JP5461668B1 - 二次電池管理装置、満充電容量算出方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】二次電池の満充電容量を精度良く推定する。
【解決手段】満充電容量算出部109は、二次電池の充放電量が、その両端電圧の検出における誤差によって生じ得る充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるときに、基準時刻からそのときまでにおける二次電池の充電率の変化量と、基準時刻からそのときまでの間に二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算した電流積算値とに基づいて、二次電池の満充電容量を算出する。
【選択図】図1
【解決手段】満充電容量算出部109は、二次電池の充放電量が、その両端電圧の検出における誤差によって生じ得る充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるときに、基準時刻からそのときまでにおける二次電池の充電率の変化量と、基準時刻からそのときまでの間に二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算した電流積算値とに基づいて、二次電池の満充電容量を算出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、二次電池の管理を行う二次電池管理装置、満充電容量算出方法、及びプログラムに関する。
リチウム電池や鉛蓄電池などの二次電池を最大限に活用するためには、二次電池の充電率(SOC:State Of Charge)を精度良く推定する必要がある。ところで、二次電池は継続使用によって劣化し、劣化によりその内部抵抗が増大し、また満充電容量が減少する。二次電池のSOCを推定する方法の1つに、二次電池に流入出する電流の積算値を満充電容量で除算し、100%を乗算する方法があるが、この方法を用いてSOCを推定する場合、満充電容量の誤差により、推定したSOCにも誤差が及ぶこととなる。また、二次電池のSOCを推定する方法の1つに、二次電池の開放電圧(二次電池に流入出する電流が停止し、二次電池の電圧変動が納まった時の二次電池電圧)の推定値からSOCを推定する方法があるが、この方法を用いてSOCを推定する場合、二次電池の電圧の検出の誤差や内部抵抗の誤差により、開放電圧の推定値に誤差が生じ、推定したSOCにも誤差が及ぶこととなる。
そこで、特許文献1には、所定の時間の間における電流の積算値を当該所定の時間の間におけるSOCの変化量で除算することにより充電率の1%あたりの電流積算値を求め、これに100%を乗算することで、二次電池の満充電容量を推定する発明が開示されている。
しかしながら、二次電池の満充電容量の推定に、電圧に基づいて推定されたSOCを用いる場合、二次電池の電圧の検出に誤差が含まれていると、当該誤差によって満充電容量の推定精度が低くなってしまうという問題がある。
本発明の目的は、上述した課題を解決する二次電池管理装置、満充電容量算出方法、及びプログラムを提供することにある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、所定の基準時刻から所定の満充電容量算出条件を満たすまでの間、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算して電流積算値を算出する電流積算部と、前記二次電池の両端電圧に基づいて推定された前記二次電池の開放電圧に基づいて、当該二次電池の充電率を推定する充電率推定部と、前記基準時刻に前記充電率推定部が推定した充電率と、前記満充電容量算出条件を満たしたときに前記充電率推定部が推定した充電率とに基づいて、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでにおける充電率の変化量(充電率変化量と呼称する場合もある)を算出する充電率変化量算出部と、前記充電率変化量算出部が算出した充電率の変化量と前記電流積算値とに基づいて、前記二次電池の満充電容量を算出する満充電容量算出部とを備え、前記満充電容量算出条件には、前記二次電池の充放電量が、前記両端電圧の検出における誤差によって生じ得る前記充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるという条件が含まれることを特徴とする二次電池管理装置である。
また、本発明において前記満充電容量算出条件には、前記基準時刻から前記電流値の検出において生じ得る誤差の積算値が無視できる程度に小さくなるのに十分な時間が経過しているという条件が含まれることを特徴とする。
また、本発明において前記満充電容量算出部は、前記電流積算値から推定される充電率の変化量と前記充電率変化量算出部が算出した充電率の変化量との差が最小となる満充電容量を、前記二次電池の満充電容量として算出することを特徴とする。
また、本発明において前記充電率推定部は、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでに前記充電率を複数回推定し、前記充電率変化量算出部は、前記充電率推定部が推定した各時刻における充電率に基づいて充電率の変化率を算出し、算出した変化率に、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでの時間を乗算することで、前記充電率の変化量を算出することを特徴とする。
また、本発明において前記充電率推定部は、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでに前記充電率を複数回推定し、前記充電率変化量算出部は、前記充電率推定部が推定した各時刻における充電率を平滑化し、当該平滑化した充電率に基づいて前記充電率の変化量を算出することを特徴とする。
また、本発明において前記充放電量は、前記電流積算値であることを特徴とする。
また、本発明において前記充放電量は、前記充電率推定部が推定する充電率の変化量であることを特徴とする。
