JP5462101B2 - 惰行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行中にクラッチを断にしエンジンをアイドル状態に戻して燃料消費を抑える惰行制御装置に係り、アクセルペダルの急操作に対する加速の応答性が優れている惰行制御装置に関する。
車両において、クラッチが断のとき、アクセルペダルが踏み込まれると、アクセルが開かれてエンジンがいわゆる空ぶかしとなり、エンジン回転数は、アクセル開度に対応したエンジン回転数に落ち着く。このとき、エンジンが発生させた駆動力とエンジン内部抵抗(フリクション)とが均衡し、エンジン出力トルクは0である。すなわち、エンジンは、外部に対して全く仕事をせず、燃料が無駄に消費される。例えば、エンジン回転数が2000rpmで空ぶかしをしたとすると、運転者には大きなエンジン音が聞こえるので、相当な量の燃料が無駄に消費されていることが実感できる。
エンジンが外部に対して仕事をしない状態は、前述したクラッチ断のときの空ぶかしに限らず、車両の走行中にも発生している。すなわち、エンジンは、空ぶかしのときと同じようにアクセル開度に対応したエンジン回転数で回転するだけで、車両の加速・減速に寄与しない。このとき、エンジンを回転させるためだけに燃料が消費されており、非常に無駄である。
本出願人は、エンジンが回転はしているが外部に対して仕事をしないときに、クラッチを断にし、エンジンをアイドル状態に戻して燃料消費を抑える惰行制御(燃費走行制御とも言う)を行う惰行制御装置を提案した(特許文献1)。
特開2006−342832号公報 特開平8−67175号公報 特開2001−304305号公報
前述の提案に加え、本出願人は、クラッチ回転数とアクセル開度とを指標とする惰行制御判定マップを用い、クラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御可能領域内にあって、アクセルペダル操作速度が所定範囲内にて、かつクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御しきい線をアクセル開度減少方向に通過したとき、クラッチを断すると共にエンジン回転数を低下させて惰行制御を開始し、アクセルペダル操作速度が所定範囲外となったか又はプロット点が惰行制御可能領域外に出たとき惰行制御を終了する惰行制御装置を提案中である。
ここで、アクセルペダル操作速度が所定範囲外となったときは、運転者が所定以上の速度でアクセルペダルを踏み込んだか、戻したことを意味しており、車両を加速しようと言う意志又は減速しようという意志があるものとして惰行制御を終了することになる。
この惰行制御装置によれば、惰行制御による走行時には、クラッチが断となって、エンジン回転数がアイドル回転数となっている。このとき、運転者が所定以上の速度でアクセルペダルを踏み込むと、惰行制御を終了し、クラッチを接にし、運転者の加速の意志に従い、車両を加速しなくてはならない。クラッチを接にする際、エンジン回転数とクラッチ回転数に大きな差があると、運転者に衝撃が感じられる。そこで、クラッチを接にする前にエンジン回転数を上昇させ、クラッチ回転数に対して一致させるか、あるいは衝撃を生じさせずにクラッチが接にできる許容範囲内までエンジン回転数を上昇したときにクラッチを接することが望ましい。
ところが、エンジン回転数がアイドル回転数からクラッチ回転数まで上昇してクラッチが接になるまでに、時間がかかる。この間、運転者にとっては、アクセル操作をしたにもかかわらず、車両の加速が始まらないという空走感が感じられる。