JP5460357B2 - 医療機器及び内視鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、医療機器及び内視鏡装置に関する。
被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端から照明光を出射する照明光学系を備えた内視鏡と、この内視鏡が接続される制御装置と、を有する内視鏡装置がある。制御装置は、照明光を発生する光源装置を有し、画像処理を行うビデオプロセッサ等も備えられている。内視鏡の本体部にはユニバーサルコードが接続され、ユニバーサルコードは照明光学系、観察光学系と接続される信号線、湾曲操作ワイヤ、送気・送水あるいは吸引管路等を内設する。このユニバーサルコードは、コネクタ部を介して光源装置等の各制御装置に接続される。光源装置に接続されるコネクタ部には光コネクタが設けられ、光コネクタは内視鏡側のプラグと、光源装置側のレセプタクルとを接続可能な対として構成されている。
ところで、近年、微細病変を特殊光観察で捉える内視鏡診断が行われている。特殊光観察としては、表層血管の強調表示を行う狭帯域光観察、生体の自家蛍光を観察する蛍光観察、注入した薬剤からの蛍光により深層の血管情報を抽出する赤外光観察、等を挙げることができる。通常観察では白色光照明を用いるのに対し、狭帯域光観察、蛍光観察では例えば波長405nmの光、赤外光観察では例えば波長760nmの光が用いられる。この他にも光線力学的診断(Photodynamic Diagnosis:PDD)には例えば波長405nmの光、光線力学的治療(Photodynamic Therapy:PDT)には例えば波長630nmの光が用いられる。したがって、ユニバーサルコードには、上記いずれかの観察や治療を併用する場合、複数の光ファイバが通されることになる。光ファイバ同士を接続するプラグとレセプタクルには、それぞれの光ファイバ同士を接続するためのプラグ側ホルダとレセプタクル側ホルダとの対が複数備えてある。プラグ側ホルダはプラグ側の光ファイバを保持し、レセプタクル側ホルダはレセプタクル側の光ファイバを保持する。
しかしながら、プラグとレセプタクルを接続するだけの簡単な操作で、それぞれに設けられた複数対のプラグ側ホルダとレセプタクル側ホルダを一括して接続するには、プラグとレセプタクル、プラグとプラグ側ホルダ、レセプタクルとレセプタクル側ホルダの全てに高精度な嵌合が要求され、製造や取扱いを困難にする要因となる。また、初期時には高い嵌合精度が確保されていても、着脱が繰り返されると摩耗が進み、光軸ズレの発生する虞が生じる。
特開2008−278971号公報
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、光ファイバ同士を高精度かつ簡単な操作で接続でき、低損失な接続を実現できる医療機器を提供し、安定したレーザ光の導光を実現することを目的とする。
本発明は、下記構成からなる。
(1) 機器本体に設けたレセプタクルにプラグを着脱自在に装着することで、前記プラグに固定されたプラグ側光ファイバと前記レセプタクルに固定されたレセプタクル側光ファイバとを光学的に接続する光コネクタを備えた医療機器であって、
前記プラグに設けられ前記プラグ側光ファイバを保持するプラグ側ホルダと、
前記レセプタクルに設けられ前記レセプタクル側光ファイバを保持するレセプタクル側ホルダと、
前記光コネクタの接合時に前記プラグと前記レセプタクルとを互いに係合する係合手段と、
前記プラグ側ホルダを前記コネクタの接合方向に対する垂直方向へ平行移動自在に支持するホルダ調芯手段と、
前記プラグ側ホルダを前記プラグの挿入方向に弾性支持するフローティング基材と、を備え、
前記ホルダ調芯手段は、共通板部と、前記共通板部に垂直な仮想軸を挟み該共通板部から垂直に突出させた平行な一対の第一直状支持片と、前記仮想軸を中心に前記一対の第一直状支持片の位置を直角に回転させた位置で前記共通板部から垂直に突出させた平行な一対の第二直状支持片とを有し、
前記第一直状支持片の第一先端部が前記プラグ側ホルダに固定され、前記第二直状支持片の第二先端部が前記フローティング基材に固定されるものであり、
前記レセプタクルと前記プラグとを接続した際に、前記係合手段により規制される前記レセプタクル側ホルダと前記プラグ側ホルダのそれぞれのレセプタクル側光ファイバとプラグ側光ファイバの光軸を、前記ホルダ調芯手段により調芯する医療機器。
(2) (1)の医療機器として構成され、
前記プラグから導入された光を、被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端から照射する内視鏡と、
前記内視鏡の前記プラグが接続される前記レセプタクルを有する光源装置と、
を備えた内視鏡装置。
本発明に係る医療機器及び内視鏡装置によれば、ホルダ調芯手段によって、プラグ側ホルダがフローティング基材に対して移動し、プラグ側光ファイバとレセプタクル側光ファイバの光軸が一致する方向に自動調芯され、光ファイバ同士の低損失な接続を実現して、安定したレーザ光の導光ができる。
本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡装置の一例としての外観図である。 内視鏡装置の概念的なブロック構成図である。 レセプタクルの斜視図である。 レセプタクルの軸線に沿う方向の断面図である。 プラグの斜視図である。 プラグの軸線に沿う方向の断面図である。 (A)はプラグ側ホルダの取り付けられたフローティング基材を斜め前方より見た斜視図、(B)はそのフローティング基材を斜め後方より見た斜視図である。 図7に示したホルダ調芯手段の斜視図である。 接続直前のプラグ側ホルダとレセプタクル側ホルダの斜視図である。 係合ピンの係合するカム筒を表出させて示したレセプタクル及びプラグの斜視図である。 (A)は接続前の光ファイバの接続構造を示す断面図、(B)は接続後の光ファイバの接続構造を示す断面図である。 接続開始前のプラグ及びレセプタクルの断面図である。 係合ピンが当接した状態のプラグ及びレセプタクルの断面図である。 係合ピンが誘い込まれる前のプラグ及びレセプタクルの断面図である。 それぞれの係合部における軸方向距離と径方向公差の相関を要部模試図と共に表したグラフである。 第二直状支持片の変位による調芯作用を示す説明図である。 第一直状支持片の変位による調芯作用を示す説明図である。 ホルダ調芯手段に支持されて調芯されるプラグ側ホルダの変位方向を表した斜視図である。 係合ピンが誘い込まれた後のプラグ及びレセプタクルの断面図である。 プラグ側ファイバスタブ及びレセプタクル側ファイバスタブの長さによって変化する光の伝達状態を説明した模式図である。 光軸方向トレランスを示すグラフである。 光軸垂直方向トレランスを示すグラフである。 ホルダ調芯手段に支持されたプラグ側ホルダを備えるプラグと、ホルダ調芯手段に支持されたレセプタクル側ホルダを備えるレセプタクルの接続開始前の断面図である。 プラグとレセプタクルの他の接続構造を示す概略的な断面図である。 プラグ側ホルダが垂直支持板を介し第一直状支持片に固定された変形例に係るホルダ調芯手段の斜視図である。 第一直状支持片と第二直状支持片が逆向きに延出された変形例に係るホルダ調芯手段の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、内視鏡装置の一例としての外観図、図2は内視鏡装置の概念的なブロック構成図である。
図1、図2に示すように、医療機器の一つである内視鏡装置100は、内視鏡11と、この内視鏡11が接続される制御装置13とを有する。制御装置13には、画像情報等を表示する表示部15と、入力操作を受け付ける入力部17が接続されている。電子内視鏡である内視鏡11は、被検体内に挿入される内視鏡挿入部19の先端から照明光を出射する照明光学系と、被観察領域を撮像する撮像素子を含む撮像光学系とを有する。
また、内視鏡11は、内視鏡挿入部19と、内視鏡挿入部19の先端の湾曲操作や観察のための操作を行う操作部23と、内視鏡11を制御装置13に着脱自在に接続するコネクタ部25A,25Bを備える。なお、図示はしないが、操作部23及び内視鏡挿入部19の内部には、組織採取用処置具等を挿入する鉗子チャンネルや、送気・送水用のチャンネル等、各種のチャンネルが設けられる。
内視鏡挿入部19は、可撓性を持つ軟性部31と、湾曲部33と、先端部(以降、内視鏡先端部とも呼称する)35から構成される。内視鏡先端部35には、被観察領域へ光を照射する後述の照射口と、被観察領域の画像情報を取得するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子21(図2参照)が配置されている。また、撮像素子21の受光面側には対物レンズユニットが配置される。
