JP5444216B2 - さまざまなパワー・レベルの光を用い試料を検査するシステム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に、さまざまなパワー・レベルの光を用い試料を検査するシステムと方法に関する。特定の実施例は、検査中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備える試料を検査するように設定されたシステムに関する。
以下の記述と例は先行技術の全てを包括するものでは無い。
論理素子もしくはメモリ素子などの半導体素子の製造は、一般に、半導体ウエハーなどの検査サンプルを数多くの半導体製造プロセスを用いて処理し、半導体素子の多様な特徴と多様性を付与することを含む。例えば、リソグラフィーは、通常、半導体ウエハー上のレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。更なる他の半導体製造プロセスとしては、以下に限定されるものではないが、化学機械研磨、エッチング、成膜、イオン注入などがある。複数の半導体素子はウエハー上に配列された形態で製造され、その後、個々の半導体素子に分離され得る。
監視プロセスは、製造プロセス中のより良い収率、そしてそれ故、より高い利潤を得ることを目的として、ウエハー上の欠陥を検出するため半導体製造プロセス中の様々なステップで使用される。検査は、常に半導体製造の重要な部分である。しかしながら、半導体デバイスの寸法が縮小するに伴い、検査は、仕様を満たした半導体デバイスの成功した製造にとってより重要となる。例えば、比較的小さな欠陥が半導体デバイスの好ましくない異常につながる場合があり、更にデバイスが作動しない場合さえあるため、より小さな欠陥の検出が、より必要となってきている。
光学的、そして電子ビーム・システムなどの多様な種類の検査ツールが、半導体ウエハーの検査向けに開発されている。光学的検査ツールは、一般に、暗視野、そして明視野検査システムとして分類可能である。一般に暗視野検査システムは、明視野検査システムよりも広い検出範囲を提供する。例えば、暗視野検査システムは、入射ビームが試料に対して垂直、或いは斜めの入射角で供給された場合に於ける、試料表面からの散乱光の量を検出する。システムにより検出される散乱光の量は、一般に、検査箇所の光学的特徴(例えば、測定箇所の屈折率)、ならびに測定箇所内の任意の空間的変動(例えば、不均一なトポロジー)に依存する。暗視野検査の場合、滑らかな表面は、ほとんど収集信号に寄与しないが、(パターン化された特徴または欠陥など)凹凸を有する表面は、より大幅に強く(時に六次のオーダー、もしくはそれ以上)散乱する傾向がある。明視野検査システムは、特定の角度で光を試料へ指向し、同様な角度で試料表面から反射された光の量を測定する。暗視野システムに比較して、明視野システムにより収集される反射された光の変動は、一般に二次のオーダーを超えることはない。
更に、大多数の検査ツールは、パターン化されてない半導体ウエハー、或いはパターン化された半導体向けに設計されているが、両者を対象としていない。前記ツールは、ウエハーの特定の種類を検査するために最適化されているため、幾つかの理由により、異なる種類のウエハーを検査することは通常不可能である。例えば、パターン化されてない半導体ウエハー向け検査ツールの大多数は、レンズにより収集される全ての光に対応する単一の出力信号を生成する単一の検出器へ、レンズ(或いは他のコレクター)により収集された光の全てが指向されるように設定される。従って、パターン化されたウエハーのパターン、または特徴から散乱された光は、他の散乱光(例えば、欠陥より散乱された光)と組み合わされる。
幾つかの事例に於いて、単一の検出器は飽和する場合があり、結果として、欠陥検知に関して解析可能な信号を提供しない場合がある。たとえ単一の検出器が飽和しない場合であっても、ウエハー上のパターン、または他の特徴から散乱された光を他の散乱光から分離することは不可能であるため、他の散乱光に基づく欠陥検出は、妨げられるか、そうでない場合には困難なものとなる。
パターン化された半導体ウエハー向け検査ツールの多くは、通常、改善された空間的解像度のために少なくとも二つの検出器を備える。しかしながら、特に、暗視野システムを用いてイメージングを行う場合、パターン化された半導体ウエハー向け検査ツールで使用される検出器が飽和する場合がある。上に記載される如く、滑らかな表面領域(黒く見える)から高度に凹凸のある領域(明るく見える)への表面トポロジーの変化により、パターン化されたウエハーから得られる暗視野散乱信号は、六次のオーダー(もしくはそれ以上)に亘り大きさが変化する場合がある。高いデータ取得率で検出システムを作動させる場合、「オン-ザ-フライ」利得調整無しに、ウエハーの極めて暗い領域と極めて明るい領域の両者から有意義な信号を収集することは、しばしば困難である。
この問題に対する一つの潜在的な解決は、低振幅の信号範囲に重点を置くように、検出器の出力信号に非線形の増幅を適用することである。この種のアプローチは、Wolf等により米国特許6.002,122号内で記載されており、これはここで詳述された参照文献として取り扱われる。Wolf等により記載される方法に於いて、光電子増倍管(PMT)からの出力信号は、対数増幅器と利得調整機構によりプロセスされる。Wolfは、PMT検出器の一般の検出範囲の限界となる陽極の飽和を避けるために、検出器利得を「オン-ザ-フライ」で調節することにより、低振幅の信号範囲に重点を置く。このアプローチは、暗視野イメージの小さな信号欠陥の認知度を改善するが、検査システムの全体的な検出範囲を改善することはない。更に、Wolfにより開示された「オン-ザ-フライ」利得調整は、PMTを極めて非線形に作動させる原因となるため、非線形と過渡効果を補償する複雑な(そして高価な)駆動電子機器と巧妙な較正が要求される。
検査システムの検出範囲を拡張する他のアプローチは、個々の検出チャネルを備える複数の検出器を用いることである。この種のアプローチは、Almogy等による米国特許出願2003/0058433号により記載されており、これはここで詳述された参照文献として取り扱われる。Almogyは、少なくとも二つの検出器を用いる欠陥検出システムを記述している。一つの検出器は高解像度向けに最適化されており、他の検出器は、通常、解像度を犠牲にする一方で、解像範囲を改善するために高い飽和レベルを有するように設計される。試料からの散乱光は、追加の様々な光学部品を備えた検出器内で分割される。Almogyのアプローチは、空間解像度と検出範囲を改善するが、Almogyは、これを、追加のスペースを必要とし、複雑さを増し、そしてより高いコストの原因となる追加の光学部品と電子回路を備える複数の検知器を要求することで実現している。
従って、ウエハー検査システムの検出範囲を拡張する改善された検査システムと方法への要求が依然として存在する。好ましくは、係る改善されたシステムと方法は、Wolfにより要求されたリアルタイム利得調整の複雑さと費用、またはAlmogyにより要求された更なる検出器、光学部品、そして電子回路無しに、十分な検出範囲の拡張をもたらすものである。更に、改善された検査システムは、スループット、または感度を犠牲にすること無しに検出範囲を拡張するものである。幾つかの場合に於いて、改善された検査システムは、パターン化された半導体ウエハーとパターン化されてない半導体ウエハーの両者の検査に使用可能である。
以下に記される様々な検査システムと方法の様々な実施態様は、本発明に係る請求項をいかなる条件に於いても制約するものでは無い。
本発明の第1の形態は、試料を検査するように設定されたシステムであって、光を生成するように設定された光源と、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムと、前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用可能な出力を生成するように設定された検出サブシステムと、を備え、前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備え、前記ポッケルスセルのアラインメント角度は、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されており、前記パワー減衰器サブシステムは、前記最小パワー・レベルの安定性が完全消光のパワー・レベルの安定性よりも高いように更に設定されている、システムである。
本発明の第2の形態は、検査に関する試料の照明を提供するように設定されたシステムであって、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備え、前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備え、前記ポッケルスセルのアラインメント角度は、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されている、システムである。
本発明の第3の形態は、試料の検査方法であって、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備えるパワー減衰器サブシステムとして、前記ポッケルスセルのアラインメント角度が、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されているパワー減衰器サブシステムを使用して、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更することと、前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用される出力を生成すること、を含む、試料の検査方法である。
本発明の第4の形態は、試料を検査するように設定されたシステムであって、光を生成するように設定された光源と、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムと、前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用可能な出力を生成するように設定された検出サブシステムと、を備え、前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備え、前記ポッケルスセルのアラインメント角度は、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されている、システムである。
一実施態様は、試料を検査するように設定されたシステムに関する。システムは、光を生成するように設定された光源を備える。またシステムは、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備える。更に、システムは、試料からの散乱光に対応する出力を生成するように設定された検出サブシステムを備える。出力は、試料上の欠陥の検出に使用可能である。
