JP5463952B2 - 油分含有廃水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般下水や産業廃水など油分を含む廃水を、活性汚泥処理槽内で生物処理し、次いで膜分離処理(以下、これらを併せて、適宜「膜分離活性汚泥処理」と称する。)して、処理水を得る際に、好適に用いることのできる処理方法である。
従来、油分を含む廃水を、膜分離活性汚泥処理する際には、処理槽を安定して運転維持管理する為、前処理による流入油分濃度の低減を行っている。廃水に含まれる油分には様々な種類があり、性状や含有量も異なるが、一般的な前処理として、凝集分離処理、加圧浮上分離処理、電解処理などが行われている。例えば、特許文献1では、油脂など有機性固形物を含む廃水を固液分離槽で予め固形分と上澄液に分離し、固形分は高温で可溶化処理後、上澄液および処理液を生物処理する技術が提案されている。また、特許文献2では、難分解性の油脂などを含む廃水を電解処理や凝集処理した処理水を活性汚泥処理する技術が提案されている。
これらはいずれも、予め流入油分を低減するための前処理に関する技術であり、それなりの効果を奏するものである。しかし、油分濃度に関わらず、一律に低減化する為、低い油分濃度の場合、過大な前処理設備が必要となり、運転費用の面で問題となる。さらに、運転開始後、活性汚泥の状態が悪化し、活性汚泥槽の状態や処理能力に合わせて、前処理条件を変更する際に、膜分離活性汚泥処理槽で許容される油分条件が不明である為、不適正な運転条件となり、膜を詰まらせることもある。
このような状況において、前処理を強化し、流入油分量を出来る限り低減すれば良いことは知られていたが、膜分離活性汚泥処理槽を効率よく運転維持管理する為に、どの程度まで制御するべきか、油分濃度の許容範囲が不明であった。
そこで、膜分離活性汚泥処理槽を安定に運転維持管理する為の許容範囲の明確化(以下「指針」と称す。)が必要であった。
特許3900796号公報 特開2007−029825号公報
本発明は、上記問題点を解決し、油分含有廃水を、膜分離活性汚泥処理して処理水を得る際に、膜分離活性汚泥処理槽を安定して運転維持管理する為の指針を基にした油分含有廃水の適切な処理方法を提案するものであり、膜を詰まらせることなく、効率のよい処理方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)油分含有廃水を活性汚泥処理槽内で生物処理し、活性汚泥処理槽内に設置された膜分離装置によって生物処理した水を膜分離処理する膜分離活性汚泥処理工程、を有する油分含有廃水の処理方法において、前記活性汚泥処理槽に流入する油分濃度X、固形物滞留時間SRTと水理学的滞留時間HRTの比(SRT/HRT比)で表される濃縮率、活性汚泥処理槽内の保持油分濃度Yが、次の関係を満たすよう油分濃度X、固形物滞留時間SRT、水理学的滞留時間HRTのうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする油分含有廃水の処理方法
X<(HRT/SRT)Y
(2)前記膜分離活性汚泥処理工程の前に油分含有廃水を前処理する前処理工程を有し、前記活性汚泥処理槽に流入する油分濃度X、および、槽内活性汚泥における上澄と汚泥とに含有される油分濃度をそれぞれ測定し、その測定結果に基づいて、前処理工程の条件および膜分離活性汚泥処理工程の運転条件のうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする(1)に記載の油分含有廃水の処理方法
(3)前記前処理工程として油分除去手段を設け、流入濃度を調整することを特徴とする(2)に記載の油分含有廃水の処理方法。