湾曲部33は、軟性部31と先端部35との間に設けられ、操作部23に配置されたアングルノブ22の回動操作により湾曲自在にされている。この湾曲部33は、内視鏡11が使用される被検体の部位等に応じて、任意の方向、任意の角度に湾曲でき、内視鏡先端部35の照射口及び撮像素子の観察方向を、所望の観察部位に向けることができる。
制御装置13は、内視鏡先端部35の照射口に供給する照明光を発生する光源装置41と、撮像素子21からの画像信号を画像処理するプロセッサ43とを備え、コネクタ部25A,25Bを介して内視鏡11に接続される。また、プロセッサ43には、前述の表示部15と入力部17が接続されている。プロセッサ43は、内視鏡11の操作部23や入力部17からの指示に基づいて、内視鏡11から伝送されてくる撮像信号を画像処理し、表示用画像を生成して表示部15へ供給する。
図2に示すように、光源装置41は、互いに発光波長の異なる複数種のレーザ光源を備える。本構成例においては、中心波長が405nmのLD1、445nmのLD2、及び、405nmのLD3,LD4を基本構成として備えている。LD1は紫色レーザ光を出射する狭帯域光観察用の光源であり、LD2は青色レーザ光を出射して後述する波長変換部材である蛍光体により白色照明光を生成する通常観察用の光源である。また、LD3,LD4は蛍光観察用の光源であり、被観察領域に向けて、後述する蛍光体を介さずに光出射可能となっている。
また、本構成では、LD3,LD4の光路を共通させて、更に472nmのLDと、665nmのLDと、785nmのLD(いずれも不図示)等を設けた構成としてもよい。LD3,LD4の光路を共通させる不図示のLDから出射される中心波長472nmのレーザ光は、血中の酸素飽和度と血管深さの情報を抽出するために用いられる。また、中心波長665nmのレーザ光は、治療用のレーザ光であり、比較的強い出力で生体組織表面に照射し、癌などの腫瘍を治療する光線力学的治療(Photodynamic Therapy:PDT)を行うために用いられる。更に、中心波長785nmのレーザ光は、血管に注入したICG(インドシアニングリーン)の赤外光観察に用いられる。
また、LD1は光線力学的診断(Photodynamic Diagnosis:PDD)を行うための照明光としても利用できる。PDDは、予め腫瘍親和性がありかつ特定の励起光に対して感応する光感受性物質を生体に投与した後、励起光となるレーザ光を比較的弱い出力で生体組織表面に照射して、癌などの腫瘍の病巣部で光感受性物質の濃度が高くなった部位からの蛍光を観察する診断方法である。このPDDにより特定された病巣部に対して、PDT治療が施される。
各レーザ光源LD1〜LD4(及びLD3,LD4の光路を共通させる不図示のLD)は、光源制御部49によりそれぞれ個別に調光制御されており、各レーザ光を個別に又は同時に発生することができる。また、各レーザ光源の発光のタイミングや光量比は、内視鏡11の切り替えスイッチ81の操作、入力部17からの操作、或いは光源装置41によって、任意に変更可能になっている。
上記のレーザ光源LD1〜LD4は、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオード等を用いることもできる。なお、上記光源として発光ダイオード等の半導体発光素子を用いた構成としてもよい。また、半導体発光素子以外にも、キセノンランプ等の白色光源からの光をカラーフィルタにより波長選択した光等を用いることもできる。
各レーザ光源LD1〜LD4から出射されるレーザ光は、それぞれ集光レンズ(不図示)により光ファイバに導入される。LD1とLD2からのレーザ光は、図2に示すコンバイナ51により合波し、カプラ53により分波した後、コネクタ部25Aに伝送される。これにより、LD1とLD2からのレーザ光が、各レーザ光源の個体差による発光波長のばらつきやスペックルが軽減されて光ファイバ55B,55Cに均等に伝送される。なお、コンバイナ51とカプラ53を用いずに各レーザ光源LD1,LD2からのレーザ光を直接コネクタ部25Aに送出する構成とすれば光源装置を簡略化できる。
光ファイバ55A〜55Dは、マルチモードファイバであり、一例として、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた径がφ0.3〜0.5mmの細径なファイバケーブルを使用できる。なお、内視鏡装置100は、基本モードのみを伝搬するシングルモードファイバも使用可能とすることができる。
コネクタ部25Aから内視鏡先端部35まで延設された光ファイバ55A〜55Dには、各レーザ光源LD1〜LD4からのレーザ光がそれぞれ任意のタイミングで導入される。LD1,LD2からのレーザ光は、内視鏡先端部35に配置された蛍光体57に伝送され、LD3〜LD4からのレーザ光は、光偏向・拡散部材58に伝送され、照明光(あるいは治療光)として照射口37A,37Bを介して被観察領域に向けて出射される。
ここで、光ファイバ55Aと光偏向・拡散部材58は投光ユニット71Aを構成し、光ファイバ55Dと光偏向・拡散部材58は投光ユニット71Bを構成する。また、光ファイバ55Bと蛍光体57は投光ユニット71Cを構成し、光ファイバ55Cと蛍光体57は投光ユニット71Dを構成する。これら投光ユニット71A,71Cの対と、投光ユニット71B,71Dの対は、内視鏡先端部35の撮像素子21及び対物レンズユニット39を挟んだ両脇側に配置される。
投光ユニット71C,71Dの蛍光体57は、レーザ光源LD2からの青色レーザ光の一部を吸収して緑色〜黄色に励起発光する複数種の蛍光体物質(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl1017)等の蛍光体)を含んで構成される。これにより、青色レーザ光を励起光とする緑色〜黄色の励起発光光と、蛍光体57により吸収されず透過した青色レーザ光とが合わされて、白色(疑似白色)の照明光が生成される。
青色レーザ光は、中心波長445nmの輝線で表され、青色レーザ光による蛍光体57からの励起発光光は、概ね450nm〜700nmの波長帯域で発光強度が増大する分光強度分布となる。この励起発光光と青色レーザ光によるプロファイルによって、前述した白色光が形成される。本構成例のように、半導体発光素子を励起光源として用いれば、高い発光効率で高強度の白色光が得られ、白色光の強度を容易に調整できる上に、白色光の色温度、色度の変化を小さく抑えることができる。
ここで、本明細書でいう白色光とは、厳密に可視光の全ての波長成分を含むものに限らず、例えば、基準色であるR(赤),G(緑),B(青)等、特定の波長帯の光を含むものであればよく、例えば、緑色から赤色にかけての波長成分を含む光や、青色から緑色にかけての波長成分を含む光等も広義に含むものとする。
上記の蛍光体57は、レーザ光の可干渉性により生じるスペックルに起因して、撮像の障害となるノイズの重畳や、動画像表示を行う際のちらつきの発生を防止できる。また、蛍光体57は、蛍光体を構成する蛍光物質と、充填剤となる固定・固化用樹脂との屈折率差を考慮して、蛍光物質そのものと充填剤に対する粒径を、赤外域の光に対して吸収が小さく、かつ散乱が大きい材料で構成することが好ましい。これにより、赤色や赤外域の光に対して光強度を落とすことなく散乱効果が高められ、光学的損失が小さくなる。
また、投光ユニット71A,71Bの光偏向・拡散部材58は、LD3、LD4からのレーザ光が透過する材料であればよく、例えば透光性を有する樹脂材料やガラス等が用いられる。更には、光偏向・拡散部材58は、樹脂材料やガラスの表面等に、微小凹凸や屈折率の異なる粒子(フィラー等)を混在させた光拡散層を設けた構成や、半透明体の材料を用いた構成としてもよい。これにより、光偏向・拡散部材58から出射する透過光は、所定の照射領域内で光量が均一化された狭帯域波長の光となる。
上記のように青色レーザ光と蛍光体57からの励起発光光による白色光、及び各レーザ光による狭帯域光は、内視鏡11の先端部35から被検体の被観察領域に向けて照射される。そして、照明光が照射された被観察領域の様子は、対物レンズユニット39により被検体像を結像させ、撮像素子21により撮像される。
撮像後に撮像素子21から出力される撮像画像の画像信号は、スコープケーブル59を通じてA/D変換器61に伝送されてデジタル信号に変換され、コネクタ部25Bを介してプロセッサ43の画像処理部63に入力される。画像処理部63は、デジタル信号に変換された撮像素子21からの撮像画像信号に対して、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、輪郭強調、色補正等の各種処理を施す。画像処理部63で処理された撮像画像信号は、制御部65で各種情報と共に内視鏡観察画像にされ、表示部15に表示される。また必要に応じて、メモリやストレージ装置からなる記憶部67に記憶される。
