JP5460199B2 - ループコイル式金属物体検知装置 - Google Patents
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Description
このループコイル式のセンサ31を使用した金属物体検知装置においては、ループコイルを共振回路の一部に含む発振回路を構成している。そして、定常状態では、ループコイルのインダクタンスを含むインピーダンスと共振回路に設けられたコンデンサの容量で決定される一定の共振周波数で発振動作を行っている。ループコイルに金属物体が近づくとループコイルのインダクタンスが変化するので、発振周波数と波高電圧も変化する。したがって、この発振周波数の変化または波高電圧の変化を検出することにより、金属物体、すなわち、車輌の有無を検出することができる。
このような多数回巻いたループコイルでは、コイル径が太くなり、コイルの設置作業に数日が必要となる。
例えば、4巻以上の巻線のループコイルでは、保護管等も含めコイル径が数cmにもなる。このようなコイルを設置するためには、1m四方に5〜10cm幅の配設溝を掘る必要があり、路面カッターによる切断作業、設置後の埋め戻し作業に手間を要するという問題があった。
本発明は係る従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、一巻きのループコイルの微弱なインダクタンス変化量を検知できる回路を設定し、一巻きのループコイルを採用することによって、ループコイルの設置作業の簡略化を実現したループコイル式金属物体検知装置及びループコイルの設置方法を提供することにある。
前記共振回路は、ループコイルに接続された前置の共振回路であるループコイル同調回路と、ループコイル同調回路からの信号をインピーダンス変換回路によってインピーダンスを整合させて接続された後置の共振回路を備えたことを特徴とする
発振回路のコンデンサに蓄積される電荷を所定間隔で短絡させて放電を行うリフレッシュ回路を備えたので、LC共振回路を構成するコンデンサの電荷蓄積による信号の変異が解消され、正確な検知が可能となる。
そのため、インダクタンスの低い1巻きのループコイルであっても、信号変化量を正確に検知する測定回路が形成される。
前置の共振回路と、後置の共振回路を設けたので、インダクタンスの低い1巻きのループコイルであっても、微弱な変化信号の中から雑音を排除して目的とする信号を確実に抽出することができる。
また、多数巻きのループコイルでは環境により線間容量等が変化し、検出信号に誤差を生じるが、本発明では1巻きのループコイルを使用するので線間容量の変化による誤差が生じない。
さらに、1巻きのループコイルで金属物体を検出できるので、駐車場における車両センサの路面への設置作業が簡略化される。
また、前記共振回路は、ループコイルに接続された前置の共振回路であるループコイル同調回路と、ループコイル同調回路からの信号を、インピーダンス変換回路によってインピーダンスを整合させて接続された後置の共振回路を備えたことで、以下のような効果が得られる。
すなわち、ループコイル1をインダクタンスが低い1巻きのコイルで形成した場合、共振によって得られる信号変化量が微弱であるが、後続のインピーダンス変換回路、後置の共振回路、によって、微弱な変化信号の中から雑音を排除して目的とする信号を確実に抽出することができる。これにより、ループコイルとして、インダクタンスが低い1巻きのコイルで形成することが可能になる。
また、定期的にリフレッシュ信号がループコイル同調回路と後置の共振回路に供給されるので、共振回路が定期的にリフレッシュされる。
図1に示す金属物体検知装置は、車両の下に配置されるループコイル1と、このループコイル1のインダクタンスを回路の一部として含むループコイル同調回路2(前置の共振回路)と、このループコイル同調回路2と組み合わされて発振回路を構成するインピーダンス変換回路4、後置の共振回路5、増幅回路6と、発振信号からノイズ等の除去を行う波形成形回路7と、波形整形回路7から送られてきた信号から変化した信号成分を抽出する復調回路8と、ループコイル同調回路2と後置の共振回路5のそれぞれに設けられた切換回路9、9aと(図2、3参照)、復調された発振出力の周波数を測定し予め決められた規定周波数の範囲内に有るか否かを検出する判別回路10と、判別回路10における検出結果に基づいてリレーを制御すると共に検出結果を直列デジタルデータの形態でデータ出力端子12に出力する制御回路11とを備えている。
