JP5447039B2 - 植物の圧縮方法 - Google Patents

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Description

本発明は、農作物を始めとする各種植物を収穫して乾燥及び圧縮する植物の圧縮方法に係り、特に汚染土壌に含まれるカドミウムなどの重金属類を除去するために栽培された植物を収穫して、効率的に乾燥及び減容化する植物の圧縮方法に関するものである。
カドミウム(Cd)は潜在的な毒性をもつ重金属であり、人体に蓄積した場合の生物学的半減期は10年以上である。カドミウムが及ぼすヒトへの主な病状に、肺気腫、腎臓管への障害がある(Ryan JA,他 (1982)Environ Res 28: 251−302)。また、日本でのイタイイタイ病にかかった女性達に深刻な骨粗鬆や骨軟化の原因がCdであることも明らかにされている。カドミウムが人体に取りこまれていく主な経路は、土壌のカドミウムを吸収、濃縮した作物を食することにある。
カドミウムに限らず、有害金属による生物圏の汚染は産業革命の初期から劇的に加速した(Nriago JO (1979) Nature 279: 409−411)。そして現在、土壌や水環境のカドミウム等の重金属類の蓄積が、環境や人間の健康に関わる問題となっており、効率的かつ経済的な解決方法が求められている。
この問題に対する解決方法として、微生物の利用が考えられるが、微生物は個体が小さく回収が難しいという問題点がある。他方で、金属を吸収して蓄積する植物の利用がSaltらによって1995年に提案された。環境修復のために植物を用いる方法をファイトレメディエーション(phytoremediation)という。
植物体へのカドミウム吸収を考えるとき、主要なポイントは植物の根であるが、土壌からのカドミウムの効率的な除去のためには、植物体のうち回収が容易な地上部への蓄積が必要である。いくつかの植物種では植物体の地上部にカドミウムを輸送・蓄積することが報告されている(Wagner GJ(1994)Adv Agron 51:173−2123)。
このような状況の中、ファイトレメディエーションに潜在的に使用できる植物が開発され、また、カドミウム等の重金属を再拡散させることなく安全に処理するために、カドミウム等の重金属を吸収、蓄積した植物を焼却し、その単体又は化合物を気化させた後、冷却して析出させ、析出した重金属を飛灰と共に集塵機(バグフィルター)で捕集して回収する方法も開発されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
しかし、現状では、植物からカドミウム等の重金属を回収する技術やファイトレメディエーション用植物自体の技術ばかりが先行しており、ファイトレメディエーション用植物を効率的に収穫、回収、運搬する課題に関しては、未だ技術改良の必要があった。
即ち、単に収穫した植物をそのままベールに梱包しても、嵩高く、また水分含有率も多く、運搬に多くのエネルギーを要し、さらにその後の焼却処理の際の炉の燃焼温度が十分に上昇しないため、バグフィルターで重金属の効率的な回収ができない等の問題点があることから、圃場におけるオンサイトでの効率的な乾燥・減容化技術の開発が望まれる。
例えば、汚染土壌にカドミウム等の重金属を吸収、蓄積し得る植物を栽培した後、これを刈り取り、ロールベールに成型し、これをトラックの荷台に積載して重金属の回収施設まで輸送する際、4t積のトラックを用いた場合であれば、トラックの積載重量の制約からは、ロールベールが1個100kgの重量であれば、40個を荷台に積み込んで輸送でき、また、ロールベールが1個200kgのものであれば、20個を荷台に積み込んで輸送し得る。しかし、実際には、ロールベールが直径1m×幅1mの円柱状の嵩のものとして成型してあることで、この嵩による制約により、重量面ではトラックに許容されている積載重量までに充分に余裕があっても、法的にトラック荷台の長さや幅及び高さの制限があるため、積載重量に対応する重量となる数まで積み込むことが出来ず、その数よりもかなり少ない個数のロールベールを積み込んで輸送を行うことが強いられるというように、輸送能力に問題が生じる。
このように、ベールを運搬する場合に限らず、ベールを保管する場合においても、ベールの嵩高さは、保管場所の在庫能力を低下させる要因となる。
また、ベールの焼却処理に際して、水分含有率の多いベールでは在庫中の発酵発熱により自然発火の恐れがあり、また、処理においては多大な加熱エネルギーと時間を要する。
特開昭57−190号公報 特表平7−508206号公報 特開2000−288529号公報 特開2005−76970号公報
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、植栽地で栽培された植物を収穫して、効率的に乾燥及び減容化する植物の圧縮方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、収穫された水分含有率の多い植物を、まずベールに成型し、その後、圃場(本明細書では農用地ともいう)で初期の発酵状態(発熟期)の期間を置いたのち、圃場や隣接した屋根付き建築物(例えば、ビニールハウスや倉庫等)の中で乾燥させ、次いで圧縮成型機を用いてベールを圧縮することにより、ベールの解体や型崩れを伴わずに、少ないプレス圧で効率よく減容化することができること、更に、乾燥工程においてベールを特定の水分含有率以下まで乾燥させることが好ましく、この方法としては、特定の透湿防水シートを用いる方法が、省力化と乾燥期間の短縮の両面から優れていることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 植栽地で栽培された植物を収穫して乾燥及び圧縮する方法であって、以下の(I)〜(IV)の工程を少なくとも含むことを特徴とする植物の圧縮方法。
