JP5465588B2 - 炭素質材の超音波検査方法及びその装置 - Google Patents

炭素質材の超音波検査方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は、炭素質材の超音波検査方法及びその装置に関するものである。
一般に、鋼材や金属材等の対象物について肉厚を計測する方法には様々なものがあり、その一例としては、超音波を用いて検出データから対象物の肉厚を計測するものがある。
この際には、超音波を送信する探触子と、探触子からのデータを処理する処理装置とを用いており、計測の際には対象物の外面に探触子を配置して数MHzの超音波を送信し、対象物の底面で反射した底面反射エコーを取得し、種々の解析を行っての肉厚を算出している(例えば、特許文献1、2参照)。
又、高炉においては、高炉に使用される炭素質材の耐火物の肉厚を計測することが求められており、特に高炉の耐火材は、高炉の稼働によって減肉が進行するため、減肉量を推定することが求められている。その炭素質材の耐火材の減肉量を推定する一例としては、耐火材の肉厚が薄くなった場合に温度が上昇することを利用し、耐火材に温度計を複数設置して当該温度計の温度変化に基づき耐火材の減肉量を推定するものがある。
特開平7−198362号公報 特開2004−163250号公報
しかしながら、温度計による温度を用いて炭素質材の耐火材の減肉量等を推定する場合には、耐火材の温度に依存すると共に計測精度が劣るため、耐火材の減肉量等を適切に計測することができないという問題があった。又、超音波を用いて炭素質材の耐火物の肉厚を計測する際には、炭素質材が粗粒材で超音波を通しにくい性質を有することから、超音波の減衰作用が大きく、底面反射信号を適切に取得することができないという問題があった。更に炭素質材の耐火物の肉厚を計測する際に、一般的な減衰補正の処理を適用した場合であってもノイズが増幅され、底面反射信号を適切に取得することができないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、炭素質材の肉厚又は減肉量を適切に計測し得る炭素質材の超音波検査方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の炭素質材の超音波検査方法は、炭素質材に対して超音波探触子により超音波を送信し、炭素質材からの底面反射エコーを超音波探触子により受信して処理する炭素質材の超音波検査方法であって、材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて減衰定数を予め準備し、前記炭素質材と材質が同じである測定対象の炭素質材に対して、超音波を送受信して底面反射エコーを前記減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に前記超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出するものである。
又、本発明の炭素質材の超音波検査方法は、炭素質材に対して超音波探触子により超音波を送信し、炭素質材からの底面反射エコーを超音波探触子により受信して処理する炭素質材の超音波検査方法であって、材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて減衰定数を予め準備し、前記炭素質材と材質が同じである測定対象の炭素質材に対して、超音波を送受信して底面反射エコーを前記減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に前記超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出し、次いで時間経過に伴って炭素質材の肉厚を再度計測し、時間経過に伴う複数の肉厚の値から減肉量を算出するものである。
本発明の炭素質材の超音波検査方法において、相関演算処理する前には、底面反射エコー又は補正波形信号をウェーブレット演算することが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査方法において、底面反射エコーを複数回受信し、減衰定数により減衰補正する前に、複数回の底面反射エコーを平均化処理をしてノイズを減らすことが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査方法において、送信側の超音波探触子と受信側の超音波探触子が離間幅を有して配置される場合には、
Figure 0005465588



T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
により離間幅の誤差を補正することが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査方法において、送信側の超音波探触子又は受信側の超音波探触子の一方が炭素質材の凹部に配置される場合には、
Figure 0005465588


