JP5447595B2 - ニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法 - Google Patents

ニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法に関し、詳しくは、マグネシウムとカルシウムを含有する硫酸溶液から不純物品位の低い高純度の酸化マグネシウムを製造することが可能な酸化マグネシウムの製造方法により製造された酸化マグネシウムを中和剤として使用したニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法に関する。
酸化マグネシウムは、マグネシウムメタルの原料としての用途の他に、耐火煉瓦材料や触媒、さらにはセメントや紙パルプの充填剤等としても幅広く用いられる。これらの用途において、特に合金となるメタルや耐火煉瓦等の耐蝕性が必要な材料に用いる場合には、材料となる酸化マグネシウムに含まれる不純物品位が低いことが欠かせない。例えば耐火煉瓦の材料として酸化マグネシウムを用いる場合、カルシウムを1〜2%以下程度のレベルまで低減することが必要とされる。
しかしながら、このような不純物品位が低く高純度な酸化マグネシウムをマグネサイト等の天然鉱物から大量に得ることは難しい。したがって、一度鉱物に酸を添加して浸出して得られたマグネシウムを水酸化物あるいは炭酸塩の形態とし、これを焙焼することによって目的とする酸化物を得ることが多かった。このため、酸化マグネシウムの生産能力は限られ、非常に高価なものとなっていた。
一方、マグネシウムを含む鉱物は、ニッケル酸化鉱石と共に存在することも知られている。従来のニッケル酸化鉱石の製錬においては、これらの酸化鉱石を還元剤と共に炉に入れて焙焼し、ニッケルメタルや硫化物を得る乾式製錬が多く用いられてきた。ところが、その乾式製錬では、マグネシウムは他の不純物と共に酸化物を形成しスラグとして分離されてしまうため、有効に利用することはできなかった。
近年では、ニッケル酸化鉱石を硫酸を用いて高温高圧下で浸出するHPALプロセスと呼ばれる湿式製錬方法も用いられている。HPALプロセスでは、ニッケル酸化鉱石を硫酸とともに加圧容器に入れ、250℃程度の高温高圧の雰囲気の下でニッケル等の有価金属を硫酸溶液中に浸出する。HPALプロセスを用いることによって、ニッケル品位が1〜2質量%程度以下しか含有されない低品位ニッケル酸化鉱石からも高い効率でニッケルを浸出できる特徴がある。
浸出されたニッケルは、例えば特許文献1に記載されているように、中和剤を添加しつつ浸出残渣からなるスラリーと固液分離され、次いで中和剤が添加されて不純物と分離される。さらに、浸出されたニッケルは、硫化剤が添加されることによって硫化物の沈澱を形成し、アルミニウムやマンガン、マグネシウム等の回収対象外の成分と分離されてニッケルメタルやニッケル塩を得るための中間原料に精製される。
一方、ニッケルを分離した後の回収対象外の成分を含有する溶液は、排水処理に送られ、中和等の処理を経て放流される。つまり、特許文献1のHPALプロセスでも、マグネシウムは資源としては有効に活用されてこなかった。
また、上述のような湿式法を用いた製錬法では、中和剤として工業的に入手容易な石灰石や消石灰を大量に使用するが、中和で生成した硫酸カルシウム自身も澱物となる。そのため、澱物量を増加させることになり、廃棄場所を確保する手間や処理コストの増加、さらには環境負荷の増加等の課題があった。
中和剤による澱物量の増加を抑える方法として、溶解度の高い塩類を中和剤として用いることが考えられ、この用途に対して上述の酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム等のマグネシウム塩類は適している。そのため、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法において、工程で生じる排水からマグネシウムを回収し、酸化マグネシウムを中和剤として利用しようとする試みも行われてきた。
具体的には、例えば、排水処理に送る溶液からマグネシウムを回収する方法の一つとして、特許文献2に記載された方法がある。特許文献2には、硫酸マグネシウムのソースから酸化マグネシウムを回収するプロセスであって、金属含有鉱石又は精鉱の浸出に関連したプロセスの一部から得られた溶液状態の硫酸マグネシウムのソースを用意する工程と、溶液状態の硫酸マグネシウムを固体硫酸マグネシウムに変換する工程と、固体硫酸マグネシウムを還元性雰囲気中で元素状硫黄に接触させる工程と、マグネシウムを酸化マグネシウムとして、かつ硫黄を二酸化硫黄ガスとして回収する工程とを含むプロセスが提案されている。
また、特許文献3には、ラテライト鉱からのニッケル及びコバルトの回収における大気中の浸出方法であって、ラテライト鉱を低マグネシウム含有の鉱石画分及び高マグネシウム含有の鉱石画分に選択採鉱又は事後分別により分離させる工程と、分離した鉱石画分を別個にスラリー化する工程と、一次浸出工程として低マグネシウム含有の鉱石画分を濃縮硫酸を用いて浸出させる工程と、一次浸出工程及び針鉄鉱、酸化鉄又は水酸化鉄の他の低硫黄含有形態としての鉄の沈殿の完了に続き、高マグネシウム含有鉱石スラリーを導入し、二次浸出工程として鉄沈殿中に遊離する硫酸を用いて高マグネシウム含有鉱石画分を浸出させる工程とを含む方法が提案されている。