フォトスイッチ3aがオンになるとコンデンサ2aが抵抗R1を介して短絡され、コンデンサ2aの蓄積電荷が放電されるリフレッシュ回路となる。
同様に、後置の共振回路5にリフレッシュ信号が供給されると、フォトスイッチ3b、3cがオンとなるので、後置の共振回路5のコンデンサ2b,2cの両端が抵抗R2、R3を介して短絡される。従ってコンデンサに蓄積された電荷が放電されて、共振回路が定期的にリフレッシュされる。
一方、リフレッシュ回路を設定した(Sあり)の状態では図2、3におけるS1、S2、S3は制御回路の作用により定期的にオンとなるためにコンデンサの放電が行われる。この場合には、コンデンサに蓄積された電荷が放電されてリフレッシュされ、測定周波数の変動分の絶対値はほぼ同一で推移し測定誤差は生じない。
リフレッシュ回路では抵抗R1,R2、R3を通じて電荷の放電が行われるため、急激な電流の流れによるショートが防止され、長期に渡ってコンデンサの放電のオンオフが繰り返されてもコンデンサに負荷を与えず安定した作動が保証される。
本発明のループコイル式金属物体検知装置では1巻きの電線によってループコイル1が形成されるので、従来のループコイルに比べて細くなる。
つまり、従来のループコイルは所定のインダクタンス変化量を確保するために、少なくとも4巻き以上のコイル巻数を必要とし、コイル径が数cmとなっていたが、本発明ではリフレッシュ回路を設定し、微弱な信号を測定可能としているので、1巻きのコイル径2mm前後の電線によるループコイルセンサが可能となっている。
従って、本発明のループコイル1を設置する場合には、駐車スペースのアスファルトまたはコンクリートの路面を路面カッターで筋状に切断して、形成された筋状の溝に埋め込み、筋に接着剤を流し込むことによってループコイルを設置することができる。
溝の形状としては路面カッターのカッター幅で十分であり、幅3〜6mm、深さ10〜20mm程度となる。
従来、ループコイルを設定する場合には、路面カッターで配設領域の内側と外側を路面カッターで切断して枠状の孔を形成し、ループコイルを配設した後にはその埋戻し作業が必要であったが、本発明のループコイルでは、一本の筋を形成するのみでループコイルの設置が可能となる。
接着方法としては、樹脂、モルタル、コーティングによって電線上から被せる方法、帯状のテープ等によって上面を覆って接着剤によって補強する方法等による。
さらに、路面に導電性塗料または導電性接着剤をループ状に塗布接着した後に固化させてループコイルを配設することも可能である。
このような、ループコイルセンサの配置方法を採用することにより、従来に比べてループコイル式金属物体検知装置の設置作業が極めて簡略化される。
例えば、本発明のループコイルを駐車場内に複数隣接して配置する場合であっても、前記実施例と同一の作用となる。
2 ループコイル同調回路
2a、2b、2c コンデンサ
3 切換回路
3a、3b、3c フォトスイッチ
4 インピーダンス変換回路
5 後置の共振回路
6 増幅回路
7 波形成形回路
8 復調回路
9 切換回路
9a 切換回路
10 判別回路
11 制御回路
12 データ出力端子
Claims (1)
- 一巻きの電線によって構成されるループコイルと、
ループコイルに接続されて設けられ、ループコイルのインダクタンスに基づく信号変化量を検出する共振回路と、
共振回路と組み合わせて構成される発振回路と、
発信回路の出力の周波数または波高値が規定範囲内にあるか否かを判別する判別回路と、
共振回路のコンデンサに蓄積される電荷を所定間隔で短絡させて放電を行うリフレッシュ回路とを備え、
前記共振回路は、ループコイルに接続された前置の共振回路であるループコイル同調回路と、ループコイル同調回路からの信号をインピーダンス変換回路によってインピーダンスを整合させて接続された後置の共振回路を備えたことを特徴とするループコイル式金属物体検知装置。
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