JP5451291B2 - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラムに関する。
近年の電子写真方式による画像形成装置では、多機能化によるプログラム容量の増大や、高解像度・高階調の画像出力/蓄積による記憶領域の増大により、ハードディスクのような大容量記憶媒体の使用が不可欠となっている。そのため、ハードディスクの重要性が非常に高まってきており、年々速くなるプリントスピードや、多機能化されるアプリケーションによるハードディスクへのアクセスが、機能や使い勝手に影響している。
しかしながら、ハードディスクは一般的に壊れやすいものであり、ハードディスク円盤上に微細な欠陥ができてしまうと、その部分は不良セクタと呼ばれる状態となる。これはライトアボートと呼ばれるような状態となり、正常に書き込みができなくなってしまうことがある。また、他の不具合としては正常にリードできなくなることがあり、そのためリードのリトライ動作を何度も繰り返すことになって、データの読み込み速度が非常に遅くなってしまうことがある。
そのため装置全体のパフォーマンスが悪くなるだけでなく、不良セクタの場所によっては画像形成装置自体が起動できなくなってしまう場合もある。この不良セクタは、記録媒体の製造工程でも発生するし、使用中において外部からの強い衝撃によって、例えば、ヘッドと媒体の接触などによっても不良セクタが発生する。また、不良セクタは、完全に読み書きできない状態となっている場合もあるが、その前の状態として読み書きの時に1回の動作で正常に完了せずに、前述したように何度となくリトライ動作を繰り返し発生させる。そのため、データ転送速度を遅くする大きな要因になっていることもある。
この不良セクタや動作不具合を軽減するために、ハードディスクメーカやPCメーカ、ソフトウェア開発会社等により様々な提案がなされている。例えば、SMART情報と呼ばれるハードディスクの代替セクタ数と、OFF/ON回数と、電源ON時間と、シーク時間等とをメモリ等に記憶しておく。そして、それらが予め定めるある値に到達した際にはハードディスクの交換を促す機能を提案している。とりわけ、不良セクタが発生した場合に代替として提示される上記の代替セクタ数が、ハードディスクを交換する際の判断パラメータとして重視されている。
しかしながら、不良セクタとしての判断基準はハードディスクメーカが独自に決めたものであるため次に述べるような問題もある。例えば、ハードディスクを使用する画像形成装置にとっては致命的な転送速度ダウンであっても、ある一定時間/回数内にリードのリトライ動作ができれば不良セクタと認識されない。そのため、代替セクタが発生せず、代替セクタ数としてカウントされないことになる。また、市場より不具合品として回収されたハードディスクを解析すると、そのほとんどが不良セクタを持っていない。さらに、SMARTが有する機能である良否判断機能を起動してもそのほとんどが問題なしと判断されているのが現状である。すなわち、このようなメーカ基準のSMART情報だと、精度が良くないため、ハードディスクを使用する画像形成装置としては独自の判断基準を設ける必要がある。そのような状況下で、ハードディスクをさらに解析してみると、ある一部の領域の転送速度が著しく低下している場合が多い。
このような問題に対し、従来の技術としては、ハードディスクのアクセス時間を監視して、アクセス速度が遅くなる原因となる異常動作発生前に、ユーザにハードディスクの交換を促すものがある(特許文献1)。また、別の従来技術としては、ハードディスクのアクセス時間を監視して、アクセス速度が予め設定した値よりも遅くなった場合にその領域を使用禁止領域とするものがある(特許文献2)。
特開2002−116931号公報 特開2004−165741号公報
しかしながら、ハードディスクのアクセス時間の計測方法や、異常動作検知の方法に関しては述べられていない。上述の先行技術では、異常動作検知方法は、予めある値を設定し、システムに影響するレベルまで低下しないとエラーとして認識できないため、突然マシンダウンしてしまうことがあるという課題がある。
上記の課題に鑑み、本発明は、ハードディスクの転送時間を測定し、その転送時間からハードディスクの故障の予兆を検知し、故障警告を表示あるいは故障部分の使用を回避することにより、突然のマシンダウンを防止して機器の信頼性を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成する本発明に係る画像形成装置は、