急いで加速をする意志がなく、アクセルペダルをゆっくり踏み込んだ場合はそれほど大きな問題はないが、急いで加速をしたいためにアクセルペダルを踏み込んだ場合、空走感が強く感じられ、不満・違和感が生じる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、アクセルペダルの急操作に対する加速の応答性が優れている惰行制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、クラッチ回転数とアクセル開度で参照される惰行制御判定マップと、前記惰行制御判定マップへのクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御可能領域内にあって、アクセルペダル操作速度が所定範囲内にて、かつクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御しきい線をアクセル開度減少方向に通過したとき、クラッチを断すると共にエンジン回転数を低下させて惰行制御を開始し、アクセルペダル操作速度が所定範囲外となったか又はプロット点が惰行制御可能領域外に出たとき惰行制御を終了する惰行制御実行部と、惰行制御終了時にクラッチ回転数に対して接許容範囲内までエンジン回転数を上昇させてからクラッチを接する回転合わせ制御部と、前記惰行制御終了時のアクセルペダル操作加速度に反比例させて回転合わせ制限時間を設定し、回転合わせ制御が開始されてから回転合わせ制限時間が経過すると、エンジン回転数にかかわらずクラッチを接するクラッチ強制接制御部とを備えたものである。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)アクセルペダルの急操作に対する加速の応答性が優れている。
本発明の惰行制御装置のブロック構成図である。 本発明の惰行制御装置が適用される車両のクラッチシステムのブロック構成図である。 図2のクラッチシステムを実現するアクチュエータの構成図である。 本発明の惰行制御装置が適用される車両の入出力構成図である。 惰行制御の概要を説明するための作動概念図である。 惰行制御判定マップのグラフイメージ図である。 惰行制御による燃費削減効果を説明するためのグラフである。 惰行制御判定マップを作成するために実測したアクセル開度とクラッチ回転数のグラフである。 本発明の惰行制御装置における回転合わせ制御及びクラッチ強制接制御の手順を示すフローチャートである。 本発明を適用しない惰行制御装置における、アクセル操作からクラッチ接に至るまでのタイミングチャートである。 本発明の惰行制御装置における、アクセル操作からクラッチ接に至るまでのタイミングチャートである。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る惰行制御装置1は、クラッチ回転数とアクセル開度で参照される惰行制御判定マップ2と、惰行制御判定マップ2へのクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御可能領域内にあって、アクセルペダル操作速度が所定範囲内にて、かつクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御しきい線をアクセル開度減少方向に通過したとき、クラッチを断すると共にエンジン回転数を低下させて惰行制御を開始し、アクセルペダル操作速度が所定範囲外となったか又はプロット点が惰行制御可能領域外に出たとき惰行制御を終了する惰行制御実行部3と、惰行制御終了時にクラッチ回転数に対して接許容範囲内までエンジン回転数を上昇させてからクラッチを接する回転合わせ制御部4と、前記惰行制御終了時のアクセルペダル操作加速度に反比例させて回転合わせ制限時間を設定し、回転合わせ制御が開始されてから回転合わせ制限時間が経過すると、エンジン回転数にかかわらずクラッチを接するクラッチ強制接制御部5とを備える。
惰行制御装置1を構成する惰行制御判定マップ2、惰行制御実行部3、回転合わせ制御部4、クラッチ強制接制御部5は、例えば、ECU(図示せず)に搭載されるのが好ましい。
本発明の惰行制御装置1を搭載する車両について各部を説明する。