これらの特許文献2及び3に示される方法を用いることで、ニッケル酸化鉱石に含有されるマグネシウムを中和剤として利用し、あるいは中和後液からマグネシウムを回収して中和剤として繰り返すことが可能になるとも考えられる。
しかしながら、これらの方法を用いた場合、大量の排水からマグネシウムを濃縮するに際して膨大な熱エネルギーを必要とし、また中和剤の繰り返し使用に伴って鉱物に含有される不純物がプロセス内に蓄積する懸念がある。
さらに、鉱物の種類や採掘場所、時期により含有するマグネシウム品位は変動し安定しないのが普通である。そのため、仮にマグネシウムが不足する場合には、従来からの消石灰や石灰石等の安価でかつ安定して供給できるカルシウム系中和剤を併用することが考えられる。しかしながら、この場合には、上述した従来方法と同じようにプロセス内にカルシウムも持ち込まれてプロセス系内を循環することになる。また、排水からマグネシウムを回収しようとしても、カルシウムの一部もマグネシウムを同じ挙動となるため、マグネシウムを中和剤以外の用途に用いることができなくなる。
溶液中のマグネシウムとカルシウムとを分離する方法として、例えば特許文献4に示す方法がある。その特許文献4に記載の方法では、水酸化マグネシウムを脱硫剤とする排煙脱硫プラントにおいて廃棄・放流される、硫酸マグネシウムを多量に含有する排液から水酸化マグネシウムを回収し、排煙脱硫工程へ循環して再資源化と環境浄化に資するものである。具体的に、硫酸マグネシウムを含有する排煙脱硫排水にアンモニアを添加して水酸化マグネシウムを生成沈殿させ、その後液に石灰乳を加えて硫酸カルシウムとアンモニアを生成させ、アンモニアを工程内に循環させるというものである。このようにして得られた水酸化マグネシウムは、本プロセス最終排液によってスラリー化して脱硫プラントへ循環することにより、脱硫プラント排水の完全循環を実現して、排水の廃棄・放流をなくすことが可能となる。また、得られた硫酸カルシウムは、洗浄工程を設けて純度を向上させることにより、外販の有利性を高めることが可能となる。
しかしながら、特許文献4の方法では、アンモニアを扱うことから複雑な設備が必要で、投資や操業コストを上昇させる等の課題もあり、容易に取り扱うことは難しかった。
以上のように、従来の方法では、不純物品位が低く高純度な酸化マグネシウムを低コストでかつ効率良く得ることは容易でなかった。
特開2005−350766号公報 特表2009−520661号公報 特表2005−523996号公報 特開2000−93739号公報 米国公開US2011/0110832号公報
そこで、本発明は、この実情に鑑みて提案されたものであり、排水等のマグネシウムとカルシウムを含有する硫酸溶液から不純物品位の低い高純度の酸化マグネシウムを簡易に効率良く製造することができる酸化マグネシウムの製造方法を提供し、製造された酸化マグネシウムを中和剤として使用することで効率的な操業を行うことができるニッケル酸化鉱石の湿式製錬の操業方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出する浸出工程と、浸出スラリーから浸出残渣を分離して浸出液を得る固液分離工程と、該浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物を分離しニッケル及びコバルトを含む中和終液を得る中和工程と、該中和終液に対し硫化処理を施してニッケル及びコバルトを含む硫化物と硫化後液とを得る硫化工程とを有するニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法であって、上記硫化工程で得られた硫化後液を濃縮し、該硫化後液中に含まれるカルシウムを硫酸カルシウムとして析出させて分離するカルシウム分離工程と、上記カルシウム分離工程を経て得られた溶液をさらに濃縮し、該溶液中に含まれるマグネシウムを硫酸マグネシウムとして析出させて分離するマグネシウム結晶化工程と、上記マグネシウム結晶化工程で分離した硫酸マグネシウムを還元剤と共に焙焼し、酸化マグネシウムと亜硫酸ガスを得る焙焼工程と、上記焙焼工程で得られた酸化マグネシウムを洗浄する洗浄工程とを有する酸化マグネシウム製造工程で得られた酸化マグネシウムを上記ニッケル酸化鉱石の湿式製錬における上記中和工程にて添加する中和剤として使用することを特徴とする。
また、本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、上記カルシウム分離工程の終点を、濃縮後の溶液の比重が1.2g/cmになった時点とすることを特徴とする。
また、本発明の第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記カルシウム分離工程及び上記マグネシウム結晶化工程における溶液の濃縮を自然乾燥によって行うことを特徴とする。
また、本発明の第4の発明は、上記第1乃至第3の発明の何れかにおいて、上記硫化後液に中和剤を添加してpH7.0〜8.5に調整し、次いで固液分離して得られた濾液を上記カルシウム分離工程に供することを特徴とする。
また、本発明の第5の発明は、上記第1乃至第4の発明の何れかにおいて、上記焙焼工程では、還元剤としてコークス、石炭、木炭、竹炭、廃活性炭のいずれか1種類以上を用いることを特徴とする.