一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、最小パワー・レベルの安定性が、完全消光のパワー・レベルの安定性よりも高いように設定される。他の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、最小パワー・レベルが、光源のアラインメントの変化に対して実質的に影響されないように設定される。追加の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、パワー減衰器サブシステムの一つまたは複数の要素に印加される電圧の変化に対して実質的に影響されないように更に設定される。
一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、波長板の位置を変更することによりパワー・レベルを変更するように設定される。他の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、パワー減衰器サブシステムにより実現可能な最小パワー・レベルがフル・パワー・レベルの凡そ10%以上であるように選択された位相遅延を有する波長板を備える。追加の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、半波長近傍遅延以外の位相遅延を有する波長板を備える。更なる実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、凡そ1/2.5波長遅延の位相遅延を有する波長板を備える。
幾つかの実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルへ印加される電圧を変化させることによりパワー・レベルを変更するように設定される。一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、パワー減衰器サブシステムにより実現可能な最小パワー・レベルがフル・パワー・レベルの凡そ10%以上であるように選択された位相遅延を有する波長板を備える。他の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ0度または凡そ45度の角度を除く角度で配向されたポッケルスセルを備える。追加の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ5度から凡そ40度の角度で配向されたポッケルスセルを備える。更なる実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ18.5度の角度で配向されたポッケルスセルを備える。
一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、出力に基づきダイナミックにパワー・レベルを変更するように設定される。他の実施態様に於いて、最小パワー・レベルは、試料上の予め設定されたサイズの特徴の熱損傷の発現(onset)に関連した入射パワー密度未満である。係る一実施態様に於いて、最小パワー・レベルは、試料上の欠陥を検出するために使用可能である出力を生成するための検出サブシステムにより検出されなくてはならない散乱光の最小に関連した入射パワー密度よりも高い。更なる実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、試料上の予め設定されたサイズより小さい特徴の検査中に、パワー・レベルをフル・パワー・レベルへ変更するように設定される。幾つかの実施態様に於いて、光源は、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の出力パワー密度を有する。
他の実施態様は、検査に関する試料の照明を提供するように設定されたシステムに関する。システムは、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備える。この実施態様は、ここに更に記載される如く設定可能である。
追加の実施態様は、試料の検査方法に関する。本方法は、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更することを含む。また本方法は、試料からの散乱光に対応する出力を生成することを含む。出力は、試料上の欠陥の検出に使用可能である。本方法は、ここに記載される任意の他のステップを含み得る。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
[適用例1]
試料を検査するように設定されたシステムであって、
光を生成するように設定された光源と、
フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムと、
前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用可能な出力を生成するように設定された検出サブシステムと、
を備えるシステム。
[適用例2]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムは、前記最小パワー・レベルの安定性が完全消光のパワー・レベルの安定性よりも高いように更に設定された、システム。
[適用例3]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムは、前記最小パワー・レベルが光源のアラインメントの変化に対して実質的に影響されないように更に設定された、システム。
[適用例4]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、前記パワー減衰器サブシステムの一つまたは複数の要素に印加される電圧の変化に対して実質的に影響されないように更に設定された、システム。
[適用例5]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、波長板の位置を変更することによりパワー・レベルを変更するように更に設定された、システム。
[適用例6]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムは、前記パワー減衰器サブシステムにより実現可能な前記最小パワー・レベルが前記フル・パワー・レベルの凡そ10%以上であるように選択された位相遅延を有する波長板を備える、システム。
[適用例7]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、凡そ1/2波長遅延以外の位相遅延を有する波長板を備える、システム。
[適用例8]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、凡そ1/2.5波長遅延の位相遅延を有する波長板を備える、システム。
[適用例9]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルへ印加される電圧を変化させることによりパワー・レベルを変更するように更に設定されている、システム。
[適用例10]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムは、前記パワー減衰器サブシステムにより達成可能な前記最小パワー・レベルが前記フル・パワー・レベルの凡そ10%以上であるように配向されたポッケルスセルを備える、システム。
[適用例11]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ0度または凡そ45度の角度を除く角度で配向されたポッケルスセルを備える、システム。
[適用例12]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ5度から凡そ40度の角度で配向されたポッケルスセルを備える、システム。
[適用例13]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ18.5度の角度で配向されたポッケルスセルを備える、システム。
[適用例14]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、出力に基づきダイナミックにパワー・レベルを変更するように更に設定されている、システム。
[適用例15]
適用例1に記載のシステムであって、
前記最小パワー・レベルが、前記試料上の予め設定されたサイズの特徴の熱損傷の発現に関連した入射パワー密度未満である、システム。
[適用例16]
適用例1に記載のシステムであって、
前記最小パワー・レベルが、前記試料上の予め設定されたサイズの特徴の熱損傷の発現に関連した入射パワー密度より低く、かつ、前記試料上の欠陥を検出するために使用可能である出力を生成するために前記検出サブシステムにより検出されなくてはならない最小の散乱光に関連した入射パワー密度よりも高い、システム。
[適用例17]
適用例1に記載のシステムであって、
前記パワー減衰器サブシステムが、前記試料上の予め設定されたサイズより小さい特徴の検査中に、前記パワー・レベルを前記フル・パワー・レベルへ変更するように更に設定されている、システム。
[適用例18]
適用例1に記載のシステムであって、
前記光源が、凡そ1kW/cm 2 から凡そ1000kW/cm 2 の出力パワー密度を有する、システム。
[適用例19]
検査に関する試料の照明を提供するように設定されたシステムであって、
フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備える、システム。
[適用例20]
試料の検査方法であって、
フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更することと、
前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用可能な出力を生成すること、
を含む、試料の検査方法。
本発明の更なる利点は、以下の好ましい実施態様の詳細な記述と添付された図を参照することで、この分野に精通した者にとって明らかになるであろう。