図2に示されるように、本発明の惰行制御装置1を搭載する車両のクラッチシステム101は、マニュアル式とECU制御による自動式との両立方式である。クラッチペダル102に機械的に連結されたクラッチマスターシリンダ103は、運転者によるクラッチペダル102の踏み込み・戻し操作に応じて中間シリンダ(クラッチフリーオペレーティングシリンダ、切替シリンダとも言う)104に動作油を供給するようになっている。一方、ECU(図示せず)で制御されるクラッチフリーアクチュエータユニット105は、クラッチ断・接の指令により中間シリンダ104に動作油を供給するようになっている。中間シリンダ104は、クラッチスレーブシリンダ106に動作油を供給するようになっている。クラッチスレーブシリンダ106のピストン107がクラッチ108の可動部に機械的に連結されている。
図3に示されるように、アクチュエータ110は、クラッチフリーアクチュエータ111を備える。クラッチフリーアクチュエータ111は、中間シリンダ104とクラッチフリーアクチュエータユニット105とを備える。クラッチフリーアクチュエータユニット105は、ソレノイドバルブ112、リリーフバルブ113、油圧ポンプ114を備える。中間シリンダ104は、プライマリピストン116とセカンダリピストン117とが直列配置されてなり、クラッチマスターシリンダ103からの動作油によりプライマリピストン116がストロークすると、セカンダリピストン117が随伴してストロークするようになっている。また、中間シリンダ104は、クラッチフリーアクチュエータユニット105からの動作油によりセカンダリピストン117がストロークするようになっている。セカンダリピストン117のストロークに応じてクラッチスレーブシリンダ106に動作油が供給される。この構成により、マニュアル操作が行われたときには、優先的にマニュアル操作どおりのクラッチ断・接が実行され、マニュアル操作が行われていないときにはECU制御どおりのクラッチ断・接が実行される。
なお、本発明の惰行制御装置は、マニュアル式のない自動式のみのクラッチシステムにも適用できる。
図4に示されるように、車両には、主として変速機・クラッチを制御するECU121と、主としてエンジンを制御するECM122が設けられる。ECU121には、シフトノブスイッチ、変速機のシフトセンサ、セレクトセンサ、ニュートラルスイッチ、T/M回転センサ、車速センサ、アイドルスイッチ、マニュアル切替スイッチ、パーキングブレーキスイッチ、ドアスイッチ、ブレーキスイッチ、半クラッチ調整スイッチ、アクセル操作量センサ、クラッチセンサ、油圧スイッチの各入力信号線が接続されている。また、ECU121には、クラッチシステム101の油圧ポンプ114のモータ、ソレノイドバルブ112、坂道発進補助用バルブ、ウォーニング&メータの各出力信号線が接続されている。ECM122には、図示しないがエンジン制御に利用される各種の入力信号線と出力信号線が接続されている。ECM122は、エンジン回転数、アクセル開度、エンジン回転変更要求の各信号をCAN(Controller Area Network;車載ネットワーク)の伝送路を介してECU121に送信することができる。
なお、本発明で使用するクラッチ回転数は、クラッチのドリブン側の回転数であり、トランスミッションのインプットシャフトの回転数と同一である。図示しないインプットシャフト回転数センサが検出したインプットシャフト回転数からクラッチ回転数を求めることができる。あるいは車速センサが検出した車速から現在ギア段のギア比を用いてクラッチ回転数を求めることができる。クラッチ回転数は、車速相当のエンジン回転数を表している。
以下、本発明の惰行制御装置1の動作を説明する。
図5により、惰行制御の作動概念を説明する。横軸は時間と制御の流れを示し、縦軸はエンジン回転数を示す。アイドル回転の状態からアクセルペダル141が大きく踏み込まれてアクセル開度が70%の状態が継続する間、エンジン回転数142が上昇し、車両が加速される。エンジン回転数142が安定し、アクセルペダル141の踏み込みが小さくなりアクセル開度が35%になったとき後述する惰行制御開始条件が成立したとする。惰行制御開始により、クラッチが断に制御され、エンジン回転数142がアイドル回転数に制御される。車両は惰行制御走行することになる。その後、アクセルペダルの踏み込みがなくなってアクセル開度が0%になるか又はその他の惰行制御終了条件が成立したとする。惰行制御終了により、エンジンが回転合わせ制御され、クラッチが接に制御される。この例では、アクセル開度が0%であるので、エンジンブレーキの状態となり、車両は減速される。
