JP5452747B2 - 発光装置及び照明装置 - Google Patents
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Description
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、高い発光効率を維持したまま、演色性の高い光を得ることを目的とする。
実施の形態1について、図1〜図9を用いて説明する。
図2は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
白色LEDパッケージ102(光源パッケージ)は、例えば市販の白色LEDパッケージである。白色LEDパッケージ102は、LED素子実装部103を有する。LED素子実装部103は、例えば円錐台状の窪みである。短波長LED104(単色光源)は、LED素子実装部103の底面中央付近に設けられている。蛍光体含有樹脂層105(蛍光樹脂)は、短波長LED104を覆い、LED素子実装部103を満たすよう設けられている。蛍光体含有樹脂層105は、透過性が高い。
波長変換シート106は、蛍光体含有樹脂層105の上部に、接着層107(接着剤)により、平面上に固定されて取り付けられている。接着層107は、透過性が高い。
波長変換シート106は、その上部に位置する。波長変換シート106は、単一種類または複数種類の蛍光体を含む。波長変換シート106の蛍光体は、短波長LED104の光、つまり白色LEDパッケージ102の励起光により励起され、異なる分光波長の光を発光する。
波長変換シート106は、薄膜厚シート状である。これにより、任意の市販の白色LEDパッケージ102に対して、色変換、高演色化、発光効率維持の効果がある。
同励起光により橙〜赤色の光を呈する蛍光体には、ユーロピウム付活アルカリ土類硫化物蛍光体(Ca,Sr)S:Euがある。しかし、ユーロピウム付活アルカリ土類硫化物蛍光体は、耐水性が低く、温度消光が大きく、光劣化を受けやすい。これに対し、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体は、ほぼ同等の励起スペクトルや発光スペクトルを持ちながら、耐水性が高く、温度消光が小さく、光劣化を受けにくいという特性がある。このため、ユーロピウム付活アルカリ土類窒化物蛍光体を用いるほうが好ましい。
線411は、白色LEDパッケージ102が放射する光の分光放射分布を示す。線412は、発光装置101が放射する光の分光放射分布を示す。
バインド樹脂109は、例えば、波長変換シート106を取り付ける白色LEDパッケージ102の蛍光体封止樹脂と同一の材料を用いる。これにより、光特性の変化があまりなく、発光効率を高めることができる。
粒径が大きい方が一般的には発光効率が高い。しかし、透過型シートの場合、平均粒径が大きすぎると発光効率が低下する。また、平均粒径が小さすぎると蛍光体が劣化しやすくなる。このため、蛍光体108の平均粒径は、5〜20μmであることが望ましい。
波長変換シート106に含まれる蛍光体108の含有量を増やしていくと、励起光を吸収する量が増え、蛍光体による発光量が多くなる。しかし、含有量が多すぎると発光効率の低下を招く。このため、蛍光体含有量は、平均粒径5〜20μmの場合、5wt%以下であることが望ましい。
このように、波長変換シート106を白色LEDパッケージ102に固定することにより、波長変換シート106と白色LEDパッケージ102との密着性を高める。これにより、発光装置101の発光効率を向上させることができる。
波長変換シート106を固定する接着剤は、例えば、無色で光透過性の良いエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂を用いる。接着剤は、波長変換シート106や白色LEDパッケージ102の封止樹脂の材料と同等のものを用いる。
このように、白色LEDパッケージ102の封止樹脂と、波長変換シート106と、波長変換シート106を固定する接着剤との材料を、同等のものとする。これにより、発光装置101の光取り出し率を高め、発光効率を向上させることができる。
波長変換シート106の外側の面の形状は、平面状ではなく、例えば、複数の小さな半球面状の凸部によりほぼ隙間なく埋め尽くした形状であってもよい。
波長変換シート106の外側の面の凸部の形状は、半球面状ではなく、例えば、ピラミッド状であってもよい。
波長変換シート106の外側の面の形状は、複数の小さな凸部によりほぼ隙間なくおめ尽くされた形状ではなく、一つの大きな凸部を設けた形状であってもよい。
波長変換シート106は、蛍光体の他に二酸化チタンやガラスビーズなどの透過性のある粒体を含有する構成であってもよい。
波長変換シート106を固定する接着剤(接着層107)は、二酸化チタンやガラスビーズなどの透過性のある粒体を含有する構成であってもよい。
波長変換シート106は、透過性の被覆材である。波長変換シート106は、市販品のLEDパッケージの色温度を調整し、効率低下を抑制し、高効率かつ高演色な光源にすることができる。
波長変換シート106は、高発光効率を維持したまま、演色性の高い目標光色を得ることが可能となる。蛍光体をシート状にすることにより、後工程での色変換を可能とし、バラエティに富み、演色性の良い光源を得ることが可能となる。
上記光源パッケージ(102)は、単色光源(短波長LED104)と、蛍光樹脂(蛍光体含有樹脂層105)とを有する。上記単色光源(104)は、単色光を放射する。上記蛍光樹脂(105)は、第一の蛍光体が混合された合成樹脂により形成されている。上記第一の蛍光体は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長は、上記単色光源(104)が放射する単色光の主波長より長い。上記光源パッケージ(102)は、上記単色光源(104)が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射する。
上記波長変換シート106は、第二の蛍光体108が混合された合成樹脂(バインド樹脂109)により形成されている。波長変換シート106は、上記光源パッケージ(102)が上記擬似白色光を放射する方向に位置する。上記第二の蛍光体108は、上記単色光源(104)が放射する単色光により励起されて蛍光を放射する。上記第二の蛍光体108が放射する蛍光の主波長は、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長より長い。