試料を検査するように設定されたシステムの一実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。 図1に示すシステム内に設置可能なパワー減衰器サブシステムの様々な実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。 図1に示すシステム内に設置可能なパワー減衰器サブシステムの様々な実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。 ポッケルスセルまたは波長板の速軸と遅軸に沿って二つのベクトルに分割された光源からの場のベクトルを示すダイアグラムである。 異なる波長板の回転角の関数としてパワー減衰を示すプロットである。 透過率の関数として異なる波長板の回転角の許容範囲を示すプロットである。 異なるポッケルスセル・アラインメント角度に関し、位相シフトの関数としてパワー減衰を示すプロットである。 透過率の関数としてポッケルスセルの異なるアラインメント角度に関し、ポッケルスセルの位相シフトの許容範囲を示すプロットである。 図1に示すシステム内に設置可能なパワー・コントローラー・サブシステムの典型的な実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。 図1に示すシステム内に設置可能なパワー・コントローラー・サブシステムの典型的な実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。 図1に示すシステム内に設置可能なパワー・コントローラー・サブシステムの典型的な実施態様を示すブロック・ダイアグラムである。 試料上で予め設定されたサイズの特徴の熱ダメージを低減し、図1に示すシステムの測定検出範囲を拡張するように、測定中に試料へ指向される入射パワーの量をダイナミックに変更する方法の流れ図である。
本発明は様々な修正と変更が可能であるが、図を用いることで特定の実施態様が示され、ここに詳細に記述される。図は、原寸に比例していない場合がある。しかしながら、ここに示される図と特定の記述は発明を開示された特定の形式に制限することを意図したものでなく、逆に、添付された請求項により定義される本発明の精神と展望の範囲内で全ての修正、同等物、変更を網羅することを意図したものである。
ここに用いられる如く、用語「試料」は、ウエハー、レチクル、または欠陥、特徴、またはこの分野で公知の他の情報(例えばヘイズ量、またはフィルム特性)に関して検査される任意の他のサンプルを呼称する。ここで用語「レチクル」と「フォトマスク」は相互互換的に使用される。一般に、レチクルは、ガラス、ホウケイ酸ガラス、溶融石英などの透明な基板を含み、パターンとして前記基板上に不透明な領域が形成される。不透明な領域は、透明な基板を侵食するようにエッチングされた領域により置換可能である。係るレチクルの多くの異なる種類がこの分野で公知であり、ここで用いられる用語レチクルは、レチクルのあらゆる種類を包含することを意図する。
ここに用いられる如く、用語「ウエハー」は一般に半導体材料または非半導体材料を意味する。半導体材料または非半導体材料の例としては、以下に限定されないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどがある。これらの基板は半導体製造工場で一般に見出され、及び/または、処理されるものである。ウエハーは基板上に形成された一つまたは複数の層を含み得る。係る層として、以下に限定されないが、レジスト、誘電体材料、導電材料などがある。係る層の多くの異なる種類がこの分野で公知であり、ここで用いられる用語ウエハーは、係る層のあらゆる種類を含むウエハーを包含することを意図する。
ウエハー上に形成された一つまたは複数の層は「パターン化された」ものであっても、または「パターン化されてない」ものであってもよい。例えば、ウエハーは複数のダイを有し、個々のダイは繰り返されるパターンの特徴を有し得る。係る材料の層を形成しプロセスすることは、完成された半導体デバイスを最終的にもたらし得る。デバイスの多くの異なる種類をウエハー上に形成可能であり、ここで用いられる用語ウエハーは、この分野で公知の任意の種類のデバイスが製造されるウエハーを包含することを意図する。
図に関しては、ここに記される図は、原寸に比例していないことに留意されたい。特に、要素の特徴を強調するために、図の要素の幾つかの寸法は大きく誇張されている。また図は、同じ縮尺で描かれていないことに留意されたい。複数の図に亘り示される要素は、同じ参照番号を用いて同様に示される場合がある。
ここに記される図は、一般に、大きく、そして高度に光を散乱する粒子への走査以前に、入射パワーをダイナミックに低減することにより、高パワーの光に基づく検査システムを用いる表面検査走査の最中に、粒子の損傷を低減するために使用され得る典型的な回路、システム、そして方法を示す。比較的少ない実施態様が示されるが、この分野に精通した者は、ここに記載される様々な概念が、同様な機能性を有する代替の実施態様を生成するように適用され得ることを容易に理解するであろう。
高パワーの光に基づく検査システムに於いて、入射ビームのパワー密度は、一般に、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の範囲である。残念なことに、粒子の損傷は、光ビームから試料上の粒子(または粒子の一部分)への早いパワー移送により、高いパワー密度の光ビームを用いる表面検査走査中に、往々にして起こる。大きなパワーを放散できない粒子は、早く暖められる傾向があり、不十分なパワー放散により往々にして破裂する。例えば、有機材料(フォトレジスト粒子など)は無機材料(金属粒子など)に比較してパワーを極めてより少なく放散する傾向にあり、それ故、より損傷を被りやすい。残念なことに、破裂した粒子は破片となり、試料の広域に亘り汚染を拡げ得る。
熱損傷を低減するために使用可能な方法は、低減されたパワーでウエハー全域を走査する方法、または損傷を与える公知のパワーまたはスポット・サイズよりも大きなスポット・サイズ(例えば、2.5倍から5.7倍大きなスポット・サイズ)を含む。他の方法は、入射ビームの一部を遮ることにより検査よりウエハーの中心を除外し得る。この方法は、ウエハーの中心領域に典型的に供給される高パワー・レベルを除去することにより熱損傷を低減する。しかしながら、これらの方法は信号対雑音比を低減することにより感度が低減されるか(パワーを低減するか、スポット・サイズを大きくした場合)、ウエハーの不完全な検査(中心領域を除外した場合)に起因する。このように、上に記載される方法は、低い感度、または、あからさまな除外により、ウエハーの欠陥を往々にして見逃す。
対照的に、ここに記載される実施態様は、より大きな粒子(典型的に、凡そ5μmより大きい)は、より小さい粒子に比較して、入射ビームによるダメージを受けやすいという観察に基づくものである。例えば、より大きな粒子は、より大きな表面積を有し、そしてこのように、より小さい表面積を有するより小さな粒子に比較して、極めてより多くのパワーを吸収する傾向がある。また、より大きな粒子は、より大きな表面積、及び/または、より多くの表面の不規則性により、より小さい粒子に比較して、光をより顕著に散乱する傾向がある。例えば、半径Rの粒子より散乱される光の量は、半径の六乗(すなわち、R6)に相対的に比例する。
ここに記載される実施態様は、大きな粒子の高い散乱特性を活用し、表面検査走査中の熱損傷を低減するものである。以下により詳細に記載される如く、熱損傷は、大きな粒子の存在を検知し、大きな粒子へビームの大部分が到達する以前にパワーを低減することで回避可能である。一実施態様に於いて、より大きな粒子に亘り走査する場合に、入射パワーを「安全」レベルへ低減するように設定可能な比較的高速のパワー減衰システムにより、パワー低減を実施可能である。パワー減衰器サブシステムは、ウエハーの散乱がより少ない部分を走査する場合に、入射パワーを「フル」パワーに維持(または増加)するように設定可能である。
また、ここに記載される実施態様は、特に光パワーを変更する他の方法とシステムに比較した場合、比較的高い精度と安定性を有する少なくとも二つの予め設定されたパワー・レベル間で光パワーの光学的調節が可能な方法とシステムを提供する。特に、ここに記載される実施態様は、消光近傍のパワー・レベルに関するパワー安定性問題を取り扱う。
例えば、光パワーの変更に使用可能なシステムは、1/2波長(λ/2) 板と偏光ビーム・スプリッターを備える。所定位置に1/2波長板がある場合、光の偏光は変化せず、ビーム・スプリッターは全ての光を透過させる。1/2波長板が角度φだけ回転した場合、光の偏光は、前記角度の二倍分回転させられ、I=I0*(cos(2*φ))2だけの光がビーム・スプリッターを通過する。
このシステムは、パワー・レベルが完全な消光(例えば、ほぼ0%の透過)近傍で、パワー安定性が制約されることを含む不都合を幾つか有する。特に、完全な消光近傍で、微小角の変化に対する相対的強度変化は無限大となる(dI/I)/dφ=−4tan(2φ)。この変化は、φが45度に到達する場合に無限大に近づく。(勿論、現実では、光学部品の不完全さにより、この効果は幾らか低減され、実際に無限大に到達することはない。)従って、システムが、パワー減衰に関して1/2波長板を備える場合、光減衰値は、選択したレベル(例えば、凡そ10%の透過率)に調節することが困難となり、光源のアラインメント変化(例えば、光源置換の後に)に敏感となる。
光パワーを変更するために使用可能な他のシステムは、ポッケルスセルとビーム・スプリッターを備える。ポッケルスセルは、セルに印加される高電圧(HV)により制御される、0からλ/2の位相シフトを示すビーム経路内の調節可能な波長板として作用する。ビーム・スプリッターを通過した後の強度は、位相シフトθの関数であり、I=I0*(cos(θ/2))2となる。係るシステムは、上に記載される他のシステムの不都合と類似の不都合を有する。特に、完全な消光近傍で、微小角の変化に対する相対的強度変化は無限大となる。(dI/I)/dφ=−tan(θ/2)→無限大、θ→180度。このように、システムが、光パワーを極めて急速に減衰させるためにポッケルスセルを使用する場合、位相遅延を決定する駆動HVに関する正しい設定点は狭い範囲に制約される。HV源のいくらかのドリフト、または他の不安定性(例えば、オン/オフ・フェーズ中のリンギング)は拡張されて現れる。
光パワーを変更するために使用可能な更なるシステムは、光学経路へ出入りする光学密度(OD)フィルターを備える。しかしながら、光学部品を光経路へ出入りするように光学部品を動かすことは、好ましくないビームの変動に通常つながるため、このシステムは好ましくない。またODフィルターは、紫外線(UV)アプリケーションを長期に亘り使用した後、機能が低下することが知られている。
図1は、試料を検査するように設定されたシステムの一実施態様を示す。特に、図1は、表面検査走査中に試料への熱損傷を低減、及び/または、防ぐために使用可能なシステムの一実施態様を示す。試料への熱損傷は、一般に、試料へ指向された入射光が、試料上の特徴(大きな粒子または欠陥など)により吸収され、不適切に熱が放散された場合に、現行のシステムにより引き起こされる。更に、熱損傷を防ぐために、図1のシステムは、拡張された測定検出範囲を提供するように使用可能である。
