JP5462539B2 - 接合品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型に収容されたワークと、前記成形型に注湯された溶湯の固化物との接合品を得る接合品の製造方法に関する。
合金種が異なる金属同士を接合した接合成形品は、例えば、成形型内にワークを収容した後、鋳造に準じ、前記成形型に金属溶湯を充填して固化することによって作製される。金属溶湯は成形型のキャビティの形状に従ってワークに密着した状態で固化物となる。
しかしながら、特に、ワークがアルミニウム板であり、且つ金属溶湯がアルミニウム合金である場合において、固化物とワークとの接合強度を大きくすることは容易ではない。この理由は、特許文献1に記載されるように、アルミニウム板と金属溶湯(アルミニウム合金)との間の接合界面に酸化膜が存在するためであると推察されている。
なお、前記特許文献1では、アルミニウム板に対して振動を付与することが提案されている。該特許文献1によれば、振動付与によって酸化膜が除去され、アルミニウム板とアルミニウム合金とが直接密着するようになるので、接合強度が向上する、とのことである。
特開昭50−89215号公報
特許文献1記載の従来技術においては、振動付与は、注湯開始から終了するまでの間に一切中断されることなく継続される。本発明者の鋭意検討によれば、この場合、固化物に鋳巣が存在することがある。
周知の通り鋳巣は空洞であるので、鋳巣の近傍の部位は強度及び延性が小さくなる。すなわち、特許文献1記載の従来技術には、固化物の強度及び延性を確保することが容易ではないという懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、十分な接合強度及び延性を確保することが可能であり、しかも、鋳巣が発生することを抑制し得る接合品の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、一部又は全部が成形型に予め収容されたワークと、前記成形型に注湯された溶湯の固化物との接合品を得る接合品の製造方法において、
前記溶湯中の前記ワークに対して接触している接触箇所の温度が液相線温度以上であるときに振動付与手段によって前記ワークに対して振動を付与する一方、前記接触箇所の温度が液相線温度を下回る前に前記振動を停止し、さらに、前記接触箇所の温度が液相線温度を一旦下回った後に再度液相線温度以上となって該接触箇所が再溶融したときに振動付与を再開するように前記振動付与手段を制御することを特徴とする。
なお、固液共存状態の溶湯に振動を付与することを防止するべく、前記接触箇所の温度が液相線を下回る直前に振動付与手段を停止させることが好ましい
このように、溶湯における接触箇所が液相状態であるときにのみ振動を付与するような制御を行うことにより、該接触箇所が固相状態であるときにも振動を付与する場合に比して十分な接合強度が得られる確率を向上させることができる。また、固化物中に鋳巣も認められない。すなわち、本発明によれば、固化物の強度及び延性を確保することもできる。
接触箇所が固相状態であるときに振動を付与すると鋳巣が発生するようになる理由は、固相と、液相である非接触箇所とがともに撹拌されることで固液撹拌状態となるためであると推察される。本発明においては、上記したように、接触箇所が液相状態であるときにのみ振動を付与するので、固液撹拌状態となることが回避され、このために鋳巣が発生することを回避し得ると考えられる。
そして、上記のようにして振動を付与することにより、溶湯及びワークの双方の酸化膜が破壊される。酸化膜が破壊された溶湯は濡れ性が良好であり、また、ワークの酸化膜も破壊されているので、相互に良好な濡れ密着が得られる。この相乗作用により、ワークと固化物との接合強度が良好となる。
なお、溶湯とワークとの温度差が大きいときには、溶湯がワークに接触して接触箇所が形成された直後、該接触箇所の熱がワークに奪取される。これに伴って該接触箇所の温度が急速に降下して液相線温度を下回り、その結果、該接触箇所が一旦凝固する。そして、該接触箇所に対し、成形型に新たに注湯された溶湯が堆積されると、この溶湯からの熱伝達により接触箇所が再溶融を起こす。
このような場合には、前記凝固が起こる前と、前記再溶融が起こった後に振動を付与することが好ましい。すなわち、溶湯が前記ワークに接触して前記接触箇所が形成された直後に該接触箇所が液相状態を維持している最中と、前記ワークによって熱が奪取されることで凝固した前記接触箇所が、該溶湯中の前記ワークに接触していない非接触箇所から伝達された熱によって液相状態に戻った最中に、前記ワークに対して振動を付与するとよい。