上記接着剤(107)は、上記光源パッケージ(102)の蛍光樹脂(105)の合成樹脂または上記波長変換シート106の合成樹脂(109)と同一の材料により形成されている。接着剤(107)は、上記波長変換シート106を上記光源パッケージ(102)の蛍光樹脂に密着させて固定する。
実施の形態2について、図10〜図14を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図11は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
シリコーンは、シロキサン結合を主とした樹脂であるため、電極部の熱によりトラッキングが起こることがある。電極部に波長変換シートが触れないようにすることにより、トラッキングを防ぐことができる。
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部の正面に当たる位置の外側に、半球状の凸部がある構成であってもよい。
波長変換シート106は、全体として半球状で、白色LEDパッケージ102と嵌合する形状の窪みを有する構成であってもよい。
波長変換シート106は、半球状の部分を有し、その下から直接、白色LEDパッケージ102と嵌合する部分を設ける構成であってもよい。
波長変換シート106の形状は、キャップ状に限らず、白色LEDパッケージ102と嵌合することにより白色LEDパッケージ102に固定される形状であれば、他の形状であってもよい。
実施の形態3について、図15〜図17を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図16は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す全体斜視図である。
このように、1つの白色LEDパッケージ102に対応して、波長変換シート106が1つずつあるのではなく、複数の白色LEDパッケージ102に対応して、1つの波長変換シート106がある構成であってもよい。
上記波長変換シート106は、1つの波長変換シート106が、複数の上記光源パッケージ(102)それぞれが上記擬似白色光を放射する方向全体を覆う。
実施の形態4について、図18〜図20を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図19は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す斜視図である。
図20は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図である。
これにより、波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部のサイズに左右されない。
実施の形態5について、図21を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
白色LEDパッケージ102は、LED素子実装部103を有する。短波長LED104は、LED素子実装部103内に設けられる。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104を覆う。蛍光体含有樹脂層105は、透過性が高い。波長変換シート106は、蛍光体含有樹脂層105の上部に密着して取り付けられる。波長変換シート106は、シリコーン樹脂で形成されている。波長変換シート106は、シリコーンの粘着力により、蛍光体含有樹脂層105に固定されている。
波長変換シート106の材料は、例えばシリコーンである。シリコーンは、無色で光透過性に優れ、耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性、対摩擦性に優れている。シリコーンの粘度は、例えば450〜700Pである。
光源に用いる白色LEDパッケージ102の封止樹脂は、例えばシリコーンなど、波長変換シート106の材料と同じである。
波長変換シート106に含まれる蛍光体の平均粒径(D50)は、例えば6〜10μmである。
まず、上記シリコーン樹脂とシリケート系の蛍光体とを、上記所定量混合してシート型に流し込む。次に、シート型を水平に保ち十分に時間が経過するまで待つ。その後、シート型を加熱してシリコーン樹脂を硬化させる。
発光装置101において、短波長LED104は、光を発する。蛍光体含有樹脂層105は、短波長LED104が発した光によって励起し、異なる分光波長の光を放出する。白色LEDパッケージ102は、短波長LED104が発する光と、蛍光体含有樹脂層5が発する光との合成光を放射する。波長変換シート106は、合成光の短波長成分光によって励起し、ピーク波長620〜640nm程度の長波長光を発する。発光装置101は、この3つの発光要素が発した光の合成光を放射する。これにより、白色LEDパッケージ102と比べて、低色温度で、演色性が高く、発光効率の高い白色光を得ることができる。
実施の形態6について、図22〜図24を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図23は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す側面視断面図である。
波長変換シート106は、シリコーンの粘着力などにより、白色LEDパッケージ102の上部にほぼ密着して取り付けられる。波長変換シート106には、白色LEDパッケージ102の開口部に対応する部分(例えば中央部)に、穴113が設けられている。LED光111は、白色LEDパッケージ102が放射した光のうち、穴113を通った光である。LED光111は、波長変換されず、白色LEDパッケージ102が放射したそのままの光である。波長変換光112は、白色LEDパッケージ102が放射した光のうち、波長変換シート106を通った光である。波長変換光112は、波長変換されている。白色LEDパッケージ102は、LED光111と波長変換光112との混色により、所定の色の光を放射する。
この例に示したように、穴113の大きさは、大きくてもよいし、小さくてもよい。また、穴の数は、1つでもよいし、複数でもよい。
このように、波長変換シート106の穴113の大きさや数を変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積割合を変えると、LED光111と波長変換光112との混合割合が変化する。これにより、様々な光色を容易に得ることができる。
このように、穴113そのものの大きさを変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積を変化させて、所定の光色を得る。
