JP5446451B2 - Icタグ付き金属蓋及び金属容器 - Google Patents
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Description
そして、このような各種の金属容器には、例えば商品名や内容物の成分、生産者、生産地、賞味期限等、所定の商品情報を表示した文字やバーコード等が付されている。この種の商品情報の表示は、通常、金属容器の外面に直接印刷されたり、ラベルに印刷されて貼付されるようになっている。
また、バーコード表示の場合、リーダで読み取るためにバーコード自体を容器表面に平面状に表示等しなければならず、また、傷や汚れ等があると読み取り不能となってしまい、しかも、バーコードでコード化できる情報量は限られていることから、文字による表示の場合と同様に、商品情報を表示、認識する手段としては一定の限界があった。
ICタグは、非接触ICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、RFタグ等とも呼ばれ、ICチップと無線アンテナを樹脂やガラス等で封止してタグ(荷札)状に形成した超小型の通信端末で、ICチップに所定の情報を記録して対象物にタグを取り付け、記録した情報を無線通信により読取装置(リーダ・ライタ)側でピックアップすることにより、ICチップに記録された情報を認識、表示するものである。
そして、このようなICタグを用いることで、商品に関する種々の情報、例えば商品の名称や重量、内容量、製造・販売者名、製造場所、製造年月日、使用期限・賞味期限等の種々の情報が記録可能となり、従来の文字やバーコードによる商品表示では不可能であった多種多様な商品情報であっても、小型・薄型化されたタグを商品に装着するだけで利用することが可能になった。
ICタグを容器に取り付けると、ICタグが発生する磁束は容器を貫通する方向に生じることになる。このため、タグを金属容器に取り付けた場合、アンテナ部が発する磁波・電磁波が金属容器側に吸収される熱損失等が生じてしまい、タグの通信特性が損なわれる事態が生じる。
また、金属容器101の影響によりタグ100のアンテナコイル部のインダクタンス等が変化してしまい、これによりアンテナの共振回路の共振周波数もずれてしまう。
このようにして、通常の汎用されているICタグをそのまま金属容器に取り付けると、タグが誤動作したり、リーダ・ライタとの無線通信が行えなくなったりするという問題が発生した。
具体的には、図25に示すように、従来提案されている金属容器専用のICタグ102は、タグ内部の金属容器101と対向する側に、シート形状等に形成した磁性体(高透磁率体)103や誘電体が配設されるようになっており、これによって、ICタグ102が発する磁束を磁性体103内に通過させて、金属容器101側に渦電流が発生することを防止するようになっていた。
また、外見上目立たないようにICタグを小型化することも可能であるが、この場合には、必要なアンテナ長を確保できずに、無線通信の距離(範囲)が狭い範囲に限られたり、隣接する金属容器の影響等によって通信特性が損なわれるおそれがあった。
そして、ICタグのアンテナとして機能する開封用タブを、そのリング部の周囲長を大きくする等、タブの構造を所定形状に形成することで、そのタブ形状に応じてインピーダンスの実数部成分及び虚数部成分を所定の最適値に設定し、ICチップ及びアンテナとしてのタブ間の信号の伝送特性を良好なものとして、開封用タブを所定の動作利得を有するアンテナとすることができるようになる。
また、金属容器の蓋部にICチップを実装するだけで、ICタグ付きの金属容器を構成することができ、ICタグ本体を小型化しつつ、金属容器からなるアンテナによって、通信に必要となる十分なアンテナ長を確保することが可能となり、金属による通信特性の劣化等の問題も有効に解消することができる。
さらに、金属容器をアンテナとすることにより、タグ側のアンテナを省略することができ、アンテナ用のコストを削減できるとともに、タグを可能な限り小型化することができ、小型かつ低コストな金属用ICタグを実現することができる。
式(1):Re(Zan)=Re(Zic)
式(2):Im(Zan)=−Im(Zic)
このような構成とすると、ICチップ及びアンテナであるタブ間のインピーダンス整合を行なうことができる。そのため、より一層良好な通信特性とすることができる。
式(3):0<{Im(Zan)}
一般に、ICタグ用のICチップが、リーダ・ライタ側からの電波のエネルギーを直流成分に変換するための整流回路を備えており、これがリアクタンス成分を有する関係上、そのインピーダンスの虚数部成分がマイナスになりやすい。
そこで、本発明に係る金属蓋は、通信周波数帯域内において、ICチップ及びアンテナとしてのタブのインピーダンスの虚数部成分の和を「0」に近づけることができ、これによってインピーダンス整合を行なうことができるので、通信距離を長く確保することができる。
これにより、ICタグ側とアンテナであるタブ側とのインピーダンス整合を行なうことができ、またアンテナの利得を向上できることにより、通信距離を長くすることができる。
このような構成からなる金属蓋は、タブに接触する突出部により、タブに流れる電流長を調整することができる。