また、本発明において前記満充電容量算出条件には、所定の電流静定時間の間継続して前記二次電池に充放電される電流から検出された電流値が所定の閾値以下であるという条件が含まれることを特徴とする。
また、本発明において前記満充電容量算出条件には、所定の充放電静定時間の間における前記二次電池の単位時間当たりの充放電量が所定の閾値以内であるという条件が含まれることを特徴とする。
また、本発明は、所定の基準時刻から所定の満充電容量算出条件を満たすまでの間、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算して電流積算値を算出するステップと、前記二次電池の両端電圧に基づいて推定された前記二次電池の開放電圧に基づいて、当該二次電池の充電率を推定するステップと、前記基準時刻に推定した充電率と、前記満充電容量算出条件を満たしたときに推定した充電率とに基づいて、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでにおける充電率の変化量を算出するステップと、前記充電率の変化量と前記電流積算値とに基づいて、前記二次電池の満充電容量を算出するステップとを備え、前記満充電容量算出条件には、前記二次電池の充放電量が、前記両端電圧の検出における誤差によって生じ得る前記充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるという条件が含まれることを特徴とする満充電容量算出方法である。
また、本発明は、コンピュータを、所定の基準時刻から所定の満充電容量算出条件を満たすまでの間、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算して電流積算値を算出する電流積算部、前記二次電池の両端電圧に基づいて推定された前記二次電池の開放電圧に基づいて、当該二次電池の充電率を推定する充電率推定部、前記基準時刻に前記充電率推定部が推定した充電率と、前記満充電容量算出条件を満たしたときに前記充電率推定部が推定した充電率とに基づいて、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでにおける充電率の変化量を算出する充電率変化量算出部、前記充電率変化量算出部が算出した充電率の変化量と前記電流積算値とに基づいて、前記二次電池の満充電容量を算出する満充電容量算出部として機能させ、前記満充電容量算出条件には、前記二次電池の充放電量が、前記両端電圧の検出における誤差によって生じ得る前記充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるという条件が含まれることを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、二次電池の充放電量が、電圧の検出における誤差によって生じ得る充放電量の誤差より大きい所定の閾値以上である場合に、二次電池の満充電容量の推定を行う。これにより、推定された二次電池の満充電容量における、電圧の検出における誤差の影響を小さくすることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
《第1の実施形態》
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態による二次電池管理装置100は、インピーダンス推定部101、インピーダンス電圧推定部102、開放電圧推定部103、充電率推定部104、充電率記憶部105、電流積算部106、条件判定部107、充電率変化量算出部108、満充電容量算出部109を備える。
《第1の実施形態》
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第1の実施形態による二次電池管理装置100は、インピーダンス推定部101、インピーダンス電圧推定部102、開放電圧推定部103、充電率推定部104、充電率記憶部105、電流積算部106、条件判定部107、充電率変化量算出部108、満充電容量算出部109を備える。
インピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度及び充電率に基づいて二次電池の内部インピーダンス値を推定する。具体的には、インピーダンス推定部101は、温度と充電率とに関連付けて、インピーダンス値を複数(例えば、直流抵抗や並列回路部の並列抵抗と静電容量など)記憶しており、実測温度及び充電率に関連付けられたインピーダンス値を、二次電池の内部インピーダンス値として推定する。なお、内部インピーダンス値の推定に用いる充電率は、充電率推定部104が推定した充電率でも良いし、他の方法で求められた充電率(例えば、二次電池に充放電される電流の積算値に基づいて算出される充電率)であっても良い。
インピーダンス電圧推定部102は、二次電池の充放電電流の実測電流値と二次電池のインピーダンス推定部101が推定した内部インピーダンス値とに基づいて、インピーダンス電圧を算出する。具体的には、インピーダンス電圧推定部102は、実測電流値と内部インピーダンス値を用いて電気回路の方程式を計算することによりインピーダンス電圧を推定する。
図2は、二次電池の内部抵抗のモデルの例を示す図である。
例えば、二次電池の内部抵抗のモデルとして、図2(A)のような回路構成が挙げられる。図2(A)に示す内部抵抗のモデルは、セル開放電圧OCVに対して、直流抵抗DCRと、並列回路部とが直列に接続されている。並列回路部は、並列に接続された分極抵抗ACRと分極キャパシタンスACCとを備える回路である。なお、直流抵抗DCR、分極抵抗ACR、分極キャパシタンスACCのインピーダンス値は、図2(B)に示すように、二次電池の温度と充電率とインピーダンス値とを関連付けたデータテーブルから読み出す。
図2(A)に示す内部抵抗のモデルを用いる場合、インピーダンス電圧VZ[V]はsをラプラス演算子として式(1)のように算出する。