複数のデータ領域を含むハードディスクを有する画像形成装置であって、
前記ハードディスクの第1のデータ領域におけるデータ転送時間、前記第1のデータ領域の内周側に隣接する第2のデータ領域におけるデータ転送時間を計測する計測手段と、
前記第1のデータ領域におけるデータ転送時間より、前記第2のデータ領域におけるデータ転送時間に対して内周側によるパフォーマンスダウン分を加味するための係数を乗じた値の方が長い場合に、前記第のデータ領域の故障を検知する検知手段とを有することを特徴とする。

本発明によれば、ハードディスクの転送時間を測定し、その転送時間からハードディスクの故障の予兆を検知し、故障警告を表示あるいは故障部分の使用を回避することにより、突然のマシンダウンを防止して機器の信頼性を向上させることが可能になる。
あるいは、本発明によれば、ハードディスクのデータ領域に不具合の発生が予測されると判定された場合に、不具合の発生の前に予め定められた処理を実行することが可能になる。
画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図及び転送速時間データを格納する記憶部の図。 転送時間測定のフローチャート。 不具合予測及び不具合判断のフローチャート。 不具合予測のフローチャート。 ハードディスクの正常時の転送速度推移及び不具合動作発生時の転送速度推移を示す図。
図1(a)の参照により、画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。コントローラ100は以下に説明する機能を備える。
CPU101は、画像形成装置10のソフトウェアプログラムを実行し、装置全体の制御を行う処理実行手段として機能する。ROM102は、リードオンリーメモリであり、装置のブートプログラムや固定パラメータ等が格納されている。RAM103は、ランダムアクセスメモリであり、CPU101が装置を制御する際に、一時的なデータの格納などに使用する。ハードディスク(HDD)108は、ハードディスクドライブであり、印刷データの格納や行動履歴ログ、ドキュメントに関連付けられたインデックス情報、アドレス情報等、様々なデータの格納に使用する。タイマ112は、タイマ処理における経過時刻の管理を行うものであり、本実施形態においてはハードディスク108の転送時間を測定する測定手段として機能する。プリンタI/F制御部104は、画像形成部110を制御する装置である。NVRAM105は、不揮発性のメモリであり、画像形成装置10の各種設定値や本実施形態によるハードディスク108の各パーティション/セクタのデータ転送時間を記憶する第1の記憶手段及び第2の記憶手段として機能する。パネル制御部106は、操作部109を制御し、各種情報の表示や、使用者からの指示入力を行う。ネットワークI/F制御部107は、LAN111とのデータの送受信を制御する。バス113には、CPU101と、ROM102と、RAM103と、ハードディスク108と、タイマ112と、プリンタI/F制御部104と、NVRAM105と、パネル制御部106と、ネットワークI/F制御部107とが接続される。バス113は、CPU101からの制御信号と各装置間のデータ信号とが送受信されるシステムバスである。
図1(b)の参照により、ハードディスク108内の各領域のデータ転送時間情報を記述しておくメモリについて説明する。転送時間に関するデータは、NVRAM105のような不揮発性メモリの中に格納される。第1の記憶手段として機能する工場出荷時の転送時間情報格納部151は、NVRAM105に記憶されている転送時間情報の「工場出荷時」におけるハードディスク108内の各領域の転送時間(第1のデータ転送時間)情報を格納する。そして、これが今後測定するデータ転送時間(第2のデータ転送時間)情報と比較する際の基準となる初期の状態のデータとなる。第2の記憶手段として機能する工場出荷後の転送時間情報格納部152は、画像形成装置10が市場に投入されてから数日経過後に測定された各領域での転送時間情報を格納する。比較手段として機能するCPU101は、工場出荷時の転送時間情報格納部151に格納された転送時間情報と、工場出荷後の転送時間情報格納部152に格納された現在の転送時間情報とを各データ領域で比較する。
