JP5458483B2 - 太陽電池出力特性の測定方法、評価装置及びそのソフトウェア - Google Patents
太陽電池出力特性の測定方法、評価装置及びそのソフトウェア Download PDFInfo
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Description
そして、太陽電池セル2の両端に発生する電圧、及び電流検出用抵抗4によって測定される電流のデータがIVカーブトレーサ5のサンプリング手段51によって取り込まれる。サンプリング手段51によって取得されたデータに基づいて、電流−電圧曲線及び電力−電圧曲線が演算手段52によって導出され、さらに、最大出力電力、短絡電流、開放電圧、最大出力動作電流及び最大出力動作電圧が演算される。
例えば、図4(a)のように狭いサンプリング区間でサンプリングを行うと、そのサンプリング区間が光出力の谷部を含むか山部を含むかによって得られるデータが異なってしまう。そして、測定周期が光出力リップル周期の整数倍に一致すると、得られるデータは常に平均値とは異なる値となってしまう。また、両者が一致していない場合は図5に示すように、両者が少しずつずれていくことによって、得られる電流−電圧曲線に周期的なリップル(以下、「長周期リップル」という)が現れてしまう。なお、破線は何らかのリップル対策を行った場合の本来得られるべき各曲線である。図5では、始点Aから終点Bの間で数百ポイントの測定が行われる間に、長周期リップルがC、D、E及びF点付近で発生しているとともに、リップル間のデータも破線からやや外れている。そして、それに対応して電力−電圧曲線にも長周期リップルが現れている。
特許文献2では、PWMインバータの電流検出方法において、電圧スイッチングによる電流リップルノイズがサンプルに含まれないように電圧スイッチングのタイミング(即ち、電流リップルのタイミング)と所定の時間差でサンプルを取得する方法が開示されている。
特許文献3には、交流電流をサンプリングする電流検出装置において、交流電源電圧の周波数に対応した周波数で電流をサンプリングするものが開示されている。
具体的には、特許文献1の場合は照度モニタ(6)を設置する必要がある。そもそも、同文献のように、検出された照度としきい値とを比較して交流周期を検出することは、もともと予定されている比較的大きな出力リップルを検出する場合には有効な方法であるが、図3のように理想的には乗らないはずの比較的小さなリップルを検出する場合には、しきい値の設定を非常に厳密なものとしなければならず現実的な方法とはいえない。
従って、各特許文献の技術を図1のような既存の評価装置に適用することはできない。
なお、測定要求精度αは0<α≦0.5とすることが望ましい。また、サンプリング期間を交流点灯周期の2倍以下の長さとすれば高速評価を確実にできる。
なお、測定要求精度αは0<α≦0.5とすることが望ましい。また、サンプリング期間を交流点灯周期の2倍以下の長さとすれば高速評価を確実にできる。
またさらに、光源を矩形波交流電流で点灯される高圧放電灯とした。
なお、要求精度の上限をα=0.5とすることが望ましい。また、サンプリング期間を交流点灯波形の周期の2倍以下の長さとすれば、高速評価を確実にできる。
また、既存の評価装置においてサンプリング速度が十分であればハードウェアに変更を加えることなく上記の効果が得られるので実施が容易である。
ここで、サンプリングの改善において重要なのは、サンプリング周波数とサンプリング期間の選択である。サンプリング期間が必要程度に長いという前提の下、サンプリング周波数を高くすれば測定精度は改善される方向に向かうが、確実に測定要求精度を満たすためにはどの程度のサンプリング周波数が必要かということが問題となる。即ち、サンプリングポイントが光出力波形の特定部分を偏重して含まないようにして測定要求精度を満たすためのサンプリング周波数を特定する必要がある。
表1は、図3及び4の光出力におけるリップルの高調波(最大25次、5kHzまで)の累計パーセンテージの例を示したものである。
表1から分かるように、本実施例においては、点灯電流が矩形波であることから成分のほとんどが直流成分であり、これが97.25%を占めている。そして、リップルの基本波f1(200Hz)の整数倍の第n次高調波について、その累計パーセンテージは、第4次(800Hz)までで98%を超え、第9次(1.8kHz)までで99%を超えている。
なお、ここでいう要求精度±0.5%とは、JIS C8913で規定されている計測器精度0.5級によるものである。
なお、サンプリング周波数の上限は取得されたデータの処理時間等を考慮して適宜定めればよいが、上記の方法により算出した周波数(2×fk)よりも高くすることに実益がない場合は、サンプリング周波数は2×fkとするのが好適である。
また逆に、サンプリング期間は交流点灯周期の2倍以上であっても10ms以下であれば高速評価の要求は満たすことはできる。
しかし、可能な高速評価という観点では、上述したようにサンプリング期間は交流点灯周期の1〜2倍とすることが望ましい。
また、光源の動作を検出したり同期を取ったりする必要がなく、光源の動作とは独立して実施できるので、既存のあらゆる評価装置において容易に実施できる。
例えば、光源1に白熱電球(ハロゲン電球等)や放電灯(蛍光灯等)を用いて比較的低い周波数(例えば、50Hz、60Hz等)で正弦波点灯される場合に適用してもよい。