また、本発明の第の発明は、上記第1乃至第5の発明の何れかにおいて、上記焙焼工程にて発生した亜硫酸ガスを硫酸に転化して、得られた硫酸を上記ニッケル酸化鉱石の高温高圧下での浸出に用いる硫酸として繰り返すことを特徴とする。
本発明によれば、排水等のマグネシウムとカルシウムを含有する硫酸溶液から不純物品位の低い高純度の酸化マグネシウムを簡易に効率良く製造することができる。このような高純度の酸化マグネシウムによれば、炉を構成する耐火煉瓦や合金の材料等に好適に用いることができる。
また、ニッケル酸化鉱石のHPALプロセスを用いた湿式製錬法によって得られた浸出液を対象として本発明を適用することにより、HPALプロセスで発生する残渣量を低減できるとともに、当該プロセスで使用する中和剤や硫酸等を繰り返し用いることが可能となり、新規使用量を削減でき効率的な処理を行うことができる。
酸化マグネシウムの製造方法の流れを示す工程図である。 (A)は、自然乾燥(天日乾燥)による濃縮処理で形成された硫酸マグネシウムの結晶状態を示す写真であり、(B)は、外部加熱による濃縮処理で形成された硫酸マグネシウムの結晶状態を示す写真である。 ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に基づく酸化マグネシウムの製造方法の流れを示す工程図である。 溶液の比重に対するカルシウム除去率と溶液中のマグネシウム存在割合を示すグラフである。 カーボン添加量0.025molとした場合の結晶のXRD分析結果を示すグラフである。 カーボン添加量0.05molとした場合の結晶のXRD分析結果を示すグラフである。
以下、本発明に係る酸化マグネシウムの製造方法の具体的な実施形態(以下、本実施の形態という。)について、図面を参照しながら、以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて適宜変更することができる。
1.酸化マグネシウムの製造方法の概要
2.酸化マグネシウムの製造方法の各工程
2−1.カルシウム分離工程
2−2.マグネシウム結晶化工程
2−3.焙焼工程
2−4.洗浄工程
3.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に基づく酸化マグネシウムの製造方法
3−1.ニッケル酸化鉱石のHPALプロセス
3−2.排水処理工程
3−3.酸化マグネシウムの製造プロセス
3−4.硫酸製造工程
4.実施例
[1.酸化マグネシウムの製造方法の概要]
本実施の形態に係る酸化マグネシウムの製造方法は、例えば、ニッケル酸化鉱石のHPALプロセス等の湿式製錬法においてニッケルを分離回収した後の溶液から得られる、マグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液から、不純物品位が低く高純度な酸化マグネシウムを製造する方法である。
具体的に、図1の工程図に示すように、本実施の形態に係る酸化マグネシウムの製造方法は、マグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液を濃縮し、その硫酸溶液中に含まれるカルシウムを硫酸カルシウムとして析出させて分離するカルシウム分離工程S1と、カルシウム分離工程S1を経て得られた溶液をさらに濃縮し、溶液中に含まれるマグネシウムを硫酸マグネシウムとして析出し分離するマグネシウム結晶化工程S2と、得られた硫酸マグネシウムを還元剤と共に焙焼し、酸化マグネシウムと亜硫酸ガスを得る焙焼工程S3と、焙焼工程S3で得られた酸化マグネシウムを洗浄する洗浄工程S4とを有する。
このように、本実施の形態においては、マグネシウムとカルシウムを含有する硫酸溶液を2段階で濃縮して分離する。すなわち、先ずカルシウムを硫酸カルシウム二水和物の形態の塩の結晶として析出させて分離し、次にマグネシウムを硫酸マグネシウム七水和物の形態の塩の結晶として析出させて分離する。そして、得られた硫酸マグネシウム七水和物の結晶を、コークスや木炭等の還元剤と共に焙焼して酸化マグネシウムとし、さらに洗浄することで高純度な酸化マグネシウムを得る。
この酸化マグネシウムの製造方法によれば、排水等のマグネシウムとカルシウムを含有する溶液から不純物品位の低い高純度の酸化マグネシウムを簡易に効率良く製造することができる。また、この方法によって得られる酸化マグネシウムは、不純物品位の低い高純度のものであるので、電気炉等を構成する耐火煉瓦や、合金の材料等に好適に用いることができる。
さらに、ニッケル酸化鉱石を原料としてHPALプロセスを用いた湿式製錬方法によって得られた浸出液を対象として当該製造方法を適用することにより、HPALプロセスで発生する残渣量を低減できるとともに、当該プロセスで使用する中和剤や硫酸等を繰り返し用いることができる。これにより、これら薬剤の新規使用量を削減することができ、効率的な操業を行うことが可能となる。
以下、酸化マグネシウムの製造方法の各工程について詳細に説明する。
[2.酸化マグネシウムの製造方法の各工程]
<2−1.カルシウム分離工程>
カルシウム分離工程S1では、マグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液を濃縮して、硫酸溶液中に含まれるカルシウムを硫酸カルシウムとして析出させて分離する。このカルシウム分離工程S1が、1段階目の濃縮分離を行う工程となる。
濃縮対象となる硫酸溶液は、マグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液であり、金属製錬等の処理において従来は廃棄されていた排水等を用いることができる。これらの排水等からなる硫酸溶液は、例えば、中和剤を添加することによってpH7.0〜8.5に調整し、固液分離して得られた濾液を用いることが好ましい。このように、排水等からなる溶液を排水処理して得られた硫酸溶液を用いることによって、結晶の純度をさらに高めることができ、より品質の良い酸化マグネシウムを製造することができる。