これにより、鋳巣が認められず且つ十分な接合強度を示す接合品を容易に得ることが可能となる。
なお、付与する振動の周波数は、100Hz以下とすることが好ましい。超音波振動には、伝達損失が認められる、振動子の耐衝撃性に懸念がある等の不具合があるが、このように低周波の振動付与装置を用いることにより、この種の不具合が惹起される懸念を払拭することができる。
さらに、ワークの形状によっては、該ワークを回転させることで振動を付与するようにしてもよい。
本発明によれば、溶湯におけるワークに対して接触している接触箇所が液相状態であるときのみ、前記ワークに対して振動を付与するようにしているので、接触箇所に固相が存在するときのように固液撹拌状態となることが回避され、このため、鋳巣が発生することを回避し得る。しかも、振動を付与するので溶湯及びワークの双方の酸化膜が破壊されるので、溶湯がワークに対して良好に濡れ密着する一方、ワークが溶湯によって良好に濡れ密着される。このため、ワークと固化物との間に十分な接合強度を発現させることができる。
本発明の実施の形態に係る接合品の製造方法を実施するための成形型の要部概略縦断面図である。 注湯された溶湯の温度変化に伴うワークの温度変化を示すグラフである。 注湯された溶湯の温度変化を示すグラフである。 ワークに対する振動付与のタイミングと、接合状態とを示す図表である。 本発明の実施の形態に係る接合品の製造方法によって得られる接合品であるホイールの全体概略縦断面図である。
以下、本発明に係る接合品の製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る接合品の製造方法を実施するための成形型10の要部概略縦断面図である。この成形型10は、下型12、第1上型14及び図示しない第2上型を有する。
下型12は略四辺形状をなし、第1上型14及び第2上型は、それぞれ、略半直方体形状をなす。従って、下型12、第1上型14及び第2上型が互いに接近して型締めされた状態の成形型10は、図1から諒解されるように、略直方体形状となる。
なお、第1上型14及び第2上型は、図1に示す型締め状態から紙面に向かって直交する方向にそれぞれ変位する。この変位に伴って第1上型14及び第2上型が下型12に対して離間することにより、いわゆる型開きがなされる。
下型の上端面と第1上型14、第2上型との各下端面との間には、ワーク28が摺動自在に介在される。
この場合、ワーク28は、アルミニウム合金であるA5052(JIS)からなる平板材である。このワーク28の図1における右端部には、振動付与手段としての図示しない振動付与装置(例えば、回転モータを含む駆動装置)が配設される。該振動付与装置は、ワーク28の右端部を把持した状態で該ワーク28を図1における矢印X1方向、矢印X2方向に沿って往復動作させる(すなわち、摺動させる)ことにより、該ワーク28に対して振動を付与する。後述するように、この振動は、周波数が好ましくは100Hz以下、より好ましくは13〜50Hzのものである。
型締めがなされると、第1上型14及び第2上型によってキャビティ30が形成される。このキャビティ30は、基部32と、該基部32の両端部から略垂直に立ち上がった第1立ち上がり部34及び第2立ち上がり部36とを有し、この中、基部32の下端はワーク28に臨む。
また、第1立ち上がり部34の上端が注湯口となり、一方、第2立ち上がり部36の上端がガス抜き口となる。
以上の構成において、下型12には、温度検出器としての6本の熱電対38a〜38fが移動可能に挿入されている。この中の熱電対38a、38c、38eの各先端は、前記ワーク28を貫通して溶湯に囲繞されている。ここで、熱電対38a、38c、38eの各先端は、ワーク28の上端面から1mm以内の特定箇所に位置するように位置決め固定されている。すなわち、これら熱電対38a、38c、38eは、溶湯40における前記ワーク28に対する接触箇所の温度を検出する。
一方、残余の熱電対38b、38d、38fの各先端は、下型12内の特定箇所に位置決め固定されるようにして該下型12内に挿入される。これら熱電対38b、38d、38fは、前記接触箇所の温度が変化するときに下型12の温度が如何に変化するかを調査するためのものである。
なお、熱電対38b、38d、38fの各先端は、前記熱電対38a、38c、38eの各先端の略下方に位置するように配置される。
