JP5449492B2 - 燃料電池装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の発電により生じる排ガスと水との熱交換により生じた凝縮水を利用して発電を行なう燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、水素ガスと酸素含有ガス(通常、空気である)とを用いて電力を得ることができる燃料電池と、この燃料電池を稼動するための補機類とを外装ケースに収納してなる燃料電池装置およびその運転方法が種々提案されている。
ここで、燃料電池の発電に必要な水素の生成方法の1つとして水蒸気改質法が知られており、この水蒸気改質を用いる燃料電池装置としては、燃料ガス(水素ガス)を生成するための改質器、外部から供給される水(水道水等)を処理して純水を生成する水処理装置、処理した水(純水)を一時的に貯水するための水タンク、さらに水処理装置と水タンクと改質器をそれぞれ接続する水供給管等を具備することが知られている。
また、燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換するための熱交換器を具備し、熱交換により生成される凝縮水を改質器に供給する燃料電池装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−179386号公報
上述したような水蒸気改質を用いる燃料電池装置において、熱交換により生じる凝縮水を改質器に供給するにあたっては、改質器の故障や改質触媒の劣化を抑制(防止)すべく、凝縮水はイオン交換樹脂等の凝縮水処理手段(装置)にて処理されたのち(純水としたのち)改質器に供給される。
ところで、イオン交換樹脂等の凝縮水処理手段は、その使用頻度に伴い劣化を生じるため、定期的に交換等のメンテナンスを必要とする。
しかしながら、熱交換により生じる凝縮水の量を制御することは難しく、凝縮水の生成(供給)は継続して行なわれるため、凝縮水処理手段が劣化した場合に凝縮水処理手段を交換するにあたっては、凝縮水の水漏れや凝縮水処理手段にて処理されていない凝縮水が改質器に供給されること等を抑制(防止)すべく燃料電池装置の運転を停止する場合があり、凝縮水処理手段のメンテナンスにおける作業効率が悪いという問題もあった。
それゆえ本発明は、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスの作業効率を向上することができる燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池装置は、燃料電池と、該燃料電池に供給される改質ガスを生成するために水蒸気改質を行なう改質器と、前記燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換を行なう熱交換器と、該熱交換器での熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンクと、前記凝縮水を前記凝縮水タンクに回収するための凝縮水回収管と、前記凝縮水タンクに設けられた前記凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、該凝縮水処理手段で処理された後の凝縮水の純度を測定するための導電率センサと、前記凝縮水タンクに貯水され前記凝縮水処理手段にて処理された前記凝縮水を前記改質器に供給するための凝縮水供給管と、前記凝縮水タンクに設けられ前記凝縮水タンクに貯水された前記凝縮水を排水する凝縮水排水手段と、前記導電率センサが予め定められた設定範囲外の導電率を示した場合に、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を排水するよう前記凝縮水排水手段を制御するとともに、前記改質器での改質反応を水蒸気改質から部分酸化改質に切り換えるよう制御
する制御装置とを具備することを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、凝縮水タンクに設けられた凝縮水処理手段で処理された後の凝縮水の純度を測定するための導電率センサを設けるとともに、導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、凝縮水タンクに貯水されている凝縮水を凝縮水タンクに設けられた凝縮水排水手段により排水するよう制御する制御装置を具備することから、凝縮水処理手段が劣化した場合に、凝縮水タンクに貯水された凝縮水を排水することができる。
また、制御装置は、導電率センサが予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、改質器での改質反応を水蒸気改質から部分酸化改質に切り換える制御を行うことから、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンス時においても、改質器にて継続して改質反応を行うことができ、燃料電池装置の運転を停止することなく、凝縮水処理手段のメンテナンスを行うことができる。