内視鏡装置100では、複数の投光ユニットを組み合わせて、白色光、狭帯域光を照射する構成することで、白色光による通常観察と、狭帯域光観察、蛍光観察、赤外光観察等の特殊光観察とを、共に良好な照明環境の下で行うことができる。また、特殊光観察用の狭帯域光は白色光生成用の蛍光体57を通過させないので、不要な蛍光成分を伴うことなく、狭帯域光をそのまま高強度で照射できるようになっている。
なお、光源装置41は、LD1〜LD4のレーザ光を同時又は交互に供給することができ、また、撮像素子による撮像フレームと同期して切り替えて供給することもできる。撮像フレームと同期して切り替える場合、特殊光観察時においては、例えば偶数フレームにて、LD1又はLD2或いは双方からのレーザ光で照明した様子を撮像し、奇数フレームでLD3,LD4からのレーザ光で照射した様子を撮像する。そして、これら奇数フレームと偶数フレームを一枚の画像情報として重ねて表示することで、通常観察時の観察画像上に蛍光観察している画像を同時に表示できる。これによれば、内視鏡診断をより高い視認性で円滑に行うことができる。
なお、上記の偶数フレームの画像と、奇数フレームの画像とを一枚の画像情報として重ね合わせずに、表示部15の表示領域内で、それぞれ別々の位置に表示させることもできる。その場合には、病巣部位と治療部位をそれぞれ確認する等、双方を対比させながら観察や治療を行うことができる。このように、複数種のレーザ光を任意のタイミングで内視鏡11に供給することで、内視鏡11による観察内容に応じた最適な照明パターンを生成でき、内視鏡11の診断精度を向上できる。
<プラグ及びレセプタクルの構成>
次に、コネクタ部25Aの構成について詳細に説明する。
図3はレセプタクルの斜視図である。
光源装置41(図1参照)の機器本体91には、プラグ95と接続されるレセプタクル93が取り付けられている。つまり、プラグ95とレセプタクル93は、光コネクタ101を構成し、光コネクタ101は、内視鏡11と光源装置41とを着脱自在に接続している。上記構成により、内視鏡11の照明用の光は、光源装置41のレセプタクル93にプラグ95を接続することで簡単に取り出され、内視鏡挿入部の先端から出射させることができる。光源装置41は、内視鏡11に対してスペクトルの互いに異なる複数種のレーザ光を、光コネクタ101を通じて低損失な光接続で確実に供給している。
レセプタクル93の外周には、アウターリング155がプラグの接続方向に突出して配置され、アウターリング155の内側には所定の隙間を空けて金属外筒143が配置されている。この金属外筒143もレセプタクル本体165に固定されている。
レセプタクル本体165の円形の接続側壁部165aには、四つのレセプタクル側ホルダ105が固定され、それぞれのレセプタクル側ホルダ105はレセプタクル側光ファイバ99を1本ずつ内部に保持している。また、アウターリング155の内周にはカム筒169が固定されている。カム筒169の先端面には一対の誘い溝171の開口部が形成されている。金属外筒143の外周には、プラグ挿入方向aに沿ってキー溝172が形成され、このキー溝172にガイドキー173が設けてある。このガイドキー173は、後述するレセプタクル93の接続相手となるプラグ95に設けられるキー溝195に進入する。なお、レセプタクル側ホルダ105の個数は任意であり、ここでは一例として4個の構成を示している。また、レセプタクル本体165の接続側壁部165aには、図示はしないが、内視鏡11へ送気・送水する管路、位置規制ピン等が設けられている。
図4はレセプタクルの軸線に沿う方向の断面図である。
レセプタクル側ホルダ105は、ニップルホルダ175と、押さえ環177と、内部にレセプタクル側フェルール135を収容するレセプタクル側内スリーブ137と、ニップルホルダ175の基端側を覆うカバー181と、カバー181内でレセプタクル側フェルール135を軸芯として配置されるコイルバネ183とを有して構成される。ニップルホルダ175は、レセプタクル本体165の接続側壁部165aを貫通して外周が固定される。押さえ環177は、ニップルホルダ175の外周に嵌挿され、接続側壁部165aの背面に当接してニップルホルダ175の抜けを規制する。なお、レセプタクル93は、プラグ挿入方向aの逆向き側(図4の左方向)を「前」、その反対側(図4の右方向)を「後」として説明する。
カバー181は、有底筒状に形成され、先端開口側がニップルホルダ175の後端に固定され、レセプタクル側フェルール135の後部を覆う。カバー181の後部にはフェルール導出蓋187が固定され、フェルール導出蓋187はレセプタクル側フェルール135の後端部を導出する貫通穴を有する。フェルール導出蓋187から導出したレセプタクル側フェルール135の後部にはレセプタクル側光ファイバ99が接続されている。
カバー181の内部において、レセプタクル側フェルール135の軸線方向略中央付近には鍔部189が形成されている。この鍔部189とフェルール導出蓋187との間の、レセプタクル側フェルール135後部にはコイルバネ183が外挿されている。つまり、レセプタクル側フェルール135は、コイルバネ183によってプラグ挿入方向aとは逆方向に付勢されている。レセプタクル側フェルール135は、プラグ挿入方向aに押圧されることで、コイルバネ183の付勢力に抗して後退可能となっている。
図5はプラグの斜視図である。
プラグ95は、図2に示す投光ユニット71A〜71Dに接続される光ファイバ55A〜55D(以下、プラグ側光ファイバ55とも呼称する)に接続され、プラグ側光ファイバ55を内包するユニバーサルコード103の端部に取り付けられる。
プラグ95は、その先端側にフランジ部191a、錐形部191b、先端筒部191cを一体に形成した金属ハウジング191と、金属ハウジング191を回動させるリングハンドル98を有する。先端筒部191cの外周には、直径方向に突出する一対の係合ピン193が固定される。これら係合ピン193は、レセプタクル93のカム筒169に形成された誘い溝171(図4参照)に係合する。先端筒部191cの内周には、係合ピン193の裏側の位置でキー溝195が形成されている。このキー溝195は、レセプタクル93の金属外筒143に設けられたガイドキー173を受け入れる(図3、図4参照)。
金属ハウジング191の内周には筒状の絶縁押さえ197が固定され、絶縁押さえ197は絶縁板199を固定する。絶縁板199には四つの遊嵌穴201が穿設され、遊嵌穴201のそれぞれには、プラグ側ホルダ107が配置されている。絶縁板199の遊嵌穴201とプラグ側ホルダ107の外周との間には、間隙が形成されており、プラグ側ホルダ107は、後述するホルダ調芯手段によってプラグ挿入方向aに直交する方向で平行移動自在に支持される。つまり、遊嵌穴201との間に形成される環状間隙が、調芯時におけるプラグ側ホルダ107の移動を許容するための移動用空間となっている。これらプラグ側ホルダ107は、図3に示すレセプタクル側ホルダ105に対応する位置にそれぞれ配置されている。
このプラグ95とレセプタクル93は、相互の接続完了前25mmの軸方向位置で、最初に金属外筒143と先端筒部191cが係合開始される。係合開始された金属外筒143と先端筒部191cは、半径方向に400μmの初期公差(初期トレランス)を有している。更に、金属外筒143と先端筒部191cが係合した後、ガイドキー173がキー溝195に進入開始する。キー溝195は、先細テーパー面を有し、進入開始位置では、片側で300μmの初期公差(初期トレランス)を有している。
内視鏡装置100では、レセプタクル側ホルダ105とプラグ側ホルダ107の組を光コネクタ101(図1参照)内に複数備えており、複数本のレセプタクル側光ファイバ99とプラグ側光ファイバ55に対して接続と分断を一度に行う。また、光コネクタ101は、光コネクタ101自身にも図示しない調芯機能を備えることで、プラグ95をレセプタクル93に差し込むことによって、後述するホルダ調芯手段と協働して、それぞれのプラグ側ホルダ107を任意方向に自動調芯し、光学的な接続を一括して行えるよう構成している。
図6はプラグの軸線に沿う方向の断面図である。なお、図6では簡単化するため、絶縁押さえ197及び絶縁板199の表示を省略している。
プラグ本体97にはプラグ用貫通孔203が穿設され、このプラグ用貫通孔203の周囲には円周方向等間隔に複数本(図示例では3本)の支軸205が突設される。支軸205は、円板状のフローティング基材109を摺動可能にして貫通し、大径頭部109aにてフローティング基材109の離脱を阻止している。プラグ本体97とフローティング基材109との間の支軸205にはコイルバネ207が外挿され、コイルバネ207はフローティング基材109をプラグ本体97から離反する方向へ付勢している。フローティング基材109は、プラグ挿入方向aとは逆方向に押圧されることで、コイルバネ207の付勢力に抗して後退可能となっている。つまり、フローティング基材109は、プラグ側ホルダ107をプラグ95の挿入方向aとは逆方向に弾性支持する。なお、プラグ95は、プラグ挿入方向aを先方側(図6の右方向)を「前」、その反対側(図6の左方向)を「後」として説明する。
