JP5450319B2 - 再結合器触媒性能の監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、沸騰水型原子力発電所等において設置される気体廃棄物処理系排ガス再結合器の内部に充填される再結合触媒の性能監視方法に関する。
沸騰水型原子力発電所では、原子炉内での水の放射線分解により水素と酸素が発生し、水蒸気とともにタービンに移行する。タービンで仕事を終えた水蒸気は復水器で凝縮水として回収されるが、非凝縮性の水素と酸素は気体廃棄物処理系に移行し、系内に設けられた排ガス再結合器において、再結合器内に備えられた再結合触媒によって水蒸気に再結合される。
排ガス再結合器は、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、内部に粒子状またはスポンジ状の再結合触媒が充填され、水素や酸素を含むガスが触媒充填層内を通過する時に、触媒作用により水素と酸素が再結合される。
触媒の再結合性能は、触媒の経年劣化や触媒毒物質による被毒の影響で低下することが知られている。触媒の再結合性能が低下すると、酸素と水素の反応量が減少するから、それにより反応熱も減少し、触媒や触媒周囲を流れるガスの温度が低下する。
触媒性能が低下すると触媒やガスの温度が低下する現象を利用し、触媒やガスの温度を測定して触媒性能の低下を検知する方法は、水素と酸素の再結合触媒以外では、例えば、特許文献3及び特許文献4に記載されている。
特許文献3では、自動車の排ガス浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ温度センサを取り付けて、触媒の上流側及び下流側の排気ガスの温度を比較することで触媒性能の低下を検知する。
特許文献4では、自動車の排ガス浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ温度センサを取り付けて、エンジン始動時の累積発生熱量を算出し、その累積発生熱量から触媒性能の低下を検知する。
特開平4−240595号公報 特開昭62−83301号公報 実開昭62−61919号公報 特開平9−166015号公報
排ガス再結合器において、上流側および下流側のガス温度を計測し、さらに水素流入量を知れば、水素流入量と反応熱から計算で求められる再結合器内でのガス温度の上昇量と、実測した下流側と上流側のガス温度差との相違を監視しすることにより、再結合触媒性能の低下を検知することができる。しかし、この方法では、再結合触媒性能の低下を検知した時点で、既に再結合器の下流側に反応しきれなかった水素が流出し、再結合器出口におけるガス中の水素濃度は上昇する。しかし、原子力発電所の運転中に水素濃度が上昇すると、安全上の観点により発電所の運転停止の処置が実施されるため、再結合触媒の性能低下や劣化状況を再結合器出口側の水素濃度が上昇する前に把握することが極めて重要である。このため、再結合器出口より水素が流出する前に再結合触媒性能の低下を検知し、再結合触媒の交換が必要となる時期を予測する必要があった。
本発明の目的は、再結合器出口より水素が流出する前に再結合触媒性能の低下を検知し、再結合触媒の交換が必要となる時期を予測する再結合器触媒性能の監視方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、排ガス再結合器の上流側と下流側の他に、排ガス再結合器内の再結合触媒内部にも温度センサを設け、それらの温度センサで計測した温度と、再結合器に流入する排ガスの流量および水素濃度や、流出口での排ガス温度を用いて、再結合触媒全体の性能が低下して下流側に水素が流出する前に触媒性能の低下の兆候を監視できるようにしたことにある。
本発明によれば、再結合触媒内部に設けた温度と、水素流入量から計算した温度や排ガス再結合器下流側の温度との比較により、排ガス再結合器下流側へ水素が流出する前に、再結合触媒の性能低下の兆候や、性能低下が進行して流出口で水素濃度が上昇するまでの時間を予測することができ、計画的に再結合触媒の交換を行うことができる。
