JP5456476B2 - 一軸偏心ネジポンプ用ロータ - Google Patents

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Description

本発明は、一軸偏心ネジポンプ用ロータに関し、詳しくは一軸偏心ネジポンプの雌ネジ形のステータ内に嵌挿され、偏心回転することにより移送液を搬送可能な雄ネジ形のロータに関する。
従来、この種の一軸偏心ネジポンプ用ロータとしては、特許文献1に示すように、アルミニウム合金からなるロータ基材の表面に、膜厚50〜100μmのWC(タングステンカーバイド)溶射被膜を介して膜厚0.5〜5μmのDLC(ダイアモンドライクカーボン)膜を形成したものが知られている。このロータによれば、比較的摩耗性の少ない移送液を送出する際のロータとステータの寿命が長くなるという効果が得られる。
特開2006−249931号公報
ところで、こうした一軸偏心ネジポンプを利用して、炭化珪素やコージェライトなどの高硬度のセラミックスのスラリー(高摩耗性スラリー)を送出したいという要望がある。しかしながら、一軸偏心ネジポンプは、構造的に移送液の入口から出口までの距離がロータの直径に比べて長いこと、移送液の出口ではロータに加わる面圧が高いこと、移送液の送出のオンオフ動作が繰り返し実行されること等のために、高摩耗性の移送液を略一定の温度に保ちながら高い精度で定量的に送出することは難しかった。また、特許文献1に開示されたロータを採用した場合には、ロータ基材がヤング率の低いアルミニウム合金であるため、摩耗性の高いスラリーによって弾性変形してWC溶射被膜やDLC膜が剥離してしまうという問題が生じることがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、高摩耗性の移送液を略一定の温度に保ちながら高い精度で定量的に送出可能な一軸偏心ネジポンプ用ロータを提供することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のロータは、
一軸偏心ネジポンプの雌ネジ形のステータ内に嵌挿され、偏心回転することにより移送液を搬送可能な雄ネジ形のロータであって、
鉄系材質からなるロータ基材と、
該ロータ基材の表面に形成され前記鉄系材質よりも熱伝導率の高い中間層と、
該中間層の表面に形成されたDLC膜からなる表層と、
を備えたものである。
一軸偏心ネジポンプは、移送液の出口付近ではロータに加わる面圧が高いため移送液が高温化する傾向にあるが、本発明のロータを採用した場合にはロータ基材よりも熱伝導率の高い中間層を介して出口から入口にかけての均熱化が促進されるため、移送液を一定の温度に保ちながら送出することが可能となる。また、アルミニウム合金に比べて高硬度の鉄系材質をロータ基材とすると共にロータの表層に耐摩耗性の高いDLC膜を有しているため、高摩耗性の移送液を送出したとしても摩耗の影響がほとんどなく、高い精度で定量的に移送液を送出することができる。
一軸偏心ネジポンプ10の断面図である。 雄ネジ形ロータ14の断面図である。 実施例1,2及び比較例1〜4の移送液温度に関するグラフである。 実施例1,2及び比較例1〜4の移送液量に関するグラフである。 実施例1,2及び比較例1〜4の移送液温度に関するグラフである。 実施例1,2及び比較例1〜4の移送液量に関するグラフである。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は一軸偏心ネジポンプ10の断面図、図2は雄ネジ形ロータ14の断面図である。
一軸偏心ネジポンプ10は、モーノポンプと呼ばれるものであり、雌ネジ形ステータ12と、この雌ネジ形ステータ12内に偏心回転可能に嵌挿された雄ネジ形ロータ14と、雌ネジ形ステータ12を覆うステータケーシング16と、ステータケーシング16の後端に取り付けられ移送液の入口18が設けられた入口側ケーシング20と、ステータケーシング16の先端に取り付けられ移送液の出口22が設けられた出口側ケーシング24とを備えている。雌ネジ形ステータ12は、ゴム等の弾性材で形成されており、内周面にはダブルピッチの螺旋溝が形成されている。雄ネジ形ロータ14は、図2に示すように、鉄系材質からなるロータ基材14aと、該ロータ基材14aの表面に形成されロータ基材14aよりも熱伝導率が高い中間層14bと、該中間層14bの表面に形成されたDLC膜からなる表層14cとを備えている。この雄ネジ形ロータ14は、第1ユニバーサルジョイント26を介してカップリングロッド28の先端に結合されている。また、カップリングロッド28の後端は、第2ユニバーサルジョイント30を介してドライブシャフト32に結合されている。ドライブシャフト32は、ボールベアリング34によって軸回転可能に支持されており、第2ユニバーサルジョイント30の近傍に設けられた軸封装置36によって液密に入口側ケーシング20に取り付けられている。