(I) 植栽地で栽培された植物を収穫する工程
(II) 工程(I)で収穫した植物を、ベール成型装置によりベールに成型する工程
(III) 工程(II)で得られたベールを保存し乾燥させる工程
(IV) 工程(III)にて乾燥させたベールを圧縮成型機にて下記式で算出される圧縮率が70%以下となるように圧縮する工程
圧縮率=(V/V)×100
(ただし、Vは圧縮前のベールの容積であり、Vは圧縮後、圧縮加重を解除してから10分経過したときのベールの容積である。)
[2] 前記工程(III)において、前記ベールを、該ベールの上部を透湿度が100g/m・24hr以上の透湿防水シートで覆った状態で保存して乾燥させることを特徴とする[1]に記載の植物の圧縮方法。
[3] 前記工程(III)後のベール中の水分含有率が、ベール全重量に対して40重量%以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の植物の圧縮方法。
[4] 植物が、土壌浄化(ファイトレメディエーション)用植物であることを特徴とする[1]ないし[3]いずれかに記載の植物の圧縮方法。
本発明によれば、収穫された植物をベール成型装置でベール状に成型して乾燥させた後、圧縮成型機でベールを所定の圧縮率以下まで圧縮することにより、ベールの解体や型崩れを伴わずに、少ないプレス圧で効率よく減容化することができる。
本発明により水分含有率を低減すると共に減容化された、重量及び容積の低減されたベールであれば、トラックの輸送能力や保管場所の在庫能力を大幅に向上させることができる。
本発明の植物の圧縮方法は、前述のファイトレメディエーション用植物の回収処分に有効であるが、これに限らず、植物を、エネルギー転換用バイオマス資源として回収、運搬ないし保管する場合や、畜産用途(飼料や敷き藁)として回収、運搬ないし保管する場合、その他、あらゆる植物の回収に有用である。
本発明におけるベールの圧縮方法を示す模式図である。 実施例3における保存乾燥方法を示す模式図である。
以下に本発明の植物の圧縮方法の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に特定はされない。
本発明は、植栽地で栽培された植物を収穫して乾燥及び圧縮する方法であって、以下の(I)〜(IV)の工程を少なくとも含むことを特徴とする。
(I) 植栽地で栽培された植物を収穫する工程
(II) 工程(I)で収穫した植物を、ベール成型装置によりベールに成型する工程
(III) 工程(II)で得られたベールを保存し乾燥させる工程
(IV) 工程(III)にて乾燥させたベールを圧縮成型機にて下記式で算出される圧縮率が70%以下となるように圧縮する工程
圧縮率=(V/V)×100
(ただし、Vは圧縮前のベールの容積であり、Vは圧縮後、圧縮加重を解除してから10分経過したときのベールの容積である。)
<植物収穫工程(I)>
本発明で用いられる植物は、特に限定されないが、具体的にはファイトレメディエーション用植物、バイオマス原料用植物、畜産飼料用植物等の農作物用植物であり、好ましくは、土壌中の有害物質や過剰塩類を植物体内に取り込む性質を有するファイトレメディエーション用植物である。中でも、土壌中の重金属、とりわけカドミウムを吸収、蓄積する植物が挙げられる。
カドミウム吸収能を有する植物としては、例えば、水稲(飼料用イネ、穂重型系イネ、晩生系イネなど)、アワ系植物(白ビエ、ミレットなど)、ヒエ(ケイヌビエ、イヌビエ、タイヌビエなど)、とうもろこし(スノーデント系、パイオニア系など)、イタリアンライグラス、ライ麦、えん麦、メヒシバ、イノコログサ、ソルガム(ソルゴーなど)、サトウキビ、などのイネ科植物が挙げられる。
また、キク科(アメリカセンダングサ、コスモス、ヒメジョオン、ハルジオン、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、アニノゲン、ヒマワリ、ベニバナ、など)、タデ科(イヌタデ、サナイタデ、オオイヌタデなど)、アブラナ科(カラシナ、スズシロソウなど)、ツユクサ科(ツユクサなど)、アオイ科(オクラ、トロロアオイ、ケナフなど)アカザ科(ホウレンソウ、アカザ、シロザ、飼料用ビート、甜菜など)、シソ科(シソなど)、マメ科(クロタラリア、セスバニアなど)、ハゼリソウ科(ファセリアなど)、ヒユ科(ホソアオゲトウ、アマランサス、など)、ドクダミ科(ドクダミなど)、オオバコ科(オオバコなど)、ナス科(タバコなど)が挙げられる。
また、植物として、これらを含む選抜した植物種に重金属の吸収蓄積を促進せしめる遺伝子を導入した組み換え植物を用いることもできる。上記遺伝子としては、MT−1、CUP−1、PsMTA等のメタロチオネイン合成遺伝子、カルボキシペプチダーゼ等のファイトケラチン合成酵素遺伝子及びグルタチオン合成系に関与する酵素遺伝子等がある。
この中でも、好ましくは、カドミウム吸収能力が比較的高い、イネ科、アブラナ科、アオイ科、ナス科、キク科植物が挙げられ、特に好ましくは、適応植栽地が水田の場合は、農家が収穫機械を保有し、栽培技術が確立されており、連作障害が全く無い、水稲品種が好ましく、適応植栽地が畑地の場合は、水稲品種や、生長が速くバイオマス量の大きいソルガムやオクラが好ましい。