本発明の実施例である再結合触媒性能監視方法のフロー図である。 沸騰水型原子力発電所における気体廃棄物処理系の概要図である。 本発明の実施例である排ガス再結合器の構造図である。 再結合触媒の被毒が進む際の温度変化の実験結果例である。 本発明の他の実施例である再結合触媒性能監視方法のフロー図である。 本発明の他の実施例である排ガス再結合器の構造図である。 本発明の実施例である各計測点での温度変化の模式図である。 本発明の他の実施例である各計測点での温度変化の模式図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
〔実施例〕
沸騰水型原子力発電所の放射性気体廃棄物処理系の構成を、図2を用いて説明する。原子炉1内で水の放射線分解によって生じた水素と酸素は、水蒸気と共にタービン2を経て主復水器3へ運ばれ、主復水器中の混入空気と共に、空気抽出器4により抽気され、空気抽出器の駆動蒸気により、爆鳴気限界以下に希釈された後、排ガス処理系へ運ばれる。運ばれた排ガスは、排ガス予熱器5で排ガスの飽和蒸気温度以上に加熱されて水分が除去された後、排ガス再結合器6に充填された再結合触媒7により酸素水素再結合反応が行われる。排ガスは再結合器出口側で水素濃度が所定濃度以下(例えば、ドライガス換算で4%以下)に減少される。また、再結合反応により発生した水蒸気は排ガス復水器8により凝縮され除去される。
次に、酸素と水素を除去された放射性排ガスは、半減期の短いクリプトン,キセノンを排ガスホールドアップ装置9により規定値以下の放射能濃度に減衰された後、排ガス抽出器10あるいは排ガスブロワにより排気筒11より大気に放出される。
排ガス再結合器6は、たて置き円筒型の圧力容器で、上部に排ガス流入口12が設けられ、水蒸気,酸素,水素,窒素等からなる排ガスが流入する。排ガス再結合器6内部には、酸素と水素を水蒸気に再結合させるために設けられた再結合触媒7を設置,保持するカートリッジ13が備えられている。
再結合触媒7には、セラミック触媒,金属触媒などがある。担体を粒状または柱状などに成形したものに活性成分を担持したものがセラミック触媒であり、多孔体のスポンジ状金属基材上に担体と活性成分を有するものが金属触媒である。粒子状のセラミック触媒の場合は、カートリッジ13内部に所定の厚さまで充填された状態で、また、金属触媒の場合は薄板状に加工し、この薄板状の金属触媒をカートリッジ13に所定の枚数積み重ね、層を形成させた状態で設置されている。
排ガス流入口12より排ガス再結合器6内に流入した排ガスは、カートリッジ13内の再結合触媒7からなる層の隙間を上から下へと流れる。この時、再結合触媒7の作用により、排ガス中の水素と酸素は再結合して水蒸気となる。再結合によって水素がなくなった排ガスは、排ガス再結合器6の下部に設けられている排ガス流出口14より流出する。
水素と酸素が再結合して水蒸気になる時に反応熱が発生するため、水素の減少量に応じて排ガスの温度が上昇する。この時の排ガスの温度は以下の数式1によって求められる。
(数式1)
1 =Q・G・m・x/(Cp・G)+T0
上記の数式において、T1 は排ガス流出口14で予想される排ガス温度、Qは水素の反応熱、Gは排ガスの流量、mは排ガス流入口12での排ガス中の水素の濃度、xは再結合した水素の割合、Cpは排ガスの比熱、T0は排ガス流入口12での排ガス温度である。このように、排ガス流量が一定であれば、再結合した水素の量と、排ガス流入口12からの排ガスの温度上昇量は比例関係にある。
再結合触媒7の性能が減少する要因に、有機ケイ素化合物のような触媒毒物質による被毒があげられる。触媒毒物質は排ガスと共に排ガス再結合器内に流入し、再結合触媒に結合して水素の再結合反応を阻害する。このとき、再結合触媒は、上流側に位置するものより順次被毒される。
