開示の内容
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、米国特許法第120条の下、名称を「外科用ステープル留め器具(SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS)」とする、2007年6月22日出願の同時係属中の米国特許出願第11/821,277号の利益を主張する、一部継続出願であり、この同時係属中の特許出願の開示内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
〔背景〕
1.発明の分野
本発明は、概して外科用ステープル留め器具に関し、より詳細には、エンドエフェクタを閉じるための閉鎖システム、およびステープルを配備するための発射システムを有する、外科用ステープラに関する。
2.関連技術の説明
当技術分野で知られるように、外科用ステープラは、例えば軟組織が横に切開されているときに特に、軟組織からの出血を減らすか、または排除するために、軟組織の中にステープルを配備するのにしばしば用いられる。例えば、エンドカッターなどの外科用ステープラは、エンドエフェクタを含むことができ、このエンドエフェクタは、細長いシャフト組立体に対して動くか、または関節運動することができる。エンドエフェクタは多くの場合、第1のジョー部材と第2のジョー部材との間で軟組織を固定するように構成されており、第1のジョー部材は多くの場合、ステープルを取り外し可能に内部に保管するように構成されたステープルカートリッジを含み、第2のジョー部材は多くの場合、アンビルを含む。このような外科用ステープラは、ステープルカートリッジに対してアンビルを旋回させるための閉鎖システムを含むことができる。しかしながら、これらの閉鎖システムは、ジョー部材が閉じられた後でエンドエフェクタがシャフト組立体に対して関節運動することを妨げない。その結果、エンドエフェクタが関節運動すると、エンドエフェクタはジョー部材の間に捕捉された軟組織に剪断力を加える場合がある。
前記に概略を述べたように、外科用ステープラは、アンビルとステープルカートリッジとの間に軟組織を捕捉するために、ステープルカートリッジに対してエンドエフェクタのアンビルを旋回させるように構成されることができる。様々な状況において、アンビルは、アンビルとステープルカートリッジとの間に軟組織をしっかりと保持するために、軟組織にクランプ力を加えるように構成されうる。しかしながら、外科医がエンドエフェクタの位置に満足しない場合、外科医は、通常、外科用ステープラの解除機構を作動させて、アンビルを開位置に旋回させ、次にエンドエフェクタを再度位置付けなければならない。その後、ステープルは通常、駆動体であって、ステープルカートリッジのチャネルを横切り、ステープルがアンビルに当たって変形し、かつ軟組織層を共に固定するようにする、駆動体により、ステープルカートリッジから配備される。当技術分野で知られているように、多くの場合、ステープルは、より確実に組織層を共に固定するために、いくつかのステープルラインすなわち列で配備される。エンドエフェクタは、例えばナイフなどの切断部材も含むことができ、この切断部材は、軟組織層が共にステープル留めされた後で、軟組織を切除するためにステープルの2つの列の間を前進させられる。
駆動体および切断部材がエンドエフェクタ内を前進させられた後、駆動体および/または切断部材をそれらの最初の位置(starting positions)まで後退させることが、多くの場合必要である。以前の外科用ステープラは、例えば、外科用ステープラの解除ボタンまたはトグルスイッチが外科医により作動された後でステープルカートリッジに対して切断部材を後退させる、戻しバネを含んでいた。様々な実施形態では、戻しバネの第1の端部は、外科用器具のハウジングに接続されてよく、このバネの第2の端部は、切断部材に接続されてよい。しかしながら、このようなステープラは、切断部材が前進させられるときに戻しバネを延ばすのに必要とされる力がしばしばかなり大きいので、多くの場合、使用するのが難しい。さらに、そのような戻しバネは、切断部材が前進させられるときに、切断部材にしばしば付勢力を加え、この戻しバネは、様々な状況において、切断部材を完全に前進させるためにトリガーの複数のストロークが必要とされる実施形態では特に、切断部材を早まって戻すことがある。必要とされるのは、前述のものに対する改善である。
〔概要〕
本発明の少なくとも1つの形態では、外科用器具は、シャフト組立体と、シャフト組立体に対して動くことができるエンドエフェクタと、シャフト組立体とエンドエフェクタとの間の相対関係を固着するか、またはロックするためにシャフト組立体および/もしくはエンドエフェクタに係合するように構成されたロック機構と、を含むことができる。様々な実施形態では、エンドエフェクタは、アンビル、およびチャネルを含むことができ、チャネルは、ステープルカートリッジを受容するように構成されてよく、アンビルは、チャネルに可動に連結されてよい。少なくとも1つの実施形態において、外科用器具は、閉鎖運動を生じるように構成された閉鎖システムをさらに含むことができ、アンビルは、この閉鎖運動に応答することができる。様々な実施形態では、閉鎖システムは、ロック機構に係合し、かつロック機構がシャフト組立体とエンドエフェクタとの間の相対関係のロックを外すのを防ぐように、さらに構成されてよい。
本発明の少なくとも1つの形態では、外科用器具は、例えば、開位置と、部分的に閉じた位置と、閉位置との間でエンドエフェクタのアンビルを動かすように構成された閉鎖システムを含むことができる。様々な実施形態では、外科用器具は、アンビルがその部分的に閉じた位置および閉位置のうちの一方に位置付けられたときに閉鎖システムに選択的に係合し、かつ閉鎖システムをロックするように構成された、ロック部材をさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、外科用器具は、例えばアンビルを旋回させるように構成されたトリガーを含んでよく、このトリガーは、カム面、およびそのカム面の第1のノッチを含むことができる。様々な実施形態では、ロック部材は、従動部分を含むことができ、閉鎖駆動装置(closure drive)は、トリガーのカム面に対して従動部分を付勢するように構成されたロックバネを含むことができ、そのため、従動部分は、アンビルがその部分的に閉じた位置に旋回されると、トリガーの第1のノッチに係合することができる。少なくとも1つの実施形態では、従動部分が第1のノッチと係合されると、第1のノッチは、アンビルがその開位置に旋回されることを防ぐことができる。様々な実施形態では、カム部分は、第2のノッチをさらに含むことができ、従動部分は、アンビルがその閉位置に旋回されると第2のノッチに係合するように構成されていてよい。
本発明の少なくとも1つの形態では、外科用器具は、例えば、エンドエフェクタ内で切断部材を前進させるように構成された、発射部材を含む発射駆動装置(firing drive)と、発射部材を後退させるように構成された、発射部材に接続された可撓性バンドと、を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、外科用器具は、例えば、バンドに係合するように構成された制動装置(brake)を含んでよく、これにより、発射部材の動きを制限することができる。様々な実施形態では、発射駆動装置は、発射部材が後退させられるとバンドの少なくとも一部を巻き上げるように構成されたリールをさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、発射駆動装置は、発射部材およびリールと選択的に係合可能なトリガーをさらに含むことができ、トリガーが発射部材と動作可能に係合されると、トリガーの作動は、発射部材を前進させるように構成されることができ、かつ、トリガーがリールと動作可能に係合されると、トリガーの作動は、リールを回転させ、かつバンドにより発射部材を後退させるように構成されうるようになっている。
本発明の少なくとも1つの形態では、外科用器具は、エンドエフェクタに対して発射部材および/もしくは切断部材を選択的に前進させるように構成された発射駆動装置と、さらに、エンドエフェクタに対して発射部材および/もしくは切断部材を選択的に後退させるように構成された逆動駆動装置と、を含むことができる。様々な実施形態では、発射駆動装置は、トリガーの作動時に発射部材を前進させるように構成されることができ、逆動駆動装置は、トリガーのその後の作動時に発射部材を後退させるように構成された歯車を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、発射駆動装置は、歯止めを含むことができ、この歯止めは、発射部材を前進させるために発射部材と選択的に係合することができ、歯止めは、逆動駆動装置が発射部材と係合されると発射部材から外れることができる。様々な実施形態では、逆動駆動装置は、発射部材と動作可能に係合される第1の歯車、および、さらに、トリガーと動作可能に係合される第2の歯車を有する、歯車列を含むことができ、第2の歯車は、トリガーの作動により、第1および第2の歯車を介して発射部材および/もしくは切断要素を後退させることができるように、第1の歯車と選択的に動作可能であってよい。様々な実施形態では、外科用器具は、比較的可動性の第1および第2の部分を含むスイッチをさらに含むことができ、第1の部分は、発射部材から発射駆動装置を動作可能に外し、かつ逆動駆動装置を発射部材と動作可能に係合させるように、構成されうる。少なくとも1つの実施形態では、第2の部分は、この第2の部分から延びるハンドルを含むことができ、ハンドルは、第2の部分を第1の部分と係合させ、第1の部分を所定の位置に動かすために、外科医により動かされうる。
添付の図面と共に本発明の実施形態の以下の説明を参照することにより、本発明の前述の特徴および利点、他の特徴および利点、ならびに、それらを得る方法が、より明らかになるであろうし、また本発明そのものがよりよく理解されるであろう。
対応する参照符号は、いくつかの図面にわたって対応する部品を示している。本明細書に述べる例証は、1つの形態における本発明の好適な実施形態を示しており、このような例証は、いかなる方法によっても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
〔詳細な説明〕
本明細書に開示される装置および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の総合的な理解をもたらすために、特定の例示的実施形態がこれから説明される。これらの実施形態の1つ以上の実施例が添付の図面に示されている。本明細書において特に説明され、かつ添付の図面に示される装置および方法は、非限定的な例示的実施形態であり、本発明の様々な実施形態の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められることを、当業者は理解するであろう。1つの例示的実施形態に関して示されるか、または説明される特徴部は、他の実施形態の特徴部と組み合わせられてよい。そのような修正および変形は、本発明の範囲内に含まれることを意図している。
様々な実施形態では、本発明による外科用器具は、例えば、軟組織に外科用ステープルを挿入するように構成されることができる。少なくとも1つの実施形態では、図1〜図4を参照すると、外科用器具100は、ハンドル部分102と、細長いシャフト組立体104と、エンドエフェクタ106と、を含むことができる。様々な実施形態では、図3および図4を参照すると、エンドエフェクタ106は、ステープルカートリッジチャネル108、およびステープルカートリッジ110を含むことができ、ステープルカートリッジ110は、その中にステープルを取り外し可能に保管するように構成されうる。少なくとも1つの実施形態では、エンドエフェクタ106は、アンビル112をさらに含むことができ、このアンビル112は、ステープルカートリッジチャネル108に旋回可能に接続されてよく、かつエンドエフェクタ閉鎖システムにより開位置と閉位置との間で旋回させられうる。ステープルカートリッジ110からステープルを配備するために、外科用器具100は、ステープルカートリッジ110を横切るように構成されたステープル駆動体と、ステープルカートリッジ内でステープル駆動体を前進させるように構成された発射駆動装置と、をさらに含むことができる。様々な実施形態では、アンビル112は、ステープルがステープルカートリッジから配備されると、それらステープルの少なくとも一部を変形させるように構成されていてよい。エンドエフェクタ閉鎖システムおよび発射駆動装置の様々な実施形態が、以下にさらに詳細に説明されるが、エンドエフェクタ閉鎖システムおよび発射駆動装置のいくつかの実施形態は、2005年6月14日に交付された、名称を「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING A FIRING MECHANISM HAVING A LINKED RACK TRANSMISSION」とする、米国特許第6,905,057号、および、2006年5月16日に交付された、名称を「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHAMISN FOR PERVENTION OF FIRING」とする、米国特許第7,044,352号に開示されており、これらの特許文献の開示内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態では、本発明による外科用器具は、外科用器具の細長いシャフト組立体に対してエンドエフェクタを動かすか、または関節運動させるためのシステムを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図3〜図7を参照すると、外科用器具100は、エンドエフェクタ106および細長いシャフト組立体104を可動に接続することができる関節運動継手114を含むことができる。様々な実施形態では、関節運動継手114は、エンドエフェクタ106が単一の平面内で、もしくはその代わりに複数の平面内で、シャフト組立体104に対して動かされることを可能にすることができる。いずれの場合も、関節運動継手114は、1つ以上の旋回軸116(図5)を含むことができ、この旋回軸116の周りでエンドエフェクタ106は関節運動されうる。様々な実施形態では、図5および図6を参照すると、外科用器具100は、ロック機構118をさらに含むことができ、このロック機構118は、エンドエフェクタ106と細長いシャフト組立体104との間の相対関係を固着するか、またはロックすることができる。少なくとも1つの実施形態では、ロック機構118は、ロック部材120を含むことができ、このロック部材120は、エンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対運動を防ぐか、または少なくとも部分的に抑制するために、エンドエフェクタ106に対してスライドされ、かつエンドエフェクタ106に係合することができる。少なくとも1つの実施形態では、ロック部材120は、エンドエフェクタ106の歯312(図5および図6)のうち少なくとも1つに係合するように構成されていてよく、ロック部材120と歯312との間の相互作用は、以下により詳細に説明されるように、エンドエフェクタ106が軸116の周りを回転することを防ぐか、または少なくとも部分的に抑制することができるようになっている。
様々な実施形態では、図7〜図9を参照すると、ロック機構118は、ロック部材120に動作可能に接続されうるアクチュエータ122をさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、アクチュエータ122は、ピン124を含むことができ、このピン124は、ロック部材120のスロット121内に受容されてよく、このため、アクチュエータ122がハンドル部分102に対してスライドされると、ピン124は、スロット121の側壁に接触し、かつ、エンドエフェクタ106に対してロック部材120を動かす(motivate)ことができる。少なくとも1つの実施形態では、アクチュエータ122は、エンドエフェクタ106から引き離されて、すなわち近位に引っ張られて、ロック部材120をエンドエフェクタ106から外すことができる。図示されてはいないが、ロック部材120をエンドエフェクタ106から外すために、アクチュエータ122が遠位に動かされるか、または回転さえさせられることができる、他の実施形態が構想される。いずれの場合も、ロック機構118は、戻しバネ126(図6)をさらに含むことができ、この戻しバネ126は、アクチュエータ122が解放された後で、ロック部材120をエンドエフェクタ106と係合させるように、ロック部材120をエンドエフェクタ106に向かって、すなわち遠位に動かすように構成されることができる。他のロック機構は、2005年4月7日に出願された、名称を「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING SHAFT WITH SINGLE PIVOT CLOSURE AND DOUBLE PIVOT FRAME GROUND」とする、米国特許出願第11/100,772号、2005年9月29日に出願された、名称を「SURGICAL INSTRUMENT WITH ARTICULATING SHAFT WITH RIGID FIRING BAR SUPPORTS」とする、米国特許出願第11/238,358号、および2006年7月24日に出願された、名称を「SURGICAL STAPLING AND CUTTING DEVICE AND METHOD FOR USING THE DEVICE」とする、米国特許出願第11/491,626号に開示されており、これら米国特許出願の開示内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態では、図1および図2を参照すると、アクチュエータ122は、外科医がアクチュエータ122の外面をつかみ、前述のようにアクチュエータ122を近位に引っ張ることができるように輪郭を付けられていてよい。アクチュエータ122を動かすために、少なくとも1つの実施形態では、外科医がハンドルグリップ127に対してアクチュエータ122を動かすことができるように、外科医は、例えば片手をハンドルグリップ127上に置き、もう一方の手をアクチュエータ122の上に置くことができる。他の様々な実施形態では、図10〜図13を参照すると、アクチュエータ122’は、外科医が、外科用器具を操作するのに片手だけを必要とすることができるように構成されうる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態では、アクチュエータ122’は、アクチュエータ122’から延びるフック、すなわち突起部115を含むことができ、この突起部115は、外科医が片手でハンドルグリップ127を保持し、その手の少なくとも1本の指を遠位に延ばして少なくとも1つの突起部115をつかみ、前述のようにアクチュエータ122’を近位に引っ張ることを可能にすることができる。アクチュエータ122’は、突起部115を有するものとして本明細書に記載されているが、アクチュエータ122、または任意の他の適切なアクチュエータは、突起部115、および/もしくは、外科医が片手で外科用器具100を操作するのを助けることができる任意の他の適切な特徴部を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、突起部115は、突起部115に対する外科医の握りを改善することができ、かつ外科医に他の人間工学的利点を与えることができる弾性材料もしくは「手触りが柔らかな(soft-touch)」材料で、少なくとも部分的に構成され、かつ/またはそれらの材料でコーティングされてよい。様々な実施形態では、例えば、アクチュエータ122’は、シャフト組立体104と動作可能に係合されることができ、これにより、エンドエフェクタ106およびシャフト組立体104は、アクチュエータ122’により長さ方向軸の周りを回転させられることができる。このような実施形態では、外科医は、前述のようにエンドエフェクタ106を関節運動させること、および/または、エンドエフェクタ106を所定の位置に回転させることによって、手術部位においてエンドエフェクタ106を方向付けることができる。少なくとも1つの実施形態では、外科医は、突起部115のうち1つに対して指を置くこと、およびその突起部に対して力を加えることにより、アクチュエータ122’を回転させることができる。様々な実施形態では、外科医は、突起部115に対して指を置くこと、および、アクチュエータ122’のあらゆる望ましくない運動、それに対応してエンドエフェクタ106のあらゆる望ましくない運動に抵抗することによって、アクチュエータ122’を所定の位置に保持することができる。