例えば、二次電池の内部抵抗のモデルとして、図2(A)のような回路構成が挙げられる。図2(A)に示す内部抵抗のモデルは、セル開放電圧OCVに対して、直流抵抗DCRと、並列回路部とが直列に接続されている。並列回路部は、並列に接続された分極抵抗ACRと分極キャパシタンスACCとを備える回路である。なお、直流抵抗DCR、分極抵抗ACR、分極キャパシタンスACCのインピーダンス値は、図2(B)に示すように、二次電池の温度と充電率とインピーダンス値とを関連付けたデータテーブルから読み出す。
図2(A)に示す内部抵抗のモデルを用いる場合、インピーダンス電圧VZ[V]はsをラプラス演算子として式(1)のように算出する。
VZ={DCR+ACR/(1+s(ACC×ACR))}×I ・・・(1)
開放電圧推定部103は、二次電池の両端電圧の実測値と、インピーダンス電圧推定部102が推定したインピーダンス電圧とに基づいて、両端電圧からインピーダンス電圧を減算することにより、二次電池の開放電圧を推定する。
充電率推定部104は、開放電圧推定部103が推定した二次電池の開放電圧と二次電池の実測温度とに基づいて充電率を推定する。具体的には、充電率推定部104は、電池温度と開放電圧とに関連付けて二次電池の充電率を複数記憶しており、実測温度及び開放電圧に関連付けられた充電率を、二次電池の充電率として推定する。
充電率記憶部105は、充電率推定部104が推定した充電率を、推定時刻に関連付けて時系列に記憶する。
充電率記憶部105は、充電率推定部104が推定した充電率を、推定時刻に関連付けて時系列に記憶する。
電流積算部106は、二次電池に充放電される電流を検出した実測電流値を積算する。なお、電流積算部106は、電流値の積算の際、電流値を測定する機器によるオフセットやゲインなどの誤差成分を除去する。つまり、本実施形態において電流値に含まれる誤差とは、ランダムノイズによるものである。
条件判定部107は、満充電容量算出部109が満充電容量の算出をする条件である満充電容量算出条件が満たされた否かを判定する。満充電容量算出条件とは、電流積算部106によって積算された電流積算値が、所定の閾値Δq以上でなっており、かつ、電流積算部106が電流値の積算を開始した時刻(以下、基準時刻という)からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。ここで、閾値Δqとは、二次電池の両端電圧の検出における誤差によって、充電率変化量算出部108が算出する充電率変化量に生じ得る誤差の最大値に相当する電流量より大きい値である。また、閾値Δτとは、電流の検出において生じ得る誤差の積算値が無視できる程度に小さくなるのに十分な時間である。
充電率変化量算出部108は、満充電容量算出条件が満たされたとき、基準時刻から現在時刻までにおける二次電池の充電率の変化量を算出する。具体的には、充電率変化量算出部108は、充電率記憶部105が基準時刻から現在時刻までの間の時刻に関連付けられた充電率を時系列に平滑化し、当該平滑化した充電率の平均変化率を算出して、当該平均変化率に、基準時刻から現在時刻までの時間を乗じることで、二次電池の充電率の変化量を算出する。
満充電容量算出部109は、満充電容量算出条件が満たされたとき、充電率変化量算出部108が算出した二次電池の充電率の変化量と電流積算部106が積算した電流積算値とに基づいて、二次電池の満充電容量を算出する。具体的には、満充電容量算出部109は、電流積算値を充電率の変化量で除算することで、充電率の1%当たりの電流積算値を求め、これに100%を乗算することで満充電容量を算出する。
二次電池管理装置100は、上記構成を備えることで推定した二次電池の満充電容量における誤差を小さくすることができる。
図3は、本発明の第1の実施形態による満充電容量算出方法を示すフローチャートである。
二次電池管理装置100が二次電池の満充電容量の算出処理を開始すると、まずインピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度と充電率とに基づいて、二次電池の内部インピーダンス値を推定する(ステップS1)。具体的には、インピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度と、前回の処理において充電率推定部104が推定した充電率とに基づいて、これら実測温度と充電率とに対応するインピーダンス値を、予め温度と充電率とに関連付けて記憶していたインピーダンス値から読み出すことで、内部インピーダンス値を推定する。
二次電池管理装置100が二次電池の満充電容量の算出処理を開始すると、まずインピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度と充電率とに基づいて、二次電池の内部インピーダンス値を推定する(ステップS1)。具体的には、インピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度と、前回の処理において充電率推定部104が推定した充電率とに基づいて、これら実測温度と充電率とに対応するインピーダンス値を、予め温度と充電率とに関連付けて記憶していたインピーダンス値から読み出すことで、内部インピーダンス値を推定する。
なお、二次電池の実測温度が、インピーダンス値に関連付けられた温度と相違する場合(例えば中間値である場合)や、充電率が、インピーダンス値に関連付けられた充電率と相違する場合、インピーダンス推定部101は、線形補間等の補間を行って推定インピーダンス値を求める。
次に、インピーダンス電圧推定部102は、二次電池の実測電流値とインピーダンス推定部101が推定したインピーダンス値とを乗算することにより、インピーダンス電圧を算出する(ステップS2)。次に、開放電圧推定部103は、二次電池の両端電圧の実測値からインピーダンス電圧推定部102が推定したインピーダンス電圧を減算することにより、二次電池の開放電圧を推定する(ステップS3)。
次に、充電率推定部104は、二次電池の実測温度及び開放電圧推定部103が推定した開放電圧に基づいて充電率を推定する(ステップS4)。具体的には、充電率推定部104は、温度及び電圧に関連付けて充電率を記憶しておき、二次電池の実測温度と開放電圧推定部103が推定した開放電圧とに関連付けられた充電率を読み出し、当該充電率を、二次電池の充電率であると推定する。そして、充電率推定部104は、推定した充電率を現在時刻に関連付けて充電率記憶部105に記録する(ステップS5)。
