポリメチレン、ゼラチン、カゼイン、ゼイン、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、多糖類、変性デンプン誘導体ならびに当業者には公知の他の親水性ポリマーなどの他の親水性ポリマーまたはそのようなポリマーの組み合わせなどがある。
これらの親水性ポリマーはゲル化し、水系酸性媒体中にゆっくり溶解することで、グアイフェネシンおよび少なくとも1種類の薬剤が胃の中でゲルから拡散することができる。ゲルが腸に達すると、グアイフェネシンおよびその薬剤がかなり吸収される場合には、相対的に高pHの媒体に制御された量で溶解して、消化管全体でのグアイフェネシンおよび少なくとも1種類の薬剤の徐放が可能となる。好ましい親水性ポリマーは、ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)が製造し、メトセルエーテルとして知られるものなどのヒドロキシプロピルメチルセルロース類である。徐放製剤のある好ましい実施形態において親水性ポリマーは、Methocel E10Mとして知られるメトセルエーテルである。
徐放製剤での使用に好適な水不溶性ポリマーは、5以下のpHの溶液には溶解せず、塩基性溶液では親水性ポリマーよりゆっくり溶解するポリマーである。そのポリマーは、胃液で見られるような低pH環境には不溶であることから、その領域での薬剤放出を遅延させる上で役立つ。同様に、そのポリマーは相対的に高いpHの溶液では親水性ポリマーよりゆっくり溶解することから、腸全体での薬剤放出を遅延させる上で役立つ。この全体的に放出が遅延することで、グアイフェネシンの血清中濃度はより一定したものとなる。
本発明での使用に好適な水不溶性ポリマーには、例えばポリアクリル酸類、アクリル樹脂、アクリルラテックス分散液、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースならびに当業者には一般的な他のポリマーなどがある。好ましい実施形態において徐放製剤は、アクリル樹脂カルボポール974P(BF Goodrichが供給)を含む。
本発明の徐放製剤はさらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、粉末ステアリン酸、水素化植物油、タルク、ポリエチレングリコールおよび鉱油などの潤滑剤;着色剤;ショ糖、乳糖、ゼラチン、デンプンペースト、アカシア、トラガカント、ポビドン、ポリエチレングリコール、プルランおよびコーンシロップなどの結合剤;コロイド状二酸化ケイ素およびタルクなどの滑剤;ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサルコールおよび4級アンモニウム塩類などの界面活性剤;保存剤および安定化剤;乳糖、マンニトール、グルコース、果糖、キシロース、ガラクトース、ショ糖、マルトース、キシリトール、ソルビトール、カリウム、ナトリウムおよびマグネシウムの塩化物、硫酸塩およびリン酸塩などの賦形剤;および/または当業者には公知の他の医薬添加物など(これらに限定されるものではない)を含む医薬添加物を含有することができる。着色剤には、エメラルドグリーンレーキ(Emerald Green Lake)、FD&C赤No.40、FD&C黄No.6、D&C黄No.10またはFD&C青No.1および他の各種認定済みの着色剤(21CFR、パート74参照)などがあるが、これらに限定されるものではない。ある好ましい実施形態では徐放製剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびエメラルドグリーンレーキをさらに含む。別の好ましい実施形態では、徐放製剤は、ステアリン酸マグネシウムおよびFD&C青No.1アルミニウムレーキ色素をさらに含む。
別の実施形態では放出調節製剤は、少なくとも2種類の薬剤(そのうちの1種類はグアイフェネシンである)、少なくとも1種類の親水性ポリマー、少なくとも1種類の水不溶性ポリマー、および長期間にわたって治療上有効なプロファイルでの薬剤の溶解を可能とする少なくとも1種類の医薬添加剤を含む。その薬剤プロファイルは、10時間超、より好ましくは12時間超、最も好ましくは14時間超にわたって治療上有効なプロファイルを与えることが好ましい。好ましい実施形態では放出調節製剤は、約75重量%〜約95重量%のグアイフェネシン、約1重量%〜約15重量%の別の薬剤、約0.5重量%〜約10重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、約0.5重量%〜約2.5重量%のアクリル樹脂、約0.4重量%〜約1.5重量%のステアリン酸マグネシウム、約0.01重量%〜約1重量%の着色剤を含む。より好ましい実施形態では放出調節製剤は、約75重量%〜約80重量%のグアイフェネシン、約3重量%〜約10重量%の別の薬剤、約3重量%〜約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、約1重量%〜約1.5重量%のアクリル樹脂、約0.7重量%〜約1重量%のステアリン酸マグネシウム、および約0.03重量%〜約0.13重量%の着色剤を含む。
徐放製剤は、長期間にわたって消化管へのグアイフェネシンおよび適宜に少なくとも1種類の別の薬剤の放出を抑制して、即時放出組合せ剤と比較した場合にプロファイルが改善される。グアイフェネシンの溶解度は、それが存在する環境(すなわち、胃と腸管)のpHによって影響される。胃で見られるような、より酸性の環境では、グアイフェネシンは溶解性が低いが、腸のような相対的に高いpH環境では、グアイフェネシンは容易に可溶である。消化管全体でのpH変化が、グアイフェネシンの溶解速度に影響し、血液および組織中で得られるグアイフェネシン濃度を部分的に決定づけるものである。
良好な治療効果をもたらすグアイフェネシン血中濃度を維持するには好ましくは、製剤基材からのグアイフェネシンの放出または溶解を腸で遅延および/または抑制する。徐放製剤の親水性および水不溶性ポリマーは、低pHの媒体に曝露されるとゲル化する。そのゲル基材によって、徐放剤(例えば、グアイフェネシン単独または第2の薬剤との組合せ)は、相対的に高いpHの媒体に曝露されると制御された速度で拡散することができる。
食品・医薬品局(FDA)が承認した薬剤を用いる場合、前記徐放製剤はグアイフェネシンおよび適宜にFDAに提出された臨床文書に記載のもしくはFDAが要求した前記別薬剤の血清中プロファイルを模倣するように製剤することができる。すなわち前記徐放製剤は、市販の製剤と同様の速度で少なくとも1種類の別の薬剤を放出することで、治療上有効量の前記別薬剤を与える。
好ましい実施形態では徐放製剤は、親水性ポリマーおよび水不溶性ポリマーを、約1:1〜約6:1の範囲で含み、より好ましくはその範囲は約3:2〜約6:1であり、最も好ましくは親水性ポリマー:水不溶性ポリマーの範囲は約2:1〜約4:1である。別の実施形態において、徐放製剤は、約10%以下の親水性ポリマー、好ましくは6%以下を含み、より好ましい実施形態では徐放製剤は、2.5重量%以下の水不溶性ポリマーも含む。別の好ましい実施形態では、前記親水性ポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、水不溶性ポリマーはアクリル樹脂である。その比によって、約12時間にわたって至適な治療濃度を提供するグアイフェネシンの血清濃度プロファイルが得られる。
徐放製剤は、製薬分野の当業者には公知の適切な方法に従って製造することができる。1実施形態においては、グアイフェネシンおよび親水性ポリマーを、混合機中で少量の水と混合して、湿顆粒を形成することができる。その顆粒を乾燥して、グアイフェネシンの親水性ポリマーで被覆(カプセル化)された顆粒を得ることができる。得られた顆粒を粉砕し、篩にかけ、次に各種の医薬添加物、水不溶性ポリマーおよびさらなる親水性ポリマーと混合することができる。次にその製剤を打錠することができ、さらに胃液中で急速に溶解または分散する保護コーティング剤によってフィルムコーティングすることができる。
好ましい実施形態では、徐放製剤の製造方法は、グアイフェネシン約126kgおよびMethocel E10M約2kgを高剪断混合機に入れる段階を有する。Methocel E10Mおよびグアイフェネシンを、混合速度約150RPMおよびチョッパー速度約2000RPMで約7分間混合することができる。次に、混合速度およびチョッパー速度を上げてそれぞれ約200RPMおよび3000RPMとして約5分間経過させ、その間に水約49kgを混合機内容物に加えることができる。混合機をさらに2分間運転して、造粒を完了させることができる。さらに好ましい実施形態では、混合機負荷の停止値を21キロワットに設定する。
湿顆粒を流動床ボウルに移し入れ、乾燥機空気流量900CFMおよび流入口温度約50〜約55℃に設定された流動床乾燥機に、排気口温度が毎分1℃の割合で上昇するまで入れることができる。次に、空気流量を600CFMまで下げることができ、顆粒の含水量が0.5%以下となるように乾燥するまで、流入口温度を43℃まで下げることができる。別の好ましい実施形態では、排気口温度を48℃のカットオフに設定する。さらに別の好ましい実施形態では、流動床ボウル中の撹拌機を、乾燥の際に断続的に運転させることができる。乾燥顆粒を、好適なサイズの篩を取り付けたミルに通して、得られた顆粒の約30%以下が100メッシュの篩を通り、得られた顆粒の約10%以下が10メッシュ篩に保持されるようにすることができる。ある好ましい実施形態では、乾燥顆粒を、ミル速度約500〜約1500RPMおよびスクリュー送り速度約35〜約45RPMで、サイズ約0.277cm(0.109インチ)の篩を取り付けたミルに通すことができる。得られた篩かけ顆粒は約95%グアイフェネシンであり、以下においてグアイフェネシンDC(直接圧縮)と称する。篩かけ顆粒は、約0.28m3(10立方フィート)V型混合機に移し入れ、追加のMethocel E10M約0.6kg、エメラルドグリーンレーキもしくはFD&C青No.1などの着色剤約0.3kg、ステアリン酸マグネシウム約0.7kgおよびカルボポール974P約1.3kgと混合することができる。その組み合わせを約3分間混合することができる。