図1に示すシステムは、暗視野光学システムを備え得る。ここに示されるシステムは、ここに記載される方法を実施する能力を提供しつつ、多様に変更可能である。更に、ここに示されるシステムは、ステージ、試料取り扱い装置、折り畳みミラー、偏光子、追加の光源、追加のコレクターなどの図1には示されていない様々な追加部品を備えることが可能である。係る変更の全ては、ここに記載される実施態様の見地内にある。
更に、図1は、試料を検査するように設定されたシステムに関する設定の一実施態様を一般に示すためにここに提供されていることに留意されたい。明らかに、ここに記載されるシステム設定は、商業的な検査システムを設計する場合の通常設定から、システムのパフォーマンスを最適化するように、変更可能である。更に、ここに記載されるシステムは、(例えば、ここに記載されるパワー減衰器サブシステムを既存の検査システムに加えることにより)既存の検査サブシステムを用いて実装可能である。ここに記載されるパワー減衰器サブシステムを備えるように変更可能な係る既存のシステムの例は、Vaez-Iravani等に授与された米国特許6,201,601号、Marxer等に授与された米国特許6,271,916号、Vaez-Iravani等に授与された米国特許6,538,730号、そして同一出願人による係属中であるKuhlmann等により2003年9月16日に出願された米国特許出願10/663,603号、Shortt等により2003年11月21日に出願された米国特許出願10/719,347号、Shortt等により2005年4月20日に出願された米国特許出願11/110,383号、Haller等により2005年6月6日に出願された米国特許出願11/145,874号、Reich等により2005年6月16日に出願された米国特許出願11/155,026号、Shortt等により2005年10月6日に出願された米国特許出願11/244,451号、Kirk等により2006年2月9日に出願された米国特許出願60/772,418号に示されており、これらはここで詳述された参照文献として取り扱われる。ここに記載される実施態様は、これらの特許ならびに特許出願に記載される如く更に設定可能である。係るシステムの幾つかに関して、ここに記載されるパワー減衰能力は(例えば、システムの他の機能性に加え)、システムのオプション機能として供給され得る。或いは、ここに記載されたシステムは、全く新しいシステムを提供するために「一から作ったもの」として設計可能である。
図1に示すシステムは、光を生成するように設定された光源10を備える。一実施態様に於いて、光源は、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の出力パワー密度を有する。従って、図1に示すシステムは、高パワーの光学検査システムであり得る。光源10は、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の出力パワー密度を有する光源の任意の数を含み得る。光源10に使用可能な、高パワーでレーザーに基づく光源の例は、以下に限定されないが、ダイオード・レーザー、固体レーザー、ダイオード励起固体(DPSS)レーザー、そして様々なガス・レーザー(ヘリウム・ネオン・レーザー、アルゴン・レーザーなど)が挙げられる。幾つかの事例に於いて、光源10は、高パワーで非レーザーに基づく光源とすることが可能であり、アーク・ランプ、水銀高圧または低圧ランプ、LEDアレイ、光電球などを使用可能である。
光源は、ほぼ単色の光または広域の光を放射するように設定可能である。一般に、照明サブシステムは、試料へ比較的狭い波長幅を有する光(例えば、ほぼ単色の光、或いは、凡そ20nm未満の波長幅を有する光、凡そ10nm未満の波長幅を有する光、凡そ5nm未満の波長幅を有する光、または凡そ2nm未満の波長幅を有する光さえも)を指向するように設定される。従って、光源が、広域の光源である場合、システムは、試料へ指向される光の波長を制限するために、一つまたは複数のスペクトル・フィルタを備えることも可能である。一つまたは複数のスペクトル・フィルタは、バンドパス・フィルタ、及び/または、エッジ・フィルタ、及び/または、ノッチ・フィルタとすることが可能である。更に、光源10により生成される光は紫外線、及び/または、この分野で公知の任意の他の光とすることが可能である。
また、システムは、ビーム生成ならびに偏光制御光学部品12を備える。光源10により生成された光のビーム(すなわち、「生成された光」)は、ビーム生成ならびに偏光制御光学部品12を経て試料14の表面へ指向される。混乱を避けるために、試料表面に到達する光は、ここで「入射光」または「入射レーザー・ビーム」と呼称される。以下により詳細に記載される如く、偏光、強度、スポットのサイズと形状などの一つまたは複数の態様に於いて、「入射光」は「生成された光」と異なる場合がある。
ビーム生成ならびに偏光制御光学部品は、例えば、特定のスポット・サイズで試料14へ入射ビームを指向ならびに供給する様々な光学部品を備え得る。光源が、様々な偏光の光を放射するように設定された場合、システムは、光源より放射された光の偏光特性を変更可能な一つまたは複数の偏光部品を備えることも可能である。幾つかの事例に於いて、試料14へ指向される光は、コヒーレント、またはインコヒーレントであり得る。ビーム生成ならびに偏光制御光学部品12は、ビーム拡大器、折りたたみ式光学鏡、集束レンズ、円柱レンズ、ビーム・スプリッタなど、図1には示されていない幾つかの部品を備え得る。
幾つかの事例に於いて、システムは、偏向器(示されていない)を備え得る。一実施態様に於いて、偏向器は、音響光学偏向器(AOD)であり得る。他の実施態様に於いて、偏向器は、機械式スキャニング・アセンブリ、電子スキャナ、回転鏡、多角形式スキャナ、共鳴スキャナ、圧電スキャナ、検流鏡、または検流計などとすることが可能である。偏向器は、試料に亘り光ビームを走査する。幾つかの実施態様に於いて、偏向器は、凡そ一定の走査速度で試料に亘り光ビームを走査可能である。
図1に示す如く、システムは、垂直な入射角で光ビームを試料へ指向するように設定可能である。この実施態様に於いて、垂直な入射角の光ビームは、試料に対する光学部品の相対的運動、及び/または、光学部品に対する試料の相対的運動により試料は走査され得るため、システムは、偏向器を備えない場合がある。或いは、システムは、斜めの入射角で光ビームを試料へ指向するように設定可能である。また本システムは、斜めの入射角の光ビームならびに垂直な入射角の光ビームといった複数の光ビームを試料へ指向するように設定可能である。複数の光ビームは、実質的に同時に、または逐次に試料へ指向できる。
また検査システムは、試料からの散乱光に対応する出力を生成するように設定された検出サブシステムを備える。出力は、試料上の欠陥を検出するために使用可能である。検出サブシステムは、単一収集チャネルを備え得る。例えば、試料から散乱された光は、レンズ、複合レンズ、またはこの分野で公知の任意の適切なレンズといったコレクター16により収集可能である。或いは、コレクター16は、鏡などの反射、または部分反射光学部品とすることが可能である。更に、図1には一つの特定の収集角度が示されているが、収集チャネルは任意の適切な収集角度で設定可能であることに留意されたい。収集角度は、例えば、入射角、及び/または、試料の局所的な特徴に応じて変化可能である。更に、検出サブシステムは、複数の収集チャネル(示されていない)を備えることが可能であり、個々は、異なる収集角度で散乱された光を収集するように設定される。
また検査サブシステムは、試料から散乱され、コレクター16により収集された光を検出する検出器18を備える。検出器18は、一般に散乱光を電気的信号に変換するように機能し、この分野で公知の実質的に任意の光検出器とすることが可能である。しかしながら、検出器の好ましいパフォーマンス特性、対象となる試料の種類、及び/または、試料へ光を指向するよう設定された部品の設置に基づき、システムの一つまたは複数の実施態様に於いて、特定の検出器を選択可能である。例えば、検査に利用できる光量が比較的低い場合、タイム・ディレイ・インテグレーション(TDI)・カメラなどの高い効率性の検出器は、システムの信号対雑音比とスループットを改善し得る。しかしながら、検査に利用できる光量と実施される検査の種類に応じて電荷結合素子(CCD)カメラ、光ダイオード、光電管、そして光電子増倍管(PMT)などの他の検出器を使用可能である。本発明の少なくとも一つの実施態様に於いて、試料からの散乱光を検出するためにPMTが使用される。更に、上に記載された如く、検出サブシステムが複数の収集チャネルを備える場合、検出サブシステムは、個々が対応する収集チャネルにより収集される光を検出するように設定された複数の検出器(示されていない)を備え得る。
またシステムは、検出サブシステムにより生成された出力のプロセスに用いられる様々な部品を備え得る。例えば、図1に示すシステムは、増幅回路20、アナログ・デジタル変換器(ADC)22、そしてプロセッサ24を備える。増幅器20は、一般に、検出器18からの出力を受信し、予め設定された量で前記出力を増幅するように設定される。ADC22は、プロセッサ24内での使用に適切であるように、増幅された信号をデジタル・フォーマットに変換する。一実施態様に於いて、図1に示す如く、プロセッサは、送信ミディアムにより、ADC22に直接結合可能である。或いは、プロセッサは、ADC22に結合された他の電子部品から信号を受信することが可能である。このようにして、プロセッサは、送信ミディアムならびに任意の介在する電子部品により、ADC22に間接的に結合可能である。検出サブシステムが、上に記載される如く複数の検出器を備える場合、個々の検出器により生成される出力は、同様にしてプロセッサに供給される。
プロセッサは、試料上の欠陥を検出するために検出サブシステムにより生成された出力を使用するように設定可能である。更に、プロセッサ24は、検出サブシステムにより生成された出力を用いて、試料の特徴、欠陥、光散乱特性、またはそれらの幾つかの組み合わせを検出するように設定可能である。出力は、検出器(検出器18)により検出された光を示す。用語「検出器」は、単一の検知領域のみを有するか、或いは(例えば、検出器アレイ、または複数陽極PMTで見出される如き)潜在的に複数の検知領域を有する検出器を呼称するために、ここで使用される。単一の検出器の検知領域は、その数に係わらず、単一の外装内に収納される。幾つかの事例に於いて、ここに記載される検査システムは、パターン化された、そしてパターン化されてない試料に使用可能である。プロセッサは、この分野で公知の任意の適切なプロセッサとすることが可能である。更に、プロセッサは、この分野で公知の任意の適切な欠陥検出アルゴリズムまたは方法を備え得る。例えば、プロセッサは、試料上の欠陥を検出するために、ダイ−データベース比較、または閾値アルゴリズムを使用可能である。またプロセッサは、この分野で公知の任意の他の欠陥に関連した機能を実施するように設定可能である。