それにより、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスの作業効率を向上することができるとともに、純度の低い凝縮水が改質器に供給されることを抑制でき、改質器に故障等が生じることを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池装置は、前記凝縮水処理手段がイオン交換樹脂であることが好ましい。
このような燃料電池装置においては、凝縮水処理手段をイオン交換樹脂とすることにより、凝縮水を純水に処理することができる。それにより、改質器が必要とする量の凝縮水を純水に処理することができる。
本発明の燃料電池装置は、燃料電池の発電により生じる排ガスと水とでの熱交換により生じる凝縮水を改質器に供給する燃料電池装置において、凝縮水処理手段で処理された後の凝縮水の導電率が予め定められた設定範囲外となったことを導電率センサが検知すると、制御装置が、凝縮水を凝縮水排水手段により排水するよう制御するとともに、改質器での改質反応を水蒸気改質から部分酸化改質に切り換えるよう制御することにより、燃料電池装置の運転を停止することなく、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスの作業効率を向上することができる。
本発明の燃料電池装置の構成の一例を示す構成図である。 凝縮水排水手段を熱交換器に設けた場合の燃料電池装置の構成の一部を抜粋して示す構成図である。 凝縮水排水手段として三方弁を用いる場合の燃料電池装置の構成の一部を抜粋して示す構成図であり、(a)は凝縮水を凝縮水タンクに供給する場合の三方弁を、(b)は凝縮水処理手段で処理される前の凝縮水を排水する場合の三方弁を、(c)は凝縮水タンクに貯水された凝縮水を排水する場合の三方弁を、(d)は凝縮水処理手段で処理される前の凝縮水および凝縮水タンクに貯水された凝縮水を排水する場合の三方弁を示したものである。 凝縮水排水手段を凝縮水タンクに設けた場合の本発明の燃料電池装置の構成の一部を抜粋して示す構成図である。
図1は、本発明の燃料電池装置の構成の一例を示した構成図である。本発明の燃料電池装置は、発電を行なう発電ユニット、熱交換後の湯水を貯湯する貯湯ユニット、これらのユニット間を水が循環するための循環配管から構成されている。
図1に示す燃料電池装置は、燃料電池1、天然ガスや灯油等の被改質ガスを供給する被改質ガス供給手段2、酸素含有ガスを燃料電池1に供給するための酸素含有ガス供給手段3、被改質ガスと水蒸気により水蒸気改質する改質器4を具備している。
また、図1に示す燃料電池装置においては、燃料電池1の発電により生じた排ガス(排熱)と水とで熱交換を行なう熱交換器13、熱交換により生成された凝縮水を貯水する凝縮水タンク19、熱交換器13で生成された凝縮水を凝縮水タンク19に回収(供給)するための凝縮水回収管21が設けられており、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水が改質器4に供給される。
一方、凝縮水タンク19に貯水される凝縮水の量が少ない場合や凝縮水処理手段で処理された後の凝縮水の純度が低い場合においては、外部より供給される水(水道水等)を純水に処理して改質器4に供給することが好ましく、図1においては外部から供給される水を純水に処理する手段として水処理装置Xを具備している。
ここで、水処理装置Xは、水を浄化するための活性炭フィルタ装置7、逆浸透膜装置8(以下、RO膜装置とする)および浄化された水を純水にするためのイオン交換樹脂装置9の各装置を具備する。そして、イオン交換樹脂装置9にて生成された純水は水タンク10に貯水される。なお、図1においては、凝縮水と水道水等の外部から供給される水を併用して用いる場合の例を示しており、凝縮水タンク19と水タンク10とが凝縮水供給管
(タンク連結管)20にて連結されている。なお、凝縮水のみを改質器4に供給する場合には、凝縮水タンク19と改質器4とを水ポンプを介して接続することも可能である。
また、図1に示す燃料電池装置においては、活性炭フィルタ装置7、RO膜装置8、イオン交換樹脂装置9および水タンク10をこの順で接続する水供給管5が設けられており、水供給管5には、水供給管5に供給される水量を調整するための給水弁6が設けられている。なお図1においては、これら改質器4に水を供給するための手段を、一点鎖線により囲って示している。
さらに、燃料電池1にて発電された直流電力を交流電力に切り替え外部負荷に供給するためのパワーコンディショナ12、熱交換器13の出口に設けられ熱交換器13の出口を流れる水(循環水流)の水温を測定するための出口水温センサ15、水を循環させるための循環ポンプ16、循環ポンプ16の運転を制御する制御装置14により発電ユニットが構成されている。なお、制御装置14については後述する。