図4に、実験で得られた、排ガスに触媒毒物質を混入させたときの触媒の温度変化と、排ガス流出口での排ガス中の水素濃度を示す。触媒の温度は、図4のグラフ中の右上に示すように、再結合触媒層の厚さ(排ガスが流れる方向の再結合触媒層の長さ)の1/4ずつの間隔をおいて測定しており、排ガス流入口側よりA,B,C,D点としている。D点は再結合触媒層の最も下側に位置しており、排ガス流出口14での温度とほぼ同じである。
各位置で測定した温度は、最初はほぼ同じ値で、水素流入量の設定値から数式1で計算した温度T1 にほぼ等しい。これは、最も上流側の測定位置Aで水素がほぼ全量再結合を完了していることを示す。
原子力発電所の場合、排ガス流出口側で水素濃度を常時監視しており、水素濃度が制限値を超えると、下流側での水素の燃焼を防止する必要から、原子力発電所の運転停止措置が実施される。このように、排ガス再結合器下流側での水素濃度の上昇は非常に影響が大きいことから、原子力発電所の排ガス再結合器では、再結合触媒の初期性能から求めた、排ガス流出口側で水素濃度が所定の濃度以下になるのに必要な再結合触媒厚さに対して、数倍の厚さを排ガス再結合器に備えている。このため、図4の排ガス再結合器を模擬した試験でも、再結合触媒の被毒前では、最も上流側の測定位置Aで水素がほぼ全量再結合を完了している。
触媒毒物質が排ガスと共に流入してくると、最初に最上流側の位置Aでの温度が低下し始め、位置Aよりも上流側の再結合触媒が触媒毒物質により被毒され、再結合性能が低下していることがわかる。この時、流出口での水素濃度はまだ上昇しておらず、位置B,C,Dの温度はまだ温度T1 にほぼ等しいままである。これは位置Aより下流側ではまだ被毒が進んでいないため、位置Aと位置Bの間で水素が再結合され、排ガス再結合器としてはまだ所定の性能を満たしている状態である。
その後、位置B,位置C,位置Dの温度が順次低下し、触媒毒物質による被毒が上流側より進展するにつれて、上流側より温度が低下していることがわかる。位置B,位置Cの温度が低下し始める時には、まだ流出口での水素濃度が上昇しておらず、それぞれの位置より下流側での、まだ被毒していない再結合触媒によって水素がほぼ全量再結合を完了している。しかし、再結合触媒層の最下流側の位置Dで温度が低下し始めた時には、流出口側での水素濃度も上昇しており、その時には触媒層全体が触媒毒物質により被毒され、性能が低下していることがわかる。
以上の実験結果から、排ガス流入口12と排ガス流出口14の温度のみを計測しても触媒の性能低下は監視できるが、性能低下の兆候を把握したときには、既に下流側の排ガス水素濃度が上昇しており、原子力発電所の運転停止に及ぶ可能性が高い。
例えば再結合触媒が被毒する前の初期性能で水素の再結合が完了するために必要な触媒層の厚さをLXとし、LAが再結合触媒層全体の厚さLの1/3で、かつLAがLXより少し大きい厚さであったとする。図3に示すように、再結合触媒層7の上端からLAだけ下側の位置での温度TAを監視したとすると、再結合触媒の使用を開始したときのように、まだ再結合触媒の性能が低下していない場合には、排ガスが再結合触媒層の長さLAを進む間にほぼ全量の水素が再結合されるため、温度TAは、数式1によって求められる温度T1 や、排ガス流出口14で測定している温度T1にほほ等しくなる。
一方、使用中に排ガスと共に微量の触媒毒物質が流入して、徐々に再結合触媒層の上流側から性能が低下し、温度TAの測定位置より上流側LXの範囲内にまで再結合触媒の性能低下が及ぶと、温度TAが、数式1によって求められる温度T1 や、排ガス流出口14で測定している温度T1に対して、徐々に低下し始める。しかし、この時点ではまだ下流側にLAの2倍の厚さの再結合触媒層があり、それらはまだ触媒性能低下が起こっていないと予想されるから、排ガス流出口での水素濃度はまだ上昇せず、排ガス再結合器6全体での水素再結合性能は達成していることになる。