本技術が適応される植栽地としては、一般的には、植物が育成する場所であり、特に制限はないが、より好ましくは、カドミウムを含有する農用地(ファイトレメディエーション用土壌)、塩類集積した農用地、バイオマス原料生産のための農用地、畜産飼料を栽培する農用地であり、特に好ましくは、カドミウムを含有する農用地、具体的には、人工的に高濃度に汚染された工場跡地や河川、及び工場より飛来した塵灰による汚染の農用地などが挙げられる。以下、これらの植栽地を「圃場」と称す場合がある。
カドミウムを含有する圃場が水田の場合には、田植え後30〜45日後に完全落水し、土壌を酸化状態で栽培することにより、カドミウムの回収効率を高めることができる。
このようにして栽培された植物は、根系(地下部)及び地上部を土壌から引き抜いて収穫してもよいし、地上部のみを刈り取ってもよい。
その他、必要に応じて除草剤などを用いて植物を枯れさせて、乾燥した後に収穫してもよい。
この中でも好ましくは、地上部のみを可能なかぎり地際から刈り取る方法が挙げられるが、具体的には、コンバイン、ホールクロップ収穫機、モアコンディショナ、コンバインベーラ、ディスクモア、コーンハーベスタ、等の機械を用いる方法により収穫することが好ましい。
収穫した植物は、通常は80重量%前後の水分を含んでおり、このままベール化しても良いが、ベール化の前にコンバイン等の収穫機で刈り倒し、圃場に放置して天日乾燥しても良い。この場合、その乾燥日数は、天候にもよるが、数日間、例えば半日〜15日間程度である。収穫した植物をそのままベール化する方法は、雨が多い地域等の天候不良地域や圃場の排水不良地域のように、ベール化する前の乾燥を好適に行うことができない地域では有用である。さらに、水分を多く含むことにより、ベール化時の発酵が促進され、栄養価が向上する可能性がある点においても有用である。ベール化前に、収穫した植物を圃場に放置して天日乾燥を行う方法であれば、ベール成型前にある程度の乾燥を行うことにより、得られるベールの密度が向上し、回収ベール数を減らすことで輸送能力向上が図れ、また、在庫中の腐敗を抑え、ベールの在庫時の保形性を維持し、輸送時のハンドリングのトラブルを防止することができる。
ただし、ベール成型前に収穫した植物を過度に乾燥させることは好ましくなく、本発明においては、ある程度の水分を含む植物をベール成型後、乾燥を行って、ベールに成型された状態で水分を蒸発させて水分含有率を低減することが重要である。
従って、ベール成型前の天日乾燥は、植物の水分含有率が15〜85重量%程度と、ベール成型後に乾燥を行って更に水分を除去し得る程度に行うことが好ましい。
また、収穫時は植物の茎葉部と子実部を分別収穫しても良い。
分別収穫する方法は、通常の手段を用いればよく、具体的には、コンバインなどの機械で分別収穫する方法が挙げられる。分別収穫することにより、穂発芽の防止、鳥や鼠等による被害を防止することができる。特に、子実部は、セルロースと比べて、バイオ燃料や基礎化学品原料への転換が容易であるので、別回収系とすることにより、有効利用を図ることができる。
<ベール成型工程(II)>
収穫された植物は、ベール成型装置により成型してベールとする。
本発明でいうベールとは、ロールベール、又は、直方体状のコンパクトベール又はヘイベールなどを含む。
下記にロールベールの成型方法を記載するが、本発明のベールはロールベールに限定されず、コンパクトベール又はヘイベール、その他のベールであってもよい。その他のベールも通常の方法で成型することができる。
ロールベールを成型するには、ロールベーラを用いる。ロールベーラは、その機体の前端側に装備されているピックアップ装置により、圃場に刈り倒されている植物をピックアップして、帯状に連続する状態として、機体の後方に装備されているベール成型室に送り、そこで、ロール状に巻き締め圧縮し、所定の径のロールに成型したところで、トワイン又はネットを繰り出して、これの巻き付け締め付けにより梱包し、この梱包を終えたところで、成型したロールベールをロール成型室の開放により機体の後方に放出するものである。
通常、ロールベーラにより行う植物の成型作業は、機体を走行させて圃場面に放置してある植物をピックアップしながら行われることから、成型されたロールベールは、ロールベールの成型・梱包が終えた地点ごとに圃場面に放出されて放置されていく。
本発明に係るベールの大きさには特に制限はないが、通常、ロールベールの場合には、直径0.4〜2.0mで高さ0.5〜2.0m程度、直方体状のベールの場合は、一辺が0.5〜5m程度の立方体ないし直方体であることが好ましい。また、そのベール1個当たりの重量は、成型した植物の種類や天日乾燥の有無により差があるが、通常25kg〜1.5トンの範囲で、水分含有率15〜85重量%、乾物梱包密度(乾物重量を容積で除した値)は、80〜200kg/mの範囲である。
<ベール乾燥工程(III)>
工程(II)で得られたベールは、乾燥して水分含有率を低減する。この乾燥は、ベールを保存し、保存中に行われる。
保存、乾燥方法は、特に制限はないが、好ましくは以下に挙げる方法が挙げられる。
ベールの保存形態としては、降雨により濡れることを避けるため、屋根のある建造物(例えば、ビニールハウスや倉庫)の中で保管するか、もしくは屋根の無い屋外で保管する場合は、防水シート、好ましくは透湿防水シートで上部を覆うことが望ましい。また、ベール成型直後は、発酵が進み、ベールの内部が発熱し、自然発火する場合があるので、発酵が終了するまで、例えば20〜60日程度は、屋外で保存することが好ましい。