本実施の形態に係る接合品の成形方法は、基本的には上記のように構成された成形型10を用い、以下のようにして実施される。
はじめに、ワーク28を下型12の上端面上に載置し、その後、第1上型14及び第2上型をワーク28上に載置する。これにより、該ワーク28の上端面がキャビティ30の基部32に露呈する。さらに、該ワーク28の図1における右端部を前記振動付与装置に把持させ、この状態のワーク28を、前記振動付与装置を付勢することで図1中の矢印X1、X2方向に向かって往復動作させる。
この際の振動数は、100Hz以下であることが好ましい。超音波振動子を用いて超音波振動を付与する場合には、超音波振動子の耐衝撃性が低いために破損し易いという懸念がある上、反射や減衰等による伝達損失があるために振動が伝達され難い、連続発振では出力が小さい、高温では周波数が変動する等の不具合があるが、本実施の形態のように、低周波域の振動を付与するのみの振動付与装置を採用する場合、この種の不具合が惹起される懸念が払拭されるからである。なお、より好ましい振動数は13〜50Hzである。
ここで、成形型10は予め加熱されており、このため、図2に示すように、ワーク28の温度は200℃前後となっている。
次に、図1に示される注湯口から溶湯40を注湯する。溶湯40の材質の一例としては、例えば、アルミニウム合金であるAC4CH(JIS)が挙げられる。注湯口に注湯される前の溶湯40の温度は、液相線温度を超えていればよい。すなわち、この溶湯40は、固相を全く含まない完全液相状態のものである。なお、注湯中に溶湯40が凝固することを回避するべく、該溶湯40の温度を、液相線温度を20〜50℃程度超える温度に設定することが好ましい。
溶湯40は、キャビティ30の第1立ち上がり部34を経由して基部32に到達し、該基部32に露呈したワーク28の上端面に接触する。すなわち、溶湯40は、振動するワーク28の上端面に沿って流動する。このため、溶湯40の表面に存在する酸化膜が破壊される。結局、本実施の形態では、表面の酸化膜が破壊され、このために濡れ性が向上した溶湯40がワーク28に接触する。
その一方で、上記したようにワーク28の温度が溶湯40に比して低温であるため、溶湯40の熱がワーク28に奪取される。これにより、図3に示すように、溶湯40におけるワーク28に対して接触した箇所(接触箇所)の温度が急速に降下し、液相線(図3中のTL線)温度を下回る。なお、接触箇所の温度は、上記した通り、熱電対38a、38c、38eによって検出することができる。
この急速な温度降下に伴い、溶湯40の一部が凝固する(以下においては、この際の凝固を初期凝固と表記する)。注湯を開始してから初期凝固の開始までの時間は、キャビティ30の容積や溶湯40の単位時間あたりの注湯量等にもよるが、例えば、0.5〜1秒である。
本実施の形態においては、熱電対38a、38c、38eによって検出される接触箇所の温度から初期凝固が起こる直前に、前記振動付与装置を停止してワーク28を静置する。換言すれば、振動付与を中断する。
この間も、溶湯40の注湯が続行される。このため、凝固した接触箇所には、新たに注湯されて該接触箇所の上方に堆積した高温の溶湯40が接する。従って、溶湯40中の接触箇所に対し、該溶湯40におけるワーク28に接触していない箇所(非接触箇所)から熱が伝達される。その結果、図3に示すように、接触箇所の温度が上昇して液相線(図3中のTL線)温度を上回る。
この温度上昇に伴い、接触箇所が再溶融して液相となる。再溶融は、例えば、注湯を開始してから約10秒後に起こる。
接触箇所の温度から再溶融が起こったことが確認されたとき、前記振動付与装置を再付勢する。これによりワーク28に対する振動付与が再開される。勿論、この際の振動数も100Hz以下であることが好ましく、13〜50Hzであることがより好ましい。
振動付与が再開されることに伴い、ワーク28の上端面に存在する酸化膜が破壊される。すなわち、表面の酸化膜が破壊されたワーク28が、既に酸化膜が破壊されて濡れ性が向上した溶湯40に接触するようになる。このため、ワーク28の上端面が溶湯40によって濡れ密着される。
再溶融が起こった後、時間の経過に伴って溶湯40の温度が降下する(図3参照)。これにより、溶湯40が冷却固化し始める。すなわち、再凝固が起こる。再凝固は、例えば、注湯を開始してから約25秒後に開始する。この再凝固が起こる直前に、初期凝固時と同様に、前記振動付与装置を停止してワーク28を静置する。その後、所定時間の経過に伴って溶湯40が全て固化し、固化物となる。以上の溶湯40の温度変化に対応して、ワーク28の温度も変化する(図2参照)。