T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
Z:凹部の深さ(mm)
により凹部の深さの誤差を補正することが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査方法において、炭素質材は、炭素50w%以上85w%以下を含有する炭素質耐火物である。
本発明の炭素質材の超音波検査装置は、炭素質材に対して超音波を発信する超音波探触子と、該超音波探触子からの信号を処理する信号演算部とを備える炭素質材の超音波検査装置であって、
前記超音波探触子は、超音波を送受信する機能を有し、
前記信号演算部は、材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて予め求めた減衰定数を使用して、測定対象の炭素質材への超音波送受信により発生する底面反射エコーを、減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出するように構成されたものである。
本発明の炭素質材の超音波検査装置は、炭素質材に対して超音波を発信する超音波探触子と、該超音波探触子からの信号を処理する信号演算部と、減肉量算出部とを備える炭素質材の超音波検査装置であって、
前記超音波探触子は、超音波を送受信する機能を有し、
前記信号演算部は、材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて予め求めた減衰定数を使用して、測定対象の炭素質材への超音波送受信により発生する底面反射エコーを、減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出し、更に時間経過に伴って炭素質材の肉厚を再度算出し、
前記減肉量算出部は、時間経過に伴う複数の肉厚の値から減肉量を算出するように構成されたものである。
本発明の炭素質材の超音波検査装置において、前記信号算出部は、相関演算処理する前に、底面反射エコー又は減衰補正信号をウェーブレット演算するように構成されることが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査装置において、前記信号算出部は、底面反射エコーを複数回受信し、減衰定数により減衰補正する前に、複数回の底面反射エコーを平均化処理をしてノイズを減らすように構成されることが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査装置において、送信側の超音波探触子と受信側の超音波探触子が離間幅を介して配置され、
前記信号算出部は、
Figure 0005465588



T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
により離間幅の誤差を補正するように構成されることが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査装置において、送信側の超音波探触子又は受信側の超音波探触子の一方が炭素質材の凹部に配置され、
前記信号算出部は、
Figure 0005465588


T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
Z:凹部の深さ(mm)
により凹部の誤差を補正するように構成されることが好ましい。
本発明の炭素質材の超音波検査方法及びその装置によれば、減衰補正及び相関演算処理によりノイズを減らして底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した炭素質材の音速とを用いて炭素質材の肉厚を算出するので、炭素質材の温度を利用することなく、肉厚又は減肉量を適切に計測することができる。又、超音波の減衰作用の大きい炭素質材であっても肉厚又は減肉量を適切に計測することができる。更に減衰補正のみでは底面反射信号を取得できない炭素質材であっても、減衰補正及び相関演算処理を用いて処理するので、底面反射信号を取得することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の形態例を示すブロック図である。 本発明の形態例であって炭素質材の肉厚の算出を示すフローである。 本発明の形態例であって炭素質材の減肉量の算出を示すフローである。 減衰定数を求める処理を示す概念図である。 減衰補正した場合と減衰補正しない場合における実測の信号を示す画像図である。 実測の相関演算処理を概念的に示す処理図である。 送信側の超音波探触子と受信側の超音波探触子が離間幅を介して配置される場合を示す概念図である。 送信側の超音波探触子又は受信側の超音波探触子の一方が凹部に配置される場合を示す概念図である。 炭素質材において減肉(損耗)を生じた例を示すグラフである。
以下、本発明の炭素質材の超音波検査方法及びその装置を実施する形態例を図1〜図8を参照して説明する。