図1に示すシステムは、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備える。換言すれば、フル・パワー・レベルは、光源により生成される光の凡そ100%の透過率に等しく、最小パワー・レベルは、光源10により生成される光の凡そ10%の透過率以上である。ここに更に記載される如く、パワー減衰器サブシステムは、最小パワー・レベルがパワー減衰器サブシステムが達成し得る最小レベルであるように、好ましくは設定される。このようにして、パワー減衰器サブシステムが達成し得る最小レベルは、完全な消光以下(即ち、少なくとも0%より大きい透過率)であり得る。
最小パワー・レベルは、試料上の欠陥、特徴、または他の材料への損傷が生じる発現、そして検出されるべき試料からの十分な散乱光を生成するパワー・レベルに基づき選択可能である。このようにして、最小パワー・レベルは、最小パワー・レベルが、完全な消光である場合には不可能な、試料への損傷が実質的に防止され、実質的に試料の全域を検査可能にする最小パワー・レベルが選択可能である。従って、最小パワー・レベルは、例えば、光源の設定、及び/または、試料の特徴に依存して変化可能である。係る一例に於いて、同じシステムによる異なる試料の検査に用いられる最小パワー・レベルは、異なる試料の特徴に基づき、異なる場合がある。更に、パワー減衰器サブシステムは、フル・パワー・レベル、最小パワー・レベル、そして一つまたは複数の更なるパワー・レベル(例えば、フル・パワー・レベル未満であり、最小パワー・レベルよりも大きな一つまたは複数のパワー・レベル)を含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定され得る。一つまたは複数の更なるパワー・レベルは、任意の係る適切なパワー・レベルを含み得る。
図1に示す係る一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステム26は、光源10と光学部品12の間に設置され、表面検査走査中に入射光ビームのパワー・レベルを変更するように設定される。更に、システムは、複数の光源(示されていない)を備えることが可能であり、それぞれは同様に、或いは異なるように設定可能であり、或いは、試料へ複数の入射光を指向するように設定可能である。係る事例に於いて、ここに記載される如くパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムは、試料へ指向される一つまたは複数の光ビームの光路内に設置可能である。他の事例に於いて、ここに記載される如くパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムは、試料へ指向される複数の光ビームの個々の光路内に設置可能である。システムが、複数のパワー減衰器サブシステムを備える場合、パワー減衰器サブシステムの個々は、同様に、或いは異なるように設定可能である。
パワー減衰器サブシステム26は、入射光の偏光に基づき入射光の一部を透過するように設定可能な、選択的に透過する光学部品(図1には示されていない)を備え得る。一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、波長板の位置を変更することによりパワー・レベルを変更するように設定される。例えば、図2に示す如く、パワー減衰器サブシステム26は、幾つかの実施態様に於いて、波長板200と偏光ビーム・スプリッター210を備え得る。この設定に於いて、波長板は、入射光の偏光を変更するために使用可能であり、ビーム・スプリッターは、一つまたは複数の選択された偏光(例えば、線形に偏光した光)を透過し、残る全て(例えば、ランダムに、円、または楕円偏光した光)をビーム廃棄220へ反射するように機能する。光の一部を反射することにより、波長板とビーム・スプリッターは、パワー減衰器サブシステムを通過する光の強度またはパワー・レベルを低減するように機能する。ビーム廃棄220は、この分野で公知の任意の適切な要素を含み得る。
波長板ならびに類似の光学部品はスイッチのようにオン・オフすることは不可能であり、複数の明確に異なるパワー・レベルを供給するためにビーム経路内で動かされ(例えば、回転)なくてはならない。例えば、図2に示す如く、パワー減衰器サブシステム26は、波長板200に結合され、定常パワー光ビームの光学経路にある波長板200の位置を変更するように設定されたコントローラー230を備え得る。特に、コントローラー230は、ビーム経路にある波長板200を回転させるように設定可能である。更に、コントローラー230は、ここに更に記載される如く、試料へ指向される光のパワーレベルが、検査中にダイナミックに変更可能なように、試料の検査中に、波長板をダイナミックに回転させるように設定可能である。コントローラー230は、この分野で公知の任意の適切なデバイスとすることが可能であり、この分野で公知の任意の方法により波長板の位置を変更するように設定可能である。
一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステム26は、パワー減衰器サブシステムにより達成可能な最小パワー・レベルが、フル・パワー・レベルの10%以上であるように選択された位相遅延を有する波長板200を備える。他の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、半波長近傍遅延以外の位相遅延を有する波長板を備える。幾つかの実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、凡そ、1/2.5波長(λ/2.5)遅延の位相遅延を有する波長板を備える。このようにして、ここに記載される実施態様は、ビーム・スプリッターを通過する最小の透過が(ほぼ0%の透過の完全な消光に等しくなる代わりに)最小パワー・レベルに凡そ等しくなるように配向された波長板を供え得る。例えば、λ/2.5の波長板が使用された場合、ビーム・スプリッターを通過する透過は、凡そ10%透過の最小値を有する。更に、波長板の位相遅延は、選択された最小のパワー・レベルに基づき(例えば、ビーム・スプリッターを通過する光源からの光の最小の透過に基づき)(例えば半波長遅延ではなく、さらに潜在的にλ/2.5ではないものを)選択可能である。
図3は、パワー減衰器サブシステム26の他の実施態様を示す。この実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステム26は、ポッケルスセル202へ印加される電圧を変化させることにより、パワー・レベルを変更するように設定される。ポッケルスセルは、一般に、電気的に制御される高速光シャッターとして定義され得る。ポッケルスセルは、「フル・パワー・レベル」と「最小パワー・レベル」の間で切り替え可能なポッケルスセル202の電気光学材料または複屈折材料により提供される極めて早いパワー減衰に於いて有益である。このようにして、電気光学材料は、入射光の偏光を予め設定された分極方位に変化させることが可能である。この所謂「再偏光された光」は、次に、電気光学スイッチからの特定の偏光出力に依存して再偏光された光の一部のみを透過させる偏光ビーム・スプリッターへ供給され得る。再偏光された光の残りは、ここに記載される如く設定可能な偏光ビーム・スプリッターへ供給され、ビーム廃棄220により吸収される。幾つかの事例に於いて、電気光学材料は、数ナノ秒から数ミリ秒の時間内に異なる状態間での切り替えが可能である。このようにして、光経路内にある選択的に透過する光学部品を動かすこと無しに、電気光学スイッチを用いることで、高速の光パワー減衰が実現可能である。
最初に、ポッケルスセル202は、光源10により生成された光がパワー減衰器サブシステム26を自由に通過できるようにフル・パワー・レベルの条件で設定可能である。しかしながら、大きな粒子の存在が検出された場合、ポッケルスセル202は、生成された光の偏光を異なる偏光へ変更するように最小パワー・レベルの条件へ切り替え可能である。このことは、偏光ビーム・スプリッター210により少なくとも部分的にフィルター可能である。フル・パワー・レベルと最小パワー・レベルの条件間での切り替えに際し、可変電源により供給される電圧は、電気光学材料(典型的には、電気光学結晶)を通過する光の偏光を変更するようにポッケルスセル202へ供給可能である。図3に示す如く、ポッケルスセルへ供給される電圧は、可変電源235への制御信号入力により決定可能である。可変電源235は、この分野で公知の任意の適切な要素を供え得る。
一例に於いて、ポッケルスセル202へ供給される電圧(例えば、セルが最小パワー・レベルの条件へ切り替える原因となる)は、往々にして「1/4波長位相シフト」として呼称される現象である、線形に偏光した光を円偏光した光へ変換するように、電気光学結晶の特徴を変更可能である。円偏光の光が、円偏光の光を反射するように主に設定された偏光ビーム・スプリッターへ供給された場合、パワー減衰器サブシステム26からの光出力の強度またはパワー・レベルは、ポッケルスセルを最小パワー・レベルの条件に設定することで、低減可能である。一方、パワー減衰器サブシステム26からの光出力の強度またはパワー・レベルは、ポッケルスセルをフル・パワー・レベルの条件に設定することで、維持(または増加)可能である。
しかしながら、パワー減衰器サブシステム26からの光出力の強度は、ポッケルスセル202により生成される位相シフトと同様に、偏光ビーム・スプリッター210にも依存する。例えば、偏光ビーム・スプリッターは、典型的に、所謂「S」と「P」偏光と呼称されるような二つの直交する偏光を区別する。しかしながら、他の偏光(C偏光など)は部分的に通過可能であり、従って、偏光ビーム・スプリッターにより部分的に(例えば、ビーム廃棄へ)再指向される。ポッケルスセルが1/4波位相シフトを生成するように電源が印加された場合、入射される線形に偏光した光(典型的なレーザー出力)は、円偏光となり、前記光の半分は偏光ビーム・スプリッターを通過し、残る半分は、再指向される。1/2波位相シフトに関しては、光学部品の不完全さに起因するいくらかの漏れを除き、光は偏光ビーム・スプリッターを一切通過しない。換言すれば、ポッケルスセルが1/2波シフトを生成するように電源が印加された場合(パワー・オフの状態で、全ての光はビーム・スプリッターを通過する仮定のもとで)、実質的に全ての入射光は再指向される。
幾つかの事例に於いて、光源10により生成された定常パワー光ビームは、最小パワー・レベルとフル・パワー・レベルの条件間で、電気光学シャッター(ポッケルスセルなど)をダイナミックに切り替えることで、二つの明確に異なるパワー・レベル(例えば、「最小」パワー・レベルと「フル」・パワー・レベル)へ分割可能である。最小パワー・レベルは、大きな粒子を走査する場合に熱損傷を避けるように、フル・パワー・レベルよりも極めて低くなり得る。例えば、最小パワー・レベルは、フル・パワー・レベルの幾らかのパーセント(例えば、凡そ1%から凡そ50%の間)であり得る。一実施態様に於いて、最小パワー・レベルは、フル・パワー・レベルの凡そ10%であり得る。異なる実施態様に於いて、最小パワー・レベルは、フル・パワー・レベルの凡そ5%であり得る。他の設定は可能であり、一般に入射パワー、そして走査される粒子のサイズと材料組成に依存し得る。
