JP5456611B2 - 圧電型電気音響変換器およびその製造方法 - Google Patents
圧電型電気音響変換器およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5456611B2 JP5456611B2 JP2010172179A JP2010172179A JP5456611B2 JP 5456611 B2 JP5456611 B2 JP 5456611B2 JP 2010172179 A JP2010172179 A JP 2010172179A JP 2010172179 A JP2010172179 A JP 2010172179A JP 5456611 B2 JP5456611 B2 JP 5456611B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin layer
- layer electrode
- piezoelectric
- electroacoustic transducer
- piezoelectric element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Piezo-Electric Transducers For Audible Bands (AREA)
Description
本発明は、圧電型電気音響変換器であって、配線用のカシメ金具を圧電フィルムに折り曲げて固定する場合でも、圧電フィルムの変形を抑え、電気的接続を安定して維持し、出力信号へのノイズの混入や不導通を効果的に防止できるものに関する。
咽喉マイクロホン等に用いられる圧電型電気音響変換器は、加えられた力を電圧に変換する、あるいは電圧を力に変換する、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の圧電素子(ピエゾ素子)のフィルム(以下「圧電フィルム」という。)を備えている(特許文献1参照)。この圧電フィルムの表面には、シルク印刷による銀ペイントや金属を蒸着する等の方法で、薄層状の電極(以下「薄層電極」という。)が形成されている。この薄層電極は、リード線との接続に用いられる。
薄層電極とリード線との接続は、金属製の接続部材であるカシメ金具を介して行われる。カシメ金具はU字形の止めくぎであり、薄層電極と圧電フィルムとを貫通した状態で端部が圧電フィルムを押圧するように折り曲げられることで、薄層電極および圧電フィルムと一体的に固定される。そして、半田付けや導電性接着剤等によりリード線がカシメ金具に接続されることで、カシメ金具を介した薄層電極とリード線との電気的接続が確立される。
上述した従来の圧電型電気音響変換器の製造は、図2に示すようにして行われる。まず、図2(a)に示すように、圧電フィルム12の表面に薄層電極13が形成される。
次に、図2(b)および図2(c)に示すように、U字形のカシメ金具14の両端の脚部14aが、薄層電極13側から圧電フィルム12および薄層電極13を貫通させられる。このとき、カシメ金具14の脚部14aは、圧電フィルム12および薄層電極13を貫通して、圧電フィルム12の裏面から突出する。
次に、図2(d)に示すように、圧電フィルム12から突出したカシメ金具14の両端の脚部14aが、圧電フィルム12を押圧するように折り曲げられる。こうしてカシメ金具14が圧電フィルム12および薄層電極13に固定され、圧電型電気音響変換器10が完成する。
ところで、圧電型電気音響変換器10に用いられている圧電フィルム12は、カシメ金具14に比べて機械的強度が弱い。そのため、カシメ金具14を介した薄層電極13と図示せぬリード線との接続では、図3に示すように、外部からカシメ金具14を経て圧電フィルム12に加わる応力により圧電フィルム12が変形することがある。
そして、圧電フィルム12の変形に伴い薄層電極13も変形することで、カシメ金具14と薄層電極13との間に隙間が生じる恐れがある。また、変形した箇所の薄層電極13が剥離してしまう恐れがある。図3において、符号13aは薄層電極13から剥離した剥離片を示している。
圧電フィルム12および薄層電極13の変形や、薄層電極13の剥離は、薄層電極13とカシメ金具14との電気的接続の不安定さを招き、出力信号への雑音の混入や不導通を生じる恐れがある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、薄層電極とリード線との接続をカシメ金具を介して行う場合でも、圧電フィルムの変形を抑え、薄層電極とカシメ金具との電気的接続を安定して維持し、出力信号へのノイズの混入や不導通を効果的に防止することができる圧電型電気音響変換器を提供することを目的とする。
本発明は、フィルム状の圧電素子と、前記圧電素子の表面に形成された薄層電極と、前記圧電素子と前記薄層電極とを貫通して固定される金属製の接続部材と、を備えた圧電型電気音響変換器であって、前記薄層電極に載置された導電性の弾性部材を更に備え、前記接続部材は、前記薄層電極との間に前記弾性部材を挟み込んだ状態で前記薄層電極と前記圧電素子とを貫通し、前記圧電素子の裏面に突出した脚部が折り曲げられることで、前記弾性部材が前記薄層電極に押圧された状態で固定されることを最も主要な特徴とする。
また、本発明にかかる圧電型電気音響変換器は、前記圧電素子がポリフッ化ビニリデンであることを特徴とする。
また、本発明にかかる圧電型電気音響変換器は、前記弾性部材が導電布であることを特徴とする。
本発明はまた、フィルム状の圧電素子の表面に薄層電極が形成されている圧電型電気音響変換器の製造方法であって、前記薄層電極上に導電性の弾性部材を載置する工程と、前記薄層電極と前記圧電素子とを金属製の接続部材により貫通し、前記薄層電極と前記接続部材との間に前記弾性部材を挟み込んだ状態にする工程と、前記圧電素子から突出した前記接続部材の脚部を折り曲げることで、前記弾性部材を前記薄層電極に押圧した状態で固定する工程と、を備えたことを特徴とする。