また、ベールは直接土壌上に置くのではなく、樹脂製もしくは木製のパレットなどをベールと土壌の間に置き、直接土壌に接しないように保存するのが好ましい。
また、ベールをシートで覆う場合、透湿防水シートで上部を覆うことが好ましい。
この場合、用いる透湿防水シートは、透湿度が、通常100g/m・24hr以上、好ましくは300g/m・24hr以上、より好ましくは500g/m・24hr以上であるものが好ましい。透湿防水シートの透湿度が低過ぎると、ベールを水分の多い状態で長期間置くことにより、シート内部で結露した水滴により、植物が腐ったり、子実が含まれている場合には発芽する場合もあり、好ましくない。透湿防水シートの透湿度の上限は特に制限はないが、水が気体分子ではなく、液体分子の状態で大量にシートを通過する状態は好ましくない。
なお、本発明において、透湿防水シートの透湿度とは、JIS Z0208(カップ法)法に基づく、40℃、90%RH時の測定値である。
本発明に係る透湿防水シートには、特段の制限はないが、多孔質布と多孔質ポリオレフィンフィルムとの積層体であってもよい。以下に、この多孔質布と多孔質ポリオレフィンフィルムとの積層体よりなる透湿防水シートについて説明する。
〈多孔質布〉
本発明に係る多孔質布には、特段の制限はないが、例えばスプリットヤーンから作製された割布、不織布、織布又は網状物などであって、目付が10〜500g/m程度のものが好適である。中でも、不織布や網状物が好ましい。
多孔質布は、通気性、透湿性、柔軟性などを有し、後記する多孔性ポリオレフィンフィルムとの積層一体化のために、このフィルムと接着性を有することが重要である。
多孔質布の原料は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、レーヨン、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。多孔質布の原料には、その耐候性、耐光性、耐久性などを向上させるために、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、着色剤などの各種の樹脂添加剤を配合するのが好ましい。
不織布とは、製織、編組によらず繊維を布状(シート)にしたものをいい、繊維シートの製法別に、乾式法、湿式法、スパンボンド法などに分けられ、これらのうちいずれの方法によって製造されたものでもよい。不織布は、単位面積あたりの重量が10〜500g/m、中でも20〜300g/mの範囲のものを選ぶのが好ましい。
網状物とは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルなどのオレフィン系樹脂を縦糸及び/又は横糸として網状に構成した網状多孔質布をいい、該オレフィン系樹脂はその幅が0.1〜10mmの範囲であることが好ましく、またその厚さは10〜300μmの範囲、さらには10〜50μmの範囲であることが好ましい。
網状物を製造する方法としては、上記オレフィン系樹脂を縦糸又は横糸の一方又は両方もしくは縦糸又は横糸の一部に用いて編織するか、縦糸と横糸とを重ね合せて置き、その交点を熱融着する等の方法を用いることができる。
なお、多孔質布は、防水(撥水)加工されていてもよい。
〈多孔質ポリオレフィンフィルム〉
多孔質ポリオレフィンフィルムには、特段の制限はないが、(A)ポリオレフィン樹脂と(B)充填剤とを含む樹脂組成物を原料とするものが挙げられる。この樹脂組成物には光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤やラジカル発生剤を配合してもよい。
多孔質ポリオレフィンフィルムの原料となるポリオレフィン樹脂(A)は、エチレン又はプロピレンのホモポリマー、エチレン又はプロピレンとこれらと共重合し得る他のモノマーとの共重合体であり、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、密度0.910g/cm以下の超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−メクアクリル酸エステル共重合体、又はこれらの混合物などが挙げられる。
線状低密度ポリエチレンとは、エチレンと他の共重合可能なα−オレフィンとの共重合物をいう。共重合可能な他のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ぺンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられ、これらと共に1,4−へキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンなどの非共役ジエンを共重合させることもできる。
これらのポリオレフィン樹脂(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリオレフィン樹脂(A)に配合する充填剤(B)は、無機充填剤及び有機充填剤のいずれでもよい。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、桂藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、アスベスト粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライト、桂酸白土などが挙げられる。中でも、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、桂藻土、硫酸バリウムなどが好適である。
