以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図19は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。
前枠3は例えば合成樹脂製で、図2、図4〜図6等に示すように、外枠2の前面側に当接する矩形状の枠部4と、この枠部4の内側下部に配置される下部装着部3aと、枠部4の内側上部に配置される上部装着部3bとを一体に備え、下部装着部3aに発射手段5等が、上部装着部3bに遊技盤6等が夫々配置されている。枠部4は上下一対の横枠部4a,4bと、左右一対の縦枠部4c,4dとで構成されており、前枠3はその左右一端側、例えば左縦枠部4c側に設けられた上下方向のヒンジ7により外枠2に着脱、開閉自在に枢支されている。
前枠3の前側には、下部装着部3aに対応する前面開閉板9と、上部装着部3bに対応するガラス扉10とがヒンジ7と同じ側のヒンジ11により開閉自在に枢支されている。前面開閉板9にはその前側に発射手段5に供給するための遊技球を貯留する供給皿12、発射手段5を作動させるための発射ハンドル13等が設けられている。
ガラス扉10は、図1、図4等に示すように、遊技盤6の遊技領域6aを透視可能なガラス窓14の窓孔を有する例えば板金製の扉枠15と、この扉枠15の前側に装着された合成樹脂製の化粧カバー16と、扉枠15の裏側に装着されたガラスユニット17とを備え、前枠3側に閉じたとき、扉枠15の外縁側が上横枠部4a及び左右の縦枠部4c,4dの前側に略当接すると共に、ガラスユニット17がその内側に嵌合するようになっている。ガラスユニット17は、前後二枚のガラス板18と、この二枚のガラス板18を外周で保持する合成樹脂製の保持枠19とで構成されており、扉枠15の裏側に設けられた締結摘まみ20により扉枠15に着脱自在に装着されている。
下部装着部3aは、下横枠部4bの上側に沿って横長状に形成されており、図2に示すようにその前側の例えば左右方向略中央に発射手段5が配置され、前面開閉板9側の供給皿12から発射手段5に発射用の遊技球が供給されるようになっている。発射手段5は、板金製の支持板21と、この支持板21の前面に装着された発射レール22と、支持板21の前面で前後方向の駆動軸廻りに揺動自在に支持された打撃槌23と、支持板21の裏側に装着され且つ打撃槌23を打撃方向に駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段24等を備え、発射ハンドル13が操作されたときに発射駆動手段24により打撃槌23を打撃方向(時計廻り)に間欠的に駆動することにより、供給皿12から発射レール22上に供給された遊技球を発射レール22に沿って打撃して遊技盤6側に発射させるようになっている。
発射手段5の左側には、後述の払い出し手段63(図3参照)から払い出された遊技球を前面開閉板9側の供給皿12に排出するための払い出し口25等が、右側には下部スピーカ26等が夫々配置されている。下部スピーカ26はスピーカユニット27と、このスピーカユニット27を収容するスピーカボックス28とで構成されており、下部装着部3aに後ろ向きの凹入状に形成された収容部29(図5、図6参照)内に着脱自在に装着されている。
上部装着部3bは、図4〜図6に示すように枠部4の内側で且つ下部装着部3aの上側に配置され、外枠2の内側に嵌合可能な後ろ向き膨出状に形成されており、その前部に遊技盤6を装着可能な遊技盤装着枠30が設けられている。上部装着部3bにおける遊技盤装着枠30よりも後側が遊技盤6の後部側を略覆う後部ケース31となっており、その上部の左右両端側には一対の上部スピーカ32が着脱自在に装着されている。
遊技盤6はベニヤ板等により略矩形状に形成されており、図2に示すように、その前面側には発射手段5により発射された遊技球を遊技領域6aの上部側に案内する外レール(ガイドレール)33aと、遊技領域6aの周囲を規定する周壁の少なくとも一部を構成する内レール(ガイドレール)33bとが立設されると共に、遊技領域6a内には略中央に画像表示手段を備えたセンターケース34aの他、通過ゲート34b、開閉式入賞手段34c、大入賞手段34d、普通入賞手段34e等の各種遊技部品が装着されている。
外レール33a及び内レール33bはガイドレールを構成するもので、外レール33aは遊技盤6の下部側の左右方向略中央位置又はそれよりも若干左寄りの位置から遊技盤6の左端側及び上端側を経て右上部側まで略円弧状に配置され、内レール33bは遊技盤6の左上方から下部側の左右方向略中央まで外レール33aに並行するようにその内側に配設され、更にそのまま遊技盤6の右縁部近傍まで略円弧状に延設されている。また遊技盤6の右端部には、外レール33aと内レール33bの端部間を連結する略円弧状の連結レール部40aを備えた例えば合成樹脂製の装飾部材40が配置されている。