ここで、図7(A)に、プラグ側ホルダの取り付けられたフローティング基材を斜め前方より見た斜視図、(B)にそのフローティング基材を斜め後方より見た斜視図を示した。
図6、図7(A),(B)に示すように、プラグ本体97のプラグ用貫通孔203には、4本のプラグ側ホルダ107の後端が挿入される。プラグ側ホルダ107の軸線方向略中央部には、固定用大径部209が形成されており、固定用大径部209は、フローティング基材109のホルダ貫通孔217内に所定間隙を有して配置される。一方、プラグ側ホルダ107の前部には、その外周にバネ座大径部211aを有する筒状のソケットフード211が軸線方向に外挿されている。そして、バネ座大径部211aと固定用大径部209の間にはコイルバネ213が外挿され、コイルバネ213はソケットフード211を前方へ付勢している。なお、ソケットフード211は、プラグ側ホルダ107の前方からの離脱が、不図示の離脱規制部によって規制されている。これにより、ソケットフード211は、プラグ挿入方向aとは逆方向に押圧されることで、コイルバネ213の付勢力に抗して後退可能となっている。
また、図7(A),(B)に示すように、フローティング基材109には4つのプラグ側ホルダ107を遊嵌する各円形穴が一つに繋がったホルダ貫通孔217が形成されている。プラグ側ホルダ107には、フローティング基材109に固定端が支持されるホルダ調芯手段113をそれぞれ取り付けてある。即ち、ホルダ調芯手段113は、固定ねじ218によって固定用大径部209に固定され、プラグ側ホルダ107の固定されたホルダ調芯手段113が、ホルダ貫通孔217に挿通され、固定ねじ221にてフローティング基材109に固定されている。
ホルダ調芯手段113が、プラグ側ホルダ107とフローティング基材109との間に設置されることで、プラグ側ホルダ107がフローティング基材109との間でプラグ95の挿入方向aに対して垂直方向に移動可能となる。これにより、レセプタクル側光ファイバ99とプラグ側光ファイバ55の光軸を調芯可能にプラグ側ホルダ107が支持される。つまり、ホルダ調芯手段113は、機器本体91に設けたレセプタクル93に、プラグ95を着脱自在に装着することで、レセプタクル93に固定されたレセプタクル側光ファイバ99とプラグ95に固定されたプラグ側光ファイバ55とを光学的に接続する際、プラグ側ホルダ107をコネクタ接合方向に対する垂直方向へ平行移動自在に支持して光軸を調芯可能にする。
ここで、ホルダ調芯手段113の具体的構成を説明する。
図8は図7に示したホルダ調芯手段の斜視図である。
ホルダ調芯手段113は、共通板部117と、共通板部117に垂直な仮想軸119を挟み共通板部117から垂直に突出させた平行な一対の第一直状支持片121,121と、仮想軸119を中心に一対の第一直状支持片121,121の位置を直角に回転させた位置で共通板部117から垂直に突出させた平行な一対の第二直状支持片123,123とを有して成る。
ホルダ調芯手段113は、第一直状支持片121の第一先端部125がプラグ側ホルダ107に固定され、第二直状支持片123の第二先端部127がフローティング基材109に固定される。第一先端部125には固定ねじ218の貫通する固定穴125aが穿設され、第二先端部127には固定ねじ221の貫通する固定穴127aが穿設されている。また、共通板部117にはプラグ側光ファイバ55を挿通する透孔223が穿設される。
第一直状支持片121と第二直状支持片123は、それぞれ共通板部117から同じ向きに延設されている。これにより、第一直状支持片121と第二直状支持片123の共通板部117からの突出高さを抑え、配置のためのスペース効率を高めている。
また、共通板部117には、一対の第二直状支持片123との接続部位129に、プラグ95の挿入方向aに弾性変形可能なバネ部131が形成されている。バネ部131は、帯板部からなる第二直状支持片123を、U字状に折り曲げて形成している。ホルダ調芯手段113は、バネ部131によって、プラグ95の挿入方向aに弾性変形することで、レセプタクル側フェルール135の光接合端面部とプラグ側フェルール139との接合端部同士の密着性を向上している。また、バネ部131は、プラグ側ホルダ107の平行移動時にも変形することで、プラグ側ホルダ107の平行移動を容易にしている。
なお、上記のホルダ調芯手段113は、少なくとも第一直状支持片121と、第二直状支持片123とが板材133で形成されることで、各支持片の弾性変形時に、プラグ側ホルダ107をより確実に平行に変位させることができる。また、ホルダ調芯手段113は、一枚の金属板から形成することにより、プレス成形にて高精度なホルダ調芯手段113を簡単に製造でき、部品点数を最小とすることができる。
図9は接続直前のプラグ側ホルダとレセプタクル側ホルダの斜視図である。
ホルダ調芯手段113は、一対の第一直状支持片121と一対の第二直状支持片123により、プラグ側ホルダ107をフローティング基材109に対して平行に保ちつつ、プラグ挿入方向aに対して垂直方向に移動自在とする。このように、レセプタクル93とプラグ95とを接続した際に、係合手段111によりプラグ側ホルダ107とレセプタクル側ホルダ105の相対位置が規制されると、レセプタクル側ホルダ105に対してプラグ側ホルダ107がプラグ95の挿入方向aに対して垂直方向に変位して、レセプタクル側光ファイバ99にプラグ側光ファイバ55の光軸が調芯されることになる。また、このときコイルバネ213が挿入方向aのクッションとなる。
ここで、レセプタクル側ホルダ105とプラグ側ホルダ107の光軸は図10(A),(B)に示すようになる。図10(A)は接続前の光ファイバの接続構造を示す断面図、(B)は接続後の光ファイバの接続構造を示す断面図である。
プラグ側ホルダ107は、ソケットフード211(図6参照)の内部に間隙を有して外スリーブ215を同軸で固定している。また、外スリーブ215の内部には更にプラグ側内スリーブ141が同軸で摺動自在に収容されている。プラグ側内スリーブ141の後部は、プラグ側ホルダ107の後部に固定された押さえ筒219(図7、図9参照)の内部に挿入される。押さえ筒219の後部には不図示のコイルバネが収容され、このコイルバネはプラグ側内スリーブ141を前方へ付勢している。プラグ側内スリーブ141は、プラグ挿入方向aとは逆方向に押圧されることで、このコイルバネの付勢力に抗して後退可能となっている。
プラグ側内スリーブ141は、詳細を後述するプラグ側フェルールを覆う部材であり、レセプタクル側内スリーブ137は、レセプタクル側光ファイバ99を固定するレセプタクル側フェルール135の外周を覆う部材である。
図6に示すように、レセプタクル側内スリーブ141の外周は、外スリーブ215で覆われており、この外スリーブ215は、コネクタ接合時に図4に示すプラグ側内スリーブ137の外周と係合する突部145となる。つまり、レセプタクル側の外スリーブ215である突部145と、これと係合する係合部であるプラグ側内スリーブ137とが係合対となり、光コネクタの接続時に双方が係合し合うことで高精度に位置合わせされる。
なお、突部145は、本構成においてはレセプタクル側内スリーブ141の外周に嵌合する外スリーブ215の先端に設けているが、図4に示すプラグ側内スリーブ137の外周に突部145が配設された構成であってもよい。
また、ソケットフード211の前方には、図4に示すプラグ側ホルダ105先端のプラグ側筒部151と係合するレセプタクル側筒部149が形成されている。つまり、レセプタクル側ホルダ107にプラグ側ホルダ105を挿入したときに、レセプタクル側ホルダ107のソケットフード211に形成された突部となるレセプタクル側筒部149の内周と、係合部となるプラグ側ホルダ105のプラグ側筒部151の外周とが互いに係合することで、レセプタクル93とプラグ95との挿入位置を合わせることができる。この係合時のプラグ95の挿入方向aに垂直方向の軸ズレが、ホルダ調芯手段113により吸収される。
ソケットフード211、外スリーブ215、及びプラグ側内スリーブ141の各先端は、この順で徐々に先端筒部191cから後退した位置で配置されている。また、レセプタクル側ホルダ105においては、レセプタクル側ホルダ105、レセプタクル側内スリーブ137の各先端が、この順で徐々に金属外筒143の先端より後退した位置に配置されている。