惰行制御が行われなかったとすると、惰行制御の実行期間の間、破線のようにエンジン回転数が高いまま維持されることになるので、燃料が無駄に消費されるが、惰行制御が行われることで、惰行制御中はエンジン回転数142がアイドル回転数となり燃料が節約される。
図6に惰行制御判定マップ2をグラフイメージで示す。
惰行制御判定マップ2は、横軸をアクセル開度とし、縦軸をクラッチ回転数とするマップである。惰行制御判定マップ2は、エンジン出力トルクが負となるマイナス領域MAと、エンジン出力トルクが正となるプラス領域PAとに分けることができる。マイナス領域MAは、エンジン要求トルクよりもエンジンのフリクションが大きく、エンジン出力トルクが負となる領域である。プラス領域PAは、エンジン要求トルクがエンジンのフリクションよりも大きいため、エンジン出力トルクが正となる領域である。マイナス領域MAとプラス領域PAの境界となるエンジン出力トルクゼロ線ZLは、背景技術で述べたようにエンジンが外部に対して仕事をせず、燃料が無駄に消費されている状態を示している。
本実施形態では、惰行制御判定マップ2のエンジン出力トルクゼロ線ZLよりやや左(アクセル開度が小さい側)に惰行制御しきい線TLが設定される。惰行制御判定マップ2には、マイナス領域MAとプラス領域PAとの間に惰行制御しきい線TLを含む有限幅の惰行制御可能領域CAが設定される。惰行制御判定マップ2には、クラッチ回転数の下限しきい線ULが設定されている。下限しきい線ULは、アクセル開度とは無関係にクラッチ回転数の下限しきい値を規定したものである。下限しきい線ULは、アイドル状態におけるクラッチ回転数よりも図示のようにやや上に設定される。
惰行制御装置1は、次の4つの惰行開始条件が全て成立したとき、惰行制御を開始するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲内
(2)惰行制御判定マップ2においてクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御しきい線TLをアクセル戻し方向で通過
(3)惰行制御判定マップ2へのプロット点が惰行制御可能領域CA内
(4)惰行制御判定マップ2においてクラッチ回転数が下限しきい線UL以上
惰行制御装置1は、次の2つの惰行終了条件がひとつでも成立したとき、惰行制御を終了するようになっている。
(1)アクセルペダルの操作速度がしきい値範囲外
(2)惰行制御判定マップ2へのプロット点が惰行制御可能領域CA外
惰行制御判定マップ2と惰行開始条件、惰行終了条件に従う惰行制御装置1の動作を説明する。
惰行制御実行部3は、アクセルペダル操作量に基づくアクセル開度と、インプットシャフト回転数又は車速から求めたクラッチ回転数とを常に監視し、図6の惰行制御判定マップ2上に、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点をプロットする。時間の経過に伴い座標点が移動する。このとき、座標点が惰行制御可能領域CA内に存在する場合、惰行制御実行部3は、惰行制御を開始するか否かの判定を行うようになる。座標点が惰行制御可能領域CA内に存在しない場合、惰行制御実行部3は、惰行制御を開始するか否かの判定を行わない。
次に、座標点が惰行制御しきい線TLをアクセル開度が減少する方向に通過すると、惰行制御実行部3は、惰行制御を開始する。すなわち、惰行制御装置1は、クラッチを断に制御すると共に、ECM122がエンジンに指示する制御アクセル開度をアイドル相当に制御する。これにより、クラッチは断となり、エンジンはアイドル状態になる。
図6に座標点の移動方向を矢印で示したように、アクセル開度が減少する方向とは、図示左方向である。もし、座標点が惰行制御しきい線TLを通過しても、座標点の移動方向が図示右方向の成分を有する場合、アクセル開度は増加するので、惰行制御実行部3は、惰行制御を開始しない。