遊技盤6の裏面側には、図4、図7に示すように、センターケース34a等の遊技部品を後側から覆う裏カバー35が装着され、この裏カバー35の背面側に主制御基板36aが格納された主基板ケース36、演出制御基板37aが格納された演出基板ケース37、液晶制御基板38aが格納された液晶基板ケース38等が着脱自在に装着されている。
裏カバー35は、上部側の上部カバー35aと下部側の集球ケース35bとで構成されており、これら上部カバー35aと集球ケース35bは遊技盤6の裏面に個別に装着されている。集球ケース35bは下部側に排出口39を備え、大入賞手段34d等に入賞して遊技盤6の裏側に案内された遊技球を排出口39側に誘導して下向きに排出するように構成されている。なお、演出基板ケース37、液晶基板ケース38は上部カバー35aの裏側に装着され、主基板ケース36は集球ケース35bの裏側に装着されている。
遊技盤装着枠30は、図2、図4〜図6等に示すように、上横枠部4aの内周側に設けられる上支持枠41、下部装着部3aの上縁側に設けられる下支持枠42、左縦枠部4cの内周側に設けられる左支持枠43、右縦枠部4dの内周側に設けられる右支持枠44により、遊技盤6を前側から着脱できるように前面側が開放された矩形状に形成されている。上下左右の支持枠41〜44は、夫々遊技盤6をその上下左右の縁部において支持するもので、遊技盤6の外周面に沿って配置される周壁部41a〜44aと、遊技盤6の背面に沿って配置される後壁部41b〜44bとを夫々備えている。
また支持枠41〜44のうちの一つ、例えば左支持枠43側には、例えば周壁部43aから遊技盤6の前面側に沿って突設される前係合部43cと、例えば後壁部43b上又はその内周側に配置され且つ遊技盤6の端部(左端部)を前側の前係合部43c側に付勢する板ばね等よりなる付勢手段43dとが設けられており、遊技盤6の左縁部をその外周面側及び前後両面側の三方から挟み込み、付勢手段43dにより前側、即ち前係合部43c側に押圧して支持するようになっている。
遊技盤装着枠30には、遊技盤装着枠30に前側から装着された遊技盤6を解除可能に
固定する複数、例えば上下2つのロック手段45a,45bが前係合部43cとは反対の端部側に対応して設けられており、このロック手段45a,45bにより遊技盤装着枠30内で遊技盤6を基準位置O(図2参照)側へと押圧して固定するようになっている。なお、ロック手段45a,45bと押圧手段とを別々に設け、押圧手段により遊技盤装着枠30内で遊技盤6を基準位置O側へと押圧するようにしてもよい。
例えば、図2、図5に示すように、周壁部41a,44aの内周面に前後方向の案内リブ41c,44cを複数個設け、遊技盤装着枠30内に遊技盤6を嵌合する際に、その各案内リブ41c,44cにより遊技盤6を基準位置O側へと案内すようにしてもよい。
基準位置Oは、発射手段5から発射された遊技球が遊技盤6の外レール33a側へと入る始端側、即ち遊技盤装着枠30の4つの隅部のうち、下部側で且つ前係合部43c側の隅部に設定されている。
従って、遊技盤6を遊技盤装着枠30に装着する場合には、図2に示すように基準位置Oを基準にして遊技盤6の左縁部を遊技盤装着枠30内に挿入した後、遊技盤6の左縁部を前係合部43cに係合させて、その係合部分を支点位置P(図4参照)として回動させながら遊技盤6の右側を遊技盤装着枠30内へと後方に押し込み、また遊技盤6を取り外す場合には、逆に支点位置P廻りに右側から遊技盤6を前側へと取り出すことになる。
後部ケース31は、図4〜図6等に示すように、遊技盤6の裏側の裏カバー35の外周面に沿って配置される上下左右の周壁部50〜53で構成され、その周壁部50〜53の後端に裏カバー35の背面に沿って後壁部54が設けられている。後壁部54には、その略中央に遊技盤6の裏側の基板ケース36〜38等が嵌合する開口部55が設けられると共に、この開口部55を後側から開閉可能に覆う開閉カバー56(図3参照)が着脱自在に装着されている。
後部ケース31の下周壁部51には、図6に示すように、集球ケース35bの排出口39に対応する切り欠き部57と、遊技盤6の下部のアウト口58(図2参照)から遊技盤6の裏側に案内された遊技球を切り欠き部57側に誘導する傾斜案内部59とが設けられている。