様々な実施形態では、本発明による外科用器具は、例えば、エンドエフェクタを軟組織の上に閉じるか、またはクランプするためのシステムを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図2、図5、図8、および図9を参照すると、外科用器具100は、閉鎖トリガー128、駆動リンク130、駆動体132、および閉鎖管134を含むことができる。様々な実施形態では、閉鎖トリガー128の作動時に、閉鎖トリガー128は、駆動リンク130、駆動体132、および閉鎖管134を遠位に転置するように構成されうる。さらに詳細には、少なくとも1つの実施形態では、駆動リンク130は、トリガー128に旋回可能に接続された第1の端部と、駆動体132に旋回可能に接続された第2の端部と、を含むことができ、トリガー128がハンドルグリップ127に向かって回転することによって、リンク130を前方に駆動し、駆動体ガイド136(図8)により定められた軸に沿って駆動体132をスライドさせることができるようになっている。様々な実施形態では、駆動体132は、この駆動体132から延びる突起部133を含むことができ、この突起部133は、駆動体ガイド136のスロット135内にスライド可能に受容されることができ、スロット135は、駆動体132が動かされるときの駆動体132の通路(path)を定めることができる。様々な実施形態では、閉鎖管134は、駆動体132と動作可能に係合されてよく、前述のように駆動体132が遠位に動かされると、閉鎖管134はアンビル112に係合し、アンビル112を下方に旋回させることができるようになっている。主に図5を参照すると、閉鎖管134は、関節運動継手114の上をスライドし、かつ、ステープルカートリッジ110に対してアンビル112を旋回させるように構成されうる。少なくとも1つの実施形態では、図9に示されるように、閉鎖管134は、この閉鎖管134から延びる突起部135を有する近位端部を含むことができ、この突起部135は、駆動体132の転置が閉鎖管134に伝達されるように、駆動体132のスロット131に受容されることができる。
様々な実施形態では、前述のように、ロック機構118は、エンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対運動を防ぐか、または少なくとも部分的に抑制することができる。例えば、軟組織がアンビル112とステープルカートリッジ110との間にクランプされる状況では、エンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対運動が、アンビル112とステープルカートリッジ110との間にクランプされた軟組織に対して剪断力を加えることがあり、この剪断力は、その軟組織に損傷を与える場合がある。様々な実施形態では、図10〜図13を参照すると、エンドエフェクタ106が閉じられたときにエンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対運動を防ぐか、または少なくとも軽減するために、エンドエフェクタ閉鎖システムは、アクチュエータ122’がそのロックされていない位置に動かされることを防ぐようロック機構118に係合するように構成されうる。事実上、少なくとも1つの実施形態では、閉鎖トリガー128の作動は、エンドエフェクタ106を閉じることができるだけでなく、ロック機構118がロックを外されることを防ぐこともできる。様々な実施形態では、図10〜図13を参照すると、外科用器具100’は、駆動体132を含むことができ、この駆動体132は、駆動体132がトリガー128によって遠位に動かされるとアクチュエータ122’に接触するか、もしくはぴったりと隣接して位置付けられるように構成されてよく、これにより、アクチュエータ122に関して前述したようにアクチュエータ122’が近位に動かされることを防ぐことができる。より詳細には、ロック部材120をエンドエフェクタ106に対してスライドさせ、関節運動継手114のロックを外すために、図10および図11に示されるように、トリガー132が作動される前に、アクチュエータ122’は近位にスライドされてよい。しかしながら、図13を参照すると、トリガー132の作動時に、駆動体132は、アクチュエータ122’に接触するか、または隣接して位置付けられるように構成されてよく、アクチュエータ122’は、エンドエフェクタ106からロック部材120を外すように近位に動かされることができないようになっている。その結果、エンドエフェクタ閉鎖システムは、エンドエフェクタ106が閉じた後でこのエンドエフェクタ106が関節運動することを防ぐことができ、これにより、エンドエフェクタ内にクランプされた軟組織に剪断力が伝えられる可能性を低減する。
前述したことに加えて、エンドエフェクタ閉鎖システムは、エンドエフェクタが閉じられたというフィードバックを外科医に与えることができ、外科医がエンドエフェクタのロックを外し、エンドエフェクタを関節運動させるためには、外科医は、エンドエフェクタが関節運動させられうる前に、まずエンドエフェクタを少なくとも部分的に再び開けなければならない。より詳細には、エンドエフェクタ106が閉じられたときの駆動体132とアクチュエータ122’との間の相互作用のために、外科医が関節運動継手114のロックを外すためにアクチュエータ122’を近位に引っ張ろうとすると、駆動体132は、アクチュエータ122’が動くことを実質的に防ぐことができ、それにより、エンドエフェクタ106が閉じられたことと、アクチュエータ122’が動かされることができ、かつ関節運動継手のロックが外されることができる前にエンドエフェクタ106が最初に開かれなければならないことと、を外科医に知らせる。様々な実施形態では、このようなエンドエフェクタ閉鎖システムは、外科医が、外科用器具、および/またはエンドエフェクタの中に捕捉された組織もしくはエンドエフェクタの周りの組織を損傷することを防ぐことができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態では、前述のように閉鎖管134がアンビル112を閉じるために前進させられると、閉鎖管134は、アンビル112に力を加えてアンビル112を閉位置に保持することができる。様々な状況において、この力は、関節運動継手114の中で摩擦力を生じることができ、この摩擦力は、エンドエフェクタ106が関節運動継手114の周りを回転することを、妨げるとまではいかなくても抑制することができる。前述したエンドエフェクタ閉鎖システムがない実施形態では、外科医が最初にエンドエフェクタを少なくとも部分的に開けずにこれらの摩擦力に打ち勝とうとする場合、外科医は、例えば外科用器具の1つ以上の構成要素を曲げるか、または壊すことがある。しかしながら、本発明の様々な実施形態では、例えば、駆動体132は、前述のように外科医が関節運動ロック120を解放することを防ぐことができ、その結果、外科医は、関節運動継手114のロックを外す機会を与えられることができず、ましてエンドエフェクタ106を関節運動させる機会を与えられることはできない。
様々な実施形態では、本発明による外科用器具は、例えばアンビル112を開位置、閉位置、および部分的に閉じた位置に位置付けることができる、エンドエフェクタ閉鎖システムを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、外科医は、アンビル112がその閉位置に動かされる前に、アンビル112を部分的に閉じた位置に動かし、エンドエフェクタが再び位置付けられるか、もしくは関節運動させられるべきであるかどうかを評価することができる。このような実施形態では、アンビル112は、アンビル112が完全に閉じられる前に、剪断力、もしくは少なくとも実質的な剪断力を軟組織に加えることなく、アンビル112とステープルカートリッジ110との中間に位置付けられた軟組織に対して動かされうる。少なくとも1つの実施形態では、アンビル112は、アンビル112がその部分的に閉じた位置にある場合に、アンビル112とステープルカートリッジ110との間に位置付けられた軟組織をこのアンビル112がクランプしないように構成されうる。その代わりに、アンビル112は、このアンビル112がその閉位置に動かされるときにより大きなクランプ力を加える前に、アンビル112がその部分的に閉じた位置にあるときに軟組織に軽いクランプ力を加えるように構成されてもよい。少なくとも1つのこのような実施形態では、外科用器具は、トリガーを含むことができ、このトリガーは、アンビル112の開位置に対応する第1の位置(図11)と、アンビル112の部分的に閉じた位置に対応する第2の位置(図12)と、アンビル112の閉位置に対応する第3の位置(図13)との間で動かされることができる。様々な実施形態では、図8および図9を参照すると、トリガー128は、ハンドル部分102のハウジング103に旋回可能に取り付けられてよく、トリガー128は、その第1の位置と、第2の位置と、第3の位置との間でピン129の周りを回転させられうるようになっている。様々な実施形態では、図8、図9、図17、および図18を参照すると、外科用器具100は、トリガーロック148をさらに含むことができ、このトリガーロック148は、トリガー128に係合し、前述した、トリガー128の第1の位置、第2の位置、および第3の位置のうち少なくとも1つの位置でトリガー128を選択的にロックするように構成されうる。少なくとも1つの実施形態では、トリガー128は、カム面140、第1のノッチ142、および第2のノッチ144を含むピボット端部138を含むことができ、トリガーロック148は、第1のノッチ142および第2のノッチ144に係合するように構成されうる。より詳細には、図8および図9を参照すると、外科用器具100は、トリガーロックバネ150をさらに含むことができ、このトリガーロックバネ150は、トリガーロック148の従動部分149をカム面140に対して付勢するように構成されてよく、第1のノッチ142または第2のノッチ144のいずれかが従動部分149と整列された場合に、トリガーロックバネ150が第1のノッチ142または第2のノッチ144それぞれの中に従動部分149を押し込むことができるようになっている。少なくとも1つの実施形態では、主に図8および図9を参照すると、トリガーロック148は、ピン151によりハンドル部分102のハウジング103に旋回可能に取り付けられていてよい。様々な実施形態では、トリガーロックバネ150は、トリガーロック148のボタン部分152とハウジング103との中間で圧縮されることができ、トリガーロックバネ150は、ピン151の周りでトリガーロック148を回転させ、かつトリガー128のカム面140に対してトリガーロック148を下方に付勢することができるようになっている。
前述したことに加えて、少なくとも1つの実施形態では、第1のノッチ142は、トリガー132がその第2の位置に動かされてアンビル112がその部分的に閉じた位置に動かされると、従動部分149と整列させられうる。様々な実施形態では、従動部分149は、第1のノッチ142の中にしっかりと保持されてよく、このため、トリガーロック148は、トリガー132がその第3の位置に動かされ、かつ/またはその第1の位置に戻されることができる前に、トリガー132から手動で外されることを必要とするかもしれない。少なくとも1つの実施形態では、図8および図9を参照すると、外科医は、ロック部材148のボタン部分152を押し下げることができ、これにより、ロック部材148がピン151の周りを回転させられ、従動部分149が上方に引き上げられトリガー128との係合から外れる。他の様々な実施形態では、第1のノッチ142は、トリガー132に力が加えられると従動部分149がスライドして第1のノッチ142から出るように構成されてもよい。いずれの場合も、従動部分149が第1のノッチ142から外された後、外科医は、トリガー132をその第3の位置に選択的に動かすか、またはトリガー132を解放し、例えばトリガーバネがトリガー132をその第1の位置に戻すことを可能にすることができる。少なくとも1つの代替的実施形態では、第1のノッチ142および従動部分149は、トリガー132がその第2の位置に動かされた後、トリガー132がその第1の位置に戻されうる前にその第3の位置に動かされなければならないように、構成されうる。いずれの場合も、少なくとも1つの実施形態では、トリガー132の第2のノッチ144は、トリガー132がその第3の位置に動かされ、かつアンビル112がその閉位置に動かされると、従動部分149と整列することができる。第1のノッチ142と同様に、第2のノッチ144は、ロック部材148がトリガー132から外され、かつ/または第2のノッチ144から従動部分149を除去するようにトリガー132に十分な力が加えられるまで、内部に従動部分149を保持するように構成されてよい。様々な実施形態では、その後、トリガーバネは、トリガー132をその第3の位置から第2の位置に動かすことができ、この際、外科医は、前述したことと同様に第1のノッチ142から従動部分149を外すことを必要とされうる。少なくとも1つの代替的実施形態では、第1のノッチ142は、従動部分149が、第1のノッチ142を通り過ぎてスライドし、外科医が第1のノッチ142から従動部分149を除去することを必要とせずにトリガー132をその第3の位置から第1の位置へ動かすことを可能にすることができるように、構成されてよい。
前述したことに加え、図示されてはいないが、ロック部材148のボタン部分152は、閉鎖トリガー128がその第1の位置にある場合に、例えば外科用器具のハウジング103の中に引っ込んで(recessed)いてもよい。代替的実施形態では、ボタン部分152は、ハウジング103と水平に(flushly)位置付けられてもよいし、あるいは、ボタン部分152は、ハウジング103からわずかに延出していてもよい。いずれの場合も、少なくとも1つの実施形態では、ボタン部分152は、閉鎖トリガー128がその第2の位置に動かされると、ハウジング103に対して外側に動くことができる。このような動きは、外科用器具のアンビルがその部分的に閉じた位置にあるという視覚的フィードバックを外科医に与えることができる。加えて、ボタン部分152の動きは、音声フィードバックおよび/または触覚フィードバックも伴ってよい。いずれの場合も、外科医は、ボタン部分152が外側に動かされた後でボタン部分152にアクセスすることができ、これにより、前述のようにロック部材148がトリガー128から外されうる。様々な実施形態では、ボタン部分152は、トリガー128がその第2の位置から第3の位置に動かされると、さらに外側に動くことができる。前述したことと同様に、このような動きは、アンビルがいまやその閉位置にあるという視覚的合図を外科医に与えることができ、かつ、このような動きは、前述のように音声フィードバックおよび/または触覚フィードバックも伴ってよい。ボタン152は、トリガー128がその第1の位置と第3の位置との間を進むと外側に動くものとして前述されているが、本発明はそのように限定されるものではない。それどころか、ボタン152、もしくは任意の他の適切な表示器が、任意の適切な方法で外科医にフィードバックを与えてもよい。
代替的実施形態では、図示されてはいないが、アンビル112は、前述した3つの位置、すなわち開位置、閉位置、および部分的に閉じた位置よりも多くの位置で保たれるか、または保持されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、アンビル112は、開位置、閉位置、および2つ以上の中間位置で保持されることができる。そのような実施形態では、アンビル112は、アンビル112がその閉位置に向かって動かされるときに、これらの中間位置を通過して進み、エンドエフェクタ106の中に捕捉された軟組織にますます大きな力を加えることができる。少なくとも1つの実施形態では、前述したことと同様に、トリガー132は、アンビル112の様々な中間位置に対応することができる複数のノッチを含むことができる。様々な代替的実施形態では、図示されていないが、エンドエフェクタ閉鎖システムは、トリガー132、およびそれに対応してアンビル112が複数の位置で保持されることを可能にしうる、ラチェット組立体を含むことができる。このような実施形態では、アンビル112およびトリガー132は、トリガー132と動作可能に係合されるつめ車(ratchet wheel)と旋回可能に係合される歯止め(pawl)により、適所に保持されうる。
様々な実施形態では、図10〜図13を参照すると、前述のように、アクチュエータ122’とハンドル部分102’との間の相対運動は、ロック部材120が転置されうる範囲を制御するために、制限されてよい。より詳細には、図10および図11を参照すると、アクチュエータ122’の遠位部分は、その遠位部分から延びる突起部123を含むことができ、この突起部123は、キャビティ125に受容されることができ、アクチュエータ122’の転置は、キャビティ125の近位壁117および遠位壁119により制限されうる。少なくとも1つの実施形態では、図10および図11に示されるように、トリガー128がその第1の位置にある場合、アクチュエータ122は、図10に示されるように突起部123が遠位壁119に接触することができる遠位位置から、図11に示されるように突起部123が遠位壁119に接触しない、より近位の位置まで動かされることができる。この、より遠位の位置では、前述のように、ロック部材120は、エンドエフェクタ106から外されることができ、エンドエフェクタ106は、シャフト組立体104に対して回転されうる。トリガー128がその第2の位置にある場合、図12を参照すると、駆動体132は、突起部123が近位壁117に接して位置付けられることができないように、アクチュエータ122’の運動範囲を制限することができる。しかしながら、少なくとも1つの実施形態では、アクチュエータ122’は、エンドエフェクタ106からロック部材120を外すために十分な距離だけ近位に動かされてよい。このような状況では、例えばアンビル112は軟組織の上に部分的に閉じられてよいが、外科医はエンドエフェクタ106を再び位置付けることができる。図13に示されるように、トリガー128がその第3の位置にある場合、駆動体132は、アクチュエータ122’を遠位に押しやることができ、突起部132が遠位壁119に接触するか、または遠位壁119に隣接して位置付けられ、かつ、アクチュエータ122’が関節運動継手114のロックを外すように十分に動かされることができないようになっている。
様々な実施形態では、本発明による外科用器具は、前述のようにエンドエフェクタ内で切断部材および/またはステープル駆動体を前進させるように構成された発射駆動装置を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図8、図9、および図19〜図25を参照すると、外科用器具100の発射駆動装置は、発射トリガー160、第1の発射リンク162、第2の発射リンク164、および発射部材166を含むことができる。様々な実施形態では、発射トリガー160は、細長いシャフト組立体104の中でナイフバー168を前進させるために、発射部材166ならびに発射リンク162および164のうち少なくとも1つと動作可能に係合されてよい。少なくとも1つの実施形態では、ナイフバー168は、エンドエフェクタ106の(不図示の)切断部材、および(不図示の)ステープル駆動体と動作可能に係合されてよく、切断部材は、例えば、組織を切開するように構成されてよく、ステープル駆動体は、ステープルカートリッジ110からステープルを配備するように構成されてよい。切断部材およびステープル駆動体は、参照により本明細書中に先に組み込まれている米国特許第6,905,057号および同第7,044,352号に十分に開示されているので、これらの装置は、本明細書においてさらに詳細には説明しない。他の切断部材およびステープル駆動体は、2006年9月29日に出願された、名称を「SURGICAL STAPLES HAVING COMPRESSIBLE OR CRUSHABLE MEMBERS FOR SECURING TISSUE THEREIN AND STAPLING INSTRUMENTS FOR DEPLOYING THE SAME」とする米国特許出願第11/541,123号、および2007年1月11日に出願された、名称を「SURGICAL STAPLING DEVICE WITH A CURVED CUTTING MEMBER」とする米国特許出願第11/652,169号に開示されており、これら米国特許出願の全開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態では、主に図19および図20を参照すると、発射トリガー160は、ピン161により外科用器具のハウジング103(図8および図9)に旋回可能に接続されていてよい。使用時には、少なくとも1つの実施形態では、発射トリガー160は、発射部材166ならびに発射リンク162および164を遠位に前進させるために、ピン161の周りで旋回させられうる。様々な実施形態では、発射トリガー160は、スロット159を含むことができ、このスロット159は、発射ピン172を受容するように構成されてよい。様々な実施形態では、発射トリガー160が図2に示された位置からハンドルグリップ127に隣接した位置まで作動されるか、または回転されると、スロット159の側壁は、発射ピン172に係合し、発射ピン172を遠位に前進させるように構成されていてよい。少なくとも1つの実施形態では、図23を参照すると、発射駆動装置は、歯止め170をさらに含むことができ、この歯止め170は、孔171を含むことができる。様々な実施形態では、孔171は、発射ピン172がトリガー160によって遠位に前進させられたときに発射ピン172が歯止め170を同様に遠位に前進させることができるように、発射ピン172の少なくとも一部を受容するように構成されてよい。様々な実施形態では、図24を参照すると、歯止め170は歯174を含むことができ、発射部材166は凹部167を含むことができ、この凹部167は、歯174を受容するように構成されていてよい。使用時に、歯止め170が発射ピン172により遠位に前進させられ、かつ歯174が凹部167の側壁と係合されると、歯止め170は、同様に発射部材166を遠位に前進させることができる。様々な実施形態では、歯止め170は、ほぼ直線の通路に沿って発射ピン172により遠位に前進させられうる。そのような実施形態では、スロット159は、発射ピン172と協働して発射トリガー160の回転運動を歯止め170の並進運動に変えることができる、弓状の外形を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、歯止め170に加えられる力は、完全にではないにしても、大体は遠位方向に向けられてよい。その結果として、このような実施形態では、歯止め170がステープラフレーム184に結合されるか、または付着される可能性は、軽減されうる。