以下、本発明に係る圧電型電気音響変換器およびその製造方法の実施例について、図1を用いて説明する。
本実施例に係る圧電型電気音響変換器1は、図1(d)に示すように、圧電フィルム2、薄層電極3、カシメ金具4および導電布5を備えている。圧電フィルム2、薄層電極3、カシメ金具4については、上述した従来の圧電型電気音響変換器と同様に構成されている。
導電布5は、導電性の繊維を編んだ弾力性を有する布である。なお、本発明においては導電性の弾性部材であればよく、導電性の繊維を編んだ導電布の他、導電性の不織布や、導電性樹脂のフィルム等も好適に用いることができる。
本実施例に係る圧電型電気音響変換器を製造する場合、まず、図1(a)に示すように、圧電フィルム2の表面に薄層電極3が形成される。薄層電極3は、上述した従来の圧電型電気音響変換器の薄層電極と同様に形成される。
次に、図1(b)および図1(c)に示すように、薄層電極3の上に導電布5が載置されるとともに、U字形のカシメ金具4が、その両端部の脚部4aで上記導電布5を跨いで配置され、さらに、カシメ金具4の両端の脚部4aが薄層電極3および圧電フィルム2を貫通して取り付けられる。これにより、導電布5は、カシメ金具4と薄層電極3とにより挟み込まれた状態となる。カシメ金具4の脚部4aは、圧電フィルム2の、薄層電極3が形成されている面とは反対側の面から突出している。
次に、図1(d)に示すように、圧電フィルム2から突出したカシメ金具4の両端の脚部4aが折り曲げられる。こうして、カシメ金具4が薄層電極3および圧電フィルム2と一体的に固定されることで、圧電型電気音響変換器1が完成する。
上述した製造方法により製造された圧電型電気音響変換器1は、フィルム状の圧電素子である圧電フィルム2と、圧電フィルム2の表面に形成された薄層電極3と、薄層電極3の表面に載置された導電性の弾性部材である導電布5と、を備えている。更に、この圧電型電気音響変換器1は、薄層電極3との間に導電布5を挟み込んだ状態で圧電フィルム2と薄層電極3とを貫通して固定される金属製の接続部材であるカシメ金具4を備えている。圧電フィルム2の裏面に突出したカシメ金具4の脚部4aが折り曲げられることで、導電布5が薄層電極3に押圧した状態で固定されている。
カシメ金具4に外部からの応力が加わると、その応力が圧電フィルム2に伝わる。しかし、本実施例に係る圧電型電気音響変換器1では、導電布5が弾性変形することができるため、圧電フィルム2に伝わった応力が導電布5に吸収され、圧電フィルム2の変形を抑えることができる。
そして、圧電フィルム2の変形を抑えることでその表面に形成されている薄層電極3の変形も抑えることができるため、薄層電極3とカシメ金具4との間における隙間の発生や、薄層電極3の剥離も効果的に防止することができる。
さらに、導電布5はその弾性力により、隙間を生じることなく薄層電極3およびカシメ金具4と広い面積において接触することができるため、これらの部材との電気的接続を確実に行うことができる。
このように、本実施例に係る圧電型電気音響変換器1によると、薄層電極3とカシメ金具4との電気的接続を安定して維持することができ、圧電型電気音響変換器1からの出力信号にノイズが混入することや、不導通の発生を効果的に防止することができる。
なお、上述した実施例においては圧電フィルム2の材料である圧電素子としてPVDFが用いられているが、本発明においてはこれに限らず、ジルコン酸チタン酸鉛やチタン酸バリウム等の圧電素子を用いてもよい。
本発明に係る圧電型電気音響変換器は、咽喉マイクロホンの他、携帯電話機用の受話器、イヤホン、圧電スピーカ等に利用することができる。
1 圧電型電気音響変換器
2 圧電フィルム
3 薄層電極
4 カシメ金具
4a 脚部
5 導電布
10 圧電型電気音響変換器
12 圧電フィルム
13 薄層電極
13a 剥離片
14 カシメ金具
14a 脚部
2 圧電フィルム
3 薄層電極
4 カシメ金具
4a 脚部
5 導電布
10 圧電型電気音響変換器
12 圧電フィルム
13 薄層電極
13a 剥離片
14 カシメ金具
14a 脚部
Claims (4)
- フィルム状の圧電素子と、
前記圧電素子の表面に形成された薄層電極と、
前記圧電素子と前記薄層電極とを貫通して固定される金属製の接続部材と、
を備えた圧電型電気音響変換器であって、
前記薄層電極に載置された導電性の弾性部材を更に備え、
前記接続部材は、前記薄層電極との間に前記弾性部材を挟み込んだ状態で前記薄層電極と前記圧電素子とを貫通し、前記圧電素子の裏面に突出した脚部が折り曲げられることで、前記弾性部材が前記薄層電極に押圧された状態で固定される圧電型電気音響変換器。 - 前記圧電素子がポリフッ化ビニリデンである請求項1記載の圧電型電気音響変換器。
- 前記弾性部材が導電布である請求項1または2記載の圧電型電気音響変換器。
- フィルム状の圧電素子の表面に薄層電極が形成されている圧電型電気音響変換器の製造方法であって、
前記薄層電極上に導電性の弾性部材を載置する工程と、
前記薄層電極と前記圧電素子とを金属製の接続部材により貫通し、前記薄層電極と前記接続部材との間に前記弾性部材を挟み込んだ状態にする工程と、
前記圧電素子から突出した前記接続部材の脚部を折り曲げることで、前記弾性部材を前記薄層電極に押圧した状態で固定する工程と、
を備えた圧電型電気音響変換器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010172179A JP5456611B2 (ja) | 2010-07-30 | 2010-07-30 | 圧電型電気音響変換器およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010172179A JP5456611B2 (ja) | 2010-07-30 | 2010-07-30 | 圧電型電気音響変換器およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012034197A JP2012034197A (ja) | 2012-02-16 |