実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置は、炭素質材1の肉厚T又は減肉量の計測や検査に使用されるものであり、当該炭素質材1の一例としては、高炉の内部に内張されて高炉湯溜まりの耐久性を高める炭素質耐火材がある。炭素質耐火材は炭素50w%以上85w%以下を含有するものであり、具体的には、例えば、炭素50〜80w%、アルミナ5〜15w%、金属珪素5〜15w%、及びバナジウム、ニオブ、タンタル、又はこれらの元素の炭化物、窒化物、炭窒化物の1種又は2種以上を合計で5〜20w%を含有させた混合物に有機バインダーを加え、混練、成形し、非酸化雰囲気で焼成したものである。ここで炭素質材1の密度は1.5g/cm以上2.5g/cm以下のもので構成されており、鋼材等に比べ低密度であり超音波の減衰率が大きい材料である。又、炭素質材1の音速vは1.5mm/μs以上4.5mm/μs以下、好ましくは2.0mm/μs以上3.5mm/μs以下となっている。ここで炭素質材1の音速は、事前に測定しておいても良いし、材質が同じものの物性値として使用しても良いし、そのどちらを用いても良い。
本発明の形態例の炭素質材の超音波検査装置は、超音波を送信する機能を有する送信側の超音波探触子2と、反射エコーを受信する機能を有する受信側の超音波探触子3と、超音波探触子2,3に接続される超音波送受信器4と、超音波送受信器4に接続される信号採取部5と、信号採取部5に接続されて信号を処理する信号演算部6と、信号演算部6に接続されてデータを処理する減肉量算出部7と、減肉量算出部7に接続されてデータ等の信号を保存する信号保存部8と、信号演算部6に接続されて時間を計測する時間制御部9を備えている。ここで超音波送受信器4、信号採取部5、信号演算部6、減肉量算出部7、信号保存部8、時間制御部9は、PC等の処理手段により一体的に構成されても良いし、夫々別個に構成されても良いし、種々の部分でまとめて構成されても良い。
送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3は、直径数mmの振動子(図示せず)を備え、炭素質材1の一面に接触配置されるようになっており、送信側の超音波探触子2から炭素質材1に対して超音波を送信し、受信側の超音波探触子2により炭素質材1の底面から底面反射エコーを受けるように構成されている。又、送信側の超音波探触子2と受信側の超音波探触子3が適用し得る周波数は20kHz以上2MHz以下であり、特に50kHz以上1MHz以下が好ましい。更に送信側の超音波探触子2と受信側の超音波探触子3は一つの超音波探触子2,3で構成されても良い。
送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を、高炉の炭素質耐火物に配置する場合には、高炉の外部に位置する鉄皮、背面圧力材、ステーブ、及びスタンプ材等(以下、鉄皮等10と称する。図7、図8参照)を貫通する穴11(図ではフランジ付の管を設置)を介して送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を、炭素質材1に接するように配置している。
ここで炭素質材1の底面とは、送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を配置した一面に対して反対側の面を意味しており、送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を図1の如く上面に配置した場合には下面を底面としており、送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を側面に配置した場合には反対側の側面(背面)を底面としており、送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を下面に配置した場合には上面を底面としている。又、送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を高炉の炭素質耐火材の高炉外面に配置する場合には高炉内面(稼働面)を炭素質耐火材の底面としている。
超音波送受信器4は、超音波探触子2からの底面反射エコーを波形として受信するようにパスサーレシーバやバースト発生器等で構成されており、信号採取部5は、超音波送受信器4からの波形をデジタル信号に変換するようになっている。
信号演算部6は、信号採取部5からの信号に対して信号の抽出、減衰処理、ウェーブレット演算、相関演算処理を為しえるように、図2、図3に示すフロー処理(ステップS1〜S16)を行う時間周波数解析部及び特定周波数抽出部を備えている。
減肉量算出部7は、炭素質材1の音速vが既知の値として予め入力されていると共に信号演算部6からの信号を受け、所定の関数に基づいて炭素質材1の肉厚Tを計測するようになっている。更に一定時間の経過に伴って再度計測した炭素質材1の肉厚Tを蓄積し、時間経過に伴う複数の肉厚Tの値から減肉量を算出するようになっている。
