以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、発明の最も望ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
なお、本明細書において、「近接無線通信」とは、通信距離が1m未満、特には数10cm未満であることを想定して規定された通信プロトコルに基づく無線通信を意味するものとする。このような通信プロトコルとしては、通信距離が約70cm以下の「近傍型」、同約10cm以下の「近接型」非接触通信プロトコルが知られている。具体的には、ISO/IEC15693、ISO/IEC14434、ECMA−340(ISO/IEC18092)などの規格が存在する。
以下では、近接無線通信により外部装置に対してデータを送信するデータ送信装置がカメラ付き携帯電話端末(以下、携帯電話端末)であるものとする。また、データ送信装置から近接無線通信により送信されたデータを受信するデータ受信装置が携帯型音楽プレーヤであるものとする。データ送信装置から送信されるデータは、静止画像データ、動画像データ、音声データ、テキストデータなど、様々な種類のデータを含むことができる。
<データ送信装置について>
図1は、本発明の実施形態に適用可能な携帯電話端末100の構成の一例を示す。バス112に対して、撮像制御部102、表示再生制御部105、操作制御部107、電話通信制御部120および通信I/F122が接続される。バス112に対して、さらに、制御部108、システムメモリ109、メモリ110、通信部111および記憶制御部113が接続される。バス112に接続される各部は、バス112を介して互いにデータのやりとりが可能とされている。
記憶制御部113は、所定のファイルシステムに従って、記憶媒体114に対する各種のデータの書き込み、読み出しを行う。記憶媒体114は、携帯電話端末100への着脱が可能な不揮発性の半導体メモリや、ハードディスクドライブなどである。本実施形態では、記憶媒体114を携帯電話端末100に着脱可能なものとして説明するが、記憶媒体114が携帯電話端末100に内蔵されるものであってもよい。
制御手段としての制御部108は、例えばCPUを有し、プログラムに従い携帯電話端末100の全体を制御する。より具体的には、制御部108は、ROMであるシステムメモリ109に予め記憶されたプログラムデータを読み出してRAMであるメモリ110の作業領域に展開し、その展開したプログラムデータとの協働により、携帯電話端末100全体の動作を制御する。システムメモリ109は、制御部108の動作用の定数、変数、プログラムデータなどを予め記憶する。
メモリ110は、制御部108の作業領域として用いられる他に、撮影された静止画像データや再生されたデータ、後述する通信I/F122を介してネットワーク先のサーバやパーソナルコンピュータからダウンロードして取得したデータなどが格納される。また、メモリ110は、後述する通信部111により送信するデータや、受信されたデータが一時的に格納される。
また、制御部108により実行されるプログラムにより、上述した記憶制御部113による記憶媒体114に対するデータの読み書きを管理するためのファイルシステムが実現される。
撮像部101は、CCDやCMOSセンサといった撮像素子と、レンズやシャッタ機構、絞り機構などによる撮像光学系と、撮像素子の出力に対してゲイン調整やノイズ除去などの所定の信号処理を施してアナログ撮像信号を得る撮像信号処理部とを有する。さらに、撮像部101は、A/D変換部および画像処理部を有し、撮像部101で得られたアナログ撮像信号をA/D変換によりデジタル信号に変換し、ADCT(適応離散コサイン変換)などを用いて圧縮符号化して圧縮デジタル画像データとして出力する。撮像部101から出力された圧縮デジタル画像データは、撮像制御部102を介してバス112に供給される。撮像制御部102は、後述する制御部108の制御に応じて、撮像部101に対するズーム、フォーカス、絞り調整などの撮像に関する制御を行う。
表示手段としての表示再生制御部105は、表示部103および音声出力部104が接続され、制御部108の制御に応じて指定されたデータの、表示部103および音声出力部104に対する表示再生制御を行う。
表示再生制御部105は、画像処理に関して、例えばJPEG方式で圧縮符号化された圧縮静止画像データをデコードするJPEGデコーダと、MPEG方式で圧縮符号化された圧縮動画像データをデコードするMPEGデコーダとを有する。表示再生制御部105は、バス112を介して供給された圧縮静止画像データや圧縮動画像データを対応するデコーダでデコードし、静止画像データや動画像データとして表示部103に供給する。
さらに、表示再生制御部105は、音声処理に関して、例えばMP3方式で圧縮符号化された圧縮音声データをデコードするMP3デコーダを有する。表示再生制御部105は、バス112を介して供給された圧縮音声データをMP3デコーダでデコードし、デジタル音声信号として音声出力部104に供給する。また、表示再生制御部105は、動画像データから音声部分を取り出す機能を有する。
表示部103は、LCDや有機ELパネルなどの表示デバイスと、当該表示デバイスを駆動する駆動回路とを有し、表示再生制御部105の制御に応じて、表示再生制御部105から供給された静止画像データや動像画像データの表示を行う。撮像部101から出力された静止画または動画像データや、記憶制御部113により記憶媒体114から読み出された静止画または動画像データが、表示再生制御部105の制御により、表示部103に表示される。
また、制御部108により、プログラムに従い表示制御信号が生成され、表示再生制御部105に供給される。表示再生制御部105は、供給された表示制御信号に基づき表示部103に対して所定の形状やデータを表示させることができる。これにより、プログラムに従い表示部103に対して所定のメッセージやメニュー画面などを表示させることができる。
音声出力部104は、表示再生制御部105から供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換部と、D/A変換部で変換されたアナログ音声信号に対して所定の信号処理を施す音声信号処理部とを有する。音声信号処理部から出力されたアナログ音声信号は、図示されないスピーカやヘッドフォン接続端子などに導出される。
操作部106は、ボタンやキーなど、ユーザ操作を受け付ける各種の操作子が設けられ、ユーザの操作子に対する操作に応じた信号を出力する。操作部106には、例えば電源ボタンやシャッタボタン、テンキー、十字キーなどの各種の操作子が設けられる。操作子をタッチパネルで構成することも可能である。この場合、操作部106を表示部103と一体的に構成することができる。操作制御部107は、ユーザ操作に応じて操作部106から出力された信号に基づきユーザ操作による指示を解釈し、制御信号として制御部108に対して出力する。制御部108は、操作制御部107から出力される制御信号に基づき、プログラムに従いこの携帯電話端末100の各部を制御することで、ユーザ操作に応じた動作を携帯電話端末100に実行させることができる。