様々な実施形態では、歯止め170は、歯止め170が発射部材166から動作可能に外される第1の位置と、図19および図20を参照して歯止め170が発射部材166と動作可能に係合される第2の位置との間で旋回されることができる。主に図21〜図25を参照すると、発射駆動装置は、歯止め170をその第1の位置と第2の位置との間で旋回させるように構成されうる、ティルター機構(tilter mechanism)178をさらに含むことができる。使用時に、発射トリガー160が作動されると、歯止め170は、少なくとも最初は、ティルター機構178に対して動くことができ、このため、歯止め170の少なくとも一部がティルター機構178に接触し、歯止め170を上方に旋回させて発射部材166と動作可能に係合させることができる。少なくとも1つの実施形態では、歯止め170は、主に図23を参照すると、ティルター機構178の中心部分から延びる突起部179(図25)を受容するように構成されてよい、溝175を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、歯止め170が遠位に前進させられると、溝175の近位壁176は、突起部179のカム面に接触することができ、ピボットピン172により歯止め170に加えられる力のために、歯止め170は、歯174が前述のように発射部材166の凹部167内に位置付けられうるように上方に旋回されるか、または回転されることができる。歯止め170が旋回された後、歯止め170は、歯止め170がエンドエフェクタ106に向かって前進させられると、ティルター機構178を遠位に引くことができる。さらに詳細には、少なくとも1つの実施形態では、ティルター機構178は、変形可能部材180を含むことができ、この変形可能部材180は、変形可能部材180とステープラフレーム184との間の相互作用により、ステープラフレーム184に対するティルター機構178の動きが少なくとも部分的に抑制されるように、ステープラフレーム184のスロット182内に受容されることができる。別の言い方をすれば、変形可能部材180とスロット182の側壁との間の静止摩擦力のため、ティルター機構178がステープラフレーム184に対して「引かれる」ことができる前に、これらの摩擦力に打ち勝つのに十分な力が、ティルター機構178に加えられなければならない。
発射トリガー160が作動されて、発射部材166が前進させられた後、トリガー160は、解放され、図2に示されるその非作動位置まで戻ってよく、歯止め170は、発射部材166から外され、図19に示されるその最初の位置まで後退させられてよい。さらに詳細には、少なくとも1つの実施形態では、外科用器具100は、例えばトリガー160およびハウジング103と動作可能に係合された(不図示の)トリガーバネをさらに含むことができ、このトリガーバネは、歯止め170が発射部材166から外された後で、ピン161の周りでトリガー160を回転させ、発射ピン172を近位に駆動するように構成されていてよい。様々な実施形態では、歯止め170は、この歯止め170が、ティルター機構178によって、図24に示されるようなその第2の位置から、前述したようなその第1の位置まで旋回されると、発射部材166から外されることができる。そのような実施形態では、歯止め170は、少なくとも最初は、ティルター機構178に対して動かされることができ、このため、溝175の遠位壁177は、突起部179の第2のカム面に接触することができ、かつ、トリガー160もしくは戻しバネ(return spring)186により発射ピン172に加えられる力のために、歯止め170を下方に回転させることができ、歯止め170の歯174が発射部材166の凹部167から外されることができるようになっている。その後、トリガー160および/もしくは戻しバネ186は、発射部材166に対して歯止め170を引っ張るか、または後退させることができる。様々な実施形態では、前記と同様に、歯止め170は、スロット182内でティルター機構178を近位に引くように構成されてよい。前記の結果として、歯止め170は、その第1の位置または第2の位置に付勢される必要がない。様々な状況において、歯止め170は、付勢バネにより歯止め170に加えられる力に打ち勝つ必要なく、その第1の位置と第2の位置との間で自由に回転させられることができる。事実上、様々な実施形態では、歯止め170をその第1の位置と第2の位置との間で動かす力は、歯止め170の重力重量(gravitational weight)、および外科用器具の歯止め170と周囲の構成要素との間のあらゆる摩擦力に打ち勝てばよいだけである。
歯止め170がその元の位置にいったん戻されると、少なくとも1つの実施形態では、歯止め170の歯174は、もはや発射部材166の凹部167と整列されることはできない。一方、概して図19および図20を参照すると、歯止め170の歯174は、第1の発射リンク162の凹部163と整列されることができる。さらに詳細には、第1の発射リンク162は、発射部材166に旋回可能に接続されてよく、このため、前述のとおり、発射部材166が遠位に前進させられると、発射部材166は、発射部材166が以前に占めていた位置に第1の発射リンク162を引っ張ることができる。その結果、発射トリガー160が2回目に作動すると、歯止め170は、その第1の位置から第2の位置まで旋回されてよく、これにより、歯174は、凹部163と動作可能に係合され、歯止め170は、発射リンク162を遠位に前進させることができる。少なくとも1つの実施形態では、発射リンク162は、発射部材166およびナイフバー168を遠位に押し、これに対応して、エンドエフェクタ106内で切断部材およびステープル駆動体を遠位に前進させることができる。その後、歯止め170は、その第2の位置から第1の位置まで再び旋回されてよく、第1の発射リンク162に対して後退させられてよい。歯止め170が二度目にその元の位置に戻されると、歯止め170の歯174は、もはや第1の発射リンク162の凹部163と整列されることはできない。一方、前記と同様に、歯174は、第2の発射リンク164の凹部165と整列されてもよく、前述したプロセスが繰り返されうる。
図示されてはいないが、本発明による外科用器具は、エンドエフェクタ106内で切断部材およびステープル駆動体をそれらの所望の位置まで前進させるために、2つより多いか、または2つより少ない発射リンクを含むことができる。様々な実施形態では、以下により詳細に説明されるように、発射部材166は、2つ以上の凹部167を含むことができ、これにより歯止め170は、発射部材166をエンドエフェクタ106に向かって2回以上直接前進させることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、歯止め170は、前述のように、発射部材166を遠位に前進させた後、後退されてよく、このため、歯止め170が再び上方に傾斜されると、歯止め170は、発射部材166の別の凹部167に係合し、エンドエフェクタ106に向かって発射部材166を再び前進させることができる。その結果、少なくとも1つの実施形態では、発射リンク162および164は、必要とされなくてもよい。
様々な実施形態では、外科用器具は、歯止め170をその第1の位置および第2の位置のうち少なくとも一方の位置に動かすように構成された、1つ以上のバネ部材を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図27および図28を参照すると、発射駆動装置は、歯止め170’、発射ピン172、およびティルター機構178’を含むことができ、前記と同様に、ティルター機構178’は、歯止め170’が遠位に前進させられると歯止め170’を上方に旋回させるように構成されていてよい。発射駆動装置は、ピボットバネ188をさらに含むことができ、このピボットバネ188は、歯止め170’に動作可能に接続されてよく、歯止め170’が図27に示されるようにその第2の位置まで上方に旋回されると、歯止め170’はピボットバネ188を屈曲させるか、または弾性的に曲げることができるようになっている。歯止め170’が前進させられた後、歯止め170’は、図28に示されるように、ピボットバネ188により第1の位置まで下方に旋回されうる。さらに詳細には、ピボットバネ188が屈曲されたときにそのピボットバネ188に蓄えられたポテンシャルエネルギーのため、バネ188は、歯止め170’がティルター機構178’および発射ピン172によりその第2の位置にもはや保持されなくなると、歯止め170’を下方に動かすことができる。その後、前述のとおり、歯止め170’は、発射部材166ならびに/または発射リンク162および164に対して後退させられてよい。様々な実施形態では、ティルター機構178’は、歯止め170をその第1の位置に旋回させるための第2のカム面を含まない場合もある。このような実施形態では、歯止め170’は、前述のように、発射ピン172に加えられる力により後退させられうる。様々な代替的実施形態では、図示されていないが、ティルター機構178’、および歯止め170’は、歯止め170’をその第1の位置まで下方に旋回させるための協働する特徴部も含むことができる。
様々な実施形態では、図19および図20を参照すると、外科用器具100は、エンドエフェクタ106に対して発射部材166ならびに発射リンク162および164を動かすように構成されうる、バンド190をさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、バンド190の第1の端部は、例えば、発射部材166に接続されていてよく、発射部材166が遠位に前進させられると、バンド190も遠位に引っ張られることができるようになっている。様々な代替的実施形態では、バンド190は、第1の発射リンク162および/または第2の発射リンク164に接続されてもよい。少なくとも1つの実施形態では、バンド190は、リール、すなわちスプール192の少なくとも一部の周りに位置付けられてよく、バンド190が発射部材166により引っ張られると、バンド190は、リール192から配備されるか、またはほどかれることができるようになっている。少なくとも1つの実施形態では、バンド190の第2の端部は、外科用器具100の通常の操作条件下でバンド190がリール192から容易に外されることができないように、リール192に接続されてよい。いずれの場合も、バンド190が発射部材166により引っ張られると、リール192は、バンド190がリール192の周りに位置付けられる様式に応じて、時計回り方向または反時計回り方向のうちの一方に回転させられうる。発射部材166を後退させるためには、リール192は、反対方向に回転させられて、発射部材166ならびに発射リンク162および164を近位に動かし、かつリール192にバンド190を巻き付けることができる。
様々な実施形態では、バンド190は、このバンド190がリール192のほぼ円柱状の表面に巻き付けられるように、リール192の周りに巻き付けられることができる。少なくとも1つの実施形態では、リール192の回転軸と円柱状の表面との間の距離は、リール192の周辺部(perimeter)の周りでほぼ等距離であってよい。これらの実施形態では、リール192の機械的拡大率は、バンド190が前述のように近位に引っ張られるときに、ほぼ一定のままであってよく、リール192がバンド190に引張力(pulling force)を加える能力は、ほぼ同じままであってよい。しかしながら、代替的実施形態では、リール192は、可変性の機械的拡大率をもたらすように構成されていてもよい。少なくとも1つの実施形態では、リール192は、非円柱状の表面を含むことができ、この非円柱状の表面上で、バンド190は、リール192の回転軸と非円柱状の表面との間の距離がリール192の周辺部の周りで等距離にならないように、巻かれることができる。その結果、これらの実施形態では、リール192がバンド190に引張力を加える能力は、バンド190がリール192に巻き付けられるにつれて、変化しうる。少なくとも1つの実施形態では、リール192は、カムとして作用することができ、リール192は、バンド190が最初に後退させられるとき、すなわち、例えば切断部材を後退させる力が最も大きくなりうるときに、バンド190に更なる力を与えるように最適化されうる形状を含むことができる。
様々な実施形態では、図29〜図42を参照すると、発射トリガー160は、外科用器具100の戻し機構と選択的に係合されてよい。少なくとも1つの実施形態では、前述のように発射トリガー160が歯止め170により発射部材166と動作可能に係合されると、発射トリガー160の作動により、発射部材166を遠位に前進させることができ、発射トリガー160がバンド190により発射部材166と動作可能に係合されると、発射トリガー160の作動により、発射部材166を近位に後退させることができる。様々な実施形態では、戻し機構は、手で作動されて、発射部材166から発射トリガー160を外し、かつ発射トリガー160をリール192と動作可能に係合させることができる。少なくとも1つの実施形態では、戻し機構は、戻し輸送部(return carriage)194を含むことができ、この戻し輸送部194は、外科用器具のハウジング103に旋回可能に取り付けられてよく、戻し輸送部194が、図29に示されるような第1の位置、すなわち非作動位置と、図32に示されるような第2の位置、すなわち作動位置との間で旋回されることができるようになっている。少なくとも1つのこのような実施形態では、戻し輸送部194は、押しボタン部分195を含むことができ、押しボタン部分195は、この押しボタン部分195に力が加えられると、戻し輸送部194をその非作動位置から作動位置まで動かすように構成されてよい。
戻し輸送部194が図29〜図31に示される非作動位置に位置付けられると、発射トリガー160は、前述のように発射部材166を前進させるように構成されていてよく、かつトリガー160のギア部分158は、トリガーギア196と動作可能に係合されてよい。様々な実施形態では、ギア部分158およびトリガーギア196は、ピン161の周りでのトリガー160の回転によって、戻しピン198により定められた軸の周りでトリガーギア196が駆動されうるように、動作可能に係合されてよい。少なくとも1つの実施形態では、戻し輸送部194がその非作動位置にある場合に、トリガーギア196は、トリガーギア196の回転が戻しピン198に伝えられないか、または少なくとも実質的に伝えられないように、戻しピン198の周りで自由に回転するように構成されてよい。より詳細には、図30を参照すると、戻しピン198のキー199が付勢されてトリガーギア196との係合から外れてよく、トリガーギア196の回転がキーギア(key gear)206およびリール192に伝えられないようになっている。その結果、戻し輸送部194がその非作動位置にある場合、トリガーギア196の作動により、リールは回転させられないか、または少なくとも実質的に回転させられない。
切断部材およびステープル駆動体がエンドエフェクタ106の中で前進させられた後、戻し輸送部194は、その作動位置へ動かされてよい。様々な実施形態では、図30を参照すると、リール192は、そのリール192から延びるカム部材202を含むことができ、このカム部材202は、戻し輸送部194に接触し、かつ戻し輸送部194を下方に回転させることができる。少なくとも1つの実施形態では、カム部材202は、エンドエフェクタ106内で切断部材およびステープル駆動体を前進させるトリガー160の最終の作動の間、戻し輸送部194に接触することができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、カム部材202は、発射トリガー160が3回目に作動した後で、戻し輸送部194に接触することができる。様々な実施形態では、図32〜図35を参照すると、ギア輸送部194がその作動位置に動かされると、戻し輸送部194は、トリガーギア196をリール192と動作可能に係合させるように構成されてよい。少なくとも1つの実施形態では、図33および図35を参照すると、戻し輸送部194は、付勢バネ200を含むことができ、戻し輸送部194がその非作動位置にある場合、バネ200は、図33に示される位置に配されてよく、戻し輸送部194が図35に示されるその作動位置に動かされると、バネ200は、戻しピン198に接触し、トリガーギア196に向かって戻しピン198を付勢することができる。少なくとも1つの実施形態では、図31を参照すると、トリガーギア196は、内部にD字型キャビティ197を含むことができ、このキャビティ197は、以下に説明される特定の状況下では、戻しピン198から延びるキー199を受容し、トリガーギア196をキーギア206およびリール192と動作可能に係合させることができる。様々な実施形態では、戻し輸送部194のその作動位置への移動は、外科用器具の戻し機構がトリガー160と係合されたことを外科医に知らせるために音声フィードバックおよび/または触覚フィードバックを伴ってもよい。
前述したことに加えて、戻しピン198がトリガーギア196に向かってスライドされるときに、D字型キャビティ197は、キー199がキャビティ197にすぐに入らないように位置付けられてよい。これとは反対に、図31を参照すると、バネ200は、キー199がトリガーギア196の面204に最初に接するように戻しピン198を付勢することができる。しかしながら、トリガー160が解放され、その非作動位置まで戻された後、D字型キャビティ197は、バネ200が図36に示されるようにキャビティ197内にキー199を付勢することができるように、回転させられ、キー199と整列させられてよい。少なくとも1つの実施形態では、図31を参照すると、戻しピン198がトリガーギア196に向かってスライドされると、戻しピン198の端部は、図32に示されるように戻し輸送部194のスロット193の中に受容されることができる。キー199がキャビティ197内に挿入された後、トリガー160の次の作動により、D字型キャビティ197の駆動表面210は、キー199に接し、戻しピン198を図37および図38に示される位置まで回転させることができる。事実上、少なくとも1つの実施形態では、トリガー160の作動により、約半回転だけキー199を回転させることができ、最初はほぼ下方に延びている(図36)キー199は、キー199がほぼ上方に延びる(図37)ように回転させられうる。その後、トリガー160は解放されてよく、トリガーギア194は、キー199に対して回転させられてよく、キー199は、図39〜図41に示されるようにほぼ上方の方向に向けられたままであってよい。
様々な実施形態では、主に図38を参照すると、キーギア206は、戻しピン198の回転がキーギア206に伝えられうるように、戻しピン198と動作可能に係合されてよい。少なくとも1つの実施形態では、キーギア206は、戻しピン198のキー199をスライド可能に受容するように構成されうる、鍵型の孔212を含むことができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、キー199は、戻しピン198がトリガーギア196と係合された場合、トリガーギア196の凹部197およびキーギア206の孔212の双方と動作可能に係合されてよい。様々な代替的実施形態では、キーギア206は、戻しピン198に固定して取り付けられてよい。このような実施形態では、戻しピン198がトリガーギア196に対してスライドされると、キーギア206もトリガーギア196に対してスライドされることができる。様々な実施形態では、概して図38を参照すると、リール192は、このリール192に取り付けられた平歯車216を含むことができ、この平歯車216は、キーギア206の回転がリール192に伝えられうるように、キーギア206と動作可能に係合されることができる。少なくとも1つの実施形態では、前述のようにキーギア206がトリガーギア196に向かってスライドされると、このキーギア206はスライドされてリール192と動作可能に係合することができる。代替的実施形態では、平歯車216は、キーギア206がトリガーギア196に向かって付勢されているかどうかに関係なく、キーギア206が平歯車216と動作可能に係合するように構成されうる。