信号保存部8は、減肉量算出部7で用いたデータを全て保管するようになっている。ここで保管するデータは、所望のデータのみを保管するようにしても良いし、夫々の処理のデータ値を保管するようにしても良い。
時間制御部9は、前回データを採取してからどれだけ時間が経過したかをカウントするようになっており、相関演算処理や減肉量の算出に適用できるようになっている。
以下、本発明の炭素質材の超音波検査方法及びその装置を実施する形態例の作用を説明する。
炭素質材1を計測する際には、準備段階として、炭素質材1の一面に送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を配置する。又、高炉の炭素質耐火材を計測する際には、高炉の鉄皮等10を貫通する穴11を介して送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を炭素質耐火材の高炉外方向きの面に配置する。ここで送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3が穴11内に位置する場合には、図7の如く送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3が所定の離間幅Yを介して配置されても良いし、送信側の超音波探触子2又は受信側の超音波探触子3の一方が図8の如く炭素質耐火物の内側へ凹んだ凹部12の奥面に配置されても良い(図8では凹部12に送信側の超音波探触子2を配置)。
炭素質材1の計測を開始する際には、トリガ信号の送信(ステップS1)により送信側の超音波探触子2から超音波を送信し(ステップS2)、炭素質材1の底面から底面反射エコーを受信側の超音波探触子3で受信する(ステップS3)。次に受信側の超音波探触子3からの底面反射エコーを超音波送受信器4により波形として受信し、信号採取部5を介してデジタル信号に変換し(ステップS4)、信号演算部6に送信する(ステップS5)。なお図2、図3のフローでは信号演算部6への送信をPCへの送信と記載している。
信号演算部6では、所定の複数回のデータに達したか否かを判断し(ステップS6)、所定の複数回のデータに達した場合(ステップS6のYES)には平均化処理をする(ステップS7)。ここで平均化処理は複数回のデータを加算し、更に当該複数回で割り算しており、電源のノイズや1回のデータに含まれる多くのノイズを低減している。又、平均化処理を行うための複数回は、2回以上10000回以下が好ましい。一方、所定の複数回のデータに達していない場合(ステップS6のNO)には、超音波を送信して複数回のデータを取得し得るようにトリガ信号を送信する段階(ステップS1)へ戻るようにしている。
次に信号演算部6では、平均化処理した底面反射エコーを次式の如く信号減衰定数により減衰補正し(ステップS8)、必要な底面反射の信号を増幅して補正波形信号を取得する。
Figure 0005465588


Sc:補正波形信号の振幅値
S:計測時の波形信号の振幅値
t:伝搬時間(μs)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
α:減衰定数(dB/mm)
ここで減衰定数は、材質が同じで肉厚Tが異なる二つの比較用の炭素質材1により予め算出されている。具体的に図4に示す第一の比較用の炭素質耐火物(図4の上例では初期長さ2m)、第二の比較用の炭素質耐火物(図4の下例では長さ300mm)を用いて説明すると、第一の炭素質耐火物を超音波探触子2,3によって計測した場合には一番目の底面(背面)反射波のピークが1500μm近傍に出現し、第2の炭素質耐火物を超音波探触子2,3によって計測した場合には、厚みの薄さにより一番目の底面(背面)反射波のピークが250μm近傍に出現する。そして第一の炭素質耐火物と第二の炭素質耐火物における一番目の底面(背面)反射波のピーク強度が合致するよう、超音波探触子2,3の感度を調整する。図4では夫々ピーク強度を2Vに設定するように第一の炭素質耐火物における超音波探触子2,3の感度を+24dBに調整し、更に第二の炭素質耐火物における超音波探触子2,3の感度を−4dBに調整している。次に第一の炭素質耐火物の感度と第二の炭素質耐火物の感度から感度差を取得すると共に、第一の炭素質耐火物の厚みと第二の炭素質耐火物の厚みから伝搬距離差を取得し、感度差を伝搬距離差で割り算して炭素質耐火物の減衰定数を得ることができる。図4では、第一の炭素質耐火物の感度と第二の炭素質耐火物の感度から感度差が28dBであると共に、伝搬距離差が往復3400mm(片道1700mm)であり、炭素質耐火物の減衰定数は28/3400=0.0082dB/mmとなる。
続いて信号演算部6では、減衰補正により補正波形信号を取得した後に、補正波形信号を連続ウェーブレット変換するウェーブレット演算を行い、特定周波数帯域信号(特定周波数成分)の抽出を行う(ステップS9)。ここでウェーブレット演算は、ウェーブレット関数により、広い周波数領域において時間領域の情報を失うことなく、特定周波数成分を求めるものであり、本実施例では、超音波探触子2、3の共振周波数成分に対応して特定周波数成分(100MHz)を抽出するようにしている。又、ウェーブレット演算は、減衰補正を行う前に、底面反射エコーの信号を連続ウェーブレット変換しても良い。