このような構成を備えた一軸偏心ネジポンプ10の使用例について説明する。一軸偏心ネジポンプ10のドライブシャフト32を図示しないモータによって駆動して定速で軸回転させながら、入口18から移送液として高摩耗性のスラリーを導入する。ドライブシャフト32の軸回転に伴って雄ネジ形ロータ14も回転するため、雄ネジ形ロータ14と雌ネジ形ステータ12の螺旋溝との間に形成される空洞部38が出口22に向かって移動していく。この空洞部38には入口18から導入されたスラリーが充填されるため、スラリーは空洞部38の移動に伴って移送され、出口22から外部へ吐出される。このようにして、入口18から導入されたスラリーは出口22から外部へ一定の流量で(つまり定量的に)吐出される。
以上詳述した本実施形態の一軸偏心ネジポンプ10によれば、スラリーを移送しているうちに出口付近が面圧の上昇によって高温になったとしても、その熱は雄ネジ形ロータ14の熱伝導性の高い中間層14bを介して出口側から入口側へと拡散するため均熱化される。したがって、移送液を略一定の温度で供給することができる。また、最表面に高い耐摩耗性を有するDLC膜を有しているため、高摩耗性のスラリーを移送したとしても摩耗の影響がほとんどなく、高い精度で定量的にスラリーを移送することができる。更に、上述したように雄ネジ形ロータ14を均熱化することによりロータ内部の熱による歪みが低減されるため、この点でも定量性が向上する。
ここで、ロータ基材14aは、鉄系材質としてSUS材、SKD材(ダイス鋼)又はSKH材(ハイスピード鋼)からなることが好ましい。SUS材としては、例えば鉄−クロム−ニッケル系のSUS304やSUS316、鉄−クロム系のSUS410やSUS430などが挙げられる。SUS材の熱伝導率は概ね15〜30W/mKである。SKD材としては、例えばSKD11やSKD61などが挙げられる。SKD材の熱伝導率は概ね30W/mK前後である。SKH材としては、例えばSKH2,SKH10,SKH51,SKH55などが挙げられる。SKH材の熱伝導率は概ね25〜27W/mKである。なお、SUS材やSKD材、SKH材のヤング率は230GPa前後(ちなみにアルミニウムのヤング率は70GPa)、硬度はHRC40〜70である。ロータ基材14aの材質は、SKD材が靭性に富む点及び割れにくい点で特に好ましい。
中間層14bは、熱伝導率がロータ基材14aよりも高ければ特に限定されないが、熱伝導率が30〜300W/mKであることが好ましい。また、中間層14bは、Cr(Crめっきの場合で熱伝導率94W/mK)又はNi(Niめっきの場合で熱伝導率91W/mK)を主成分とする膜としてもよい。Crを主成分とする膜を中間層14bとする場合には、ロータ基材14aの表面に電解めっきを施すことにより形成することができる。また、Niを主成分とする膜を中間層14bとする場合には、ロータ基材14aの表面に無電解めっきにより形成することができる。このようなCr又はNiの中間層14bの厚さは50〜100μmが好ましい。50μm未満ではロータの全長にわたって均熱化することが難しくなることと高摩耗性スラリーを移送した場合にロータ基材まで弾性変形し摩耗が進むことから好ましくなく、100μmを超えるとめっき時間が長くなり高コストになるため好ましくない。
あるいは、中間層14bは、CVD法によりコートされたTiC膜又はSiC膜としてもよい。CVD法によるコーティングは、700℃以上で行うことが好ましい。このようなTiC膜又はSiC膜の厚さは1〜10μmが好ましい。1μm未満ではロータの全長にわたって均熱化することが難しくなることから好ましくなく、10μmを超えるとCVDの時間が長くなり高コストになるため好ましくない。なお、TiC膜やSiC膜は、Cr膜やNi膜に比べて硬度が高く耐摩耗性に優れていることやDLC膜との相性がよいこと等から、薄くすることができる。また、TiC膜やSiC膜の熱伝導率は、膜の緻密性等によって変化するが、ロータ基材14aの熱伝導率より高くなるように調整すればよい。
表層14cのDLC膜は、厚さが1〜20μm、熱伝導率が10W/mK以下、硬度が8GPa以上であることが好ましい。厚さが1μm未満だと耐摩耗性が不十分になるおそれがあるため好ましくなく、20μmを超えると膜形成に要する時間が長くなり高コスト化の原因になるため好ましくない。また、熱伝導率が10W/mKを超えるとロータ温度の均熱化よりも移送液への放熱が進むため好ましくない。更に、硬度が8GPa未満だと耐摩耗性が十分得られないことがあるため好ましくない。
一軸偏心ネジポンプ10において、移送液は、SiC粉末又はコージェライト粉末を含むスラリーとしてもよい。このような高摩耗性スラリーを移送液とした場合においても、雄ネジ形ロータ14は摩耗の影響がほとんどなく、一軸偏心ネジポンプ10により高い精度で定量的に移送液を送出することができる。なお、SiC粉末と同程度の硬度を有する粉末やコージェライト粉末と同程度の硬度を有する粉末を含むスラリーを移送液として用いた場合でも、同様にして本発明の効果を得ることができる。