また貯湯ユニットは、熱交換後の湯水を貯湯するための貯湯タンク18を具備して構成されている。
さらに、熱交換器13と貯湯タンク18との間で水を循環させるための循環配管17が設けられており、発電ユニット、貯湯ユニット、循環配管17をあわせて本発明の燃料電池装置が構成される。
なお、図1においては、凝縮水回収管21に熱交換器13での熱交換により生じ、凝縮水処理手段で処理される前の凝縮水を排水するための凝縮水排水手段22が設けられており、この凝縮水排水手段22については後述する。
また、図中の矢印は、燃料、酸素含有ガス、水の各流れ方向を示したものであり、また破線は制御装置14に伝送される主な信号経路、または制御装置14より伝送される主な信号経路を示している。また、同一の構成については同一の番号を付するものとし、以下同様である。さらに図示していないが、被改質ガス供給手段2と改質器4との間に、被改質ガスを加湿するための被改質ガス加湿器を設けることも可能である。
また、燃料電池1としては、各種燃料電池が知られているが、燃料電池を小型化する上で、固体酸化物形燃料電池とすることができる。それにより、燃料電池のほか、燃料電池の動作に必要な補機類を小型化することができ、燃料電池装置を小型化することができる。またあわせて、家庭用燃料電池で求められる変動する負荷に追従する負荷追従運転を行なうことができる。
このように、本発明の燃料電池装置は、水蒸気改質を行なう燃料電池装置において有用であり、なかでも、例えば燃料電池1の上方に、水蒸気改質を行なうための改質器4を配置し、燃料電池1で使用されなかった燃料を燃焼させて改質器4を加熱する固体酸化物形燃料電池において最適となる。
ここで、図1に示した燃料電池装置を用いて、本発明の燃料電池装置の運転方法について説明する。
燃料電池1の発電により生じた排ガス(排熱)は、主に燃料電池1の温度を高めるもしくは維持するために使用された後、燃料電池1より熱交換器13に供給される。熱交換器13においては、燃料電池1の発電により生じる排ガスと熱交換器13内を通水(循環)する水(循環配管17を流れる水)とで熱交換される。そして熱交換された水(湯水)は
、循環配管17を循環して貯湯タンク18に貯湯される。
一方、熱交換により生成される凝縮水は、凝縮水回収管21を流れて凝縮水タンク19に貯水される。凝縮水タンク19に貯水された凝縮水は、凝縮水タンク19に備えられた凝縮水処理手段(図1においては図示せず)にて処理された後、凝縮水供給管20(タンク連結管)を流れて水タンク10に供給される。水タンク10に貯水された水は、改質器4で必要となる水の量に応じて、水ポンプ11により改質器4に供給される。なお、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水のみを改質器4に供給する場合においては、凝縮水供給管20(タンク連結管)を水ポンプ11に接続すればよい。
改質器4においては、水ポンプ11により供給された水と、被改質ガス供給手段2より供給される被改質ガスとにより水蒸気改質を行なう。改質器4にて生成された改質ガス(燃料ガス)は、燃料電池1に供給され、酸素含有ガス供給手段3より供給される酸素含有ガスと反応して、燃料電池1の発電が行なわれる。そして、燃料電池1の発電で生じた電力は、パワーコンディショナ12を通じて外部負荷に供給される。
一方、改質器4に対して外部より供給される水(水道水等)を供給する場合には、給水弁6が開放され、水供給管5を通して、外部から供給される水が活性炭フィルタ装置7に給水される。活性炭フィルタ装置7にて処理された水は、続いてRO膜装置8に給水される。RO膜装置8にて処理された水は、続いてイオン交換樹脂装置9に供給・処理され純水が生成される。イオン交換樹脂装置9にて生成された純水は、水タンク10に供給され、凝縮水を改質器4に供給する場合と同様に、改質器4で必要となる水の量に応じて、水ポンプ11により改質器4に供給される。
ところで、改質器4に供給する水として、凝縮水を優先的に使用することにより、水道水等の外部から供給される水の使用量を低減することができ、燃料電池装置のランニングコストを低減することができる。その際、改質器4に供給される凝縮水は、改質器4に故障等生じることを抑制(防止)すべく、凝縮水処理手段等で純水に処理された後、改質器4に供給することが好ましい。
また凝縮水処理手段は使用に伴い劣化を生じるため、適宜交換等のメンテナンスを必要とする。しかしながら、熱交換により生じる凝縮水の量を制御することは難しい。そのため、凝縮水処理手段を交換するにあたっては、凝縮水処理手段にて処理されていない凝縮水が改質器4に供給され改質器4に故障等が生じることや、交換時に凝縮水が漏れるといったことを抑制(防止)すべく、燃料電池装置1の運転を停止した後、交換等のメンテナンスを行なう場合があり、その場合においては作業効率が悪いという問題がある。