別の好ましい実施形態では、徐放製剤の製造方法は、グアイフェネシン約101kg〜約150kg、前記別の薬剤約4.5kg〜約18kg、Methocel E10M約4.5kg〜約5kg、カルボポール0974P約1.5kg〜約2.25kg、着色剤約40g〜約240gを高剪断ミキサー中に入れる段階を有する。その際に水を加えることになる場合、ステアリン酸マグネシウム約1kg〜約1.5kgも加える。前記成分は、混合速度約150RPMおよびチョッパー速度約2000RPMで約10〜約12分間混合することができる。次に、混合速度およびチョッピング速度を約5分間にわたってそれぞれ約200RPMおよび3000RPMまで上昇させ、その間にミキサー内容物に水約29kgを加えても良い。水を加えない場合は、その時にステアリン酸マグネシウム約1kg〜約1.5kgを加えることができる。ミキサーをさらに10分間運転して、造粒を完了させることができる。別の好ましい実施形態では、ミキサー負荷のシャットオフ値を21キロワットに設定する。
得られた湿顆粒を流動床ボウルに全て入れ、乾燥機空気流量900CFMおよび入口温度約38℃〜約48℃に設定された流動床乾燥機中に、出口温度が1℃/分で上昇するまで入れることができる。次に、顆粒が乾燥して水分含有量が0.5%以下となるまで、空気流量を600CFMまで下げることができ、入口温度を43℃まで下げることができる。別の好ましい実施形態では、出口温度を48℃のカットオフに設定する。さらに別の好ましい実施形態では、流動床ボウル中の撹拌機を乾燥中は間欠的に運転することができる。乾燥顆粒を、好適なサイズの篩が取り付けられたミルに通して、得られる顆粒の約30%以下が100メッシュ篩を通過し、残る顆粒の約10%以下が10メッシュ篩上に保持されるようにすることができる。ある好ましい実施形態では、乾燥顆粒を約0.277〜0.318cm(約0.109インチ〜約0.125インチ)のサイズの篩を取り付けたミルに、ミル速度約500〜約1500RPMおよびスクリュー送り速度約35〜約45RPMで送ることができる。
得られた製剤はさらに、錠剤を成形する工具を使用する、錠剤圧縮機で圧縮することができる。錠剤は、錠剤の所望の用量強度に応じて、適切な重量、大きさおよび形状のものとすることができる。ある実施形態においてはその錠剤をさらに被覆器に入れ、オパドライ(Opadry)Y-S-3-714(カラーコン(Colorcon)社供給)でフィルムコーティングしてから、その被覆器で乾燥させることができる。
別の実施形態では、徐放製剤の製造方法は、薬剤、親水性ポリマー、水不溶性ポリマーおよび医薬添加物を混合する段階を有する。次に、得られた混合物は圧縮して錠剤とし、所望に応じて胃液中で急速に溶解または分散する保護コーティング剤でフィルムコーティングすることができる。そのような方法の好ましい実施形態では、グアイフェネシンDC(純度約95%)約126kg、Methocel E10M約2.6kg、カルボポール974P約1.3kgおよびエメラルドグリーンレーキもしくはFD&C青No.1などの着色剤約0.333kgを、約0.28m3(10立方フィート)V型混合機に入れることができる。これらの成分を約20分間混合し、その時点でステアリン酸マグネシウム約0.6kgを混合した成分に加えることができる。その混合物をさらに約10分間混合することができる。得られた製剤をさらに、錠剤を成形する工具を用いる錠剤圧縮機で圧縮することができる。錠剤は、錠剤の所望の用量強度に応じて、適切な重量、大きさおよび形状のものとすることができる。その錠剤をさらに被覆器に入れ、オパドライY-S-3-714(カラーコン社供給)でフィルムコーティングしてから、その被覆器で乾燥させることができる。
本発明の1実施形態は、下記の一般的製造方法を用いる。グアイフェネシンDC(95%)を得るには、中間造粒を実施する。造粒機に、精製水USPを入れる。グアイフェネシンUSPを造粒機に加える。次に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースUSP(Methocel E10M)を加える。グアイフェネシン中間体を、空気出口温度が約48℃に達するまで、約5℃に設定された空気入口温度で乾燥させる。次に、工程管理検査(水分分析)用にサンプルを採取することができる。得られるものが目標の水分レベルに達した後、混合物を排出し、粉砕工程に送る。乾燥顆粒を粉砕機に加え、粉砕工程を開始する。再度、工程管理検査(水分および篩分析)用にサンプルを採取することができる。粉砕物を、プラスチック袋で二重に裏張りされ、内側および外側のプラスチック袋の間の乾燥剤の小袋が入った風袋測定済みのファイバードラムに回収し、混合工程に送る。バッチを、約1.70m3(60立方フィート)の混合機中で少なくとも10分間混合する。再度、工程管理検査(性状、水分、混合アッセイおよび篩分析)用にサンプルを採取することができる。粉砕グアイフェネシンDCについての最終的な篩分析は好ましくは、次のように行う。約2〜10%以下が10メッシュ篩(2.00mm)上に保持され、約50〜60%以上が20メッシュ〜100メッシュ篩(150μm)上に保持され、約4〜6%以上が100メッシュ篩を通過し、約15〜20%以下が140メッシュ篩(106μm)を通過する。少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%のグアイフェネシンDCが約2mm〜約150μmの範囲の粒径を有する場合、それによって本明細書に記載の単独剤および組合せ剤について、加工性および所望のin vivo放出プロファイル達成の両方が容易になる。最終のグアイフェネシンDC(95%)顆粒を、プラスチック袋で二重に裏張りされ、内側および外側のプラスチック袋の間の乾燥剤の小袋が入った風袋測定済みのファイバードラムに回収する。
1実施形態において、前記即時放出層は下記の一般的手順に従って製造される。放出される成分であるグアイフェネシンDC(95%)および微結晶セルロース(NF)(Avicel(登録商標)PH102)を秤量し、PKV混合機で約20分間混合する。次に、デンプングリコール酸ナトリウム(NF)(エクスプロタブ(登録商標))を混合機に加え、約10分間混合する。次に、ステアリン酸マグネシウム(NF)を混合機に加え、さらに約10分間混合する。次に、工程管理検査(性状、混合アッセイおよび篩分析)用にサンプルを採取することができる。
1実施形態では、徐放層は下記の一般的手順に従って製造される。放出される成分である予めNo.20の篩で篩分けしたグアイフェネシンDC(95%)およびシュードエフェドリンHCI(USP)を秤量し、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP)(Methocel EIOM)、Carbomer 934Pおよび適切な着色剤(グアイフェネシン1200mg/シュードエフェドリンHCl120mg錠剤ではFD&C赤No.40アルミニウムレーキ色素、またはグアイフェネシン600mg/シュードエフェドリンHCl60mg錠剤ではFD&C黄色No.6アルミニウムレーキ色素)と10分間混合する。次に、予めNo.10の篩で篩分けした追加量のグアイフェネシンDC(95%)を加え、約10分間混合する。次に、予めNo.20の篩で篩分けしたステアリン酸マグネシウム(NF)を加え、約10分間混合する。再度、工程管理検査(イフェネシンおよびシュードエフェドリンHClの両方についての性状、篩分析および混合アッセイ)用にサンプルを採取することができる。錠剤圧縮では、各混合物(IRおよびSR)を二層錠剤圧縮機上のそれぞれのホッパーに投入し、次に記載のパラメータに従って圧縮する。
別の実施形態では、グアイフェネシン1200mgおよびデキストロメトルファンHBr60mg錠剤を、下記のプロトコールを用いて製造する。この製造方法によって、グアイフェネシン1200mgおよびデキストロメトルファンHBr60mgの場合にバッチ当たり600,000個の錠剤が得られ、あるいはグアイフェネシン600mgおよびデキストロメトルファンHBr30mgの場合にバッチ当たり1,200000個の錠剤が得られる。両方の強度錠剤用の即時放出層(IR層)の成分は同じである。両方の強度錠剤用の徐放層(SR層)の成分も同じである。
SR層(グアイフェネシン1200mgおよびデキストロメトルファンHBr60mg錠剤の場合)については、グアイフェネシンおよびデキストロメトルファンHBr(20メッシュ篩で篩分けしておいたもの)を、造粒流体として精製水を用い、デイ(Day)ミキサーでCarbomer 934P、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel E10M)およびFD&C青No.1、アルミニウムレーキ(11〜13%)とともに造粒する。湿った塊を紙を敷いたトレー上に均等に広げ、109±10°Fに設定された乾燥機中、平均水分が1.5%以下となるまで約25時間乾燥させる。グアイフェネシン600mgおよびデキストロメトルファンHBr30mg錠剤用のSR層についての工程は、使用する色素以外は、グアイフェネシン1200mgおよびデキストロメトルファンHBr60mg徐放錠剤についての工程と同様である。1/2強度の錠剤で使用される色素はD&C黄色#10、アルミニウムレーキ(14〜18%)であるが、全強度錠剤での色素はFD&C青#1、アルミニウムレーキ(11〜13%)である。乾燥顆粒を、約0.318cm(0.125インチ)の丸穴篩、「高」速で進むナイフを取り付けたフィッツパトリック(Fitzpatrick)ミルを用いて粉砕する。顆粒を、自動フィーダーを用いてミル中に送る。6つの小ロット(小ロット当たり112.04kg、上記と同様にして造粒、乾燥および粉砕)を、10分間にわたりステアリン酸マグネシウムと約1.70m3(60立方フィート)の混合機で一緒に混合する。