すなわち、突出部を、その位置や数を異ならせて設けることにより電流長を調整して、タブのインピーダンスを適当なものとすることができるので、より容易に所望の通信周波数帯域での通信を行なうことが可能となる。
このような構成からなる金属蓋は、タブ自体が邪魔になることなく缶の開封を行なうことができる。
式(4):Re(Zma)=Re(Zic)−Re(Zan)
式(5):Im(Zma)=−Im(Zic)−Im(Zan)
また、整合回路を用いることにより、タブの形状のみでインピーダンス整合を行なう場合に比較して、タブの形状を、複雑な形状とすることなくICチップとアンテナ間のインピーダンス整合を行なうことが可能となり、製造コストを低減することができる。
このような構成からなる本発明の金属容器によれば、本発明に係るICタグ付き金属蓋を備えることで、アルミニウム缶、スチール缶等の金属容器において、容器の外観・デザインを損なうことなく、また、ICタグの破損・脱落等を防止しつつ、リーダ・ライタとの間で良好な無線通信を行うことができる。
また、アンテナとしてタブが、その動作利得を向上させられているので、良好な通信特性を発揮することができ、単に、既存のタブにICチップを搭載した場合に比較して、通信距離を大幅に延長することができる。
また、アンテナとして機能する開封用タブを、所定形状とすることにより、ICチップとアンテナのインピーダンス整合を図り、充分な通信特性を有する金属蓋とすることができる。
これによって、タグ本体を小型化しつつ、必要なアンテナ長を確保でき、金属による通信特性への影響も回避することができ、外見上タグが目立たなくなって金属容器等の外観が保たれ、かつ、リーダ・ライタとの間で良好な無線通信が行える、特にアルミニウム缶やスチール缶等の金属容器に好適なICタグ付き金属蓋を実現することができる。
[第一実施形態]
まず、図1〜8を参照して、本発明の第一実施形態に係るICタグ付き金属蓋及びこの金属蓋を備えた金属容器について説明する。
(金属容器)
図1は、本発明の第一実施形態に係るICタグ付き金属蓋を備えた金属容器を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る金属容器を示す部分断面図、図3は、同じく本実施形態に係る金属容器の巻締め部を示す断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態の金属容器10は、飲料が充填されるアルミニウム缶、スチール缶等の缶容器であり、缶の胴部及び底部からなる容器本体20と、缶の蓋部となる金属蓋30とで構成されている。
そして、このような金属容器10の金属蓋30に、リーダ・ライタとの間で通信を行うICタグ40が装着されるようになっている。
本実施形態の金属容器10は、胴部及び底部を形成する容器本体20に、蓋部を形成する金属蓋30を巻締めるツーピース缶によって構成してある。
但し、金属容器10は、スリーピース缶によって構成してもよい。
この巻締め部は、金属容器10に充填された内容物の品質保持に大きな影響を与える部分であり、通常は、巻締め部の重ね合わせ部分にウレタン樹脂P等を塗布し、必要な密封性が確保されるようになっている。
このような構成により、金属容器10は、容器本体20と金属蓋30は、絶縁部材であるウレタン樹脂Pを介して絶縁されるが、厳密には、容器本体20と金属蓋30が直接接触する部分も存在しているので、完全な絶縁状態とはなっていない。
このような樹脂被覆缶容器では、容器胴部を構成する金属材の外面や内面にPET樹脂等が被覆されており、このような樹脂被覆された胴部と蓋部とは、ウレタン樹脂等の有無に拘わらず、もともと完全な絶縁状態にある。
従って、容器本体20をこのような樹脂被覆缶容器で構成し、この樹脂被覆缶容器の蓋部にICチップを実装することで、胴部側と完全に絶縁された蓋部をICタグ用アンテナとして機能させることができる。これによって、巻締め部に別途絶縁部材の充填等を必要とすることなく、金属蓋30を容器本体20と完全に絶縁された状態として、良好な通信特性が得られるようになる。
同図に示す金属容器10は、蓋部(金属蓋30)と胴部(容器本体20)が樹脂被覆によって絶縁されようになっており、これによって胴部を構成する金属からの影響を回避して良好な通信特性が得られるようになる。
具体的には、本実施形態では、容器本体20を樹脂被覆金属で構成することで(樹脂被覆層23,23参照)、金属蓋30と容器本体20とがほぼ完全に絶縁されるようにしてある。
樹脂被覆金属板は、例えば、厚さが0.18mmのティンフリースチール板等の金属薄板の両面に、厚み20μmのポリブチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムをラミネートしたものが好適に用いられる。
また、金属薄板に被覆される樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,エチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体,エチレンテレフタレート−アジペート共重合体,ブチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−ポリプロピレン共重合体,エチレン−酢酸共重合体,アイオノマー等のポリオレフィン系樹脂,ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド系樹脂などがある。