検出手段および通信手段としての通信部111は、上述した近接無線通信による通信を行う。より具体的には、通信部111は、近接無線通信を行うためのアンテナと、近接無線通信によるデータの送受信を行う送受信回路を含む。通信部111は、近接無線通信による通信の接続および切断状態、すなわち、当該通信が確立されているか否かを検出することができるようにされ、検出結果が制御部108に通知される。他機器から近接無線通信により送信されたデータは、通信部111により受信され、例えば制御部108に供給される。制御部108は、通信部111から供給されたこのデータを、例えばメモリ110に一時的に格納する。
通信I/F122は、RS232C、USB、IEEE1394、LAN、無線通信などにより、外部機器との間でシリアル/パラレル通信によるデータの送受信を有線/無線で行う。無線通信を行う場合、通信I/F122には、アンテナが含まれる。また、通信I/F122は、複数の通信方式を、同時に、あるいは、切り替えて有効にすることが可能である。
電話通信制御部120は、アンテナ121が接続され、携帯電話端末100における電話通信機能を制御する。例えば、電話通信制御部120は、操作部106に対する操作に応じた制御部108の制御により、アンテナ121を介して基地局との通信を行って、無線電話通信を確立する。そして、図示されないマイクロフォンから出力されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、さらに圧縮符号化および変調処理を行い、電波としてアンテナ121から送信する。また、アンテナ121で受信した電波を復調してデジタル音声信号とし、表示再生制御部105を介して音声出力部104に供給する。
さらに、電話通信制御部120は、無線電話通信により、データ通信を行うことができる。このデータ通信により、携帯電話端末100をインターネットなどの外部ネットワークに接続させることができる。携帯電話端末100は、電話通信制御部120の制御により行われるデータ通信で、外部ネットワークを介してサーバなどに接続することができる。そして、サーバから、圧縮音声データ、圧縮動画像データ、圧縮静止画像データといったコンテンツデータをダウンロードすることができる。ダウンロードされたコンテンツデータは、制御部108の制御により一旦メモリ110に格納され、その後、必要に応じて記憶媒体114に記憶される。
このように、本実施形態による携帯電話端末100は、圧縮静止画データ、圧縮動画像データおよび圧縮音声データに対応するデコード機能を備える表示再生制御部105を有する。そして、この表示再生制御部105により、記憶媒体114に格納された圧縮静止画データ、圧縮動画像データの画像部分を表示部103に出力させることができる。同様に、圧縮動画像データの音声部分や、圧縮音声データを復号して音声出力部104に出力させることが可能である。
なお、記憶媒体114へのデータの格納方法としては、撮像部101による撮影により取得した静止画像データや動画像データを表示再生制御部105で圧縮符号化して格納する方法が考えられる。これに限らず、通信I/F122によりLANなどのネットワークを介してサーバやパーソナルコンピュータに接続し、これらサーバやパーソナルコンピュータから静止画像データ、動画像データ、音声データをダウンロードして格納することもできる。さらには、無線電話通信により電話通信制御部120で得られた静止画像データ、動画像データ、音声データを、記憶媒体114に記憶することもできる。また、記憶媒体114が着脱可能な場合、記憶媒体114をパーソナルコンピュータなど他の情報機器に装着して、当該他の情報機器により静止画像データ、動画像データ、音声データを記憶媒体114に格納することもできる。
なお、本実施形態では、複数の制御部により携帯電話端末100の制御を行う構成としたが、制御部の構成は必ずしも本実施形態に限定されない。例えば、制御部を1つのハードウェアとし、その制御部が携帯電話端末100全体の制御を行うようにしてもよい。また、適宜複数のハードウェアが協働して携帯電話端末100全体の制御を行うようにしてもよい。これは後述する携帯型音楽プレーヤ200でも同様である。
<データ受信装置について>
図2は、本実施形態に適用可能な携帯型音楽プレーヤ200の一例の構成を示す。図2に例示される携帯型音楽プレーヤ200は、図1で示した携帯電話端末100に対し、撮像、電話通信および電話通信を行うための構成を持たない。より具体的には、携帯型音楽プレーヤ200は、携帯電話端末100に対して、撮像部101および撮像制御部102、電話通信制御部120およびアンテナ121、ならびに、表示部103を持たない。なお、この携帯型音楽プレーヤ200に対して、上述した携帯電話端末100と同様に、表示部を設けてもよい。
バス212に対して、音声再生制御部202、操作制御部204および通信I/F221が接続される。バス212に対して、さらに、制御部205、システムメモリ206、メモリ207、通信部208および記憶制御部210が接続される。バス212に接続される各部は、バス212を介して互いにデータのやりとりが可能とされている。
記憶制御部210は、所定のファイルシステムに従って、記憶媒体211に対する各種のデータの書き込み、読み出しを行う。記憶媒体211は、携帯型音楽プレーヤ200への着脱が可能な不揮発性の半導体メモリや、ハードディスクドライブなどである。本実施形態では、記憶媒体211を携帯型音楽プレーヤ200に着脱可能なものとして説明するが、記憶媒体211が携帯型音楽プレーヤ200に内蔵されるものであってもよい。
制御手段としての制御部205は、例えばCPUを有し、プログラムに従い携帯型音楽プレーヤ200の全体を制御する。より具体的には、制御部205は、ROMであるシステムメモリ206に予め記憶されたプログラムデータを読み出してRAMであるメモリ207の作業領域に展開し、その展開したプログラムデータとの協働により、携帯型音楽プレーヤ200全体の動作を制御する。システムメモリ206は、制御部205の動作用の定数、変数、プログラムデータなどを予め記憶する。
メモリ207は、制御部205の作業領域として用いられる他に、撮影された静止画像データや再生されたデータ、後述する通信I/F221を介してネットワーク先のサーバやパーソナルコンピュータからダウンロードして取得したデータなどが格納される。また、メモリ207は、後述する通信部208により受信されたデータや、送信するデータが一時的に格納される。
また、制御部205により実行されるプログラムにより、上述した記憶制御部210による記憶媒体211に対するデータの読み書きを管理するためのファイルシステムが実現される。