前記の結果として、戻し輸送部194が、図32に示されるその作動位置に位置付けられると、トリガー160の作動により、リール192を回転させ、バンド190をリール192の少なくとも一部に巻き付けることができる。戻し輸送部194が作動したときにキー199がトリガーギア196と動作可能に係合されることができない場合は、リール192は、手で回転されてバンド190を後退させることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、図33および図37を参照すると、ボルト、すなわち締め具218がリール192と動作可能に係合されてよく、ボルト218の回転が、リール192の回転をもたらすことができるようになっている。様々な実施形態では、外科医は、外科用器具のハウジング103の開口部を通してボルト218を挿入し、ボルト218をリール192と係合させることができる。少なくとも1つの実施形態では、外科用器具100は、トリガー160の作動を数えることができる、(不図示の)計数機構をさらに含むことができ、少なくとも1つのそのような実施形態では、例えばボルト218は、リール192を回転させるために計数機構と動作可能に係合されることができる。その結果、様々な実施形態では、外科用器具は、リール192を巻き上げるための第1の、すなわち主たるアクチュエータ、および、第1のアクチュエータの代わりにリール192を巻き上げるように構成されうる第2のアクチュエータを含むことができる。
様々な実施形態では、前述のように、リール192は、バンド190を引っ張り、かつ、発射部材166ならびに発射リンク162および164を近位に後退させるように構成されていてよい。さらに詳細には、前述のように、発射部材166ならびに発射リンク162および164は、発射部材166ならびに発射リンク162および164をそれらの最初の位置に再び位置付けるために、歯止め170に対して後退させられうる。そのような実施形態において、前述のように歯止め170が旋回可能である実施形態では特に、外科用器具100の戻し機構は、発射部材166ならびに発射リンク162および164が歯止め170に対して動いている間に、これら発射部材166ならびに発射リンク162および164との動作可能な係合(operative engagement)から外れた歯止め170を保持するようにさらに構成されていてもよい。さらに詳細には、戻し輸送部194が図35に示されるその作動位置まで動かされると、戻し輸送部194は、発射ピン172の端部に接触し、歯止め170に向かって発射ピン172をスライドさせるように構成されていてよく、これにより、発射ピン172は、歯止め170に係合して、歯止め170が上方に旋回するのを防ぐ。より詳細には、図34を参照すると、発射ピン172は、例えば、斜めの、かつ/または丸みのある表面を含みうる第1の端部220を含むことができ、戻し輸送部194が第1の端部220に接触すると、戻し輸送部194は歯止め170に向かって発射ピン172を押すことができるようになっている。少なくとも1つの実施形態では、歯止め170は、発射ピン172が歯止め170に向かって動かされると、発射ピン172から延びるキー222を受容するように構成されうる、凹部173を含むことができる。キー222および凹部173が動作可能に係合されると、発射ピン172は、歯止め170が上方に旋回して発射部材166ならびに発射リンク162および164と係合するのを防ぐことができる。
発射部材166ならびに発射リンク162および164が後退させられた後、新しいステープルカートリッジ110がエンドエフェクタ106に固定されてよく、また、外科用器具100は、軟組織を再び切開し、かつステープル留めするのに外科用器具が使用されうるように、リセットされてよい。様々な実施形態では、図39〜図42を参照すると、戻し輸送部194は、図32に示されるその作動位置から、図40に示される非作動位置まで動かされうる。少なくとも1つの実施形態では、戻し輸送部194は、ボタン部分195に力が加えられると、上方に回転されるか、または旋回させられることができる。その代わりに、戻し輸送部194は、前述のようにエンドエフェクタ106を再び開けるために、図29を参照して、トリガーロック148が上方に回転されて閉鎖トリガー128から従動部分149を外すと、上方に動かされてもよい。より詳細には、トリガーロック148のボタン部分152に力が加えられると、トリガーロック148は上方に回転させられてよく、これにより、トリガーロック148から延びる突起部147が戻し輸送部194に接触し、戻し輸送部194を同様に上方に動かすことができる。いずれの場合も、図42を参照すると、戻し輸送部194がその非作動位置まで上方に動かされると、戻し輸送部194は、歯止め170から発射ピン172を外すことができ、さらに、トリガーギア196から戻しピン198を外すことができる。より詳細には、戻し輸送部194は、発射ピン172の斜めの、または丸みのある端部221に接するように構成されてもよく、このため、戻し輸送部194が上方に回転されると、戻し輸送部194は、歯止め170から離れるように戻しピン172をスライドさせ、かつキー222を凹部173から外すことができる。同様に、戻し輸送部194が上方へ動かされると、スロット193の側壁は、D字型凹部197からキー199を外すために、戻しピン198の端部に接触し、トリガーギア196から離れるように戻しピン198をスライドさせるように構成されることができる。手短に言えば、少なくとも例示された実施形態では、ロック部材148のボタン部分152が押し下げられ、戻し輸送部194が上方へ動かされると、外科用器具はリセットされることができ、もう一度再利用されることができる。
前述の外科用器具は、切断部材およびステープル駆動体がエンドエフェクタ106内で完全に前進させられた後でリセットされうるが、例えば戻し輸送部194のボタン部分195は、切断部材およびステープル駆動体がエンドエフェクタ106内で部分的にのみ前進させられた後で押し下げられてもよい。様々な実施形態では、戻し輸送部194は、戻し輸送部194の向かい合う側面の間に延在するガイドピン191をさらに含むことができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、ガイドピン191は、フレーム184のガイドスロット185(図31)の中にスライド可能に受容されることができ、このため、スロット185およびピン191は、戻し輸送部194のための通路を定めることができる。様々な実施形態では、ガイドピン191およびガイドスロット185は、戻し輸送部194が発射ピン172および戻しピン198に係合すること、および戻し輸送部194が前述のようにその作動位置から非作動位置まで動かされたときに戻し輸送部194が外科用器具をリセットすること、を確実にするように構成されることができる。
様々な実施形態では、外科用器具100は、発射駆動装置が例えばエンドエフェクタ106の中で切断部材およびステープル駆動体を前進させ、かつ/もしくは後退させることを防ぐか、または少なくとも部分的に抑制するための、制動装置をさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図43を参照すると、フレーム184は、制動面187を含むことができ、この制動面187は、バンド190に制動力(braking force)を加えるように構成されてよい。より詳細には、バンド190が前述のように近位に、かつ/または遠位に引っ張られると、フレーム184は、バンド190が制動面187の上をスライドし、かつ摩擦力がバンド190と制動面187との間に生じるように構成されることができる。様々な実施形態では、図44を参照すると、制動面187’は、発射部材166とリール192との間のバンド190の通路が制動面187’により妨害され、かつ著しい垂直力がバンド190に加えられうるように、構成されてよい。
少なくとも1つの実施形態では、バンド190は、バンド190が静止している場合に制動面187’と係合されてよく、このため、バンド190と制動面187’との間の静止摩擦力は、バンド190に引張力が加えられたときに、バンド190が制動面187’に対して動くことを少なくとも最初は防ぐことができる。バンド190に加えられる引張力が静止摩擦力を上回ると、バンド190は、制動面187’に対して動かされることができる。そのような実施形態は、エンドエフェクタ106内で切断部材および/またはステープル駆動体を前進させるためにトリガー160が2回以上作動される場合に、特に有用でありうる。より詳細には、トリガー160の作動後、歯止め170は、前述のように発射部材166に対して後退させられてよく、様々な実施形態では、バンド190と制動面187’との間の摩擦力は、歯止め170が後退させられたときに発射部材166ならびに/または発射リンク162および164が近位に、かつ/もしくは遠位に動くことを防ぐか、あるいは少なくとも部分的に抑制することができる。前記の結果として、歯止め170が発射部材166ならびに発射リンク162および164の凹部に対して動かされると、歯止め170の歯174と発射部材166ならびに発射リンク162および164の凹部との間の整列が維持されうる。
同様に、少なくとも1つの実施形態では、バンド190の剛性は、発射部材166ならびに発射リンク162および164を所定の位置に保持することを支援することもできる。より詳細には、発射部材166が「後退する」か、または近位に動くためには、発射部材166は、バンド190を近位に押さなければならず、事実上、リール192にバンド190を巻き付けなければならない。様々な実施形態では、バンド190の剛性は、リール192にバンド190を巻き付けるかなりの力が必要とされ、その結果、発射部材166が適所に保持されうるようなものでありうる。リール192にバンド190を巻き付けるのに必要な力をさらに増大させるために、図44を参照すると、バンド190の通路は、バンド190がリール192に接線方向で巻き付けられないように制御されうる。より詳細には、バンド190の通路が、リール192にバンド190が非接線方向で巻き付けられるようなものであれば、バンド190を通して伝えられる力の一部は失われ、その結果、巻き上げるリール192の機械的拡大率は不十分となる。
様々な実施形態では、外科用器具100は、制動装置を含むことができ、この制動装置は、リール192または発射駆動装置の任意の他の適切な構成要素と係合されて、例えば、発射部材166ならびに/または発射リンク162および164が非意図的に後退させられるのを防ぐことができる。少なくとも1つの実施形態では、図示されてはいないが、制動装置は、第1の位置と第2の位置との間を動かされてよく、制動装置が第1の位置にあるときは、この制動装置は、例えば第1の制動力をバンド190に加えることができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、例えば、制動装置は、第2の位置にあるときに、バンド190に第2の制動力を加えることができ、この第2の制動力は、第1の制動力より大きいか、または小さくてよい。様々な代替的実施形態では、制動装置は、この制動装置が第2の位置にある場合、バンド190または発射駆動装置の任意の他の部分と係合されていなくてもよい。様々な実施形態では、図示されていないが、外科用器具100は、リール192および/またはバンド190に制動力を加えることができる、戻り止め機構を含むことができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、戻り止め機構は、球状の戻り止め、ならびに、リール192および/またはバンド190に対して球状の戻り止めを付勢して係合させるためのバネ部材を含むことができる。
様々な実施形態では、外科用器具100は、ラチェットを含むことができ、このラチェットは、リール192が第1の方向に回ることを可能にするが、様々な状況では、リール192が第1の方向と反対の方向に回るのを防ぐことができる。少なくとも1つの実施形態では、図45〜図49を参照すると、外科用器具100は、ラチェット組立体230を含むことができ、このラチェット組立体230は、つめ車(ratchet wheel)232、およびラチェット歯止め(ratchet pawl)234を含むことができる。様々な実施形態では、つめ車232は、主に図47および図48を参照するとつめ車232がラチェット歯236を含むことができる点を除いて、前述したキーギア206とほぼ同じように働くことができる。ラチェット歯236は、ラチェット歯止め234とのラチェット係合(ratchet engagement)に起因して、戻し輸送部194’がその非作動位置にある場合(図47)につめ車232が例えば時計回り方向に回されるのを防ぐことができる。より詳細には、各ラチェット歯236は、平面240を含むことができ、図48を参照すると、平面240のうち少なくとも1つが歯止め234のエッジ235に接することができ、これにより、つめ車232が時計回り方向に回転させられるのを防ぐことができる。
各ラチェット歯236は、傾斜面238をさらに含むことができ、傾斜面238は、つめ車232が反時計回り方向に回されたときに、歯止め234の下でスライドするように構成されていてよい。前記の結果として、ラチェット組立体230は、例えばバンド190が発射部材166により遠位に引っ張られることを可能にするが、少なくとも戻し輸送部194’がその非作動位置にある場合に、バンド190が近位に動かされることを防ぐか、または少なくとも実質的に抑制することができる。戻し輸送部194について前述したように、戻し輸送部194’がその作動位置まで下方に旋回されると、つめ車232は、トリガーギア196’に向かってスライドされて、ラチェット歯止め234との動作可能な係合から外れることができる。結果として、その後、つめ車232は、ラチェット歯止め234からの干渉なしで、もしくは少なくとも実質的な干渉なしで、時計回り方向または反時計回り方向のどちらにでも回転されることができる。つめ車232がトリガーギア196’に向かってスライドされない様々な代替的実施形態では、ラチェット歯止め234は、戻し輸送部194’がその作動位置まで動かされると、下方に動かされ、ラチェット歯236との動作可能な係合から外れることができる。いずれの場合も、戻し輸送部194’がその作動位置にある場合、トリガーギア196’および戻しピン198’は、つめ車232およびカム192’を回転させてバンド190および発射部材166を後退させることができる。
様々な実施形態では、図68〜図86を参照すると、外科用器具400は、エンドエフェクタのアンビルを閉じるための閉鎖システムと、エンドエフェクタ内で、発射ロッド、切断部材、および/またはステープル駆動体を前進させるための発射駆動装置と、発射ロッド、切断部材、および/またはステープル駆動体のうち少なくとも1つを、エンドエフェクタに対して後退させるための歯車駆動の逆動駆動装置(gear-driven reversing drive)と、を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図68を参照すると、閉鎖システムは、閉鎖トリガー428、駆動リンク130、および駆動体132を含むことができ、前記と同様に、閉鎖トリガー428は、この閉鎖トリガー428が、図68に示されるその非作動位置から図69に示される作動位置まで動かされると、駆動リンク130および駆動体132を転置させるように構成されうる。様々な実施形態では、閉鎖トリガー428の作動により、発射駆動装置のロックを外すことができる。少なくとも1つの実施形態では、発射駆動装置は、発射トリガー460を含むことができ、発射トリガー460は、閉鎖トリガー428がハンドル427に向かって回転されると、図68に示される、ロックされた位置と、図69に示される、ロックされていない位置との間で動かされることができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、閉鎖トリガー428は、発射トリガー460から延びるピンまたは突起部160aを受容することができる、スロットまたは溝128aを含んでよく、スロット128aの側壁は、閉鎖トリガー428がその非作動位置(図68)にあるときに、ピン160aおよび発射トリガー460が、閉鎖トリガー428に対して動くこと、または少なくとも実質的に動くことを妨げるように構成されうる。閉鎖トリガー428が作動されるか、または閉じられると、スロット128aの側壁は、ピン160aに接し、発射トリガー460を、図68に示される、ロックされた位置と、図69に示される、ロックされていない位置との間で動かすことができる。このようなロックされていない位置では、スロット128aは、ピン160aがスロット128aの中を動くことができるように方向付けられてよく、それによって、発射トリガー460は、以下により詳細に説明するように、閉鎖トリガー428に対して動き、発射駆動装置を前進させることができる。
様々な実施形態では、図68を参照すると、発射駆動装置は、発射トリガー460、発射ピン172、および歯止め170を含むことができ、発射トリガー460は、エンドエフェクタの中で切断部材およびステープル駆動体を前進させるために、歯止め170および発射ピン172により、発射ロッドまたは発射部材466と動作可能に係合されうる。少なくとも1つのこのような実施形態では、前記と同様に、歯止め170は、上方に旋回されて発射部材466と係合することができ、図70を参照すると、発射トリガー460が作動されたときに、この発射トリガー460は、発射ピン172、歯止め170、および発射部材466を遠位に前進させることができるようになっている。図101を参照すると、その後、歯止め170は、下方に旋回されて発射部材466との係合から外れることができ、歯止め170は、発射トリガー460が、図72に示される非作動の、ロックされていない位置まで解放されるか、または戻されたときに、発射部材466に対して近位に後退されうる。図69と図72とを比べると、発射トリガー460が発射部材466をさらに前進させるために2回目に作動されうるように、発射駆動装置の1回目のサイクルにより、発射部材466が遠位に動き、また、歯止め170、発射ピン172、および発射トリガー460が位置を変えられていることが容易に明らかとなる。このような状況では、図102を参照すると、歯止め170は、発射トリガー460を再び作動させることにより、上方に旋回されて発射部材466と動作可能に係合し、遠位に前進させられうる。
様々な実施形態では、図101および図102を参照すると、発射部材466は、複数の凹部467を含むことができ、凹部467はそれぞれ、歯止め170の少なくとも一部を受容することができ、歯止め170は、前述したように発射部材466を複数回前進させるために、凹部467に連続的に係合することができる。より詳細には、少なくとも1つの実施形態では、発射部材466は、3つの凹部467を含んでよく、これら凹部467は、トリガー460によって発射部材466を少なくとも3回前進させることができる。例として、図73は、トリガー460の2回目の作動時の発射駆動装置を示しており、図74は、トリガー460が、その2回目の作動の後で、非作動位置に戻った後の発射駆動装置を示しており、図75は、トリガー460の3回目の作動時の発射駆動装置を示しており、図82は、トリガー460が、その3回目の作動の後で、非作動位置に戻った後の発射駆動装置を示している。このような時点で、以下により詳細に説明するように、発射駆動装置は発射部材466から外れることができ、逆動駆動装置は発射部材466と動作可能に係合されることができ、このため、様々な実施形態において、発射部材466は、エンドエフェクタに対して後退されることができ、外科用器具はリセットされることができる。示された例示的実施形態では、発射部材466を完全に前進させるために、発射トリガー460は3回作動されるが、発射トリガーの3回より多いストロークもしくは作動、または3回より少ないストロークもしくは作動を利用しうる、他の実施形態が構想される。
様々な実施形態では、前記に概説したように、外科用器具400は、歯車駆動の逆動駆動装置または逆動機構をさらに含んでよく、この歯車駆動の逆動駆動装置または逆動機構は、外科用器具のエンドエフェクタに対して、発射部材466、切断部材、および/またはステープル駆動体を後退させるように構成されうる。少なくとも1つの実施形態では、逆動機構は、発射部材466を近位に動かすように、発射部材466、または発射駆動装置の任意の他の適切な部分と動作可能に係合されうる。少なくとも1つのこのような実施形態では、図71を参照すると、逆動駆動装置は、例えばトリガーギア496、キーギア406、ピニオンギア401、中間歯車403、および平歯車416を含む、歯車列を含みうる。様々な実施形態では、図84を参照すると、逆動駆動装置は、発射トリガー460から延びるギア部分158をさらに含むことができ、ギア部分158は、発射トリガー460がピン161の周りで回転すると、前記と同様に、ギア部分158が、戻しピン498により定められる軸の周りでトリガーギア496を回転させることができるように、構成されてよい。少なくとも1つの実施形態では、ギア部分158およびトリガーギア496は、歯および/または凹部を含むことができ、この歯および/または凹部は、協働して、それらの間で回転運動を伝達するように構成されうる。
図77を参照すると、これも前記と同様に、トリガーギア496および戻しピン498は、これらが互いと選択的に係合され、また外れることができるように、構成されてよい。少なくとも1つのこのような実施形態では、トリガーギア496は、発射部材466が発射駆動装置により前進させられると、戻しピン498から動作可能に外れてよい。別の言い方をすれば、発射部材466が前述のように発射駆動装置により前進させられているときに、トリガーギア496が、戻しピン498に回転運動を伝達しないか、または少なくとも実質的に伝達しないように、トリガーギア496を構成することができる。さらに、少なくとも1つのこのような実施形態では、図77および図79を参照すると、戻しピン498は、この戻しピン498から延びるキー499を含んでよく、キー499は、以下により詳細に説明するように、逆動駆動装置が発射部材466と動作可能に係合されるまで、トリガーギア496のD字型キャビティ497との動作可能な係合から外れて保持されうる。トリガーギア496との動作可能な係合から外してキー499を保持するためには、図84を参照すると、戻しピン498は、端部498aを含んでよく、端部498aは、キー499がD字型キャビティ497の外側に位置付けられるように、戻し輸送部494により所定の位置に転置され、かつ/または保持されうる。