従って、金属容器10の構成は、容器本体20及び金属蓋30が導通するタイプ(図3参照)、これらが絶縁させられるタイプ(図4参照)のどちらであってもよい。
図5は、本実施形態に係る金属蓋を、容器本体に結合した状態で示す斜視図である。図6は、本実施形態に係る金属蓋を示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面断面図をそれぞれ示している。
これらの図に示すように、金属蓋30は、円形の蓋パネル32と開封用タブ33を備えた構成となっている。
蓋パネル32は、円形の金属板であり、周縁部には、上述したカバーフック31が形成され、中央部オフセット位置には、開口予定領域を囲むようにスコア34が形成されている。
また、タブ33は、タブ33の先端側端縁と蓋パネル32のカバーフック31内周との間に、指を挿入可能な空間が形成される形状に形成されている。
固定部36は、スコア34に囲まれた開口予定領域にオーバーラップするように蓋パネル32に固定されており、リング部37は、スコア34から遠ざかる方向に延びている。
リング部37の一部又は全体は、蓋パネル32の表面から離間するように形成することが好ましい。このようにすると、リング部37と蓋パネル32の間に指掛け空間が確保されるので、リング部37の指掛けや引き起しが容易になる。
開封用タブのリング孔は、一般には、開封操作時の指掛け用の孔として認識されているが、近年の開封用タブは、開封後も金属蓋から分離されない構造となっており、小型化され、容器から完全に切り離される旧来の大型のプルタブとは異なり、リング孔も小さいものとなっている。本実施形態の開封用タブ33も、このような開封後も金属蓋から分離されない、リング孔の小さいタイプのものとなっている。そして、このようなタイプの開封用タブのリング孔は、実際にはリング孔38に指が入れられることはなく、せいぜい開封時に指の腹で押えられる程度のものとなっている。
そこで、本実施形態では、このように実際にはデッドスペース化している開封用タブ33のリング部37のリング孔38にまたがってICタグ40(ICチップ41)を搭載することによりリング孔38を装着空間として有効活用するようにしてある。
ICタグ40で使用される周波数帯としては、例えば、135kHz以下の帯域、13.56MHz帯、いわゆるUHF帯に属する860M〜960MHz帯、2.45GHz帯等の数種類の周波数帯がある。そして、使用される周波数帯によって無線通信が可能な通信距離が異なるとともに、周波数帯によって最適なアンテナ長などや配線パターンが異なってくる。
そこで、金属蓋30をアンテナとして機能させるために、金属蓋30の径・面積を所定の値に設定することで、特定周波数帯(例えば2.45GHz帯)に適したアンテナとなるようにしてある。
ICタグのICチップ41及びアンテナ部分であるタブ33においては、タブ33のインピーダンス(Zan)とICチップ41部分のインピーダンス(Zic)とが整合されていることが望ましく、インピーダンス整合は、ICチップ41とアンテナ(タブ33)のインピーダンスにおいて、ICチップ41の実数部成分の値と、アンテナの実数部成分の値とが一致し({Re(Zic)}={Re(Zan)})、かつ、ICチップ41とアンテナの虚数部成分の和の値が0({Im(Zic)}+{Im(Zan)}=0)となれば最高の性能となる。
そして、これらが不整合になれば、それだけICタグ40の性能は劣化することになる。
式(1):Re(Zan)=Re(Zic)
式(2):Im(Zan)=−Im(Zic)
すなわち、タブ33が、そのインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Zan)}が、0<{Im(Zan)}を満たすようにすることで、ICチップ41とタグ33間のインピーダンス整合を確実に行なうことができる。これは、ICタグ用のICチップ41が、リーダ・ライタ側からの電波のエネルギーを直流成分に変換するための整流回路を備えており、これがリアクタンス成分を有する関係上、そのインピーダンスの虚数部成分がマイナスになりやすいからである。
そこで、本実施形態では、アンテナを構成するタブ33を、そのインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Zan)}が、下記式(3)を満たすように設定してある。
式(3):0<{Im(Zan)}
具体的には、タブ33は、リング部37の周囲長Lが、28mm≦Lにあるように形成してある。
このような形状とすることにより、タブ33の電流長が最適なものとなり、すなわち、タブ33側のインピーダンスの実数部成分と虚数部成分の双方を最適なものとすることができる。これにより、ICチップ41とタブ33のインピーダンスの虚数部成分の和を「0」に近づけることができるので、インピーダンス整合が行なわれるようになり、通信距離を長く確保することが可能となる。
このタブ33のリング部37のリング孔38上には、ICタグ40が位置している。
すなわち、所定の通信周波数帯域(本実施形態では、2.40GHz〜2.4835GHz)において、タブ33のインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Aan)}がプラスの値を有するように形成することができる。