なお、二次電池の実測温度が充電率に関連付けられた温度と相違する場合や、開放電圧推定部103が推定した開放電圧値が充電率に関連付けられた開放電圧と相違する場合、充電率推定部104は、線形補間等の補間を行って充電率を求める。
なお、二次電池の実測温度が充電率に関連付けられた温度と相違する場合や、開放電圧推定部103が推定した開放電圧値が充電率に関連付けられた開放電圧と相違する場合、充電率推定部104は、線形補間等の補間を行って充電率を求める。
なお、二次電池管理装置100が管理対象とする二次電池が複数のセルよりなる組電池である場合、二次電池の両端電圧値は複数検出される。この場合、セル電圧の最大値、最小値、平均値、中間値、その他の代表値を、二次電池の両端電圧値として用いる。
また、電流積算部106は、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算する(ステップS6)。具体的には、電流積算部106は、実測電流値に前回ステップS6の処理を実行した時刻から現在時刻までの時間を乗じた値を、前回ステップS6の処理を実行することで得られた電流積算値に加算することで、電流積算値を算出する。
次に、条件判定部107は、二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、まず条件判定部107は、基準時刻からの経過時間が、所定の閾値Δτに至っているか否かを判定する(ステップS7)。なお、閾値Δτとは、電流の検出において生じ得る誤差の積算値が無視できる程度に小さくなるのに十分な時間である。
経過時間が閾値Δτに至っている場合(ステップS7:YES)、条件判定部107は、電流積算部106が積算した電流値が閾値Δq以上であるか否かを判定する(ステップS8)。なお、閾値Δqとは、二次電池の両端電圧の検出における誤差によって、充電率変化量算出部108が算出する充電率変化量に生じ得る誤差の最大値に相当する電流量より十分に大きい値である。
経過時間が閾値Δτに至っていない場合(ステップS7:NO)、または電流積算値が閾値Δq未満である場合(ステップS8:NO)、すなわち二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしていない場合、ステップS1に戻り、次の時刻における充電率の推定及び電流値の積算を行う。
他方、経過時間が閾値Δτに至っており、かつ電流積算値が閾値Δq以上である場合(ステップS8:YES)、すなわち二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしている場合、充電率変化量算出部108は、充電率記憶部105が記憶する、基準時刻から現在時刻までの充電率を時系列に平滑化する(ステップS9)。具体的には、充電率変化量算出部108は、充電率記憶部105が記憶する充電率に対して移動平均演算などの平滑化処理を実行することで、充電率の平滑化を行う。
次に、充電率変化量算出部108は、平滑化した充電率の平均変化率を算出する(ステップS10)。具体的には、充電率変化量算出部108は、平滑化した充電率を一次直線で近似し、当該直線の傾きを平均変化率として算出する。次に、充電率変化量算出部108は、算出した平均変化率に、基準時刻から現在時刻までの経過時間を乗算することで、充電率の変化量を算出する(ステップS11)。このように、充電率変化量算出部108は、各時刻における充電率の平滑化を行い、さらに平均変化率を算出することで、実測電圧の誤差などによって生じる充電率の変化量のノイズを小さくすることができる。そして、充電率変化量算出部108は、算出した充電率の変化量を満充電容量算出部109に出力し、充電率記憶部105が記憶する充電率の情報をリセットする。
また、二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしている場合、電流積算部106は、基準時刻から現在時刻までの電流積算値を満充電容量算出部109に出力し、電流積算値を0にリセットする。次に、満充電容量算出部109は、充電率変化量算出部108が出力した充電率変化量と電流積算部106が出力した電流積算値とに基づいて、二次電池の満充電容量を推定する(ステップS12)。具体的には、満充電容量算出部109は、電流積算値を充電率変化量で除算することにより、充電率の1%当たりの電流積算値[Ah/%]を求め、これに100%を乗算することで満充電容量を算出する。
次に、二次電池管理装置100は、満充電容量の算出処理を終了するか否かを判定する(ステップS13)。満充電容量の算出処理は、例えば二次電池の交換や廃棄などにより二次電池の運用を停止するときなどに終了する。二次電池管理装置100が満充電容量の算出処理を終了しないと判定した場合(ステップS13:NO)、現在時刻を基準時刻として、ステップS1に戻り、再度満充電容量の推定処理を実行する。他方、二次電池管理装置100が満充電容量の算出処理を終了すると判定した場合(ステップS13:YES)、当該処理を終了する。
このように、二次電池管理装置100は、満充電容量算出条件を満たしたときに満充電容量の算出を行うため、推定された二次電池の満充電容量の誤差を小さくすることができる。
ここで、本実施形態による二次電池管理装置100によって、推定された二次電池の満充電容量における誤差を小さくすることができる理由を説明する。
上述したように、電流積算値を充電率変化量で除算することにより、充電率の1%当たりの電流積算値[Ah/%]を求め、これに100%を乗算することで満充電容量を算出する場合、時刻nにおける二次電池の満充電容量Qn及び満充電容量の推定誤差ΔQnとの関係は、式(2)に示すとおりである。
上述したように、電流積算値を充電率変化量で除算することにより、充電率の1%当たりの電流積算値[Ah/%]を求め、これに100%を乗算することで満充電容量を算出する場合、時刻nにおける二次電池の満充電容量Qn及び満充電容量の推定誤差ΔQnとの関係は、式(2)に示すとおりである。