惰行制御実行部3は、惰行制御を開始した後も、アクセル開度とクラッチ回転数とを常に監視し、惰行制御判定マップ2に、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点をプロットする。座標点が惰行制御可能領域CAから外に出たとき、惰行制御実行部3は、惰行制御を終了する。
以上の動作により、アクセルペダルが踏み込み側に操作されているときは、アクセル開度とクラッチ回転数の座標点が惰行制御しきい線TLを通過しても惰行制御が開始されず、アクセルペダルが戻し側に操作されているときのみ、座標点が惰行制御しきい線TLを通過することで惰行制御が開始されるので、運転者は、違和感がなくなる。
惰行制御実行部3は、座標点が下限しきい線ULよりも下に存在する(クラッチ回転数が下限しきい値より低い)ときは、惰行制御を開始しない。これは、エンジンがアイドル状態のときにクラッチを断にしても燃料消費を抑える効果が多くは期待できないからである。よって、惰行制御実行部3は、座標点が下限しきい線ULよりも上に存在するときのみ、惰行制御を開始することになる。
図7により、惰行制御による燃費削減効果を説明する。
まず、惰行制御を行わないものとする。エンジン回転数は、約30sから約200sまでの間、1600〜1700rpmの範囲で遷移しており、約200sから約260sまでの間に、約1700rpmから約700rpm(アイドル回転数)へ低下している。
エンジントルクは、約30sから約100sまでの間に増加しているが、その後、減少に転じ、約150sまで減少を続けている。エンジントルクは、約150sから約160sまでほぼ0Nmであり、約160sから約200sまでの間に増加するが、約200sにてほぼ0Nmになる。結果的に、エンジントルクがほぼ0Nmとなる期間は、約150sから約160sまで(楕円B1)、約200sから約210sまで(楕円B2)、約220sから約260sまで(楕円B3)の3箇所である。
燃料消費量(縦軸目盛りなし;便宜上、エンジントルクと重なるように配置してある)は、約50sから約200sまではエンジントルクの遷移にほぼ随伴して変化している。エンジントルクがほぼ0Nmであっても、燃料消費量は0ではない。
ここで、惰行制御を行うものとすると、エンジントルクがほぼ0Nmとなる期間において、エンジン回転数がアイドル回転数に制御されることになる。グラフには、惰行制御を行わないエンジン回転数の線(実線)から別れるように惰行制御時のエンジン回転数の線(太い実線)が示される。惰行制御は、楕円B1,B2,B3の3回にわたり実行された。この惰行制御が行われた期間における燃料消費量は、惰行制御を行わない場合の燃料消費量を下回っており、燃料消費が節約されたことが分かる。
次に、惰行制御判定マップ2の具体的な設定例を説明する。
図8に示されるように、惰行制御判定マップ2を作成するために、アクセル開度とクラッチ回転数の特性を実測し、横軸をアクセル開度とし縦軸をクラッチ回転数(=エンジン回転数;クラッチ接のとき)としたグラフを作成する。これにより、実測したエンジン出力トルクゼロ線ZLを描くことができる。エンジン出力トルクゼロ線ZLよりも左側全体がマイナス領域MAであり、右側全体がプラス領域PAである。
エンジン出力トルクゼロ線ZLのやや左側に惰行制御しきい線TLを定義して描く。惰行制御しきい線TLのやや左側に減速ゼロしきい線TLgを推測して描く。エンジン出力トルクゼロ線ZLのやや右側に加速ゼロしきい線TLkを推測して描く。減速ゼロしきい線TLgと加速ゼロしきい線TLkに挟まれた領域を惰行制御可能領域CAと定義する。下限しきい線ULは、この例では、880rpmに設定する。
なお、減速ゼロしきい線TLg、加速ゼロしきい線TLkは、運転者が運転しづらくない程度に設定するが、人間の感覚の問題であるため設計では数値化できないので、実車でチューニングする。惰行制御しきい線TLは、減速ゼロしきい線TLgと加速ゼロしきい線TLkの中央に設定する。
以上のように作成した図8のグラフを適宜に数値化(離散化)して記憶素子に書き込むことにより、惰行制御実行部3がその演算処理に利用可能な惰行制御判定マップ2が得られる。