これにより、本実施形態では、ICチップ41が、リーダ・ライタ側からの電波のエネルギーを直流成分に変換するための整流回路を備えることになり、これがリアクタンス成分を有しているので、タブ33の虚数部成分{Im(Aan)}がプラスの値を有すると、虚数部成分{Im(Zan)}と{Im(Zic)}の和を「0」、又は「0」に近づけることができ、タブ33が、アンテナとして良好な動作利得を得ることができるようになる。
図5及び図6に示すように、ICタグ40は、金属蓋30の開封用タブ33に装着される。
一般に、ICタグ40は、ICチップ41とアンテナとを有し、これらを樹脂などからなる基材に搭載して構成されるが、本実施形態に係るICタグ40は、専用のアンテナを備えず、金属容器10の一部を、ICタグ用のICチップ41に電気的に接続し、ICタグ40のアンテナとして機能させるようにしてある。
そして、このICタグ40は、金属蓋30の開封用タグ33に装着されている。
ICチップ41が搭載される基板は、ガラスエポキシ樹脂などで形成されており、ICチップ41側と金属蓋30側とが絶縁されている。
そして、ICチップ41は、金属製のコンタクト部を介してタブ33に電気的に接触するようになっている。なお、ICチップ41のコンタクト部は、少なくとも1箇所においてタブ33と電気的に接続していれば良く、従って、コンタクト部は複数設けられていても良い。
ICチップ41は、メモリ等の半導体チップからなり、例えば数百ビット〜数キロビットのデータが記録可能となっている。そして、アンテナを介して図示しないリーダ・ライタとの間で無線通信による読み書き(データ呼び出し・登録・削除・更新など)が行われ、ICチップ41に記録されたデータが認識されるようになっている。
ICチップ41に記録されるデータとしては、例えば、商品の識別コード、名称、重量、内容量、製造・販売者名、製造場所、製造年月日、使用期限等、任意のデータが記録可能であり、また、書換も可能である。
本実施形態では、金属蓋30をアンテナとして機能させることから、上述したように開封用タブ33の外形を所定の大きさに設定することで、特定周波数帯(例えば2.45GHz帯)に適したアンテナとすることができる。
次に、以上のような構成からなる本実施形態の金属蓋の通信特性について、図8を参照しつつ説明する。図8は、ICチップ41として、そのインピーダンスがZic=20−j50のものを使用してシミュレーションを行った結果を示している。
図8は、本実施形態に係る金属蓋の特性を示すグラフ図であって、(a)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とアンテナのインピーダンスZanの虚数部成分{Im(Zan)}の関係を示すグラフ図であり、(b)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とリターンロスとの関係を示すグラフ図である。
すなわち、タブ33のリング部37等を所定形状に形成すると、その形状に応じてインピーダンスの実数部成分及び虚数部成分を所定の値とすることができるので、ICチップ及びアンテナとしてのタブ間の信号の伝送特性が良好になり、タブを所定の動作利得を有するアンテナとして機能させることができるようになる。
そして、タブ33の形状によりインピーダンス整合を行なうことができるので、既存のICチップをそのまま用いることが可能となり、汎用性、拡張性に優れた金属対応ICタグを実現することができる。
これにより、金属容器10の蓋部にICチップ41を実装するだけで、ICタグ付きの金属容器10を構成することができ、ICタグ40本体を小型化しつつ、金属蓋30からなるアンテナによって、通信に必要となる十分なアンテナ長を確保することができ、金属による通信特性の劣化等の問題も解消することができる。
さらに、金属容器10の一部又は全部をアンテナとすることにより、ICタグ40側のアンテナを省略することができ、アンテナ用のコストを削減できるとともに、タグを可能な限り小型することができ、小型かつ低コストな金属用ICタグを実現することができる。
また、ICタグ40が外観上目立たなくなることで、人目に付きにくくなり、人為的なICタグ40の剥離、損壊等も抑制することができる。
さらに、金属蓋30は、容器の保管、出荷、陳列等の際にも、他の容器や器具、他の商品等とほとんど接触することがなく、金属蓋30に装着されたICチップ41が他の容器や商品等と接触して破損したり、容器から脱落したりすることも有効に防止できるようになる。
次に、本発明の第二実施形態に係る金属蓋及び金属容器について、図9〜11を参照しつつ説明する。
図9は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器の一部を拡大した状態で示す斜視図である。図10は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器を示す図であって、(a)は平面図を(b)は側面断面図をそれぞれ示している。
これらの図に示すように、本実施形態に係る金属蓋30は、上述した第一実施形態の変更実施形態であり、タブ33aの形状が、第一実施形態における凹設部70(図6参照)がない略涙滴状に形成されている点で第一実施形態と異なる。