音声再生制御部202は、音声出力部201が接続され、制御部205の制御に応じて指定された音声データの、音声出力部201に対する再生制御を行う。すなわち、音声再生制御部202は、例えばMP3方式で圧縮符号化された圧縮音声データをデコードするMP3デコーダを有する。音声再生制御部202は、バス212を介して供給された圧縮音声データをMP3デコーダでデコードし、デジタル音声信号として音声出力部201に供給する。
音声出力部201は、音声再生制御部202から供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換部と、D/A変換部で変換されたアナログ音声信号に対して所定の信号処理を施す音声信号処理部とを有する。音声信号処理部から出力されたアナログ音声信号は、図示されないスピーカやヘッドフォン接続端子などに導出される。
操作部203は、ボタンやキーなど、ユーザ操作を受け付ける各種の操作子が設けられ、ユーザの操作子に対する操作に応じた信号を出力する。操作部203には、例えば電源ボタンや十字キーなどの各種の操作子が設けられる。操作子をタッチパネルで構成することも可能である。この携帯型音楽プレーヤ200が表示部を場合、タッチパネルによる操作部203と表示部とを一体的に構成することができる。
操作制御部204は、ユーザ操作に応じて操作部203から出力された信号に基づきユーザ操作による指示を解釈し、制御信号として制御部205に対して出力する。制御部205は、この操作部203に対するユーザ操作に応じて操作制御部204から出力される制御信号に基づき、プログラムに従いこの携帯型音楽プレーヤ200の各部を制御する。これにより、ユーザ操作に応じた動作を携帯型音楽プレーヤ200に実行させることができる。
通信手段としての通信部208は、上述した近接無線通信による通信を行う。より具体的には、通信部208は、近接無線通信を行うためのアンテナと、近接無線通信によるデータの送受信を行う送受信回路を含む。通信部208は、近接無線通信による通信の接続および切断状態、すなわち、当該通信が確立されているか否かを検出することができるようにされ、検出結果が制御部205に通知される。他機器から近接無線通信により送信されたデータは、通信部208により受信され、例えば制御部205に供給される。制御部205は、通信部208から供給されたこのデータを、例えばメモリ207に一時的に格納する。
通信I/F221は、RS232C、USB、IEEE1394、LAN、無線通信などにより、外部機器との間でシリアル/パラレル通信によるデータの送受信を有線/無線で行う。無線通信を行う場合、通信I/F221には、アンテナが含まれる。また、通信I/F221は、複数の通信方式を、同時に、あるいは、切り替えて有効にすることが可能である。
このように、本実施形態による携帯型音楽プレーヤ200は、圧縮音声データに対応するデコード機能を備える音声再生制御部202により、記憶媒体211に格納された圧縮音声データを音声出力部201に出力させることが可能である。
記憶媒体211へのデータの格納方法としては、通信I/F221によりLAN上のサーバーやPCに接続して音楽データをダウンロードして格納する方法などがある。
なお、記憶媒体211へのデータの格納方法としては、様々に考えられる。例えば、通信I/F221によりLANなどのネットワークを介してサーバやパーソナルコンピュータに接続し、これらサーバやパーソナルコンピュータから静止画像データ、動画像データ、音声データをダウンロードして格納する方法がある。また、記憶媒体211が着脱可能な場合、記憶媒体211をパーソナルコンピュータなど他の情報機器に装着して、当該他の情報機器により静止画像データ、動画像データ、音声データを記憶媒体211に格納することもできる。
<近接無線通信についての概念的な説明>
次に、本発明の実施形態に適用可能な近接無線通信の概念について、図3を用いて説明する。図3の例では、携帯電話端末100に対して、通信部111のアンテナに対応する送受信部301が設けられる。また、携帯型音楽プレーヤ200に対して、通信部208のアンテナに対応する送受信部302が設けられる。
送受信部301は、外部機器とNFC技術を用いた近接無線通信を行う。図3(a)に例示するように、携帯電話端末100の送受信部301と携帯型音楽プレーヤ200の送受信部302とが通信可能範囲303の中にあれば、近接無線通信による通信を開始して通信接続される。また、図3(b)に例示されるように、送受信部301と送受信部302とが通信可能範囲303の外にあれば、近接無線通信による通信は開始されない。さらに、送受信部301および302が通信可能範囲303の中にあって通信接続されているときに、送受信部301および302が通信可能範囲303から出てしまった場合は、近接無線通信による通信接続が解除される。
携帯電話端末100(または携帯型音楽プレーヤ200)が近接無線通信の接続および切断状態を判断する方法の例について説明する。一例として、携帯電話端末100の通信部111は、接続先の機器と一定間隔で通信を行い、接続先機器からのレスポンスが一定時間内に無かった場合、通信が切断状態になったと判断することができる。通信の接続も同様に、例えば、通信部111は、接続が確立されていない状態で通信を試み、接続先機器からのレスポンスがあったら、通信が接続状態になったと判断することができる。
これに限らず、例えば電磁誘導により接続先機器に電力を供給するタイプの近接無線通信では、通信部111が電力供給側の場合、接続先機器が通信部111に接近して電力が供給されることで通信が開始される。そして、当該機器が通信部111から離れることで電力の供給が停止し、通信が中断される。これらの近接無線通信による通信の接続および切断の判断は、携帯型音楽プレーヤ200における通信部208でも同様にして行われる。
<データの管理構造について>
次に、本実施形態に適用可能なデータの管理構造について、概略的に説明する。図4は、携帯電話端末100における、記憶媒体114に格納されるデータの管理構造の一例を示す。携帯電話端末100では、ファイルシステムにより、記憶媒体114に記憶されるデータの管理を、図4に例示されるように階層構造を用いて行う。
すなわち、記憶媒体114において、データはファイルに格納され、ファイルはディレクトリに纏められる。ディレクトリは、さらに別のディレクトリに纏めることができる。このディレクトリにより、階層構造が定義される。階層構造における最上位のディレクトリを、ROOT(ルート)ディレクトリと呼ぶ。全てのファイルは、このROOTディレクトリからディレクトリを順次下位に辿っていくことで、アクセスすることができる。