そして、工場出荷時のデータ転送時間よりも工場出荷後のデータ転送時間の方が長い場合には、転送時間に遅延が発生していると判断し、全データ領域のうち遅延が発生したデータ領域の個数である合計遅延回数を比較結果とする。
転送時間に遅延が発生している場合において、隣接するデータ領域(例えば、図1(b)においては領域♯0と領域♯1など)に連続して遅延が発生している場合には、連続した遅延データ領域の個数である連続遅延回数を比較結果とする。連続遅延回数は、例えば、領域♯3と、領域♯4と、領域♯5と、領域♯6とが連続して遅延を生じているデータ領域である場合には、その連続遅延回数は4となる。
図2の参照により、転送時間の計測処理の流れを説明する。ステップS201において、工場出荷時及び工場出荷後(例えば、サービスマンによるハードディスク保守時)に、転送時間の計測の対象となるハードディスク108の指定領域番号が#0に設定される。ステップS202において、測定手段として機能するタイマ112により時間計測処理を開始する。ステップS203において、データの読出手段として機能するCPU101は複数に分割されているハードディスク108のデータ領域の中から設定されている指定領域番号のデータ領域に対してリード動作処理を開始する。ステップS204において、設定されたデータ領域のリードが終了した際に発生する、リード終了割込み処理があるまで待機する。ステップS205において、リード終了割込み処理が実行された場合に、ステップS202において開始された時間計測を止める。この計測された時間tの値により転送時間が求まる。ステップS206において、計測された時間tの値を、第1の記憶手段として機能する工場出荷時の転送時間情報格納部151の指定領域へデータとして格納する。ステップS207において、測定された領域番号(m:0以上の整数)の隣の領域(m+1)を次の時間計測対象とする。ステップS208において、領域番号(m+1)と全体の領域数「n+1:nは0以上の整数」とが一致するか否かを判別する。計測処理が完了した領域番号(m+1)が「n+1」未満である場合には、次の領域の測定を行うためにステップS202へ戻る。一方、計測処理が完了した領域番号(m+1)と「n+1」とが一致した場合には、全ての領域に対する計測が終了したことになるため、転送時間の測定を終了する。以上により工場出荷時の計測が終了する。
次に、工場出荷後の処理を説明する。ステップS209において、転送時間の計測を前回測定した時から設定日数経過したかどうかを判断する。設定日数はソフトウェアまたは操作部109により設定できる。
ここで、設定された日数ごとに画像形成装置10において転送時間の計測が実行される。ステップS209においては、ステップS201と同様にハードディスク108の転送時間を測定する前に領域番号を♯0に設定する。ステップS211において、画像形成装置10がスタンバイ状態であるかどうかを判定する。スタンバイ状態である場合にはデータ転送時間の測定を開始する。一方、スタンバイ状態でない場合には正確な転送時間が測定できないため、スタンバイ状態になるまで転送時間測定を行わずに待機する。スタンバイ状態である場合、工場出荷時の転送時間測定と同様にデータ領域ごとに測定を行う。そして計測された時間tの値により転送時間が求まる。計測された時間tの値を、第2の記憶手段として機能する工場出荷後の転送時間情報格納部152の指定領域へデータとして格納する。ステップS212において、転送時間計測後に再度スタンバイ状態か否かを判別する。その結果スタンバイ状態でなかった場合には正確な計測ができていない可能性があるので、再測定を行う。
図3(a)の参照により、画像形成装置10が備えるハードディスク108の不具合予測の方法について説明する。ステップS301において、それぞれのデータ領域の転送時間を領域番号#0から順に比較するために、指定領域番号を♯0に設定する。ステップS302において、工場出荷時の転送時間情報格納部151に記憶された工場出荷時の領域番号ごとの転送時間情報をデータの読出手段として機能するCPU101により読み出す。同様に、工場出荷後の転送時間情報格納部152に記憶された設定日時経過後の領域番号ごとの転送時間情報をデータの読出手段として機能するCPU101により読み出す。