このように、本構成の光コネクタ101では、プラグ95の挿入方向aに対して、突部145がプラグ側内スリーブ137と係合を開始する位置と、レセプタクル側筒部149がプラグ側筒部151と係合を開始する挿入方向の位置とを異ならせて、突部145、レセプタクル側筒部149、プラグ側筒部151をそれぞれ配置している。また、突部145、レセプタクル側筒部149、プラグ側筒部151は、それぞれの係合相手との挿入方向に垂直な方向の隙間間隔(係合隙間)が、プラグ95の挿入に伴って先に係合を開始するものほど広く、後に係合を開始するものほど狭く設定されている。
また、前述した図6に示すレセプタクル93側の金属ハウジング191の先端筒部191cの内周に、図4に示すプラグ95の金属外筒143を挿入する際の、先端筒部191cと金属外筒143との係合、及び、金属外筒143に設けられたガイドキー173と、先端筒部191cのキー溝195との係合についても同様である。即ち、最先に係合する先端筒部191cと金属外筒143が、プラグ挿入方向に最も突出して配置され、次いで、金属外筒143に設けられたガイドキー173が突出した位置に配置されている。そして、挿入方向に垂直な方向の隙間間隔が、先に係合する方より後に係合する方が狭く設定されている。これにより、プラグ95の挿入に伴って、段階的に位置合わせ精度を高めるようにされている。
更に、本構成の光コネクタ101は、レセプタクル側筒部149とプラグ側筒部151のような係合対を、係合相手との係合開始位置をそれぞれ異なせて更に複数設けることで、より高い位置合わせ精度を実現できる。
上記の誘い溝171、係合ピン193、ガイドキー173、キー溝195、突部145、プラグ側内スリーブ137、レセプタクル側筒部149、プラグ側筒部151、先端筒部191c、及び金属外筒143は、プラグ95とレセプタクル93とを高精度で互いに係合する係合手段111を構成している。
また、レセプタクル93とプラグ95との接合動作は、レセプタクル93側の金属外筒143とプラグ95側の先端筒部191cとの第1の係合動作と、レセプタクル側ホルダ105とプラグ側ホルダ107との第2の係合動作との二段階の異なる挿入動作で行われる。
ここで、図10に係合ピンの係合するカム筒を表出させて示したレセプタクル及びプラグの斜視図を示した。
同図に示すように、レセプタクル93側のカム筒169の先端面のいずれかの回転位置で、プラグ95側の係合ピン193を当接させた状態とし、プラグ95全体を回動操作すると、カム筒169に形成した誘い溝171の入り口が係合ピン193と一致する回転位置で、誘い溝171内に係合ピン193が受け入れられる。そして、プラグ95側のリングハンドル98を図中矢印P方向に回動操作すると、誘い溝171に沿って係合ピン193が引き寄せられて、レセプタクル93とプラグ95とが徐々に接近しながら接合される。つまり、第2の係合動作は、リングハンドル98の回動動作により、プラグ95側の先端筒部191cに設けた係合ピン193と、レセプタクル93側のカム筒169による係合によって、軸方向の挿入速度を落とした動作となる。これにより、レセプタクル側ホルダ105とプラグ側ホルダ107とをコネクタ接続時の衝撃を受けることなく接続できる。
<各ホルダ内の光学的接続>
次に、ホルダ調芯手段により支持されたプラグ側ホルダとレセプタクルホルダとの光学的な接続形態を説明する。
図10(A)、(B)に示すように、本構成の光コネクタ101は、レセプタクル側ホルダ105とプラグ側ホルダ107を接続して、レセプタクル側光ファイバ99とプラグ側光ファイバ55とを光学的に接続する。レセプタクル側ホルダ105は、レセプタクル側光ファイバ99を固定するレセプタクル側フェルール135の外周がレセプタクル側内スリーブ137に覆われている。プラグ側ホルダ107は、プラグ側光ファイバ55を固定するプラグ側フェルール139の外周がプラグ側内スリーブ141に覆われている。本構成の光コネクタ101においては、上記係合手段111やホルダ調芯手段113によって高精度な光軸合わせを実現するが、更に、微少な光軸ズレ発生時においても低損損失な接続を保障するための端面接続構造を備えている。
即ち、レセプタクル側ホルダ105には、レセプタクル側光ファイバ99から入射された光のビーム径を拡大してコリメートする第一グレーテッドインデックスコリメータ(第一GIコリメータ)163が、レセプタクル側フェルール135の光接合端面部161aに組み込まれている。また、プラグ側ホルダ107には、第一GIコリメータ163と略同一のコア径を有し、第一GIコリメータ163から入射された光のビーム径を収束してプラグ側光ファイバ55に入射させる第二グレーテッドインデックスコリメータ(第二GIコリメータ)159が、プラグ側フェルール139の光接合端面部161bに組み込まれている。
第一GIコリメータ163とレセプタクル側フェルール135は、レセプタクル側内スリーブ137によって着脱自在に接続されている。また、第二GIコリメータ159とプラグ側フェルール139は、プラグ側内スリーブ141によって着脱自在に接続されている。なお、プラグ側内スリーブ141、レセプタクル側内スリーブ137は、金属製又はジルコニアセラミック製等、様々な材質のものを用いることができる。
レセプタクル側フェルール135は、中心に軸方向に沿って貫通したファイバ挿入穴135aが設けられた円筒形状をしている。ファイバ挿入穴135aには、先端の被覆99aが剥がされたレセプタクル側光ファイバ99が挿入され、接着剤によって固定されている。なお、図10(A),(B)は、発明の概要を示すため図示を簡略化しているが、実際のレセプタクル側光ファイバ99とレセプタクル側フェルール135との接続では、レセプタクル側フェルール135の根元側に固着された金属製のフランジがレセプタクル側光ファイバ99を保持している。レセプタクル側フェルール135の先端135bは、ファイバ挿入穴135aに挿入されたレセプタクル側光ファイバ99の先端とともに、凸球面状又は平面状に研磨されている。
第一GIコリメータ163の入射端面233aと出射端面233bとは、それぞれ凸球面状及び平面状に研磨されている。第一GIコリメータ163の入射端面233aは、レセプタクル側フェルール135の先端135bに当接することにより、レセプタクル側光ファイバ99とPC接続(physical connection)される。出射端面233bにはシールガラス142が配置されている。
そして、第一GIコリメータ163は、レセプタクル側光ファイバ99によって伝送されたレーザ光のビーム径を拡大してコリメートする。そのため、出射端面233bにおける光パワー密度は、レセプタクル側光ファイバ99の先端よりも低くなり、出射端面233bのゴミや傷等によって接続損失が低下することを防止できる。
第二GIコリメータ159は、第一GIコリメータ163と略同じ構成であり、第一GIコリメータ163が拡大したビーム径を収束してプラグ側光ファイバ55に光を導入する。また、プラグ側フェルール139と共にプラグ側内スリーブ141に保持されて、入射端面231aと出射端面231bとが、それぞれ平面状及び凸球面状に研磨されている。入射端面231aにはシールガラス140が配置されている。
また、入射端面231aのシールガラス140は、所定の間隔Gを隔ててレセプタクル側のシールガラス142に対面される。第二GIコリメータ159の出射端面231bは、プラグ側フェルール139の先端に当接することにより、プラグ側光ファイバ55とPC接続される。
プラグ側フェルール139は、レセプタクル側フェルール135と同じ部品であり、レセプタクル側フェルール135と同様にプラグ側光ファイバ55の先端を保持している。プラグ側フェルール139の先端139bは、プラグ側光ファイバ55の先端とともに凸球面状(又は平面状)に研磨されている。
プラグ側ホルダ107とレセプタクル側ホルダ105が嵌合されると、プラグ側内スリーブ141とレセプタクル側内スリーブ137が当接する。シールガラス140はプラグ側内スリーブ141端部から後退して配置され、シールガラス142はレセプタクル側内スリーブ137端部から突出して配置されており、ホルダ同士の嵌合時にシールガラス142がシールガラス140に当接する前にスリーブ137,141同士が当接するようになっている。これにより、双方の間に所定の間隔Gが形成される。
一般に、光ファイバの先端に付着するゴミの大きさは、最大で50μm程度であることが分かっている。したがって、間隔Gは、付着したゴミが挟まれて潰れるのを防止するため、50μm以上であることが必要であり、端面接続構造の各構成部品の製造誤差、組立誤差等を考慮して、間隔Gは、1.0〜2.0mm程度であることが好ましい。
<コネクタ接続時の作用>
次に、光コネクタ101の接続時の作用を説明する。
図12は接続開始前のプラグ及びレセプタクルの断面図、図13は係合ピンが当接した状態のプラグ及びレセプタクルの断面図、図14は係合ピンが誘い込まれる前のプラグ及びレセプタクルの断面図、図15はそれぞれの係合する部位における軸方向距離と径方向公差の相関を要部模試図と共に表したグラフである。