有機充填剤としては、木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末が挙げられる。
これらの充填剤(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
充填剤(B)の平均粒径としては、30μm以下のものが好ましく、中でも0.7〜5μmのものが好ましい。粒径が大き過ぎると得られる多孔質ポリオレフィンフィルムの気孔の緻密性が悪くなり、また、粒径が小さ過ぎると樹脂への分散性が悪く、成形性も劣るものとなる。
多孔質ポリオレフィンフィルムの製造方法には、特段の制限はないが、例えば、特開平10−203884号公報等に記載の方法を採用することができる。
〈積層体〉
多孔質ポリオレフィンフィルムと多孔質布とを積層させるには、(i)接着剤を用いる方法、(ii)熱接着による方法、などによることができる。いずれの方法による場合であっても、多孔質ポリオレフィンフィルムと多孔質布とは、それぞれの接着面積が対向する面の5〜60%の範囲になるように接着するのが好ましい。この接着面積が5%未満であると、得られる積層体は接着部分が少ないため、使用の際に接着した部分が剥離し、接着面積が60%を超えると、接着面積が広すぎて積層体の通気性、透湿性、柔軟性が低下するので、いずれも好ましくない。
多孔質ポリオレフィンフィルムと多孔質布とを接着させる方法は、特に制限はないが、上記(i)接着剤を用いて接着するには、ホットメルト接着剤、感圧接着剤などを使用する方法が好ましい。この際に使用できるホットメルト接着剤としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンなどの樹脂、テープ、ウエブなどが挙げられる。上記(ii)熱接着による場合には、多孔質布の表面を加熱し、多孔質布の素材が熱可塑性樹脂の場合にはこれを加熱溶融させながら、多孔質ポリオレフィンフィルムに押圧して接着する方法が挙げられる。いずれの接着法による場合であっても、接着面は、線条、点状、格子状、ランダム状などのいずれかとするのが好ましい。
本発明で用いる透湿防水シートとしての積層体は、製品強度の面からは3層、4層などの多層構造の積層体であることが好ましい。例えば、このような積層体としては、多孔質布/多孔質ポリオレフィンフィルム/多孔質布のような3層積層体や、多孔質布/多孔質ポリオレフィンフィルム/多孔質布/多孔質布のような4層積層体が挙げられる。
以上のような本発明に好適な物性を示す透湿防水シートとして好ましいものとしては、具体的には、三菱樹脂社製の「エクセポールDCS3」、「エクセポールDCS4」、DuPont社製の「タイベックソフトタイプ・ハードタイプ」、「タイベック400WP」、「タイベック700AG」、「タイベック760AG」、「タイベック1000AG」などのシートが挙げられ、耐水性がより良好な点から、「エクセポールDCS3」又は「エクセポールDCS4」が好ましい。
なお、透湿防水シートでベールを覆う場合、その全体を覆ってしまうと、乾燥効率が悪くなることや、風圧でシートが飛ばされる等の問題があることから、ベールの上部、例えば、ベールの高さのうちの1/3〜1/5程度の上部のみを透湿防水シートで覆い、雨水を防ぐことはできるが、水分の蒸発を妨げないようにすることが好ましい。
このような保存による乾燥期間は、保存条件によっても異なり、乾燥後のベールが後述の好適な水分含有率となるような期間であるが、通常20日以上、好ましくは1ヶ月以上、より好ましくは2ヶ月以上である。この保存乾燥期間が短すぎると、乾燥が十分進まない。なお、初期の発酵状態(発熱期)の期間を過ぎないで倉庫等に収納すると、前述したように、自然発火する場合があり危険である。保存乾燥期間は長くても特に問題はないが通常一年以下である。
なお、保存乾燥期間中、温度や湿度等の保存条件を制御することも可能であるが、調温や調湿を行うことは、徒にコストを引き上げることとなり、不経済であるので、屋外の自然乾燥下、或いは、ビニールハウスや倉庫等の通常の環境条件下でよい。
このような乾燥工程を経た後のベールの水分含有率(ベール重量に占める水分重量の百分率)は、通常50重量%以下、好ましくは40重量%以下で、特に30重量%以下、とりわけ20重量%以下であることが好ましい。乾燥後のベールの水分含有率が多すぎると、ベールの全体重量が大きく、その後の諸作業が困難となり、物流のエネルギ−を多く消費することになる。さらに、ベールを圧縮する工程において、高い荷重をかけなければ圧縮できず、圧縮後も容易に復元する傾向がある。乾燥後のベールの水分含有率の下限は特に制限はないが10重量%以下にまで水分含有率を低減するのは、通常、困難である場合が多い。
また、この乾燥工程における乾燥の程度は、乾燥前のベールの水分含有率と乾燥後のベールの水分含有率の差が20重量%以上、特に30重量%以上となるように行うことが、乾燥による後の圧縮工程(IV)でのベールの圧縮効率の向上と崩壊防止を図る上で好ましい。
<ベール圧縮工程(IV)>
工程(III)で乾燥させたベールは、圧縮成型機にて、下記式で算出される圧縮率(以下、「10分後圧縮率」と称す。)が通常70%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下に圧縮する。ベールの圧縮率の下限は特に制限はないが元のベールの20%以下の容量にまで圧縮するのは、通常、困難である場合が多い。