後部ケース31の背面側には、図3に示すように、開口部55の上側に遊技球タンク60とタンクレール61とを備えた遊技球タンクユニット62が着脱自在に装着され、また開口部55の左右一側に払い出し手段63と払い出し通路64とを備えた払い出しユニット65が着脱自在に装着されており、遊技球が大入賞手段34d等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク60内の遊技球をタンクレール61を経て払い出し手段63により払い出し、その遊技球を払い出し通路64、払い出し口25を経て供給皿12に案内するようになっている。
また後部ケース31の下側で且つ下部装着部3aの背面側には、図3に示すように、基板装着台66が着脱自在に装着されており、この基板装着台66の背面側に、例えば電源基板67が格納された電源基板ケース68と、払い出し制御基板69が格納された払い出し基板ケース70とが着脱自在に装着されている。
遊技盤6の裏側には図4、図7に示すように盤側コネクタ72a〜72dを有する盤側ジョイント部73が、前枠3の裏側には図4、図5に示すように、枠側コネクタ74a〜74dを有する枠側ジョイント部75が夫々前後に対応して設けられており、遊技盤6を前枠3に対して着脱するときに、盤側ジョイント部73の盤側コネクタ72a〜72dと枠側ジョイント部75の枠側コネクタ74a〜74dとが着脱して、遊技盤装着枠30に遊技盤6を装着したときに前枠3側と遊技盤6側との電気系統を一括して接続・切断するようになっている。
盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dは電気系統の対象別に複数あり、例えば図8に示すように接続されている。即ち、盤側コネクタ72aは中継コネクタ76a、ハーネス77aを介して主制御基板36aの信号出力部に接続され、盤側コネクタ72bは中継コネクタ76b、ハーネス77bを介して主制御基板36aの電源部に接続され、盤側コネクタ72cは中継コネクタ76c、ハーネス77cを介して演出制御基板37aの演出信号出力部に接続され、盤側コネクタ72dは中継コネクタ76d、ハーネス77dを介して演出制御基板37a、液晶制御基板38aの電源部に接続されている。
また枠側コネクタ74aはハーネス78aを介して払い出し制御基板69に接続され、枠側コネクタ74bはハーネス78bを介して電源基板67に接続され、枠側コネクタ74cはハーネス78cを介して、ガラス扉10の前面側の装飾ランプ(図示省略)を制御する装飾制御基板79に接続され、枠側コネクタ74dはハーネス78dを介して電源基板67に接続されている。
この盤側コネクタ72a〜72d、枠側コネクタ74a〜74dが装着された盤側ジョイント部73と枠側ジョイント部75は、図4に示すように、遊技盤6の着脱時の支点位置Pと反対側の端部で遊技盤6及び遊技盤装着枠30に前後に相対応して装着されると共に、その支点位置Pと反対側が後方となり支点位置Pに近い側が前方となるように傾斜状に配置されている。そして、支点位置P廻りに回動させながら遊技盤6を遊技盤装着枠30に対して着脱するときに、盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとが、その支点位置Pを中心とする円の略接線方向に着脱するようになっている。
盤側ジョイント部73は、図4、図9〜図14等に示すように、遊技盤6の裏部材である集球ケース35bの突出部81の一側下部に形成された傾斜部82の裏面側に配置されている。
即ち、集球ケース35bは、図4、図9〜図11に示すように、後方へと突出する突出部81と、この突出部81の一側下部で遊技盤6の下隅の近傍に配置され且つ突出部81よりも低く遊技盤6側に接近して段状に形成された傾斜部82とを有し、その傾斜部82の裏側に、盤側コネクタ72a〜72d、中継基板83a〜83c、コネクタカバー84等を有する盤側ジョイント部73が配置されている。
傾斜部82とその裏面に装着された中継基板83a〜83cは図4に示すように前後に近接しており、傾斜部82又は中継基板83a〜83cの一方が遊技盤6の前面左縁部、即ち支点位置P又はその近傍を通る直線上に配置され、他方がそれに近接して略平行に配置されている。従って、傾斜部82は支点位置Pから遠い外側が遊技盤6から後方に離れ、近い内側が遊技盤6側に接近するように傾斜状に設けられており、この傾斜部82の左側に突出部81の側壁81aが、上側に突出部81の下壁81bが夫々近接している。
各盤側コネクタ72a〜72dは、図4、図9〜図11に示すように、その長手方向を左右にして上下方向に配置され、中継基板83a〜83cの裏面に固定されている。盤側コネクタ72a〜72dは嵌合凹部85aと、この嵌合凹部85a内に設けられた多数のピン群85bとを有する。嵌合凹部85aの開口端側の内周には、遊技盤6の装着時に枠側コネクタ74a〜74dを嵌合凹部85a内へと案内する案内部85cが傾斜状に形成されている。