JP5456611B2 true JP5456611B2 (ja) | 2014-04-02 |
Family
ID=45847074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010172179A Expired - Fee Related JP5456611B2 (ja) | 2010-07-30 | 2010-07-30 | 圧電型電気音響変換器およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5456611B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103843365B (zh) * | 2011-09-30 | 2016-08-17 | 富士胶片株式会社 | 电声转换膜、柔性显示器、声带麦克风以及乐器传感器 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001230009A (ja) * | 2000-02-10 | 2001-08-24 | Hitachi Cable Ltd | フラットケーブル用圧着端子とその接続方法 |
JP2007187976A (ja) * | 2006-01-16 | 2007-07-26 | Teijin Fibers Ltd | 映写用スクリーン |
JP5329925B2 (ja) * | 2008-11-18 | 2013-10-30 | 株式会社オーディオテクニカ | 圧電型電気音響変換器 |
-
2010
- 2010-07-30 JP JP2010172179A patent/JP5456611B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012034197A (ja) | 2012-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101487272B1 (ko) | 압전 진동 장치 및 그것을 사용한 휴대단말 | |
CN204577470U (zh) | 压电致动器、压电振动装置及便携式终端 | |
JP4203911B2 (ja) | 圧電発音体 | |
KR101524579B1 (ko) | 압전 진동 소자, 압전 진동 장치 및 휴대단말 | |
WO2013051328A1 (ja) | 圧電振動装置およびそれを用いた携帯端末 | |
JP4185946B2 (ja) | 圧電型電気音響変換器 | |
JP2008054068A (ja) | 圧電型電気音響変換器 | |
JP2019146020A (ja) | 超音波センサー、超音波装置、及び超音波センサーの製造方法 | |
JP5456611B2 (ja) | 圧電型電気音響変換器およびその製造方法 | |
JP6224841B2 (ja) | 圧電素子、音響発生器、音響発生装置、電子機器 | |
JPWO2016103826A1 (ja) | 音響発生器、音響発生装置及び電子機器 | |
WO2013145354A1 (ja) | 携帯端末 | |
JP2016184787A (ja) | 圧電アクチュエータ、音響発生器、音響発生装置および電子機器 | |
US9392374B2 (en) | Acoustic generator, acoustic generation device, and electronic device | |
JP6567911B2 (ja) | 音響発生器およびこれを備えた音響発生装置、電子機器 | |
JP2011004116A (ja) | コンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホン | |
JP6148122B2 (ja) | 電子機器 | |
JP5563895B2 (ja) | 単一指向性コンデンサマイクロホンユニット | |
US9154885B2 (en) | Sound generator, sound generation device, and electronic apparatus | |
JP7441036B2 (ja) | 圧電振動素子、振動発生装置及び電子機器 | |
JP2013153314A (ja) | 圧電型電気音響変換器、それを用いた電子機器および電気音響変換方法 | |
KR200404140Y1 (ko) | 압전스피커 | |
TWI686091B (zh) | 薄膜揚聲器 | |
JP2015109375A (ja) | 圧電アクチュエータおよびこれを備えた圧電振動装置、携帯端末、音響発生器、電子機器 | |
KR20140020385A (ko) | 댐퍼 필름형 평판스피커 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130527 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131210 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140107 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140108 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |