JP5454675B2 - 測定用光学系ならびにそれを用いた色彩輝度計および色彩計 - Google Patents

測定用光学系ならびにそれを用いた色彩輝度計および色彩計 Download PDF

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Description

本発明は、液晶モニタやランプなどの光源から放射される光を受光し、光源の輝度(Lv)や色度(xy)を測定する色彩輝度計や、被測定物に照射された光の反射光を受光し、被測定物の反射率や色度(Lab等)を測定する色彩計などに用いられる測定用光学系ならびにそれを用いた色彩輝度計および色彩計に関する。
液晶モニタの輝度(Lv)や色度(xy)を測定する色彩輝度計は、例えば、前記液晶モニタの表示画面に対向して配置される測定プローブおよび計測器本体を備えて構成される。前記測定プローブは、例えばCIE(国際照明委員会)で規定されている等色関数X,Y,Zの3刺激値をそれぞれのセンサで測定し、前記計測器本体は、その測定結果から、被測定物である表示画面3の輝度や色度を演算する。
このような色彩輝度計や色彩計に用いられる測定用光学系の典型的な従来技術は、例えば、特許文献1に示されている。この特許文献1では、入射光を前記3刺激値に対応した3個の測色光学系のそれぞれへ入射させるべく、バンドルファイバが用いられている。前記測色光学系は、前記3刺激値にそれぞれ対応した色フィルタに受光センサが組み合わされて構成され、前記バンドルファイバの3つに分岐された各出射端には、これら各測色光学系の各色フィルタが配置されている。そして、この特許文献1の前記バンドルファイバでは、円形に束ねられた入射端側から見て、周方向に6つに分割され、対角線上に位置する束同士が束ねられている。これによって、指向性(配光特性)に起因する測定誤差の軽減が図られている。
しかしながら、前記バンドルファイバは、高価であり、また指向性(配光特性)に起因する測定誤差がある。このため、他の従来技術では、図27の測定プローブ4''で示すように、前記バンドルファイバに代えて分岐および拡散の機能を有する拡散板19が用いられている。或いは、図28の測定プローブ4'''で示すように、対物光学系11を用いずに、被測定物からの光束が直接拡散板19に入射されている。
また、前記色フィルタは、入射光を前記X,Y,Zの3刺激値などの所望分光特性に対応した透過率となるように、光吸収タイプのフィルタが複数枚積層されて構成されるので、例えば図29で示すような、2つの波長域で透過率ピークを有する特性のフィルタを設計することができない、すなわちフィルタ設計の自由度が小さいという問題がある。また、透過率が小さく、光量ロスが大きいという問題もある。さらにまた、特にフィルム状の色フィルタにおいて、熱、光(紫外線)、湿度等に対して、経年変化が激しい(安定性が悪い)という問題もある。
そこで、前記色フィルタに、前記光吸収タイプのフィルタに代えて、干渉タイプのフィルタ(以下、干渉膜フィルタと言う)を用いるようにした従来技術が、例えば特許文献2で提案されている。この干渉膜フィルタは、ガラス基板上に、誘電体や酸化物を真空蒸着やスパッタリングなどの手法により数十層積層したものであり、光の干渉作用によって透過/反射の波長選択を行うフィルタである。
しかしながら、前記干渉膜フィルタは、入射角度によって透過率が異なるので、平行光(0度)入射では誤差感度が高いという問題がある。
特開2003−247891号公報 特開2010−2255号公報
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、干渉膜フィルタを用いつつ、その入射角度による透過率特性のズレの影響を低減することができる測定用光学系ならびにそれを用いた色彩輝度計および色彩計を提供することである。
本発明にかかる測定用光学系ならびにこれを用いた色彩輝度計および色彩計では、測定光は、第1の拡散部材によって散乱され、複数の干渉膜フィルタを介して複数の受光センサで受光される際に、第2の拡散部材を介して前記各干渉膜フィルタへ入射される。そして、前記干渉膜フィルタは、該干渉膜フィルタへの入射光の入射角度に対する強度分布の条件に応じ、測定パラメータに対応した透過率特性が得られるように形成される。このため、本発明にかかる測定用光学系ならびにこれを用いた色彩輝度計および色彩計は、干渉膜フィルタを用いつつ、その入射角度による透過率特性のズレの影響を低減することができる。
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
実施の一形態に係る色彩輝度計の測定プローブ内の構成(測定用光学系)を示す図である。 図1で示す測定プローブ内で、第1の拡散板を使用しない場合の干渉膜フィルタへの入射光束を説明するための図である。 図1で示す測定プローブ内で、第2の拡散板を使用した場合の干渉膜フィルタへの入射光束を説明するための図である。 前記第2の拡散板と干渉膜フィルタとの位置関係を示す図である。 図1で示す測定プローブにおける干渉膜フィルタへの入射光束の強度分布の測定方法を説明するための図である。 干渉膜フィルタへの入射光束の強度分布の一例を示すグラフである。 前記干渉膜フィルタの分光強度分布を示すグラフである。 前記干渉膜フィルタへの入射角度の分布と、フィルタが傾いた場合の影響とを示すグラフである。 図8で示す入射角度分布の光学系に、干渉膜フィルタを設置した場合の透過率分布を示すグラフである。 前記干渉膜フィルタへの入射角度の大きさと、誤差との関係を示すグラフである。 図1において、第2の拡散板の他の態様を示す図である。 図1において、第2の拡散板のさらに他の態様を示す図である。 図12で示す第2の拡散板を用いた場合の測定プローブ内の構成を示す図である。 実施の第2の形態に係る測定プローブ内の構成を示す図である。 光ファイバ内での光の伝搬の様子を説明するための断面図である。 本件発明者による光ファイバの出射角度の実測データを示すグラフである。 図16のデータの求め方を説明するための図である。 図14で示す測定プローブにおける干渉膜フィルタへの入射光束の強度分布の測定方法を説明するための図である。 実施の第3の形態に係る測定プローブ内の構成を示す図である。 色彩輝度計による液晶モニタの測定方法を説明するための図である。 色彩輝度計の測定プローブ側の概略的構成を示すブロック図である。 色彩計の測定プローブ側の概略的構成を示すブロック図である。 従来技術の色彩輝度計の測定プローブ内の構成(測定用光学系)を示す図である。 前記液晶モニタの配光分布を説明するための図である。 前記液晶モニタの配光分布の一例を示すグラフである。 前記液晶モニタにおけるRGB各色の画素配列と測定エリアとの関係を示す図である。 他の従来技術の色彩輝度計の測定プローブ内の構成(測定用光学系)を示す図である。 さらに他の従来技術の色彩輝度計の測定プローブ内の構成(測定用光学系)を示す図である。 干渉膜フィルタの分光透過率特性の一例を示すグラフである。 前記干渉膜フィルタへの入射角度の変化に対する分光透過率特性の変化を示すグラフである。 他の従来技術の色彩輝度計の測定プローブ内の構成(測定用光学系)を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(比較例)
本実施形態の作用効果を説明するために、まず、比較例について以下に説明する。図20は、色彩輝度計1を用いた液晶モニタ2の輝度(Lv)や色度(xy)の測定の様子を説明するための図である。この色彩輝度計1は、液晶モニタ2の表示画面3に対向配置される測定プローブ4および計測器本体5を備えて構成される。測定プローブ4は、例えばCIEで規定されている等色関数X,Y,Zの3刺激値をそれぞれのセンサで測定し、計測器本体5は、その測定結果から、被測定物である表示画面3の輝度や色度を演算する。
測定プローブ4内の概略構成は、例えば図21で示す通りである。すなわち、測定プローブ4は、被測定物である表示画面3からの出射光を対物光学系11で受光し、予め規定された入射角の成分、例えば表示画面3の法線に対して±2.5度以内の成分を抽出して分岐光学系12に入射させ、3つに分岐して等色関数X,Y,Zの3刺激値に対応した測色光学系13,14,15に入射させ、入射光強度を測定するようになっている。
一方、前記被測定物の反射率や色度(Lab等)を測定する色彩計の場合には、例えば図22で示す通り、図21に示す測定プローブ4の構成に、さらに、光源であるランプ16および照明光学系17が備えられている。これらランプ16および照明光学系17によって、被測定物に光が照射され、その反射光が前記測定プローブ4で測定される。
このような色彩輝度計や色彩計に用いられる測定用光学系の典型的な技術は、特許文献1で示されている。図23は、その前記技術における測定プローブ4’内の構成を示す図である。この前記技術では、測定プローブ4’は、対物光学系11と、分岐光学系12と、測色光学系13とを備えている。この対物光学系11には正パワーを持つ凸レンズ11aが用いられ、分岐光学系12にはバンドルファイバ12aが用いられている。前記バンドルファイバ12aは、径の小さな(φ=0.03〜0.3mm程度の)素線ファイバを、入射端(入口)側で複数n(n=数百〜数千)本束ね、出射端(出口)側でそれをランダムに複数(例えば前記X,Y,Zの3刺激値に対応した3つ)に分岐して複数m本ずつ束ねたものである。入射側および出射側の形状は、任意(円形、長方形など)である。
そして、この測定プローブ4’は、凸レンズ11aの後側焦点位置に開口絞り11bを配し、前述のように表示画面3の法線に対して±2.5度以内の成分を取込むために、前側テレセントリックな光学配置になっている。開口絞り11b面には、バンドルファイバ12aの入射端Fi1〜Finが臨む。測色光学系13,14,15は、X,Y,Zの3刺激値にそれぞれ対応した色フィルタ13a,14a,15aと、これらと組み合わされて用いられる受光センサ13b,14b,15bとを備えている。
ここで、被測定物の特性として、例えば液晶モニタの場合について考えると、先ず、その配光分布に指向性がある。すなわち、光の出射強度が、表示画面3の法線に対する角度によって異なり、しかも前記法線に対して非対象の場合もある。例えば、ノートパソコンや携帯電話用のモニタでは、意図的に指向性を強めているものがあり、前記ノートパソコンのモニタは、使用者が斜め上方向から見下ろすことが多く、このため、図24で示すように、その配光分布18は、表示画面3の法線Nに対して、上側で多く、下側で少なくなっている。このような配光分布の一例を具体的に示したものが、図25である。
また、前記液晶モニタの場合、測定位置によって発光強度が異なる(強度むらが生じる)。このような現象は、バックライトの配置位置やRGBフィルタの配列と、測定プローブ4との位置関係によって生じる。図26には、液晶モニタのRGB各色の画素配列と測定エリアとの関係を示す。例えば、中央の行に着目すると、実線の測定エリアA1では、Gが2個、R,Bが1個の画素が含まれているのに対して、測定エリアA1より画素配列方向に1画素分ずらした破線の測定エリアA2では、Bが2個、R,Gが1個の画素が含まれている。このような強度むらは、前記測定エリアが小さな(例えば、φ=5mm以下の)場合に顕著である。
さらにまた、被測定物(液晶モニタ)には、軸非対称な特徴を有する一方で、測定器には安定した測定結果が求められる。すなわち、測定プローブ4を光軸回りに回転させても、測定結果が変動しない(回転誤差がない)ことが求められる。このような、現象は、液晶モニタに限らず、反射光を測定する色彩計において、例えば光沢のある印刷物や、メタリック、パールなどの塗装面の測定においても生じる。
そこで、前記特許文献1では、バンドルファイバ12aは、円形に束ねられた入射端Fi1〜Fin側から見て、複数の素線ファイバが、周方向に6つに分割され、対角線上に位置する束同士が束ねられて構成されている。これによって、上述のような指向性(配光特性)に起因する測定誤差の軽減が図られている。
しかしながら、バンドルファイバ12aは、高価であり、また前述のような指向性(配光特性)に起因する測定誤差がある。このため、他の従来技術では、図27の測定プローブ4''で示すように、バンドルファイバ12aに代えて分岐および拡散の機能を有する拡散板19が用いられている。或いは、図28の測定プローブ4'''で示すように、対物光学系11を用いずに、被測定物からの光束が直接拡散板19に入射されている。
また、色フィルタ13a,14a,15aは、入射光を前記X,Y,Zの3刺激値などの所望分光特性に対応した透過率となるように、光吸収タイプのフィルタが複数枚積層されて構成される。このため、このような構成では、例えば図29で示すような、2つの波長域で透過率ピークを有するようなフィルタが設計できない、すなわちフィルタ設計の自由度が小さいという問題がある。また、透過率が小さく、光量ロスが大きいという問題もある。さらにまた、特にフィルム状の色フィルタにおいて、熱、光(紫外線)、湿度等に対して、経年変化が激しい(安定性が悪い)という問題もある。
そこで、色フィルタ13a,14a,15aに、前記光吸収タイプのフィルタに代えて、干渉タイプのフィルタ(以下、干渉膜フィルタと言う)を用いた技術が、例えば、特許文献2で提案されている。この干渉膜フィルタは、ガラス基板上に、誘電体や酸化物を真空蒸着やスパッタリングなどの手法により数十層積層したものであり、光の干渉作用によって透過や反射の波長選択を行うフィルタである。したがって、この干渉膜フィルタは、上述のような光吸収タイプのフィルタに比べて、所望の透過率を得易く(設計し易い、設計の自由度が高い)、等色関数Xのような、2つのピーク(山)を有する(前記図21で示す)フィルタの作成も可能である。また、干渉膜フィルタは、透過率が高く、例えばピーク透過率は、前記吸収タイプでは50%以下になるのに対して、この干渉膜フィルタは100%に近い。さらにまた、干渉膜フィルタは、信頼性に優れる(温度や湿度、光の暴露による経時的な透過率変化が少ない)という長所を有する。
一方、前記干渉膜フィルタは、入射角度によって透過率が異なるので、平行光(0度)の入射では誤差感度が高いという問題がある。図30には、前記干渉膜フィルタへの光の入射角と、透過率との関係を示す。このように0度入射の場合、入射角度が該干渉膜フィルタの法線からずれる程、透過域は、短波長側にシフトする。したがって、部品の位置関係が少し傾いただけで、透過率特性が異なることになる。
これに対して、図27で示す構成において、色フィルタ13a,14a,15aとして干渉膜フィルタを搭載した場合では、測定プローブは、図31で示すようになる。ここで、拡散板19への入射位置は、被測定物の指向性に依存し、たとえば被測定面から上方向に放射する光(破線)は、拡散板のp1の位置に集まり、被測定面から下方向に放射する光(一点鎖線)は、拡散板のp2の位置に集まる。そして、拡散板の一方端付近p1の位置から各色フィルタ13a,14a,15aへ入射する角度、および、拡散板の他方端付近p2の位置から各色フィルタ13a,14a,15aへ入射する角度は、拡散板19のサイズ、拡散板19と色フィルタ13a,14a,15aとの距離D、拡散板19と色フィルタ13a,14a,15aとの軸距離dによって決定される。
したがって、色フィルタ13aの場合、前記p1の位置からの光束は、入射角が0度に近い状態で入射し、前記p2の位置からの光束は、大きな角度で入射することになる。このため、この色フィルタ13aを通過し、受光センサ13bで受光したデータは、被測定物からの上向き(破線)の指向性情報と、下向き(一点鎖線)の指向性情報とでフィルタ透過率が異なる受光データとなるので、被測定物と測定器との回転方向によって受光データが変化することになる(回転誤差)。
(実施形態1)
次に、実施の一形態について以下に説明する。図1は、実施の第1の形態に係る測定プローブ40内の構成(測定用光学系)を示す図である。この測定プローブ40は、前述の図21で示す色彩輝度計の測定プローブ4や図22で示す色彩計の測定プローブ4として用いられる。測定方法の一例として、前述の図20と同様に、色彩輝度計は、液晶モニタ2の表示画面3に対向配置され、表示画面3からの光を測定する測定プローブ40、および、測定プローブ40の出力に基づいて色彩輝度を求める計測器本体5を備えて構成される。また、測定方法の他の一例として、色彩計は、被測定物へ測定光を照射する測定光照射部、被測定物で反射した前記測定光の反射光を測定する測定プローブ40、および、測定プローブ40の出力に基づいて色彩を求める計測器本体を備えて構成される。この測定プローブ40の概略のブロック構成は、この測定プローブ40において、図27で示す測定プローブ4”に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示している。
すなわち、この測定プローブ40は、被測定物からの光を受光する対物光学系11と、分岐および拡散光学系として、対物光学系11から出射された出射光を散乱して出射させる第1の拡散部材としての拡散板19と、拡散板19の出射端側に並設され、拡散板19で散乱された出射光を検出する複数の測色光学系13、14、15とを備えている。対物光学系11には、正の光学的パワー(屈折力、焦点距離の逆数)を持つ両凸レンズ11aが用いられるとともに、凸レンズ11aの後側焦点位置に開口絞り11bが配されている。そして、前述のように表示画面3の法線に対して半角でα、例えば前述の±2.5度以内の成分を取込むために、対物光学系11は、前側テレセントリックな光学配置になっている。
ここで、この測定プローブ40では、測色光学系13,14,15において、色フィルタ13A,14A,15Aとして干渉膜フィルタを用いるために、拡散板19を第1の拡散板として、この第1の拡散板19とこの干渉膜フィルタとの間に、第2の拡散部材としての第2の拡散板13C,14C,15Cが介在されるとともに、前記干渉膜フィルタの透過率特性が所定の特性に調製されている。すなわち、測色光学系13、14、15は、それぞれ、被測定面から順に、第1の拡散板19から出射される出射光が入射され、該出射光を散乱して出射させる第2の拡散板13C、14C、15Cと、第2の拡散板13C、14C、15Cから出射される出射光が入射され、色フィルタとしての、前記出射光を所定の透過率特性で透過させる干渉膜フィルタ13A、14A、15Aと、干渉膜フィルタ13A、14A、15Aから出射される出射光が入射され、前記出射光の強度を検出する受光センサ13B、14B、15Bとを備えている。
ここで、第1の拡散板19がない場合、図2で示すように、色フィルタ13Aには、前述のように被測定物から上向きに放射する光(破線)のみが入射してしまう。このため、本実施形態の測定プローブ40は、先ず、図27と同様に、或る程度以上の拡散性を有する第1の拡散板19を利用し、適宜間隔を隔てて測色光学系13,14,15を配置することで、被測定物の特徴を、該第1の拡散板19で均一化(ミキシング)し、拡散透過させる。次に、本実施形態の測定プローブ40は、干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)と同軸上に第2の拡散板13C,14C,15Cを配置し、該第2の拡散板13C,14C,15Cを通過させることで、図3において、参照符号20で示すように、光束の持つ情報を均一化させ、干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)に入射させる。
第1および第2の拡散板19;13C,14C,15Cは、例えば、ガラスや石英をすりガラス状にしたもの、ガラスに微粒子を混ぜたもの、プラスチック樹脂(白色のアクリル板など)、樹脂シート(半透明のシリコン樹脂シートなど)を用いることができる。
ここで、前記干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射角度は、後述の吸光の遮光部材21が設けられている場合、第2の拡散板13C,14C,15Cと該干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)との距離、およびそのサイズによって決定される。サイズが一定の場合、距離が近い程、干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射角度が広くなる。たとえば図4で示すように、第2の拡散板13C,14C,15Cの有効径=φ4mm、干渉膜フィルタの有効径=φ3mm、第2の拡散板13C,14C,15Cと干渉膜フィルタとの距離=5mmである場合、干渉膜フィルタへの入射角度は、tan−1((2+1.5)/5)=35度(半角)となる。そして、前記干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射角の強度分布は、第2の拡散板13C,14C,15Cの特性と、拡散板と該干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)との距離によって決定される。
上述のように構成される測定光学系において、干渉膜フィルタの入射角と透過率との関係は、前述の図30で示す通りである(Yフィルタの例)。これに対応して、本実施形態では、前述の第2の拡散板13C,14C,15Cと干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)との距離およびサイズならびに第2の拡散板13C,14C,15Cの特性などに基づき変化する干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射光束の実際の強度分布が、たとえば図5で示すような測定や、シミュレーションなどによって求められる。図5では、第2の拡散板13C,14C,15Cからの放射光束の強度が、輝度計30を該第2の拡散板13C,14C,15Cの中心から同一半径上で移動させて、あらゆる立体角(コーンアングル)で測定されている。
なお、第2の拡散板13C,14C,15C、干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)、受光センサ13B,14B,15Bのそれぞれの組を、相互に区画して、不要な出入射光を発生しないようにする前記の遮光部材21が設けられおり、この干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射光束の強度分布の測定時には、その遮光部材21は、干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)の位置で切断されている。
一方、シミュレーションの場合には、先ず、干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射角度は、第2の拡散板13C,14C,15Cの拡散特性のカタログ値などで決定される。そして、構成される光学部品の個々の条件や特性から、レンズシミュレーションソフトウエアなどを用いて、フィルタ面での入射光束の強度分布が算出される。たとえば、第2の拡散板13C,14C,15Cのからの出射条件は、前述の拡散特性のカタログ値の条件で出射することとし、光線追跡シミュレーションが行われる。
図6には、こうして求められた干渉膜フィルタへの入射光束の強度分布の一例を示す。この図6の例では、前記の輝度計30を、所定範囲の円弧上を移動させた場合(1次元)における強度の変化が示されている。この図6で示すような相対強度(立体角で考えた相対強度:いわゆる「コーンアングルでの透過率」)を、前述の図30で示すような干渉膜フィルタの各々の入射角度での透過率と掛け算することで、入射角度の強度分布を考慮したフィルタ透過率が演算される。その結果は、たとえば図7において、参照符号β1(破線)で示す曲線となる。
そして、最終的に測定器で得られる受光感度は、このようなフィルタ透過率に加え、光学系(レンズや、光ファイバ等)の透過率、受光センサの受光感度、受光センサ面等での反射特性などの特性を加味したのものとなる。本実施形態では、最終的に得られる受光感度が、図7において参照符号β2(実線)で示すような所望の(CIEで規定される)等色関数に近似したものとなるように、前記干渉膜フィルタは、調製される。
ここで、前記干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射角度の拡がり条件について説明する。部品誤差などによって、該干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)が傾いて取付けられると、該干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射角度に対する強度分布が設計値からずれ、それに伴って、得られるフィルタ透過率が異なり、したがってセンサ受光感度分布が異なることになる。このようにフィルタが傾いて取付けられた場合における透過率変化の影響は、強度分布が狭い程、影響が大きいので、フィルタへの入射角度の強度分布は、或る程度以上の広がりを持っていることが望ましい。
このため、図8には、入射角度の分布と、フィルタが傾いた場合の影響とが示されている。図8(a)は、入射角度が半角で7.5度の場合における設計値の強度分布(実線)と、フィルタが1度傾いた場合の強度分布(破線)とを示すグラフであり、図8(b)は、入射角度が半角で17.5度の場合における設計値の強度分布(実線)と、フィルタが1度傾いた場合の強度分布(破線)とを示すグラフである。ここで言う入射角度7.5度(半角)とは、入射角度の強度分布のピーク(通常は0度がピークとなることが多い)に対し、おおよそ5%となる角度のことである。
そして、これら図8(a)および図8(b)で示す入射角度分布の光学系に、前述の図31で示す干渉膜フィルタを設置した場合の透過率分布が、それぞれ図9(a)および図9(b)に示されている。これらの図9(a)および図9(b)において、前記設計値に対する傾いた値のずれ量は、強調して示している。図9(a)と図9(b)とを比較して明らかなように、入射角度の強度分布の広い方が、フィルタの傾きに対する誤差が小さくなっている。このようなフィルタ入射角度の大きさと、誤差(設計値からの差分)との関係をグラフ化すると、図10で示す曲線となる。この図10から、フィルタが1度傾いた場合に、入射角度の拡がり角を15度(半角)以上に設定しておくことで、誤差量を2.5%以下に抑えることができる。したがって、実使用でのフィルタ傾きに対する誤差感度を考えると、干渉膜フィルタへの入射角度の拡がりは、15度(半角)以上が望ましい。
以上のように、本実施形態の測定プローブ40は、色彩輝度計や色彩計などに用いられ、光源から放射される光束や被測定物の反射光束を対物光学系11で受光し、第1の拡散板19を通過させて分岐および拡散させた後に、干渉膜フィルタから成る色フィルタ13A,14A,15Aを透過させて、前記光束の強度(輝度または照度値)を求める受光センサ13B,14B,15Bに入射させる。これによって、吸収式の色フィルタによる問題を解消するために、前記第1の拡散板19と色フィルタ13A,14A,15Aとの間に、第2の拡散板13C,14C,15Cが介在されるとともに、前記干渉膜フィルタの透過率特性が調製される。
したがって、光束が第1の拡散板19のどの位置から入射するかに拘わらず、すなわち被測定物の位置情報や角度情報に拘わらず、第2の拡散板13C,14C,15Cの出射面から、所定の配光分布を持って、かつ均一化された光束が出射するようになり、測定プローブ40は、安定した受光感度データが得られるようになる。そのため、前記干渉膜フィルタの透過率特性を、前記所定の配光分布を持った光束が入射した際に、透過光束が、受光センサ13B,14B,15Bの測定パラメータに対応した透過率特性となるように設定することで、配光分布は、広くなるけれども、配光分布は、均一化され、その代わりに、その配光分布に干渉膜フィルタの透過率特性が合わせられる。
これによって、本実施形態の測定プローブ40は、任意の透過率特性を設定でき、かつ光量のロスも少なく、安定性が高いという干渉膜フィルタの長所を生かしつつ、入射角度による透過率特性のズレが大きいという該干渉膜フィルタの短所を補うことができる。
なお、上述の実施形態において、前記第2の拡散板13C,14C,15Cは、図11で示す第2の拡散板Cのように、第1の拡散板19と同様に1枚で構成されていてもよい。この場合において、前記遮光部材21によって、以降の干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)および受光センサ13B,14B,15B間が相互に遮光されるとともに、それらの光路が保持される。
また、上述の実施形態において、図12の色フィルタACで示すように、共通のガラス基板AC1の入射面側を粗面に形成することで第2の拡散板AC2が構成され、出射面側に干渉膜フィルタAC3を成膜することで、それらの第2の拡散板AC2および干渉膜フィルタAC3は、1枚の共通のガラス基板AC1上に形成される。この場合の測定プローブ41内の構成は、図13で示すようになる。すなわち、測色光学系131,141,151において、前述の干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)および第2の拡散板13C,14C,15Cが、干渉膜フィルタ13AC,14AC,15ACで共用されている。
(実施形態2)
図14は、実施の第2の形態に係る測定プローブ42内の構成(測定用光学系)を示す図である。この測定プローブ42は、前述の図1で示す測定プローブ40に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。本実施形態の測定プローブ42では、測色光学系132,142,152には、第2の拡散部材として、第1実施形態の第2の拡散板13C,14C,15Cに代えて、単線ファイバ13F,14F,15Fが設けられている。
ここで、光ファイバは、コアとクラッドとの屈折率差を利用して、理想的には、図15で示すように、入射光を全反射させて光を導光させる。しかしながら、実際には、屈折率の局部的な差(脈利)やファイバ径の局部的な違い(太い、細い)、或いはファイバの屈曲による反射面の湾曲や材料(屈折率)の歪みなどによって、出射位置や出射角度がランダムになってしまい、入射光は、このような理想的な形では伝送されず、出射光は、均一化(出射位置、出射角度がランダム)される。すなわち、或る程度長い光ファイバの場合、該光ファイバへの入射光の特徴に依存せず、出射光は、均一化され、かつ常に安定した出射角度条件で出射されることになる(拡散板と同様の効果がある。拡散板よりも光量が多く得られる)。本実施形態の測定プローブ42では、このような光ファイバの特性が利用される。
図16には、本件発明者の実験結果が示されている。図16は、光ファイバの出射角度の実測データを示すグラフである。この実験では、図17で示すように、光ファイバに概ね平行な光(±2度以下の光束)が入射され、出射端に臨ませた図略の輝度計によって、前述の図5と同様に、ファイバ軸心からの角度(コーンアングル)を変化させて、ピーク強度(概ね0°位置になる)を1として、各角度での相対強度が測定された。ファイバは、1箇所で90°屈曲されている。また、ファイバは、プラスチックファイバ(NA=0.5、φ=1mm)であって、その長さは、30mm(×)、50mm(▲)、100mm(■)および300mm(◆)のそれぞれに変化させた。
前記平行光を入射した場合に、この図16から、ファイバ長さ50mmでは、実効的な開口角(ピークの5%強度の幅)は、±35°程度であり、この50mm以上にしても開口角の変化は、殆どなく、安定している。一方、ファイバの長さが30mmでは、出射光の強度分布が狭くなり、ミキシング(均一化)の程度が低い。しかしながら、これらの実験データは、平行光を入射した場合の結果であり、実際の光学系では、ファイバへの入射光が角度を持っているので、この実験条件(平行光入射)は、最も厳しい条件での実験データである。
したがって、実際の光学系においては、平行光束ではなく、ある程度角度を持った光束が入射するので、単線ファイバ13F,14F,15Fは、30mm以上の長さを有していれば、充分均等にミキシング可能である。そして、入射光と出射光およびファイバ長さの関係は、ファイバ中を導光する際に、コア・クラッド間の反射回数に依存する。したがって、この実験データでは、φ=1mmで必要なファイバ長さが30mmであるので、ファイバ長さは、ファイバ径の30倍以上が望ましい。このような長さの光ファイバを利用することで、出射角度が均一化(出射角度に固有の情報を持たない)されるとともに、常に安定した出射角度条件が得られる。
次に、光ファイバの開口率NAについて、ファイバ長さが長い場合には、前述のようにファイバからの出射角≒ファイバのNA条件となるので、ファイバNA>0.26(=sin15度)が望ましい。この単線ファイバ13F,14F,15Fから干渉膜フィルタ(色フィルタ13A,14A,15A)への入射光束の実際の強度分布も、前述の図5と同様の図18で示すような測定や、シミュレーションなどによって求めればよい。シミュレーションの場合、ファイバの出射条件は、ファイバ固有のNA条件で出射するものとする。
このように単線ファイバ13F,14F,15Fを用いることで、本実施形態の測定プローブ42は、第2の拡散板13C、14C、15Cを用いる場合に比べて、光量ロスを極めて小さく抑えることもできる。
(実施形態3)
図19は、実施の第3の形態に係る測定プローブ43内の構成(測定用光学系)を示す図である。この測定プローブ43は、前述の図1で示す測定プローブ40に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。本実施形態の測定プローブ43では、第1の拡散板191が、前記第2の拡散板13C,14C,15C側を覆うドーム状に形成されている。このように、第1の拡散部材にも、他の構成が用いられてもよい。
本明細書は、上記のように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
一態様にかかる測定用光学系は、被測定物からの光束が入射される第1の拡散部材と、前記第1の拡散部材の出射端側に複数組並設され、前記第1の拡散部材で散乱された出射光が入射され、その入射光を相互に異なる所定の透過率特性で透過させて、前記光束の強度を求めるセンサにそれぞれ入射させる干渉膜フィルタとを備えて構成される測定用光学系であって、前記干渉膜フィルタの前に配置される第2の拡散部材をさらに含み、前記干渉膜フィルタは、前記第2の拡散部材から該干渉膜フィルタに入射される入射光の入射角度に対する強度分布の条件に応じ、測定パラメータに対応した透過率特性が得られるように形成される。
上記構成の測定用光学系は、例えば、色彩輝度計や色彩計などに用いられる。この測定用光学系では、前記色彩輝度計の場合には液晶モニタやランプなどの光源から放射される光束が、あるいは、前記色彩計の場合には所定の照明光源からの照射光による被測定物の反射光束が、前記第1の拡散部材で散乱された後に、複数の干渉膜フィルタに入射され、これら互いに異なる所定の透過率特性を持つ前記複数の干渉膜フィルタのそれぞれを通して、前記光束の強度(輝度または照度値)を求めるセンサに入射される。これによって、この測定用光学系は、吸収式の色フィルタによる問題の解消を図っている。そして、この測定用光学系では、前記複数の干渉膜フィルタのそれぞれの前に複数の第2の拡散部材がそれぞれ介在されるとともに、前記複数の干渉膜フィルタにおける各透過率特性が調製される。
より具体的には、先ず、第2の拡散部材を介在することで、前記光束が第1の拡散部材のどの位置から入射するかに拘わらず、該第2の拡散部材の出射面から、所定の配光分布を持って、かつ均一化された光束が出射される。すなわち、前記光束は、被測定物の位置情報や、角度情報を均一化した上で、干渉膜フィルタに入射される。そして、次に、前記干渉膜フィルタの透過率特性は、前記第2の拡散部材の出射面からの所定の配光分布を持った光束が入射した際に、透過光束が、センサの測定パラメータに対応した透過率特性となるように設定される。すなわち、従来では、干渉膜フィルタへの入射角度による透過率特性のズレを抑えるために、該干渉膜フィルタへの入射光束ができるだけ平行に(配光分布が狭く)なるように工夫されてきたのに対して、上記構成では、第2の拡散部材によって干渉膜フィルタへの入射光束の配光分布は、広くなるけれども、配光分布に均一性を持たせ、その代わりに、その配光分布に干渉膜フィルタの透過率特性が合わせられる。