図4の例では、記憶媒体114において、最上位のROOTディレクトリの直下に、ディレクトリIMAGE、ディレクトリVIDEOおよびディレクトリMUSICが設けられる。ディレクトリIMAGEには静止画像データが、ディレクトリVIDEOには動画像データが、ディレクトリMUSICには音声(音楽)データが格納されるように、制御部108により制御される。
図4の例では、ディレクトリIMAGEには、ファイルIMG_0001.JPGおよびファイルIMG_0002.JPGの2つの静止画像データが格納されている。ディレクトリVIDEOには、ファイルVDO_0001.MPGおよびファイルVDO_0002.MPGの2つの動画像データが格納されている。また、ディレクトリMUSICには、ファイルAUD_0001.MP3、ファイルAUD_0002.MP3、ファイルAUD_0003.MP3およびファイルAUD_0004.MP3の4つの音楽データが格納されている。
制御部108は、ファイルシステムにより、この階層構造すなわち各ディレクトリとファイルとの関係を管理すると共に、各ファイルの属性情報を管理する。ファイルの属性情報は、例えばファイル名、ファイルのデータサイズ、ファイルの更新日時、ファイルに対するアクセス許可情報(変更可、読み出しのみ可、など)が含まれる。
なお、ファイル名において、「.(ピリオド)」の後ろの3文字は、拡張子であって、ファイルに格納されるデータ種類を示す。図4の例では、拡張子「JPG」は、そのファイルにJPEG方式で圧縮符号化された静止画像データが格納されることを示す。拡張子「MPG」は、そのファイルにMPEG方式で圧縮符号化された動画像データが格納されることを示す。この場合、動画像データに対して、当該動画像データに対して同期的に再生するための音声データを付加させることができる。また、拡張子「MP3」は、そのファイルにMP3方式で圧縮符号化された音声データが格納されることを示す。制御部108は、例えばこの拡張子に基づきファイルに格納されるデータの種類を知ることができる。
ユーザは、操作部106を操作することにより、記憶媒体114に上述のようにして格納されたデータから1または複数を選択して表示あるいは再生させることができる。
なお、上述では、階層構造のデータ管理が携帯電話端末100に対して適用されるように説明したが、これはこの例に限定されない。すなわち、携帯型音楽プレーヤ200でも、記憶媒体211に格納されるデータを階層構造で管理することができる。また、データの管理構造は、階層構造に限られない。例えば、上述した拡張子のみを用いてデータ管理を行うことが可能である。また、上述では、ファイルの種類を拡張子で判別するように説明したが、これはこの例に限定されない。例えば、ファイルのヘッダ部分のファイルの種類を識別するための識別情報を記述しておき、制御部108は、このヘッダ部分に記述された識別情報に基づき、ファイルに格納されるデータ種類を判別することが考えられる。
以下では、煩雑さを避けるため、MP3方式で圧縮符号化された音声データが格納されるファイルを、MP3ファイルと呼ぶ。同様に、JPEG方式で圧縮符号化された静止画像データが格納されるファイルをJPEGファイル、MPEG方式で圧縮符号化されたデータが格納されるファイルをMPEGファイルと呼ぶ。
<近接無線通信によるデータ送信のシーケンスについて>
次に、本実施形態における近接無線通信による通信シーケンスの一例について、図5を用いて概略的に説明する。ここでは、携帯電話端末100を携帯型音楽プレーヤ200に接近させて、携帯電話端末100の記憶媒体114に格納されるデータを携帯型音楽プレーヤ200に対して近接無線通信により送信する例について説明する。
先ず、ユーザは、携帯電話端末100を携帯型音楽プレーヤ200に接近させ、互いの送受信部301および302が通信可能範囲303の中に入るようにする(ステップS500)。携帯電話端末100の通信部111と携帯型音楽プレーヤ200の通信部208は、互いの距離が通信可能範囲303まで近付いたことを検知すると、通信部111および通信部208の間で所定のやりとりを行う。これにより、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で、近接無線通信による接続が確立される(SEQ500)。
SEQ500で近接無線通信による接続が確立されると、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で、機器情報の交換が行われる(SEQ501)。ここで交換される機器情報として、機器を一意に示すための機器IDと、送受信のモード設定情報が含まれる。携帯電話端末100および携帯型音楽プレーヤ200は、交換された機器情報に含まれるこれらの情報を用いて、相手側の機器の識別や、送信および受信の可否を判断する。
図6は、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で交換される機器情報の一例を示す。図6(a)は、携帯電話端末100から携帯型音楽プレーヤ200に送信される機器情報の例を示す。この例では、携帯電話端末100は、機器IDが“ABC”であり、送信モードが有効(ON)、受信モードが無効(OFF)になっていることが示される。これは、現在の携帯電話端末100が、データを送信するデータ送信装置として機能可能であることを示す。
一方、図6(b)は、携帯型音楽プレーヤ200から携帯電話端末100に送信される機器情報の例を示す。この例では、携帯型音楽プレーヤ200は、機器IDが“XYZ”であり、送信モードが無効(OFF)、受信モードが有効(ON)になっていることが示される。これは、現在の携帯型音楽プレーヤ200が、データを受信するデータ受信装置として機能可能であることを示す。
このような、機器IDと送受信モードを示す情報とを含む機器情報を交換することにより、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200は、互いに相手機器の機器IDを認識することができる。それと共に、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200は、携帯電話端末100から携帯型音楽プレーヤ200へのデータ転送が有効であることを認識できる。
SEQ501において携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で機器情報の交換を行った後、データ受信装置である携帯型音楽プレーヤ200は、受信データ情報を携帯電話端末100に対して送信する(SEQ502)。受信データ情報は、携帯型音楽プレーヤ200が表示あるいは再生処理可能である圧縮符号化方式やデータフォーマットといったフォーマット情報と、携帯型音楽プレーヤ200が受信可能なデータサイズの情報とを含む。