更に信号演算部6では、図6に示す如く時間経過に伴い、超音波送受信時の異なる時間で複数の特定周波数成分の信号を取得し、当該取得した異なる複数の特定周波数成分の信号(既採取信号)を積計算して相関演算処理し(ステップS10)、信号の波が重ね合う部分の底面反射信号を抽出し、全体的にノイズを減らす。ここで超音波送受信時の異なる複数の特定周波数成分の信号の時間差は5分以上200時間以内が好ましい。又、積計算により掛け合わせる信号の個数は2個以上100個以下が好ましく、特に3個以上50個以下が好ましい。なお図6では、超音波送受信時の異なる複数の特定周波数成分の信号の時間差は1時間であり、積計算により掛け合わせる信号の個数は3個である。
そして信号演算部6では、所定のしきい値(図6では縦軸の所定値)を設定して、ピーク強度の低いノイズ部分を取り除くと共に、しきい値を超えたピーク強度の強い部分を底面反射信号とし、底面反射信号の伝搬時間tを取得する(ステップS11)。
次に信号演算部6では、底面反射信号の伝搬時間tと、予め準備した炭素質材1の音速vとを積算し、更に底面反射信号の往復距離を1/2にして炭素質材1の肉厚T(厚さ)を算出する(ステップS12)。
ここで炭素質材1の肉厚Tの算出時に、図7の如く高炉のように所定の離間幅Yを備えて送信側の超音波探触子2及び受信側の超音波探触子3を配置する場合には、次式により離間幅Yの誤差を補正することが好ましい。
Figure 0005465588



T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
又、図8の如く高炉のように所定の離間幅Yとを備えると共に、送信側の超音波探触子2又は受信側の超音波探触子3の一方を凹部12の奥面に配置する場合には、次式により離間幅Yの誤差及び凹部12の深さZの誤差を補正することが好ましい。
Figure 0005465588


T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
Z:凹部の深さ(mm)
炭素質材1の厚肉を計測した後には、信号保存部8にデータを保存し(ステップS13)、画像化する(ステップS14)。ここで炭素質材1の肉厚Tのみを計測する場合にはこの時点で終了しても良いし、炭素質材1の肉厚Tを再び計測するまで待機し(ステップS15、S16)、一定時間経過した後(ステップS16のYES)、同じ処理(ステップS1〜S12)により再度、炭素質材1の肉厚Tを計測しても良い。なお図2,3のフローでは信号保存部8の保存をPC内データ保存と記載している。
一方、炭素質材1の厚みが減った距離である炭素質材1の減肉量を計測する場合には、炭素質材1の肉厚を計測した後、一定時間の経過に伴い、ステップS1〜ステップS12の処理を繰り返して炭素質材1の肉厚Tを再度計測し、時間経過に伴う複数の肉厚Tの値を取得する。
そして減肉量算出部7では、図4に示す如く減肉量を2つの肉厚Tの減算によって算出する(図3のステップS12a)。ここで減肉量は、一定時間の経過における2つの肉厚値の差を演算しても良いし、初期の肉厚値と計測時の肉厚値の差を演算しても良い。
炭素質材1の減肉量を計測した後には、肉厚Tの場合と同様に信号保存部8にデータを保存し(ステップS13)、画像化する(ステップS14)。ここで炭素質材1の減肉量を計測する場合にはこの時点で終了しても良いし、炭素質材1の肉厚Tを再び計測するまで待機し(ステップS15、S16)、一定時間経過した後(ステップS16のYES)、同じ処理(ステップS1〜S12a)により再度、炭素質材1の減肉量を計測しても良い。
[試験1]
以下、減衰補正、ウェーブレット演算、相関演算処理において4つのパターンで試験した。第1のパターンは、原信号を減衰補正せず、相関演算処理した比較例であり(図5では左上図)、第2のパターンは、原信号を減衰補正し、相関演算処理した実施例であり(図5では左下図)、第3のパターンは、原信号を減衰補正せず、ウェーブレット演算後に相関演算処理した比較例であり(図5では右上図)、第4のパターンは、原信号を減衰補正し、ウェーブレット演算後に相関演算処理した実施例である(図5では右下図)。その結果を示す。ここで炭素質材は、炭素50〜80w%、アルミナ5〜15w%、金属珪素5〜15w%、及びバナジウム、ニオブ、タンタル、又はこれらの元素の炭化物、窒化物、炭窒化物の1種又は2種以上を合計で5〜20w%を含有させた混合物に有機バインダーを加え、混練、成形し、非酸化雰囲気で焼成した炭素質耐火物であり、形状は、初期厚さ2mのブロック状のものを用いた。また減衰補正では減衰定数を0.008dB/mmにし、ウェーブレット演算では100kHzで抽出し、相関演算では3つの既採取信号(1時間差)を積計算した。なお、減衰定数の0.008dB/mmは、材質が上記炭素質耐火物と同じで、肉厚Tが0.3mと2mの異なる二つの比較用の炭素質材により予め算出した値である。