圧縮率=(V/V)×100
(ただし、Vは圧縮前のベールの容積であり、Vは圧縮後、圧縮加重を解除してから10分経過したときのベールの容積である。)
この圧縮が十分でないと、本発明の目的を達成し得ず、運搬効率が落ち、物流のエネルギーがかかり、圧縮しすぎると圧縮時に梱包紐が切れ、ベールの崩壊が発生しやすくなり、ハンドリングトラブルが発生することがある。
本発明において、この工程(IV)でベールを圧縮成型機で圧縮するに先立ち、ベールを上記工程(III)で好ましくは前述の水分含有率となるようにベールを乾燥することは極めて重要であり、乾燥工程(III)を経ることなくベールの圧縮工程(IV)を行おうとすると、高い荷重をかけなければ圧縮できず、圧縮後も容易に復元する傾向がある。
ロールの圧縮方法は、圃場外の施設にロールを持ち込み重機で圧縮する方法であってもよく、圃場に専用のトラクターなどの農機を動力源として使用する圧縮機器を持ち込んで圧縮する方法であってもよい。
この中でも、圃場でのロールベールの圧縮方法を一例に挙げると、ロールベーラに装備された成型室内のベール成型装置によりロールに圧縮成型されてトワイン又はネットにより外周側が巻き締め緊縛されて、成型室から放出されたロールベールを、図1(a)に示す如く、中心軸線方向が上下方向となるように立てた状態として支承台2上に載置し、そのロールベール1の軸線方向における上端面1Aに、昇降装置(図示せず)により昇降する加圧板3を当接し、昇降装置の作動により加圧板3を下降させて、ロールベール1を軸線方向に加圧圧縮し、それによりロールベール1が軸線方向に押し潰れて減容したところで、ワイヤー、ロープ又は金具などにより軸線方向に緊縛固定し、次いで、加圧板3の加圧を解放することによりロールベール1を減容する方法が好ましい。
ここで、1回の圧縮に供されるロールは、1個でも複数個でもよい。
圧縮加重度は、ロールの数や重量にも依存するが、圧縮するロール重量の合計が、100〜200kgのものであれば、通常15t以下、好ましくは、10t以下、より好ましくは7t以下である。この下限は特に定めないが、通常2t以上である。
また、加圧圧縮は複数回に分けて行うこともできる。
ロールの容積が圧縮前の容積の70%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下になった際の圧縮加重度は、通常15トン以下、好ましくは10トン以下、より好ましくは7トン以下である。
このような加圧圧縮により減容化した後のベールは、圧縮加重を解除すると、場合によりわずかに復元するが、本発明においては、圧縮加重を解除した後、10分経過した後のわずかに復元した後のベールの容積が、圧縮前のベールの容積に対して70%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下となるように圧縮を行う。ベールの圧縮の下限は特に制限はないが元のベールの20%以下の容量にまで圧縮するのは、通常、困難である場合が多い。
このためには通常、加圧圧縮し、圧縮加重を解除した直後の状態で、圧縮前のベールの容積の通常65%以下、好ましくは45%以下、より好ましくは35%以下の容積となるように圧縮を行うことが好ましい。ベールの圧縮の下限は特に制限はないが元のベールの20%以下の容量にまで圧縮するのは、通常、困難である場合が多い。
なお、圧縮後の復元率が大きく、加圧圧縮により減容化した後、圧縮加重を解除した直後の容積に対して、10分後の容積が大き過ぎると、減容化した後のベールをワイヤー、ロープ、金具などにより軸線方向に緊縛固定した場合には破裂する危険がある。この復元率を小さくする上でも、本発明における前記乾燥工程(III)が重要となる。
<運搬方法>
圧縮、減容化されたベールは、軽トラックや中型、大型トラック等の運搬機等で運搬される。
運搬方法は、ユニックが付いたトラックを使用し、在庫ベールをユニックで吊り上げ、荷台に積載して運搬する方法、又は、フォークリフトを用いてトラックに積載して運搬する方法、又は、ベールグリッパを付けたトラクターにてベールを挟み、トラックに積載して運搬する方法などが挙げられる。
<重金属の回収方法>
ファイトレメディエーション用植物の場合、カドミウム等の重金属を吸収した植物を上述の工程(I)〜(IV)により収穫、乾燥、減容化して、処分場に運搬し、焼却して、重金属の単体又は化合物を気化させた後、冷却して析出させ、析出したカドミウムを飛灰と共に集塵機(バグフィルター)で捕集して回収する。この場合の回収方法は、公知の技術を適用すればよい。
以下に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
福岡県にて2007年6月〜10月までに栽培した稲を、コンバインにてモミとワラを分離して収穫後、ワラを圃場にて2日間天日乾燥後、ロールベーラで複数個のベールとして回収した。ベールの大きさは、直径1m、高さ1mの円柱形で、1個当たりの平均重量は204kg、水分含有率は45重量%であった。このベールを圃場に2週間置いた後、ビニールハウスの中に搬入し、木製パレット上で2008年9月11日まで304日間保存した。保存後のロールベールの水分含有率は12重量%、平均乾物梱包密度は120kg/mであった。