図4の実験結果では、触媒の性能が低下し始める時間は、下流側になるほど遅くなっていく傾向があるが、安全余裕を考えて、仮に同じ速度で下流側まで触媒の性能低下が進むとした場合、温度TAで触媒性能の低下を知ることができたとしても、まだ下流側にLAの2倍の厚さの再結合触媒層があるため、再結合触媒の使用開始時点から、温度TAで触媒性能の低下を知ることができた時点までの時間の2倍程度の時間まで、排ガス再結合器6全体での水素再結合性能は維持できると予想される。そのため、温度TAで触媒性能の低下を検知しても、直ぐに原子力発電所の運転を停止して再結合触媒を交換する必要はなく、例えば、排ガス再結合器6全体での水素再結合性能が維持できると予想される時間内に、原子力発電所の定期検査で停止する予定がある場合には、それまで運転を継続し、原子力発電所の定期検査に合わせて再結合触媒の交換を実施することも可能である。
上記に記載した、本発明の実施例における触媒性能監視方法をフロー図にしたものを、図1に示す。まず、排ガスの流入口の温度T0と、排ガス流量G,流入口での排ガス中の水素濃度xから、数式1に従って、水素が全て再結合した場合の排ガス温度T1 を計算する。あわせて、図3に示す、再結合触媒層中の温度TAを計測する。T1 とTAを比較して、TAがT1 とほぼ等しい場合には問題なしとして監視をそのまま継続し、TAがT1 に比べて有意に低下していたら、TAの測定位置まで触媒性能が低下したものと判断する(図1のステップ1)。このとき、T1 とTAは、排ガスの温度や流量,水素濃度の計測誤差によっても値が一致しない恐れがあるため、再結合触媒の使用開始後すぐで、まだ触媒の性能が低下していないと予測される期間にT1 とTAを比較しておいて、上記の計測誤差による不一致の程度を把握し、それよりもTAがT1 に比べて有意に低下していた場合に、触媒の性能低下と判断するのが良い。そして、TAで触媒性能の低下を検知したら、触媒性能開始時から触媒性能の低下を検知した時までの時間と、TAの測定位置より、流出口で水素濃度が上昇するまでの時間を予測する。図3の例では、再結合触媒層の厚さLの1/3のLAで温度TAを測定しているので、そのままの早さで下流側に向かって触媒の性能が低下し続ければ、今後、触媒性能開始時から触媒性能の低下を検知した時までの時間の2倍の間までは、流出口で水素濃度が上昇することは無いと予測される。それまでに、次回の原子力発電所の定期検査による運転停止が予定されている場合には、定期検査までそのまま運転を継続し、定期検査時にあわせて再結合触媒を交換すると判断することができる。一方、次回の定期検査までの間に流出口での水素濃度が上昇する可能性がある場合には、それまでの間に運転を停止し、再結合触媒の交換を検討する必要があると判断できる(ステップ2)。ここで、図1のフロー図の中のステップ2の判断処理の左辺に、「(触媒使用開始時からの時間)×2」と記載しているが、(触媒使用開始時からの時間)の2倍とするかどうかは、温度TAの計測位置に依存しており、図3の例の場合は2倍であるが、例えば、再結合触媒層の最上流側から温度TAの計測位置までの距離LAが再結合触媒層の排ガスが流れる方向の厚さLに対して1/4である場合には、図1のフローのステップ2の左辺は、「(触媒使用開始時からの時間)×3」となる。
図5には、図3の構成で図1に示すフローと少し異なった触媒性能監視方法のフローを示す。図1に示すフローでは、再結合触媒中で測定した温度TAの比較に、排ガスの流量Gと、排ガス流入口12での排ガスの温度,排ガス流入口12での排ガス中の水素濃度xから、数式1を用いて水素が全て再結合された場合の温度T1 を計算し、T1 とTAを比較した。これに対して、図5のフローでは、再結合触媒中で測定した温度TAと、T1 に代わって流出口での排ガス温度の測定値T1を比較している。温度TAの測定位置付近まで触媒性能が低下し、温度TAが低下しても、流出口での水素濃度がほぼ0である間は、T1 とT1はほぼ等しくなるため、T1 の代わりにT1を用いて触媒性能を監視することもできる。