カルシウム分離工程S1における濃縮分離処理は、硫酸カルシウム二水和物の溶解度が硫酸マグネシウム七水和物の溶解度と比較して小さく、濃縮過程において硫酸カルシウム二水和物が硫酸マグネシウム七水和物に優先して析出することを利用したものである。これにより、硫酸溶液中に含まれるカルシウムを選択的に分離する。
析出させる硫酸カルシウム結晶の大きさは、特に限定されず、また一概に決まるものではないが、予め試験を行って濃縮の生産性と共存する不純物の分離の程度から適宜選定すればよい。
硫酸溶液の濃縮方法としては、硫酸溶液中の水分を蒸発させてカルシウムの結晶を析出させられるものであれば特に限定されず、様々の方法を用いることができる。例えば、一般的に行われてきた石油や電力等を用いて外部から加熱する方法等が挙げられる。そして、その様々の方法の中でも、特に好ましくは、太陽熱や地熱、あるいは風等の自然エネルギーを用いた自然乾燥(天日乾燥)により濃縮する方法を用いるとよい。
具体的に、自然乾燥により濃縮を行う方法としては、濃縮しようとする排水等の硫酸溶液を容器に入れて屋外に放置して天日干ししたり、従来流下式塩田で用いられていたように、硫酸溶液を竹やビニールで組み上げた枝条架上に滴下して成長した結晶を回収する方法等、様々な方法が利用できる。
カルシウム分離工程S1におけるカルシウム分離に適切な濃縮処理は、硫酸カルシウム二水和物の析出が見られ、硫酸マグネシウム七水和物の析出が極力見られない範囲で行うことが好ましい。その範囲の特定は、溶液の成分を分析する方法や肉眼での見た目の差異を観察する方法、又は比重を測定する方法等の様々な方法により行うことができる。
特に、比重測定により濃縮処理の程度、すなわち濃縮処理の終点を判断する方法によれば、簡易な方法により効果的にカルシウムを分離し除去することができる。具体的には、本発明者は、自然乾燥により徐々に硫酸溶液濃縮させた場合、溶液の比重が1.1〜1.3g/cmの範囲を境として、その範囲より比重が軽い場合には硫酸カルシウムの晶析が起こり、濃縮が進んでその範囲より比重が大きくなると次第に硫酸マグネシウムの晶析が開始されることを見出した。
例えば、HPALプロセスを経て排出された、マグネシウム濃度が5g/l、カルシウム濃度が0.5g/l程度の硫酸溶液からなる排水の場合、上述した比重に達するまで濃縮する間に、溶液中に含有されるカルシウムの80〜90%以上を効果的に分離して除去することができる。
したがって、カルシウム分離工程S1においては、硫酸溶液の比重を測定し、比重が1.1〜1.3g/cm程度、より好ましくは1.2g/cm程度となった時点を濃縮処理の終点と判断することにより、比重測定という簡易な方法でカルシウムを効果的に高い割合で分離することができる。
晶析した硫酸カルシウムの結晶と溶液との固液分離には、フィルター濾過装置や遠心分離装置等を用いて行うことができる。晶析する結晶粒が粗大である場合には、これらの装置を用いることにより迅速に固液分離が進み、コンパクトな設備で済み、また結晶への付着水分も少なく品質的にも有利である。
<2−2.マグネシウム結晶化工程>
マグネシウム結晶化工程S2では、カルシウム分離工程S1を経て得られた溶液をさらに濃縮し、溶液中のマグネシウムを硫酸マグネシウム七水和物の結晶として析出させて取り出す。このマグネシウム結晶化工程S2が、2段階目の濃縮分離を行う工程となる。
マグネシウム結晶化工程S2における濃縮方法は、上述したカルシウム分離工程S1における濃縮方法と同様に、様々な方法を用いることができ、太陽熱や地熱、あるいは風等の自然エネルギーを用いた自然乾燥(天日乾燥)により濃縮する方法を用いることが特に好ましい。
ここで、上述したカルシウム分離工程S1においても同様であるが、マグネシウム結晶化工程S2における濃縮方法として自然乾燥による濃縮を行った場合、石油や電力等を用いた外部加熱による濃縮方法に比べて多くの時間を要して効率的でないとも考えられる。しかしながら、例えばニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法で発生する排水(硫酸溶液)には、10〜20g/l程度のマグネシウムが含有され、1.3g/l程度しかマグネシウムを含有しない海水に比べるとはるかに効率的にマグネシウムを濃縮することができる。
また、自然エネルギーを用いた乾燥では、水分の蒸発が徐々に行われるため、蒸発中の溶液の状態を細かく管理することが可能となる。さらに、析出する塩の結晶も粗大な成長となるため、アルミニウム等の回収対象としない不純物が硫酸マグネシウムの結晶粒同士の隙間に混入することを抑制することができ、不純物の少ない結晶を得ることができる。
図2(A)は、マグネシウム結晶化工程S2において、室外に放置して溶液を自然乾燥(天日乾燥)させることによって濃縮処理し硫酸マグネシウムの結晶を析出させた場合の結晶状態を示す写真である。一方で、図2(B)は、外部電力により80℃に昇温させたウォーターバスにて水分を蒸発させて濃縮処理し硫酸マグネシウムの結晶を析出させた場合の結晶状態を示す写真である。これら図2(A)(B)の写真から分かるように、自然乾燥による濃縮処理で硫酸マグネシウムの結晶を析出させることによって、外部からの加熱により水分を蒸発させて溶液を結晶化した場合と比べて、はるかに大きな結晶を形成できることが分かる。
このように、マグネシウム結晶化工程S2では、例えば自然乾燥等を用いて低い乾燥速度で溶液を濃縮し結晶を析出させることによって、粗大な結晶粒からなる硫酸マグネシウムを効率的に析出回収することができる。また、結晶を大きく成長させることにより、結晶表面に付着するカルシウム成分や共析出してマグネシウムの結晶に含まれてしまうカルシウム成分を低減することができる。さらに、このように粗大な結晶が形成できることにより、次工程の焙焼工程S3における還元焙焼時に、結晶が飛散してダストとなって回収ロスとなることを抑制することができる。