他の事例に於いて、電気光学シャッター(ポッケルスセルなど)は、異なるパワー・レベルを二つよりも多く生成するように設定可能である。例えば、ポッケルスセルは、実質的に任意の位相シフトを生成するように駆動可能であり、従って、偏光ビーム・スプリッターと組み合わせ、実質的に任意のパワー・レベルを生成可能である。換言すれば、図3に示す実施態様は、実質的に任意の数の異なるパワー・レベルの生成に使用可能である。幾つかの事例に於いて、回路、及び/または、ソフトウエアは、ここに更に記載される図11に示される如く、例えば、閉フィードバック・ループの形態で連続的なパワー・レベル調節を供給するシステム内に備えられ得る。
一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステム26は、パワー減衰器サブシステムにより実現可能な最小パワー・レベルがフル・パワー・レベルの10%以上であるように配向されたポッケルスセル202を備える。他の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ0度または凡そ45度の角度を除く角度で配向されたポッケルスセルを備える。追加の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ5度から凡そ40度の角度で配向されたポッケルスセルを備える。更なる実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ18.5度の角度で配向されたポッケルスセルを備える。更に、完全な消光位置から配向されるポッケルスセルの角度は、選択された最小パワー・レベルに基づき(例えば、パワー減衰器サブシステムを通過する光源からの光の最小の透過率に基づき)選択可能である。このようにして、ここに記載される実施態様は、ビーム・スプリッターを通過する最小の透過が、(ほぼ0%の透過に近い完全な消光に等しい代わりに)最小のパワー・レベルに凡そ等しいように配向されたポッケルスセルを備え得る。例えば、ポッケルスセルが、光学軸に関して所定の位置(即ち最良の消光位置)より凡そ18.5度回転された場合、パワー減衰器サブシステムを通過する透過は、凡そ10%の透過率で最小となる。
上に記載されるパワー減衰器サブシステムの実施態様は、他のパワー減衰方法とシステムと比較した場合、幾つかの利点を有する。ここに記載される実施態様の主な利点の一つは、光学減衰器の安定性の改善である。例えば、一実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、最小パワー・レベルの安定性が、完全消光のパワー・レベルの安定性よりも高いように設定される。他の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、最小パワー・レベルが、光源のアラインメントの変化に対して実質的に影響されないように設定される。追加の実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、パワー減衰器サブシステムの一つまたは複数の要素に印加される電圧の変化に対して実質的に影響されないように設定される。このようにして、ここに記載されるシステムは、改善されたパワー安定性で照明(例えば、レーザー)パワーの光学機械調節に使用可能である。特に、ここに記載されるシステムは、消光近傍のパワー・レベルに関する他のシステム設定のパワー安定性問題を解決する。更に、ここに記載される波長板位相遅延を備える複数のレベル(または複数の「位置」)の波長板、及び/または、ビーム・スプリッター・タイプの減衰器を含むここに記載される実施態様は、高いパワー・レベルと低いパワー・レベルに関して大幅に改善された安定性を有するパワー透過レベルを得るために使用可能である。更に、ここに記載される光学軸に関するポッケルスセル・アラインメント角度を用いた複数のレベル(または複数の「位置」)のポッケルスセル・タイプの減衰器は、高いパワー・レベルと低いパワー・レベルに関して大幅に改善された安定性を有するパワー透過レベルを得るために使用可能である。
また、係る減衰器は、検査システムのパフォーマンス、製造可能性、信頼度を改善するために、既存の検査システムに組み込むことが可能である。更に、ここに記載される実施態様は、他のシステムに比較して顕著な改善をもたらしつつ、試料へ指向される光のパワーレベルを変更する他のシステムに比較して、顕著な追加の商品原価につながること無しに、既存の検査システムに組み込むことが可能である。
位相シフトまたはアラインメント角度の変動に対するパワー減衰器サブシステムの透過率の感度は、以下のように決定され得る。光源からの電場ベクトルは、以下の式から決定可能である。
Figure 0005444216
速軸とx軸間で角度φをなす、ポッケルスセルまたは波長板の入り口にある場のベクトルは、光源からの電場ベクトルにより決定可能である。特に、場のベクトルは、図4に概略的に示される如く、速軸と遅軸に沿って2つのベクトルに分解され、以下の式で表される。
Figure 0005444216
ここで、e1は速軸に沿った電場ベクトルであり、e2は遅軸に沿った電場ベクトルであり、n1とn2は、速軸ならびに遅軸に沿ったポッケルスセルまたは波長板のそれぞれの屈折率である。ポッケルスセルまたは波長板の出口に於いて、以下の式に示される如く、速軸ならびに遅軸に関して±Δ/2の位相シフトがそれぞれ導入される。
Figure 0005444216
Figure 0005444216
Figure 0005444216
Figure 0005444216
x軸ならびにy軸方向に偏光器(例えば、図2ならびに図3に示す偏光ビーム・スプリッター)を通過した光強度は、強度の絶対値の二乗であり、以下の式で表される。
Figure 0005444216
Figure 0005444216
Figure 0005444216
Figure 0005444216
Figure 0005444216
透過率tは入射光の透過された光に対する比であり、以下の式で表される。
Figure 0005444216
位相シフトまたはアラインメント角度の変動に対する透過値の感度は、以下の微分により表される。
Figure 0005444216
λ/2の位相シフトを有するパワー減衰器を備える検査システムとは異なり、ここに記載される実施態様は、可変のアラインメント角度φとλ/2.5の位相シフトを備える波長板を供え得る。両者の場合に於いて、最小パワー・レベルに於いて所望される透過率は凡そ10%である。図5は、λ/2波長板とλ/2.5波長板に関する回転角度の関数として、パワー減衰(透過率)を示す。図5に示す如く、「新規の」λ/2.5波長板に関しては、最小パワー・レベルに対応する透過率は、曲線の比較的平坦な位置にあり、従って、位相シフトの変動に対してより大幅に安定な最小パワーレベルを提供する。対照的に、「古い」λ/2波長板に関しては、最小パワー・レベルに対応する透過率は、曲線の比較的急勾配の位置にあり、従って、位相シフトの変動に対してより大幅に不安定な最小パワーレベルを提供する。図6は、10%の精度で透過率を維持するために許容される回転角度の許容範囲を示す。最小パワー・レベル近傍で、「古い方法の」λ/2波長板透過率は、「新規の方法の」λ/2.5波長板に比較して、アラインメント角度の変動(凡そ0.5度未満の変動)に対してより大幅に敏感である。換言すれば、凡そ10%の透過率に於けるλ/2.5波長板の回転角度の許容範囲は、凡そ10%の透過率に於けるλ/2波長板の回転角度の許容範囲に比較して極めて高い。従って、λ/2.5波長板を備えるパワー減衰器サブシステムの最小パワー・レベルは、λ/2波長板を備えるパワー減衰器サブシステムの最小パワー・レベルよりも安定である。更に、ここに記載されるパワー減衰器サブシステムは、パワー減衰器サブシステムの回転角度のより大幅に高い許容範囲のために、最小パワー・レベルが光源のアラインメントの変化に実質的に影響されないように設定可能である。
上に記載される如く、パワー減衰器サブシステムは、アラインメント角度φに於いて、可変な位相シフトΔを有するポッケルスセルを備え得る。図7は、45度と53度のポッケルスセルに関して、位相シフトの関数としてのパワー減衰(パワー透過率)を示す。図7に示す如く、「古い」45度のアラインメント角度に関しては、最小パワー・レベルに対応する0.07の透過比は、透過対位相シフト曲線の比較的急勾配な位置にある。しかしながら、「新規の」53度の角度に関しては、最小パワー・レベルに対応する透過比は、曲線の比較的平坦な位置にあり、従って、位相シフトの変動に対しより大幅に安定な最小パワー・レベルを提供する。図8は、透過率の関数としてポッケルスセル位相シフト(電圧、HV)の許容範囲を示す。図8に示す如く、最小パワー・レベル0.07近傍で、「古い方法の」45度のアラインメント角度は、10%の精度で透過率を維持するために凡そ1%の電圧安定性を要求するが、一方、53度のアラインメント角度は、凡そ5%よりも高いエラー許容範囲を提供する。従って、ここに記載されるパワー減衰器サブシステムの実施態様の最小パワー・レベルの安定性は、完全な消光のパワー・レベルの安定性よりも大幅に高い。更に、ここに記載されるパワー減衰器サブシステムは、最小パワー・レベルがパワー減衰器サブシステムの一つまたは複数の要素(例えば、ポッケルスセル)に印加される電圧の変化に実質的に影響されないように設定可能である。
光ビームのパワー・レベルのダイナミックな変更に関して、上に記載される様々な方法に加え、図1のシステムは、係る変更を制御する方法を提供する。例えば、パワー・コントローラー・サブシステム28は、検出サブシステムの一つまたは複数の要素(例えば、コントローラー16、光検出器18、増幅器20、ADC22、そしてプロセッサ24)とパワー減衰器サブシステム26の間で結合可能である。以下により詳細に記載される如く、パワー・コントローラー・サブシステム28は、検出された散乱光が予め設定された閾値レベルよりも上か下かであるかを決定するために、試料14から散乱され、検出サブシステムにより検出される光を連続的に監視可能である。係る決定に基づき、パワー・コントローラー・サブシステム28は、第一のパワー・レベル(例えば、「フル」パワー・レベル)または第二のパワー・レベル(例えば、「最小」パワー・レベル)で試料へ入射光を供給するように、パワー減衰器サブシステム26へ指示可能である。また、パワー・コントローラー・サブシステムは、二つよりも多くのパワー・レベルが利用可能であり、状況が係るレベル(或いは係るレベルからの利益)を正当化する場合、パワー減衰器サブシステムを用いて試料への第三、第四、第五などのパワー・レベルを提供する。