この結果、図5に示す如く、第1のパターンによる比較例では1500μs付近の底面反射信号のピークに対し、前時間の領域に多くのノイズが出現した。それに対し第2のパターンによる実施例では、前時間の領域のピーク強度が相対的に低下し、見かけ上1500μs付近の底面反射信号のSN比が向上した。一方、第3のパターンによる比較例では全体的にノイズが低減するが、第1のパターンの比較例と同様に1500μs付近の底面反射信号のピークに対し、前時間の領域に多くのノイズが出現した。それに対し第4のパターンによる実施例では、全体的にノイズも低減し、1500μs付近の底面反射信号のSN比が極めて好適に向上した。このことから減衰補正及び相関演算処理は、炭素質材の底面反射信の取得に有用であり、減衰補正、ウェーブレット処理、相関演算処理の組合せは、炭素質材の底面反射信の取得に極めて有用であることが明らかである。
[試験2]
以下、相関演算処理の有無について試験した。図6では原信号、原信号を減衰補正及びウェーブレット演算をした複数の信号(積計算前の信号)、当該複数の信号を積計算して相関演算処理した後の信号について示している。その効果を示す。ここで炭素質材は試験1と同じ材質及び形状の炭素質耐火物を用い、減衰補正では減衰定数を0.008dB/mmにし、ウェーブレット演算では100kHzで抽出し、相関演算処理では前後3つの既採取信号(1時間差)を積計算した。
この結果、図6に示す如く、原信号(a)(a')(a")では全体的にノイズが多く出現し、減衰補正及びウェーブレット演算をした複数の信号(b)(b')(b")では底面反射信号のピークに対して前時間の領域のノイズが低減したが、全体的にノイズが出現した。更に複数の信号(b)(b')(b")を積計算して相関演算処理した後の信号(c)では全体的にノイズも低減し、底面反射信号のSN比が極めて好適に向上した。このことから相関演算処理は、炭素質材の底面反射信の取得に極めて有用であることが明らかである。
[試験3]
以下[試験2]のデータを用い、実際に高炉において図7の構成で炭素質耐火物の肉厚Tを算出した例を示す。ここで炭素質材は試験1と同じ材質及び形状の炭素質耐火物を用い、減衰補正では減衰定数を0.008dB/mmにし、ウェーブレット演算では100kHzで抽出し、相関演算処理では3つの既採取信号(1時間差)を積計算した。又、この例において送信側の超音波探触子2と受信側の超音波探触子3は、所定の離間幅Yを備えており、結果は距離幅Yの誤差を補正したものである。[試験2]の底面反射信号の伝搬時間tは1454μs(図6(e)の矢印の箇所)、送信側の超音波探触子2と受信側の超音波探触子3の離間幅Yは265mm、炭素質耐火物の音速vは2.8mm/μsであり、次式で計算した。
Figure 0005465588


T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
この結果、算出した炭素質耐火物の肉厚Tは2.03mであり、実際の炭素質耐火物の肉厚は2mであることを考慮すると、炭素質耐火物の算出した肉厚Tは、実際の肉厚に極めて近似した値であることが明らかである。
[試験4]
以下、炭素質耐火物の減肉量(損耗量)を算出した例を示す。この例では図9に示す如く炭素質耐火物が継続的に減肉(損耗)したと想定し、初期の炭素質材と、約1300時間経過後の炭素質材を用いた。そして夫々の肉厚を試験3と同じ処理によって算出し、初期の肉厚値から約1300時間経過時の肉厚値を減算し、炭素質耐火物の減肉量(損耗量)を算出している。ここで炭素耐火物は、試験1と同じ材質の炭素質耐火物を用い、減衰補正では減衰定数を0.008dB/mmにし、ウェーブレット演算では100kHzで抽出し、相関演算処理では3つの既採取信号(1時間差)を積計算した。なお図9のグラフは継続的に減肉した場合を想定した仮想的なグラフであるが、初期の炭素質材と約1300時間経過後の炭素質材は、現実のものを用いている。
この結果、試験3と同じ処理によって、図9に示す如く初期の肉厚値が2000mmであり、約1300時間経過時の肉厚値が1900mmであった。これらのデータの差から、18ヶ月後(約13000時間後)時間の際に炭素質耐火物の減肉量は100mmであると算出することができる。
このように、実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置によれば、減衰補正及び相関演算処理によりノイズを減らして底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間tと、予め準備した炭素質材1の音速vとを用いて炭素質材1の肉厚Tを算出するので、炭素質材1の温度を利用することなく、肉厚T又は減肉量を適切に計測することができる。又、超音波の減衰作用の大きい炭素質材1であっても肉厚T又は減肉量を適切に計測することができる。更に減衰補正のみでは底面反射信号を取得できない炭素質材1であっても、減衰補正及び相関演算処理を用いて処理するので、底面反射信号を取得することができる。更に又、高炉の炭素質材1の肉厚T又は減肉量を計測する際には、高炉内部の湯溜め等に影響を受けることなく、高炉の稼働中に炭素質材1の肉厚T又は減肉量を計測することができる。