IR層の場合、グアイフェネシンおよびデキストロメトルファンHBr(20メッシュ篩で予め篩分けしたもの)を、造粒流体として精製水を用い、デイミキサーでデンプングリコール酸ナトリウム(Explotab)、微結晶セルロース(AvicelPH102)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel E10M)とともに造粒する。湿った塊を紙を敷いたトレー上に均等に広げ、109±10°Fに設定された乾燥機中、平均水分が2.0%以下となるまで約26時間乾燥させる。IR層工程は、両方の錠剤強度について同じである。乾燥顆粒を10メッシュ篩を取り付けたスウェコ(Sweco)に通す。10メッシュ篩上に保持された顆粒を、約0.318cm(0.125インチ)の丸穴篩、「中」速で進むナイフを取り付けたフィッツパトリック・ミルを用いて粉砕する。顆粒を、自動フィーダーを用いてミル中に送る。次に、粉砕物を10メッシュを通過したものと混合する。3つの小ロット(小ロット当たり95.52kg、上記と同様にして造粒、乾燥および粉砕)を、10分間にわたりステアリン酸マグネシウムと約1.70m3(60立方フィート)の混合機で一緒に混合する。次に、各混合物をそれらの個々のホッパーに入れ、圧縮して二層錠剤とする。
徐放製剤を含む錠剤を製造し、下記の実施例1、2および3に記載の方法に従って、in vitroおよびin vivoでの放出特性について調べた。in vitro試験では、その錠剤の溶解速度を、アクリル樹脂を用いずに製剤化した放出調節錠剤(実施例1)、3種類の市販の錠剤(一つは即時放出製剤であり、他の2種類は放出調節製剤)と比較した。徐放製剤を含む錠剤は、12時間にわたって、他の錠剤より遅く、より制御されたグアイフェネシン放出を示した(実施例1および2、図4および5参照)。
in vivo試験では、徐放製剤を含む錠剤を服用した被験者の血清中濃度を、アクリル樹脂を用いずに製剤化した即時放出グアイフェネシン錠および放出調節グアイフェネシン錠を服用した被験者の血清中濃度と比較した(実施例3および図6参照)。徐放製剤を含む錠剤は、他の2種類の製剤と比較して長時間にわたり、改善された徐放および治療濃度を示した。さらに、徐放製剤を含む錠剤を服用した被験者では、グアイフェネシンが血流に出現するのに要する時間が長く、グアイフェネシンの最大血清中濃度(Cmax)は、即時放出錠剤を服用した被験者の場合の半分未満であった。
放出調節製剤
約12時間にわたって治療効果を維持しながら患者におけるCmaxおよびグアイフェネシンの見かけの速度を改善するため、上記のような徐放製剤の一部を放出調節製品中で即時放出製剤の一部と混合することができる。好ましい実施形態では、所望の効果に応じて、少なくとも1種類の別の薬剤を徐放製剤、即時放出製剤またはその両方中に存在させることができる。食品・医薬品局(FDA)が承認した薬剤を用いる場合、前記徐放製剤、即時放出製剤またはその両方、FDAに提出された臨床文書に記載のもしくはFDAが要求した前記別薬剤の血清中プロファイルを模倣するように製剤することができる。すなわち放出調節製剤の徐放製剤および/または即時放出製剤は、市販の製剤と同様の速度で少なくとも1種類の別の薬剤を放出することで、治療上有効量の前記別薬剤を与えることができる。
放出調節製剤は、二層錠剤、即時放出製剤および徐放製剤のビーズもしくは顆粒の組合せを有するカプセル、または徐放製剤が即時放出製剤の層によってコーティングされたコアを有する錠剤の形態とすることができる。例示のみを目的として、二層錠剤の実施形態の文脈で、本発明を詳細に説明する。
その即時放出製剤は、グアイフェネシンとともに、上記のような潤滑剤、着色剤、結合剤、滑剤、界面活性剤、保存剤、安定化剤および/または他の当業者には公知の医薬添加物などの各種医薬添加物を含むことができる。1実施形態では、即時放出層は少なくとも1種類の薬剤.を含む。別の実施形態では、即時放出層は少なくとも2種類の薬剤を含む。より好ましい実施形態では、即時放出製剤はグアイフェネシン、微結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。別のより好ましい実施形態では、即時放出製剤はグアイフェネシン、少なくとも1種類の別の薬剤、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む。さらに別の好ましい実施形態では、即時放出製剤は、約47重量%〜約58重量%のグアイフェネシン、約32重量%〜約42重量%の微結晶セルロース、約3重量%〜約8重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.3重量%〜約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含むことができる。さらに別の好ましい実施形態では、即時放出製剤は約47重量%〜約58重量%のグアイフェネシン、約3重量%〜約5重量%の少なくとも1種類の別の薬剤、約32重量%〜約42重量%の微結晶セルロース、約2重量%〜約5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、約3%重量〜約8重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、および約0.3重量%〜約0.5重量%のステアリン酸マグネシウムを含む。
二層錠剤は、当業者には公知の任意の方法に従って製造することができる。得られた錠剤は、互いに対して圧縮された2つの部分を有することで、各部分の表面が錠剤の頂部または底部のいずれかとして露出するようにする。あるいは得られた錠剤は、即時放出部分によってコーティングされた徐放部分を中央に有することで、即時放出部分のみが露出するようにすることができる。好ましい実施形態において二層錠剤は、互いに対して圧縮された2つの部分を有することで、各部分の面が露出するようにすることができる。
二層錠剤の好ましい製造方法では、徐放製剤の製造は、上記のような湿式造粒または乾式造粒のいずれかによって行う。即時放出製剤は、グアイフェネシンと医薬添加物とを単に混合することで製造することができる。少なくとも1種類の別の薬剤が存在する場合、上記のように水を製剤に加えることができる。さらに好ましい実施形態では、適切な量のグアイフェネシンDC、微結晶セルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムを、約20分間にわたり、約0.28m3(10立方フィート)混合機で混合する。次に、適切な量のステアリン酸マグネシウムを前記成分に加え、さらに、約10分間混合して即時放出製剤を製造する。次に、徐放製剤の部分と即時放出製剤の部分を、二層錠剤を成形することができる錠剤圧縮機によって圧縮する。1実施形態においてこれらの錠剤はさらに、胃液で急速に崩壊または溶解する保護フィルムでコーティングすることができる。
その錠剤は、長期間にわたって適切な治療効果を示す血液プロファイルを生じるグアイフェネシン:少なくとも1種類の別の薬剤の比率で製造可能である。前述のように、その別薬剤は、その薬剤の市販の製剤の血清中プロファイルを模倣するだけの量で、特定の病気もしくは疾患の治療、予防または改善に関してFDAが承認した最高用量を超えないような量で存在することができる。1実施形態において、総グアイフェネシン:少なくとも1種類の別薬剤の比は、重量基準で約1:1〜約30:1、より好ましくは約1:1〜25:1、より好ましくは約20:1である。あるいはその比は、重量基準で約2:1〜約15:1であり、より好ましくはグアイフェネシン:少なくとも1種類の別薬剤の比は、重量基準で約8:1〜約12:1である。即時放出層中に存在する場合、少なくとも1種類の別薬剤の量は、前記別薬剤の薬剤放出プロファイルを徐放プロファイル内で一致させるだけのものとすべきである。
好ましい実施形態では前記錠剤は、長期間にわたって適切な治療効果を示す血液プロファイルを生じるグアイフェネシン:シュードエフェドリン比で製造される。前述のように、シュードエフェドリンは、その薬剤の市販の製剤の血清中プロファイルを模倣するだけの量で、特定の病気もしくは疾患の治療、予防または改善に関してFDAが承認した最高用量を超えないような量で存在する。1実施形態において、総グアイフェネシン:シュードエフェドリンの比は、重量基準で約1:1〜約30:1、より好ましくは約1:1〜25:1、より好ましくは約20:1である。あるいはグアイフェネシン:シュードエフェドリンの比は、重量基準で約8:1〜約12:1である。別の実施形態では、シュードエフェドリンは即時放出層にのみ存在する。
好ましい実施形態では前記錠剤は、長期間にわたって適切な治療効果を示す血液プロファイルを生じるグアイフェネシン:デキストロメトルファン比で製造される。前述のように、デキストロメトルファンは、その薬剤の市販の製剤の血清中プロファイルを模倣するだけの量で、特定の病気もしくは疾患の治療、予防または改善に関してFDAが承認した最高用量を超えないような量で存在する。1実施形態において、総グアイフェネシン:デキストロメトルファンの比は、重量基準で約1:1〜約30:1、より好ましくは約1:1〜25:1、より好ましくは約20:1である。あるいはグアイフェネシン:デキストロメトルファンの比は、重量基準で約8:1〜約12:1である。