ここで、振動付与のタイミングを相違させた以外は上記の通りの作業を行って得られた接合品の接合強度につき、図4を参照して説明する。なお、図4中の時間は、溶湯40の注湯開始を0とした時間である。
先ず、注湯から再凝固の終了に至るまで振動を一切付与することなく溶湯40の冷却固化を行った場合、全てのサンプルで固化物及びワーク28の双方に酸化膜が残留しており、接合もなされなかった。なお、酸化膜が存在するか否かは、電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用い、その解析結果から、接合界面にMgO等の酸化物が存在するか否かを判断することで調べた。以下においても同様である。
次に、初期凝固が起こる前の1秒間にのみ振動を付与した場合、ほとんどのサンプルで溶湯40の酸化膜が破壊される一方、ワーク28の酸化膜が残留していることが確認された。なお、十分な接合強度が確保されたものと、接合強度が不十分なものとの割合は、略1:1であった。この場合、鋳巣は認められなかった。
次に、初期凝固が終了し、接触箇所が固相状態であるとき(注湯開始から3〜4秒の間)にのみ振動を付与した場合では、全てのサンプルにおいて接合がなされなかった。また、一部のサンプルに鋳巣が確認された。
次に、初期凝固後、接触箇所が再溶融して液相状態にあるとき(注湯開始から10〜15秒の間)にのみ振動を付与した場合では、大部分のサンプルで溶湯40及びワーク28の酸化膜が双方とも破壊されていた。十分な接合強度が確保されたものと、接合強度が不十分なものとの割合は、略3:1であった。
次に、接触箇所が再凝固を起こして固相状態となり始めた直後(注湯開始から25〜30秒の間)に振動を付与した場合では、全てのサンプルでワーク28及び固化物の双方に酸化膜が残留していることが認められた。さらに、全てのサンプルにおいて接合がなされず、鋳巣も確認された。
次に、初期凝固が起こる前の1秒間と、接触箇所が再溶融して液相状態にあるとき(注湯開始から10〜15秒の間)との双方に振動を付与した場合、全てのサンプルでワーク28及び溶湯40の双方の酸化膜が破壊されていること、また、鋳巣が存在しないことが確認された。さらに、全てのサンプルにおいて、十分な接合強度が確保されていた。
最後に、注湯開始から再溶融が終了するまでの間(注湯開始から0〜20秒の間)に振動を中断することなく継続して行った場合では、十分な接合強度が確保されたものと、接合強度が不十分なものとの割合が略3:1とはなるものの、若干多くのサンプルで鋳巣が確認された。
以上から諒解されるように、溶湯40におけるワーク28に対して接触した箇所(接触箇所)が液相状態にあるときにのみ振動を付与することにより、鋳巣が認められない接合品が得られる。特に、溶湯40に初期凝固が起こるまでの間と、該溶湯40が再溶融状態にあるときに振動を付与した場合、十分な接合強度及び延性を示し、且つ鋳巣のない接合品を得ることができる。
なお、接触箇所が固相状態にあるときに振動を付与すると鋳巣が発生する理由は、この場合、接触箇所と非接触箇所とが撹拌されて固液撹拌状態となるためであると推察される。これに対し、本実施の形態においては、上記したように接触箇所が液相状態にあるときにのみワーク28に対して振動が付与される。このため、固液撹拌状態となることが回避されるので、鋳巣が発生することが抑制されるようになったと考えられる。
そして、ワーク28を振動することによって溶湯40及びワーク28の双方の酸化物を破壊するようにしているので、ワーク28に対する溶湯40の濡れ性が向上する。このためにワーク28と固化物との接合強度も優れたものとなる。
以上のようにして溶湯40を固化させる間、下型12の温度を熱電対38b、38d、38fによって検出し、接触箇所の温度変化と、下型12の温度変化とを記録する。この記録結果から、接触箇所の温度と下型12の温度との相関関係が分かる。
従って、例えば、成形型10が試作型の場合、量産型では、下型12の温度変化を調べることのみで、上記のようにして得られた相関関係に基づいて、溶湯40におけるワーク28との接触箇所の温度が如何なる程度であるかを推測することが可能となる。このため、熱電対38a、38c、38eをワーク28に貫通させる必要がない。