ステップS303において、ステップS302で読み出した設定日時経過後の転送時間(T1)に対して指定した任意の係数(例えば、図3(a)においては0.95)を乗じる。このように係数を乗じるのは、ハードディスク108の転送時間には測定ごとに微妙な差があるためそれによる誤判定を防ぐためである。ステップS304において、工場出荷時に測定した転送時間(T0)と、係数(0.95)を乗じた設定日時経過後の測定データ(T1)とを比較する。工場出荷時測定結果(T0)の方が、転送時間が短ければステップS305へ進む。そうでなければステップS306へ進む。ステップS305において、工場出荷時の転送時間よりも係数を乗じた設定日時経過後の転送時間が長い場合、転送時間の遅延が発生したデータ領域の個数を示す遅延回数がカウントされ、遅延情報記憶部153の該当している領域番号のデータ領域に格納される。また、転送時間の遅延が連続して発生したデータ領域の個数を示す連続遅延回数がカウントされ、該当している領域番号のデータ領域に格納される。ステップS304において、工場出荷時と設定日時経過後とのそれぞれ次の領域番号に対応した各転送時間情報の比較をするために領域番号に1を加算する。ステップS307において、領域番号が「n+1」と一致するか否かを判別する。領域番号が「n+1」未満である場合には次の領域における比較を行うためにステップS302へ戻る。領域番号が「n+1」と一致した場合には、それ以上の領域はないため転送時間の比較処理を終了する。
図3(b)の参照により、不具合判断を行う方法について説明する。ステップS351において、遅延情報記憶部153に記憶された情報をCPU101が読み出す。ステップS352において、判定手段として機能するCPU101は、遅延情報記憶部153に格納された情報の中に第1閾値(例えば、連続3回)以上の回数で遅延情報に登録された領域があるか否かを判定する。ステップS353において、第1閾値(例えば、連続3回)の回数以上の領域があった場合には、ハードディスク108に今後不具合が起こる可能性がある。よって、処理実行手段として機能するCPU101により、不具合が起こる可能性があることをユーザまたはサービスマンへ通知する処理を実行する。また、その際にCPU101はそのデータ領域を使うアプリケーションを制限し、また、別領域にデータを移動するための処理を実行する。
ステップS354において、判定手段として機能するCPU101は、遅延情報記憶部153に格納された情報の中に合計で、第2閾値(例えば、10回)以上の回数で遅延情報に登録された領域があるか否かを判定する。ステップS355において、遅延情報記憶部153に格納された情報の中に10回以上の回数で遅延情報に登録された領域がある場合、CPU101はハードディスク108に今後不具合が生じうることをユーザ又はサービスマンへ通知する処理を実行する。また、CPU101はその際にそのデータ領域を使うアプリを制限し、また、別領域にデータをマッピングし直して移動する処理を実行する。
図4の参照により、不具合予測の別の方法について説明する。ステップS401において、工場出荷後の転送時間情報格納部152から、隣り合った領域(領域nと領域n−1)の各転送時間情報をCPU101により読み出す。正常なハードディスクにおいても、後述する図5(a)のように内周側になるに従い転送速度が遅くなっていくため、ステップS402において、それに対応したパフォーマンスダウン係数Xを内周側の転送時間情報に乗じる。ステップS403において、隣り合った領域である、領域n−1(第1のデータ領域)のデータ転送時間(第1のデータ転送時間)情報と領域n(第2のデータ領域)のデータ転送時間(第2のデータ転送時間)情報とを比較する。その際、内周側のパフォーマンスダウン分を加味した上で比較する。領域n−1における転送時間(T0)よりも、係数Xを乗じた領域nにおける転送時間(T1)の方が長ければステップS404へ進む。そうでなければステップS405へ進む。
ステップS404において、遅延情報記憶部153の該当している領域番号のデータ領域に遅延回数としてカウントし、隣接したデータ領域と連続して遅延している場合には連続遅延回数としてカウントして記憶する。そして、次に領域番号が「n+1」と一致するか否かを判別する。領域番号が「n+1」未満である場合には次の領域における比較を行うためにステップS401へ戻る。領域番号が「n+1」と一致した場合には、それ以上の領域はないため転送時間の比較処理を終了する。