前記錠剤は、長期間にわたって適切な治療効果を示す血液プロファイルを生じる徐放製剤:即時放出製剤比で製造することができる。1実施形態では二層錠剤は、徐放製剤および即時放出製剤中に分布したグアイフェネシンを含み、SR中のグアイフェネシン:IR中のグアイフェネシンの比は、重量基準で約1:1〜約20:1、より好ましくは約1:1〜約1:15であり、好ましくはその比は約3:2〜約11:1であり、より好ましくは徐放製剤および即時放出製剤内に分布したグアイフェネシンの比は、それぞれ重量基準で約5:1〜約9:1である。例えば、1200mg二層放出調節グアイフェネシン錠剤では、即時放出層中にグアイフェネシン約200mgおよび徐放層中にグアイフェネシン約1000mgを存在させることができる。
前記錠剤は、少なくとも1種類の別の薬剤を徐放製剤中のみに存在させて、あるいはその別の薬剤を即時放出製剤のみに存在させて製造することができる。適宜に、その錠剤は、少なくとも1種類の別の薬剤を徐放製剤および即時放出製剤中に分布させて製造することができる。1実施形態において、二層錠剤は、徐放製剤および即時放出製剤中に分布した別の薬剤を含み、SR中の前記別薬剤:IR中の前記別薬剤の比は、重量基準で約1:1〜約20:1、より好ましくは約1:1〜約1:15であり、好ましくはその比は約3:2〜約9:1であり、より好ましくはその比は、それぞれ重量基準で約3:1〜約4:1である。あるいは前記別薬剤についての重量比は、徐放部分:即時放出部分が約4:1〜約1:1、より好ましくは約1:1〜約2:1である。
1200mg二層放出調節グアイフェネシン錠の製造のある好ましい実施形態では、グアイフェネシンDC約105kg、Methocel E10M約2.5kg、カルボポール974P約1.25kgおよびエメラルドグリーンレーキもしくはFD&C青No.1約0.333kgを、約0.28m3(10立方フィート)P.K.混合機で約20分間混合する。次に、ステアリン酸マグネシウム約0.6kgを加え、混合をさらに約10分間続けて、徐放製剤を製造することができる。グアイフェネシンDC約21kg、微結晶セルロース約11.75kgおよびデンプングリコール酸ナトリウム約3kgを、約20分間にわたり、約0.08m3(3立方フィート)P.K.混合機で混合することができる。ステアリン酸マグネシウム約0.1kgを加え、混合をさらに約10分間続けて、即時放出製剤を製造することができる。次いで、その2種類の製剤を圧縮して、各錠剤の約75%が徐放製剤であることができ、各錠剤の約25%が即時放出製剤であることができる二層錠剤を製造することができる。この錠剤は、あらゆる用量強度、大きさまたは形状のものであることができる。好ましい実施形態では1200mg錠剤は、円形で直径が約1.59cm(約5/8インチ)であり、厚さが約0.71cm(約0.28インチ)〜約0.79cm(0.31インチ)であり、重量が約1.46gであり、硬度範囲は約15〜40SCUである。別の好ましい実施形態では600mg錠剤は、円形で直径が約1.27cm(約1/2インチ)であり、厚さが約0.553cm(約0.218インチ)〜約0.584cm(0.230インチ)であり、重量が約0.729gであり、硬度範囲約12〜30SCUを有する。
1200mg二層放出調節グアイフェネシン錠の製造の別の好ましい実施形態では、グアイフェネシンDC約101kg、デキストロメトルファンなどの少なくとも1種類の別の薬剤約4.5kg、Methocel E10M約5kg、カルボポール974P約1.5kgおよびFD&C青No.1約0.04kgを、約0.28m3(10立方フィート) Day 混合機で約12分間混合する。その後、水約29kgを加え、混合物をさらに10分間混合してから乾燥する。次に、ステアリン酸マグネシウム約1kgを加え、混合をさらに約10分間続けて、徐放製剤を製造することができる。グアイフェネシン約45.6kg、デキストロメトルファンなどの少なくとも1種類の別の薬剤約3.6kg、微結晶セルロース約40.32kgおよびデンプングリコール酸ナトリウム約3kgを、約12分間にわたり、約0.08m3(3立方フィート) Day混合機で混合する。その後、水約36kgを加え、混合物をさらに10分間混合してから乾燥させる。ステアリン酸マグネシウム約0.48kgを加え、混合をさらに約10分間続けて即時放出製剤を得ることができる。次いで、その2種類の製剤を圧縮して、各錠剤の約75%が徐放製剤であることができ、各錠剤の約25%が即時放出製剤であることができる二層錠剤を製造することができる。この錠剤は、あらゆる用量強度、大きさまたは形状のものであることができる。好ましい実施形態では1200mg錠剤は、円形で直径が約1.59cm(約5/8インチ)であり、厚さが約0.79cm(約0.31インチ)〜約0.86cm(0.34インチ)であり、重量が約15.3gであり、硬度範囲は約15〜35SCUである。別の好ましい実施形態では600mg錠剤は、円形で直径が約1.27cm(約1/2インチ)であり、厚さが約0.56cm(約0.22インチ)〜約0.66cm(0.26インチ)であり、重量が約7.65gであり、硬度範囲約15〜65SCUを有する。
二層錠剤の即時放出部分は、胃で見られるような低pHの水系媒体中で溶解して、その部分内に含まれるグアイフェネシンを迅速に放出するように製剤化する。それによって、高濃度グアイフェネシンの急速な生物学的利用能が得られる。下記の実施例6ならびに図9および10に示したように、二層錠剤の即時放出部分は、即時放出錠剤の場合と同等の最大血清中濃度(Cmax)および1/3量のグアイフェネシンを有する標準的な即時放出製剤の3用量のうちの最初のものを12時間にわたり4時間ごとに投与した場合に得られるCmaxと同等の最大血清中濃度時間(Tmax)となる。
徐放部分は低pHの媒体に曝露されるとゲル化して、錠剤の徐放部分が腸管に進入できるようになる。腸ではゲル化した徐放部分は、相対的に高いpH環境に曝露されて、ゲルが徐々に溶解するようになることで、ゲル化基材からグアイフェネシンが拡散および溶解することができるようになる。それにより、長時間にわたって(すなわち、8〜12時間以上)生物学的利用能が制御されて、錠剤によって治療効果が延長される。実施例6ならびに図9および10で明らかなように、放出調節二層錠剤の半減期は3時間を超えるまで延長され、錠剤は8000時間-ng/mLを超えるAUCinf(時間0から無限時間までの時間対血漿中濃度曲線の下の面積)を有する。
実施例7および図11に示したように、本発明の二層錠剤はさらに、600mg錠剤が1200mg錠剤と同等のTmaxを有し、1200mg錠剤の約半分のCmaxおよびAUCinfを有していたという点でさらに驚くべき結果を有していた。従って、徐放製剤や二層錠剤の組成を調節したり変更したりせずに、本発明の相対的に低用量強度のグアイフェネシン錠は、やはり相対的に高用量強度のグアイフェネシン錠のものとほぼ比例する血漿中濃度プロファイルを示す。実施例7および図11でさらに示しているように、その二層錠剤は、絶食していた志願者に投与した1200mg錠剤のCmaxおよびAUCinfと高脂肪食を摂取していた志願者に投与した1200mg錠剤のCmaxおよびAUCinfとがほぼ同等であるという点でさらに別の驚くべき結果を有していた。従って本発明の二層錠剤は、低い食物効果を示し、胃が空の患者または胃が満たされている患者に投与した場合にほぼ同等に有効である。例えば実施例8〜21に記載の組合せ製剤でも、同様の結果が得られた。
いくつかの組合せ製剤も、生物学的利用能について市販の薬剤と比較した。例えば実施例8は、グアイフェネシン1200mg/デキストロメトルファンHBr60mgの3つのバッチを示すものであり、それらを溶解させて経時的に放出されるデキストロメトルファンHBrの量を測定した。それらの製剤は、グアイフェネシン1200mgおよびデキストロメトルファンHBr60mgを有するものであり、12時間にわたって調べた。デキストロメトルファンHBrの放出量は、溶解前のデキストロメトルファンの総重量と比較した溶解デキストロメトルファンの重量%として求めた。1時間後、約46%〜47%のデキストロメトルファンが溶解していた。2時間後、約59%〜60%が溶解しており、6時間後には73%〜76%が溶解しており、12時間後には約86重量%〜89重量%のデキストロメトルファンが溶解していた。従って本発明の製剤は、再現性良く経時的にデキストロメトルファンを放出する(図12参照)。一方、例えば実施例9は、デキストロメトルファンを含む徐放グアイフェネシンのin vivo生物学的利用能を示す。
各種組合せグアイフェネシン/シュードエフェドリン組成物も調べて、それらの溶解速度および生物学的利用能を測定した。実施例10および11は、二層錠剤の徐放部分にグアイフェネシンおよびシュードエフェドリンを含む製剤を提供する。結果は、本発明の方法に従って単一の錠剤にその薬剤を組み込んでも、それの溶解プロファイルやin vivo放出プロファイルに影響しないことを示していた。
実施例12の2つの試作ロットは、市販のムシネックス (Mucinex;商標名)およびスダフェド(Sudafed;登録商標)と同様のin vivo放出を示した。特に、製剤B(ロットPB01-K61)は、グアイフェネシンおよびシュードエフェドリンについて至適な生物学的利用能を生じたことから、その後の生物学的利用能試験で用いた。