次に、本発明の惰行制御装置1における回転合わせ制御とクラッチ強制接制御について図9を参照しつつ説明する。
惰行制御実行部3が惰行制御を終了すると、ただちに回転合わせ制御部4が回転合わせ制御を開始する。回転合わせ制御は、アイドル回転数まで低下していたエンジン回転数を上昇させ、エンジン回転数がクラッチ回転数に対して接許容範囲内になるとクラッチを接する制御である。このとき、クラッチ強制接制御部5は、惰行制御終了時のアクセルペダル操作加速度に反比例させて回転合わせ制限時間を設定し、回転合わせ制御が開始されてから回転合わせ制限時間が経過すると、エンジン回転数にかかわらずクラッチを強制的に接することになる。
図9の手順は、開始から終了までが繰り返し実行される。ステップS1にて、回転合わせ中かどうか判定し、YESであればステップS2へ進む。NOの場合は終了となる。
ステップS2では、次式(1)により、エンジン回転数Vとクラッチ回転数Vcの差により回転数差dVを求める。ここで、クラッチ回転数Vcは、現在の車速に相当するエンジン回転数であり、車速と現在ギア段のギア比とから求めてもよい。
dV=V−Vc (1)
次いで、ステップS3では、回転数差dVが接許容値α以下かどうか判定する。接許容値αは、クラッチを接にしても運転者に衝撃が感じられないようにあらかじめ実験により設定した値である。回転数差dVが接許容値α以下であれば、クラッチを接にしてもよいので、YESであれば回転合わせを終了するものとし図9の手順を終了する。NOであれば、回転数差dVが接許容値αより大きいので、エンジン回転数がさらに上昇するのを待つべく、ステップS4へ進む。
ステップS4にて、惰行制御終了時に記憶しておいたアクセルペダル操作加速度(アクセル開度加速度)Aaを読み出す。アクセルペダル操作加速度Aaは、アクセルペダル操作量(ストローク)から2回微分により求めたものである。このアクセルペダル操作加速度Aaを用いて、次式(2)により回転合わせ制限時間Tlimを求める。これにより、アクセルペダル操作加速度Aaが大きいときには回転合わせ制限時間Tlimが短くなり、アクセルペダル操作加速度Aaが小さいときは回転合わせ制限時間Tlimが長くなる。K1は実験により設定した係数である。
Tlim=K1/Aa (2)
次いで、ステップS5にて、回転合わせ経過時間Tを演算する。回転合わせ経過時間Tは、惰行制御終了時に記憶しておいた惰行制御終了時刻を現在時刻から引くことにより行う。次いで、ステップS6にて、回転合わせ経過時間Tが回転合わせ制限時間Tlim以上であるかどうか判定する。NOの場合、回転合わせ制限時間Tlimが経過していないので、回転合わせを続行するものとし、終了する。YESの場合、回転数差dVが接許容値αより大きいまま回転合わせ制限時間Tlimが経過したことになる。このときは、回転合わせを終了するものとし図9の手順を終了する。回転合わせを終了することにより、エンジン回転数によらず強制的にクラッチが接に制御される。
本発明の惰行制御装置1の効果を図10と図11の比較対照により説明する。
図10に示されるように、本発明を適用しない惰行制御装置において、クラッチが断されている惰行制御(#101)中に、アクセルペダルが比較的小さいアクセルペダル操作加速度で操作されたとする(#102)。アクセルペダル操作速度がしきい値を越えたことにより前述の惰行終了条件が成立して、惰行制御が終了する(#103)。ただちに、回転合わせが開始され(#104)、エンジン回転数が上昇する(#105)。エンジン回転数がクラッチ回転数に一致(接許容範囲内に到達)すると(#106)、クラッチ接が開始される(#107)。その結果、クラッチが接となる(#108)。このタイミングチャートにおいては、アクセルペダルが比較的大きいアクセルペダル操作加速度で操作されたとしても、クラッチ回転数が同じであれば、惰行制御の終了#103からクラッチ接#108までの時間は同じである。惰行制御の終了#103からクラッチ接#108までの時間(あるいはアクセルペダルを踏み始めてからクラッチ接#108までの時間)は、車両の加速が始まらないため、運転者にとって空走感が感じられる空走時間となる。