図5(a)の参照により、ハードディスク108の工場出荷時における転送速度とLBA(Logical Block Adressing)との関係について説明する。なお、LBAとは、ハードディスク内の全てのセクタに通し番号を振り、その通し番号によってセクタを指定する方式のことである。図5(a)はハードディスク108の転送速度がハードディスク108の外周側から内周側に行くに従い遅くなっていくことを示す。また、新品のハードディスク108では、後述の図5(b)又は図5(c)とは異なり、ある特定のLBAにおいて転送速度が著しく遅くなることがない(図5(a)参照)。これは、ハードディスク108が正常に動作する時の例である。
次に、図5(b)と図5(c)との参照により、市場にてハードディスク108に不具合が発生した画像形成装置10の転送時間を計測して転送速度を求めた時の、転送速度とLBAとの関係について説明する。図5(b)のような例は、解析したハードディスク108の多くに見受けられる測定結果であり、図中の501はある特定のセクタ付近で著しく転送速度が遅くなっていることを示している。このような状態のハードディスク108は稀にしか不具合を起こさないため、本発明による故障予知方法を用いてハードディスク交換を行わないと、ユーザが使用中に突然データを壊す可能性や、システムダウンを引き起こす可能性がある。
図5(c)のような例は、比較的稀なタイプのハードディスク108の不具合であり、この状態にまで至ると、もはや画像形成装置10のシステムが起動しない。
一方、ハードディスクはその特性として同一部分にアクセスし続けると、そのセクタ及びその近傍の塗付材が盛り上がり、アクセス不良が発生することがある。しかし、その場合にはアクセスを一旦止めることにより塗付材が均一化されアクセス不良が解消することがある。そのため、アクセス不良が発生したセクタにアクセスすることを一定時間止めた後に再度転送時間を測定し、転送時間が回復している場合には上記のような制限を取りやめる。
本発明に係る画像形成装置10において、工場出荷検査時に作業者が操作部109により転送時間測定設定を行う(ステップS201)。それをコントローラ100が受けると、コントローラ100が備えるタイマ112を起動させて時間測定を開始する(ステップS202)。そしてハードディスク108の領域番号#0に対してDMA(Direct Memory Access)リードを開始する(ステップS203)。CPU101はDMA設定にて設定された容量まで読み込むと発生するDMA終了割り込みが発生するまで待機する(ステップS204)。DMA終了割り込みが発生したらCPU101はタイマ112を停止させ、そのときの計測時間を不揮発性記憶媒体であるNVRAM105に確保されている工場出荷時の転送時間情報格納部151に記憶する。以上の動作を、セクタをn個に区切った場合は領域番号#nまで行う。
製品出荷後は、ファームウェアに登録されている転送時間測定後の所定の時間(設定日時:たとえば1週)が経過したら、図2の転送時間計測のフローチャートに沿って転送時間情報を毎週更新する。更新された転送時間測定結果は図3(a)の不具合予測フローチャートに沿って、領域番号ごとに工場出荷時の転送時間情報と更新された現在の転送時間情報とを比較する。更新された転送時間の比較の際には誤判定防止用の係数(例えば、0.95)を乗じておく。この係数を乗じた上で工場出荷時の転送時間に対して、更新された転送時間が長い場合には転送時間が遅くなったと判断し、遅延情報記憶部153の該当領域番号部分に遅延が発生したことを記録する。以上の動作を領域#0から#nまでの全領域において行い、判定作業を実施する。
判定作業が終了した後CPU101により遅延情報記憶部153に記憶された内容を読み込み第1閾値として設定する連続3回以上遅延判定された領域があるか否か、第2閾値として設定する合計で10回以上遅延判定された領域があるか否かを調査する。該当する領域がある場合には、ユーザおよびサービスマンに対してハードディスク不具合が今後起こる可能性がある旨の警告の通知処理を実行する。
また画像形成装置10内では該当した領域を使用しているアプリケーションにはその領域を使用したデータ処理を行わないようにアクセス制限し、又別の領域にデータ処理用の領域を割り当ててマッピングし直し、該当した領域を使用禁止とする処理を実行する。