また、濃縮処理に際しては、溶液中に硫酸マグネシウムの結晶を種として浸漬させておくことによって、それが核となって硫酸マグネシウム結晶析出が起こり、より粗大な結晶を効率的に得ることができる。
また、マグネシウム結晶化工程S2における濃縮処理の終点は任意に決めることができる。また、晶析した硫酸マグネシウムの結晶と溶液との固液分離についても、カルシウム分離工程S1と同様にフィルター濾過装置や遠心分離装置等を用いて行うことができる。
なお、自然乾燥(天日乾燥)では、例えば数日から数週間程度をかけて徐々に乾燥させるが、湿度や温度等の要因があるため、乾燥速度、すなわち液量に対する必要な乾燥時間を一律に定めることは難しい。そのため、乾燥速度は、それら様々な要因に応じて適宜設定することが好ましい。
また、自然乾燥と同程度の乾燥速度であれば、加熱して蒸発を促進させてもよいが、自然乾燥に比べると極めて非効率となる可能性がある。なお、溶液中のマグネシウム濃度が低い場合には、乾燥時間を短縮させるために、ウォーターバス等を用いてある程度濃縮してから自然乾燥する方法を用いてもよい。
<2−3.焙焼工程>
焙焼工程S3では、マグネシウム結晶化工程S2で得られた硫酸マグネシウムを還元剤と共に焙焼し、酸化マグネシウムと亜硫酸ガスを得る。
焙焼工程S3では、例えば下記式(1)に示すように、硫酸マグネシウムを還元分解し、酸化マグネシウムと亜硫酸ガスと水とを生成させる反応が起こる。
MgSO・7HO+1/2C→MgO+SO+1/2CO+7H
・・・・・(1)
焙焼工程S3において用いる還元剤としては、上記式(1)に示したように、例えばコークスを用いることができ、その他石炭、木炭や竹炭、廃活性炭等の炭素系の還元剤を用いることができる。また、プロパンガスやLPGガス等を還元剤として用いてもよい。これらの中でも、木炭や竹炭等は再生可能なエネルギーであり環境面で特に優れている。
なお、硫黄を還元剤として用いることも可能であるが、高純度な酸化マグネシウムを得ようとした場合、硫黄が残留すると酸化マグネシウムを使用する際に排ガスを除害する必要が生じ、目的製品の品質に影響を与えることがあるため好ましくない。
還元剤の当量は、予め試験を行って選定すればよいが、例えばコークスの場合、1当量ではやや不足であり、2当量程度添加することが望ましい。
またその他、還元焙焼処理における条件としては、特に限定されず、マグネシウムの量や還元剤の種類、使用装置等に応じて適宜選定すればよい。例えば、還元剤にコークスを用い、ロータリーキルンを用いて焙焼する場合、還元剤の添加量はマグネシウムに対して2当量となる0.5mol/mol以上とし、反応温度は950〜1100℃程度、保持時間は1〜5時間程度とすることが望ましい。
<2−4.洗浄工程>
洗浄工程S4では、焙焼工程S3で得られた酸化マグネシウムを洗浄する。焙焼工程S3により生成した酸化マグネシウムはそのままでも中和剤等の用途に使用することができるが、洗浄処理を施すことにより酸化マグネシウムの純度をさらに高めることができる。
洗浄工程S4における洗浄処理には、水を用いることができる。酸化マグネシウムの水に対する溶解度は20℃で0.0086g/100mlである。そのため、この洗浄工程S4における水での洗浄より、酸化マグネシウムの水に対する溶解度よりも高い溶解度を有する物質を分離することができ、酸化マグネシウムの純度を向上させることができる。
より具体的には、硫酸カルシウムの場合、硫酸カルシウム無水和物の20℃の水に対する溶解度は0.24g/100mlであり、酸化マグネシウムの20℃における溶解度よりもはるかに高い。このため、上述したカルシウム分離工程S1やマグネシウム結晶化工程S2の2段階の濃縮処理で分離できなかったカルシウムも、洗浄工程S4における洗浄処理で分離することが可能となり、高純度な酸化マグネシウムを得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る酸化マグネシウムの製造方法は、マグネシウムとカルシウムを含有する硫酸溶液から、先ずカルシウムを硫酸カルシウムの結晶として析出させて分離し、次にカルシウムを分離除去した溶液からマグネシウムを硫酸マグネシウムの結晶として析出させて分離するという2段階で濃縮処理を施す。そして、得られた硫酸マグネシウム七水和物の結晶を還元剤と共に焙焼して酸化マグネシウムとし、さらにその酸化マグネシウムを洗浄することで高純度な酸化マグネシウムを得る。
このような酸化マグネシウムの製造方法によれば、例えば排水等のマグネシウムとカルシウムを含有する溶液から不純物品位の低い高純度の酸化マグネシウムを簡易な操作で効率良く製造することができる。これにより、例えば電気炉等を構成する耐火煉瓦や、合金の材料等に好適に用いることができる。
[3.ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に基づく酸化マグネシウムの製造方法]
ところで、上述した酸化マグネシウムの製造方法において用いられる、マグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液としては、ニッケル酸化鉱石を硫酸と共に高温高圧下で浸出するHPALプロセスにより得られたニッケルを含有する浸出液を用いることができる。より具体的には、ニッケル酸化鉱石を高温高圧浸出法(HPAL法)により浸出して得られたニッケルを含む浸出液に、カルシウム及び/又はマグネシウムを含有する中和剤を添加して不純物を分離し、次いで硫化剤を添加してニッケル及びコバルトの混合硫化物を析出させ分離した後の溶液を、排水処理して得られたものを用いることができる。
図3は、HPAL法を用いたニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法によるニッケル・コバルト混合硫化物を分離して得られた溶液を用いて、上述した酸化マグネシウムの製造方法を適用した場合の一連の処理を示す工程図である。