各中継基板83a〜83cは左右方向に長く構成されており、その突出部81から遠い側に盤側コネクタ72a〜72dが、近い側に中継コネクタ76a〜76dが夫々装着されている。そして、各中継基板83a〜83cは傾斜部82の裏面に区画して形成された各基板取り付け部86に裏側から嵌合され、その内周側に設けられた受け部87に裏側から当接した状態でネジ88とコネクタカバー84とにより傾斜部82に着脱自在に固定されている。各中継コネクタ76a〜76dにはハーネス77a〜77dが着脱自在に接続されている。
主制御基板36aの信号出力用の盤側コネクタ72aと電源用の盤側コネクタ72bは中継基板83aに設けられており、演出制御基板37aの演出信号出力用の盤側コネクタ72cと、演出制御基板37a及び液晶制御基板38aの電源用の盤側コネクタ72dは共通の中継基板83b,83cに設けられている。各基板取り付け部86は中継基板83a〜83cに対応して区画され、その各基板取り付け部86には内周側に所定の間隔をおいて受け部87が設けられている。
各中継基板83a〜83cはコネクタカバー84と反対側の端部で傾斜部82の固定部88aに螺合するネジ88により固定されているが、突出部81の側壁81a側ではコネクタカバー84により固定されている。
コネクタカバー84は、図10に示すように、中継コネクタ76a〜76d及びハーネス77a〜77dを覆うためのものであり、同時に各中継基板83a〜83cを傾斜部82側に押える基板押えを兼用している。このコネクタカバー84は、図12〜図14に示すように、盤側コネクタ72a〜72dと中継コネクタ76a〜76dとの間で各中継基板83a〜83cに跨がって配置され且つ中継基板83a〜83c側から後方に突出する覆い部90と、この覆い部90の側壁81a側に一体に形成され且つ各中継コネクタ76a〜76d毎に上下に仕切る前後方向の複数の仕切り壁91と、上下両端の仕切り壁91を除く中間の仕切り壁91に形成された取り付け部92とを有し、その取り付け部92が側壁81aの近傍で傾斜部82から後方に突出する固定部93に後側からネジ94により着脱自在に固定されている。
覆い部90は、図10に示すように、中継コネクタ76a〜76dの後方近傍に段部90aを有し、その段部90aから前側の前部90bが中継基板83a〜83cに略直角であり、段部90aから後側の後部90cが側壁81a側に傾斜している。このためコネクタカバー84は、その後部90cが側壁81a側に傾斜することにより、中継コネクタ76a〜76dを覆いハーネス77a〜77dが盤側コネクタ72a〜72dの後方側へと食み出さないように突出部81側へと押え付けると共に、支点位置P廻りに回動させながら遊技盤6を着脱するときに枠側ジョイント部75側と干渉しないようになっている。
また覆い部90の後端は突出部81の側壁81aとの間に所定の間隙をおいて配置されている。下端の仕切り壁91を除く各仕切り壁91の側壁81a側の端縁は、覆い部90の後端から中継コネクタ76a〜76dの後側近傍までの間が遊技盤6に対して略垂直になっており、各中継コネクタ76a〜76dに対するハーネス77a〜77dの接続を容易にできるように、覆い部90の後端から側壁81a側に突出しない形状となっている。なお、下端の仕切り壁91は、ハーネス77a〜77dが下側へと垂れ下がらないように集球ケース35bの突出部81に近接してその下側へと延びている。
取り付け部92は、図9、図10に示すように、遊技盤6に対して略垂直な有底状の嵌合筒部92aにより構成されている。嵌合筒部92aは上下両側を除く中間の複数の仕切り壁91の前端部に側壁81a側へと一体に突出して形成されており、その中心が突出部81とコネクタカバー84の後端との間隙の中間を通るように遊技盤6に対して略垂直に設けられている。固定部93は突出部81の側壁81aの近傍で傾斜部82から後方に突出する円柱の突起状であり、この固定部93に嵌合筒部92aが裏側から着脱自在に套嵌されている。
なお、取り付け部92を設けるに当たっては、中間の複数の仕切り壁91うち、その一部である複数仕切り壁91に設けてもよく、上下両側を除く中間の仕切り壁91の全てに設ける必要はない。
固定部93は遊技盤6に対して略垂直であり、突出部81の側壁81aに近接して設けられ、前後方向の連結リブ93aにより側壁81aと一体になっている。嵌合筒部92aには連結リブ93aに対応して偏平部にスリット92bが設けられている。突出部81と覆い部90との後端間には所定の間隔があり、取り付け部92の後方側はドライバ等によりネジ94を容易に操作できるように開放状になっている。なお、コネクタカバー84の前端は各中継基板83a〜83cに当接している。