トリガーギア496および戻しピン498が前述のように動作可能に係合される前に、逆動駆動装置のピニオンギア401は、図71を参照すると、発射部材466のラック部分405と動作可能に係合されることができ、発射部材466が前述のように発射駆動装置により遠位に前進させられると、ラック部分405は、車軸407により定められる軸の周りでピニオンギア401を回転させることができる。様々な実施形態では、ラック405は、複数の歯および/または溝を含むことができ、これら複数の歯および/または溝は、発射部材466の並進運動を、ピニオンギア401の回転運動に転換するように構成されうる。様々な実施形態では、中間歯車403は、ピニオンギア401に据え付けられるか、またはピニオンギア401と一体に形成されてよく、発射部材466の並進により、中間歯車403も同様に回転することができる。少なくとも1つの実施形態では、中間歯車403およびキーギア406は、歯および/または凹部を含んでよく、これらの歯および/または凹部は、協働して、それらの間で回転運動を伝達するように構成されうる。同様に、平歯車416は、歯および/または凹部を含むことができ、これらの歯および/または凹部は、キーギア406の歯および/または凹部と協働して、それらの間で回転運動を伝達するように構成されうる。ゆえに、前記を考慮して、発射部材466の前進により、歯車列の歯車401、403、406、および416を回転させることができる。
少なくとも1つの実施形態では、図71および図84を参照すると、平歯車416は、インジケーターギア492に据え付けられるか、またはインジケーターギア492と一体に形成されてよく、平歯車416が前記に概説したようにキーギア406により回転させられると、インジケーターギア492は、平歯車416により回転されうる。ゆえに、少なくとも1つのこのような実施形態では、発射部材466を前方に進めることにより、インジケーターギア492が、孔407により定められる軸の周りで回転することができる。様々な実施形態では、インジケーターギア492は、例えば発射トリガー460が作動された回数を表示するために、インジケーターギア492上に、例えば文字、数字、および/またはあらゆる他の適切な記号などの、少なくとも1つの印(indicium)を含みうる。少なくとも1つのこのような実施形態では、外科用器具のハウジングは、そのハウジングに窓または孔を含むことができ、インジケーターギア492上の、例えば数字「1」が、発射トリガー460の1回目の作動後に、その窓と整列されうる。同様に、インジケーターギア492上の、例えば数字「2」が、発射トリガーの2回目の作動後に、窓と整列されることができ、これに準じて、例えば数字「3」が、3回目の作動後に窓と整列されうる。代わりに、少なくとも1つの実施形態では、インジケーターギア492は、エンドエフェクタに対して発射部材466、切断部材、および/またはステープル駆動体を完全に前進させるのに必要な残りの作動回数に対応しうる印を、インジケーターギア492上に含んでもよい。
発射部材466がエンドエフェクタに対して完全に前進させられるか、または少なくとも適切に前進させられた後、図76および図82を参照すると、戻し輸送部494は、逆動駆動装置、発射トリガー460、および発射部材466を動作可能に連結するために、下方に回転させられうる。様々な実施形態では、戻し輸送部494は、戻し輸送部494が戻しピン498にもはや接触しないか、または少なくとも実質的に接触しないように、ピン494aの周りで回転させられることができる。図77および図78を参照すると、その後、バネ400が、戻しピン498をトリガーギア496に向かってスライドさせるか、または転置させ、キー499の少なくとも一部をキャビティ497内に位置付けることができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、図78を参照すると、バネ400は、戻し輸送部494がもはや端部498aに接触していないときにバネ400が拡張してキー499をキャビティ497内に転置させうるように、フレーム484と戻しピン498のキー499との中間に位置付けられうる。様々な実施形態では、図80を参照すると、戻し輸送部494は、この戻し輸送部494が前述のように下方に回転されると、発射部材466から発射駆動装置を動作可能に外すこともできる。より詳細には、図81を参照すると、戻し輸送部494は、発射ピン172の端部220に接触することができ、発射ピン172は、歯止め170に向かってスライドされてよく、また、前述したように、発射ピン172は、この発射ピン172から延びるキー222を含むことができ、キー222は、発射部材466に係合するように歯止め170が上方に旋回されるのを防ぐために、歯止め170の凹部173に係合することができる。ゆえに、歯止め170が発射部材466に動作可能に係合することを妨げられると、発射駆動装置は、もはや発射部材466に係合することができず、逆動駆動装置は、発射駆動装置から干渉されることなく、発射部材466を後退させることができる。
前述したことに加えて、様々な実施形態では、戻し輸送部494は、例えば、外科医によって、または別の臨床医によって、手動で下方に回転させられうる。様々な実施形態では、概して図68および図82を参照すると、外科医は、戻し輸送部494がピン494aにより定められる軸の周りで下方に旋回されうるように、ボタン部分495に力を加えることができる。このような力は、発射トリガーが所定量だけ作動された後で加えられうるが、様々な実施形態では、このような力は、発射トリガーの所定量の作動に達する前に加えられてもよい。前述したことに加えて、またはその代わりに、逆動機構の歯車のうち少なくとも1つは、発射トリガー460が所定の回数作動した後で戻し輸送部494に接触するように構成されてもよい。様々な実施形態では、図76を参照して、インジケーターギア492は、カム402を含んでよく、カム402は、発射トリガー460の3回目の作動時に、戻し輸送部494の一部に接触し、戻し輸送部494の一部に力を加えるように構成されうる。少なくとも1つのこのような実施形態では、発射部材466の前進により、トリガー460の作動ごとにインジケーターギア492が所定量回転することができ、カム402は、発射部材466を前進させる、トリガー460の3回目、もしくは最後のストロークの際に、輸送部494に接触することができる。実際、インジケーターギア492、もしくは逆動機構のあらゆる他の適切な歯車は、外科用器具を「前進」動作モードから「逆動」動作モードに切り替える前に、所定量回転されるように構成されてよい。
歯止め170が前述のように発射部材466に動作可能に係合するのを防ぐために、いったん戻しピン498がトリガーギア496と動作可能に係合されて、発射ピン172が歯止め170と係合されると、発射トリガー460は、発射部材466を後退させるために再び作動されうる。少なくとも1つのこのような実施形態では、発射トリガー466の次の作動により、トリガーギア492が回転することができ、トリガーギア492と戻しピン498との間の動作可能な係合のために、トリガーギア492は、キーギア406を回転させることができる。より詳細には、図71、図77、および図78を参照すると、戻しピンのキー499は、キーギア406内のキャビティ406aの側壁に加えて、トリガーギア492の駆動表面410と動作可能に係合されることができ、トリガーギア496の回転が、戻しピン498により、キーギア406に伝達される。様々な実施形態では、図71を参照すると、キーギア406の回転は、発射部材466を近位に駆動するか、または後退させるために、中間歯車403およびピニオンギア401を回転させることができる。実際、トリガー460が逆動駆動装置と動作可能に係合されると、ピニオンギア401は、発射トリガー460が発射駆動装置と動作可能に係合された場合にピニオンギア401が回転する方向と反対の方向に回転されうる。様々な実施形態では、例えば歯車401、403、406、492、496、およびトリガーギア460のギア部分158のサイズ、またはピッチ半径は、発射部材466がトリガー460の1回の作動により戻されうるように選択されてよいが、トリガー460の、1回より多い作動、または1回より少ない作動が利用されうる、他の実施形態が構想される。
発射部材466が後退された後、戻し輸送部494は、外科用器具をリセットするために、上方に旋回されてその非作動位置にくることができる。様々な実施形態では、図85および図86を参照すると、外科医または臨床医は、トリガーロック448が上方に回転して戻し輸送部494に接することができるように、トリガーロック448のボタン部分452に力を加えることができる。このような状況では、トリガーロック448は、同様に戻し輸送部494も上方に回転させて、輸送部494をその非作動位置に位置付けることができる。このようにする際、戻し輸送部494は、歯止め170から離れるように発射ピン172をスライドさせ、かつ、歯止め170の凹部173からキー222を外すために、発射ピン172の端部221に係合することができ、それにより発射トリガー460の次の作動時に歯止め170が発射部材466に再び係合することができる。戻し輸送部494はまた、この戻し輸送部494がキー499をトリガーギア496から離してスライドさせるように上方に回転されると、戻しピン498の端部498aに再び係合することができ、それにより、戻しピン498をトリガーギア496から動作可能に外し、これに対応して、逆動駆動装置を発射部材466から動作可能に外す。その後、使用済みのステープルカートリッジは、外科用器具から取り外され、新しいステープルカートリッジと取り替えられてよく、外科用器具は、再び使用できるようになる。
様々な代替的実施形態では、外科用器具は、逆動駆動装置を発射部材と動作可能に係合させ、また外すように構成された、クラッチを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図87〜図94を参照すると、外科用器具400に類似した外科用器具500が、発射トリガー560を含むことができ、発射トリガー560は、例えば、発射部材566、切断部材、および/もしくはステープル駆動体をエンドエフェクタに対して前進させるよう、発射ピン、および発射駆動装置の歯止めを駆動させるように構成されてよい。様々な実施形態では、これも前記と同様に、外科用器具は、ピニオンギア501、中間歯車503、キーギア506、および平歯車516を含む、逆動駆動装置をさらに含むことができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、発射部材496のラック部分505とピニオンギア501との間の動作可能な係合のため、以下により詳細に説明するように、発射部材466の前進により、歯車501、503、506、および516が回転することができる。様々な実施形態では、戻しピン、またはキーピン598は、キーギア506に据え付けられるか、またはキーギア506と一体に形成されてよく、回転運動が戻しピン598とキーギア506との間で伝達される。少なくとも1つのこのような実施形態では、図89を参照すると、戻しピン598の少なくとも一部が、例えば平坦部分598bを含む非円形断面を含むことができ、この平坦部分598bは、図92を参照すると、キーギア506の、対応するように成形された孔506bの中にスライドして受容されることができる。これも前記と同様に、発射トリガー560は、ギア部分558を含んでよく、ギア部分558は、以下により詳細に説明するように、ギア部分558がキーピン598により定められる軸の周りでトリガーギア596を回転させうるように、トリガーギア596と動作可能に係合されることができる。
使用する際、発射トリガー560の1回目の作動時に、発射トリガー560は、前記と同様に、トリガーギア596によりキーピン598に回転運動を直接伝達することなく、トリガーギア596をキーピン598の周りで回転させることができる。図88を参照すると、発射トリガー560の1回目の作動により、トリガーギア596が、矢印「A」で示される方向に、すなわち、ここで論じる目的のためには時計回りに、回転することができる。また、発射トリガー560の1回目の作動時に、発射部材566は、ピニオンギア501および中間歯車503を、矢印「B」で示される方向に、キーギア506を、矢印「C」で示される方向に、そして、平歯車516およびインジケーターギア592を、矢印「D」で示される方向に、回転させることができる。様々な実施形態では、図88に示されるように、トリガーギア596およびキーギア506は、トリガー560の1回目の作動の間に正反対の方向に回転されることができ、以下にさらに説明するように、トリガー560の1回目の作動が終わるまで、互いと動作可能に係合されることはできない。トリガー560がその1回目の作動後に、その非作動位置まで解放されるか、または戻されると、例えば、発射駆動装置の歯止めは、発射部材566から外れることができ、例えばピニオンギア501およびキーギア506は、トリガー560がその最初の位置、すなわち非作動位置に戻ると、回転されないか、もしくは少なくとも実質的に回転されない。しかしながら、トリガーギア596は、トリガー560がその非作動位置に戻ると発射トリガー560によって回転されることができ、その結果、トリガーギア596は、図89に示されるように、キーギア506に対して回転されることができる。前述のようにトリガー560がその非作動位置に戻ると、トリガーギア596の傾斜面509が、図90に示されるように、キーピン598のクラッチ回し金(clutch dog)599に接触して、キーピン598をトリガーギア596から離して転置させることができる。その後、トリガーギア596は、傾斜面509がクラッチ回し金599のそばを完全に通過して、バネ500が図91に示されるようにクラッチ回し金599を駆動表面510の向こう側の位置に付勢することができるまで、発射トリガー560によりさらに回転させられうる。このような時点で、発射トリガー560は、その非作動位置にあってよい。
発射トリガー560の2回目の作動時に、発射駆動装置の歯止めは、発射部材566から外れたままでよいが、図92を参照すると、発射トリガー560の2回目の作動により、トリガーギア596が、矢印Aで示される方向に再び回転することができる。トリガーギア596の駆動表面510の向こう側の回し金599の位置のため、トリガーギア596の回転により、キーピン598およびキーギア506が、同様に矢印Aで示される時計回り方向に、すなわち、矢印Cの反対の方向に、回転することができる。これに対応して、キーギア506は、ピニオンギア501および中間歯車503を、矢印Eで示される方向、すなわち、矢印Bの反対の方向に回転させることができ、また、インジケーターギア592を、矢印Fで示される方向、すなわち、矢印Dの反対の方向に回転させることができる。トリガー560の2回目の作動中にピニオンギア501が反対方向に回転するため、ピニオンギア501は、エンドエフェクタに対して発射部材566を後退させ、発射部材566をその最初の位置、すなわち非作動位置に再び位置付けるか、もしくは少なくとも実質的に再び位置付けることができる。その後、発射トリガー566は、その非作動位置まで、解放されて戻されることができる。このような状況では、トリガーギア596の駆動表面510は、クラッチ回し金599から離れて回転されることができ、発射駆動装置の歯止めは、発射部材566から依然として動作可能に外れていてよいのに対して、キーピン598およびキーギア596は、所定の位置にとどまることができる。外科用器具をリセットするために、発射駆動装置の歯止めは、トリガー560の次の作動時に歯止めが発射部材566に再び係合することができるように、解放されてよい。このような実施形態では、使用済みのステープルカートリッジは、外科用器具が再び使用されることができるように、取り替えられてよい。
様々な実施形態では、図94を参照すると、外科用器具500は、トリガーロック548をさらに含むことができ、トリガーロック548は、前述のトリガーロック148と同様に、閉鎖トリガーを所定の位置に保持するのに用いられうる。少なくとも1つの実施形態では、トリガーロック548は、例えば閉鎖トリガー428(図68)などの閉鎖トリガーをロックし、また、そのロックを外すために、作動位置と非作動位置との間で回転されうる。少なくとも1つのこのような実施形態では、トリガーロック548がその非作動位置にある場合、トリガーロック548の一部分548aは、歯車列および発射部材566が非意図的に動かされるのを防ぐか、または少なくとも実質的に防ぐために、インジケーター592の凹部592aの中に位置付けられうる。別の言い方をすれば、この一部分548aが凹部592aの中に位置付けられると、前述の発射駆動装置および逆動駆動装置が、実質的に作動しなくなることができ、その結果、発射部材566は、実質的に動くことができなくなる。トリガーロック548がその作動位置に動かされて閉鎖トリガーを所定の場所に保持するか、またはロックすると、トリガーロック548の一部分548aは、凹部592aから出て動かされるか、または回転されることができ、前述の発射駆動装置および逆動駆動装置が動作されうるようになる。
様々な代替的実施形態では、外科用器具は、逆動駆動装置を発射部材と動作可能に係合させ、また外すように構成された、ラチェットを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、図95〜図100を参照すると、外科用器具600は、発射トリガー660を含むことができ、発射トリガー660は、前記と同様に、発射部材666、切断部材、および/またはステープル駆動体をエンドエフェクタに対して前進させるために、例えば発射ピン、および発射駆動装置の歯止めを駆動するように構成されてよい。様々な実施形態では、これも前記と同様に、外科用器具は、ピニオンギア601、キーギア606、および平歯車616を含む、逆動機構をさらに含むことができ、発射部材696のラック部分605とピニオンギア601との間の動作可能な係合のため、発射部材666の前進により、歯車601、606、および616を回転させることができる。様々な実施形態では、戻しピン、またはキーピン698は、キーギア606に据え付けられるか、またはキーギア606と一体に形成されてよく、回転運動がキーピン698とキーギア606との間で伝達されうる。また前記と同様に、発射トリガー660は、ギア部分658を含むことができ、ギア部分658は、このギア部分658がキーピン698により定められる軸の周りでトリガーギア696を回転させることができるように、トリガーギア696と動作可能に係合されうる。
使用の際、発射トリガー660の1回目の作動時に、発射トリガー660は、キーピン698およびキーギア606に回転運動を直接伝達することなく、キーピン698の周りでトリガーギア696を回転させることができる。より詳細には、図97を参照すると、トリガーギア696は、孔696aを含むことができ、孔696aは、キーピン698と孔696aの側壁との間にすきま嵌があるように構成されてよく、その結果、キーピン698は、その孔の中で回転することができる。さらに、図96を参照すると、キーギア606は、ラチェット面606cを含んでよく、トリガーギア696は、ラチェット面696cを含んでよく、これらのラチェット面は、発射部材666が発射駆動装置により前進させられているときに、互いから動作可能に外れるか、または分離されることができ、回転運動もこれらラチェット面の間で伝達されない。発射部材666が十分に前進された後、前記と同様に、戻し輸送部694は、例えばピン694aの周りで下方に回転されてよく、戻し輸送部694は、図99を参照すると、戻しピン698の端部698aから外れることができる。このような状況では、以下により詳細に説明するように、戻しピン698は、トリガーギア696と動作可能に係合されてよく、発射部材666は、後退されることができる。
様々な実施形態では、前述したことに加えて、戻し輸送部694は、戻し輸送部494と同様に、図95に示されるその非作動位置と、図99に示されるその作動位置との間で、手動で動かされてよい。前述したことに加えて、またはその代わりに、例えばインジケーターギア692など、歯車列の歯車のうちの少なくとも1つは、例えばカム602などのカムを含むことができ、カム602は、発射トリガー660が所定量作動された後に、戻し輸送部694に接触して、戻し輸送部694を下方に回転させることができる。その後、いずれにしても、キーギア606は、バネ600によりトリガーギア696に向かってスライドさせられうる。より詳細には、図100を参照すると、バネ600は、例えばキーギア606と外科用器具のフレームとの中間で位置付けられるか、または圧縮されることができ、いったん戻し輸送部694が戻しピン698の端部698aから外れると、バネ600は、トリガーギア696に向かってキーギア606をスライドさせるように拡張することができる。さらに、少なくとも1つの実施形態では、戻しピン698は、キーギア606に据え付けられるか、またはキーギア606と一体に形成されてよく、戻しピン698は、キーギア606と共にトリガーギア696に向かってスライドされうる。少なくとも1つの実施形態では、図97を参照すると、戻しピン698は、カラー698bであって、キーギア606が戻しピン698に接して戻しピン698をトリガーギア696に向かって押すことができる、カラー698bを含むことができる。