実施例13では、1200/120mg強度のグアイフェネシン/シュードエフェドリンHCl)の組合せ製品である製剤B(ロットPB01-M65A2)および600/60強度の製剤C(ロットPB01-A12A)と市販のMucinex (商標名)およびSudafed(登録商標) 12 Hourとを比較した。1200/120mg強度は、CmaxおよびAUCinfの両方の比について、80〜125%の範囲に含まれる90%信頼区間で生物学的同等性を示した。さらに、600/60強度は、比例した用量薬物動態を示した。
実施例14では、基準薬であるMucinex (商標名)およびSudafed(登録商標) 12 Hourを、1200/120mg強度試験製剤(ロットPB01-M65A3)と、11日間の1日2回投与法での定常状態生物学的利用能について比較した。被験製剤は、基準製剤と比較して、生物学的に等価であった(90%信頼区間で80〜125%の範囲内)。従って、グアイフェネシンおよびシュードエフェドリンの両方について、CmaxおよびAUCssについての定常状態は生物学的に等価であった。
実施例15および17では、基準製剤および本発明の組合せ製剤の両方について、高脂肪食の効果を比較した。被験製剤(ロットPB01-M65)は、基準と比較して、グアイフェネシンについてはCmaxに関して生物学的に等価ではなかったが、シュードエフェドリン部分については生物学的に等価であった。しかしながら、AUCinfは、80〜125%の範囲内でグアイフェネシンおよびシュードエフェドリンの両方について生物学的に等価であった。
実施例16では、単独または組合せでMucinex (商標名)およびSudafed(登録商標) 12 Hourとして投与されるグアイフェネシンおよびシュードエフェドリンの単一用量の相対的生物学的利用能および相互作用能力を比較した。結果は、グアイフェネシンおよびシュードエフェドリンの薬物動態が、互いの存在下および非存在下でAUCinfおよびCmaxの両方に関して影響を受けないことを示している(80〜125%の範囲内での比)。それは、本発明の組合せ製剤についての生物学的同等性を示すたの実施例の結果をさらに裏付けるものである。
実施例18では、基準のグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンとの比較でグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの両方を含む実験的製剤からのグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの生物学的利用能を比較した。グアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの薬物動態は、他の成分の存在によって影響を受けず、デキストロメトルファンの薬物動態は調べた範囲においては直線的であった。
実施例19では、基準のグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンとの比較で、グアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの両方を含む実験的製剤からのグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの相対的生物学的利用能を比較した。実験的錠剤中のグアイフェネシンは、Cmax、AUC0-tまたはAUCinfに関して、基準薬であるMucinex と明らかに生物学的に等価であった。実験的錠剤中のデキストロメトルファン臭化水素酸塩も、Cmax、AUC0-tまたはAUCinfに関して、6時間ごとのデキストロメトルファン臭化水素酸塩30mgおよび4時間ごとの20mgの両方と生物学的に等価であることが認められた。
実施例20では、終夜絶食後との比較で、高脂肪食摂取後のグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの両方を含む実験的製剤からのグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの相対的生物学的利用能を比較した。実験的錠剤からのグアイフェネシンの吸収に、食物の効果はなかった。実験的錠剤製剤からのデキストロメトルファンの吸収速度には食物の効果があったが(吸収速度にわずかな上昇)、吸収程度には効果はなかった。
実施例21では、基準のグアイフェネシンおよびデキストロメトルファン製品との比較で、グアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの両方を含む実験的製剤からのグアイフェネシンおよびデキストロメトルファンの相対的生物学的利用能を比較した。.実験的錠剤中のグアイフェネシンは、Cmaxおよび80%〜125%内でのAUCssに関して、基準薬であるMucinex と生物学的に等価であった。実験的錠剤中のデキストロメトルファン臭化水素酸塩は、Cmaxおよび80%〜125%内でのAUCssに関して、6時間ごとのデキストロメトルファン臭化水素酸塩30mgおよび4時間ごとの20mgの両方と生物学的に等価であった。
これらの試験は、本発明の組成物が12時間の期間にわたり薬剤の全身レベルを提供することを示している。さらにこれらの試験は、組合せ製剤の生物学的等価性を示している。
FDA承認薬剤との比較
食品・医薬品局(FDA)が承認した薬剤を用いる場合、単独または即時放出成分との組合せでの前記徐放製剤は、グアイフェネシンおよび適宜にFDAに提出された臨床文書に記載のもしくはFDAが要求した前記別薬剤の血清中プロファイルを模倣するように製剤することができる。この情報は、http://www.fda.gov/cder/foi/nda/2002/21-282_Mucinex.htm(これは、参照によって全体が本明細書に組み込まれる)にある。例えば、単一用量の400mg即時放出錠剤は、2,463±1033のCmax、0.5のTmax、8,382±3,282のAUC0-12、8,529±3,362のAUCinf、および0.78±0.09のT1/2を有する。あるいは、複数用量の400mg即時放出錠剤は、2,278±791のCmax、0.5のTmax、7,751±2,697のAUC0-12、112±52のCmin0、および137±98のCmin12を有する。好ましくは前記製剤によって、1/3量のグアイフェネシンを有する標準的な即時放出製剤の3用量のうちの最初のものを12時間にわたり4時間ごとに投与した場合に得られるCmaxと同等の最大血清濃度(Cmax)および/または最大血清濃度時間(Tmax)が得られる。すなわち前記徐放製剤は、グアイフェネシンおよび少なくとも1種類の別の薬剤の両方を市販の製剤と同様の速度で放出することで、治療上有効量の両薬を提供する。あるいはこれらのパラメータは、Cmax、Cmin、Tmax、AUCinf、AUC0-t、AUCssおよびT1/2のいずれかまたはそれらの組合せによって計算することができる。別段の断りがない限り、明細書および特許請求の範囲でAUC0-tについて言及しているものはいずれも、24時間の時間(t)に相当するデータを指す。これらパラメータは、その場合に等価性を平均および90%信頼水準での80〜125%範囲および/または平均からの1標準偏差から求める本明細書に記載のものなどのin vivo試験から計算することもできる。あるいは前記パラメータは、等価性をメジアンおよび90%信頼水準での80〜125%範囲および/またはメジアンからの1標準偏差から求める本明細書に記載のものなどのin vivo試験から計算することもできる。FDAが認めているデキストロメトルファンの極端な変動性およびピコグラムレベルでの血漿・血清レベルの測定に固有の変動性のため、透過性は平均および50〜150%範囲から求め、より好ましくは透過性は平均および60〜140%範囲から求め、最も好ましくは透過性は平均および90%信頼水準での80〜125%範囲から求める。図31および32は、本発明の各種バッチ組成物の規格範囲を示す図である。
さらに、グアイフェネシン、別の薬剤または両方のCmaxは、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%である。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいは、グアイフェネシンについてのCmaxの下限は、製剤に応じて好ましくは640ng/mL超、より好ましくは700ng/mL、より好ましくは800ng/mL、より好ましくは900ng/mL、より好ましくは1000ng/mL、より好ましくは1100ng/mL、最も好ましくは1250ng/mLである。グアイフェネシンについてのCmaxの上限は、製剤に応じて好ましくは3750ng/mL未満、より好ましくは3500ng/mL、より好ましくは3250ng/mL、より好ましくは3000ng/mL、より好ましくは2750ng/mL、最も好ましくは2500ng/mLである。1200mg錠剤の場合、その範囲は、好ましくは1000ng/mL〜3750ng/mL、1200ng/mL〜3500ng/mL、1350ng/mL〜3000ng/mL、そして1450ng/mL〜2750ng/mLである。600mg錠剤の場合、その範囲は、好ましくは320ng/mL〜1875ng/mL、400ng/mL〜1500ng/mL、500ng/mL〜1375ng/mL、そして625ng/mL〜1250ng/mLである。