また、本実施形態では、蓋パネル32には、リング部37aの固定部35から先端部側のほぼ中央位置に、リング部37aに先端が接触するように突設形成された二つの突出部60が備えられている。
突出部60は、本実施形態では、約0.3mmに形成してある。
このように、金属蓋30に突出部60を設け、この突出部60をタブ33aと接触させることにより、タブ33aを流れる電流長を調整することができる。
すなわち、突出部60の位置や数を異ならせて設けることにより、電流長を調整してタブ33aのインピーダンスを適当なものとすることができるので、より容易に所望の通信周波数帯域での通信を行なうことが可能となる。
なお、リング部37aの先端側端縁と、蓋パネル32のカバーフック31内周との間には、第一実施形態と同様に、開封時に指を挿入しうる空間が形成されている。
さらに、リベット部35及び固定部36は、第一実施形態と同様の形態とし、開封性を維持している。
本実施形態の金属蓋の通信特性について説明する。
図11は、本実施形態に係る金属蓋の特性を示すグラフ図であって、(a)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とアンテナのインピーダンスZanの虚数部成分{Im(Zan)}の関係を示すグラフ図であり、(b)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とリターンロスとの関係を示すグラフ図である。
また、本実施形態では、金属蓋30は、通信周波数帯域内において、虚数部成分{Im(Zan)}がプラスになる周波数を、第一実施形態のものと異なる位置とすることができる。
すなわち、タブ33aの形状を異ならせることにより、所望の周波数で良好なリターンロスを得ることができるようになり、その周波数での通信距離を延長することができる。
また、突出部60を設けることにより、タブ33aを流れる電流長を調整することができる。すなわち、突出部60を、その位置や数を異ならせて設けることにより電流長を調整して、タブ33aのインピーダンスを適当なものとすることができるので、より容易に所望の通信周波数帯域での通信を行なうことが可能となる。
次に、本発明の第三実施形態に係る金属蓋及び金属容器について、図12〜14を参照しつつ説明する。
図12は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器におけるICタグの拡大斜視図である。図13は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器の一部を拡大して示す図であって、(a)は平面図、(b)は側面断面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る金属蓋30は、タブ33bの形状が、上述した第一、第二実施形態のものと異なっている。
具体的には、タブ33bは、第二実施形態のものに比較して、そのリング部37bの先端部において、固定部36側に、ほぼ三角形状に凹設形成された凹設部72が形成されている。その他の構成は、第二実施形態のものと同様である。
このような形状とすることで、タブ33bのリング部37bの形状が大きくなるので、タブ33bを流れる電流長が調整され、通信周波数帯域内におけるアンテナとしてのタブ37bのインピーダンス(Zan)の実数部成分{Re(Zan)}及び虚数部成分{Im(Zan)}を所定の値以上とすることができる。
本実施形態の金属蓋の通信特性について説明する。
図14は、本発明の第三実施形態に係る金属蓋の特性を示すグラフ図であって、(a)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とアンテナのインピーダンスZanの虚数部成分{Im(Zan)}の関係を示すグラフ図であり、(b)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とリターンロスとの関係を示すグラフ図である。
以上のように、本実施形態の金属蓋及び金属容器は、タブ33bのリング部37bの形状が大きくなるので、タブ33bを流れる電流長を調整することができ、上述した第一、第二実施形態の場合と同様、ICタグ40の良好な通信特性を得ることができる。
次に、本発明の第四実施形態に係る金属蓋及び金属容器について、図15〜17を参照しつつ説明する。
図15は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器におけるICタグの拡大斜視図である。図16は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器におけるICタグの拡大図であって(a)は平面図、(b)は。側面断面図である。
図17は、本実施形態に係るICタグ付き金属蓋及び金属容器におけるICタグの回路パターンを示す図である。
整合回路50aは、基板45上に、例えば、アルミニウムなどの導電性金属で形成された回路パターンで構成されている。そして、回路パターンの一端に形成されたコンタクト部51が、基板45を貫通してタブ30aに接触している。
インピーダンス整合は、ICチップ41、アンテナ(タブ33)及び整合回路50のインピーダンスにおいて、ICチップ41の実数部成分の値と、アンテナ及び整合回路の実数部成分の和の値とが一致し({Re(Zic)}={Re(Zan)}+{Re(Zan)})、かつ、ICチップ41、アンテナ及び整合回路の虚数部成分の和の値が0({Im(Zic)}+{Im(Zan)}+{Im(Zma)}=0)となれば最高の性能となる。これらが不整合になれば、それだけICタグ40の性能は劣化することになる。