図12に示すように、光コネクタ101の接続は、先ず、プラグ95における金属ハウジング191の先端筒部191cに、レセプタクル93の金属外筒143を内側に挿入して開始する。この際、金属外筒143に設けられたガイドキー173を、先端筒部191cのキー溝195に一致させて挿入する。このときのガイドキー173の配置されるキー溝143aと、先端筒部191cのキー溝195との初期トレランスは、図15に示すように400μmとされている。また、キー溝195は挿入側が幅広に形成されており、ガイドキー173との回転方向の隙間が片側300μmとされている。そして、ガイドキー173とキー溝195とを嵌合させながらプラグ95を挿入すると、前述の間隔Gを挿入方向に延長する軸方向距離が約6mmとなった時点で70μm程度の径方向公差に収まる。
図12の状態からプラグ95を挿入し続けると、図13に示す状態となる。図13は係合ピンが当接した状態のプラグ及びレセプタクルの断面図である。
金属外筒143を先端筒部191cの内側に挿入して行くと、先端筒部191cの上下に設けられる係合ピン193,193に、カム筒169の先端面が当接する。これにより、プラグ95の挿入は一旦停止される。カム筒169の先端面が係合ピン193に当接した状態では、レセプタクル側ホルダ107の先端のレセプタクル側筒部149と、プラグ側ホルダ105の先端のプラグ側筒部151とは離間状態にある。
そして、前述の図10に示すように、係合ピン193が誘い溝171に進入した状態でリングハンドル98を回動操作すると、傾斜する誘い溝171に係合ピン193が摺接し、レセプタクル93に対して係合ピン193が引き寄せられる。
この接近に伴い、図14に示すように、レセプタクル側筒部149の内側でプラグ側筒部151が係合を開始する。レセプタクル側筒部149とプラグ側筒部151とは、図15に示すように、初期トレランスが100μmあるが、プラグの挿入に伴って、まずテーパー面同士が当接する。ここで、両者に軸ズレが生じていると、レセプタクル側筒部149がプラグ側筒部151からの反力を受ける。この反力は、レセプタクル側ホルダ107の中心軸に直交する任意な方向となって、前述のホルダ調芯手段113に伝搬され、光軸の調芯が行われる。
<ホルダ調芯手段による調芯>
図16は第二直状支持片の変位による調芯作用、図17は第一直状支持片の変位による調芯作用を示す説明図、図18は第一、第二直状支持片の変位による調芯作用を説明したホルダ調芯手段の模式図である。
図16に示すように、プラグ側ホルダ107に軸芯直交方向の反力が作用すると、プラグ側ホルダ107はフローティング基材109のホルダ貫通孔217内で移動しようとする。この移動は、ホルダ調芯手段113の変形によって許容されることとなる。ホルダ調芯手段113は、プラグ側ホルダ107からの反力が第一直状支持片121に加わると、その方向が第二直状支持片123,123の離間方向(図16の左右方向)であると、それぞれの第二先端部127をフローティング基材109に固定した一対の第二直状支持片123,123が平行に傾斜変形する。つまり、平行四辺形を維持して変形する。したがって、共通板部117は第二先端部127と平行を維持し、第一直状支持片121,121に固定されるプラグ側ホルダ107はプラグ挿入方向aに直交する方向(Xで表す)に平行移動可能となる。
一方、図17に示すように、プラグ側ホルダ107からの反力方向が第一直状支持片121,121の離間方向(図17の左右方向)であると、第二直状支持片123の第二先端部127がフローティング基材109に固定されていることから、一対の第一直状支持片121,121が共通板部117との接続部235,235を基点とし、緩やかなS字又は逆S字を描いて変形する。つまり、第一直状支持片121,121の第一先端部125,125が離間方向(図17の左右方向)に変位可能となる。したがって、第一直状支持片121,121に固定されるプラグ側ホルダ107はプラグ挿入方向aに直交する方向(Yで表す)に平行移動可能となる。
このようにして、ホルダ調芯手段113は、図18に示すように、上記XY方向のプラグ側ホルダ107を移動可能に支持する。これにより、プラグ側ホルダ107は、プラグ挿入方向aに直交するXY面の任意方向に平行移動が可能となる。
図19は係合ピンが誘い込まれ、リングハンドルを回動操作した後のプラグ及びレセプタクルの断面図である。
プラグ95の引き寄せは、リングハンドル98が回転不能となる位置、すなわち、係合ピン193が誘い溝171の終端に達した位置で終了する。このリングハンドル98の回動操作過程で、レセプタクル側筒部149とプラグ側筒部151の係合に次いで、突部145とプラグ側内スリーブ137とが係合する。図15に示すように、プラグ側内スリーブ137と外スリーブの突部145との初期トレランスは50μmである。このトレランスが、プラグ95の挿入動作によって狭められる。これにより、レセプタクル93に対するプラグ95の接続が高精度に軸合わせされて完了する。
また、プラグ95とレセプタクル93の接続では、プラグ挿入方向aに沿う方向の位置ズレが、コイルバネ207,213,183,バネ部131によって吸収され、図11(B)に示すように、光接合端面部161a、光接合端面部161b同士が、所定の離間距離Gに位置決めされる。
以上、図15に示すように、接続完了前25mmの位置では、ガイドキー173のキー溝143aとキー溝195との半径方向のトレランスが400μmの状態であり、更に回転方向に対するトレランスが300μmの状態となる。そして、接続完了前5mmの位置では、レセプタクル側筒部149とプラグ側筒部151が係合開始され、係合開始されたレセプタクル側筒部149とプラグ側筒部151は、半径方向のトレランスが100μmとなる。これが、接続完了前1mmの位置では、突部145とプラグ側内スリーブ137が係合開始され半径方向のトレランスが50μmとなり、更に、接続完了時には半径方向のトレランスが20μm以下に抑えられる。
そして、上記したホルダ調芯手段113で調芯されたレセプタクル93とプラグ95は、更に第一GIコリメータ163、第二GIコリメータ159により、低損失な接続が保障される。図20は第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159による光の伝送状態を模式的に表している。なお、図20は、第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159との間で伝送される光の状態を明確にするため、間隔Gを広く描いている。第一GIコリメータ163の軸方向長さL1と、第二GIコリメータ159の軸方向長さL2とが共に1/4ピッチで同一である場合(1ピッチとは、GIコリメータによって伝送される光のモードフィールド系の最小値−最大値−最小値−最大値を1周期とする長さ)、第一GIコリメータ163によってビーム径が拡大されてコリメートされた光は、大きな損失を発生することなく第二GIコリメータ159に入射し、第二GIコリメータ159によって収束されてプラグ側光ファイバ55に入射される。
図21,図22では、第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159との相対位置を光軸方向Zと光軸方向Zに直交する光軸垂直方向X、Yとにずらしたときに、プラグ側光ファイバ55から出力されるレーザ光の出力を表したトレランスカーブを示している。光軸方向Zは、第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159とが接近する方向をプラス方向としている。また、光軸垂直方向X、Yは、光軸方向Zが0の状態である。更に、上述したトレランスカーブは、第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159の長さが4.0〜4.6mm、光軸方向Zの公差が±100μm、光軸垂直方向X、Yの公差が±20μmとしたときの測定結果である。
図21及び図22のグラフから分るように、第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159との相対位置のずれ量に対するレーザ光の出力低下は比較的小さい。第一GIコリメータ163から出射された光のビーム径が拡大されることで、プラグ95とレセプタクル93との位置合わせ精度の余裕度を向上させているためである。したがって、光コネクタ101の端面接続構造は、第一GIコリメータ163と第二GIコリメータ159との相対位置にずれが生じた場合でも低損失特性を維持することができる。
このように、本構成の光コネクタ101は、プラグ95の挿入操作に伴って段階的に位置合わせ精度が高められ、低損失な接続が簡単に実現可能となっている。
<光コネクタの変形例>