あるいは、穴113そのものの大きさは変えずに、穴113の数を変えることにより、波長変換シート106に対する穴113の面積を変化させて、所定の光色を得る。
実施の形態7について、図25〜図26を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態6と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図26は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示すA−A断面図である。
穴113は、白色LEDパッケージ102内の短波長LED104の直上ではなく、白色LEDパッケージ102内の蛍光体を含む樹脂部分(蛍光体含有樹脂層105のうち下に短波長LED104がない部分)の真上に設ける。
実施の形態8について、図27〜図29を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態7と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の直上に被せられる。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の開口部に対応した部分に、開口部よりも面積が小さい穴113を有する。
これにより、発光装置101は、波長変換シート106を通ったLED光と、穴113部分を通ったLED光とが混色した光を出射するので、元のLED光とは異なる光色を得ることができる。
波長変換シート106は、1つの開口部に対して1つの穴ではなく、1つの開口部に対して複数の小さな穴113を有する構成であってもよい。
波長変換シート106(及び穴113)は、LED光が出る白色LEDパッケージ102の開口部の直上に対応する位置のみを覆う構成であってもよい。枠114は、それぞれの白色LEDパッケージ102に対応する波長変換シート106を固定する。
必要な部分のみに波長変換シート106を適用することにより、波長変換のための蛍光体の使用量を減らすことができ、コストを低減させることができる。
上記枠体(114)は、複数の上記光源パッケージ(102)それぞれが上記擬似白色光を放射する方向に、複数の上記波長変換シート106それぞれが配置されるよう、複数の上記波長変換シート106を支持する。
実施の形態9について、図30〜図31を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態8と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
照明装置100は、例えば、ダウンライト型照明である。照明装置100は、ダウンライト筺体115と、ダウンライト光源部(発光装置)と、点灯装置(図示せず)とを有する。ダウンライト光源部は、1以上の白色LEDパッケージと波長変換シート106とを有する。波長変換シート106は、白色LEDパッケージ102の直上を覆うように設けられている。点灯装置は、白色LEDパッケージ102を点灯する。
波長変換シート106は、1以上の穴113を有する。穴113は、白色LEDパッケージ102の開口部よりも小さい面積である。白色LEDパッケージ102が放射した光には、波長変換シート106を通って波長変換される光と、穴113をそのまま通る光とがある。照明装置100は、2つの光の混色により、異なる色の光を得る。また、穴113の面積や位置を調節することにより、波長変換光とLED光との割合を代えて、所定の色の光を得ることができる。
あるいは、白色LEDパッケージ102ごとに波長変換シート106(及び穴113)を設ける構成であってもよい。その場合、例えば、枠114を用いて、波長変換シート106が白色LEDパッケージ102の開口部の直上を覆う位置に固定する。これにより、波長変換材料(蛍光体)の量を少なくできるので、安価で所定の色を得ることができる。
実施の形態10について、図32〜図33を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態9と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図33は、この実施の形態における発光装置101の構成の一例を示す平面図である。
また、穴113の大きさや数は、対応する白色LEDパッケージ102ごとに異なっていてもよい。
発光装置101は、例えば、サイン光源などに利用する照明装置に用いることができる。
Claims (5)
- ライン状に並べられた複数の光源パッケージあって、各光源パッケージは、単色光を放射する単色光源と、上記単色光源が放射する単色光によって励起されることにより、上記単色光源が放射する単色光の主波長よりも長い主波長の蛍光を放射する第一の蛍光体が混合された蛍光樹脂とを有し、上記単色光源が放射する単色光と上記第一の蛍光体が放射する蛍光との混合による擬似白色光を放射する複数の光源パッケージを有するラインモジュールと、
上記ラインモジュールに並べられた上記複数の光源パッケージに被せられ、上記単色光源が放射する単色光によって励起されることにより、上記第一の蛍光体が放射する蛍光の主波長よりも長い主波長の蛍光を放射する第二の蛍光体が混合された波長変換シートと
を備え、
前記波長変換シートは、
上記複数の光源パッケージが並べられたラインに沿って、ライン状に形成された複数の開口穴であって、各開口穴の面積が段階的に変化する複数の開口穴を有することを特徴する発光装置。 - 上記波長変換シートは、
上記複数の光源パッケージのうちの少なくともひとつに対応する位置に、上記複数の開口穴のうちのいずれかが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。 - 上記波長変換シートは、
上記複数の光源パッケージのうちの少なくともひとつの直上に、上記複数の開口穴のうちのいずれかが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。 - 上記波長変換シートは、前記複数の光源パッケージのそれぞれの直上に、上記複数の開口穴のそれぞれが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の発光装置と、上記発光装置の単色光源を点灯する点灯装置とを有することを特徴とする照明装置。
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