それゆえ本発明は、凝縮水処理手段の交換等のメンテナンスの作業効率を向上することができる燃料電池装置を提供することを目的としており、以下に詳述する。
図2は、本発明の燃料電池装置における改質器に凝縮水を供給するにあたり、関連する各部材を抜粋して示した構成図である。
熱交換器13で熱交換された際に生成される凝縮水は、凝縮水供給管21を流れて凝縮水タンク19に貯水される。凝縮水タンク19に貯水された凝縮水は、凝縮水タンク19に設けられた凝縮水処理手段23により純水に処理された後、改質器4に供給される。
ここで、熱交換器13にて熱交換された際に生じる凝縮水は、凝縮水回収管21を流れて継続的に凝縮水タンク19に回収(供給)される。それゆえ、凝縮水処理手段23の交換時において凝縮水タンク19を取り外すと、凝縮水回収管21を流れる水が継続して漏
水するおそれがある。また、凝縮水タンク19中に凝縮水処理手段23を設けるとともに、その凝縮水処理手段23を取り外す場合においては、凝縮水処理手段23で処理されていない凝縮水が凝縮水タンク19に貯水され、凝縮水処理手段23で処理されていない凝縮水が改質器4に供給され、改質器4に故障等が生じるおそれがある。
それゆえ本発明においては、凝縮水処理手段23で処理された後の凝縮水の導電率を測定するための導電率センサ24を凝縮水タンク19に設けるとともに、導電率センサ24が予め定められた範囲外の値を示した場合に、凝縮水タンク19に凝縮水が供給されないよう、もしくは凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を排水するための凝縮水排水手段を具備している。
ここで、図2は凝縮水排水手段を熱交換器13に設けた例を示しており、以下にこの凝縮水排水手段を熱交換器13に設けた場合について説明する。
凝縮水タンク19には、凝縮水処理手段にて処理された後の凝縮水の純度を測定するための導電率センサ24が設けられている。また、凝縮水回収管21には凝縮水回収管用電磁弁25(以下、回収管電磁弁25という)が設けられており、熱交換器13には凝縮水を排水するための熱交換器排水管26および熱交換器排水管用電磁弁27(以下、熱交換器電磁弁27という)が設けられている。なお、凝縮水回収管21および熱交換器排水管26は、熱交換器13の下部に気液分離部材を設けるとともに、その気液分離部材に接続することができる。
なお、本図においては、導電率センサ24を凝縮水タンク19に設けた場合の例を示したが、例えば凝縮水タンク19と改質器4とを接続する凝縮水供給管20に導電率センサ24を設けることも可能である。
ここで、凝縮水処理手段23で処理された後の凝縮水(以下、処理後凝縮水と呼ぶ)の導電率が導電率センサ24により測定され、その情報が制御装置14に伝送される。制御装置14は、処理後凝縮水の導電率が予め定められた設定範囲内である場合には、凝縮水処理手段23が劣化していないと判断し、回収管電磁弁25を開くように制御する制御信号を回収管電磁弁25に伝送するとともに、熱交換器電磁弁27を閉じるように制御する制御信号を熱交換器電磁弁27に伝送する。それにより、凝縮水タンク19に継続して凝縮水が供給される。
一方、処理後凝縮水の導電率が、予め定められた設定範囲外の値を示した場合においては、凝縮水処理手段23が劣化していると判断できる。その際、凝縮水処理手段23を容易に交換することができるよう、制御装置14は、回収管電磁弁25を閉じるように制御する制御信号を回収管電磁弁25に伝送するとともに、熱交換器電磁弁27を開くように制御する制御信号を熱交換器電磁弁27に伝送する。
それにより、処理後凝縮水の導電率が、予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、熱交換器13での熱交換により生成される凝縮水は、熱交換器排水管26より排水されることとなり、凝縮水タンク19に供給されないこととなる。
それゆえ、凝縮水処理手段23の交換において、凝縮水タンク19に凝縮水が供給されないことから、凝縮水タンク19を取り外して交換することができ、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスの作業効率を向上することができる。
なお、凝縮水排水手段を熱交換器13に設ける構成においては、凝縮水処理手段23は、凝縮水回収管21(凝縮水タンク19と回収管電磁弁25との間)に設けることもでき
る。
また、凝縮水処理手段23の交換が完了した後は、熱交換により生じる凝縮水を凝縮水タンク19に供給することが好ましい。それゆえ、例えば燃料電池装置にメンテナンス完了スイッチ等を設けておき、メンテナンスが完了したらスイッチを押すことで、熱交換により生じる凝縮水が凝縮水タンク19に供給されるようにすることができる。