あるいは、シュードエフェドリンについてのCmaxの下限値は、製剤に応じて好ましくは150ng/mL超、より好ましくは175ng/mL、より好ましくは200ng/mL、および最も好ましくは250ng/mLである。シュードエフェドリンについてのCmaxの上限値は、製剤に応じて好ましくは500ng/mL未満、より好ましくは450ng/mL、より好ましくは400ng/mL、および最も好ましくは375ng/mLである。120mg錠剤の場合、その範囲は、好ましくは150ng/mL〜500ng/mL、175ng/mL〜500ng/mL、200ng/mL〜450ng/mL、250ng/mL〜400ng/mL、そして300ng/mL〜375ng/mLである。60mg錠剤の場合、その範囲は、好ましくは75ng/mL〜250ng/mL、88ng/mL〜250ng/mL、100ng/mL〜225ng/mL、125ng/mL〜200ng/mL、そして150ng/mL〜188ng/mLである。
あるいは、デキストロメトルファンについてのCmaxの下限値は、製剤に応じて好ましくは3840pg/mL超、より好ましくは5,500pg/mL、より好ましくは6,600pg/mL、より好ましくは7,000pg/mL、より好ましくは7,700pg/mL、より好ましくは8,000pg/mL、より好ましくは8,800pg/mL、より好ましくは9,900pg/mL、最も好ましくは10,000pg/mLである。デキストロメトルファンについてのCmaxの上限値は、製剤に応じて好ましくは22,500pg/mL未満、より好ましくは16,500pg/mL、より好ましくは15,400pg/mL、より好ましくは14,300pg/mL、より好ましくは13,200pg/mL、最も好ましくは12,100pg/mLである。60mg錠剤の場合、その範囲は、好ましくは9,600pg/mL〜15,000pg/mL、10,800pg/mL〜13,500pg/mL、10,800pg/mL〜12,000pg/mL、そして12,000pg/mL〜13,500pg/mLである。30mg錠剤の場合、その範囲は、好ましくは7,200pg/mL〜11,250pg/mL、8,100pg/mL〜10,125pg/mL、8,100pg/mL〜9,000pg/mL、そして9,000pg/mL〜10,125pg/mLである。別の実施形態では、デキストロメトルファンについてのCmaxの下限値は、製剤に応じて好ましくは1300pg/mL超、より好ましくは1,550pg/mL、より好ましくは1,860pg/mL、より好ましくは2,170pg/mL、より好ましくは2,480pg/mL、最も好ましくは2,790pg/mLである。デキストロメトルファンについてのCmaxの上限値は、製剤に応じて好ましくは5,400pg/mL未満、より好ましくは4,650pg/mL、より好ましくは4,350pg/mL、より好ましくは4,000pg/mL、より好ましくは3,750pg/mL、最も好ましくは3,400pg/mLである。
Cminは、市場に出ている各種徐放薬剤が満足しない場合が多い別の側面である。本発明の製剤は、少なくとも10時間、より好ましくは12時間、最も好ましくは14時間以上にわたって治療上の有効性を維持するCminを提供する。さらに、グアイフェネシン、前記別薬剤またはその両方のCminは、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%である。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいは、グアイフェネシンについてのCminの下限値は、製剤に応じて好ましくは40ng/mL超、より好ましくは50ng/mL、より好ましくは60ng/mL、最も好ましくは70ng/mLである。グアイフェネシンについてのCminの上限値は、製剤に応じて好ましくは200ng/mL未満、より好ましくは175ng/mL、より好ましくは150ng/mL、最も好ましくは125ng/mLである。1200mgまたは600mg錠剤についてのCmin範囲は、50ng/mL〜150ng/mL、50ng/mL〜125ng/mL、60ng/mL〜125ng/mL、70ng/mL〜125ng/mL、80ng/mL〜125ng/mL、35ng/mL〜75ng/mL、40ng/mL〜70ng/mL、45ng/mL〜65ng/mL、そして50ng/mL〜60ng/mLから選択することができる。
あるいは、シュードエフェドリンについてのCminの下限値は、製剤に応じて好ましくは75ng/mL超、より好ましくは100ng/mL、より好ましくは125ng/mL、最も好ましくは150ng/mLである。シュードエフェドリンについてのCminの上限値は、製剤に応じて好ましくは300ng/mL未満、より好ましくは250ng/mL、より好ましくは225ng/mL、最も好ましくは200ng/mLである。120mgまたは60mg錠剤についてのCmin範囲は、75ng/mL〜300ng/mL、100ng/mL〜250ng/mL、125ng/mL〜225ng/mL、150ng/mL〜200ng/mLから選択することができる。
あるいは、デキストロメトルファンについてのCminの下限値は、好ましくは1,250pg/mL超、より好ましくは1,500pg/mL、より好ましくは1,700pg/mL、より好ましくは2,000pg/mL、最も好ましくは2,250pg/mLである。あるいは、デキストロメトルファンについてのCminの上限値は、製剤に応じて好ましくは3,750pg/mL未満、より好ましくは3,500pg/mL、より好ましくは3,250pg/mL、より好ましくは3,000pg/mL、最も好ましくは2,750pg/mLである。あるいは、60mg錠剤についてのCmin範囲は、7,200pg/mL〜11,250pg/mL、8,100pg/mL〜10,125pg/mL、8,100pg/mL〜9,000pg/mL、9,000pg/mL〜10,125pg/mLから選択することができる。30mg錠剤についてのCmin範囲は、5,400pg/mL〜8,400pg/mL、6,075pg/mL〜7,600pg/mL、6,075pg/mL〜6,750pg/mL、6,750pg/mL〜7,600pg/mLから選択することができる。別の実施形態では、デキストロメトルファンについてのCminの下限値は、好ましくは1,050pg/mL超、より好ましくは1,250pg/mL、より好ましくは1,450pg/mL、より好ましくは1,650pg/mL、最も好ましくは1,850pg/mLである。デキストロメトルファンについてのCminの上限値は、製剤に応じて好ましくは3,150pg/mL未満、より好ましくは2,950pg/mL、より好ましくは2,700pg/mL、より好ましくは2,500pg/mL、最も好ましくは2,300pg/mLである。
本発明の製剤は、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%であるグアイフェネシン、前記別薬剤またはその両方のTmaxを与える。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいは、グアイフェネシンについてのTmaxの下限値は、製剤に応じて好ましくは0.6時間超、より好ましくは0.8時間、より好ましくは0.9時間、より好ましくは1.0時間、最も好ましくは1.1時間である。グアイフェネシンについてのTmaxの上限値は、製剤に応じて好ましくは3.0時間未満、より好ましくは2.5時間、より好ましくは2.25時間、最も好ましくは2時間である。そのTmax範囲は、0.6時間〜3.0時間、0.8時間〜2.5時間、0.9時間〜2.25時間、1.0時間〜2時間、1.1時間〜2時間からも選択できる。
あるいは、シュードエフェドリンについてのTmaxの下限値は、製剤に応じて好ましくは3.75時間超、より好ましくは4.0時間、より好ましくは4.25時間、より好ましくは4.5時間、最も好ましくは4.75時間である。シュードエフェドリンについてのTmaxの上限値は、製剤に応じて好ましくは9.0時間未満、より好ましくは8.5時間、より好ましくは8.0時間、最も好ましくは7.5時間である。そのTmax範囲は、3.75時間〜9.0時間、4.0時間〜8.5時間、4.25時間〜8.0時間、4.5時間〜7.5時間、4.75時間〜7.5時間からも選択できる。
あるいは、デキストロメトルファンについてのTmaxの下限値は、製剤に応じて好ましくは3.3時間超、より好ましくは3.9時間、より好ましくは4.6時間、より好ましくは5.2時間、最も好ましくは5.85時間である。デキストロメトルファンについてのTmaxの上限値は、製剤に応じて好ましくは10.6時間未満、より好ましくは9.8時間、より好ましくは9.1時間、より好ましくは8.8時間、より好ましくは8.5時間、より好ましくは7.8時間、最も好ましくは7.2時間である。そのTmax範囲は、60mg錠剤では6.2時間〜9.7時間、6.7時間〜8.8時間、6.7時間〜7.75時間、7.75時間〜8.8時間からも選択できる。そのTmax範囲は、30mg錠剤では4.6時間〜7.25時間、5.2時間〜6.5時間、5.2時間〜5.8時間、5.8時間〜6.5時間からも選択できる。
本発明の製剤は、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%であるグアイフェネシン、前記別薬剤またはその両方のAUCinfを与える。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいはグアイフェネシンについてのAUCinfの下限値は、製剤に応じて好ましくは4,000hr-ng/mL超、より好ましくは5,000hr-ng/mL、より好ましくは5,500hr-ng/mL、最も好ましくは6,000hr-ng/mLである。グアイフェネシンについてのAUCinfの上限値は、製剤に応じて好ましくは12,500hr-ng/mL未満、より好ましくは10,000hr-ng/mL、より好ましくは9,500hr-ng/mL、最も好ましくは9,000hr-ng/mLである。1200mg錠剤の場合、AUCinf範囲は、4,000hr-ng/mL〜12,500hr-ng/mL、5,000hr-ng/mL〜10,000hr-ng/mL、5,500hr-ng/mL〜9,500hr-ng/mL、and6,000hr-ng/mL〜9,000hr-ng/mLから選択することができる。600mg錠剤の場合、AUCinf範囲は、2,000hr-ng/mL〜6,250hr-ng/mL、2,500hr-ng/mL〜5,000hr-ng/mL、2,250hr-ng/mL〜4,750hr-ng/mL、and3,000hr-ng/mL〜4,500hr-ng/mLから選択することができる。