[実施例1]
SUS304(ヤング率193kN/mm2、熱伝導率16.3W/mK、硬さ160HV)からなるロータ基材に70μmのCrめっきを行うことにより中間層を形成し、その上に5μmのDLC膜を形成することにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。ここで、Crめっきは、以下のようにして行った。すなわち、ロータ表面を酸で洗浄後、無水クロム酸200g/L及び硫酸2g/Lが混入した薬液中に投入し、20A/cm2の電流を流すことでめっきを行った。めっき時間は約6時間であった。このようにして得られたCr膜の硬さは800HV以上、熱伝導率は94W/mKであった。また、DLC膜の形成は、以下のようにして行った。すなわち、ロータ基材をプラズマCVD用のチャンバに入れ、チャンバ内の真空度が1.0Paとなるように真空ポンプを用いて調整した。続いて、アルゴンガスを用いた表面スパッタリング及びテトラメチルシランガスを用いたSiCの中間層(厚さ0.1μm)のコートを行った。続いて、チャンバ内にアセチレンガスを導入し、ロータ基材に導体を介してプラズマ発生用電源によりパルス電圧を印加した。このとき、パルス電圧の周波数を10kHz、立ち上がり時間を500nsec、パルス継続時間(オンオフの繰り返しからなるパルス電圧においてパルスが連続する時間)を1200nsecとした。また、パルスの電圧値及び電流値はそれぞれ10kV及び10Aとした。このパルス電圧を印加して120分間放電を行い、DLC膜を形成した。このようにして得られたDLC膜は、硬度が17GPa、熱伝導率が0.1W/mKであった。
[実施例2]
HRc55に硬度を制御したSKD11(ヤング率206kN/mm2、熱伝導率29W/mK)からなるロータ基材にCVD法によるTiC膜を5μmコートすることにより中間層を形成し、その上に5μmのDLC膜を形成することにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。ここで、CVD法によるTiC膜の形成は、以下のようにして行った。すなわち、ロータ基材を熱CVD用のチャンバに入れ、チャンバ内の温度が1000℃、真空度が1000Paとなるようにヒータ及び真空ポンプにて調整した。その後、塩素ガスを用い30分間表面クリーニングを行った後、圧力を10000Paに設定し、四塩化チタンガスとメタンガス、水素ガスを同時に流し、TiC膜を成膜した。成膜時間は2時間であった。このようにして得られたTiC膜の硬度は35GPa、熱伝導率は40W/mKであった。また、DLC膜の形成は実施例1と同様にして行った。
[比較例1]
アルミニウムからなるロータ基材にWC溶射を50μm行うことによりWC層を形成し、その上に5μmのDLC膜を形成することにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。
[比較例2]
SUS304からなるロータ基材に500℃にて約50μmのラジカル窒化を行うことにより窒化層を形成し、その上に5μmのDLC膜を形成することにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。なお、ラジカル窒化については特開2006−249931号公報の段落0040〜0042の記載に準じて行った。
[比較例3]
SUS304からなるロータ基材に70μmのCrめっきを行うことにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。
[比較例4]
SUS304からなるロータ基材に5μmのCrめっきを行うことにより、全長122mm、主軸径φ5mmの雄ネジ形ロータとした。
[実施例1,2及び比較例1〜4の評価−その1]
以上のようにして作製した実施例1,2及び比較例1〜4の雄ネジ形ロータをそれぞれ一軸偏心ネジポンプ(型番3NDPL、兵神装備社製)に組み込み、ドライブシャフトの駆動を40秒オフしたあと20秒オンするというサイクルで2ヶ月間繰り返した。なお、20秒オンしている期間に出口から排出される移送液は、30℃、120gとなるようにした。移送液には、摩耗性が非常に高いスラリー、具体的には、炭化珪素粉末39重量%、アルミシリケート繊維32重量%、コロイダルシリカ19重量%、水10重量%からなるスラリーを用いた。このスラリーの粘度は回転粘度計で測定したところ、35パスカル秒であった。こうしたサイクル試験を行ったときの移送液温度とそのバラツキを図3に、移送液量とそのバラツキを図4に示した。