具体的には、メンテナンス完了スイッチを押すと、メンテナンス完了の情報が制御装置14に伝送される。続いて制御装置14は、回収管電磁弁25を開くように制御する制御信号を回収管電磁弁25に伝送するとともに、熱交換器電磁弁27を閉じるように制御する制御信号を熱交換器電磁弁27に伝送する。それにより、凝縮水処理手段23のメンテナンス完了後は、熱交換により生じる凝縮水を凝縮水タンク19に供給することができる。
また凝縮水タンク19と凝縮水回収管21との接続、さらには凝縮水タンク19と凝縮水供給管20との接続を検知する接触式のセンサを設けるとともに、両方のセンサが凝縮水タンク19と各管との接触を検知すると、熱交換により生じる凝縮水を凝縮水タンク19に供給するように制御することもできる。さらには、凝縮水処理手段23を凝縮水タンク19中に設ける場合において、凝縮水処理手段23を収納する収納容器を設けるとともに、収納容器が凝縮水タンク19中に設置されているか否かを検知する接触式のセンサを設け、センサが収納容器の設置を検知すると、熱交換により生じる凝縮水を凝縮水タンク19に供給するように制御することもできる。
なお、凝縮水処理手段23としては、凝縮水を処理することにより純水とすることができるものを使用することができるが、凝縮水タンク19に設ける場合や、凝縮水処理手段23の交換における容易性、凝縮水の処理の効率性等を考慮して、イオン交換樹脂(以下、凝縮水処理手段をイオン交換樹脂として説明するものとし、イオン交換樹脂23と略す場合がある)とすることが好ましく、例えば球状のイオン交換樹脂23とすることができる。なお、イオン交換樹脂23は、凝縮水の純度や、凝縮水タンク19の大きさ、イオン交換樹脂23の大きさ等により適宜設けることができる。
図3は、図1に示したように、凝縮水回収管21に凝縮水排水手段22として三方弁22を設けた場合における三方弁22の制御について示したものである。
凝縮水排水手段として三方弁22を用いる場合においては、制御装置14は、導電率センサ24により伝送される処理後凝縮水の導電率の値に基づき三方弁22を制御する。
ここで、図3(a)においては処理後凝縮水の導電率が、予め定められた設定範囲内である場合を示しており、この場合制御装置14は、熱交換器13での熱交換により生じた凝縮水が、凝縮水タンク19に流れるよう三方弁22を制御する。
一方、処理後凝縮水の導電率が、予め定められた設定範囲外を示した場合には、制御装置14は、図3(b)に示したように、熱交換器13での熱交換により生じ、凝縮水処理手段23で処理される前の凝縮水が排水側へ流れるよう三方弁22を制御する。なお三方弁22の排水側には、凝縮水を排水するための排水管を接続しておくことが好ましい。
それにより、凝縮水タンク19に凝縮水が供給されないことから、凝縮水タンク19を取り外して交換する場合に、凝縮水が漏水することを抑制(防止)でき、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスの作業効率を向上することができる。
ところで、例えば凝縮水処理手段23を網目状の収納容器(ケース)等に充填し、そのケースを凝縮水タンク19内に配置する場合や、凝縮水タンク19内に直接凝縮水処理手段23を配置する場合に、処理後凝縮水が予め定められた設定範囲外の導電率を示した場合は、凝縮水タンク19より収納容器を引き抜きその収納容器に充填された凝縮水処理手段23を交換する、もしくは凝縮水タンク19より凝縮水処理手段23を取出して交換すればよいこととなり、凝縮水タンク19を取り外す必要がなく、凝縮水処理手段23のメンテナンスにおける作業効率を向上することができる。
しかしながらこの場合、凝縮水タンク19には純度の低い凝縮水が貯水されたままとなっているため、この純度の低い凝縮水が改質器4に供給され、改質器4が故障するおそれがある。
したがって、凝縮水処理手段23が充填された収納容器を凝縮水タンク19内に収納する燃料電池装置や、凝縮水処理手段23を凝縮水タンク19に直接配置する燃料電池装置においては、処理後凝縮水の導電率が予め定められた設定範囲外を示した場合には、凝縮水処理手段23の交換とあわせて、凝縮水タンク19に貯水されている凝縮水を排水することがより好ましい。
図3(c)、(d)はこのように凝縮水タンク19に貯水されている凝縮水を排水する場合の三方弁22の制御を示したものであり、(c)では凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を排水する場合を、(d)では凝縮水回収管21を凝縮水タンク19に向けて流れる凝縮水処理手段23で処理される前の凝縮水と、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を同時に排水する場合を示している。
このように三方弁22を制御することにより、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を、凝縮水回収管21を介して排水することができることから、改質器4に純度の低い凝縮水が供給されることが抑制(防止)できる。それゆえ、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスの作業効率が向上するとともに、改質器4に故障等が生じることを抑制(防止)できる。