あるいは、シュードエフェドリンについてのAUCinfの下限値は、製剤に応じて好ましくは2,500hr-ng/mL超、より好ましくは2,800hr-ng/mL、より好ましくは3,500hr-ng/mL、最も好ましくは3,750hr-ng/mLである。シュードエフェドリンについてのAUCinfの上限値は、製剤に応じて好ましくは6,000hr-ng/mL未満、より好ましくは5,800hr-ng/mL、より好ましくは5,500hr-ng/mL、最も好ましくは5,000hr-ng/mLである。120mg錠剤の場合、AUCinfは、2,500hr-ng/mL〜6,000hr-ng/mL、2,800hr-ng/mL〜5,800hr-ng/mL、3,500hr-ng/mL〜5,500hr-ng/mL、3,750hr-ng/mL〜5,000hr-ng/mLから選択することができる。60mg錠剤の場合、AUCinfは、1,250hr-ng/mL〜3,000hr-ng/mL、1,400hr-ng/mL〜2,900hr-ng/mL、1,750hr-ng/mL〜2,750hr-ng/mL、1,875hr-ng/mL〜2,500hr-ng/mLから選択することができる。
あるいは、デキストロメトルファンについてのAUCinfの下限値は、製剤に応じて好ましくは55,200hr-ng/mL超、より好ましくは145,000hr-ng/mL、より好ましくは174,000hr-ng/mL、より好ましくは192,000hr-ng/mL、より好ましくは203,000hr-ng/mL、より好ましくは216,000hr-ng/mL、より好ましくは232,000hr-ng/mL、より好ましくは240,000hr-ng/mL、最も好ましくは261,000hr-ng/mLである。デキストロメトルファンについてのAUCinfの上限値は、製剤に応じて好ましくは587,500hr-ng/mL未満、より好ましくは435,000hr-ng/mL、より好ましくは405,000hr-ng/mL、より好ましくは400,000hr-ng/mL、より好ましくは377,000hr-ng/mL、より好ましくは360,000hr-ng/mL、より好ましくは348,000hr-ng/mL、最も好ましくは320,000hr-ng/mLである。60mg錠剤の場合、AUCinfは、256,000hr-ng/mL〜400,000hr-ng/mL、288,000hr-ng/mL〜360,000hr-ng/mL、288,000pg/mL〜320,000hr-ng/mL、320,000hr-ng/mL〜360,000hr-ng/mLから選択することができる。30mg錠剤の場合、AUCinfは、192,000hr-ng/mL〜300,000hr-ng/mL、216,000hr-ng/mL〜270,000hr-ng/mL、216,000hr-ng/mL〜240,000hr-ng/mL、240,000hr-ng/mL〜270,000hr-ng/mLから選択することができる。別の実施形態において、デキストロメトルファンAUCinfの下限値は、製剤に応じて好ましくは15,000hr-ng/mL超、より好ましくは18,000hr-ng/mL、より好ましくは21,000hr-ng/mL、より好ましくは24,000hr-ng/mL、最も好ましくは27,000hr-ng/mLである。デキストロメトルファンAUCinfの上限値は、製剤に応じて好ましくは46,900hr-ng/mL未満、より好ましくは45,000hr-ng/mL、より好ましくは42,000hr-ng/mL、より好ましくは39,000hr-ng/mL、より好ましくは36,000hr-ng/mL、最も好ましくは33,000hr-ng/mLである。
本発明の製剤は、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%であるグアイフェネシン、前記別薬剤またはその両方のAUC0-tを与える。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいは、グアイフェネシンについてのAUC0-tの下限値は、製剤に応じて好ましくは3,200hr-ng/mL超、より好ましくは3,700hr-ng/mL、より好ましくは4,000hr-ng/mL、最も好ましくは4,500hr-ng/mLである。グアイフェネシンについてのAUC0-tの上限値は、製剤に応じて好ましくは11,250hr-ng/mL未満、より好ましくは10,500hr-ng/mL、より好ましくは9,500hr-ng/mL、より好ましくは9,000hr-ng/mL、最も好ましくは8,500hr-ng/mLである。1200mg錠剤の場合、AUC0-tは3,200hr-ng/mL〜11,250hr-ng/mL、3,700hr-ng/mL〜10,500hr-ng/mL、4,000hr-ng/mL〜9,500hr-ng/mL、4,250hr-ng/mL〜9,000hr-ng/mL、4,500hr-ng/mL〜8,500hr-ng/mLから選択することができる。600mg錠剤の場合、AUC0-tは1,600hr-ng/mL〜5,625hr-ng/mL、1,850hr-ng/mL〜5,250hr-ng/mL、2,000hr-ng/mL〜4,750hr-ng/mL、2,125hr-ng/mL〜4,500hr-ng/mL、2,250hr-ng/mL〜4,250hr-ng/mLから選択することができる。
あるいは、シュードエフェドリンについてのAUC0-tの下限値は、製剤に応じて好ましくは2,000hr-ng/mL超、より好ましくは2,200hr-ng/mL、より好ましくは2,500hr-ng/mL、最も好ましくは2,800hr-ng/mLである。シュードエフェドリンについてのAUC0-tの上限値は、製剤に応じて好ましくは6,000hr-ng/mL未満、より好ましくは5,750hr-ng/mL、より好ましくは5,500hr-ng/mL、より好ましくは5,250hr-ng/mL、最も好ましくは5,000hr-ng/mLである。120mg錠剤の場合、2,000hr-ng/mL〜6,000hr-ng/mL、2,200hr-ng/mL〜5,750hr-ng/mL、2,500hr-ng/mL〜5,500hr-ng/mL、2,700hr-ng/mL〜5,250hr-ng/mL、2,800hr-ng/mL〜5,000hr-ng/mLから選択することができる。60mg錠剤の場合、AUC0-tは1,000hr-ng/mL〜3,000hr-ng/mL、1,100hr-ng/mL〜2,875hr-ng/mL、1,250hr-ng/mL〜2,750hr-ng/mL、1,350hr-ng/mL〜2,625hr-ng/mL、1,400hr-ng/mL〜2,500hr-ng/mLから選択することができる。
あるいは、デキストロメトルファンについてのAUC0-tの下限値は、製剤に応じて好ましくは59,000hr-ng/mL超、より好ましくは119,000hr-ng/mL、より好ましくは143,000hr-ng/mL、より好ましくは162,000hr-ng/mL、より好ましくは166,000hr-ng/mL、より好ましくは182,000hr-ng/mL、より好ましくは190,000hr-ng/mL、より好ましくは202,000hr-ng/mL、最も好ましくは214,000hr-ng/mLである。デキストロメトルファンについてのAUC0-tの上限値は、製剤に応じて好ましくは475,000hr-ng/mL未満、より好ましくは360,000hr-ng/mL、より好ましくは337,500hr-ng/mL、より好ましくは333,000hr-ng/mL、より好ましくは309,000hr-ng/mL、より好ましくは300,000hr-ng/mL、より好ましくは286,000hr-ng/mL、より好ましくは270,000hr-ng/mL、最も好ましくは262,000hr-ng/mLである。60mg錠剤の場合、AUC0-tは216,000hr-ng/mL〜337,500hr-ng/mL、243,000hr-ng/mL〜300,000hr-ng/mL、243,000hr-ng/mL〜270,000hr-ng/mL、270,000hr-ng/mL〜300,000hr-ng/mLから選択することができる。30mg錠剤の場合、AUC0-tは162,000hr-ng/mL〜250,000hr-ng/mL、182,000hr-ng/mL〜230,000hr-ng/mL、182,000hr-ng/mL〜202,000hr-ng/mL、202,000hr-ng/mL〜230,000hr-ng/mLから選択することができる。別の実施形態では、デキストロメトルファンについてのAUC0-tの下限値は、製剤に応じて好ましくは15,000hr-ng/mL超、より好ましくは18,000hr-ng/mL、より好ましくは21,000hr-ng/mL、より好ましくは24,000hr-ng/mL、最も好ましくは27,000hr-ng/mLである。デキストロメトルファンについてのAUC0-tの上限値は、製剤に応じて好ましくは47,300hr-ng/mL未満、より好ましくは45,000hr-ng/mL、より好ましくは42,000hr-ng/mL、より好ましくは39,000hr-ng/mL、より好ましくは36,000hr-ng/mL、最も好ましくは33,000hr-ng/mLである。