したがって、このような構成の測定用光学系は、任意の透過率特性を設定でき、かつ光量のロスも少なく、安定性が高いという干渉膜フィルタの長所を生かしつつ、入射角度による透過率特性のズレが大きいという該干渉膜フィルタの短所を補うことができる。
また、他の一態様では、上述の測定用光学系において、前記第1の拡散部材は、拡散板であり、前記第2の拡散部材も、拡散板である。
上記構成の測定用光学系は、或る程度の間隔を開けて第1および第2の拡散板を配置することで、上述のように干渉膜フィルタへの入射光束に均一性を持たせることができる。
好ましくは、前記第1および第2の拡散板を、それぞれ1枚で構成する。
また、他の一態様では、上述の測定用光学系において、前記第2の拡散部材である拡散板は、共通のガラス基板の入射面側を粗面に形成することで実現され、前記干渉膜フィルタは、前記共通のガラス基板の出射面側に成膜される。
上記構成によれば、測定用光学系は、前記第2の拡散板および干渉膜フィルタを1枚の基板上に形成することができる。
また、他の一態様では、上述の測定用光学系において、前記第1の拡散部材は、拡散板であり、前記第2の拡散部材は、単線ファイバである。
上記構成によれば、或る程度の長さ、より具体的にはコア径の30倍以上の長さを有する光ファイバによって、その入射配光の影響が緩和される。すなわち、或る程度の長さを有する単線ファイバは、出射位置や出射角度がランダムになって拡散板と同様の拡散効果を得ることができる。そして、単線ファイバは、さらに、出射角度の分布をファイバ固有のNA条件で出射させることができ、また、拡散板に比べて光量の減少を小さくすることもできる。
また、他の一態様では、これら上述の測定用光学系において、好ましくは、前記第1の拡散部材である拡散板は、前記第2の拡散部材側を覆うドーム状に形成される。
また、他の一態様にかかる色彩輝度計および色彩計は、これら上述のいずれかの測定用光学系を用いる。
したがって、このような構成の色彩輝度計および色彩計は、干渉膜フィルタを用いた高精度な色彩輝度計および色彩計を実現することができる。
この出願は、2010年4月23日に出願された日本国特許出願特願2010−99830を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本発明によれば、測定用光学系ならびにそれを用いた色彩輝度計および色彩計を提供することができる。

Claims (8)

  1. 被測定物からの光束が入射される第1の拡散部材と、
    前記第1の拡散部材の出射端側に並設され、前記第1の拡散部材からの出射光を検出する複数の測色光学系とを備え、
    前記複数の測色光学系のそれぞれは、
    前記第1の拡散部材から間隔を隔てて配置され、前記第1の拡散部材からの出射光が入射される第2の拡散部材と、
    前記第2の拡散部材からの出射光が入射され、前記出射光を所定の透過率特性で透過させる干渉膜フィルタと、
    前記干渉膜フィルタからの出射光が入射され、前記出射光の強度を検出する受光センサとを備え、
    前記被測定物からの光束を、前記第1の拡散部材で拡散透過させた次に、前記第2の拡散部材に透過させるものであり、
    前記干渉膜フィルタは、該干渉膜フィルタへの入射光の入射角度に対する強度分布の条件に応じ、測定パラメータに対応した透過率特性が得られるように形成され、
    前記測定パラメータは、予め測定した前記干渉膜フィルタへの入射光束の強度分布であり、
    前記透過率特性は、前記測定パラメータに前記干渉膜フィルタの各々の入射角度での透過率を掛け算することで演算されたものであること
    を特徴とする測定用光学系。
  2. 前記第1の拡散部材は、拡散板であり、前記第2の拡散部材も、拡散板であること
    を特徴とする請求項1に記載の測定用光学系。
  3. 前記第2の拡散部材は、前記複数の測色光学系に対して、共通に設けられる1枚の拡散板であること
    を特徴とする請求項2に記載の測定用光学系。
  4. 前記第2の拡散部材は、入射面側を粗面に形成した共通のガラス基板から成る拡散板であり、
    前記複数の測色光学系における前記複数の干渉膜フィルタのそれぞれは、前記共通のガラス基板の出射面側に成膜されること
    を特徴とする請求項3に記載の測定用光学系。
  5. 前記第1の拡散部材は、拡散板であり、前記第2の拡散部材は、単線ファイバであること
    を特徴とする請求項1に記載の測定用光学系。
  6. 前記第1の拡散部材は、前記第2の拡散部材側を覆うドーム状に形成された拡散板であること
    を特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の測定用光学系。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の測定用光学系を用いることを特徴とする色彩輝度計。
  8. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の測定用光学系を用いることを特徴とする色彩計。
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