なお、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスにおいて、メンテナンス完了後は上述したのと同様に、熱交換により生じる凝縮水を凝縮水タンク19に供給するよう三方弁22を制御することが好ましい。そして、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスが完了した際に、制御装置14が三方弁22を制御し(図3(a)の状態に制御し)、熱交換により生じる凝縮水が凝縮水タンク19に供給されるようにすることが好ましい。
なお、凝縮水排水手段22を凝縮水回収管21に設ける構成においては、凝縮水処理手段23は、凝縮水回収管21(水タンク19と凝縮水排水手段23との間)に設けることもできる。
図4は、凝縮水排水手段23を凝縮水タンク19に設けた場合を示したものである。図4においては、凝縮水回収管の一端が凝縮水タンク19の下端部側に連結されており、また凝縮水タンク19中に上下に設けられた仕切部材28により囲まれた部位にイオン交換樹脂23が充填されている。また、凝縮水タンク19の上部には、オーバーフロー用の排水管29が設けられており、凝縮水タンク19の底面には、凝縮水排水手段22である凝縮水タンクに貯水された凝縮水を排水するための凝縮水タンク排水管30と、凝縮水タンク排水管用電磁弁31(以下、タンク電磁弁31という)が設けられている。また導電率センサ24が凝縮水タンク19の上部側に設けられている。
凝縮水排水手段22として凝縮水タンク排水管30を用いる場合においては、制御装置
14は、導電率センサ24により伝送される凝縮水タンク19に貯水された凝縮水の導電率情報に基づきタンク電磁弁31を制御する。
ここで、図4に示した凝縮水タンク19においては、凝縮水タンク19の底面側より凝縮水が供給され、凝縮水タンク19の水位の上昇に伴い、凝縮水処理手段23により凝縮水が処理される。それゆえ、凝縮水タンク19の上部側に設けられた導電率センサ24の値が、予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水処理手段23が劣化していることが分かる。
それゆえ、導電率センサ24の値が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、制御装置14はタンク電磁弁31を開く制御を行なう。それにより、凝縮水タンク19に貯水された凝縮水を排水することができ、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスの作業効率が向上するとともに、純度の低い凝縮水が改質器4に供給されることを抑制(防止)でき、改質器4に故障等が生じることを抑制(防止)できる。
なお、改質器4に純度の低い凝縮水が供給されることをより抑制するにあたっては、凝縮水タンク排水管30は、凝縮水タンク19の底面に接続されていることが好ましい。さらには、凝縮水タンク19の底面を、凝縮水タンク排水管30の接続部位に向けて傾斜を有する底面とし、凝縮水タンク排水管30により凝縮水が流れやすいようにすることもできる。
さらに、凝縮水タンク19に凝縮水排水手段を設ける場合においては、凝縮水タンク19に継続して凝縮水が供給されるため、凝縮水タンク19に供給される凝縮水の量より、凝縮水タンク排水管30より排水される凝縮水の量が多くなるよう、凝縮水タンク排水管30の大きさ等を適宜調整することが好ましい。
ところで、導電率センサ24が予め定められた設定範囲外の値を示し、凝縮水処理手段23を交換する場合において、凝縮水処理手段23を交換している間は、凝縮水タンク19から改質器4に凝縮水を供給することが難しくなる。
したがって、本発明においては、外部から供給される水を処理するためのイオン交換樹脂装置9を具備する水処理装置Xと、水処理装置Xで処理された水を貯水するための水タンク10とを具備するとともに、導電率センサ24が予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、水タンク10に貯水された水を改質器4に供給するように制御することが好ましい。
具体的には、導電率センサ24の値が、予め定められた設定範囲外の値を示した場合には、凝縮水排水手段22を制御するとともに、給水弁6を開く制御を行い、水タンク10に外部から供給される水を貯水するように制御することが好ましい。
なお図1においては、凝縮水タンク19に貯水される凝縮水が水タンク10に供給されるよう、凝縮水タンク19と水タンク10とを凝縮水供給管20(タンク連結管)で連結し、水タンク10より水ポンプ11を介して改質器4に水(凝縮水)が供給されるようにする例を示している。それにより、凝縮水タンク19の水と外部から供給される水とを改質器4に供給するにあたり、水ポンプ11を共用することができ、燃料電池装置をコンパクトとすることができる。