但し、n−1は、基準時刻を示す。また、I(t)は、時刻tにおける二次電池の電流値を示し、ΔI(t)は、時刻tにおける二次電池の電流検出誤差を示す。また、SOCtは、時刻tにおける二次電池の充電率を示し、ΔSOCtは、時刻tにおける二次電池の充電率の推定誤差を示す。
また、二次電池の満充電容量Qnの真値は、式(3)に示すとおりである。
上述した式(2)、式(3)から、二次電池の満充電容量Qnの推定誤差は、式(4)に示す値であることが分かる。ただし、誤差は真値より十分小さいものとし、誤差を2乗した値は、真値を2乗した値と比較して無視できるものとする。
式(4)から、二次電池の満充電容量Qnの推定誤差の原因が、基準時刻n−1から時刻nまでの間に蓄積された電流検出誤差∫ΔI(t)dtと、基準時刻n−1と時刻nとにおける電圧検出誤差に起因する充電率変化量の誤差ΔSOCn−ΔSOCn−1にあることが分かる。
ここで、満充電容量算出条件には、基準時刻n−1から、電流の検出において生じ得る誤差の積算値が無視できる程度に小さくなるのに十分な時間である閾値Δτが経過していることが含まれている。したがって、満充電容量算出部109は、満充電容量算出条件を満たすときに満充電容量の算出をすることで、基準時刻n−1から時刻nまでの間に蓄積された電流検出誤差の影響をほとんど受けずに、満充電容量を算出することができる。
また、満充電容量算出条件には、電流積算値が、充電率変化量算出部108が算出する充電率変化量に生じ得る誤差ΔSOCn−ΔSOCn−1の最大値に相当する電流量より十分に大きい値である閾値Δq以上であることが含まれている。したがって、満充電容量算出部109は、満充電容量算出条件を満たすときに満充電容量の算出をすることで、基準時刻n−1と時刻nとにおけるランダムノイズ等による電圧検出誤差の影響をほとんど受けずに、満充電容量を算出することができる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による二次電池管理装置100は、第1の実施形態の条件判定部107に代えて、動作が異なる条件判定部110を備える。
第1の実施形態の条件判定部107の満充電容量算出条件は、電流積算部106によって積算された電流積算値が所定の閾値Δq以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部110の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における電流積算値の変化量が閾値qquiet以内であるという条件を含む。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第2の実施形態による二次電池管理装置100は、第1の実施形態の条件判定部107に代えて、動作が異なる条件判定部110を備える。
第1の実施形態の条件判定部107の満充電容量算出条件は、電流積算部106によって積算された電流積算値が所定の閾値Δq以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部110の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における電流積算値の変化量が閾値qquiet以内であるという条件を含む。
つまり、第2の実施形態による二次電池管理装置100は、所定時間の間、二次電池に充放電される電流が十分に小さいとき、すなわち二次電池が静定状態にあることが推定されるときに、満充電容量の算出を行う。二次電池の開放電圧は、運用状態より静定状態のほうが正確に算出することができることから、二次電池が静定状態にあるときに二次電池の満充電容量を算出することで、精度良く満充電容量の推定を行うことができる。
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による二次電池管理装置100は、第1の実施形態の条件判定部107に代えて、動作が異なる条件判定部111を備える。
第1の実施形態の条件判定部107の満充電容量算出条件は、電流積算部106によって積算された電流積算値が所定の閾値Δq以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部111の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における実測電流値が継続して閾値Iquiet以下であるという条件を含む。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第3の実施形態による二次電池管理装置100は、第1の実施形態の条件判定部107に代えて、動作が異なる条件判定部111を備える。
第1の実施形態の条件判定部107の満充電容量算出条件は、電流積算部106によって積算された電流積算値が所定の閾値Δq以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部111の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における実測電流値が継続して閾値Iquiet以下であるという条件を含む。
つまり、第3の実施形態による二次電池管理装置100は、第2の実施形態と同様に、二次電池が静定状態にあることが推定されるときに、満充電容量の算出を行う。これにより二次電池管理装置100は、精度良く満充電容量の推定を行うことができる。
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第4の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による二次電池管理装置100は、第1の実施形態の条件判定部107に代えて、動作が異なる条件判定部112を備える。