図7は、携帯型音楽プレーヤ200から送信される受信データ情報の一例を示す。図7の例では、受信データ情報の送信元の機器IDが“XYZ”であることが示される。そして、この機器IDが“XYZ”である機器が処理可能なデータフォーマットが“MP3”であることがフォーマット情報により示される。また、記憶媒体211の空き容量、すなわち、携帯型音楽プレーヤ200が受信できる最大のデータサイズが“123kB”であることが示される。なお、データフォーマット“MP3”は、MP3方式で圧縮符号化されたデータであることを示す。
続いて、携帯電話端末100は、SEQ502で携帯型音楽プレーヤ200から送信された受信データ情報を受信した後、ユーザに対する切断報知処理を行う(SEQ503)。切断報知処理は、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で機器情報、受信データ情報の送受信の完了を、ユーザに報知するために行われる。具体的な例として、携帯電話端末100の音声出力部104によって報知音を鳴らしたり、図8に例示されるように、表示部103に対してメッセージ400が表示される。図8の例では、携帯電話端末100をデータ送信先の機器から離すことを促すメッセージと共に、次に送信するファイルを選択する動作が開始されることが報知される。
この携帯電話端末100における切断報知処理により、ユーザは、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で機器情報、受信データ情報の送受信が完了したことを知ることができる。また、次の送信ファイルの選択に進むためには、近接無線通信による通信接続を切断すればよいことを知ることができる。
SEQ503の報知により近接無線通信が切断可能であることを知ったユーザにより、例えば携帯電話端末100が携帯型音楽プレーヤ200から遠ざけられる(ステップS501)。これにより、携帯電話端末100の送受信部301と携帯型音楽プレーヤ200の送受信部302とが通信可能範囲303から出ると、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間の近接無線通信が切断される(SEQ504)。
ステップS502において、携帯電話端末100は、操作部106に対する操作に応じて、ファイル送信のための設定を行う設定画面を表示部103に対して表示させる。より具体的には、携帯電話端末100は、表示部103に対して記憶媒体114に格納されているファイルの情報に基づき、送信ファイルを選択し指定する選択画面を、データ送信のための設定画面として表示部103に対して表示させる。このとき、携帯電話端末100は、上述のSEQ502で携帯型音楽プレーヤ200から取得した受信データ情報に含まれるフォーマット情報に一致するデータが格納されるファイルのみを、当該選択画面に表示させる。
図9は、携帯電話端末100の表示部103に表示される選択画面410の一例を示す。図7を用いて説明したように、携帯電話端末100は、携帯型音楽プレーヤ200が“MP3”で示されるデータフォーマットおよび圧縮符号化を処理可能である旨を、受信データ情報のフォーマット情報に基づき取得している。
そこで、携帯電話端末100は、図9に例示されるように、選択画面410に対して、図4を用いて説明した記憶媒体114に格納されるファイルのうち、送信候補データとして、MP3ファイルを選択的にリスト表示する。一方、受信データ情報のフォーマット情報に基づき、携帯型音楽プレーヤ200が対応していないとされた、JPEGファイルおよびMPEGファイルは、選択画面410に表示しない。
図9に示される画面が表示された後、ユーザは、携帯電話端末100の操作部106を操作して、携帯型音楽プレーヤ200に送信するデータを指定する(ステップS502)。この選択操作の際には、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で、近接無線通信の接続を確立させておく必要は、無い。したがって、ユーザは、近接無線通信による通信可能範囲303の制約を受けることなく、送信データの指定を行うことができる。
ステップS502の選択操作により、図9に例示されるように、ファイルAUD_0002.MP3およびファイルAUD_0003.MP3の2つのファイルが、携帯型音楽プレーヤ200に対して送信するファイルとして指定されたものとする。
ステップS502では、さらに、携帯電話端末100は、送信するデータの指定を操作部106に対する操作により受け付ける際に、選択されたデータサイズのチェックを行う。すなわち、携帯電話端末100は、選択画面410により選択され送信ファイルとして指定されたファイルの合計サイズを、ファイルシステムにより取得する。そして、取得した合計サイズと、SEQ502にて携帯型音楽プレーヤ200から受信された受信データ情報に含まれる、携帯型音楽プレーヤ200が受信可能なデータサイズとを比較する。比較の結果、送信ファイルとして指定されたファイルの合計サイズが、携帯型音楽プレーヤ200が受信可能なデータサイズを超えた場合に、図10に例示されるように、その旨をユーザに警告するためのメッセージ420を表示部103に表示する。図10の例では、メッセージ420が選択画面410に対してオーバーラップして表示されている。なお、このメッセージ420が表示されている間は、選択完了ボタン411を指定することはできない。このメッセージ420の表示により、ユーザに対して、携帯型音楽プレーヤ200が受信可能なサイズの範囲内での送信データの指定をさせることが可能となる。
選択画面410において、操作部106の操作により選択完了ボタン411が指定されると、送信ファイルの指定が完了したことが制御部108に通知される。なお、送信中止ボタン412を指定することで、一連のファイル送信操作を中止することができる。
ユーザによる送信ファイルの指定が完了すると、携帯電話端末100は、表示部103に対して、図11に例示されるように、携帯電話端末100を再び携帯型音楽プレーヤ200に近付けるように促すメッセージ430を表示部103に対して表示させる。なお、この場合でも、送信中止ボタン431を指定することで、一連のファイル送信操作を中止することができる。
送信ファイルの指定が完了した後、例えばメッセージ430に従い、ユーザにより再び携帯電話端末100が携帯型音楽プレーヤ200に近付けられる(ステップS503)。携帯電話端末100の送受信部301と携帯型音楽プレーヤ200の送受信部302とが通信可能範囲303の中に入ると、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で、近接無線通信が再度検出され、通信の接続が再確立される(SEQ505)。
SEQ505で携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間で近接無線通信による接続が確立されると、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200の間で、再び、機器情報の交換が行われる(SEQ506)。SEQ506において携帯型音楽プレーヤ200との再接続を認識した携帯電話端末100は、次のSEQ507で、送信データ情報を携帯型音楽プレーヤ200に対して送信する。