そして、一定期間セクタにアクセスすることを停止した後に、再度転送時間を測定し、転送時間の遅延が解消している場合にはセクタへのアクセス禁止を解除し、制限していたアプリも使用可能とする処理を実行する。また比較方法は上記の方法に限られず、別の方法として、図4に示すように一定期間ごとに隣り合ったデータ領域とを比較していく方法で行ってもよい。
以上のようにアクセス時間が長くなったことを検知し、その場合にユーザ及びサービスマンに対して警告を発することにより、ハードディスクが壊れる前にハードディスクに格納されているユーザーデータ等を退避することができるようになる。
本実施形態に拠れば、アクセス速度が遅くなったことを検知し、その場合にユーザ及びサービスマンに対して警告を発することにより、ハードディスクが壊れる前にハードディスクに格納されているユーザーデータ等を退避することが可能となる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (8)

  1. 複数のデータ領域を含むハードディスクを有する画像形成装置であって、
    前記ハードディスクの第1のデータ領域におけるデータ転送時間、前記第1のデータ領域の内周側に隣接する第2のデータ領域におけるデータ転送時間を計測する計測手段と、
    前記第1のデータ領域におけるデータ転送時間より、前記第2のデータ領域におけるデータ転送時間に対して内周側によるパフォーマンスダウン分を加味するための係数を乗じた値の方が長い場合に、前記第のデータ領域の故障を検知する検知手段とを有することを特徴とする画像形成装置
  2. 前記第1のデータ領域と前記第2のデータ領域は、互いに隣接するデータ領域であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置
  3. 前記検知手段による故障の検出結果に基づいて、前記ハードディスクにおける不具合の発生を予測する予測手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置
  4. 前記予測手段は、前記検知手段により故障が検知されたデータ領域の個数が所定の値より大きくなった場合に、前記ハードディスクに不具合が発生すると予測することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置
  5. 前記予測手段は、前記検知手段により特定のデータ領域に故障が検知された回数が所定の値より大きくなった場合に、前記ハードディスクに不具合が発生すると予測することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置
  6. 前記予測手段が前記ハードディスクに不具合が発生すると予測した場合に、不具合が発生に対処する処理を実行する実行手段を更に有することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置
  7. 複数のデータ領域を含むハードディスクを有する画像形成装置の制御方法であって、
    前記ハードディスクの第1のデータ領域におけるデータ転送時間、前記第1のデータ領域の内周側に隣接する第2のデータ領域におけるデータ転送時間を計測する計測工程と、
    前記第1のデータ領域におけるデータ転送時間より、前記第2のデータ領域におけるデータ転送時間に対して内周側によるパフォーマンスダウン分を加味するための係数を乗じた値の方が長い場合に、前記第のデータ領域の故障を検知する検知工程とを有することを特徴とする制御方法。
  8. 複数のデータ領域を含むハードディスクを有する画像形成装置に、
    前記ハードディスクの第1のデータ領域におけるデータ転送時間、前記第1のデータ領域の内周側に隣接する第2のデータ領域におけるデータ転送時間を計測する計測工程と、
    前記第1のデータ領域におけるデータ転送時間より、前記第2のデータ領域におけるデータ転送時間に対して内周側によるパフォーマンスダウン分を加味するための係数を乗じた値の方が長い場合に、前記第のデータ領域の故障を検知する検知工程とを実行させるためのプログラム。
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