枠側ジョイント部75は、図4、図5、図15〜図18に示すように、各盤側コネクタ72a〜72dに対応して取り付け板97に装着された枠側コネクタ74a〜74dを有し、遊技盤6を遊技盤装着枠30に装着したときに盤側ジョイント部73と前後に相対応して中継基板83a〜83cと略平行となるように配置されている。即ち、遊技盤装着枠30の後側の後部ケース31には、枠側ジョイント部75の取り付け台98が設けられ、この取り付け台98の前面に形成された複数箇所の取り付けボス99にネジ100等を介して取り付け板97が着脱自在に固定されている。
取り付け台98は、図4、図5、図15〜図18に示すように、後部ケース31の下部周壁部51及び右周壁部53側の二辺に跨がって一体に形成され且つ枠側ジョイント部75を裏側から覆う矩形状の後壁部98aを有し、この後壁部98aが下部周壁部51、右周壁部53と、他の二辺から前側へと屈曲する屈曲壁98b,98cとにより取り囲まれている。後壁部98aの前面側の周縁側に複数の取り付けボス99が設けられている。
取り付け板97には、図16、図18に示すように、底部が中継基板83a〜83cと略平行に傾斜する4個の傾斜凹部101が凹入状に形成され、この各傾斜凹部101の底部の前面にはその開口101aに一部が嵌合するように、各盤側コネクタ72a〜72dに対応する枠側コネクタ74a〜74dが取り付けられている。
枠側コネクタ74a〜74dは、図15〜図18に示すように、盤側コネクタ72a〜72dの嵌合凹部85a内に嵌合可能な嵌合突部102aと、この嵌合突部102a内に設けられた多数のピン孔群102bと、左右一対の取り付け突部102cと、ピン孔群102bと取り付け突部102cとの間に設けられ且つ盤側コネクタ72a〜72dの案内部85cとの間で嵌合突部102aを嵌合凹部85aへと案内する左右一対の案内部102dとを有する。
各取り付け突部102cには図18に示すように遊動孔102eが形成され、その遊動孔102eに取り付け板97に固定されたネジ等の取り付け具102fが遊嵌されている。従って、各枠側ジョイント部75は遊動孔102eと取り付け具102fとの許容範囲内で任意の方向に遊動自在である。
各枠側コネクタ74a〜74dには取り付け板97の裏側でハーネス78a〜78dが接続され、そのハーネス78a〜78dは例えば取り付け台98の下周壁部51等に形成された取り出し口51aを経て外部に引き出された後、電源基板67、払い出し制御基板69、装飾制御基板79等に夫々接続されている。
なお、取り付け台98の屈曲壁98bは覆い部90の段部90aに近接しており、覆い部90の段部90aから後側は遊技盤6の着脱時に屈曲壁98bと干渉しないように突出部81側に傾斜している。
上記構成のパチンコ機において、遊技盤6を遊技盤装着枠30に装着する場合には、図19に二点鎖線Aで示すように、遊技盤6の左縁部を遊技盤装着枠30の基準位置Oにおいて後壁部43bと前係合部43cとの間に挿入した後、図19に一点鎖線Bで示すように、遊技盤6の反対側を遊技盤装着枠30内に押し込み、ロック手段45a,45bにより遊技盤装着枠30内で遊技盤6を固定する。
遊技盤6の基準位置Oと反対側を遊技盤装着枠30内に押し込んで行くと、その最終段階で図19に実線Cで示すように、盤側ジョイント部73の盤側コネクタ72a〜72dが枠側ジョイント部75の枠側コネクタ74a〜74dの前面側に対応した後、両案内部85c,102dの相対的な案内作用により、盤側コネクタ72a〜72dの嵌合凹部85aと枠側コネクタ74a〜74dの嵌合突部102aとが嵌合し、両コネクタ72a〜72d,74a〜74dが前枠3側と遊技盤6側との電気系統を一括して接続することができる。
遊技盤6は前係合部43cと係合する支点位置Pを中心として反時計方向に回動し、その回動により盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとが互いに嵌合して接続するが、そのとき盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dは支点位置Pを中心とする円の略接線方向に嵌合する。
従って、盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとの間に多少の位置ずれがあっても、案内部85c,102dの案内作用により、盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとを無理なく嵌合させることができる。また枠側コネクタ74a〜74dの少ない遊動量で両コネクタ72a〜72d,74a〜74dを接続することができる。