式(4):Re(Zma)=Re(Zic)−Re(Zan)
式(5):Im(Zma)=−Im(Zic)−Im(Zan)
なお、本回路は、整合回路の一例であって、上述の式(4)及び式(5)を満たす回路であればどのような回路であってもよい。
ICチップ41は、そのインピーダンス(Zic)の虚数部成分{Im(Zic)}がマイナスである。これは、ICチップ41は、リーダ・ライタ側からの電波のエネルギーを直流成分に変換するための整流回路を備えており、これがリアクタンス成分を有していることに起因する。
そのため、ICチップ41及びアンテナであるタブ33のインピーダンスの整合を行なうには、実数部及び虚数部の成分をともに増やす必要がある。
また、整合回路50は、インピーダンス(Zma)の実数部成分{Re(Zma)}を増やすため、コの字状の部分を備えることが好ましい。(図17参照)。このようなコの字状の配線パターンとすることで、回路長を長くすることができるので、インピーダンスの実数部成分{Re(Zma)}の値を増やすことができ、また、虚数部成分{Im(Zma)}の値の調整も行なうことができる。
なお、本実施形態に係る金属蓋30は、第二実施形態と比較して、突出部60の位置が異なり、架設バー71の両端近傍に設けられている。
また、整合回路50aを用いると、タブの形状のみでインピーダンス整合を行なう場合に比較して、タブ33aの形状を、複雑な形状とすることなくICチップ41とアンテナ(タブ33a)間のインピーダンス整合を行なうことができる。そのため、製造コストを低減することができる。
この金属蓋の通信距離は、特定小電力のリーダ・ライタを使用して、7.0〜7.5cmであり、良好な通信特性が得られることを確認した。
さらに、図18〜19を参照して、本発明の第五実施形態に係る金属蓋及び金属容器について説明する。
図18は、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器の平面図を示している。
同図に示すように、本実施形態に係る金属蓋及び金属容器は、ICタグ40cにおいて、ICチップ41(及び整合回路を備える場合(第四実施形態参照)にはその整合回路)が封止部材42で封止された状態で、金属蓋30の開封用タブ33cに装着される点で上記第一〜第四実施形態と異なる。
また、ICタブ33cが、固定部36側からリング部37cの先端部側に向けて広がる扇型状に形成されている。
そして、このICタグ40cは、樹脂やゴム等の封止部材42で封止された状態で、金属蓋30の開封用タグ33cに装着されるようになっている。
そして、基板から突出するコンタクト部材43が、封止部材42から外部に突出し、開封用タブ33cに接触し、ICチップ41は金属蓋30と電気的に導通することになる。
本実施形態では、金属蓋30は、上述したように容器本体20と完全に絶縁されているので、金属蓋30のアンテナとしての機能が、容器本体20を構成する金属の影響を受けない。
例えば、図18に示すワイヤ状のコンタクト部材の例では、4本突出しているコンタクト部材43のうち、実際にICと接触するコンタクト部材は、アンテナの設計により1本でも2本でもよく、その他のコンタクト部材はICと導通させず、ICタグ40cと開封用タブ33cとの固定・支持の役割だけとしても構わない。
また、後述する図19に示すように、コンタクト部材43を板状、薄膜状等に形成して封止部材42から突出させて開封用タブ33cと接触・導通させることもできる。
上述したように、現在流通している金属容器の開封用タブのリング孔は、実際には孔に指が入れられることはなく、せいぜい開封時に指の腹で押えられる程度のものとなっている。そこで、本実施形態では、実際にはデッドスペース化している開封用タブ33cはリング孔38をICタグ40cの装着空間として有効活用して、開封用タブ33cのリング孔38にICチップ41を装着してある。
このようにすることで、開封用タブ本来の機能を損なうことなく、金属蓋30の空間を有効に利用でき、また、ICチップ41をリング孔38内に隠蔽して、外観上目立たなくすることができるとともに、リング部37によってICタグを保護することもできる。
具体的には、図18に示すように、ICタグ40cからは放射状に4本のワイヤ状のコンタクト部材43が突出しており、これらコンタクト部材43が係止可能な4本の係止溝39が、開封用タブ33cのリング部37cの上面部に形成してある。
また、コンタクト部材43を溝に係止・係合させることで、コンタクト部材43は係止溝39によって堅固に保持され、コンタクト部材43の接続不良等を長期に亘って防止することもできるようになる。
封止部材42によるICチップ41(及び整合回路を備える場合にはその整合回路)の封止は、例えば、ウレタン樹脂に硬化剤のイソシアネート樹脂を混合し、ICチップ41や整合回路を設けた基板を入れた型に流し込み、硬化させて行なう。基板については、ガラスエポキシ樹脂からなるリジット基板、又は、PETなどの樹脂材料のフィルムからなるフレキシブル基板のどちらでもよい。また、樹脂やゴムで形成された外装材をICタグ40cが装着できるように予め成形し、挟み込んだり装着したりすることで封止してもよい。