様々な実施形態では、前記の結果として、ラチェット面606cおよび696cは、図100に示されるように、戻し輸送部694がその作動位置まで下方に回転されると、バネ600により互いに接して位置付けられうる。少なくとも1つの実施形態では、図97を参照すると、ラチェット面606cおよび696cそれぞれは、そのラチェット面から延びる歯を含むことができ、これらの歯は、ラチェット面の間で回転運動を伝達するように協働することができる。使用の際、発射トリガー660の次の作動時に、発射トリガー660は、図99を参照すると、矢印Aで示される時計回り方向にトリガーギア696およびキーギア606を回転させることができ、キーギア606は、矢印Eで示される方向にピニオンギア601を回転させることができる。例えばピニオンギア601と発射部材666のラック部分605との間の動作可能な係合の結果、ピニオンギア601は、前記と同様に、発射部材666、切断部材、および/またはステープル駆動体をエンドエフェクタに対して後退させることができる。少なくとも1つの実施形態では、歯車601、606、および696、ならびにギア部分658は、発射部材666がトリガー460の1回の作動で十分に後退させられうるように、構成されてよい。
その後、発射トリガー460は、その非作動位置まで解放され、かつ/または戻されることができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、ラチェット面606cおよび696cは、斜面を含んでよく、この斜面は、トリガー660がその非作動位置に戻るとラチェット面606cおよび696cを互いに対して回転させる。このような状況では、トリガーギア696は、反時計回り方向に、すなわち矢印Aで示される方向とは反対の方向に、回転されることができる。少なくとも1つの実施形態では、ラチェット面606cおよび696cは、ラチェット面が互いと接触していても、互いに対して回転することができる。その後、戻し輸送部694は、上方に回転されてよく、戻し輸送部694は、戻しピン698の端部698aに接触して、戻しピン698およびキーギア606をトリガーギア696から離してスライドさせることができる。このような状況では、その結果、ラチェット面606cは、ラチェット面696cから外れてよく、これらラチェット面は、もはや互いと動作可能に係合されない。少なくとも1つのこのような実施形態では、戻し輸送部694は、戻しピン698の端部698aに力を加えることができ、この力は、キーギア606をトリガーギア696から離して転置するために、カラー698bによってキーギア606に伝達されうる。
前述したように、本発明による外科用器具は、エンドエフェクタに対して発射部材を前進させるように構成されうる歯止めを有する発射駆動装置を含むことができる。様々な実施形態では、前述したように、歯止め170は、例えば発射部材466の凹部467に係合して発射部材466を遠位に前進させるように、上方に旋回されてよい。再び図101および図102を参照すると、その後、歯止め170は、歯止め170の位置を変えるように、発射部材466に対して、下方に旋回され、かつ近位に後退されてよく、歯止め170は、別の凹部467に係合して、かつ、発射部材466をさらに前進させるために、再び上方に旋回されてよい。しかし、様々な状況で、歯止め170は、図103に示されるように、上方に旋回されたときに、凹部467に係合できない場合もある。このような状況は、外科用器具の様々な機構により伝達され、かつ/もしくは様々な機構の中に蓄えられた力またはエネルギーにより、例えば発射部材466が非意図的に動かされた場合に、生じうる。歯止めが発射部材に再び係合することができない場合、外科用器具は、動かなくなる場合があり、その結果、外科用器具は、手動でリセットされなければならないかもしれない。この状態を改善するために、本発明の様々な実施形態による外科用器具は、後退防止機構を含むことができ、後退防止機構は、発射部材を所定の位置に保持するか、または少なくとも実質的に保持することができる。
様々な実施形態では、図104を参照すると、後退防止機構は、歯止め170が例えば発射部材466に対して後退される間、発射駆動装置および/または逆動駆動装置の少なくとも一部を所定の位置に保持するように構成されてよい。少なくとも1つの実施形態では、後退防止機構は、割出機構または割出プレート(indexing mechanism, or plate)711を含むことができ、割出機構711は、発射部材466が前述のように前進され、それでもなお戻しピン798が時計回り方向、すなわち矢印Bの反対の方向に回転するのを防ぐか、または少なくとも実質的に防ぐ場合に、戻しピン798が矢印Bで示される反時計回り方向に回転することを可能にするように構成されてよい。実際、戻しピン798がキーギア406と回転可能に係合され、キーギア406が中間歯車403およびピニオンギア401により発射部材466と動作可能に係合されると、割出機構711は、発射部材466が近位に後退されるのを防ぐか、または少なくとも実質的に防ぐこともできる。さらに、以下により詳細に説明するように、割出機構711は、同様に発射部材466が非意図的に遠位に前進されることも防ぐことができる。
戻しピン798が前記に概説したように非意図的に回転することを防ぐために、割出要素711は、戻しピン798を所定の位置に保持するか、または保有するために、割出要素の中に1つ以上の凹部および/または孔を含んでよい。様々な実施形態では、図104、図107、および図111を参照すると、割出機構711は、フレーム784の凹部784aの中に保持されうるクリップ端部711aを含む板バネを含んでよく、割出機構711は、フレーム784の支点784bに対して曲がり、かつ/もしくは回転することができる。少なくとも1つの実施形態では、図105および図106を参照すると、戻しピン798は、この戻しピン798から延びるキー799を含むことができ、キー799は、割出機構711に係合するように構成されてよい。より詳細には、図107および図108を参照すると、少なくとも1つのこのような実施形態では、割出機構711は、複数の凹部または孔713a〜713dを含むことができ、これらの孔713a〜713dはそれぞれ、キー799から延びる突起部799aを内部に保持し、それによって、以下により詳細に説明するように、戻しピン798を所定の位置に保持するように構成されてよい。
使用の際、外科用器具のエンドエフェクタは、例えば患者の軟組織上に閉じられてよく、その後、前記に概説したように、外科用器具の発射部材が発射駆動装置により前進させられうる。発射部材を前進させる前に、戻しピン798の突起部799aは、図110aに示されるように、割出要素711の第1の孔713aの中に受容されうる。様々な実施形態では、図106および図109を参照すると、キー799は、傾斜面すなわち斜面799bをさらに含んでよく、斜面799bは、トリガー460の1回目の作動時に戻しピン798が発射部材466、ピニオンギア401、中間歯車403およびキーギア406によって、矢印Bで示される方向に回転されると、斜面799bが、図110bに示されるように孔713aの縁に接触して、割出機構711を下方にそらせ、かつ/または回転させることができるように、構成されることができる。とりわけ、ある量の力が、割出機構711をそらし、かつ/または回転させるのに必要とされてよく、その結果、戻しピン798が凹部713から非意図的に転置される可能性が、減少されうる。より詳細には、例えば発射部材766に加えられる大きな引張力(large pulling force)がなければ、割出要素の凹部は、戻しピン798のキー799を内部に保持することができてよく、それに対応して、発射部材466が非意図的に前進されうる可能性も、減少されうる。
発射トリガー460の1回目の作動が終わるまでに、キー799は、図110cに示されるように、割出機構711の第2の孔713bの中に位置付けられることができる。このような位置で、キー799は、停止面799cのため、孔713aの中へと後ろに動くことを妨げられうる。より詳細には、図108を参照すると、キー799は、停止面799cをさらに含むことができ、停止面799cは、例えば孔713bの周辺部に接するように構成されてよく、停止面799cの構成のため、孔713bおよび停止面799cは、キー799が、凹部715(図111)の中で割出機構711を下方にそらすか、または回転させること、および戻しピン798を矢印Bの反対の方向に回転させること、を防ぐように構成されることができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、停止面799c、および孔713bの周辺部は、互いに平行である表面を含むことができる。他の様々な実施形態では、これらの隣接する表面は、少なくとも部分的に斜めの部分を含んでよく、この、少なくとも部分的に斜めの部分は、停止面799cが孔713bの縁に対して押し付けられると、キー799が、孔713bから持ち上げられるのとはまったく異なって、孔713bの中にさらに引き入れられうるように、構成されてよい。いずれにしても、前述したような、戻しピン798と、歯車列の歯車と、発射部材466との間の動作可能な関係のため、発射部材466は、割出部材711により、非意図的に近位に後退することを妨げられるか、または少なくとも実質的に妨げられることができる。このような実施形態では、その結果、例えば歯止め170が発射部材466に対して後退されたときに、歯止め170が発射部材466の中の凹部467に対して正しく整列されないかもしれない可能性が、減少されうる。
発射トリガー460の2回目の作動時に、発射部材466は、歯車401、403、および406を再び回転させることができ、戻しピン798は、矢印Bで示される方向に回転される。様々な実施形態では、その結果、斜面799bは、第2の孔713bの縁に接触し、図110dに示されるように割出機構711を下方にそらし、かつ/または回転させることができる。発射トリガー460の2回目の作動が終わるまでに、キー799は、図110eに示されるように、割出機構711の第3の孔713cの中に位置付けられうる。このような位置で、キー799は、前記と同様に、停止面799cのため、第2の孔713bの中へと後ろに動くことを妨げられうる。さらに、発射トリガー460の3回目の作動時に、発射部材466は、矢印Bで示される方向に、戻しピン798を再び回転させることができ、その結果、斜面799bは、第3の孔713cの縁に接触し、図110fに示されるように、割出機構711を下方にそらし、かつ/または回転させることができる。発射トリガー460の3回目の作動が終わるまでに、キー799は、図110gに示されるように、割出機構711の第4の孔713dの中に位置付けられうる。このような位置では、前記と同様に、キー799は、停止面799cのため、第3の孔713cの中へと後ろに動くことを妨げられうる。
このような時点で、逆動駆動装置を発射部材と動作可能に係合させるため、前記と同様に、戻しピン798およびキー799は、キーギア406をトリガーギア496と動作可能に係合させるためにトリガーギア496に向かって動かされることができる。様々な実施形態では、その結果、突起部799aが、割出部材711から離れて、第4の孔713dから出ることができる。その後、発射トリガー460の戻しストロークの際、発射部材466は後退されてよく、戻しピン798は、時計回り方向、すなわち矢印Bの反対の方向に回転させられてよい。このような時点で、発射部材466および歯止め170は双方、それらの最初の位置に戻されて、戻しピン798は、第1の孔713aと再び整列されるように回転され、戻しピン798は、キー499がスライドされて第1の孔713aと係合するように、トリガーギア496から外れることができる。その後、その結果として、外科用器具は、再び使用可能となる。
様々な代替的実施形態では、図112および図113を参照すると、後退防止機構が、割出要素または割出プレート811を含むことができ、割出要素811は、ヒンジ端部811aがピン部分884bに回転可能に据え付けられうるように、フレーム884の凹部884aの中に回転可能に据え付けられることができる。少なくとも1つの実施形態では、前記と同様に、割出要素811は、ピン811bに対して回転され、かつ/もしくはそらされうる。様々な実施形態では、後退防止機構は、凹部815の中に、少なくとも1つのバネ要素または戻しバネ811bをさらに含むことができ、戻しバネ811bは、割出部材811を、図112および図113に示される位置に付勢するように構成されることができる。同様に、戻しバネ811bは、割出要素が前記に概説したようにキー799によりそらされた後で、そのような位置まで割出要素を戻すように、さらに構成されうる。様々な実施形態では、少なくとも1つの戻しバネは、例えば割出要素811と凹部815の側壁との中間に位置付けられてよい。様々な代替的実施形態では、図114を参照すると、後退防止機構が、割出要素911を含むことができ、割出要素911は、前記と同様に、フレーム984の凹部984aの中に据え付けられることができる。少なくとも1つのそのような実施形態では、フレーム984は、据付用突起部984bをさらに含んでよく、据付用突起部984bは、割出要素911の孔911aの中にプレス嵌めされるように構成されてよく、割出要素911は、フレーム984に対して曲げられ、かつ/または回転されうる。
様々な代替的実施形態では、本発明の少なくとも1つの実施形態による後退防止機構は、発射部材および/もしくは歯車列の望ましくない運動を防ぐか、または少なくとも制限するための、ラチェット機構を含みうる。様々な実施形態では、図115〜図118を参照すると、ラチェット機構は、歯止めを含んでよく、歯止めは、例えばインジケーターギア492および平歯車416などの歯車列の歯車が例えば発射部材466などの発射部材により駆動されたときに、それらの歯車を第1の方向に回転させるが、例えば歯止め170などの発射駆動装置の歯止めが発射部材に対して後退されたときに、それらの歯車が反対方向に回転することを防ぐか、または少なくとも制限するように、構成されることができる。少なくとも1つの実施形態では、図116を参照すると、ラチェット機構は、板バネまたは歯止め1011を含んでよく、歯止め1011は、以下により詳細に説明するように、平歯車416の回転を制限することができる。
前述したことに加えて、例えば発射部材466が例えば発射トリガー460により前進させられると、発射部材466は、前述のようなピニオンギア401、中間歯車403、キーギア406、および平歯車416の動作可能な係合のため、矢印D(図116)で示される方向に、平歯車416を回転させることができる。平歯車416が方向Dに回転されると、少なくとも1つの実施形態では、歯車416の歯車歯416aは、歯車歯416aが歯止めのそばを通り過ぎることができるように、歯止め1011に接触して、歯止め1011をそらすように構成されてよい。しかしながら、発射部材466が非意図的に後退され、かつ/または平歯車416が矢印Hで示される方向に回転された場合、歯止め1011は、歯止め1011の少なくとも一部が、隣接する2つの歯車歯416aの中間に位置付けられて、平歯車416が方向Hに回転するのを防ぐか、または少なくとも制限するように、構成されることができる。様々な実施形態では、図116を参照すると、歯止め1011の少なくとも一部は、歯車歯416aの間に押し込まれているか、または歯車416に「食い込んで」いてよく、歯車416は、少なくとも外科用器具の逆動駆動装置が、以下により詳細に説明するように発射部材と動作可能に係合されるまでは、方向Hに実質的に回転することができない。
様々な実施形態では、外科用器具は、戻し輸送部を含むことができ、戻し輸送部は、外科用器具をその逆動動作モードまたは後退動作モードに置くように、図115および図116に示されるような非作動位置と、図117および図118に示されるような作動位置との間で動かされることができる。戻し輸送部494と同様に、少なくとも1つの実施形態では、戻し輸送部1094が、ピン1094aの周りでフレーム484に対して回転されることができる。様々な実施形態では、図118を参照すると、歯止め1011は、戻し輸送部1094に据え付けられてよく、戻し輸送部1094がその作動位置まで下方に回転されると、歯止め1011は、平歯車416との動作可能な係合から出ることができる。このような状況では、平歯車416は、外科用器具がその逆動モードに置かれると、矢印Hで示される方向に回転することが可能となりうる。平歯車416が方向Hに回転できるようになると、後退防止機構からの干渉、または少なくとも実質的な干渉なしで、歯車列が回転できるようになってよく、発射部材は、前記に概説したように後退されることができる。発射部材が十分に後退された後、戻し輸送部1094は、その非作動位置まで上方に回転されてよく、歯止め1011は、平歯車416と動作可能に再び係合されうる。
様々な状況では、外科用器具の逆動駆動装置は、外科用器具の発射部材と適切に係合されるのを妨げられる場合がある。少なくとも1つの実施形態では、例えば戻し輸送部494および1094などの、逆動駆動装置の戻し輸送部は、例えば発射ピン172および/または戻しピン498に適切に接触し、かつそれらを動かすことができない場合がある。より詳細には、戻し輸送部は、発射ピン172および/または戻しピン498を適切に転置させることができない場合があり、そのため、キーギア406はトリガー496と動作可能に係合され、さらには、歯止め170は発射部材466に動作可能に係合することを妨げられる。様々な実施形態では、前記に概説したように、戻し輸送部は、ボタン部分を含んでよく、ボタン部分は、このボタン部分に力が加えられると、戻し輸送部を手動で下方に回転させるように構成されてよい。しかしながら、様々な状況では、この力は、戻し輸送部、ならびに/またはピン172および498のうちの一方が例えば所定の位置に固着されている場合は特に、戻し輸送部を動かすには不十分なてこ作用(leverage)を有するかもしれない。
本発明の様々な実施形態では、外科用器具は、スイッチを含んでよく、スイッチは、外科用器具の逆動駆動装置を発射部材と手動で係合させるように、一層有益に構成されていてよい。少なくとも1つの実施形態では、図119を参照すると、スイッチは、第1および第2の部分を含んでよく、第1の部分1194は、例えばフレーム1184に対して可動に接続されてよく、第2の部分1118も、同様にフレーム1184に対して可動に接続されていてよい。様々な実施形態では、第1のスイッチ部分1194は、フレーム1184に旋回可能に接続されてよく、第1のスイッチ部分1194が、例えばカム402に類似のカムにより下方に旋回されると、第1の部分1194は、戻しピン498を外し、前述したように戻しピン498のキー部分499をトリガーギア496に係合させるように、構成されてよい。様々な実施形態では、図119には示されていないが、戻し輸送部1194は、この戻し輸送部1194から延びるアーム1194dを含むことができ、アーム1194dは、例えばバネが戻しピン498を付勢してトリガーギア496と動作可能に係合させるように、戻しピン498の端部498aから離れることができる。
前述したことに加えて、第1のスイッチ部分1194は、下方に旋回されると、戻しピン172に接触し、かつ戻しピン172のキー222を歯止め170と動作可能に係合させるように構成されてよく、歯止め170は、前述したように、上方に旋回できなくなる。実際、少なくとも1つのこのような実施形態では、第1のスイッチ部分1194は、カムを含むことができ、カムは、発射駆動装置を発射部材から動作可能に外し、また逆動駆動装置を発射部材と動作可能に係合させるように、作動されうる。様々な状況では、外科用器具を、その前進動作モードと逆動動作モードとの間で切り替えるために、第1の部分1194の操作のみが必要とされる場合がある。しかしながら、例えばカム402などの、逆動駆動装置のカムが第1のスイッチ部分1194を適切に位置付けるか、または作動させることができない場合には、スイッチの第2の部分1118が、以下により詳細に説明するように、第1のスイッチ部分1194を作動させるように利用されることができる。
前述したことに加えて、第2のスイッチ部分1118は、第1のスイッチ部分1194を作動させるために、作動されることができる。様々な実施形態では、図119を参照すると、第2のスイッチ部分1118は、ハンドル1118bを含んでよく、ハンドル1118bは、例えば外科医により握られるように、構成されてよく、外科医は、ハンドルに力を加えて、ピボット1118aの周りでスイッチ部分1118を回転させることができるようになる。少なくとも1つの実施形態では、第2のスイッチ部分1118は、第1のスイッチ部分1184に接触し、かつ第1の部分1184を、図119に示されるその非作動位置と、前述したような作動位置との間で動かすように構成されてよい。様々な実施形態では、実際に、第2のスイッチ部分1118は、カムを含んでよく、カムは、第1の部分1194が発射ピン172および戻しピン498に接触するように、第1の部分1194に接触して、第1の部分1194を下方に駆動することができる。少なくとも1つのこのような実施形態では、図119を参照すると、第2のスイッチ部分1118は、接触面1118cを含んでよく、接触面1118cは、第1のスイッチ部分1194の表面1194cに接触するように構成されることができる。様々な実施形態では、接触面1118cは、接触面1194cの真上に位置付けられてよく、表面1118cおよび1194cは、整列されることができ、第2のスイッチ部分1118が第1のスイッチ部分1194に接触しない可能性が減少されうる。