また、ワーク28としてA5052とは異なる合金からなるものを用いた場合や、溶湯40としてAC4CHとは異なる合金からなるものを用いた場合であっても、下型12の温度変化を調べるようにすれば、上記相関関係に基づいて、接触箇所の温度を推測することができる。
すなわち、前記相関関係を調査すれば、その後は、下型12の温度を検出することのみで、接触箇所の温度を見積もることが可能となる。
ここで、図2には、熱電対38a、38c、38eを下型12側に移動させ、溶湯40とワーク28との界面から3mm離間させた位置でのワーク28の温度変化を示している。また、図3には熱電対38a、38c、38eをワーク28の上端面から5mm突出させた位置、すなわち、溶湯40におけるワーク28との界面から5mm離間した位置での溶湯40の温度変化を併せて示している。
これら図2及び図3から、接触箇所と、該接触箇所から離間した位置とでは温度差が生じていること、また、温度変化に相違があることが分かる。そして、図3中、溶湯40におけるワーク28との界面から5mm離間した位置での溶湯40の温度変化を参照すれば、この位置では、溶湯40における接触箇所の温度が固相線温度(図3におけるTS線)を下回ったことを把握することが容易ではないと認識される。
このことから諒解されるように、溶湯40における接触箇所に固相が存在するか否かを確認するため、換言すれば、振動付与・停止の適切なタイミングを決定するためには、前記接触箇所の温度を検出することが重要となる。
なお、上記した実施の形態では、平板形状のワーク28を水平方向に沿って往復動作させることによって該ワーク28に振動を付与するようにしているが、ワークの形状によっては回転動作させることで振動を付与するようにしてもよい。
例えば、図5に示されるホイール50は、プレス成形によって得られたディスク52を図示しない成形型に収容し、該成形型のキャビティに、リム54となる溶湯を注湯することによって得られる。このときにディスク52を回転動作させることにより、ディスク52と溶湯との一部同士が常時接触状態となる。すなわち、ディスク52と溶湯とが離間することが回避されるので、リム54とディスク52との間に接合不良が生じることを回避することができる。
また、接合品は、ワークの一部又は全部を固化物で鋳ぐるむ、いわゆる鋳ぐるみ品であってもよい。
さらに、ワーク及び溶湯の材質は金属であればよく、上記したアルミニウム合金に特に限定されるものではない。
さらにまた、初期凝固が開始する時間、再溶融が起こるまでの時間、再凝固が開始する時間は、成形型や溶湯の種類ごと予め調査し、量産時にはこの調査結果に基づいて振動付与のタイミングを決定すればよい。なお、前記各時間は、上記したように、溶湯における接触箇所の温度を熱電対等によってモニタリングすることで容易に把握することができる。
10…成形型 28…ワーク
30…キャビティ 38a〜38f…熱電対
40…溶湯 50…ホイール
52…ディスク 54…リム

Claims (4)

  1. 一部又は全部が成形型に予め収容されたワークと、前記成形型に注湯された溶湯の固化物との接合品を得る接合品の製造方法において、
    前記溶湯中の前記ワークに対して接触している接触箇所の温度が液相線温度以上であるときに振動付与手段によって前記ワークに対して振動を付与する一方、前記接触箇所の温度が液相線温度を下回る前に前記振動を停止し、さらに、前記接触箇所の温度が液相線温度を一旦下回った後に再度液相線温度以上となって該接触箇所が再溶融したときに振動付与を再開するように前記振動付与手段を制御することを特徴とする接合品の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記溶湯が前記ワークに接触して前記接触箇所が形成された直後に該接触箇所が液相状態を維持している最中と、前記ワークによって熱が奪取されることで凝固した前記接触箇所が、前記成形型に新たに注湯された溶湯から伝達された熱によって液相状態に戻った最中に、前記ワークに対して振動を付与することを特徴とする接合品の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法において、前記ワークに対して周波数が100Hz以下の振動を付与することを特徴とする接合品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法において、前記ワークを回転させることで振動を付与することを特徴とする接合品の製造方法。
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