また、後述する図19に示すように、フィルム状の基板にICチップ41や整合回路を形成し、そのフィルム状基板を樹脂・ゴム等で形成した封止部材42の表面に貼着・接着することで、封止部材42とICチップ41(及び整合回路)を一体的に構成することもできる。
これにより、樹脂やゴム等の弾性部材で封止がなされたICタグ40cは、装着のための基材や接着剤等を必要とすることなく、金属蓋30に脱落不能に取り付けることができ、ICタグ40cの装着作業はきわめて容易に行うことができる。また、このように圧入状態で装着されたICタグ40cは、取り外しも簡単に行え、容器の使用後の廃棄・回収の際にも、容器10とICタグ40cとの分別が容易となりリサイクルに資する金属容器を実現することができる。
さらに、ゴム等の弾性部材で封止がなされたICタグ40cは、外部からの接触・衝撃等からも保護されることになる。
同図に示すように、この例では、まず、薄膜状に形成したフィルム樹脂等により構成された基板上に、ICチップ41が搭載されるとともに、フィルム状基板の表面に配線パターンが印刷等に形成される。また、必要に応じて、配線パターンを所定の回路パターンとすることで、ICチップ41と電気的に接続される整合回路50が形成されるようになっている。
さらに、フィルム状基板の一端縁からはICチップ41(及び整合回路50)の配線パターンと電気的に導通した金属薄膜からなるコンタクト部材43が突出するように形成されている。
そして、このようにフィルム状に形成された基板が、樹脂,ゴム等で開封用タブのリング孔38に圧入可能に形成された封止部材42の表面に貼着・接着されることで、封止部材42とICチップ41(及び整合回路50)が一体的に構成されるようになっている。
また、フィルム状基板は、ICチップ41が搭載されている方と逆の面が、封止部材42の表面と接触するようにして、封止部材42に重ね合わされ貼着されてもよい。この場合、ICチップ41を保護するため、ICチップ41上にエポキシ樹脂などの樹脂で覆ってもよい。
また、フィルム状基板は、基板縁部から突出している薄膜状のコンタクト部材43が、封止部材42の一端縁(図19の例では封止部材42の長手方向の一端縁)から突出するように位置合わせされて、封止部材42に接着・固定される。
なお、フィルム状基板と封止部材42は接着剤等を用いて剥離不能に接着・固定することができるが、接着方法はどのような方法であってもよい。
そして、このようにフィルム状のICチップ41(及び整合回路)が一体化された封止部材42を、外部に突出したコンタクト部材43が開封用タブ33に接触するように、開封用タブ33の上面又は下面からリング孔38内に装着・圧入する。
また、図19に示したような構成によれば、ICタグ40cを構成する基板を樹脂フィルムにより形成してあるので、ガラス基板等の場合と比較して小型化、薄膜化することができる。さらに、開封用タブ33cと電気的導通を取るためのコンタクト部材43も薄膜形成することで、ワイヤ状のコンタクト部材43を設ける場合と比較して、ICタグ40cの全体をより小型化、薄膜化することができ、また、製造も容易となる。
つぎに、金属蓋30に対するICタグ40cの装着方法について、説明する。
次に、金属蓋30に対するICタグ40cの装着方法について、図18に示すワイヤ状のコンタクト部材43を備えるICタグ40cを例にとって説明する。なお、以下に示す装着方法は、図19に示すICタグ40cでも同様である。
まず、ICタグ40cは、上述したように、ICチップ41が予め封止部材42で被覆・封止される。ICチップ41を封止した封止部材42は、適度な弾性を有している。
また、ICタグ40cを被覆・封止した封止部材42の外形は、開封用タブ33cに形成されるリング孔38cの形状に対応しており、リング孔38cよりも若干大きく形成される。
また、ICタグ40cからは、コンタクト部材43が四方に延出されており、このコンタクト部材43が封止部材42を貫通して外部に突出している。
装着作業は、封止部材42から突出するコンタクト部材43と開封用タブ33cの係止溝39とを位置合わせしつつ、弾性を有する封止部材42をリング孔38cに押し込むようにして簡単に装着することができる。
ICタグ40cが装着されると、突出するコンタクト部材43がリング部37cに当接して開封用タブ33cと導通するとともに、リング部37cに形成された係止溝39に係止・保持される。
そして、容器の使用後等に廃棄・回収する際には、リング孔38に圧入状態で装着されている封止部材42を押し出すことで、ICタグ40cを開封用タブ33cから取り外すことができる。
図20は、第一比較例に係る金属蓋を示している。
同図に示すように、本比較例の金属蓋は、既存のスチール缶の缶蓋に、上記と同様のICタブ40を搭載したものである。ICタブ40は、タブ33dの先端側がコンタクト部51で電気的に接続されている。
この第一比較例の金属蓋は、通信周波数帯域内において、約2.47GHz〜2.4835GHzのわずかな領域で、アンテナのインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Zan)}がプラス(Im(Zan)>0)となっている(図21(a)参照)。また、リターンロスの最高性能は、約−1.75dB(約2.47GHzのとき)となって(図21(b)参照)おり、動作利得は低くなるが、特定小電力のリーダ・ライタを使用して通信試験を行った場合、接触時には通信が可能であることを確認した。