第1の実施形態の条件判定部107は、満充電容量算出条件に、電流積算部106によって積算された電流積算値が所定の閾値Δq以上でなっていることを含むものであったが、条件判定部112の満充電容量算出条件は、これに代えて、充電率変化量算出部108によって算出された充電率変化量が所定の閾値ΔSOC以上でなっていることを含む。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図6は、本発明の第4の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態による二次電池管理装置100は、第1の実施形態の条件判定部107に代えて、動作が異なる条件判定部112を備える。
第1の実施形態の条件判定部107は、満充電容量算出条件に、電流積算部106によって積算された電流積算値が所定の閾値Δq以上でなっていることを含むものであったが、条件判定部112の満充電容量算出条件は、これに代えて、充電率変化量算出部108によって算出された充電率変化量が所定の閾値ΔSOC以上でなっていることを含む。
図7は、本発明の第4の実施形態による満充電容量算出方法を示すフローチャートである。
二次電池管理装置100が二次電池の満充電容量の算出処理を開始すると、まずインピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度と充電率とに基づいて、二次電池の内部インピーダンス値を推定する(ステップS21)。次に、インピーダンス電圧推定部102は、二次電池の実測電流値とインピーダンス推定部101が推定したインピーダンス値に基づいて、インピーダンス電圧を算出する(ステップS22)。次に、開放電圧推定部103は、二次電池の両端電圧の実測値からインピーダンス電圧推定部102が推定したインピーダンス電圧を減算することにより、二次電池の開放電圧を推定する(ステップS23)。
二次電池管理装置100が二次電池の満充電容量の算出処理を開始すると、まずインピーダンス推定部101は、二次電池の実測温度と充電率とに基づいて、二次電池の内部インピーダンス値を推定する(ステップS21)。次に、インピーダンス電圧推定部102は、二次電池の実測電流値とインピーダンス推定部101が推定したインピーダンス値に基づいて、インピーダンス電圧を算出する(ステップS22)。次に、開放電圧推定部103は、二次電池の両端電圧の実測値からインピーダンス電圧推定部102が推定したインピーダンス電圧を減算することにより、二次電池の開放電圧を推定する(ステップS23)。
次に、充電率推定部104は、二次電池の実測温度及び開放電圧推定部103が推定した開放電圧に基づいて充電率を推定する(ステップS24)。そして、充電率推定部104は、推定した充電率を現在時刻に関連付けて充電率記憶部105に記録する(ステップS25)。次に、充電率変化量算出部108は、充電率記憶部105が記憶する、基準時刻から現在時刻までの充電率を時系列に平滑化する(ステップS26)。
次に、充電率変化量算出部108は、平滑化した充電率の平均変化率を算出し(ステップS27)、算出した平均変化率に、基準時刻から現在時刻までの経過時間を乗算することで、充電率の変化量を算出する(ステップS28)。
また、電流積算部106は、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算する(ステップS29)。
次に、条件判定部112は、二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしているか否かを判定する。具体的には、まず条件判定部112は、基準時刻からの経過時間が、所定の閾値Δτに至っているか否かを判定する(ステップS30)。
経過時間が閾値Δτに至っている場合(ステップS30:YES)、条件判定部112は、充電率変化量算出部108が算出した充電率変化量が閾値ΔSOC以上であるか否かを判定する(ステップS31)。なお、閾値ΔSOCとは、二次電池の両端電圧の検出における誤差によって、充電率変化量算出部108が算出する充電率変化量に生じ得る誤差の最大値より十分に大きい値である。
経過時間が閾値Δτに至っている場合(ステップS30:YES)、条件判定部112は、充電率変化量算出部108が算出した充電率変化量が閾値ΔSOC以上であるか否かを判定する(ステップS31)。なお、閾値ΔSOCとは、二次電池の両端電圧の検出における誤差によって、充電率変化量算出部108が算出する充電率変化量に生じ得る誤差の最大値より十分に大きい値である。
経過時間が閾値Δτに至っていない場合(ステップS30:NO)、または充電率変化量が閾値ΔSOC未満である場合(ステップS31:NO)、すなわち二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしていない場合、ステップS21に戻り、次の時刻における再度充電率の推定及び電流値の積算を行う。
他方、経過時間が閾値Δτに至っており、かつ充電率変化量が閾値ΔSOC以上である場合(ステップS31:YES)、すなわち二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしている場合、充電率変化量算出部108は、算出した充電率の変化量を満充電容量算出部109に出力し、充電率記憶部105が記憶する充電率の情報をリセットする。また、二次電池の状態が満充電容量算出条件を満たしている場合、電流積算部106は、基準時刻から現在時刻までの電流積算値を満充電容量算出部109に出力し、電流積算値を0にリセットする。
次に、満充電容量算出部109は、充電率変化量算出部108が出力した充電率変化量と電流積算部106が出力した電流積算値とに基づいて、二次電池の満充電容量を推定する(ステップS32)。次に、二次電池管理装置100は、満充電容量の算出処理を終了するか否かを判定する(ステップS33)。二次電池管理装置100が満充電容量の算出処理を終了しないと判定した場合(ステップS33:NO)、現在時刻を基準時刻として、ステップS21に戻り、再度満充電容量の推定処理を実行する。他方、二次電池管理装置100が満充電容量の算出処理を終了すると判定した場合(ステップS33:YES)、当該処理を終了する。
このように、二次電池管理装置100は、上述したように満充電容量算出条件を満たしたときに満充電容量の算出を行うため、推定された二次電池の満充電容量の誤差を小さくすることができる。
《第5の実施形態》