実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置において、相関演算処理する前には、底面反射エコー又は補正波形信号をウェーブレット演算すると、ウェーブレット演算により特定周波数成分を抽出してノイズを減らすので、炭素質材1の温度を利用することなく、肉厚T又は減肉量を適切に計測することができる。又、超音波の減衰作用の大きい炭素質材1であっても肉厚T又は減肉量を好適に計測することができる。
実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置において、減衰定数により減衰補正する前に、平均化処理をしてノイズを減らすので、炭素質材1の温度を利用することなく、肉厚T又は減肉量を適切に計測することができる。又、超音波の減衰作用の大きい炭素質材1であっても肉厚T又は減肉量を好適に計測することができる。
実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置において、送信側の超音波探触子2と受信側の超音波探触子3が離間幅Yを有して配置される場合には、
Figure 0005465588


T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
により離間幅Yの誤差を補正するので、高炉等の炭素質材1の肉厚Tや減肉量を好適に計測することができる。
実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置において、送信側の超音波探触子2又は受信側の超音波探触子3の一方が炭素質材1の凹部12に配置される場合には、
Figure 0005465588


T:肉厚(mm)
v:炭素質材の音速(mm/μs)
t:伝搬時間(μs)
Y:離間幅(mm)
Z:凹部の深さ(mm)
により離間幅Yの誤差及び凹部12の深さZの誤差を補正するので、高炉等の炭素質材1の肉厚Tや減肉量を好適に計測することができる。
実施の形態例の炭素質材の超音波検査方法及びその装置において、炭素質材1が炭素50w%以上85w%以下を含有する炭素質耐火物であると、炭素質材1の肉厚Tや減肉量を好適に計測することができる。又、炭素質材1が、炭素50〜80w%、アルミナ5〜15w%、金属珪素5〜15w%、及びバナジウム、ニオブ、タンタル、又はこれらの元素の炭化物、窒化物、炭窒化物の1種又は2種以上を合計で5〜20w%を含有させた混合物に有機バインダーを加え、混練、成形し、非酸化雰囲気で焼成した炭素質耐火物である場合には、炭素質材1の肉厚Tや減肉量を極めて好適に計測することができる。
なお、本発明の炭素質材の超音波検査方法及びその装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 炭素質材
2 送信側の超音波探触子
3 受信側の超音波探触子
6 信号演算部
7 減肉量算出部
12 凹部
t 伝搬時間
T 肉厚
v 音速
Y 離間幅
Z 凹部の深さ

Claims (13)

  1. 炭素質材に対して超音波探触子により超音波を送信し、炭素質材からの底面反射エコーを超音波探触子により受信して処理する炭素質材の超音波検査方法であって、
    材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて減衰定数を予め準備し、前記炭素質材と材質が同じである測定対象の炭素質材に対して、超音波を送受信して底面反射エコーを前記減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に前記超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出することを特徴とする炭素質材の超音波検査方法。
  2. 炭素質材に対して超音波探触子により超音波を送信し、炭素質材からの底面反射エコーを超音波探触子により受信して処理する炭素質材の超音波検査方法であって、
    材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて減衰定数を予め準備し、前記炭素質材と材質が同じである測定対象の炭素質材に対して、超音波を送受信して底面反射エコーを前記減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に前記超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出し、
    次いで時間経過に伴って炭素質材の肉厚を再度計測し、時間経過に伴う複数の肉厚の値から減肉量を算出することを特徴とする炭素質材の超音波検査方法。
  3. 相関演算処理する前には、底面反射エコー又は補正波形信号をウェーブレット演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素質材の超音波検査方法。