一般に、予め設定された閾値レベルは、試料へ指向された入射光が吸収され、試料上の特徴により適切に放散させられない場合、生じ得る熱損傷を低減または防止するために選択可能である。予め設定された閾値レベルは、典型的に、入射パワー密度に基づき、より詳しくは、特定の大きさの特徴または粒子に与えられる熱損傷の発現に関連したパワー密度に基づく。例えば、予め設定された閾値レベルは、(例えば5μmより大きな)比較的大きな粒子への損傷を避けるために、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の範囲の入射パワー密度より選択可能である。有機材料を走査する場合、比較的乏しい熱放散を示す大きな粒子への損傷を避けるために、予め設定された閾値レベルは、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の範囲で変更可能である。図1に示す如く、予め設定された閾値レベルは、プロセッサ(またはコンピュータ・システム)24からパワー・コントローラー・サブシステム28へ供給可能である。
検出された光が、予め設定された閾値レベル未満である場合、パワー・コントローラー・サブシステム28は、「フル」パワー・レベルで入射ビームのパワーを維持するように、パワー減衰器サブシステム26へ指示可能である。しかしながら、検出された散乱光が、予め設定された閾値レベルを超えた場合(例えば、大きな粒子が近くにあることを示す)、パワー・コントローラー・サブシステム28は、入射ビームのパワーを「安全」または「最小」パワー・レベルへ低減するように、指示可能である。ひとたび、入射ビームが、大きな粒子(または他の大きな散乱を示す特徴)への走査を終了すると、検出された散乱光は、予め設定された閾値レベル未満となり、パワー・コントローラー・サブシステム28は、入射ビームを増加させ「フル」パワーへ戻るようにパワー減衰器サブシステム26へ指示を与える。
このようにして、ここに記載される検査システムは、第一のパワー・レベル(例えば、「フル」パワー・レベル)で試料へ入射光を指向することで、比較的小さなサイズの特徴を検出するように独自に設定可能であり、一方で、比較的大きなサイズの特徴は、第二のパワー・レベル(例えば、「安全」または「最小」パワー・レベル)で試料へ入射光を指向することで、比較的大きなサイズの特徴が検出可能である。更に、より大きな特徴が、第二のパワー・レベルを第一のパワー・レベルよりも大幅に低く設定することで、より大きな特徴への熱損傷を与えること無しに、検出可能である。二つよりも多くのパワー・レベルが利用可能である場合、パワー・コントローラー・サブシステム28は、検出された散乱光を、二つまたは二つよりも多くの閾値レベルに比較し、係る比較に基づき、適切なパワー・レベルとなるように入射光を維持、低減、または増加するようにパワー減衰器サブシステムへ指示可能である。
図9は、好ましいパワー・コントローラー・サブシステム28の一実施態様を示す。ここに示す実施態様に於いて、パワー・コントローラー・サブシステム28は、入射パワーと検出器利得に対し検出器出力を規格化する分割器240を備える。このように、分割器240は、規格化された散乱パワーの計算に使用可能であり、それ故、代替的に散乱パワー計算機と呼称され得る。一例に於いて、散乱パワーは、検出器出力を入射パワーと検出器利得で割ることにより求められ、或いは以下の式で表される。
Figure 0005444216
このように検出器出力を規格化することにより、パワー・コントローラー・サブシステムは、ある条件化の信号レベルで切り替えられるのではなく、パワー減衰器サブシステムが常に同じ散乱光レベルで常に切り替えられることを可能にする。換言すれば、全ての信号は、検出器利得が増加された場合により大きくなる。検出利得が増加された場合に、検出器出力が規格化されていないと、目指す粒子サイズよりも小さなサイズで、切り替えが起こる場合がある。入射パワーと検出器利得に対し検出器出力を規格化することにより、任意のサイズの粒子が検出された際に、切り替え(例えば、より低いパワー・レベルへ)を正確に実施することが可能となる。
図1に示す如く、パワー・コントローラー・サブシステム28、従って分割器240は、光検出器よりアナログ信号として、また代替的にADC22またはプロセッサ24からのフィルタされ、そしてデジタル化された信号として、検出器出力(例えば、試料から検出される散乱光)を受信可能である。検出器利得(例えば、検出器に関連した電流増幅)は、プロセッサ24により分割器240へ供給され、用いられる光検出器に応じて可変または固定されたものとなり得る。しかしながら、以下により詳細に記載される如く、入射パワーは二つの態様のうちの一つの態様により分割器240へ供給され得る。
幾つかの実施態様に於いて、図1と図9−図11の破線で示される如く、分割器240により生成された規格化された散乱パワー信号は、プロセッサ24へフィードバック可能である。換言すれば、分割器240は、入射パワーと検出器利得に対し検出器出力が規格化された散乱データ(例えば、検出器出力)を提示するために使用可能である。プロセッサへ送られる前にデータを規格化することにより、実際の欠陥散乱パワーを、欠陥のサイズを正確に決定するために使用可能である。例えば、大きな粒子に亘る走査時に入射ビームが低減された場合、ADCのカウント(例えば、検出器出力)は、減衰が無い場合(例えば、フル・パワーの場合)に比較して必然的に低くなる。このことは、プロセッサへ供給される走査結果は、存在する実際の欠陥よりも小さな欠陥を示すことを意味する。散乱データを規格化することで、プロセッサは、欠陥のサイズをより正確に決定できる。
図1に示す如く、幾つかの実施態様に於いて、追加の光学規格器/分割器23を、入射パワーの変化に対応する散乱パワー信号の規格化のために、ADC22とプロセッサ24の間のデータ収集経路内で、使用可能である。追加の分割器23は、パワー・コントローラー・サブシステム28内に備えられる規格器/分割器(240)と共に、或いは代替として使用可能である。例えば、二つの分割器が使用される場合、分割器23は、プロセッサ24へ送られる散乱パワー信号の規格化のためにデータ収集経路内に設置可能であり、一方で、分割器240は、他のパワー・コントローラー・サブシステム部品(例えば、以下に記載される比較器250)へ送られる散乱パワー信号の規格化のために閾値経路内に設置される。しかしながら、一つの分割器のみを使用するか(データ収集経路内か閾値経路内)、分割器を全く使用しないこと(この場合、以下に記載される如く、システムはダイナミックな範囲拡張をサポートしない)も他のオプションとして選択可能である。
上に記載される如く、入射パワーは、二つの態様の内の一つの態様で、分割器240へ供給可能である。図9の実施態様に於いて、入射ビームの実際のパワーは、パワー減衰器サブシステム26の下のビーム経路に設置可能なパワー検出器サブシステム27により測定される。この実施態様に於いて、パワー検出器サブシステム27は、パワー減衰器サブシステム26からの実際の強度またはパワー・レベル出力を監視するように設定される。パワー検出器サブシステムにより測定されるパワー(即ち、測定されたパワー)は、規格化された散乱パワーを計算するためにパワー・コントローラー・サブシステム28へ供給される。パワー検出器サブシステムは、以下に限定されないが、特にフォトダイオードならびにPMTを含む実質的に任意のパワー検出手段を実装可能である。しかしながら、以下により詳細に記載される如く、パワー検出器サブシステム27は、ここに記載される全ての実施態様に必ずしも含まれるものではない。
図9に示す如く、パワー・コントローラー・サブシステム28は、また、規格化された散乱パワーを、プロセッサ24により供給される一つまたは複数の予め設定された閾値レベルに比較するために、比較器250を備え得る。上に記載される如く、閾値レベルは、大きな(または他の高度に散乱性の)粒子に亘り走査する場合に熱損傷を効果的に低減するように、ユーザまたはシステムのプロセッサにより選択可能である。一実施態様に於いて、比較器250は、「安全」散乱パワーの最大量に関連したパワー密度を示す一つの閾値レベルのみ(「安全散乱閾値」として呼称される)を受け取る場合がある。規格化された散乱パワーを安全散乱閾値に比較した後、比較器250は、パワー減衰器サブシステム26へ指示し、減衰器サブシステムへ供給されるパワー・モードを維持または変化させることで、入射ビームを適切なパワー・レベル(例えば、「フル」または「安全」パワー・レベル)に維持、低減、または増加する。一般に、パワー・モードは、減衰パワーシステムが、出力パワー・レベルを維持または変更する原因となる任意の制御信号であり得る。図3の実施態様に於いて、例えば、減衰器サブシステムへ供給されるパワー・モードは、可変電源235への制御信号入力と機能的に同等であり得る。
図10は、パワー・コントローラー・サブシステム28の好ましい他の実施態様を示す。特に、図10は、パワー検出器サブシステムが、パワー減衰器サブシステム26からの実際のパワー・レベル出力の測定を供給するように使用されない場合に、規格化された散乱パワーが計算可能な一態様を示す。測定されたパワーを受け取る代わりに、分割器240は、減衰器サブシステムへ供給されるパワー・モード制御信号を受け取るために、比較器250の出力へ結合可能である。制御信号に基づき、分割器240は、例えば、参照表などの手段により、散乱パワー計算で使用される適切な入射パワーを決定可能である。図9と図10に示される実施態様に於いて、分割器240と比較器250は、ハードウエア、ソフトウエア、または両者の組み合わせと共に実装可能である。一例に於いて、分割器240はソフトウエア内に、比較器250はハードウエア内に実装可能である。
図11は、パワー・コントローラー・サブシステム28の好ましい更に別の実施態様を示す。特に、図11は、連続的パワー調節がパワー・コントローラー・サブシステム28により供給され得る一態様を示す。過去の実施態様と同様に、分割器240は、検出器利得と出力を受け取るために、そして、それに対応する規格化された散乱パワー信号を生成するために結合可能である。しかしながら、(図9−図10に示される如く)比較器へ規格化された散乱パワー信号を供給する代わりに、散乱パワー信号は、供給される信号に基づき出力パワー・モードをダイナミックに調節する制御ループ・フィードバック・フィルタ260へ供給される。図11に於いて、散乱パワー信号は、例えば、一定の検出器出力信号を得るために、入射パワーを調節するフィードバック・ループ内で使用される。従って、固定されたパワー・レベルの代わりに、図11に示す実施態様は、連続的に調節可能なパワー・レベルを供給する。