図11に示されるように、本発明の惰行制御装置1において、クラッチが断されている惰行制御(#111)中に、アクセルペダルが比較的大きいアクセルペダル操作加速度Aaで操作されたとする(#112)。アクセルペダル操作速度がしきい値を越えたことにより前述の惰行終了条件が成立して、惰行制御が終了する(#113)。ただちに、回転合わせが開始され(#114)、エンジン回転数が上昇する(#115)。しかし、エンジン回転数がクラッチ回転数に一致(接許容範囲内に到達)する前に、回転合わせ制限時間Tlimが経過したため(#116)、クラッチ接が開始される(#117)。その結果、クラッチが接となる(#118)。惰行制御の終了#113からクラッチ接#118までの時間(あるいはアクセルペダルを踏み始めてからクラッチ接#118までの時間)は、車両の加速が始まらないため、運転者にとって空走感が感じられる空走時間となる。しかし、同一尺度で描かれた図10に比べると、回転合わせを行っている時間が短縮されているため、空走時間が短縮されていることが分かる。アクセルペダル操作加速度Aaがさらに大きければ、回転合わせ制限時間Tlimがさらに短くなり、回転合わせを行っている時間が短縮されるので、空走時間がいっそう短縮される。
以上説明したように、本発明の惰行制御装置1によれば、惰行制御終了時のアクセルペダル操作加速度Aaに反比例させて回転合わせ制限時間Tlimを設定し、回転合わせ制御が開始されてから回転合わせ制限時間Tlimが経過すると、エンジン回転数にかかわらずクラッチを接するようにしたので、空走時間が短縮される。これにより、惰行制御中に運転者が急加速しようとしてアクセルペダル操作を急に(=アクセルペダル操作加速度大で)操作したとき、その急加速意志に対して車両が応答性よく加速することになり、惰行制御から急加速に入るときの運転者の違和感が減少する。
本発明の惰行制御装置1によれば、アクセルペダル操作加速度に反比例させて回転合わせ制限時間Tlimを設定するので、アクセルペダル操作が急であればあるほど、空走時間が短縮される。このとき、クラッチ回転数Vcに対するエンジン回転数Vの回転数差dVが大きいために多少はクラッチ接時の衝撃が感じられるが、運転者は、急加速意志を持っているので、違和感を催すには至らない。逆に、アクセルペダル操作がゆっくりのときは、回転合わせ制限時間Tlimは長く設定されるので、クラッチ回転数Vcに対するエンジン回転数Vの回転数差dVが小さくなってから、場合によっては回転数差dVが接許容値α以下になってクラッチが接になり、運転者が望む通りの落ち着いた加速が実現される。
1 惰行制御装置
2 惰行制御判定マップ
3 惰行制御実行部
4 回転合わせ制御部
5 クラッチ強制接制御部

Claims (1)

  1. クラッチ回転数とアクセル開度で参照される惰行制御判定マップと、
    前記惰行制御判定マップへのクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御可能領域内にあって、アクセルペダル操作速度が所定範囲内にて、かつクラッチ回転数とアクセル開度のプロット点が惰行制御しきい線をアクセル開度減少方向に通過したとき、クラッチを断すると共にエンジン回転数を低下させて惰行制御を開始し、アクセルペダル操作速度が所定範囲外となったか又はプロット点が惰行制御可能領域外に出たとき惰行制御を終了する惰行制御実行部と、
    惰行制御終了時にクラッチ回転数に対して接許容範囲内までエンジン回転数を上昇させてからクラッチを接する回転合わせ制御部と、
    前記惰行制御終了時のアクセルペダル操作加速度に反比例させて回転合わせ制限時間を設定し、回転合わせ制御が開始されてから回転合わせ制限時間が経過すると、エンジン回転数にかかわらずクラッチを接するクラッチ強制接制御部とを備えたことを特徴とする惰行制御装置。
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