図3及び図4から明らかなように、移送液温度及び移送量のいずれも、比較例1〜4ではバラツキが大きかったのに対し、実施例1,2ではバラツキが極めて小さかった。特に移送量に関しては、ヤング率の低いアルミニウムからなるロータ基材を採用した比較例1では、摩耗性の高いスラリーによってロータ基材が弾性変形してWC膜やDLC膜が剥離してしまうという問題が生じた。また、比較例2では窒化層とDLC膜との接着性が不十分なためDLC膜の剥離が生じた。更に、比較例3,4では表層がCrめっきであり耐摩耗性が不十分なため、途中で移送液の漏れが生じた。これに対して、実施例1,2では中間層やDLC膜の剥離は見られず、移送液の漏れも生じなかった。
[実施例1,2及び比較例1〜4の評価−その2]
実施例1,2及び比較例1〜4の雄ネジ形ロータをそれぞれ前出の一軸偏心ネジポンプに組み込み、ドライブシャフトの駆動を40秒オフしたあと20秒オンするというサイクルで2ヶ月間繰り返した。なお、20秒オンしている期間に出口から排出される移送液は、30℃、80gとなるようにした。移送液には、摩耗性が非常に高いスラリー、具体的には、コージェライト粉末60重量%、シリカゾル(コロイダルシリカ)18重量%、セラミックスファイバ3重量%、分散剤0.6重量%、有機バインダ0.2重量%、防腐剤0.2重量%、水18重量%からなるスラリーを用いた。また、コージェライト粉末のタップかさ密度は1.3〜1.5g/cm3、平均粒子径は20〜55μm、44μm以下粉末成分含有割合(A,B)が45〜80重量%のものを使用した。詳しくは、特開2004−231506号公報参照。このスラリーの粘度は回転粘度計で測定したところ、30パスカル秒であった。こうしたサイクル試験を行ったときの移送液温度とそのバラツキを図5に、移送液量とそのバラツキを図6に示した。
図5及び図6から明らかなように、移送液温度及び移送量のいずれも、比較例1〜4ではバラツキが大きかったのに対し、実施例1,2ではバラツキが極めて小さかった。特に移送量に関しては、ヤング率の低いアルミニウムからなるロータ基材を採用した比較例1では、摩耗性の高いスラリーによってロータ基材が弾性変形してWC膜やDLC膜が剥離してしまうという問題が生じた。また、比較例2では窒化層とDLC膜との接着性が不十分なためDLC膜の剥離が生じた。更に、比較例3,4では表層がCrめっきであり耐摩耗性が不十分なため、途中で移送液の漏れが生じた。これに対して、実施例1,2では中間層やDLC膜の剥離は見られず、移送液の漏れも生じなかった。
本出願は、2007年9月3日に出願された日本国特許出願第2007−227778号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、炭化珪素やコージェライトなどの高硬度のセラミックスのスラリー(高摩耗性スラリー)を送出するときなどに利用可能である。

Claims (7)

  1. 一軸偏心ネジポンプの雌ネジ形のステータ内に嵌挿され、偏心回転することにより移送液を搬送可能な雄ネジ形のロータであって、
    鉄系材質からなるロータ基材と、
    該ロータ基材の表面に形成され前記鉄系材質よりも熱伝導率の高い中間層と、
    該中間層の表面に形成されたDLC膜からなる表層と、
    を備え
    前記DLC膜は、熱伝導率が10W/mK以下である、
    一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
  2. 前記鉄系材質は、SUS材、SKD材又はSKH材からなる、
    請求項1に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
  3. 前記中間層は、熱伝導率が30〜300W/mKである、
    請求項1又は2に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
  4. 前記中間層は、Cr又はNiを主成分とする、
    請求項3に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
  5. 前記中間層は、CVD法によりコートされたTiC膜又はSiC膜である、
    請求項3に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
  6. 前記DLC膜は、厚さが1〜20μm、硬度が8GPa以上である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
  7. 前記移送液は、SiC粉末又はコージェライト粉末を含むスラリーである、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の一軸偏心ネジポンプ用ロータ。
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