(4)前記油分除去手段が、加圧浮上分離装置、オイルスキマー、凝集沈殿装置、ストリッピング装置のうちから少なくとも一つから選ばれることを特徴とする(3)に記載の油分含有廃水の処理方法。
本発明によれば、上記問題点を解決し、油分含有廃水を膜分離活性汚泥処理する工程において、一定の指針を満たすよう油分濃度などを制御することで、流入油分が原因で引き起こされる膜の詰まりを効果的に抑制し、膜分離活性汚泥処理槽を安定して運転することができ、効率の良い処理方法を提供可能となる。
本発明の水処理方法に用いる水処理装置の一例を示す概略図である。
本発明における処理方法は、被処理水を膜分離活性汚泥処理する工程において、油分を含む廃水を処理する際、膜を詰まらせることなく、安定した運転維持管理を行うために、一定の基準を満たすよう活性汚泥槽に流入する油分濃度を制御することを特徴とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、流入油分が、膜分離活性汚泥槽内で、膜によって阻止され槽内で濃縮する効果と、汚泥に油分が吸着される効果との相乗効果により、槽内保持され、その保持濃度が上限に至る時に、膜を詰まらせることを見出した。本発明は、その結果から得られた知見、すなわち、流入油分濃度を、槽内保持油分濃度の上限に至ることなく制御することで、安定した運転維持管理が可能であるという知見に基づくものである。
図1は、本発明で用いられる一般的な膜分離活性汚泥処理装置の工程を概略化したものである。図1の装置では、被処理水1を精密ろ過膜でろ過してろ過水を得るための膜ろ過装置2(以下、MF膜ろ過装置2と略す。)と、このMF膜ろ過装置2を、被処理水1と活性汚泥の混合液中に浸漬設置させるための活性汚泥処理槽3と、MF膜ろ過装置2により被処理水1と活性汚泥の混合液を膜ろ過して得られたろ過水を貯留するろ過水槽4が備えられている。処理水5は、処理水として再利用され、あるいは放流される。
以下では、本発明の水処理方法の実施態様を示す処理フローについて概説する。
まず、油分を含む被処理水1が活性汚泥処理槽3内に供給され、この被処理水は活性汚泥処理槽3内で活性汚泥処理される。活性汚泥処理槽3内に導入する活性汚泥は、廃水処理等に一般に利用されるものであり、種汚泥としては他の廃水処理施設の引き抜き汚泥などが通常使用される。被処理水の活性汚泥処理槽3内での滞留時間は通常1時間〜24時間であるが、被処理水性状に応じて最適なものを採択するのがよい。
次に、活性汚泥処理槽3内で活性汚泥処理された水は、同じ活性汚泥処理槽3内で膜分離装置2によりろ過される。ろ過された水はろ過水槽4に貯えられる。
ここで、膜ろ過装置2は、ろ過膜の取り扱い性や物理的耐久性を向上させるために、例えば、フレームの両面にろ過水流路材を挟んだ上にろ過膜を接着した平膜エレメント構造であることが望ましい。MF膜ろ過装置2の構造は特に限定されるものではなく、中空糸膜を用いたエレメントであっても構わないが、平膜エレメント構造は、膜面に平行な流速を与えた場合の剪断力による汚れの除去効果が高いことから、本発明に適している。なお、平膜エレメント構造には、平膜がスパイラル状に巻かれた回転平膜構造も含まれる。