様々な実施形態では、前述したことに加えて、接触面1118cおよび1194cは、ハンドル1198bに加えられる力F2が、第1のスイッチ部分1194をその作動位置に動かすために十分な機械的拡大率を有するように、位置付けられ、配列されることができる。少なくとも1つの実施形態では、ハンドルの力F2は、伝達力(transmission force)F3として、第2のスイッチ部分1118の本体を通って、接触面1118cおよび1194cによって第1のスイッチ部分1194に伝達されうる。とりわけ、様々な実施形態では、伝達力F3は、ハンドルの力F2とは異なっていてよい。この点に加えて、図119を参照すると、第1のスイッチ部分1194を最初に動かすためにハンドルの力F2および伝達力F3に関連するトルクは、実質的に同じであってよい。すなわち、距離Daと力F2との積が、距離Dbと力F3との積に実質的に等しくてよく、距離Daは、ピボット1118aと、力F2の適用(application of force F2)との間の距離を表すことができ、距離Dbは、ピボット1118aと、力F3の伝達(transmission of force F3)との間の距離を表すことができる。ゆえに、図119に示されるように、距離Daが距離Dbより短い場合、力F2は、力F3より大きくてよい。したがって、力F3が力F2に実質的に等しくなるためには、ハンドル1118bは、力F2がハンドル1118bに加えられるときに、表面1118cおよび1194cの実質的に上に位置付けられなければならない。
様々な実施形態では、前述したことに加えて、伝達力F3は、転置力(displacement force)F1として、第1のスイッチ部分1194の本体を通って、発射ピン172まで伝達されうる。前記と同様に、転置力F1は、伝達力F3とは異なっていてよい。この点に加えて、再び図119を参照すると、前記に概説したように、最初に発射ピン172を歯止め170に向かって転置させるために転置力F1および伝達力F3に関連するトルクは、実質的に同じであってよい。すなわち、距離Dcと力F1との積が、距離Ddと力F3との積に実質的に等しくてよく、距離Dcは、ピボット1194aと、力F3の適用との間の距離を表すことができ、距離Ddは、ピボット1194aと、力F3の伝達との間の距離を表すことができる。ゆえに、図119に示されるように、距離Dcが距離Ddよりも短い場合、力F1は、力F3よりも大きくてよい。実際、距離Da、Db、Dc、およびDdの選択次第で、より小さい伝達力F3が、発射ピン172に、より大きな転置力F1を加えるように利用されてよい。様々な実施形態では、その結果、例えば外科医により与えられる力F2が、スイッチの第2の部分によってスイッチの第1の部分をその作動位置に手動で位置付けるのに十分であってよく、それによって、前記に概説したように外科用器具を前進動作モードから逆動動作モードに操作することができるように、スイッチの第1および第2の部分を構成することができる。外科用器具をその前進動作モードに戻すために、例えば、第1のスイッチ部分1194は上方に回転されてよく、このため、第2のスイッチ部分1118も上方に回転されることができ、それによってスイッチ組立体をリセットする。
さらなる例示的な実施形態では、図120〜図122を参照すると、外科用器具は、ピン1294aの周りでフレーム1284に旋回可能に据え付けられうる第1の部分1294、加えて、ピボット1218aの周りでフレーム1284に旋回可能に据え付けられうる第2の部分1218を含む、スイッチ組立体を含むことができる。第1および第2のスイッチ部分は、フレーム1284に旋回可能に据え付けられうるが、これらのスイッチ部分は、外科用器具のあらゆる他の適切な部分に旋回可能に据え付けられてよい。様々な実施形態では、前記と同様に、第1のスイッチ部分1294は、外科用器具を、前進動作モードと逆動動作モードとの間で切り替えるように操作されることができる。少なくとも1つの実施形態では、第1のスイッチ部分1294は、図120に示されるその非作動位置と、図121に示されるその作動位置との間で回転されうる。前記と同様に、第2のスイッチ部分1218は、第1の部分1294をその作動位置まで下方に動かすために、ハンドル1218bに加えられる力によって下方に動かされうる。
様々な実施形態では、例えば第2のスイッチ部分1218、および、例えば発射トリガー460などの外科用器具の発射トリガーは、発射トリガーがその非作動位置にない限り、第2の部分1218が下方に回転されるのを妨げられるか、もしくは少なくとも実質的に妨げられることができるように、構成されうる。スイッチを操作する前に発射トリガーがその非作動位置にあることを必要とすることによって、逆動機構の第1のスイッチ部分1294は、この第1の部分1294が下方に回転されたときに、例えば発射ピン172などの、発射駆動装置の発射ピンと適切に整列されることができる。様々な実施形態では、外科用器具は、発射ピンが第1のスイッチ部分1294により接触され、スライドされて、例えば歯止め170などの発射駆動装置の歯止めと係合することができるよう、発射ピンが所定の範囲内で位置付けられるように構成されることができる。
様々な実施形態では、図50を参照すると、外科用器具100は、エンドエフェクタ106、および細長いシャフト組立体104を含むことができ、エンドエフェクタ106およびシャフト組立体104は、関節運動継手114により旋回可能に接続されていてよい。前記に概説したように、関節運動継手114は、エンドエフェクタ106が軸116の周りでシャフト組立体104に対して動かされるか、または関節運動されることを可能にすることができる。様々な状況において、外科医は、エンドエフェクタ106を関節運動させて患者の体内の手術部位に、より容易にアクセスすることができる。より詳細には、外科医は、患者の体内に少なくとも部分的に挿入されたカニューレを通じて、エンドエフェクタ106およびシャフト組立体104を挿入することができ、いったんエンドエフェクタ106がカニューレを通過すると、ステープル留めされるべき、かつ/もしくは切開されるべき手術部位の、例えば軟組織に対してエンドエフェクタ106を位置付けるために、エンドエフェクタ106は旋回されるか、または関節運動されうる。いったんエンドエフェクタ106が位置付けられると、エンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対関係は、さらに以下でより詳細に説明されるように、ロック機構により固着されるか、またはロックされることができる。
少なくとも1つの実施形態では、図51および図52を参照すると、関節運動継手114は、エンドエフェクタロック部材300、およびピボット302を含むことができる。様々な実施形態では、図53〜図56を参照すると、エンドエフェクタロック部材300は、ロック部材300をエンドエフェクタ106に固定することができるコネクタ部分320を含むことができ、図52を参照すると、シャフト組立体104は、ピボットコネクタ342を含むことができ、ピボットコネクタ342は、このピボットコネクタ342から延びるピボット302を含むことができる。様々な実施形態では、ロック部材300は、ピボット302の少なくとも一部を内部に受容するようにサイズ決めされ、かつ構成されうる、孔301を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、ピボット302および孔301は、エンドエフェクタ106が軸116の周りで自由に回転することができるように構成されていてよい。他の様々な実施形態では、ピボット302および孔301は、ピボット302と孔301との間の摩擦がエンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対運動を可能にすることができるが、その相対運動に抵抗することができるように、構成されていてよい。図示されていないが、関節運動継手114は、2つ以上の軸またはピボットを含むことができ、この周りでエンドエフェクタ106が回転されうる。
様々な実施形態では、外科医は、エンドエフェクタ106が軸116の周りを旋回するように、例えば手術部位の周りの腔側壁に対してエンドエフェクタ106を押すこと、およびシャフト組立体104に力を加えることにより、シャフト組立体104に対してエンドエフェクタ106を関節運動させることができる。その後、外科医がエンドエフェクタ106を再び中心に置く(re-center)こと、すなわちエンドエフェクタ106およびシャフト組立体104をある線に沿って方向付けることを望む場合、外科医は、例えば、エンドエフェクタ106を再び腔側壁に置き、かつ、前述のようにシャフト組立体104に力を加えることができる。様々な実施形態では、図51および図52を参照すると、外科用器具100は、シャフト組立体104に対してエンドエフェクタ106を、自動的に再度中心に置くか、または少なくとも実質的に再度中心に置くことができる、再中心化機構(re-centering mechanism)を含むことができる。様々な実施形態では、エンドエフェクタロック部材300は、中心化表面(centering surface)316を含むことができ、細長いシャフト組立体104は、中心化シャフト328および付勢部材330を含むことができ、付勢部材330は、中心化シャフト328を中心化表面316に対して付勢するように構成されうる。少なくとも1つのそのような実施形態では、中心化表面316は、軸116のほぼ両側に配されていてよく、これにより、中心化シャフト328は、ほぼ均等なトルクもしくはモーメントをロック部材300に加えることができ、追加の原動力(motivating force)がない状態で、ほぼ中心の位置にエンドエフェクタ106を保持することができる。前述のように、エンドエフェクタ106がそのような原動力により関節運動されると、ロック部材300は、中心化シャフト328のうちの1つを近位に転置させ、かつ、その中心化シャフト328と動作可能に係合された付勢部材330を圧縮するように構成されうる。より詳細には、付勢部材330は、ガイド331と、中心化シャフト328から延びる少なくとも1つの突起部329との間に位置付けられてよく、このため、突起部329がシャフト328により近位に動かされると、付勢部材330はガイド331と突起部329との間で圧縮される。原動力が取り除かれた後、圧縮された付勢部材330は、拡張して、中心化シャフト328によりロック部材300の中心位置まで、または付勢部材330により加えられたトルクがほぼ釣り合う位置まで、ロック部材300を回転させることができる。付勢部材330は、コイルバネとして図示されているが、付勢部材330は、任意の適切な弾性部材を含むことができる。
様々な実施形態では、原動力が取り除かれた後でもエンドエフェクタ106をその関節運動された位置に保持するために、ロック機構が用いられてよい。少なくとも1つの実施形態では、図53〜図56を参照すると、エンドエフェクタロック部材300は、第1の表面308を有する第1の部分、第2の表面304を有する第2の部分、歯312、および歯312の間に定められた凹部314を含むことができ、さらに以下により詳細に説明するように、歯312および凹部314は、エンドエフェクタ106とシャフト組立体104との間の相対関係を固着するか、またはロックするために、シャフト組立体ロック部材と動作可能に係合されるように構成されうる。様々な実施形態では、歯312および凹部314は、第1の表面308と第2の表面304との中間に位置付けられうる。少なくとも1つの実施形態では、第1の表面308は、孔301から第1の周辺部310まで延びることができ、第2の表面304は、孔301から第2の周辺部306まで延びることができる。様々な実施形態では、第1の周辺部310は、第1の平面を定めることができ、第2の周辺部306は、第2の平面を定めることができ、歯312および凹部314は、第1の平面と第2の平面との中間に位置付けられうる。第1の周辺部310が第2の周辺部306とは異なる実施形態では、歯312は、第1の周辺部310と第2の周辺部306との間で、ある角度で延びるか、または傾斜していてよい。様々な実施形態では、歯312は、歯312が第2の周辺部306に交わる点よりも、軸116からさらに離れた点で、第1の周辺部310に交わることができる。少なくとも1つの実施形態では、歯312のうち少なくとも1つが、第1の軸313を定めることができ、この第1の軸313は、第1の表面308と第2の表面304との間で、第1の表面308および/または回転軸116に対して垂直ではない方向に延びることができる。そのような実施形態では、歯312は、例えば関節運動継手114に隣接して位置する軟組織の上をスライドすることができる。別の言い方をすれば、歯312の角度を付けた表面もしくは傾斜した表面のために、エンドエフェクタ106が関節運動されたときに歯312が関節運動継手114の周りの軟組織を捕捉するか、または軟組織に当たる可能性が減少されうる。少なくとも1つの実施形態では、歯312は、第1の周辺部310を超えて延びていなくてよく、このため、例えば、第1の周辺部310の少なくとも一部が軟組織と接触している場合、第1の周辺部310および歯312は、前述のように、軟組織に対して容易にスライドすることができる。
前述したことに加え、本発明の実施形態は、以前の外科用器具よりもかなりの利点を提供することができる。より詳細には、図57を参照すると、以前のエンドエフェクタの関節運動継手は、例えば、ロック部材299などのロック部材を含んでおり、このロック部材は、ロック部材の周辺部から外側に延びる歯298を含む。その結果、エンドエフェクタが外科用器具のシャフト組立体に対して関節運動されると、歯298は、周囲の軟組織を捕捉するか、もしくは軟組織に当たる場合があり、その軟組織に外傷を生じる可能性がありうる。様々な状況において、組織は、隣接する歯298の間に捕捉される場合があり、これにより、エンドエフェクタが関節運動されると、軟組織は、関節運動継手の中に引っ張られることがあるか、また、継手の、相対的に動く構成要素により挟まれることがある。前記に概説し、図58に示されるように、ロック部材の歯が角度を付けられているか、もしくは傾斜している本発明の実施形態では、軟組織は、歯の上をより容易に素通りし、軟組織が関節運動継手の中に引っ張られうる可能性を軽減することができる。
前記に概説したように、図59〜図62を参照すると、外科用器具100は、ロック部材120をさらに含むことができ、このロック部材120は、エンドエフェクタ106に対してスライドされてよく、シャフト組立体104とエンドエフェクタ106との間の相対運動を防ぐか、または少なくとも制限するように、エンドエフェクタ106と動作可能に係合されてよい。少なくとも1つの実施形態では、ロック部材120は、エンドエフェクタ106がロック部材120に対して動くことを防ぐように、歯312のうち少なくとも1つに係合するように構成されてよい。より詳細には、ロック部材120は、端部分338およびシャフト部分340を含むことができ、端部分338は、凹部336を含むことができ、この凹部336は、ロック部材300の歯312を、ぴったり適合した関係で、または締まりばめの関係であっても、受容するように構成されることができる。様々な代替的実施形態では、ロック部分338は、前記と同様のぴったり適合した関係、または締まりばめの関係で、凹部314のうち少なくとも1つの中に受容されうる。いずれの場合も、外科用器具100は、ロック部材120を付勢してエンドエフェクタロック部材300と係合させるように構成されてよいバネ126をさらに含むことができる。凹部336が歯312と整列されていない場合、少なくとも1つの実施形態では、バネ126によりロック部材120に加えられる付勢力は、歯312のうち1つが凹部336と整列されるまで、ロック部材120がエンドエフェクタロック部材300と接触し、かつ軸116の周りでエンドエフェクタロック部材300を回転させるようにしうる。様々な実施形態では、バネ126は、螺旋バネ、板バネ、または他の付勢材料を含む、任意の適切な付勢部材を含むことができる。
様々な代替的実施形態では、図63〜図67を参照すると、外科用器具は、孔301、第1の表面358を含む第1の部分、第2の表面354(図67)を含む第2の部分、およびコネクタ部分320を含むエンドエフェクタロック部材350を含むことができる。エンドエフェクタロック部材350は、歯362、および、歯362の間に定められた凹部364も含むことができ、少なくとも1つの実施形態では、歯362および凹部364は、第1の表面358と第2の表面354との中間に位置付けられうる。様々な実施形態では、図65〜図67を参照すると、歯362は、第1の表面358の第1の周辺部357および/または第2の表面354の第2の周辺部353を超えて延びていなくてよい。少なくとも1つのそのような実施形態では、歯362は、第1の表面358と第2の表面354との間に完全に位置付けられるか、または収容されていてよい。少なくとも1つの代替的実施形態では、歯362は、第1の周辺部357および/または第2の周辺部353から部分的に延びていてもよい。様々な実施形態では、第1の周辺部357および第2の周辺部353は、それらの間に外面を定めることができ、その外面において、凹部364が定められうる。前述した特徴の結果として、エンドエフェクタロック部材350は、関節運動継手に隣接して位置する軟組織に当たることなく、その軟組織に対してスライドすることができる。様々な実施形態では、歯362は、前述した相対的なスライドをさらに容易にするために、尖っていない(blunted)か、または丸くなっていてよい。少なくとも1つの実施形態では、図63〜図65を参照すると、ロック機構は、歯362および凹部364のうち少なくとも1つに係合するように構成されていてよく、かつ、端部分388およびシャフト部分390を含むロック部材382を含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、前記と同様、端部分388は、例えば歯362のうち少なくとも1つに係合するように構成されうる、凹部394を含むことができる。
本明細書に開示された装置は、1回使用した後に処分されるように設計されてもよく、あるいは、複数回使用されるように設計されてもよい。しかしながら、いずれの場合も、この装置は、少なくとも1回使用した後で、再利用のために再調整されうる。再調整は、装置の分解ステップ、それに続く特定の部品の洗浄もしくは交換ステップ、および、その後の再組立ステップのうち任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、装置は分解されてよく、装置の任意の数の特定の部品もしくは部分が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、または除去されてよい。特定の部分を洗浄および/もしくは交換すると、装置は、再調整施設で、または外科手術の直前に外科チームによって、次の使用のために再組立されることができる。装置の再調整には、分解、洗浄/交換、および再組立のための様々な技術を利用することができることを、当業者は認識するであろう。そのような技術を使用すること、およびその結果得られる再調整された装置はすべて、本願の範囲内である。
好ましくは、本明細書に記載された発明は、手術の前に処理される。まず、新しい器具、または使用済みの器具が手に入れられ、必要であれば洗浄される。器具は、次に滅菌されうる。一滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグまたはTYVEKバッグなど、閉じられ密閉された容器の中に置かれる。容器および器具は、次に、γ放射線、x線、または高エネルギー電子などの、容器を貫通することができる放射線の場に置かれる。放射線により、器具の表面、および容器の中の細菌が死滅する。滅菌された容器は、その後滅菌容器の中に保管されてよい。密閉された容器は、医療施設で開けられるまで器具を滅菌状態に保つ。
本発明は、例示的なデザインを有するものとして説明されたが、本発明は、開示内容の精神および範囲内で、さらに改変されてもよい。ゆえに、本願は、本発明の一般的原理を用いた、本発明のあらゆる変形体、使用、または改作物(adaptations)を含むことを意図している。さらに本願は、本発明が属する技術分野において既知となるか、または慣行となるような、本開示内容からの発展(departures)を含むことを意図している。
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具において、
エンドエフェクタと、
発射部材と、
トリガーと、
前記発射部材と選択的に係合可能な発射駆動装置であって、前記発射駆動装置は、前記トリガーの1回目の作動の際に、前記エンドエフェクタに対して前記発射部材を前進させるように構成されている、発射駆動装置と、
前記発射部材と選択的に係合可能な逆動駆動装置であって、前記逆動駆動装置は、前記トリガーの次の作動の際に、前記エンドエフェクタに対して前記発射部材を後退させるように構成されている、逆動駆動装置と、