これらのロールベールのうちの標準的な2個(A、B)を選び、それぞれを、縦置きに置いて、10tまで加圧ができるプレス機を用いて加圧圧縮を行って、圧縮加重度を検討した。その結果、ロールベールAを、圧縮前の容積(0.94m)の47.4%の容積に減容した時の圧縮加重度は7.645t、圧縮前の容積の41.2%に減容した時の圧縮加重度は9.730tであった。またロールベールBを、圧縮前の容積(0.92m)の50.9%の容積に減容した時の圧縮加重度は7.360tであり、圧縮前の容積の47.1%の容積に減容した時の圧縮加重度は9.730tであった。いずれのロールベールも、保形性を良好に維持していた。
また、プレス機を解除して45秒後のロールベールAの容積は圧縮前のロールベールの容積の67.1%であり、ロールベールBの容積は圧縮前のロールベールの容積の67.9%であり、10分後においても容積の変化は見られなかった。即ち、ロールベールAは10分後圧縮率67.1%、ロールベールBは10分後圧縮率67.9%で圧縮された。
各ロールベールの容積及び重量は以下の通りであり、減容化、軽量化により取り扱い性に優れるものであった。
ロールベールA:重量=122kg
容積=0.63m
ロールベールB:重量=134kg
容積=0.62m
[実施例2]
実施例1と同様にして栽培した稲をコンバインにてモミとワラを分離して収穫後、天日乾燥後のものを、別の小型ロールベーラで複数個のベールとして回収した。ベールの大きさは、直径50cm、高さ65cmの円柱形で、1個当たりの平均重量は11kg、水分含有率は45重量%であった。このベールを圃場に2週間置いた後、ビニールハウスの中に搬入し、木製パレット上で2008年9月11日まで304日間保管した。保管後の、ロールベール中の水分含有率は12重量%、平均乾物梱包密度は47kg/mであった。
これらのロールベールのうちの標準的な3個を選び、縦置きで一列に並べて置き、10tまで加圧ができるプレス機を用いて、加圧圧縮を行った。これらのロールベールを、圧縮前の容積(0.13m)の43.8%の容積に減容した時の圧縮加重度は2.890t、圧縮前の容積の30.1%の容積に減容した時の圧縮加重度は6.890tであった。その後9.69tまで荷重をかけたが、容積は変化せず、いずれの場合もロールベールは、保形性を良好に維持していた。
また、プレス機を解除して35秒後のロールベールの容積は圧縮前のロールベールの容積の55.4%であり、10分後においても、ロールベールの容積の復元は小さく、容積の変化は殆ど見られなかった。即ち、いずれのロールベールも10分後圧縮率55.4%で圧縮された。
これらのロールベールの平均容積は0.07m、平均重量は7kgで取り扱い性に優れるものであった。
[比較例1]
福岡県にて2008年6月〜10月まで栽培した稲をコンバインにてモミとワラを分離して収穫後、ワラを圃場にて10日間天日乾燥後、ロールベーラで複数のベールとして回収した。ベールの大きさは、直径1m、高さ1mの円柱形で、1個当たりの重量は111kg、水分含有率は20重量%、平均乾物梱包密度は98.1kg/mであった。
このロールベールのうち標準的な2個(a、b)を選び、ロールベールに成型後直ちに縦置きに置いて、10tまで加圧ができるプレス機を用いて、各々1個ずつ加圧圧縮を行った。その結果、ロールベールaを圧縮前の容積(0.92m)の62%の容積に減容した時の圧縮加重度は9.060t、ロールベールbを圧縮前の容積(0.88m)の51%の容積に減容した時の圧縮加重度は9.175tであり、いずれのロールベールも圧縮中にロールベールの上部が崩壊し、これ以上の加圧圧縮を行うことができなかった。また、プレス機を解除した後のロールベールは復元力が強く、結果的には、ロールベールaが圧縮加重解除後24秒後に圧縮前のロール容積の80.6%にまで復元し、ロールベールbは圧縮加重解除後30秒後に圧縮前のロ−ル容積の79.5%にまで復元した。
各ロールベールの容積及び重量は以下の通りであり、圧縮による減容化の効果は得られなかった。
ロールベールa:重量=103kg
容積=0.74m
ロールベールb:重量=118kg
容積=0.70m
[実施例3]
福岡県にて、2008年5月19日〜8月19日の期間に栽培したソルガムを、ビコン社製モアコンディショナ「TR−165SP」を用いて刈り倒しながら収穫し(収穫直後の水分含有率は77.6%)、圃場に5〜30cmに切断しながら放出し、6日間天日乾燥した後、タカキタ社製カッティングロールベーラにて回収し、ネット式にてロールベール化した。ロールベールの大きさは、平均ロール高が87cm、直径が98cmであった。この時点での水分含有率は52.2重量%、重量は203kg、平均乾物梱包密度は140.4kg/mであった。
次いで、図2に示すように、圃場の上に置いた樹脂製パレット(1100×1100×高さ150mm)11の上に円柱状のロールベール10を1個ずつ縦置きし、6個を南北方向に一列に並べ、樹脂製の洗濯物取り入れ用のカゴ12を5個、各々のロール10,10の間の上部に載せ、その上に三菱樹脂社製透湿防水シート「(商品名)エクセポールDCS3」(透湿度:710g/m・24hr)13をかぶせて、ロールベール10の上部を覆った。即ち、ロールベール10は、その全高のうち約1/3程度の上部のみが透湿防水シート13で覆われ、それ以外は表出している。また、強風等による透湿防水シート13のまくり上がりを避けるため、シート13の端をビニール紐14でパレット11に固定した。この状態で、9月1日〜11月6日の約2ヵ月間ロールベール10を保管した。この期間の気象条件は、晴れ51日、曇り12日、雨4日、総降水量220mmであった。約2ヵ月後のロールベール10中の水分含有率は20.2重量%で、1個当たりの重量は104kgであった。