MF膜ろ過装置2に用いられるろ過膜の膜構造としては、多孔質膜や、多孔質膜に機能層を複合化した複合膜などが挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの膜の具体例としては、ポリアクリロニトリル多孔質膜、ポリイミド多孔質膜、ポリエーテルスルホン多孔質膜、ポリフェニレンスルフィドスルホン多孔質膜、ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜、ポリプロピレン多孔質膜、ポリエチレン多孔質膜等の多孔質膜などが挙げられるが、ポリフッ化ビニリデン多孔質膜やポリテトラフルオロエチレン多孔質膜は耐薬品性が高いため、特に好ましい。さらに、これら多孔質膜に機能層として架橋型シリコーン、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルブタジエン、エチレンプロピレンラバー、ネオプレンゴム等のゴム状高分子を複合化した複合膜も、MFろ過膜2として用いることができる。
ここでいう精密ろ過膜(MF膜)とは、孔径が0.01μmから10μm程度のものをいい、一般的に分子ふるいによる分離が行われる限外ろ過膜(UF膜)より目が粗く、通常操作圧は減圧状態から200kPa以下で運転される。
活性汚泥処理槽3は、被処理水を貯え、MF膜ろ過装置2を被処理水と活性汚泥の混合液に浸漬することができれば特に制限されるものではなく、コンクリート槽、繊維強化プラスチック槽などが好ましく用いられる。また、活性汚泥処理槽3の内部が複数に分割されていてもかまわないし、複数に分割されている槽のうち一部を、膜ろ過装置2を浸漬する槽として、他方を脱窒槽として利用し、被処理水を互いの分割されている槽間で循環されるようにしていてもよい。
活性汚泥処理槽3に導入する活性汚泥は、排水処理等に一般に利用されるものであり、種汚泥としては他の排水処理施設の引き抜き汚泥などが通常使用される。また、膜分離活性汚泥法では、汚泥濃度として2,000mg/L〜20,000mg/L程度で運転される。活性汚泥法は、微生物が廃水中の生分解性の高い成分を餌として利用することにより、水の浄化を可能とするものである。
ろ過水槽4は、ろ過水を貯留することができれば特に制限されるものではなく、コンクリート槽、繊維強化プラスチック槽などが好ましく用いられる。また、被処理水をMF膜ろ過装置2でろ過するために、MF膜ろ過装置2とろ過水槽4との間にポンプ等を設けていてもかまわないし、水頭圧力差をかけるために、ろ過水槽4内のろ過水液面が、活性汚泥処理槽3内の被処理水液面よりも低くなるようにしていてもかまわない。なお、図1においては、吸引ポンプ9によるろ過を実施している。
ここで被処理水1に含まれる油分には、例えば、動植物から抽出され、グリセリンと脂肪酸の化合物から成る生分解性の高い油や、石油精製によって得られたり、化学合成によって製造されたりする、難分解性の鉱物油等が挙げられる。油分濃度の測定法としては、油分濃度を定量化できる方法であれば、特に制限されるものではなく、例えば、下水試験法(日本下水道協会)に記載のn-ヘキサン抽出物濃度測定法などが好適に用いられる。また、市販されている油分濃度計や油分濃度測定キットなどを用いてもかまわない。
ここで、好適に用いられるn-ヘキサン抽出物測定方法は、油分を含む対象物にn-ヘキサンと塩酸等の酸を添加し、撹拌して、油分をn-ヘキサン層に抽出し、水分と油分を分離した後、油層だけを回収して、80℃で蒸発乾固後の重量を測定する手法である。
膜分離活性汚泥法において、通常、活性汚泥処理槽3に流入する物質は、活性汚泥と混合され、生分解性の高い物質は活性汚泥内の微生物により生分解される。一方、難分解性の物質は、活性汚泥と共に余剰汚泥として引き抜かれるまで、槽内に濃縮されていく。この場合、濃縮率は、流入した物質が槽内に濃縮、蓄積される割合を表し、その割合(濃縮率=反応タンク濃度/流入水濃度)は、理論的にはSRT(固形物滞留時間)とHRT(水理学的滞留時間)の比(SRT/HRT比)に相当し、次の関係式(式1)で表される。
濃縮率=SRT/HRT ・・・式1