第1の部分および第2の部分を含むスイッチであって、前記第1の部分は、前記第2の部分に対して動くことができ、前記第1の部分は、第1の位置と第2の位置との間で動くことができ、前記第1の部分は、前記第1の部分が前記第2の位置に動かされると、前記発射駆動装置を前記発射部材から動作可能に外し、かつ前記逆動駆動装置を前記発射部材と動作可能に係合させるように構成され、前記第2の部分は、前記第1の部分を前記第2の位置に動かすために選択的に操作されるように構成されている、スイッチと、
を含む、外科用器具。
(2) 実施態様1に記載の外科用器具において、
フレーム、
をさらに含み、
前記第1および第2の部分は、前記フレームに対して回転可能に据え付けられている、外科用器具。
(3) 実施態様1に記載の外科用器具において、
前記逆動駆動装置は、前記第1の部分に係合し、かつ前記第1の部分を前記第1の位置と前記第2の位置との間で動かすように構成された、カムを含む、外科用器具。
(4) 実施態様3に記載の外科用器具において、
前記カムは、前記発射トリガーの前記1回目の作動の際に、前記第1の部分に係合するように構成されている、外科用器具。
(5) 実施態様1に記載の外科用器具において、
前記第1の部分は、前記発射駆動装置が前記発射部材を前進させるのを妨げるために、第1のキーを前記発射駆動装置と動作可能に係合させるように構成され、
前記第1の部分は、前記第1の部分が前記第2の位置に動かされると、第2のキーを第1の歯車および第2の歯車と動作可能に係合させるように、さらに構成されている、外科用器具。
(6) 実施態様1に記載の外科用器具において、
前記第2の部分は、前記第2の部分から延びるハンドルを含み、
前記ハンドルは、前記第1の部分を前記第1の位置と前記第2の位置との間で動かすために、前記ハンドルに加えられる力を受けるように構成されている、外科用器具。
(7) 実施態様1に記載の外科用器具において、
前記第2の部分は、前記トリガーが前記1回目の作動から解放されるまで、前記第1の部分を前記第1の位置から前記第2の位置に動かすことができない、外科用器具。
(8) 手術のために器具を処理する方法において、
実施態様1に記載の外科用器具を手に入れることと、
前記外科用器具を滅菌することと、
滅菌容器内に前記外科用器具を保管することと、
を含む、方法。
(9) 外科用器具において、
エンドエフェクタと、
発射部材と、
トリガーと、
前記発射部材と選択的に係合可能な発射駆動装置であって、前記発射駆動装置は、前記トリガーの作動の際に、前記エンドエフェクタに対して前記発射部材を前進させるように構成されている、発射駆動装置と、
前記発射部材と動作可能に係合された第1の歯車と、
前記トリガーと動作可能に係合された第2の歯車であって、前記第1の歯車は、前記第2の歯車と選択的に係合することができる、第2の歯車と、
第1の部分および第2の部分を含むスイッチであって、前記第1の部分は、前記第2の部分に対して動くことができ、前記第1の部分は、第1の位置と第2の位置との間で動くことができ、前記第1の部分は、前記第1の部分がその第2の位置に動かされると、前記発射駆動装置を前記発射部材から動作可能に外し、かつ前記第1の歯車を前記第2の歯車と動作可能に係合させるように構成され、前記第2の部分は、前記第1の部分を前記第2の位置に動かすために選択的に操作されるように構成されている、スイッチと、
を含む、外科用器具。
(10) 実施態様9に記載の外科用器具において、
フレーム、
をさらに含み、
前記第1および第2の部分は、前記フレームに対して回転可能に据え付けられている、外科用器具。
(11) 実施態様9に記載の外科用器具において、
前記第1の歯車は、前記第1の部分に係合し、かつ前記第1の部分を前記第1の位置と前記第2の位置との間で動かすように構成された、カムと、動作可能に係合されている、外科用器具。
(12) 実施態様11に記載の外科用器具において、
前記カムは、前記発射トリガーの前記作動の際に、前記第1の部分に係合するように構成されている、外科用器具。
(13) 実施態様9に記載の外科用器具において、
前記第1の部分は、前記発射駆動装置が前記発射部材を前進させるのを妨げるために第1のキーを前記発射駆動装置と動作可能に係合させるように構成され、
前記第1の部分は、前記第1の部分が前記第2の位置に動かされると、第2のキーを前記第1の歯車および前記第2の歯車と動作可能に係合させるように、さらに構成されている、外科用器具。
(14) 実施態様9に記載の外科用器具において、
前記第2の部分は、前記第2の部分から延びるハンドルを含み、
前記ハンドルは、前記第1の部分を前記第1の位置と前記第2の位置との間で動かすために、前記ハンドルに加えられる力を受けるように構成されている、外科用器具。
(15) 実施態様9に記載の外科用器具において、
前記第2の部分は、前記トリガーが前記作動から解放されるまで、前記第1の部分を前記第1の位置から前記第2の位置に動かすことができない、外科用器具。
(16) 手術のために器具を処理する方法において、
実施態様9に記載の外科用器具を手に入れることと、
前記外科用器具を滅菌することと、
滅菌容器内に前記外科用器具を保管することと、
を含む、方法。
(17) 外科用器具において、
エンドエフェクタと、
発射部材と、
トリガーと、
前記発射部材と選択的に係合可能な発射駆動装置であって、前記発射駆動装置は、前記トリガーの作動の際に、前記エンドエフェクタに対して前記発射部材を前進させるように構成されている、発射駆動装置と、
前記発射部材と選択的に係合可能な逆動駆動装置であって、前記逆動駆動装置は、前記トリガーの次の作動の際に、前記エンドエフェクタに対して前記発射部材を後退させるように構成されている、逆動駆動装置と、
第1のカムであって、前記第1のカムが作動されると、前記発射駆動装置を前記発射部材から動作可能に外し、かつ前記逆動駆動装置を前記発射部材と動作可能に係合させるように構成された、第1のカムと、
前記第1のカムを選択的に作動させるように構成された、第2のカムと、
を含む、外科用器具。
(18) 実施態様17に記載の外科用器具において、
前記逆動駆動装置は、前記発射部材が前進させられると、前記第1のカムを作動させるように構成された、第3のカムを含む、外科用器具。
(19) 実施態様17に記載の外科用器具において、
前記第1のカムは、前記第1のカムが作動されると、前記発射駆動装置が前記発射部材を前進させるのを妨げるために前記発射駆動装置内に第1のキーを付勢し、かつ前記逆動駆動装置を前記発射部材と動作可能に係合させるために前記逆動駆動装置内に第2のキーを挿入するように構成されている、外科用器具。
(20) 実施態様17に記載の外科用器具において、
前記第2のカムは、前記第2のカムから延びるハンドルを含み、
前記ハンドルは、前記第1のカムおよび前記第2のカムを動かすために、前記ハンドルに加えられる力を受けるように構成されている、外科用器具。
(21) 手術のために器具を処理する方法において、
実施態様17に記載の外科用器具を手に入れることと、
前記外科用器具を滅菌することと、
滅菌容器内に前記外科用器具を保管することと、
を含む、方法。
本発明の実施形態による外科用器具の立面図である。
図1の外科用器具のハンドル部分の立面図である。
図1の外科用器具のエンドエフェクタの立面図である。
図3のエンドエフェクタの上面図である。
図1の外科用器具の関節運動継手の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図1の外科用器具の細長いシャフト組立体および関節運動継手の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図1の外科用器具のハンドル部分および細長いシャフト組立体の部分的斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図2のハンドル部分の立面図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図2のハンドル部分の立面図であり、外科用器具の構成要素がさらに取り除かれている。
本発明の代替的実施形態による外科用器具の関節運動ロック機構のアクチュエータおよびエンドエフェクタ閉鎖システムの立面図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図10の外科用器具の立面図であり、ロックされていない位置にある関節運動ロック機構アクチュエータ、および開いた形態にあるエンドエフェクタ閉鎖システムを示している。
図10の外科用器具の立面図であり、ロックされていない位置にある関節運動ロック機構アクチュエータ、および部分的に閉じた形態にあるエンドエフェクタ閉鎖システムを示している。
図10の外科用器具の立面図であり、ロックされた位置にある関節運動ロック機構アクチュエータ、および閉じた形態にあるエンドエフェクタ閉鎖システムを示している。
図1の外科用器具のエンドエフェクタ閉鎖システムの閉鎖トリガーの立面図である。
図14の閉鎖トリガーの部分的斜視図である。
図14の閉鎖トリガーの部分的立面図である。
図1の外科用器具のトリガーロックの斜視図である。
図17のトリガーロックの立面図である。
図1の外科用器具の発射駆動装置の詳細図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図19の発射駆動装置の斜視図である。
図19の発射駆動装置の発射トリガー、歯止め、およびティルター機構の部分的な詳細図である。
図19の発射駆動装置の歯止め、ティルター機構、および歯止め戻しバネの立面図である。
図22の歯止めの立面図である。
図19の発射駆動装置の詳細図であり、発射駆動装置の発射リンクに係合する位置に旋回された歯止めを示している。
図22のティルター機構の斜視図である。
図1の外科用器具のフレームの斜視図である。
本発明の代替的実施形態による外科用器具の発射駆動装置の詳細図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれている。
図27の発射駆動装置の詳細図であり、発射リンクから外された発射駆動装置の歯止めを示している。
請求項1の外科用器具の戻し機構の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が取り除かれた状態で非作動位置にある発射トリガーを示している。
図29の戻し機構の部分的斜視図であり、戻し機構の一部の構成要素が取り除かれた状態で作動位置にある発射トリガーを示している。
図30に示された形態に配列された、図29の戻し機構の立面図である。
図29の戻し機構の立面図であり、作動位置にある戻し機構の戻し輸送部を示している。
図29の戻し機構の部分的斜視図であり、戻し機構の一部の構成要素が取り除かれている。
図19の発射駆動装置の歯止めおよび発射ピンの斜視図である。
図29の戻し機構の斜視図であり、作動位置にある戻し輸送部、および非作動位置まで戻された発射トリガーを示している。
図35に示された形態に配列された図29の戻し機構の部分的斜視図であり、発射トリガーと動作可能に係合された戻し機構の戻しピンを示している。
図29の戻し機構の部分的斜視図であり、戻しピンを回転させた後、作動位置にある発射トリガーを示している。
図37に示された形態に配列された図29の戻し機構のさらなる斜視図である。
図29の戻し機構の部分的斜視図であり、非作動位置まで戻された発射トリガーを示している。
図29の戻し機構の斜視図であり、非作動位置まで戻された戻し輸送部を示している。
図40の形態に配列された図29の戻し機構の斜視図であり、戻し機構の一部の構成要素が除去された状態で、戻し機構の付勢バネと戻しバネとの間の相対関係を示している。
図40の形態に配列された図29の戻し機構の斜視図であり、発射駆動装置および戻し機構をそれらの最初の形態にリセットするために、発射駆動装置の発射ピンおよび戻し機構の戻しピンと動作可能に係合された、戻し輸送部を示している。
図29の戻し機構のリールの詳細図であり、戻し機構の戻しバンドと図26のステープラフレームとの間の相対関係を示している。
図43のリールの詳細図であり、戻しバンドと図26のステープラフレームの代替的実施形態との間の相対関係を示している。
後退防止ラチェット機構を有する、本発明の代替的実施形態による外科用器具の戻し機構の斜視図である。
非作動位置にある戻し輸送部を有する、図45の戻し機構の立面図である。
図45の戻し機構の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図45のラチェット機構の戻しギア、戻しピン、および後退防止用歯止めの斜視図である。
図45の戻し機構の別の立面図である。
図5の関節運動継手の斜視図である。
図5の関節運動継手の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図5の関節運動継手の斜視図であり、外科用器具の構成要素がさらに除去されている。
図3のエンドエフェクタのロック部材の斜視図である。
図53のエンドエフェクタロック部材の別の斜視図である。
図53のエンドエフェクタロック部材の底面図である。
図53のエンドエフェクタロック部材の立面図である。
以前の外科用器具の関節運動継手の部分的な斜視図である。
図5の関節運動継手の斜視図であり、エンドエフェクタおよび細長いシャフト組立体の一部の構成要素が除去されている。
図5の関節運動継手の別の斜視図であり、エンドエフェクタおよび細長いシャフト組立体の一部の構成要素が除去されている。
細長いシャフト組立体のロック部材と動作可能に係合された、図53のエンドエフェクタロック部材の斜視図である。
図60のシャフト組立体ロック部材の斜視図である。
図60のシャフト組立体ロック部材と動作可能に係合された、図53のエンドエフェクタロック部材の底面図である。
本発明の代替的実施形態による外科用器具の関節運動継手の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図63の外科用器具のシャフト組立体ロック部材と動作可能に係合されたエンドエフェクタロック部材の上面図である。
図64のシャフト組立体ロック部材と動作可能に係合されたエンドエフェクタロック部材の斜視図である。
図64のエンドエフェクタロック部材の斜視図である。
図64のエンドエフェクタロック部材の立面図である。
本発明の実施形態による外科用器具の立面図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図68の外科用器具の立面図であり、作動位置にある閉鎖トリガーを示している。
図68の外科用器具の立面図であり、発射トリガーの1回目の作動後に、作動位置にある発射トリガーを示している。
発射部材を後退させるための、図68の外科用器具の逆動機構の歯車列の斜視図である。
図68の外科用器具の立面図であり、1回目の作動から解放された後の、非作動位置にある発射トリガーを示している。
図68の外科用器具の立面図であり、発射トリガーの2回目の作動後に、作動位置にある発射トリガーを示している。
図68の外科用器具の立面図であり、2回目の作動から解放された後の、非作動位置にある発射トリガーを示している。
図68の外科用器具の立面図であり、発射トリガーの3回目の作動後に、作動位置にある発射トリガーを示している。
図68の外科用器具の別の立面図であり、作動位置まで下方に回転された後の、逆動機構の戻し輸送部を示している。
図71の逆動機構の歯車列のトリガーギア、キーギア、および戻しピンの斜視図である。
図68の外科用器具の断面図であり、図71の逆動機構のトリガーギアおよびキーギアと動作可能に係合された、図77の戻しピンを示している。
図77の戻しピンの斜視図である。
作動位置にある、図76の戻し輸送部の別の立面図である。
図68の外科用器具の発射駆動装置の歯止めと係合された、発射ピンの斜視図である。
作動位置にある図68の外科用器具の戻し輸送部、および、発射部材と動作可能に係合された逆動機構の立面図である。
図68の外科用器具の立面図であり、発射部材を後退させた4回目の作動後に、作動位置にある発射トリガーを示している。
図76の逆動機構の斜視図であり、一部の構成要素が除去されている。
図68の外科用器具の立面図であり、4回目の作動から解放された後の、非作動位置にある発射トリガーを示している。
図68の外科用器具の立面図であり、非作動位置まで上方に回転された図76の戻し輸送部を示しており、非作動位置にある閉鎖トリガーも示している。
本発明の代替的実施形態による外科用器具の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
歯車列を含む図87の外科用器具の逆動機構の斜視図であり、外科用器具の発射部材が前進させられたときに歯車列の歯車が回転することができる方向を示している。
図88の逆動機構のトリガーギアおよび戻しピンの斜視図であり、トリガーギアを断面で示している。
図89のトリガーギアおよび戻しピンの別の斜視図であり、トリガーギアとの動作可能な係合から外れた戻しピンを示している。
図89のトリガーギアおよび戻しピンの斜視図であり、トリガーギアと再び係合された戻しピンを示している。
図88の逆動機構の斜視図であり、発射部材が後退されたときに歯車列の歯車が回転する方向を示している。
図88の逆動機構のさらなる斜視図である。
図87の外科用器具の斜視図であり、トリガーに加え、図88の逆動機構の歯車に係合するように構成されたトリガーロックを示している。
本発明の代替的実施形態による外科用器具の逆動機構の立面図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去された状態で、非作動位置にある戻し輸送部を示している。
図95の逆動機構の斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素がさらに除去された状態で、ラチェット面を有するトリガーギア、さらにラチェット面を有するキーギアを示している。
図96の構成で示された、図95の逆動機構の断面図である。
図95の逆動機構の戻しピンの斜視図である。
図95の逆動機構の立面図であり、作動位置にある戻し輸送部を示している。
図95の逆動機構の斜視図であり、トリガーおよびキーギアのラチェット面が、互いと係合されている。
図68の外科用器具の発射駆動装置および逆動駆動装置を含む、本発明の代替的実施形態による外科用器具の立面図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されており、発射駆動装置の歯止めが、発射部材に対して引っ込められた際の様子が示されている。
図101の外科用器具の立面図であり、発射部材と動作可能に係合された歯止めを示している。
図101の外科用器具の立面図であり、発射部材が、その意図された位置まで非意図的に逆進した際の、歯止めと、発射部材の凹部との間の正しくない整列を示している。
後退防止機構を含む、本発明の代替的実施形態による外科用器具の立面図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図104の後退防止機構の戻しピンの斜視図である。
図105の戻しピンから延びるキーの詳細図である。
図104の後退防止機構の割出要素の斜視図である。
図107の割出要素と動作可能に係合された、図105の戻しピンの斜視図である。
戻しピンおよび割出要素の斜視図であり、割出要素の第1の孔の中に位置付けられた戻しピンのキーを示している。
図109の戻しピンのキーおよび割出要素の別の斜視図である。
戻しピンのキーが第1の孔から割出要素の第2の孔まで動かされたときに、割出要素を押し下げている戻しピンのキーの斜視図である。
割出要素の第2の孔の中に位置付けられた戻しピンのキー部分の斜視図である。
戻しピンのキーが第2の孔から割出要素の第3の孔まで動かされたときに、割出要素を押し下げている戻しピンのキーの斜視図である。
割出要素の第3の孔の中に位置付けられた戻しピンのキー部分の斜視図である。
戻しピンのキーが第3の孔から割出要素の第4の孔まで動かされたときに、割出要素を押し下げている戻しピンのキーの斜視図である。
割出要素の第4の孔の中に位置付けられている戻しピンのキー部分の斜視図である。
図107の割出要素の断面図である。
本発明の代替的実施形態による割出要素、および、この割出要素と動作可能に係合された戻しバネの斜視図である。
図112の割出要素の断面図である。
本発明の別の代替的実施形態による割出要素の斜視図である。
本発明の代替的実施形態による後退防止機構を含む外科用器具の部分的斜視図であり、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図115の後退防止機構の断面図である。
図115の外科用器具の斜視図であり、作動位置にある逆動機構の戻し輸送部を示している。
図117の戻し輸送部がその作動位置にあるときの、図115の後退防止機構の断面図である、
本発明の代替的実施形態による外科用器具の斜視図であり、外科用器具の逆動駆動装置を作動させるためのスイッチを示すために、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
本発明の別の代替的実施形態による外科用器具の部分的立面図であり、外科用器具の逆動駆動装置を作動させるためのスイッチを示すために、外科用器具の一部の構成要素が除去されている。
図120の外科用器具の部分的立面図であり、作動位置にあるスイッチの第1の部分を示している。
図120の外科用器具の部分的立面図であり、作動位置にある、スイッチの第1の部分を位置付けるために用いられるスイッチの第2の部分を示している。