送信データ情報は、上述のステップS502で送信対象として選択されたファイルに関する情報である。より具体的には、送信データ情報は、例えば送信するファイルの数、送信するファイルそれぞれの名前およびファイルサイズの情報を含む。携帯型音楽プレーヤ200は、携帯電話端末100から送信された送信データ情報を用いて、データ受信の準備を行う。
図12は、送信データ情報の一例を示す。この例では、送信データ情報において、データ送信を行う機器の機器IDが“ABC”であり、送信されるファイルの数が2ファイルであることが示される。さらに、送信される2ファイルのそれぞれについて、ファイル名(“AUD_0002.MP3”および“AUD_0003.MP3”と、ファイルサイズ(それぞれ50kB)とが示される。
続いて、携帯電話端末100は、携帯型音楽プレーヤ200に対するデータの送信を開始する(SEQ508)。この例では、図12の送信データ情報に示されるファイルAUD_0002.MP3とファイルAUD_0003.MP3とが、携帯電話端末100から携帯型音楽プレーヤ200に対して送信されるものとする。SEQ508において送信データ情報に記述された全てのデータの送信が完了すると、携帯電話端末100は、切断報知処理を行う(SEQ509)。例えば、携帯電話端末100は、表示部103に対して、指定された全てのファイルの送信が完了した旨を示すメッセージを表示させると共に、送信が完了したため近接無線通信を切断可能である旨を示すメッセージを表示させる。携帯電話端末100の音声出力部104によって、所定の報知音を出力するようにしてもよい。
このSEQ509における報知によって近接無線通信が切断可能であることを知ったユーザにより、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200とが離される(ステップS504)。これにより、携帯電話端末100の送受信部301と携帯型音楽プレーヤ200の送受信部302とが通信可能範囲303の外に出ると、近接無線通信が切断される(SEQ510)。なお、SEQ509による報知から所定時間が経過したら、自動的に近接無線通信を切断するようにもできる。
<送信側および受信側の各機器における具体的な処理>
ここまでが、本実施形態におけるデータの送受信におけるシーケンスの説明である。次に、送信側および受信側の各装置における具体的な処理の例を示す。
<送信側機器における具体的な処理>
図13は、データ送信側である携帯電話端末100における処理の一例を示すフローチャートである。なお、図13のフローチャートの各処理は、制御部108によりプログラムに従って実行される。
先ず、ステップS1201で、制御部108は、データ送信先の機器である外部機器との間で近接無線通信による接続の確立が検出されるのを待機する。図3で示したように、外部機器の近接無線通信による送受信部と、携帯電話端末100の送受信部301とが通信可能範囲303の中に入れば、ユーザが特に操作を行うことなく、自動的に近接無線通信による接続が確立される。
ステップS1201で、外部機器との近接無線通信による通信接続の確立が検出されたら、処理はステップS1202に移行され、携帯電話端末100から外部機器に対して、機器情報が送信される。また、次のステップS1203で、携帯電話端末100は、当該外部機器から送信された機器情報を受信する。図6を用いて説明したように、機器情報には、機器IDと送受信のモード設定情報が含まれる。携帯電話端末100は、受信した機器情報を、例えばメモリ110に格納させる。機器情報を記憶媒体114に格納してもよい。
なお、携帯電話端末100は、メモリ110や記憶媒体114に、前回の通信相手の機器情報を保持しているものとする。この場合には、受信した機器情報の機器IDに基づき、保持されている機器情報から今回の接続先の外部機器に対応する機器情報を特定することができる。
次のステップS1204において、制御部108は、ステップS1203で受信された機器情報を送信した外部機器が、前回近接無線通信による通信を行った外部機器であるか否かが判定される。すなわち、ステップS1204では、ステップS1203で受信された機器情報を送信した外部機器が、ステップS1201で通信が確立されるより以前に通信した外部機器であるか否かを判定する。
ステップS1203で説明したように、携帯電話端末100は、前回通信した外部機器の機器IDと、今回のステップS1201で通信を確立した外部機器の機器IDとを保持している。ステップS1204では、制御部108は、前回通信した外部機器の機器IDと、今回通信が確立された外部機器の機器IDとを比較する。
若し、比較した機器IDが一致しないと判定されたら、処理はステップS1205に移行される。この場合、ステップS1201で接続が確立された外部機器とは、一連の処理において1度目の接続であることを意味する。ここでは、携帯電話端末100は、当該外部機器と初めて近接無線通信による接続を行ったものとして説明する。
ステップS1205で、携帯電話端末100は、携帯型音楽プレーヤ200から送信された受信データ情報を受信する。ここでは、受信データ情報として、上述したように、接続先の外部機器が表示あるいは再生処理の可能な圧縮符号化やデータフォーマットを示すフォーマット情報、および携帯型音楽プレーヤ200が受信できるデータサイズの情報を取得する。この受信データ情報は、後述するようにして当該外部機器において生成され、携帯電話端末100に対して送信される。制御部108は、取得した受信データ情報を、メモリ110または記憶媒体114に格納させる。
ステップS1205での受信データ情報の取得が完了すると、処理はステップS1206に移行する。ステップS1206で、制御部108は、近接無線通信により接続された外部機器との通信の切断を促す報知処理を、表示部103に対するメッセージ400の表示や(図8参照)、音声出力部104による音声出力などを用いて行う。
次のステップS1207において、制御部108は、外部機器との近接無線通信による接続の切断を待機する。外部機器との近接無線通信による接続の切断が検出されたら、処理はステップS1208に移行される。
ステップS1208では、制御部108は、送信ファイルを指定するため、送信候補のファイルを一覧表示して示す選択画面410を表示部103に対して表示させる(図9参照)。ユーザは、この選択画面410に従い操作部106を操作することで、外部機器に送信するためのファイルを選択および指定することができる。
なお、ステップS1208では、既に説明したように、制御部108は、ステップS1205にてメモリ110または記憶媒体114に記憶した受信データ情報に含まれるフォーマット情報と、記憶媒体114に格納しているファイルの情報とを比較する。そして、比較の結果、フォーマット情報に対応するデータフォーマットのデータが格納されたファイルのみを一覧表示して、表示部103に対して選択画面410を表示させる。