この濃縮率には上限があり、超過した場合には、処理水に流出したり、膜を詰まらせたりする。そこで、膜ろ過運転を安定に行うには、濃縮率の限界を超えないようSRTとHRTを調整した運転を行う。ここで、SRTは、反応槽内活性汚泥が新たに生成した汚泥によって全量入れ替わるのに必要な時間のことをいう。具体的には、引き抜き汚泥(余剰汚泥)量と反応槽内容積に基づいて求められ、次の関係式(式2)で表される。
SRT=反応槽内容積/単位時間当たりの引き抜き汚泥量 ・・・式2
また、HRTは、流入原水(被処理水)が槽内に滞留する時間のことをいう。具体的には流入液量と反応槽内容積に基づいて求められ、次の関係式(式3)で表される。
HRT=反応槽内容積/単位時間当たりの流入液量 ・・・式3
発明者らの検討の結果、連続的に流入する油分についても他の物質と同様の傾向が見られた。つまり、生分解性の高い油分は活性汚泥により生分解され、難分解性の油分は、膜で阻止され、槽内に蓄積され保持される。この油分保持濃度と膜の詰まりとの関連について、実施例1に示す膜分離活性汚泥実験装置を用い、連続的に油分を供給して検証した。具体的には、連続運転中、槽内活性汚泥の一部を遠心分離(3000rpm、5分間)し、上澄とそれ以外の汚泥に分けて(以下、それぞれ「上澄」「汚泥」と称す。)それぞれの油分濃度を測定した。経時的に測定した結果、槽内の上澄に保持可能な油分濃度の上限に達すると、膜を詰まらせることを見出した。さらに、槽内の汚泥は上澄より高い油分吸着効果があり、上澄に保持される油分濃度が上限に達した場合でも、汚泥が吸着効果を持つため、すぐには膜を詰まらせず、油分が槽内に保持されることを見出した。
流入油分の活性汚泥処理槽内での挙動は次の通りである。油分は槽内流入後、比重の影響で上澄に保持されるが、その後、槽内で生分解、曝気、撹拌等により、汚泥にも吸着、凝集しながら保持される。上澄保持濃度が上限に達した後も、汚泥吸着効果により槽内保持濃度は増加し、やがて、汚泥の保持濃度が上限に達すると、超過分が上澄に移行し、膜を詰まらせる(ろ過圧力が上昇する)。
そこで、上澄や汚泥に保持される油分濃度を上限に至ることなく制御することで、膜の詰まりを効果的に抑制し、安定した運転維持管理を行うことが可能である。
このように、槽内油分濃度が、上澄や汚泥の保持上限濃度を超えない濃度になるよう制御するには、汚泥引き抜き量や汚泥滞留時間に関わるSRTやHRTを適宜設定することで達成される。さらに好ましくは、次の関係式(式4)に基づいて、活性汚泥処理槽に流入する油分濃度Xを設定するとよい。
油分濃度X<保持油分濃度Y/濃縮率 ・・・式4
(すなわち、X<(HRT/SRT)Yである。)
ここで、保持油分濃度Yは、濃縮率で表される上澄濃縮効果のみならず、汚泥に吸着される効果により、高くなる。汚泥には油分を上澄のα倍吸着する効果があり、保持量比を上澄:汚泥=1:αとすると、次の関係式(式5)で表すことができる。
保持油分濃度Y=上澄油分濃度(1+α) ・・・式5
αは油の性状によって異なるが、例えば、動粘度85mm/s(at 40℃)の高粘性油分では3〜4、動粘度32mm/s(at 40℃)の油分では1.5〜2である。
槽内の保持油分濃度Yを算出する際に、上澄と汚泥に分けて、それぞれの油分濃度を測定することで、膜を詰まらせる前に、油分濃度を調整することができる為、より好適である。この上澄と汚泥への分離手段は、遠心分離、沈降分離など、一般的な活性汚泥の固液分離に用いられているもので、上澄と汚泥を分離できる方法であればよく、中でも遠心分離がより好適に用いられる。遠心分離の条件は、特に制限されるものではないが、一連の評価の間、つまり運転期間中、挙動変化を観察するために、一定の条件で行うことが好ましく、例えば3000rpmで5分間行うことが好ましい。