  4. 底面反射エコーを複数回受信し、減衰定数により減衰補正する前に、複数回の底面反射エコーを平均化処理をしてノイズを減らすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査方法。
  5. 送信側の超音波探触子と受信側の超音波探触子が離間幅Yを有して配置される場合には、
    Figure 0005465588
    T:肉厚(mm)
    v:炭素質材の音速(mm/μs)
    t:伝搬時間(μs)
    Y:離間幅(mm)
    により離間幅の誤差を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査方法。
  6. 送信側の超音波探触子又は受信側の超音波探触子の一方が炭素質材の凹部に配置される場合には、
    Figure 0005465588
    T:肉厚(mm)
    v:炭素質材の音速(mm/μs)
    t:伝搬時間(μs)
    Y:離間幅(mm)
    Z:凹部の深さ(mm)
    により凹部の深さの誤差を補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査方法。
  7. 炭素質材は、炭素50w%以上85w%以下を含有する炭素質耐火物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査方法。
  8. 炭素質材に対して超音波を発信する超音波探触子と、該超音波探触子からの信号を処理する信号演算部とを備える炭素質材の超音波検査装置であって、
    前記超音波探触子は、超音波を送受信する機能を有し、
    前記信号演算部は、材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて予め求めた減衰定数を使用して、測定対象の炭素質材への超音波送受信により発生する底面反射エコーを、減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出するように構成されたことを特徴とする炭素質材の超音波検査装置。
  9. 炭素質材に対して超音波を発信する超音波探触子と、該超音波探触子からの信号を処理する信号演算部と、減肉量算出部とを備える炭素質材の超音波検査装置であって、
    前記超音波探触子は、超音波を送受信する機能を有し、
    前記信号演算部は、材質が同じで肉厚が異なる二つの比較用の炭素質材を用いて予め求めた減衰定数を使用して、測定対象の炭素質材への超音波送受信により発生する底面反射エコーを、減衰定数により減衰補正して補正波形信号を取得し、更に超音波送受信時の異なる複数の時間で複数の補正波形信号を取得し、当該取得した異なる複数の補正波形信号を積計算により相関演算処理して底面反射信号を抽出し、底面反射信号の伝搬時間と、予め準備した前記炭素質材の音速とを用いて前記測定対象の炭素質材の肉厚を算出し、更に時間経過に伴って炭素質材の肉厚を再度算出し、
    前記減肉量算出部は、時間経過に伴う複数の肉厚の値から減肉量を算出するように構成されたことを特徴とする炭素質材の超音波検査装置。
  10. 前記信号算出部は、相関演算処理する前に、底面反射エコー又は減衰補正信号をウェーブレット演算するように構成されたことを特徴とする請求項8又は9に記載の炭素質材の超音波検査装置。
  11. 前記信号算出部は、底面反射エコーを複数回受信し、減衰定数により減衰補正する前に、複数回の底面反射エコーを平均化処理をしてノイズを減らすように構成されたことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査装置。
  12. 送信側の超音波探触子と受信側の超音波探触子が離間幅を介して配置され 前記信号算出部は、
    Figure 0005465588
    T:肉厚(mm)
    v:炭素質材の音速(mm/μs)
    t:伝搬時間(μs)
    Y:離間幅(mm)
    により離間幅の誤差を補正するように構成されたことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査装置。
  13. 送信側の超音波探触子又は受信側の超音波探触子の一方が炭素質材の凹部に配置され、
    前記信号算出部は、
    Figure 0005465588
    T:肉厚(mm)
    v:炭素質材の音速(mm/μs)
    t:伝搬時間(μs)
    Y:離間幅(mm)
    Z:凹部の深さ(mm)
    により凹部の深さの誤差を補正するように構成されたことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の炭素質材の超音波検査装置。
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