また、水タンク10と凝縮水タンク19とを連結せずに配置する場合においては、水タンク10より改質器4に水を供給するための水供給管と、凝縮水タンク19より改質器4に凝縮水を供給するための凝縮水供給管とを設けるとともに、水供給管および凝縮水供給
管に電磁弁を設ける、もしくは水供給管と凝縮水供給管とを接続したのち水ポンプ11に接続するとともに水供給管と凝縮水供給管との接続部に三方弁を設けることにより、改質器4に凝縮水または外部から供給される水を供給することができる。なおその際、制御装置14は導電率センサ24の値に基づき電磁弁や三方弁を制御することが好ましい。
それにより、改質器4に供給される水が枯渇することを抑制でき、改質器4に故障等が生じることを抑制(防止)することができるとともに、燃料電池装置の運転を停止することなく、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスを行うことができる。なお、上述したように凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスが完了した後は、制御装置14は改質器4に凝縮水を優先的に供給するよう制御することが好ましい。
また、導電率センサ24が予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、改質器4での改質反応を水蒸気改質より部分酸化改質に切り換えるよう制御することもできる。
具体的には、例えば制御装置14は、導電率センサ24が予め定められた設定範囲外の値を示した場合に、水ポンプ11を停止するよう制御するとともに、酸素含有ガスを改質器4に供給するよう制御する。この場合、燃料電池1に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段3を併用することも可能である。
この場合においても、改質器4に故障等が生じることを抑制(防止)することができるとともに、燃料電池装置の運転を停止することなく、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスを行うことができる。なお、凝縮水処理手段23の交換等のメンテナンスが完了した後は、改質器4での改質反応を部分酸化改質より水蒸気改質に切り換えるとともに、凝縮水処理手段23で処理された凝縮水を改質器4に供給するよう制御することが好ましい。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、凝縮水排水手段を、熱交換器、凝縮水回収管および凝縮水タンクのうち、複数に設けることも可能である。それにより、凝縮水処理手段23のメンテナンスにおける作業効率をさらに向上することができる。
また、凝縮水処理手段23を凝縮水供給管20に設けるとともに、凝縮水供給管20のうち、凝縮水処理手段23と改質器4との間に導電率センサ24を設ける構成とすることもできる。
1:燃料電池
4:改質器
10:水タンク
13:熱交換器
14:制御装置
19:凝縮水タンク
21:凝縮水回収管
22:凝縮水排水手段
23:凝縮水処理手段
24:導電率センサ
25:凝縮水回収管用電磁弁
26:熱交換器排水管
27:熱交換器排水管用電磁弁
28:仕切部材
30:凝縮水タンク排水管
31:凝縮水タンク排水管用電磁弁
X:水処理装置

Claims (2)

  1. 燃料電池と、該燃料電池に供給される改質ガスを生成するために水蒸気改質を行なう改質器と、前記燃料電池の発電により生じる排ガスと水とで熱交換を行なう熱交換器と、該熱交換器での熱交換により生じる凝縮水を貯水する凝縮水タンクと、前記凝縮水を前記凝縮水タンクに回収するための凝縮水回収管と、前記凝縮水タンクに設けられた前記凝縮水を処理するための凝縮水処理手段と、該凝縮水処理手段で処理された後の凝縮水の純度を測定するための導電率センサと、前記凝縮水タンクに貯水され前記凝縮水処理手段にて処理された前記凝縮水を前記改質器に供給するための凝縮水供給管と、前記凝縮水タンクに設けられ前記凝縮水タンクに貯水された前記凝縮水を排水する凝縮水排水手段と、前記導電率センサが予め定められた設定範囲外の導電率を示した場合に、前記凝縮水タンクに貯水された凝縮水を排水するよう前記凝縮水排水手段を制御するとともに、前記改質器での改質反応を水蒸気改質から部分酸化改質に切り換えるよう制御する制御装置とを具備することを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記凝縮水処理手段がイオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
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