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第5の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による二次電池管理装置100は、第4の実施形態の条件判定部112に代えて、動作が異なる条件判定部113を備える。
第4の実施形態の条件判定部112の満充電容量算出条件は、充電率変化量算出部108によって算出された充電率変化量が所定の閾値ΔSOC以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部113の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における単位時間当たりの充電率変化量が閾値SOCquiet以内であるという条件を含む。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図8は、本発明の第5の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第5の実施形態による二次電池管理装置100は、第4の実施形態の条件判定部112に代えて、動作が異なる条件判定部113を備える。
第4の実施形態の条件判定部112の満充電容量算出条件は、充電率変化量算出部108によって算出された充電率変化量が所定の閾値ΔSOC以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部113の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における単位時間当たりの充電率変化量が閾値SOCquiet以内であるという条件を含む。
つまり、第5の実施形態による二次電池管理装置100は、所定時間の間、二次電池の充電率の変化が十分に小さいとき、すなわち二次電池が静定状態にあることが推定されるときに、満充電容量の算出を行う。二次電池の開放電圧は、運用状態より静定状態のほうが正確に算出することができることから、二次電池が静定状態にあるときに二次電池の満充電容量を算出することで、精度良く満充電容量の推定を行うことができる。
《第6の実施形態》
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第6の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第6の実施形態による二次電池管理装置100は、第4の実施形態の条件判定部112に代えて、動作が異なる条件判定部114を備える。
第4の実施形態の条件判定部112の満充電容量算出条件は、充電率変化量算出部108によって算出された充電率変化量が所定の閾値ΔSOC以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部114の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における実測電流値が継続して閾値Iquiet以下であるという条件を含む。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第6の実施形態による二次電池管理装置100の構成を示す概略ブロック図である。
第6の実施形態による二次電池管理装置100は、第4の実施形態の条件判定部112に代えて、動作が異なる条件判定部114を備える。
第4の実施形態の条件判定部112の満充電容量算出条件は、充電率変化量算出部108によって算出された充電率変化量が所定の閾値ΔSOC以上でなっていることと、基準時刻からの経過時間が所定の閾値Δτ以上となっていることである。他方、条件判定部114の満充電容量算出条件は、これに加え、現在時刻以前の時間τquietの間における実測電流値が継続して閾値Iquiet以下であるという条件を含む。
つまり、第6の実施形態による二次電池管理装置100は、第5の実施形態と同様に、二次電池が静定状態にあることが推定されるときに、満充電容量の算出を行う。これにより二次電池管理装置100は、精度良く満充電容量の推定を行うことができる。
以上、図面を参照してこの発明のいくつかの実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、充電率変化量算出部108が、時系列に記録した充電率を平滑化した後に変化率を求め、当該変化率に基準時刻から現在時刻までの時間を乗じることで、充電率変化量を算出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、充電率変化量算出部108は、基準時刻における平滑化後の充電率と現在時刻における平滑化後の充電率との差分をとることで充電率変化量を算出しても良い。また例えば、充電率変化量算出部108は、充電率の平滑化を行わずに充電率の経時変化を一次直線で近似することで変化率を求め、当該変化率に基準時刻から現在時刻までの時間を乗じることで、充電率変化量を算出しても良い。また例えば、第2、第3、第5または第6の実施形態のように二次電池が静定状態にある場合に満充電容量の算出を行う場合、充電率変化量算出部108は、単に基準時刻における充電率と現在時刻における充電率との差分をとることで充電率変化量を算出しても、精度良く満充電容量の推定を行うことができる。
なお、上述の二次電池管理装置100は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
100…二次電池管理装置 101…インピーダンス推定部 102…インピーダンス電圧推定部 103…開放電圧推定部 104…充電率推定部 105…充電率記憶部 106…電流積算部 107、110、111、112、113、114…条件判定部 108…充電率変化量算出部 109…満充電容量算出部
Claims (11)
- 所定の基準時刻から所定の満充電容量算出条件を満たすまでの間、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算して電流積算値を算出する電流積算部と、