処理はステップS1209に移行され、制御部108は、操作部106に対する選択画面410に応じた操作を待機する。例えば、ステップS1209では、送信ファイルの選択操作、選択済みのファイルを未選択の状態に戻す操作、ならびに、ファイルの選択が完了した旨を示す操作が待機される。なお、ステップS1209でのファイルの選択は、累積的に行われる。
選択画面410に従った操作部106対するユーザ操作により、携帯電話端末100から外部機器に対して送信したいファイルが選択されたら、制御部108は、現在選択されているファイルの合計サイズを算出する。そして、算出されたファイルの合計サイズが、ステップS1205で取得した受信データ情報に含まれる、外部機器が受信可能なデータサイズを超えるか否かを判定する。
若し、超えると判定した場合、処理がステップS1210に移行される。ステップS1210で、制御部108は、送信ファイルの合計サイズが外部機器の受信可能データサイズを超えていることを警告する警告メッセージ420を表示部103に表示させると共に(図10参照)、直前のファイル指定を無効とする。そして、処理はステップS1209に戻され、制御部108は、操作部106に対する次の操作を待機する。
一方、ステップS1209で、算出されたファイルの合計サイズが、外部機器が受信可能なデータサイズを超えないと判定されたら、処理はステップS1211に移行される。ステップS1211で、制御部108は、操作部106に対してファイル指定操作の完了を指示する操作が行われたか否かを判定する。若し、当該操作が行われていないと判定されたら、処理はステップS1209に戻され、制御部108は、選択画面410に従ったユーザ操作を待機する。
一方、ステップS1211で、ファイル指定操作の完了を支持する操作が行われたと判定されたら、送信ファイルが確定され、処理はステップS1212に移行される。ステップS1212で、制御部108は、携帯電話端末100と外部機器との近接無線通信による接続を再開させるため、互いの接近を促すメッセージ430を表示部103に表示させる(図11参照)。そして、処理はステップS1201に戻され、制御部108は、携帯電話端末100と外部機器との近接無線通信による接続の確立を待機する。
なお、ステップS1212において、互いの接近を促すメッセージ430を表示した後に一定時間経過してもステップS1201での近接無線通信処理の確立が検出されない場合は、メッセージ430の表示を終了させてもよい。
次に、ステップS1201に処理が戻り、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との近接無線通信による通信接続が再開された場合の処理、すなわち、ステップS1213以降の処理について説明する。
上述のステップS1204での、前回通信した外部機器の機器IDと、今回通信が確立された外部機器の機器IDとの比較の結果、両者の機器IDが一致したと判定されたら、処理はステップS1213に移行される。この場合には、今回通信が確立された外部機器は、前回すなわち直近の処理により通信が確立し、その後、一旦通信が切断された外部機器であると判断することができる。
ステップS1213において、制御部108は、上述したステップS1211でユーザ操作により指定された送信データに関する送信データ情報を、通信部111から近接無線通信により外部機器に送信する処理を行う。送信データ情報は、既に説明したように、上述のステップS1209で送信対象として選択されたファイルに関する情報である。より具体的には、送信データ情報は、例えば送信するファイルの数、送信するファイルそれぞれの名前およびサイズの情報を含む。送信データ情報は、データの受信側である外部機器において、データの受信のための準備処理のために用いられる。
ステップS1213で送信データ情報が携帯電話端末100から外部機器に対して送信されると、処理はステップS1214に移行される。ステップS1214では、制御部108は、ステップS1211においてユーザから指定されたファイルを外部機器に対して送信する処理を行う。このとき、ステップS1214で、制御部108は、送信中であることを示すメッセージを携帯電話端末100の表示部103に表示させる(図示しない)。
なお、途中で近接無線通信による通信が途切れた場合は、次回の通信時に制御部108がステップS1213からの処理をやり直すことでファイルの再送信を行うことができる。この場合、ステップS1211で確定された送信ファイルのうち送信が未完了のファイルを示す情報をメモリ110や記憶媒体114などに保持しておくとよい。
ステップS1214によるファイル送信が完了すると、処理はステップS1215に移行される。ステップS1215で、制御部108は、近接無線通信による接続の解除を促すメッセージを表示部103に表示させる報知処理を行う。すなわち、携帯電話端末100では、この報知処理により、指定されたデータを送信した後に、携帯電話端末100を操作するユーザに対して近接無線通信による通信接続の解除を促すことができる。
なお、ステップS1205で受信データ情報を記憶媒体114に記憶している場合、ステップS1215におけるデータの送信が完了したことを検出した際に、制御部108は、この記憶媒体114に記憶した受信データ情報を自動的に削除してもよい。この処理を行うことで、携帯電話端末100の記憶媒体114の容量を削減することが可能になる。なお、ファイルの受信側である外部機器においても、上述した図8および図11に示すような、機器を離したり、近付けたりする動作を促す画面を表示してもよい。
また、ステップS1216において制御部108は、保持していた通信相手に関する機器情報を消去する。この処理により、再度携帯型音楽プレーヤ200と通信した場合は、ステップS1205〜ステップS1212の処理を実行し、データの指定を改めて行うことができる。
上述した処理により、携帯電話端末100では、外部機器に対してデータを送信する場合に、近接無線通信による接続を保つことなく、外部機器が表示あるいは再生処理可能なデータを選択することが可能となる。また、選択された送信データは、外部機器との近接無線通信による接続が再び確立された際に、自動的に送信されることになる。
<受信側機器における具体的な処理>
図14は、データ受信側である携帯型音楽プレーヤ200における処理の一例を示すフローチャートである。なお、図14のフローチャートの各処理は、制御部205によりプログラムに従って実行される。
先ず、ステップS1301で、制御部205は、外部機器との間で近接無線通信による接続の確立が検出されるのを待機する。このステップS1301での処理は、上述した図13のフローチャートにおけるステップS1201の処理と同様にしてなされる。