また枠側コネクタ74a〜74dの遊動量を少なく抑えて枠側ジョイント部75の複数の枠側コネクタ74a〜74d相互の位置ずれも小さくできることから、遊技盤6を遊技盤装着枠30内に押し込んだときに、各案内部85c,102dで相互に案内可能な範囲内で複数の盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとを対向させることが可能となり、盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとの一部の位置が合わないために接続できず、遊技盤6を遊技盤装着枠30に対して出し入れしながら接続作業を複数回繰り返すようなこともない。
盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとを着脱する場合、両者が接線方向に着脱するように構成することが望ましいが、遊技盤6の左右幅に比較して中継基板83a〜83cからの盤側コネクタ72a〜72dの突出量が僅かであることから、その中継基板83a〜83cを支点位置Pを通る直線上又は支点位置Pを通る直線に近接して略平行に配置して、この中継基板83a〜83cに略平行に盤側コネクタ72a〜72dを装着し、盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとが略接線方向に着脱するようにしているので、設計等を容易にできる利点がある。
枠側ジョイント部75の取り付け板97には、接続時に底部が中継基板83a〜83cと略平行に傾斜する傾斜凹部101が凹入状に形成され、この傾斜凹部101の内の前面にはその開口101aに一部が嵌合するように枠側コネクタ74a〜74dが取り付けられているので、枠側ジョイント部75の前後方向の寸法を薄くすることができる。
更に遊技盤6の裏側の集球ケース35bに傾斜部82を設けて、その傾斜部82の裏側を盤側ジョイント部73とし、この盤側ジョイント部73に、盤側コネクタ72a〜72dを有する中継基板83a〜83cを配置しているので、集球ケース35bの一部を利用して簡単な構造で盤側ジョイント部73を設けることができる。
また集球ケース35bの突出部81の近傍に傾斜部82があり、この傾斜部82に盤側ジョイント部73の中継基板83a〜83cを配置しているが、コネクタカバー84を押え用に兼用して、このコネクタカバー84で中継基板83a〜83cの突出部81側の端部を押えて固定しているので、スペース的に非常に窮屈であるにも拘わらず、簡単な構造で中継基板83a〜83cを確実に固定できる利点がある。
その際にコネクタカバー84と突出部81との間に所定の間隙があり、コネクタカバー84の突出部81側に、その間隙の前側に対応して取り付け部92があり、突出部81近傍の傾斜部82に取り付け部92を裏側からネジ94で固定するための固定部93があるので、コネクタカバー84の突出部81との後端側の間隙からドライバー等を挿入してコネクタカバー84を容易に固定できる。
また取り付け部92をその中心がコネクタカバー84と突出部81との後端側の間隙を通る方向の有底筒状とし、固定部93を取り付け部92が裏側から着脱自在に嵌合する前後方向の突起状とすることにより、ネジ94の締め付け前の時点でコネクタカバー84の姿勢を安定したものにすることができる。更に嵌合筒部92aの前端を中継基板83a〜83cに当接させることにより、中継基板83a〜83cを突出部81側の端部で固定できる。
図20、図21は本発明の第2の実施形態を例示し、集球ケース35bの突出部81の一側下部に、遊技盤6の裏面と略平行な段部82aが形成され、この段部82aの裏側に側壁82bと複数の仕切り壁82cとにより、基板取り付け部86を有する傾斜部82が構成されている。
側壁82bは盤側ジョイント部73に対して側壁81aと反対側に配置されており、この側壁82bから側壁81a側に延びる仕切り壁82cが上下両端と中間に複数設けられている。仕切り壁82cの後端は側壁82bから側壁81aへと順次低くなる傾斜状である。側壁82b、仕切り壁82cの内周には中継基板83a〜83dを受ける受け部87が設けられており、側壁82b、仕切り壁82c、受け部87等によって基板取り付け部86が構成され、第1の実施形態と同様にその各基板取り付け部86に中継基板83a〜83dが取り付けられている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように盤側ジョイント部73の前側に遊技盤6と略平行な段部82aを形成して、その段部82aの裏側に基板取り付け部86を有する傾斜部82を設け、その基板取り付け部86に各中継基板83a〜83dを取り付けるようにしてもよい。