前記二次電池の両端電圧に基づいて推定された前記二次電池の開放電圧に基づいて、当該二次電池の充電率を推定する充電率推定部と、
前記基準時刻に前記充電率推定部が推定した充電率と、前記満充電容量算出条件を満たしたときに前記充電率推定部が推定した充電率とに基づいて、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでにおける充電率の変化量を算出する充電率変化量算出部と、
前記充電率変化量算出部が算出した充電率の変化量と前記電流積算値とに基づいて、前記二次電池の満充電容量を算出する満充電容量算出部と
を備え、
前記満充電容量算出条件には、前記二次電池の充放電量が、前記両端電圧の検出における誤差によって生じ得る前記充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるという条件が含まれる
ことを特徴とする二次電池管理装置。 - 前記満充電容量算出条件には、前記基準時刻から前記電流値の検出において生じ得る誤差の積算値が無視できる程度に小さくなるのに十分な時間が経過しているという条件が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池管理装置。 - 前記満充電容量算出部は、前記電流積算値から推定される充電率の変化量と前記充電率変化量算出部が算出した充電率の変化量との差が最小となる満充電容量を、前記二次電池の満充電容量として算出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二次電池管理装置。 - 前記充電率推定部は、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでに前記充電率を複数回推定し、
前記充電率変化量算出部は、前記充電率推定部が推定した各時刻における充電率に基づいて充電率の変化率を算出し、算出した変化率に、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでの時間を乗算することで、前記充電率の変化量を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の二次電池管理装置。 - 前記充電率推定部は、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでに前記充電率を複数回推定し、
前記充電率変化量算出部は、前記充電率推定部が推定した各時刻における充電率を平滑化し、当該平滑化した充電率に基づいて前記充電率の変化量を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の二次電池管理装置。 - 前記充放電量は、前記電流積算値であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の二次電池管理装置。
- 前記充放電量は、前記充電率推定部が推定する充電率の変化量であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の二次電池管理装置。
- 前記満充電容量算出条件には、所定の電流静定時間の間継続して前記二次電池に充放電される電流から検出された電流値が所定の閾値以下であるという条件が含まれる
ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の二次電池管理装置。 - 前記満充電容量算出条件には、所定の充放電静定時間の間における前記二次電池の単位時間当たりの充放電量が所定の閾値以内であるという条件が含まれる
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の二次電池管理装置。 - 所定の基準時刻から所定の満充電容量算出条件を満たすまでの間、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算して電流積算値を算出するステップと、
前記二次電池の両端電圧に基づいて推定された前記二次電池の開放電圧に基づいて、当該二次電池の充電率を推定するステップと、
前記基準時刻に推定した充電率と、前記満充電容量算出条件を満たしたときに推定した充電率とに基づいて、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでにおける充電率の変化量を算出するステップと、
前記充電率の変化量と前記電流積算値とに基づいて、前記二次電池の満充電容量を算出するステップと
を備え、
前記満充電容量算出条件には、前記二次電池の充放電量が、前記両端電圧の検出における誤差によって生じ得る前記充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるという条件が含まれる
ことを特徴とする満充電容量算出方法。 - コンピュータを、
所定の基準時刻から所定の満充電容量算出条件を満たすまでの間、二次電池に充放電される電流を検出した電流値を積算して電流積算値を算出する電流積算部、
前記二次電池の両端電圧に基づいて推定された前記二次電池の開放電圧に基づいて、当該二次電池の充電率を推定する充電率推定部、
前記基準時刻に前記充電率推定部が推定した充電率と、前記満充電容量算出条件を満たしたときに前記充電率推定部が推定した充電率とに基づいて、前記基準時刻から前記満充電容量算出条件を満たすまでにおける充電率の変化量を算出する充電率変化量算出部、
前記充電率変化量算出部が算出した充電率の変化量と前記電流積算値とに基づいて、前記二次電池の満充電容量を算出する満充電容量算出部
として機能させ、
前記満充電容量算出条件には、前記二次電池の充放電量が、前記両端電圧の検出における誤差によって生じ得る前記充放電量の誤差の最大値より大きい所定の閾値以上であるという条件が含まれる
ことを特徴とするプログラム。
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JP5563048B2 (ja) | 満充電容量推定装置、満充電容量推定方法及びプログラム |
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