また、実施例と同様に光源に高圧放電灯を用いて矩形波で点灯する場合でも、その矩形波がフリッカ抑制用の特殊な変形波形(極性反転直前に電流値を高くするもの、高周波電流を挿入するものなど)からなっていてもよい。
また、光源1に直流点灯用高圧放電灯、直流用ハロゲン電球、LED等を用いて直流点灯される場合に適用してもよい。この場合、実施例の矩形波点灯の場合と同様に、理想的には光出力にリップルはないはずであるが、光源の点灯装置への入力電圧や制御方法に起因するリップルが発生することがある。
また、光源1に蛍光灯等の放電灯を用いて高い周波数(例えば数十kHzから数百kHz)で点灯する場合に適用してもよい。この場合は、光出力波形は高周波電流波形そのものには追従しないので極性反転に伴うリップルは発生しないが、直流点灯の場合と同様に、光源の点灯装置への入力電圧や制御方法に起因するリップルが発生することがある。
2.太陽電池セル又はモジュール
3.バイアス電源
4.電流検出用抵抗
5.IVカーブトレーサ
10.評価装置
51.サンプリング手段
52.演算手段(コンピュータ)
Claims (10)
- 太陽電池出力特性の測定方法であって、
周期的な出力リップルを含む交流点灯光源によって太陽電池セル又はモジュールに光を照射するステップ、
該太陽電池セル又はモジュールに接続する擬似負荷の状態をステップ状に変化させるステップ、
該太陽電池セル又はモジュールからの出力電圧及び出力電流のデータをサンプリングするステップ、及び
取得されたデータから少なくとも電流−電圧曲線を導出するステップからなり、
前記出力リップルに含まれる周波数成分について予め取得された、直流成分及び基本波f 1 から最大次高調波までの累計照度に対する、前記直流成分及び前記基本波f1から前記最大次以下の第n次高調波fnまでの累計照度の割合である累計パーセンテージをSn(%)、測定の要求精度を±α(%)とした場合に、
前記サンプリングするステップにおいて、各負荷状態におけるサンプリング周波数が、Sn≧(100−2α)を満たす範囲で最も低い次数の高調波fkの2倍以上の周波数であり、サンプリング期間が光源の交流点灯周期の少なくとも1周期を含む長さで取得したデータの平均値を取得する測定方法。 - 請求項1記載の測定方法において、前記要求精度αが0<α≦0.5である測定方法。
- 請求項1記載の測定方法において、さらに、サンプリング期間が前記交流点灯周期の2倍以下の長さである測定方法。
- 太陽電池出力特性を測定する評価装置であって、
太陽電池セル又はモジュールに周期的な出力リップルを含む光を照射する交流点灯光源、
該太陽電池セルに接続する擬似負荷の状態をステップ状に変化させる機器、
該太陽電池セルからの出力電圧及び出力電流のデータを取得するサンプリング手段、及び
取得されたデータから少なくとも電流−電圧曲線を導出する演算手段
からなり、
前記出力リップルに含まれる周波数成分について予め取得された、直流成分及び基本波f 1 から最大次高調波までの累計照度に対する、前記直流成分及び前記基本波f1から前記最大次以下の第n次高調波fnまでの累計照度の割合である累計パーセンテージをSn(%)、測定の要求精度を±α(%)とした場合に、
前記サンプリング手段において、各擬似負荷の状態におけるサンプリング周波数が、Sn≧(100−2α)を満たす範囲で最も低い次数の高調波fkの2倍以上の周波数であり、サンプリング期間が光源の交流点灯周期の少なくとも1周期を含む長さである評価装置。 - 請求項4記載の評価装置において、前記要求精度αが0<α≦0.5である評価装置。
- 請求項4記載の評価装置において、さらに、サンプリング期間が光源の交流点灯周期の2倍以下の長さである評価装置。
- 請求項4記載の評価装置において、前記光源が矩形波交流電流で点灯される高圧放電灯である評価装置。
- 太陽電池セル又はモジュールに周期的な出力リップルを含む光を照射する交流点灯光源、該太陽電池セルに接続する擬似負荷、該太陽電池セルからの出力電圧及び出力電流のデータを取得する測定器、出力特性を評価するコンピュータからなる評価装置において、該コンピュータにインストールされるソフトウェアであって、
前記擬似負荷をステップ状に変化させ、各負荷状態について前記出力電圧及び出力電流のデータをサンプリングし、及びサンプリングされたデータから少なくとも電圧−電流曲線を導出するよう構成され、
前記出力リップルに含まれる周波数成分の予め取得された、直流成分及び基本波f 1 から最大次高調波までの累計照度に対する、前記直流成分及び前記基本波f1から前記最大次以下の第n次高調波fnまでの累計照度の割合である累計パーセンテージをSn(%)、測定の要求精度を±α(%)とした場合に、
Sn≧(100−2α)を満たす範囲で最も低い次数の高調波fkの2倍以上の周波数をサンプリング周波数として選択し、光源の交流点灯周期の少なくとも1周期を含む時間をサンプリング期間として選択するよう動作するソフトウェア。 - 請求項8記載のソフトウェアにおいて、前記要求精度の上限をα=0.5としたソフトウェア。
- 請求項8記載のソフトウェアにおいて、さらに、前記サンプリング期間を前記交流点灯周期の2倍以下の時間で選択するよう動作するソフトウェア。
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