図22は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、コネクタカバー84の覆い部90は後部側が突出部81の側壁81aに接近する円弧状に構成され、前端側は中継基板83a〜83dに略垂直に当接している。取り付け部92は平板状であり、遊技盤6に対して略垂直方向のネジ94により固定部93に固定されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このようにコネクタカバー84は円弧状に構成してもよい。その場合、コネクタカバー84の後端が支点位置Pを中心して支点位置Pと前端とを結ぶ半径の内に位置するように構成することが望ましい。取り付け部92は遊技盤6に対して略垂直方向のネジ94により固定部93に固定する構造であれば、平板状、その他の形状、構造でもよい。
図23は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、盤側ジョイント部73の各盤側コネクタ72a〜72dと枠側ジョイント部75の各枠側コネクタ74a〜74dとが所定の嵌合代S1で着脱自在に嵌合する場合において、その嵌合代S1の略1/2の位置が支点位置Pを通る傾斜面S上に位置するように構成され、盤側コネクタ72a〜72d、中継基板83a〜83d、枠側コネクタ74a〜74dがその傾斜面Sに略平行に配置されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このようにすれば、遊技盤6の遊技盤装着枠30に対する着脱時に、盤側ジョイント部73の各盤側コネクタ72a〜72dと枠側ジョイント部75の各枠側コネクタ74a〜74dとを略接線方向に嵌脱することができる。
図24は本発明の第5の実施形態を例示する。中継基板83a〜83dを基準に盤側ジョイント部73に盤側コネクタ72a〜72dを配置する場合、図24(a)に示すようにその直線は遊技盤6の左端後部を通る直線上に配置してもよいし、図24(b)に示すようにその直線は遊技盤6の左端前部の前方を通る直線上に配置してもよい。
盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとを接線方向に嵌脱する場合には、第1の実施形態に例示するように支点位置Pを通る直線を基準に、その直線上に中継基板83a〜83c等を配置するのが望ましいが、必ずしも厳密な意味で支点位置Pを通る直線上にそれらを配置する必要はなく、図24(a)又は(b)に示すように配置してもよい。
何故ならば、遊技盤6の左端前部の支点位置Pの前後近傍の所要範囲、例えば支点位置Pから前後両側に遊技盤6の厚さ分、又は厚さ分それよりも若干大きい程度離れた近傍領域Zを通る直線上に中継基板83a〜83cを配置しても、盤側コネクタ72a〜72dの前後方向の寸法に比較して遊技盤6の左右幅が非常に大きくて、支点位置Pから盤側コネクタ72a〜72dまでの距離が大であるため、図24(a)又は(b)のように配置することにより、遊技盤6の回動時に盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとを略接線方向に嵌脱することが可能である。従って、遊技盤6の左端側の支点位置Pの前後両側の近傍領域Zを通る直線に中継基板83a〜83cを配置すれば十分である。またその直線上に盤側コネクタ72a〜72dの後端を配置する場合も同様である。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では盤側コネクタ72a〜72d、枠側コネクタ74a〜74dを左右方向に横長状に配置して上下方向に複数並設しているが、上下方向に長くなる縦長状に配置して左右方向に複数並設してもよい。盤側コネクタ72a〜72d、枠側コネクタ74a〜74dは、盤側ジョイント部73と枠側ジョイント部75との夫々が1個となるようにまとめて設けてもよい。また複数の盤側コネクタ72a〜72d、枠側コネクタ74a〜74dを配置する場合、その一部を横長状に配置し、残りを縦長状に配置してもよい。
枠側ジョイント部75の枠側コネクタ74a〜74dを浮動状に設ける他、盤側ジョイント部73の盤側コネクタ72a〜72dを浮動状に設けてもよいし、両コネクタ72a〜72d,74a〜74dを共に浮動状に設けてもよい。また両コネクタ72a〜72d,74a〜74dの内、その一方を上下方向に、他方を左右方向に浮動状に設けてもよい。なお、両コネクタ72a〜72d,74a〜74dを浮動不能に固定してもよい。
実施形態では盤側コネクタ72a〜72d、枠側コネクタ74a〜74dの両方に案内部85c,102dを設けているが、枠側コネクタ74a〜74dと盤側コネクタ72a〜72dとの何れか一方でもよい。また実施形態では遊技盤6の裏側の構成部材として集球ケース35bを例示し、その段部90aの裏側に盤側ジョイント部73を装着しているが、盤側ジョイント部73は集球ケース35b以外の構成部材に設けてもよい。また盤側ジョイント部73は遊技盤6の裏面に直接設けてもよい。