図23はホルダ調芯手段に支持されたプラグ側ホルダを備えるプラグと、ホルダ調芯手段に支持されたレセプタクル側ホルダを備えるレセプタクルの接続開始前の断面図である。
本変形例に係る光コネクタ101Aは、プラグ95側において、プラグ側ホルダ107とフローティング基材109との間にホルダ調芯手段113が設置されると共に、レセプタクル93A側においても、レセプタクル側ホルダ105とフローティング基材109との間にホルダ調芯手段113が設置されている。これにより、プラグ側ホルダ107及びレセプタクル側ホルダ105は、それぞれのフローティング基材109との間でプラグ95の挿入方向aに対して垂直方向に移動可能であり、プラグ95に固定されたプラグ側光ファイバ55とレセプタクル93Aに固定されたレセプタクル側光ファイバ99とを光学的に接続する際、プラグ側ホルダ107及びレセプタクル側ホルダ105がコネクタ接合方向に対する垂直方向へ平行移動して、レセプタクル側光ファイバ99とプラグ側光ファイバ55の光軸が一致する方向に自動調芯される。
これにより、プラグ95側とレセプタクル93A側のホルダ調芯手段113による移動距離がそれぞれで半減でき、その結果、各ホルダ調芯手段113のサイズを縮小可能になり、よりコンパクトな構成にできる。また、プラグ95とレセプタクル93Aを接続する際に、双方が移動自在であるために一層衝撃を和らげることができ、煩雑な扱いを受けても十分な耐久性を発揮できる。更に、光ファイバ55,99同士がより高精度に軸合わせされ、低損失な光ファイバ接続が可能となる。
ここで、上記のプラグ95とレセプタクル95との接続構造としては、上記の1本のガイドキー173を用いて嵌合させる以外にも、例えば図24に概略的な断面を示すような接続構造としてもよい。即ち、先端筒部191cに設けた一対の係合ピン193を結ぶ中心線CLから互いに異なる円周角θ,θの周位置で、先端筒部191cの内周面から内側に突出して複数の内側係合ピン241、243をそれぞれ配置する。そして、プラグの金属外筒143の外周の内側係合ピン241、243に対応する円周角θ、θの周位置に、プラグの挿入方向に沿った直溝245、247を形成する。この接続構成によれば、各係合ピン193をプラグのカム筒169の誘い溝171に挿入する際に、レセプタクル側の内側係合ピン241、243がプラグ側の金属外筒143の直溝245、247に導かれて嵌合する。つまり、レセプタクル側の先端筒部191cの中にプラグの金属外筒143が、内側係合ピン241,243と直溝245,247との嵌合よって軸芯を高精度で合わせた状態で挿入される。
これにより、プラグの金属外筒143とレセプタクルの先端筒部191cとの係合の軸芯合わせをより高精度に行え、次に係合開始する係合対に対して挿入動作を円滑に繋げることができる。
<ホルダ調芯手段の変形例>
次に、ホルダ調芯手段の変形例について説明する。
図25はプラグ側ホルダが垂直支持板を介し第一直状支持片に固定された変形例に係るホルダ調芯手段の斜視図である。
本変形例に係るホルダ調芯手段113Aは、プラグ側ホルダ107の先端面に支持板251の中央部が固定され、支持板251の両端が第一直状支持片121,121の第一先端部125,125に固定されている。また、共通板部117と第二直状支持片123との間にはバネ部131が形成されない。この変形例に係るホルダ調芯手段113Aによれば、軸方向にある程度の剛性がありながら、半径方向には追従し、かつ、軸方向にも半径方向へもある程度のバネ性を持たせることができる。また、バネ部131を形成する工程が不要となるので、製造が容易になるとともに、精度が出しやすくなる。
図26は第一直状支持片と第二直状支持片が逆向きに延出された変形例に係るホルダ調芯手段の斜視図である。
本変形例に係るホルダ調芯手段113Bは、上記ホルダ調芯手段113Aを更に変形したものであり、共通板部117に対して、第一直状支持片121,121の突出方向と反対方向に第二直状支持片123,123が突出される。この変形例に係るホルダ調芯手段113Bによれば、支点(第二先端部127)と作用点(第一先端部125)との直線距離を長く取ることができ、変形を容易にして小さな反力に対する調芯を可能とすることができる。
したがって、上記構成の内視鏡装置100によれば、プラグ95とレセプタクル93を接続開始すると、レセプタクル側ホルダ105とプラグ側ホルダ107の間に生じていた位置ズレは、ホルダ調芯手段113によって、プラグ側ホルダ107がフローティング基材109に対して移動することで解消される。すなわち、レセプタクル側光ファイバ99とプラグ側光ファイバ55の光軸が一致する方向に自動調芯される。これにより、光ファイバ55,99同士が高精度に軸合わせされ、低損失な光ファイバ接続が可能となる。この結果、安定したレーザ光の導光ができる。
内視鏡装置100では、レセプタクル側光ファイバ99及びプラグ側光ファイバ55がマルチモードファイバであるが、ホルダ調芯手段113を備えていることで、シングルモードファイバが用いられる接続構造であっても、確実な調芯が行え、コア同士が高い位置合わせ精度で接続可能となる。
なお、上記例では、内視鏡装置100の光源装置41と内視鏡11とを接続するコネクタを例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。例えば、硬性鏡、スコープ内視鏡、各種手術用機器等、他の種々の医療機器に対しても適用できる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 機器本体に設けたレセプタクルにプラグを着脱自在に装着することで、前記プラグに固定されたプラグ側光ファイバと前記レセプタクルに固定されたレセプタクル側光ファイバとを光学的に接続する光コネクタを備えた医療機器であって、
前記プラグに設けられ前記プラグ側光ファイバを保持するプラグ側ホルダと、
前記レセプタクルに設けられ前記レセプタクル側光ファイバを保持するレセプタクル側ホルダと、
前記光コネクタの接合時に前記プラグと前記レセプタクルとを互いに係合する係合手段と、
前記プラグ側ホルダを前記コネクタの接合方向に対する垂直方向へ平行移動自在に支持するホルダ調芯手段と、を備え、
前記レセプタクルと前記プラグとを接続した際に、前記係合手段により規制される前記レセプタクル側ホルダと前記プラグ側ホルダのそれぞれのレセプタクル側光ファイバとプラグ側光ファイバの光軸を、前記ホルダ調芯手段により調芯する医療機器。
この医療機器によれば、プラグとレセプタクルを接続開始すると、プラグ側ホルダとレセプタクル側ホルダの間に生じていた位置ズレは、ホルダ調芯手段によって、プラグ側ホルダがフローティング基材に対して移動され、レセプタクル側光ファイバに対してプラグ側光ファイバの光軸が一致するように自動調芯される。これにより、光ファイバ同士が高精度に光軸合わせされ、低損失な光ファイバ接続が可能となる。
(2) (1)の医療機器であって、
前記プラグ側ホルダを前記プラグの挿入方向に弾性支持するフローティング基材を備え、
前記ホルダ調芯手段が、前記プラグ側ホルダと前記フローティング基材との間に設置された医療機器。
この医療機器によれば、プラグ側ホルダがフローティング基材との間でプラグの挿入方向に対して垂直方向に移動可能となり、レセプタクル側光ファイバとプラグ側光ファイバの光軸を調芯できる。
(3) (1)又は(2)の医療機器であって、
前記ホルダ調芯手段は、共通板部と、前記共通板部に垂直な仮想軸を挟み該共通板部から垂直に突出させた平行な一対の第一直状支持片と、前記仮想軸を中心に前記一対の第一直状支持片の位置を直角に回転させた位置で前記共通板部から垂直に突出させた平行な一対の第二直状支持片とを有し、
前記第一直状支持片の第一先端部が前記プラグ側ホルダに固定され、前記第二直状支持片の第二先端部が前記フローティング基材に固定される医療機器。
この医療機器によれば、一対の第一直状支持片と一対の第二直状支持片により、プラグ側ホルダが、フローティング基材に対してプラグ側ホルダを平行に保ちつつ仮想軸に対する垂直方向に移動自在となる。
(4) (3)の医療機器であって、
前記第一直状支持片と前記第二直状支持片の双方が、前記共通板部から同じ向きに延設される医療機器。
この医療機器によれば、第一直状支持片と第二直状支持片が同じ向きに延設されることで共通板部からの突出高さを抑えることができ、配置のためのスペース効率を高められる。
(5) (3)又は(4)の医療機器であって、
前記共通板部が、前記一対の第二直状支持片との接続部位に、前記プラグの挿入方向に弾性変形可能なバネ部を備える医療機器。
この医療機器によれば、プラグの挿入方向に弾性変形することで、プラグ側フェルールの光接合端面部とレセプタクル側フェルールの光接合端面部同士の密着性を向上して低損失な接続を実施できる。
(6) (3)〜(5)のいずれか1つの医療機器であって、
少なくとも前記第一直状支持片と、前記第二直状支持片とが板材で形成される医療機器。