引き続き、このロールベール(ロール高87cm、直径98cm)を縦置きに置いて、10tまで加圧ができるプレス機を用いて、加圧圧縮したところ、ロールベールを圧縮前の容積(0.66m)の54%の容積に圧縮した時の圧縮加重度は6.140tであった。その後、圧縮加重度9.105tまで荷重したが、ベール容積は圧縮前の48%の容積にまでしか変化しなかった。この間、ロールベールはその保形性を良好に維持していた。また、プレス機を解除して25秒程度放置した後のロールベールの復元は小さく、圧縮前の容積の58%であり、10分放置後もその容積に変化は無かった。
即ち、ロールベールは10分後圧縮率58%で圧縮され、容積0.38m、重量98kgで取り扱い性に優れるものであった。
[実施例4]
福岡県にて、2009年5月19日〜8月25日の期間に栽培したソルガムを、ビコン社製モアコンディショナ「CM190HT」を用いて刈り倒しながら収穫し(収穫直後の水分含有率は75.5%)、天日乾燥処理しないで直ちにタカキタ社製カッティングロールベーラにて回収し、ネット5周巻きにてロールベール化した。ロールベールの大きさは、平均ロール高が88cm、直径が86cmであった。この時点での水分含有率は75.5重量%、重量は176.3kg、平均乾物梱包密度は97.9kg/mであった。
次いで、図2に示すように、圃場の上に置いた樹脂製パレット(1100×1100×高さ150mm)11の上に円柱状のロールベール10を1個ずつ縦置きし、3個を南北方向に一列に並べ、樹脂製の洗濯物取り入れ用のカゴ12を2個、各々のロール10,10の間の上部に載せ、その上に三菱樹脂社製透湿防水シート「(商品名)エクセポールDCS3」(透湿度:710g/m・24hr)13をかぶせて、ロールベール10の上部を覆った。即ち、ロールベール10は、その全高のうち約1/3程度の上部のみが透湿防水シート13で覆われ、それ以外は表出している。また、強風等による透湿防水シート13のまくり上がりを避けるため、シート13の端をビニール紐14でパレット11に固定した。この状態で、8月27日〜11月18日の約2.5ヵ月間ロールベール10を保管した。この期間の気象条件は、晴れ58日、曇り21日、雨5日、総降水量334mmであった。約2ヵ月後のロールベール10中の水分含有率は42.2重量%で、1個当たりの重量は54.9kgであった。
引き続き、これらのロールベールのうち標準的な2個(C、D)を選び、それぞれを縦置きに置いて、10tまで加圧ができるプレス機を用いて加圧圧縮を行って、圧縮加重度を検討した。その結果、ロールベールCを、圧縮前の容積(0.44m)の45%の容積に減容した時の圧縮加重度は2.993t、圧縮前の容積の34%に減容した時の圧縮加重度は8.066tであった。またロールベールDを圧縮前の容積(0.45m)の46%の容積に減容した時の圧縮加重度は3.395t、圧縮前の容積の34%に減容した時の圧縮加重度は8.175tであった。いずれのロールベールも保形性を良好に維持していた。
また、プレス機を解除して1分後のロールベールCの容積は圧縮前のロールベールの容積の48%であり、ロールベールDの容積は圧縮前のロールベール容積の43%、10分後においては、ロールベールCは圧縮前のロールベール容積の53%(10分後圧縮率53%)、ロールベールDは46%(10分後圧縮率46%)、2時間後においては、ロールベールCの容積は圧縮前のロールベール容積の57%、ロールベールDの容積は圧縮前のロールベール容積の52%、10日後においては、ロールベールCの容積は圧縮前のロールベール容積の57%、ロールベールDの容積は圧縮前のロールベール容積の55%であった。
1 ロールベール
2 支承台
3 加圧板
10 ロールベール
11 パレット
12 カゴ
13 透湿防水シート
14 ビニール紐

Claims (4)

  1. 植栽地で栽培された植物を収穫して乾燥及び圧縮する方法であって、以下の(I)〜(IV)の工程を少なくとも含むことを特徴とする植物の圧縮方法。
    (I) 植栽地で栽培された植物を収穫する工程
    (II) 工程(I)で収穫した植物を、ベール成型装置によりベールに成型する工程
    (III) 工程(II)で得られたベールを保存し乾燥させる工程
    (IV) 工程(III)にて乾燥させたベールを圧縮成型機にて下記式で算出される圧縮率が70%以下となるように圧縮する工程
    圧縮率=(V/V)×100
    (ただし、Vは圧縮前のベールの容積であり、Vは圧縮後、圧縮加重を解除してから10分経過したときのベールの容積である。)
  2. 前記工程(III)において、前記ベールを、該ベールの上部を透湿度が100g/m・24hr以上の透湿防水シートで覆った状態で保存して乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の植物の圧縮方法。
  3. 前記工程(III)後のベール中の水分含有率が、ベール全重量に対して40重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物の圧縮方法。
  4. 植物が、土壌浄化(ファイトレメディエーション)用植物であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の植物の圧縮方法。
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