また枠側ジョイント部75の取り付け台98を後部ケース31の周壁部51,53に一体に設け、この取り付け台98に枠側ジョイント部75を取り付けているが、枠側ジョイント部75又は取り付け台98は遊技盤装着枠30の裏側で遊技盤6側の盤側ジョイント部73と前後に相対向するように後部ケース31とは別に設けてもよい。
実施形態では遊技盤6の一端側の下部を基準位置Oとして遊技盤6を遊技盤装着枠30に対して着脱自在とし、その基準位置Oと反対側の他端部に盤側ジョイント部73、枠側ジョイント部75を下部側に配置しているが、この盤側ジョイント部73、枠側ジョイント部75は遊技盤装着枠30の左右方向の中間位置に対応して配置してもよいし、上部側に対応して配置してもよい。
盤側コネクタ72a〜72d、枠側コネクタ74a〜74dは支点位置Pを中心とする略接線方向に着脱する構成であれば十分であり、必ずしも厳密な意味での接線方向である必要はない。
従って、各実施形態に例示するような配置の他、例えば中継基板83a〜83cの前面又は裏面を支点位置Pを通る直線上に配置し、盤側コネクタ72a〜72dの後端をその中継基板83a〜83cに近接して略平行に配置してもよい。また盤側コネクタ72a〜72dの後端を支点位置Pを通る直線上に配置し、この盤側コネクタ72a〜72dの後端と略平行に中継基板83a〜83cを配置してもよい。更に盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとの嵌合代の略半分の位置を支点位置Pを通る直線上に配置してもよいし、嵌合代の略半分の位置の前後両側の何れかの位置が支点位置Pを通る直線上に位置するように構成してもよい。
これは、実際の盤側コネクタ72a〜72dの前後方向の寸法が遊技盤6の左右幅に比較して遥かに小さいためであり、盤側コネクタ72a〜72dの後端から中継基板83a〜83cまでの間で、その何れかの部分が支点位置P又は支点位置Pの前後両側の近傍領域Zを通る直線上に位置し、他の部分がその直線に近接して略平行に配置される関係であればよい。
盤側コネクタ72a〜72dと枠側コネクタ74a〜74dとを接線方向に着脱するに当たっては、各実施形態ではその盤側コネクタ72a〜72dの後端、中継基板83a〜83c等が支点位置P又は支点位置Pの前後両側の近傍領域Zを通る直線上に位置する場合について詳述したが、第4の実施形態からも判るように、枠側コネクタ74a〜74d、その取り付け部である傾斜凹部101等、枠側ジョイント部75の特定部分が支点位置P又はその前後の近傍領域Zを通る直線上に位置するようにしてもよい。
勿論、盤側ジョイント部73の盤側コネクタ72a〜72dと枠側ジョイント部75の枠側コネクタ74a〜74dとの対向端部等、盤側ジョイント部73及び枠側ジョイント部75の両者の特定部分が支点位置P又はその前後の近傍領域Zを通る直線上に位置するようにしてもよい。
コネクタカバー84は、盤側コネクタ72a〜72dと中継基板83a〜83cとの間にあって、中継基板83a〜83c、ハーネス77a〜77dを保護でき、しかも遊技盤6の着脱時に枠側ジョイント部75側と干渉しない構造であれば、各実施形態に例示する構造以外の構造を採用してもよい。
遊技盤6は遊技盤装着枠30に対して裏側から着脱自在に装着してもよい。この場合にも盤側ジョイント部73、枠側ジョイント部75を前後に対応して配置することにより、同様に実施可能である。
また各実施形態では、遊技盤6を支持部材とし、その遊技盤6の裏側に装着された集球ケース35bを裏部材とし、この集球ケース35bの裏面にコネクタカバー84で中継基板83a〜83cを押え付けるものを例示しているが、支持部材は遊技盤6以外のものでもよいし、裏部材は集球ケース35b以外の遊技部品、例えば大入賞手段34d、センターケース34aの裏側部材、演出可動装置の支持部材等でもよい。
要するに後方に突出する突出部81を有する裏部材に、その突出部81に対して鋭角状に配置され且つ突出部81に近い側にコネクタ76a〜76dが装着された基板83a〜83cと、コネクタ76a〜76d及びコネクタ76a〜76dに接続されたハーネス77a〜77dを突出部81との間で覆うコネクタカバー84とを備え、そのコネクタカバー84で基板83a〜83cを押える構造のものであれば、盤側ジョイント部73以外のものに採用してもよい。
固定具はネジが一般的であるが、ネジ以外のものを使用してもよい。更に本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。