この医療機器によれば、第一直状支持片及び第二直状支持片が板材で形成されることで、各支持片の弾性変形時にプラグ側ホルダをより確実に平行に変位させることができる。
(7) (6)の医療機器であって、
前記ホルダ調芯手段が、一枚の金属板から形成される医療機器。
この医療機器によれば、プレス成形によりホルダ調芯手段を簡単に製造できる。部品点数を最小とすることができる。複数部品からなる複合手段に比べ、高精度な調芯が可能となる。
(8) (1)〜(7)のいずれか1つの医療機器であって、
前記プラグ側光ファイバ及び前記レセプタクル側光ファイバがシングルモードファイバである医療機器。
この医療機器によれば、単一モードで光伝送されるシングルモードファイバが用いられる接続構造であっても、確実な調芯が行え、コア同士が高い位置合わせ精度で接続される。
(9) (8)の医療機器であって、
前記プラグ側ホルダと前記レセプタクル側ホルダの組を複数備え、
前記光コネクタが、複数本の前記プラグ側光ファイバと複数本の前記レセプタクル側光ファイバの接続と分断を行う医療機器。
この医療機器によれば、複数組のプラグ側ホルダとレセプタクル側ホルダを備えることで、プラグをレセプタクルに差し込み、又は抜き取ることによって、それぞれのホルダ同士を任意方向に自動調芯し、光学的な接続又は分断を一括して行える。
(10) (1)〜(9)のいずれか1つの医療機器であって、
前記レセプタクル側光ファイバから入射された光のビーム径を拡大してコリメートする第一グレーテッドインデックスコリメータが、前記レセプタクル側ホルダの光接合端面部に組み込まれ、
前記第一グレーテッドインデックスコリメータと略同一のコア径を有し、該第一グレーテッドインデックスコリメータから入射された光のビーム径を収束してプラグ側光ファイバに入射させる第二グレーテッドインデックスコリメータが、前記プラグ側ホルダの光接合端面部に組み込まれた医療機器。
この医療機器によれば、グレーテッドインデックスコリメータから出射された光のビーム径が拡大されることで、プラグとレセプタクルとの位置合わせ精度の裕度を向上できる。
(11) (1)〜(10)のいずれか1つの医療機器として構成され、
前記プラグから導入された光を、被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端から照射する内視鏡と、
前記内視鏡の前記プラグが接続される前記レセプタクルを有する光源装置と、
を備えた内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、内視鏡の照明用の光を、光源装置のレセプタクルにプラグを接続することで簡単に取り出すことができる。
(12) (11)の内視鏡装置であって、
前記光源装置が、前記内視鏡に対してスペクトルの互いに異なる複数種のレーザ光を供給する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、複数種のレーザ光を、低損失な光ファイバ接続にて、確実に供給できる。
(13) (12)の内視鏡装置であって、
前記光源装置が、前記複数種のレーザ光を同時又は交互に前記内視鏡に供給する内視鏡装置。
この内視鏡装置によれば、複数種のレーザ光を任意のタイミングで内視鏡に供給することで、内視鏡による観察内容に応じた最適な照明パターンを生成でき、内視鏡の診断精度を向上できる。
11 内視鏡
19 内視鏡挿入部
35 内視鏡先端部
41 光源装置
55 プラグ側光ファイバ
91 機器本体
93 レセプタクル
95 プラグ
99 レセプタクル側光ファイバ
100 内視鏡装置
101 光コネクタ
105 レセプタクル側ホルダ
107 プラグ側ホルダ
109 フローティング基材
111 係合手段
113 ホルダ調芯手段
117 共通板部
119 仮想軸
121 第一直状支持片
123 第二直状支持片
125 第一先端部
127 第二先端部
129 接続部位
131 バネ部
133 板材
159 第二グレーテッドインデックスコリメータ
161a レセプタクル側ホルダの光接合端面部
161b プラグ側ホルダの光接合端面部
163 第一グレーテッドインデックスコリメータ
a プラグ挿入方向

Claims (12)

  1. 機器本体に設けたレセプタクルにプラグを着脱自在に装着することで、前記プラグに固定されたプラグ側光ファイバと前記レセプタクルに固定されたレセプタクル側光ファイバとを光学的に接続する光コネクタを備えた医療機器であって、
    前記プラグに設けられ前記プラグ側光ファイバを保持するプラグ側ホルダと、
    前記レセプタクルに設けられ前記レセプタクル側光ファイバを保持するレセプタクル側ホルダと、
    前記光コネクタの接合時に前記プラグと前記レセプタクルとを互いに係合する係合手段と、
    前記プラグ側ホルダを前記コネクタの接合方向に対する垂直方向へ平行移動自在に支持するホルダ調芯手段と、
    前記プラグ側ホルダを前記プラグの挿入方向に弾性支持するフローティング基材と、を備え、
    前記ホルダ調芯手段は、共通板部と、前記共通板部に垂直な仮想軸を挟み該共通板部から垂直に突出させた平行な一対の第一直状支持片と、前記仮想軸を中心に前記一対の第一直状支持片の位置を直角に回転させた位置で前記共通板部から垂直に突出させた平行な一対の第二直状支持片とを有し、
    前記第一直状支持片の第一先端部が前記プラグ側ホルダに固定され、前記第二直状支持片の第二先端部が前記フローティング基材に固定されるものであり、
    前記レセプタクルと前記プラグとを接続した際に、前記係合手段により規制される前記レセプタクル側ホルダと前記プラグ側ホルダのそれぞれのレセプタクル側光ファイバとプラグ側光ファイバの光軸を、前記ホルダ調芯手段により調芯する医療機器。
  2. 請求項1記載の医療機器であって、
    前記ホルダ調芯手段が、前記プラグ側ホルダと前記フローティング基材との間に設置された医療機器。
  3. 請求項1又は請求項2記載の医療機器であって、
    前記第一直状支持片と前記第二直状支持片の双方が、前記共通板部から同じ向きに延設される医療機器。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の医療機器であって、
    前記共通板部が、前記一対の第二直状支持片との接続部位に、前記プラグの挿入方向に弾性変形可能なバネ部を備える医療機器。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の医療機器であって、
    少なくとも前記第一直状支持片と、前記第二直状支持片とが板材で形成される医療機器。
  6. 請求項5記載の医療機器であって、
    前記ホルダ調芯手段が、一枚の金属板から形成される医療機器。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の医療機器であって、
    前記プラグ側光ファイバ及び前記レセプタクル側光ファイバがシングルモードファイバである医療機器。
  8. 請求項7記載の医療機器であって、
    前記プラグ側ホルダと前記レセプタクル側ホルダの組を複数備え、
    前記光コネクタが、複数本の前記プラグ側光ファイバと複数本の前記レセプタクル側光ファイバの接続と分断を行う医療機器。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の医療機器であって、
    前記レセプタクル側光ファイバから入射された光のビーム径を拡大してコリメートする第一グレーテッドインデックスコリメータが、前記レセプタクル側ホルダの光接合端面部に組み込まれ、
    前記第一グレーテッドインデックスコリメータと略同一のコア径を有し、該第一グレーテッドインデックスコリメータから入射された光のビーム径を収束してプラグ側光ファイバに入射させる第二グレーテッドインデックスコリメータが、前記プラグ側ホルダの光接合端面部に組み込まれた医療機器。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の医療機器として構成され、
    前記プラグから導入された光を、被検体内に挿入される内視鏡挿入部の先端から照射する内視鏡と、
    前記内視鏡の前記プラグが接続される前記レセプタクルを有する光源装置と、
    を備えた内視鏡装置。
  11. 請求項10記載の内視鏡装置であって、
    前記光源装置が、前記内視鏡に対してスペクトルの互いに異なる複数種のレーザ光を供給する内視鏡装置。
  12. 請求項11記載の内視鏡装置であって、
    前記光源装置が、前記複数種のレーザ光を同時又は交互に前記内視鏡に供給する内視鏡装置。
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