濃縮率を表す(式1)と槽内保持濃度を表す(式5)から、(式4)で表される油分濃度Xの算出には、次の関係式(式6)を用いることが好適である。
油分濃度X<上澄油分濃度(1+α)/(SRT/HRT)・・・式6
このような関係式に基づき、安定して膜ろ過運転可能な槽内保持油分濃度を満たすには、汚泥引き抜き量やその頻度を調整するとよい。また、油分分解効果のある薬剤添加や、凝集剤添加により、上澄の油分量を低減させたり、汚泥吸着効果を高めたりして、槽内油分の保持割合を調整しても良い。さらに、活性汚泥処理槽の槽内活性汚泥量(MLSS)を変更し、槽内保持濃度Yを高めてもよい。ここでいう槽内活性汚泥量(MLSS)は、活性汚泥内の浮遊物質濃度を表したものである。このMLSS測定方法は、浮遊物質濃度を定量化できる方法であれば、特に制限されるものではなく、例えば、下水試験法(日本下水道協会)に記載の蒸発残留物測定法や浮遊物質測定法などが好適に用いられる。また、市販されているMLSS濃度計などを用いてもかまわない。ここで好適に用いられるMLSS測定法は、活性汚泥を遠心分離やガラス繊維ろ紙により固液分離した後、残留固形物を105〜110℃で約2時間加熱乾燥させ、その質量から、浮遊物質濃度を算出するものである。
さらに、MF膜ろ過装置2に流入する上流、より好ましくは活性汚泥処理槽に流入する上流で、前処理工程を行い、浮上分離など油分除去手段等により、流入濃度を調整することも好ましい。ここで、本発明で適用できる前処理工程を例示すると、加圧浮上分離装置、オイルスキマー、凝集沈殿装置、ストリッピング装置等が挙げられる。これらは、一般的な油分分離回収に用いられているもので、比重が小さく浮上し易い油分や、高濃度で流入した油分に対して、好適に用いられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
農集落廃水処理場汚泥を種汚泥とし、活性汚泥処理槽と、それぞれ膜ろ過して得られたろ過水を貯留するろ過水槽などから構成される膜分離活性汚泥処理実験装置を3台(A系列、B系列、C系列)用い、並列で連続ろ過運転を行った。図1にA・B・C各系列で使用した装置を示す。被処理水には、水道水に酢酸、窒素、リンで調製した人工下水と各種油を添加した油分含有水を用いた。鉱物油は、繊維油剤や離型剤に用いられているパラフィン系の工業用原料油「コスモSP83」(コスモ石油ルブリカンツ株式会社製)を使用した。槽内油分濃度測定は、槽内活性汚泥を遠心分離(3000rpm、5分間)し、汚泥と上澄に分けてそれぞれn-ヘキサン抽出物濃度を経時的に測定した。装置運転条件を表1に示す。
Figure 0005463952
(比較例1)
A系列では、油分を50mg/L含有する被処理水を用いて、連続ろ過運転した結果、運転19日で、膜ろ過圧力の上昇が見られた。この時の槽内保持油分濃度Yと濃縮率の積から安定運転可能な油分濃度Xは37mg/Lであった。
安定運転可能な油分濃度X<(HRT/SRT)×上澄保持濃度(1+α)
HRT=3.5日、SRT=40日、
上澄保持濃度200mg/L、汚泥保持濃度220mg/L
汚泥吸着効果α=1.1
X[mg/L]<37
本比較例では、安定運転可能な油分許容濃度の関係式を示すX<(HRT/SRT)Yを満たしていなかった為、膜ろ過圧力上昇を起こしたと考えられる。
(実施例1)
一方、B系列では、被処理水を予め油分含有前の被処理水で希釈し、流入油分濃度を25mg/L(1/2倍)に調整した条件で、連続ろ過運転を行った。安定運転可能な流入許容濃度Xと濃縮率と槽内保持油分濃度Yが、X<(HRT/SRT)Yの関係式を満たすよう、流入油分濃度Xを調整した運転を行った。
安定運転可能な油分濃度X<(HRT/SRT)×上澄保持濃度(1+α)