本発明の製剤は、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%であるグアイフェネシン、前記別薬剤またはその両方のAUCssを与える。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいは、グアイフェネシンについてのAUCssの下限値は、製剤に応じて好ましくは5000hr-ng/mL超、より好ましくは5600hr-ng/mL、より好ましくは6000hr-ng/mL、最も好ましくは6500hr-ng/mLである。グアイフェネシンについてのAUCssの上限値は、製剤に応じて好ましくは9000hr-ng/mL未満、より好ましくは8750hr-ng/mL、より好ましくは8250hr-ng/mL、最も好ましくは8000hr-ng/mLである。1200mg錠剤についてのAUCssは、5000hr-ng/mL〜9000hr-ng/mL、5600hr-ng/mL〜8750hr-ng/mL、6000hr-ng/mL〜8000hr-ng/mL、6500hr-ng/mL〜8250hr-ng/mLから選択することができる。600mg錠剤についてのAUCssは、2,500hr-ng/mL〜4,500hr-ng/mL、2,800hr-ng/mL〜4,375hr-ng/mL、3,000hr-ng/mL〜4,000hr-ng/mL、3,250hr-ng/mL〜4,125hr-ng/mLから選択することができる。
あるいは、シュードエフェドリンについてのAUCssの下限値は、製剤に応じて好ましくは2,100hr-ng/mL超、より好ましくは2,400hr-ng/mL、より好ましくは2,650hr-ng/mL、最も好ましくは2,800hr-ng/mLである。シュードエフェドリンについてのAUCssの上限値は、製剤に応じて好ましくは5,500hr-ng/mL未満、より好ましくは5,000hr-ng/mL、より好ましくは4,500hr-ng/mL、最も好ましくは4,000hr-ng/mLである。120mg錠剤についてのAUCssは、2,100hr-ng/mL〜5,500hr-ng/mL、2,400hr-ng/mL〜5,000hr-ng/mL、2,650hr-ng/mL〜4,500hr-ng/mL、2,800hr-ng/mL〜4,000hr-ng/mLから選択することができる。60mg錠剤についてのAUCssは、1,050hr-ng/mL〜2,250hr-ng/mL、1,200hr-ng/mL〜2,500hr-ng/mL、1,325hr-ng/mL〜2,250hr-ng/mL、1,400hr-ng/mL〜2,000hr-ng/mLから選択することができる。
あるいは、デキストロメトルファンについてのAUCssの下限値は、製剤に応じて好ましくは87,750hr-ng/mL超、より好ましくは105,000hr-ng/mL、より好ましくは120,000hr-ng/mL、より好ましくは132,000hr-ng/mL、より好ましくは140,000hr-ng/mL、最も好ましくは158,000hr-ng/mLである。デキストロメトルファンについてのAUCssの上限値は、製剤に応じて好ましくは263,000hr-ng/mL未満、より好ましくは245,000hr-ng/mL、より好ましくは228,000hr-ng/mL、より好ましくは220,000hr-ng/mL、より好ましくは210,000hr-ng/mL、より好ましくは197,000hr-ng/mL、最も好ましくは193,000hr-ng/mLである。60mg錠剤についてのAUCssは、140,000hr-ng/mL〜220,000hr-ng/mL、157,500hr-ng/mL〜197,000hr-ng/mL、157,500hr-ng/mL〜175,000hr-ng/mL、175,000hr-ng/mL〜197,000hr-ng/mLから選択することができる。30mg錠剤についてのAUCssは、105,000hr-ng/mL〜165,000hr-ng/mL、120,000hr-ng/mL〜149,000hr-ng/mL、120,000hr-ng/mL〜132,000hr-ng/mL、132,000hr-ng/mL〜149,000hr-ng/mLから選択することができる。別の実施形態では、デキストロメトルファンについてのAUCssの下限値は、製剤に応じて好ましくは19,000hr-ng/mL超、より好ましくは22,800hr-ng/mL、より好ましくは26,600hr-ng/mL、より好ましくは30,500hr-ng/mL、最も好ましくは34,000hr-ng/mLである。デキストロメトルファンについてのAUCssの上限値は、製剤に応じて好ましくは57,000hr-ng/mL未満、より好ましくは53,000hr-ng/mL、より好ましくは49,500hr-ng/mL、より好ましくは45,600hr-ng/mL、最も好ましくは41,800hr-ng/mLである。
本発明の製剤は、好ましくはFDA承認平均の80%〜125%、より好ましくは90%〜115%、最も好ましくは95%〜115%であるグアイフェネシン、前記別薬剤またはその両方のT1/2を与える。これらの範囲は、同等に調節する必要はない。すなわち平均は、例えば好ましくは、製剤に応じてFDA平均の90%〜125%であることができる。あるいは、グアイフェネシンについてのT1/2の下限値は、製剤に応じて好ましくは0.7時間超、より好ましくは0.9時間、より好ましくは1.1時間、より好ましくは1.3時間、最も好ましくは1.4時間である。グアイフェネシンについてのT1/2の上限値は、製剤に応じて好ましくは7.25時間未満、より好ましくは6.0時間、より好ましくは5.0時間、最も好ましくは3.5時間である。1200mg錠剤についてのT1/2は、0.7時間〜7.25時間、0.9時間〜6.0時間、1.1時間〜5.0時間、1.3時間〜3.5時間、1.4時間〜3.5時間から選択することができる。600mg錠剤についてのT1/2は、0.35時間〜3.63時間、0.45時間〜3.0時間、0.55時間〜2.5時間、0.65時間〜1.75時間、0.70時間〜1.75時間から選択することができる。
あるいは、シュードエフェドリンについてのT1/2の下限値は、製剤に応じて好ましくは3.2時間超、より好ましくは3.6時間、より好ましくは4.0時間、より好ましくは4.2時間、最も好ましくは4.5時間である。シュードエフェドリンについてのT1/2の上限値は、製剤に応じて好ましくは8.0時間未満、より好ましくは7.5時間、より好ましくは7.0時間、最も好ましくは6.25時間である。120mg錠剤についてのT1/2は、3.2時間〜8.0時間、3.6時間〜7.5時間、4.0時間〜7.0時間、4.2時間〜6.25時間、4.5時間〜6.25時間から選択することができる。60mg錠剤についてのT1/2は、1.60時間〜4.0時間、1.80時間〜3.75時間、2.0時間〜3.5時間、2.1時間〜3.13時間、2.25時間〜3.13時間から選択することができる。
あるいは、デキストロメトルファンについてのT1/2の下限値は、製剤に応じて好ましくは4.6時間超、より好ましくは5.6時間、より好ましくは6.5時間、より好ましくは7.0時間、より好ましくは7.4時間、より好ましくは7.9時間、より好ましくは8.4時間、最も好ましくは8.8時間である。デキストロメトルファンについてのT1/2の上限値は、製剤に応じて好ましくは15.75時間未満、14.7時間、より好ましくは13.0時間、より好ましくは13.0時間、より好ましくは12.1時間、より好ましくは11.75時間、より好ましくは11.2時間、最も好ましくは10.2時間である。60mg錠剤についてのT1/2は、9.4時間〜14.7時間、10.6時間〜13.2時間、10.6時間〜11.75時間、11.75時間〜13.2時間から選択することができる。60mg錠剤についてのT1/2は、7.0時間〜11.0時間、7.9時間〜9.9時間、7.9時間〜8.8時間、8.8時間〜9.9時間から選択することができる。
別の薬剤を含む場合と含まない場合の他の徐放/即時放出製剤の例について、下記の実施例でさらに説明する。
実施例
本発明の組成物および方法を詳細に説明する下記の実施例を参照しながら、本発明をさらに定義する。材料および方法の両方に対する多くの変更が、本発明の目的および対象から逸脱しない限りにおいて実施可能であることは、当業者には明らかであろう。
in vivo試験の部分では、別段の断りがない限り、下記の一般的手順をサンプル分析に用いた。血液サンプル(抗凝血剤としてヘパリンナトリウムを入れた5〜10mL)を、投与前および投与後一定間隔で採取した。血液サンプルはいずれも、抜き取ってから30分以内に冷却および遠心した。血漿を分離し、ポリプロピレン管に移し入れ、-20℃以下で冷凍し、薬剤分析用に運搬するまで冷凍状態で保存した。次に、血漿サンプルを十分にバリデーションされたHPLC法によって分析した。その得られた血漿濃度−時間データについて、ウィノンリン(Winnonlin)1.5による非コンパートメント分析を用いる薬物動態分析を行った。
必要な場合、次に志願者に少なくとも7日間の休薬期間(試験中の志願者にグアイフェネシンを投与しなかった)を設けてから、次の投与群に交差させた。被験者は、1983メトロポリタン・ライフ・チャート(Metropolitan Life chart)によって定義される理想体重の15%以内の体重であった。