同図に示すように、本比較例の金属蓋は、上述の第一比較例に比較して、そのタブ33eのリング孔38がφ約2mmに形成されている。その他の構成は第一比較例と同様である。
図23は、第二比較例に係る金属蓋の特性を示すグラフ図であって、(a)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とアンテナのインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Zan)}の関係を示すグラフ図であり、(b)は、金属蓋に実装・装着した場合のICタグの共振周波数とリターンロスとの関係を示すグラフ図である。
この第二比較例の金属蓋は、通信周波数帯域内において、アンテナのインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Zan)}が、プラスとなる領域が無く(図23(a)参照)、また、リターンロスの最高性能が、約−0.032dB(約2.47GHzのとき)となっており(図23(b)参照)、この金属蓋では、動作利得が十分でないことがわかる。
例えば、上述した実施形態では、本発明を適用する金属容器として、飲料等が充填される金属製の缶容器を例にとって説明したが、本発明を適用できる金属容器としては、容器の用途や収納する内容物、容器の構成成分等は特に限定されるものではない。すなわち、ICチップと電気的に導通されてアンテナとして機能できる金属蓋等を備える容器であれば、どのような大きさ、形状、材質等の容器であってもよく、また、容器に収納される内容物がどのようなものであってもよい。
20 容器本体
23 樹脂被覆層
30 金属蓋
32 蓋パネル
33、33a、33b、33c 開封用タブ
34 スコア
35 リベット
36 固定部
37、37a、37b、37c リング部
38 リング孔
39 係止溝
40 ICタグ
41 ICチップ
42 封止部材
43 コンタクト部材
45 基板
50a 整合回路
Claims (8)
- 開封用のタブを有する金属蓋であって、
前記タブに搭載されるとともに、当該タブに電気的に接触するICタグ用のICチップを備え、
前記タブが、アンテナとして所定の動作利得が得られるインピーダンスを有するように、所定形状に形成されるとともに、
前記タブ及び前記ICチップ間に、これらのインピーダンス整合をとる整合回路を備えるICタグ付き金属蓋。 - 前記タブが、
当該タブのインピーダンス(Zan)の実数部成分{Re(Zan)}と、前記ICチップのインピーダンス(Zic)の実数部成分{Re(Zic)}との関係が、下記式(1)を満たすとともに、前記タブのインピーダンスZanの虚数部成分{Im(Zan)}と、前記ICチップのインピーダンス(Zic)の虚数部成分{Im(Zic)}との関係が、下記式(2)を満たす所定形状に形成される請求項1記載のICタグ付き金属蓋。
式(1):Re(Zan)=Re(Zic)
式(2):Im(Zan)=−Im(Zic) - 前記タブが、適用するICタグの通信周波数帯域内で、
当該タブのインピーダンス(Zan)の虚数部成分{Im(Zan)}が、下記式(3)を満たす所定形状に形成される請求項1又は2記載のICタグ付き金属蓋。
式(3):0<{Im(Zan)} - 前記タブが、リング部を備えるとともに、該リング部の周囲長Lが、28mm≦Lにあるように形成される請求項3記載のICタグ付き金属蓋。
- 前記タブが固定される蓋パネルを備え、
前記タブが、前記蓋パネルと電気的に接触し、該タブ及び該蓋パネルがアンテナとして機能するとともに、
前記蓋パネルが、前記タブ側に突出するとともに当該タブに接触する一又は二以上の突出部を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載のICタグ付き金属蓋。 - 前記タブの先端側端縁と前記蓋パネルの内径との間に、指を挿入可能な空間が形成される形状に前記タブが形成される請求項5記載のICタグ付金属蓋。
- 前記整合回路が、
当該整合回路のインピーダンス(Zma)の実数部成分{Re(Zma)}と、ICチップのインピーダンス(Zic)の実数部成分{Re(Zic)}と、前記タブのインピーダンス(Zan)の実数部成分{Re(Zan)}との関係が、下記式(4)の関係に設定されるとともに、当該整合回路のインピーダンス(Zma)の虚数部成分{Im(Zma)}と、前記ICチップのインピーダンス(Zic)の虚数部成分{Im(Zic)}と、前記タブのインピーダンスZanの虚数部成分{Im(Zan)}との関係が、下記式(5)の関係に設定される請求項1〜6のいずれか一項記載のICタグ付き金属蓋。
式(4):Re(Zma)=Re(Zic)−Re(Zan)
式(5):Im(Zma)=−Im(Zic)−Im(Zan) - 容器本体と、該容器本体に被せられる金属蓋とを備える金属容器であって、
前記金属蓋が、請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属蓋からなる金属容器。
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