<3−1.ニッケル酸化鉱石のHPALプロセス>
先ず、ニッケル酸化鉱石のHPAL法を用いた湿式製錬方法は、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出する浸出工程S11と、浸出スラリーを多段洗浄しながら浸出残渣を分離してニッケル及びコバルトと共に不純物元素を含む浸出液を得る固液分離工程S12と、浸出液のpHを調整し不純物元素を含む中和澱物を分離してニッケル及びコバルトと共に亜鉛を含む中和終液を得る中和工程S13と、中和終液に対し硫化処理を施してニッケル及びコバルトを含む混合硫化物を形成する硫化工程S14とを有する。
浸出工程S11では、高温加圧容器(オートクレーブ)等を用いて、ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して220〜280℃の温度下で撹拌処理して、浸出残渣と浸出液からなる浸出スラリーを形成する。
ニッケル酸化鉱石としては、主としてリモナイト鉱及びサプロライト鉱等のいわゆるラテライト鉱が挙げられる。ラテライト鉱のニッケル含有量は、通常、0.8〜2.5重量%であり、水酸化物又はケイ苦土(ケイ酸マグネシウム)鉱物として含有される。また、鉄の含有量は、10〜50重量%であり、主として3価の水酸化物(ゲーサイト)の形態であるが、一部2価の鉄がケイ苦土鉱物に含有される。また、浸出工程S11では、このようなラテライト鉱の他に、ニッケル、コバルト、マンガン、銅等の有価金属を含有する酸化鉱石、例えば深海底に賦存するマンガン瘤等が用いられる。
固液分離工程S12では、浸出工程S11で形成される浸出スラリーを多段洗浄して、ニッケル及びコバルトを含む浸出液と浸出残渣を得る。
中和工程S13では、浸出液の酸化を抑制しながら、pHが4以下となるように酸化マグネシウムや炭酸カルシウム等の中和剤を添加し、3価の鉄を含む中和澱物スラリーとニッケル回収用母液を形成する。
硫化工程S14では、ニッケル回収用母液に硫化水素ガスを吹きこみ、不純物成分の少ないニッケル及びコバルトを含む硫化物(ニッケル・コバルト混合硫化物)と、ニッケル濃度を低い水準で安定させた貧液(硫化後液)とを形成する。なお、ニッケル回収用母液中に亜鉛が含まれる場合には、ニッケル及びコバルトを硫化物として分離するに先立って、亜鉛を硫化物として選択的に分離することができる。
この硫化工程S14では、ニッケル・コバルト混合硫化物のスラリーをシックナー等の沈降分離装置を用いて沈降分離処理し、ニッケル・コバルト混合硫化物をシックナーの底部より分離回収するとともに、水溶液成分はオーバーフローさせて硫化後液として回収する。この硫化後液には、硫化されずに残留したマグネシウム、カルシウム等を含む硫酸溶液である。したがって、この硫化後液を用いて上述した酸化マグネシウムの製造方法を適用することにより、高純度な酸化マグネシウムを得ることができる。
ここで、硫化工程S14にて得られた硫酸後液を酸化マグネシウムの製造方法の原料として用いるにあたっては、その硫酸溶液中に含まれる不純物を極力除去することが好ましい。すなわち、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法における硫化工程後S12を経て得られた硫化後液には、マグネシウムやカルシウム以外にも、鉄やアルミニウム等の金属や重金属等の不純物が含まれている。そのため、得られた溶液を用いて酸化マグネシウムの製造方法を行うに先立ち、これら不純物を除去することが望ましい。したがって、硫化工程S14にて得られた硫化後液を用いて、次に、以下の排水処理工程S15を行う。
<3−2.排水処理工程>
排水処理工程S15は、硫化工程S14を経て得られた硫化後液(排水処理始液)に対して中和剤を添加してpH調整し、鉄やアルミニウム、重金属等の不純物を含む中和澱物を形成する。これにより、硫酸溶液から不純物を除去することができ、続いて行われる酸化マグネシウムの製造において、形成される結晶中における不純物品位を低下させ、純度の高い酸化マグネシウムを製造することを可能にする。
具体的には、例えば、硫化後液に対して中和剤を添加することによってpH7.0〜8.5に調整し、中和澱物と排水処理終液とを固液分離する。
そして、以上のようにして、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の硫化工程S14を経て得られ、排水処理工程S15にて不純物が除去された、マグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液(排水処理終液)に対して、上述した酸化マグネシウムの製造方法を行う。
<3−3.酸化マグネシウムの製造プロセス>
すなわち、硫化後液に基づくマグネシウムとカルシウムとを含有する硫酸溶液を濃縮し、カルシウムを硫酸カルシウムとして析出させて分離するカルシウム分離工程S16と、得られた溶液をさらに濃縮し、マグネシウムを硫酸マグネシウムとして析出させて分離するマグネシウム結晶化工程S17と、分離した硫酸マグネシウムの結晶を還元剤と共に焙焼し、酸化マグネシウムと亜硫酸ガスを得る焙焼工程S18と、焙焼して得られた酸化マグネシウムを洗浄する洗浄工程S19とを行う。なお、各工程は、上記と同様であるので、詳細な説明は省略する。
上述のように、この酸化マグネシウムの製造方法により、ニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法における硫化工程S14にて得られた硫化後液から、酸化マグネシウムを効率的にかつ高い純度で製造することができる。