ステップS1301で、外部機器との近接無線通信による通信接続の確立が検出されたら、処理はステップS1302に移行され、携帯型音楽プレーヤ200は、外部機器に対して機器情報を送信する。また、次のステップS1303で、携帯型音楽プレーヤ200は、当該外部機器から送信された機器情報を受信する。携帯型音楽プレーヤ200は、受信した機器情報を、例えばメモリ207に格納させる。機器情報を記憶媒体211に格納してもよい。
なお、携帯型音楽プレーヤ200は、メモリ207や記憶媒体211に、前回の通信相手の機器情報を保持しているものとする。この場合には、受信した機器情報の機器IDに基づき、保持されている機器情報から今回の接続先の外部機器に対応する機器情報を特定することができる。
次のステップS1304では、図13のフローチャートのステップS1203と同様にして、制御部205は、ステップS1303で受信された機器情報を送信した外部機器が、前回近接無線通信による通信を行った外部機器であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1304では、ステップS1303で受信された機器情報を送信した外部機器が、ステップS1301で通信が確立されるより以前に通信した外部機器であるか否かを判定する。判定は、制御部205が、前回通信した外部機器の機器IDと、今回通信が確立された外部機器の機器IDとを比較することで行う。
若し、比較した機器IDが一致しないと判定されたら、処理はステップS1305に移行される。この場合、ステップS1301で接続が確立された外部機器とは、一連の処理において1度目の接続であることを意味する。ここでは、携帯型音楽プレーヤ200は、当該外部機器と初めて近接無線通信による接続を行ったものとして説明する。
ステップS1305で、携帯型音楽プレーヤ200において、制御部205は、外部機器に対して受信データ情報を送信する処理を行う。制御部205は、受信データ情報として、当該携帯型音楽プレーヤ200が表示あるいは再生処理の可能な圧縮符号化やデータフォーマットを示すフォーマット情報、および携帯型音楽プレーヤ200が受信できるデータサイズの情報を生成する。
ステップS1305での受信データ情報の送信が完了すると、処理はステップS1306に移行され、制御部205は、外部機器との間の近接無線通信による通信の切断が検出されるのを待機する。通信の切断が検出されたら、処理はステップS1301に戻され、制御部205は、近接無線通信による接続が次に検出されるのを待機する。
次に、ステップS1301に処理が戻り、携帯型音楽プレーヤ200と外部機器との近接無線通信による通信接続が再開された場合の処理、すなわち、ステップS1307以降の処理について説明する。
上述のステップS1304での、前回通信した外部機器の機器IDと、今回通信が確立された外部機器の機器IDとの比較の結果、両者の機器IDが一致したと判定されたら、処理はステップS1307に移行される。この場合には、今回通信が確立された外部機器は、前回すなわち直近の処理により通信が確立し、その後、一旦通信が切断された外部機器であると判断することができる。
ステップS1307において、制御部205は、外部機器から送信された送信データ情報を受信する処理を行う。送信データ情報は、上述したように、外部機器が携帯型音楽プレーヤ200に対して送信するファイルの数、送信するファイルそれぞれの名前およびサイズの情報を含む。携帯型音楽プレーヤ200は、受信した送信データ情報に基づき、データ受信のためのメモリの確保や、受信データをディレクトリ構造に追加するための更新処理など、データ受信のための準備処理を行う。
次のステップS1308で、制御部205は、外部機器から近接無線通信により、上述の送信データ情報に基づき送信されるデータを受信する処理を行う。受信されたデータは、制御部205の制御により、例えば記憶制御部210を介して記憶媒体211に格納される。
また、ステップS1309において制御部205は、保持していた通信相手に関する機器情報を消去する。この処理により、再度携帯電話端末100と通信した場合は、再度ステップS1305、ステップS1306の処理を実行することで、携帯電話端末100側でデータの指定を行うことができる。
上述した処理により、外部機器から近接無線通信を介して携帯型音楽プレーヤ200にデータを送信する際に、近接無線通信による接続状態を保つことなく、携帯型音楽プレーヤ200が表示あるいは再生可能なデータを外部機器側で選択させることが可能となる。また、選択された送信データは、近接無線通信による外部機器との接続が再び確立された際に、外部機器から自動的に送信されることになる。
なお、上述した実施形態は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施形態における構成および動作に関しては、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、携帯電話端末100と携帯型音楽プレーヤ200との間でデータを送受信する構成を示したが、これはこの例に限定されない。すなわち、本発明は、近接無線通信機能を備えた機器間での通信であれば、他の種類の機器であっても適用できる。例えば、近接無線通信機能を備えたデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、PDAなどに対して、本発明を適用することができる。
また、本実施形態では、受信データ情報に含まれるフォーマット情報として、データフォーマット“MP3”を一例として示して説明したが、受信データ情報に含まれるフォーマット情報は、この例に限定されない。すなわち、音声データに関しては、MP3方式以外、動画像データに関して、JPEG方式、MPEG2方式、MPEG4方式、H.264方式など、受信装置側のデータ処理機能に応じたフォーマット情報であってもよい。
また、本実施形態では、受信データ情報に対して、受信側機器が表示あるいは再生可能なフォーマット情報と、受信側機器が受信可能なデータサイズの情報とが含まれるものとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、受信側機器が著作権保護されたデータを処理することが可能か否かを示す情報を、受信データ情報に含めてもよい。送信側機器が著作権保護されたデータを保持する場合は、この情報に基づいて、送信するデータを指定するための選択画面で一覧表示するデータに、著作権保護されたデータを含めるか否かを決定することができる。
<他の実施形態>
上述の実施形態は、システムあるいは装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。したがって、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。