図1および図5のフローによる触媒性能監視方法での、温度変化の例の模式図を図7に示す。再結合触媒の使用開始時t0には、流入口での水素濃度から数式1によって計算した温度T1 と、流出口での温度T1,再結合触媒中で測定した温度TAはほぼ同じ温度となるが、時間tAで温度TAがT1 やT1に対して低下し、触媒性能の低下が進行していることが検知される。この時点で、時間tAから排ガス再結合器6中の再結合触媒7の性能が全て低下して、流出口で水素濃度が上昇するまでの時間tLが予測され、それまでの間に再結合触媒の交換を実施することとなる。流出口での温度T1は、流出口で水素濃度が上昇するまではT1 にほぼ等しいため、温度TAとの比較には、温度T1 と温度T1のどちらも使うことができる。
図1に示すフローでは、水素が全て再結合された場合の温度T1 を計算するのに、排ガスの流量Gと、排ガス流入口12での排ガスの温度,排ガス流入口12での排ガス中の水素濃度xを用いている。そのうち、排ガスの流量Gと、排ガス流入口12での温度は、測定が容易、または気体廃棄物処理系の排ガス再結合器6までの上流側での設定によって値を知ることが容易であるが、排ガス流入口12での排ガス中の水素濃度xは連続して測定するのが難しい。しかし、水素は原子炉内で水の放射線分解により発生し、その発生量は原子炉の出力によって予測できることが知られており、水素濃度xを測定しなくとも、原子炉の出力から予測した水素濃度を用いて、水素が全て再結合された場合の温度T1 を計算することもできる。一方、図5に示すフローでは、流入口での水素濃度を用いる必要がなく、原子炉の出力の変化によって流入口での水素濃度が変化しても、流出口での温度T1がそれに応じて自動的に変化するため、図1のフローの方法よりは簡便である。
図6には、他の実施例として、再結合触媒層中の温度計測点が複数ある場合の例を示す。図6では、再結合触媒の最上流側よりLAを隔てた所に温度TAを、さらにLAを隔てたところに温度TBを測定している。図4の実験結果のところで述べたとおり、触媒性能の低下が上流側より下流側へと進行する早さは、下流側に進むに従って遅くなる傾向を示している。そこで、図6の例のように、複数の位置で温度を監視すると、温度TAと温度TBがそれぞれ低下する時間の違いから、触媒性能の低下が上流側より下流側へと進行する早さの違いまで考慮して、流出口で水素濃度が上昇するまでの時間をより精度良く予測することができる。
また、これまでは、再結合触媒が被毒する前の初期性能で水素の再結合が完了するために必要な触媒層の厚さをLXとしたとき、再結合触媒層内で温度計測する位置が、LXよりも下流側に位置している場合の例を述べたが、再結合触媒層内で温度計測する位置がLXよりも上流側にある場合でも、再結合触媒の性能監視は可能である。ただし、この場合は、図8に示すように、TAで示す再結合触媒中の温度は、再結合触媒の性能が低下していない場合でも、TAを測定している位置ではまだ水素が全量再結合していないため、温度T1 や温度T1より低くなる。このため、図1や図5に示すフローのステップ1に示した温度T1 や温度T1との比較を用いることは困難で、TAの温度低下の有無のみで判断する必要があるため、できればLXよりも下流側で温度計測をして触媒性能を監視する方が望ましい。
以上の実施例では、再結合触媒の使用を開始してから再結合触媒の性能低下を検知するまでの時間を用いて、再結合触媒の交換を必要とする時間を予測する方法を示したが、同じ再結合触媒の使用中に、例えば定期検査時に配管内に触媒毒物質が混入したり、配管内面の腐食や放射性物質の付着抑制のために注入した物質に触媒毒物質が混入したりした場合には、再結合触媒の交換を必要とする時間の予測には、再結合触媒の使用を開始してからの時間ではなく、上記のような触媒毒物質が混入する可能性のあった時点からの時間を用いて予測する必要がある。触媒毒物質が混入する可能性があるのは、定期点検のような運転停止時がほとんどであると考えられることから、再結合触媒の交換を必要とする時間を予測する方法として、再結合触媒の使用を開始してから再結合触媒の性能低下を検知するまでの時間を用いる代わりに、今回の運転を開始してから再結合触媒の性能低下を検知するまでの時間を用いる方法もある。