また、このようにHPAL法を用いたニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法に基づいて酸化マグネシウムを製造することにより、HPALプロセスで発生する残渣量を低減できるとともに、製造した酸化マグネシウムを当該プロセスで使用する中和剤として繰り返し用いることが可能となる。これにより、中和剤の新規使用量を削減することができ、操業コスト等の点においても効率的な操業が可能となる。
<3−4.硫酸製造工程>
ここで、酸化マグネシウムの製造方法では、その焙焼工程S18において、上記式(1)に示したように硫酸マグネシウムを還元焙焼することによって、酸化マグネシウムが得られるとともに亜硫酸ガス(SO)が発生する。発生した亜硫酸ガスは、そのままでは大気に放出できない。一方で、亜硫酸ガスは、硫酸の原料になるため有効に利用することが可能となる。そこで、発生した亜硫酸ガスを捕集することによって硫酸に転化させる硫酸製造工程S20を行うことができる。
硫酸製造工程S20では、焙焼工程S18を経て得られた亜硫酸ガスを補修して硫酸を製造する。硫酸の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて行うことができる。
このようにして、硫酸製造工程S20にて亜硫酸ガスを補修して硫酸を製造することにより、製造された硫酸を、上述したニッケル酸化鉱石の湿式製錬方法の浸出工程S11において使用する硫酸として再度利用することができる。これにより、新規に準備する硫酸量を削減させることができ、操業コストを低減させてより効率的な操業が可能になる。また、廃棄物量も削減することができ、環境に対する負荷を大幅に低減させることができる。
[4.実施例]
以下に、本発明についての実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(硫酸カルシウム分離と硫酸マグネシウム結晶化)
純水に硫酸カルシウム二水和物と硫酸マグネシウム七水和物とを溶解し、マグネシウム濃度が25g/l、カルシウム濃度が0.5g/lになるよう調整した水溶液を300ml作製した。この溶液を容量200mlのビーカーに試料1〜3として3等分した。
次に、ドラフト内に70℃に維持したウォーターバスを用意し、試料1〜3を昇温して水分を蒸発させ、溶液を濃縮させた。溶液の濃縮は、初期に70℃のウォーターバスに入れて結晶が析出しない程度の適量の水分を蒸発させ、その後、ウォーターバスに入れたまま30℃に維持して蒸発量を正確に計量しつつ自然蒸発によって進めた。2〜5時間保持すると、結晶の析出が見られた。そこで、それぞれの結晶量と結晶を濾過した後の液量を測定し、各金属イオン濃度をICPで分析した。下記の表1は、各試料についての分析結果である。
表1に示されるように、蒸発液量が増加するに伴って結晶の析出量が増加していることが分かる。また、ICPを用いた分析値から、溶液側(濾液側)に残留するカルシウムの量を計算して、カルシウムの残留率及び除去率を算出した。その結果、カルシウムの残留率及び除去率は、濾液側の始液に含有された99.5%〜92.8%のマグネシウムを残したまま、3%〜65%のカルシウムを硫酸カルシウム二水和物の結晶として析出させ分離することができた。
また、図4は、溶液の比重に対するカルシウム除去率と溶液中のマグネシウム存在割合を示すグラフである。この図4のグラフから、溶液の比重が特に1.2g/cm程度となったときにカルシウム分離のための濃縮処理を終了することで、溶液中のマグネシウム残留量を多くしながら、効果的にカルシウムの結晶を析出させ分離できることが分かる。
次に、試料3と同じ濃縮度とした溶液を用いて、さらに濃縮を継続した。すなわち、自然蒸発により濃縮を継続し、溶液中のマグネシウムを結晶化させた。その結果、硫酸カルシウム二水和物の析出に続き、硫酸マグネシウム七水和物の結晶が析出し始めて、溶液から分離することができた。なお、分析値に基づいて算出すると、硫酸マグネシウム七水和物として0.05mol、硫酸カルシウム二水和物は0.005molであった(Mg:Ca=10:1)。
さらに、試料1〜3のように濃縮させた溶液からマグネシウムを結晶化させる場合の結晶品位に及ぼす粒径の影響を調査するため、硫酸マグネシウム七水和物と硫酸カルシウム二水和物の試薬により、マグネシウム濃度25g/l、カルシウム濃度0.5g/lとした溶液(濃縮後の模擬液)を作製し、200mlずつ分取した。そして、一方は、外気にさらすことで自然乾燥(天日乾燥)させ、粒径の大きな結晶を得た(図2(A)参照。)。他方は、ウォーターバスで80℃に加温し、その後30℃まで冷却することで、粒径の小さな結晶を得た(図2(B)参照。)。
なお、自然乾燥(天日乾燥)は、平均気温が8.3℃、最高気温11.8℃、最低気温5.4℃、日照時間の合計が112時間であった12月に、降雨がかからないように屋根だけを設けた場所に1ヶ月間放置して行い、この期間に水分約140gが蒸発した。
そして、このようにして得られた各結晶をICP分析することによって、結晶中のCa品位を調べた。下記の表2に、分析結果を示す。
表2に示すように、自然乾燥(天日乾燥)により結晶中のCa品位を低減できることが分かった。
(焙焼)
次に、溶液から分離して得られた硫酸マグネシウム七水和物の結晶を2つに分け、2つの坩堝にそれぞれ投入した。これらの坩堝に、還元剤としてのカーボン(純黒鉛:C=100%)を、それぞれ、0.025mol、0.05mol添加し、空気を毎分2.5リットルで吹き込みながら1000℃に昇温した後に1時間保持して徐冷した。なお、カーボンの添加量は、それぞれ、反応必要量の1当量、2当量に相当する量とした。
冷却後、結晶をそれぞれ坩堝から取り出し、X線回折(XRD)装置を用いて形態を分析した。図5はカーボン添加量0.025molとした場合の結晶のXRD分析結果であり、図6はカーボン添加量0.05molとした場合の結晶のXRD分析結果である。