HRT=3.5日、SRT=40日、
上澄保持濃度200mg/L、汚泥保持濃度220mg/L
反応槽内容積=30L、単位時間当たりの引き抜き汚泥量=0.75L/日、
単位時間当たりの流入液量=8.5L/日
汚泥吸着効果α=1.1
X[mg/L]<37
連続運転した結果、約30日間安定運転可能であった。本実施例では、安定運転可能な油分許容濃度の関係式を満たした運転であった為、膜ろ過圧力上昇を起こさなかった。
(実施例2)
さらに、C系列では、油分を50mg/L含有する被処理水を用い、槽内汚泥引き抜き量を2倍にして、濃縮率を調整した条件で連続ろ過運転を行った。この時のXの上限は73.5mg/Lであり、流入油分濃度Xと槽内保持油分濃度Yが、油分許容濃度の関係式X<(HRT/SRT)Yを満たすよう、濃縮率を調整した運転を行った。
安定運転可能な油分濃度X<(HRT/SRT)×上澄保持濃度(1+α)
HRT=3.5日、SRT=20日、
上澄保持濃度200mg/L、汚泥保持濃度220mg/L
反応槽内容積=30L、単位時間当たりの引き抜き汚泥量=1.5L/日、
単位時間当たりの流入液量=8.5L/日
汚泥吸着効果α=1.1
X[mg/L]<73.5
本条件で、連続運転した結果、約40日間安定運転可能であった。本実施例では、安定運転可能な油分許容濃度の関係式を満たした運転であった為、膜ろ過圧力上昇を起こさなかった。
これらの結果から、流入油分濃度X、濃縮率(SRT/HRT)、及び槽内保持油分濃度Yが、X<(HRT/SRT)Yの関係を満たすよう制御することで、膜分離活性汚泥槽の安定運転が可能となることを確認した。
本発明は、油分含有廃水を、膜分離活性汚泥処理して、処理水を得る際に、好適に用いることができる処理方法である。
1:被処理水(原水)
2:MF膜ろ過装置
3:活性汚泥処理槽
4:ろ過水槽
5:処理水
6:原水供給ポンプ
7:空気供給装置
8:散気装置
9:吸引ポンプ
10:汚泥引き抜きポンプ
11:引き抜き汚泥(余剰汚泥)

Claims (4)

  1. 油分含有廃水を活性汚泥処理槽内で生物処理し、活性汚泥処理槽内に設置された膜分離装置によって生物処理した水を膜分離処理する膜分離活性汚泥処理工程、を有する油分含有廃水の処理方法において、前記活性汚泥処理槽に流入する油分濃度X、固形物滞留時間SRTと水理学的滞留時間HRTの比(SRT/HRT比)で表される濃縮率、活性汚泥処理槽内の保持油分濃度Yが、次の関係を満たすよう油分濃度X、固形物滞留時間SRT、水理学的滞留時間HRTのうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする油分含有廃水の処理方法。
    X<(HRT/SRT)Y
  2. 前記膜分離活性汚泥処理工程の前に油分含有廃水を前処理する前処理工程を有し、前記活性汚泥処理槽に流入する油分濃度X、および、槽内活性汚泥における上澄と汚泥とに含有される油分濃度をそれぞれ測定し、その測定結果に基づいて、前処理工程の条件および膜分離活性汚泥処理工程の運転条件のうちの少なくとも1つを制御することを特徴とする請求項1に記載の油分含有廃水の処理方法。
  3. 前記前処理工程として油分除去手段を設け、流入濃度を調整することを特徴とする請求項2に記載の油分含有廃水の処理方法。
  4. 前記油分除去手段が、加圧浮上分離装置、オイルスキマー、凝集沈殿装置、ストリッピング装置から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の油分含有廃水の処理方法。
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