本実施例によれば、再結合触媒内部に設けた温度と、水素流入量から計算した温度や排ガス再結合器下流側の温度との比較により、排ガス再結合器下流側へ水素が流出する前に、再結合触媒の性能低下の兆候や、性能低下が進行して流出口で水素濃度が上昇するまでの時間を予測することができ、計画的に再結合触媒の交換を行うことができる。
1 原子炉
2 タービン
3 主復水器
4 空気抽出器
5 排ガス予熱器
6 排ガス再結合器
7 再結合触媒
8 排ガス復水器
9 排ガスホールドアップ装置
10 排ガス抽出器
11 排気筒
12 排ガス流入口
13 カートリッジ
14 排ガス流出口

Claims (5)

  1. 沸騰水型原子力発電所の原子炉水の放射線分解によって生じた水素と酸素および過熱蒸気を含む排ガス中の、水素と酸素を再結合させて水蒸気に戻す再結合触媒を内部に配置した排ガス再結合器において、
    前記再結合触媒中に有ってかつ再結合触媒の性能低下が無い場合においては前記排ガス再結合器に要求されている水素濃度以下を満足する位置に設けられた温度センサにより測定した温度測定値と、前記排ガス再結合器に流入する排ガスの水素濃度と温度および排ガス流量から計算される前記温度センサ位置での温度計算値とを比較し、前記温度測定値が前記温度計算値に対して低下して前記温度計算値と前記温度測定値に差が生じることを前記再結合触媒性能の低下の指標として排ガス再結合器中の再結合触媒性能を監視する、再結合器触媒性能の監視方法。
  2. 沸騰水型原子力発電所の原子炉水の放射線分解によって生じた水素と酸素および過熱蒸気を含む排ガス中の、水素と酸素を再結合させて水蒸気に戻す再結合触媒を内部に配置した排ガス再結合器において、
    前記再結合触媒中に有ってかつ再結合触媒の性能低下が無い場合においては前記排ガス再結合器に要求されている水素濃度以下を満足する位置に設けられた温度センサにより測定した触媒中温度測定値と、前記排ガス再結合器より流出する排ガスの流出温度測定値とを比較し、前記触媒中温度測定値が前記流出温度測定値に対して低下して前記触媒中温度測定値と前記流出温度測定値に差が生じることを前記再結合触媒性能の低下の指標として排ガス再結合器中の再結合触媒性能を監視する、再結合器触媒性能の監視方法。
  3. 請求項1に記載の再結合器触媒性能の監視方法おいて、
    前記排ガス再結合器に流入する排ガスの水素濃度を、当該原子力発電所の原子炉のその時点での出力情報を元に計算して求めた値を用いる再結合器触媒性能の監視方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の再結合器触媒性能の監視方法において、
    前記再結合触媒の使用を開始した時点あるいは最も新しく当該原子力発電所の運転を開始した時点から前記再結合触媒性能の低下を検知した時点までの期間と、前記再結合触媒中に有る温度センサの前記再結合触媒中の位置関係より、前記再結合触媒の交換期限を予測する、再結合器触媒性能の監視方法。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の再結合器触媒性能の監視方法において、
    前記再結合触媒中の排ガスの流れる方向に間隔をおいて設置した複数の温度センサで温度を測定し、前記再結合触媒の使用を開始した時点あるいは最も新しく当該原子力発電所の運転を開始した時点から前記再結合触媒性能の低下を複数の温度センサでそれぞれ検知した時点までの期間と、前記再結合触媒中に有る複数の前記温度センサの前記再結合触媒中の位置関係より、前記再結合触媒の交換期限を予測する、再結合器触媒性能の監視方法。
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