図5に示される結果から、カーボン添加量が0.025mol(1当量)の場合は、硫酸マグネシウムのピークが検出されており、濃縮分離して得られた硫酸マグネシウムの結晶が全て酸化マグネシウムになっていないことが分かる。すなわち、焙焼が不十分なことが確認できた。一方、図6に示される結果から、カーボン添加量が0.05mol(2当量)の場合では、硫酸マグネシウムのピークが検出されず、酸化マグネシウムのピークのみが検出された。すなわち、濃縮分離して得られた硫酸マグネシウムが全て酸化マグネシウムとなり、充分に焙焼できたことが確認できた。なお、得られた酸化マグネシウムをICPで分析したところ、品位はマグネシウム55重量%、カルシウム5重量%であった。
以上の結果から、2当量以上となる炭素系の還元剤を用いて硫酸マグネシウムを焙焼することにより、短時間で全ての結晶を酸化マグネシウムに焙焼できることが分かった。
(洗浄)
次に、還元剤を2当量添加する条件で焙焼した酸化マグネシウムを10g用意し、200mlのビーカーに入れた。そして、そのビーカーに120mlの純水を注いで攪拌し、次に静置して浸漬させ、その後上澄みを排出することによって浮上した未反応還元剤や反応後の灰を分離した。そして、濾紙と濾瓶を用いて固液分離して酸化マグネシウムを製造した。得られた酸化マグネシウムの結晶を乾燥させてICPにより分析した。
その結果、酸化マグネシウム中のマグネシウム品位は55重量%であり、洗浄前と変わらなかった。一方で、カルシウム品位は洗浄前の5%から0.66%と大幅に低下し、洗浄処理を行うことによって、結晶中に残留していたカルシウムを低減でき、不純物品位が低く純度の高い酸化マグネシウムを製造することができた。
[実施例2]
実施例1の焙焼工程において、実施例1と同様にして得た溶液から分離して得られた硫酸マグネシウム七水和物の結晶を2つに分け、2つの坩堝にそれぞれ投入した。これらの坩堝に、還元剤として下記表3に示す組成の木炭を、それぞれ炭分で、0.025mol、0.05molになるように添加し、空気を毎分2.5リットルで吹き込みながら1000℃に昇温した後に1時間保持して徐冷した。なお、木炭の添加量は、それぞれ、反応必要量の1当量、2当量に相当する量とした。
冷却後、結晶をそれぞれ坩堝から取り出し、X線回折(XRD)装置を用いて形態を分析した。
実施例1と同様に、木炭添加量が0.025mol(1当量)の場合は、図5と同様の硫酸マグネシウムのピークが検出され、濃縮分離して得られた硫酸マグネシウムの結晶が全て酸化マグネシウムになっていなかった。一方、木炭添加量が0.05mol(2当量)の場合では、図6と同様に、硫酸マグネシウムのピークが検出されず、酸化マグネシウムのピークのみが検出された。すなわち、濃縮分離して得られた硫酸マグネシウムが全て酸化マグネシウムとなり、充分に焙焼できたことが確認できた。
以上の結果から、還元剤として木炭を用いても、2当量以上となる炭素量でもって硫酸マグネシウムを焙焼することにより、短時間で全ての結晶を酸化マグネシウムに焙焼できることが分かった。

Claims (6)

  1. ニッケル酸化鉱石のスラリーに硫酸を添加して高温高圧下で浸出する浸出工程と、浸出スラリーから浸出残渣を分離して浸出液を得る固液分離工程と、該浸出液に中和剤を添加して不純物を含む中和澱物を分離しニッケル及びコバルトを含む中和終液を得る中和工程と、該中和終液に対し硫化処理を施してニッケル及びコバルトを含む硫化物と硫化後液とを得る硫化工程とを有するニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法であって、
    上記硫化工程で得られた硫化後液を濃縮し、該硫化後液中に含まれるカルシウムを硫酸カルシウムとして析出させて分離するカルシウム分離工程と、
    上記カルシウム分離工程を経て得られた溶液をさらに濃縮し、該溶液中に含まれるマグネシウムを硫酸マグネシウムとして析出させて分離するマグネシウム結晶化工程と、
    上記マグネシウム結晶化工程で分離した硫酸マグネシウムを還元剤と共に焙焼し、酸化マグネシウムと亜硫酸ガスを得る焙焼工程と、
    上記焙焼工程で得られた酸化マグネシウムを洗浄する洗浄工程と
    を有する酸化マグネシウム製造工程で得られた酸化マグネシウムを上記ニッケル酸化鉱石の湿式製錬における上記中和工程にて添加する中和剤として使用することを特徴とするニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法。
  2. 上記カルシウム分離工程の終点を、濃縮後の溶液の比重が1.2g/cmになった時点とすることを特徴とする請求項1記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法。
  3. 上記カルシウム分離工程及び上記マグネシウム結晶化工程における溶液の濃縮を自然乾燥によって行うことを特徴とする請求項1又は2記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法。
  4. 上記硫化後液に中和剤を添加してpH7.0〜8.5に調整し、次いで固液分離して得られた濾液を上記カルシウム分離工程に供することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法。
  5. 上記焙焼工程では、還元剤としてコークス、石炭、木炭、竹炭、廃活性炭のいずれか1種類以上を用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法。
  6. 上記焙焼工程にて発生した亜硫酸ガスを硫酸に転化し、得られた硫酸を上記ニッケル酸化鉱石の高温高圧下での浸出に用いる硫酸として繰り返すことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のニッケル酸化鉱石の湿式製錬における操業方法。
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