ここに記載されるパワー減衰器サブシステムの任意の実施態様は、検出サブシステムにより生成される出力に基づきダイナミックにパワー・レベルを変更するように設定可能である。一実施態様に於いて、最小パワー・レベルは、試料上の予め設定されたサイズ(例えば、凡そ5μmよりも大きい)の特徴の熱損傷の発現に関連した入射パワー密度未満である。係る一実施態様に於いて、最小パワー・レベルは、試料上の欠陥を検出するために使用可能である出力を生成するための検出サブシステムにより検出されなくてはならない散乱光の最小に関連した入射パワー密度よりも高い。このようにして、実質的に試料の全領域が、熱損傷なしに検査可能である。更なる実施態様に於いて、パワー減衰器サブシステムは、試料上の予め設定されたサイズ(例えば、凡そ5μmよりも大きい)より小さい特徴の検査中に、パワー・レベルをフル・パワー・レベルへ変更するように設定される。
このようにして、ここに記載される回路とシステムは、表面検査走査中に入射ビームの強度またはパワー・レベルをダイナミックに調節することで、大きな粒子(例えば、凡そ5μmよりも大きい)への熱損傷を低減可能である。一例に於いて、熱損傷は、パワーが固定された入射ビーム検査システムに対し、最大100%低減可能である。ここに記載される回路とシステムは、走査工程中に複数の入射ビーム・パワー・レベル間でダイナミックに切り替えることに使用可能な一つまたは複数の予め設定された閾値レベルを供給することで、走査工程の多様性に対応可能である。このようにして、大きく、散乱性の高い粒子を走査する場合に、入射パワーをより低いパワー・レベル(例えば、「安全)パワー・レベル)へ低減することで、熱損傷は、低減、または回避さえ可能である。しかしながら、検出感度は、より高いパワー・レベル(例えば、「フル」パワー・レベル)でより低い散乱領域を走査することにより維持され、システムは、より小さな欠陥を検出可能である。
代替の実施態様に於いて、適応学習プロセスを、過去のまたは現在の検査走査結果に基づき、閾値レベル、及び/または、パワー・レベルを変更するために使用可能である。一つの利点として、適応学習プロセスは、電子より長い機器の切り替えに関して、より長い遅延時間を許容することがある。切り替えが必要となる直前の「オンザフライ」ではなく、実際の切り替えの遥か前に決定がなされるためである。精度は改善され得るが、係る実施態様は、明らかに上に記載される回路とシステムをより複雑(そしておそらくは、より高価に)にする。中間の代替として、幾つかの実施態様に於いて、試料へ供給される入射パワーの量を連続的に変更するために、散乱パワーと入射パワー・レベル間の定量的な関係を設定可能である。この代替は、試料へ供給される入射パワーの量の連続的な変更により、PMTに関して最適範囲の近傍にある散乱光信号を常時提供するように使用可能である。
幾つかの実施態様に於いて、単一の光検出器の使用が好ましいが、試料へ指向される光に関し、適切なパワー・レベルを選択するために、追加の検出器をシステムに備えることが可能である。この場合、追加の検出器は、試料からの散乱光の監視に使用可能である。入射パワー・レベルが適切に調節されるように散乱光を検出するために用いられる最初の検出器とは異なり、追加の検出器は、試料へ指向される光の適切なパワー・レベルを選択するために使用可能である特定の閾値レベルまたは「切り替え点」を選択するために使用可能である。
熱損傷の低減に加え、ここに記載される回路とシステムは、また、検査システムの測定検出範囲の拡張に使用可能である。通常、パワーが固定された検査システムの検出範囲は、光検出器の検出範囲に制限される。しかしながら、可変パワー検査システムを提供することにより、ここに記載される実施態様は、測定検出範囲を、凡そ以下に示される如く、大幅に拡張する。
Figure 0005444216
幾つかの事例に於いて、パワー減衰器サブシステムにより供給される追加の検出範囲は、凡そ2倍から凡そ16倍に亘り、システムの全体的測定検出範囲を増加可能である。これらはここで詳述された参照文献として取り扱われる、同一出願人による係属中であるWolters等により2005年7月14日に出願された米国特許出願11/181,228号、Wolters等により2005年7月14日に出願された米国特許出願11/181,237号、そしてWolters等により2005年7月14日に出願された米国特許出願11/181,519号に記載される他の回路、システム、方法、またはこれらの幾つかの組み合わせと組み合わされた場合、(改善されたPMT検出器、及び/または、デュアル出力増幅器など)、検査システムの全体的測定検出範囲は、汎用の技術に比較して凡そ2倍から凡そ一万倍に亘り改善され得る。また、ここに記載される実施態様は、これらの特許出願に記載される如く更に設定可能である。
また図1は、検査のために試料14の照明を供給するように設定されたシステムの一実施態様を示す。システムは、フル・パワー・レベルと、フル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベルの間で、計測中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステム26を備える。パワー減衰器サブシステムは、ここに記載される如く更に設定可能である。更に、システムは、ここに記載される如く更に設定可能である。更に、このシステムは、ここに記載される他の実施態様の全ての利点を有する。
他の実施態様は、試料の検査方法に関連する。本方法は、フル・パワー・レベルと、フル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベルの間で、計測中に試料へ指向される光のパワー・レベルを変更することを含む。パワー・レベルを変更することは、ここに記載される如く実施可能である。また本方法は、試料からの散乱光に対応する出力を生成することを含む。出力は、試料上の欠陥の検出に使用可能である。出力は、ここに記載される如く生成可能である。更に、出力は、ここに記載される如く、試料上の欠陥の検出に使用可能である。本方法は、ここに記載される任意のシステム実施態様により実施可能である。更に、本方法は、ここに記載される任意の他のステップを含むことが可能である。また本方法は、ここに記載される他の実施態様の全ての利点を有する。
図12は、上に記載される如く、可変パワー検査システムにより試料を検査する典型的方法を示す流れ図である。図12で説明される様々な方法のステップは、検査システム内に備えられる要素により実施可能であるが、特定のステップは、検査システムのユーザにより実施され得る。
幾つかの実施態様に於いて、本方法は、第一のパワー・レベルで試料へ光を指向することで開始される(ステップ300)。例えば、入射ビームは、比較的小さな特徴または欠陥が検出されるように(「フル」パワー・レベルなどの)比較的高いパワー・レベルで試料へ指向され得る。以下により詳細に記載される如く、入射ビームは、次に、比較的大きな特徴または欠陥に損傷を与えることなくこれらの特徴または欠陥が検出されるように、(「安全」パワー・レベルなどの)より低いパワー・レベルへ低減され得る。図12に示す方法は、記載された如く、二つを超過するパワー・レベル間でダイナミックに切り替えるように変更可能である。
殆どの場合、本方法は、試料の表面に亘り光を走査しつつ(ステップ302)、試料からの散乱光を検出可能である(ステップ304)。例えば、試料上の現行の位置に入射ビームが指向された場合、試料からの散乱光が検出され得る。現行の位置に於いて検出された散乱光は、その位置に於ける試料の特徴、欠陥、または光散乱特性を検出するために使用可能である(ステップ306)。次に、ビーム位置は、近接位置へ走査可能であり、近接位置で特徴、欠陥、または光散乱特性を検出するためにプロセスは繰り返される。
幾つかの実施態様に於いて、走査は、試料へ指向されるビーム経路内に光学偏向器を設置することで実施可能である。例えば、偏向器は、図1のビーム生成ならびに偏光制御光学部品内に設置可能である。幾つかの実施態様に於いて、偏向器は、機械式スキャニング・アセンブリ、電子スキャナ、回転鏡、多角形式スキャナ、共鳴スキャナ、圧電スキャナ、検流鏡、または検流計などとすることが可能である。幾つかの実施態様に於いて、偏向器は、凡そ一定の走査速度で試料に亘り光ビームを走査可能である。例えば、凡そ0m/sから凡そ24m/sの間より選択された実質的に一定の走査速度で、試料に亘り光ビームを走査可能である。他の実施態様に於いて、偏向器は、凡そ0m/sから凡そ24m/sの間より選択された可変の走査速度で、試料に亘り光ビームを走査可能である。しかしながら、本発明の全ての実施態様に於いて、走査の実行に偏向器は必ずしも必要でない。例えば、光の垂直な入射ビームは、試料に対するビーム生成光学部品の相対的運動により、または光学部品に対する試料の相対的運動により、試料に亘り走査可能である。
走査プロセス中、本方法は、現行位置の試料からの散乱光を検出する一方で(ステップ304)、近接位置の試料からの散乱光を監視する(ステップ308)。例えば、入射ビームは、分布の中央近傍にピークを有し、端部近傍でなだらかに消失するパワー密度分布で、試料へ供給可能である。ここに使用される如く、分布の中央部は「ビーム中央」と呼称され、一方で、端部は「ビーム端部」と呼称される。一例は、中央ローブと中央ローブのそれぞれの側に少なくとも一つの端部ローブを有するパワー密度分布である。端部ローブは、より小さいパワー密度を有し、それ故、中央ローブに対し、より小さい振幅を有する。他の例は、ベル型、または中央ローブがなだらかに消失するビーム端部を有するガウス分布である。
試料上の表面に亘り走査する場合、入射ビームのビーム端部は、ビーム中央が粒子または欠陥に到達する以前に、(例えば、1ないし数ミリ秒のオーダーの差で)粒子または欠陥に到達可能である。例えば、試料上の表面にある殆どの粒子または欠陥は、ビームのスポット・サイズよりも遥かに小さい。このため、ビーム端部は、ビーム中央よりも先に、粒子または欠陥に到達可能である。試料の表面に亘り入射ビームが走査されるに従い、試料からの散乱光の量(例えば、散乱パワー)は、ビームのどの部分が粒子または欠陥を覆うかに依存して変化する。例えば、低密度パワー密度のビーム端部が大きな粒子または欠陥に到達した場合、高密度パワー密度のビーム中央が試料の比較的滑らかな表面を覆うことを仮定されたい。比較的滑らかな表面からの散乱光の量は、通常、大きな粒子または欠陥に起因する散乱よりも遥かに小さいため、ビーム中央部に起因する散乱パワーの量は無視できると考えられる。このように、散乱パワーの顕著な増加は、ビーム端部が大きな粒子または欠陥に到達したことを示し得る。換言すれば、近傍位置に於ける大きな粒子または欠陥は、低密度パワー密度のビーム端部からの散乱レベルを監視することで検出可能である。
ビーム端部からの散乱レベルが、実質的に安全散乱閾値以上である場合(ステップ310)、入射ビームは、第1のパワー・レベルより低い第2のパワー・レベルへ低減可能である(ステップ314)。上に記載される如く、第2のパワー・レベル(「安全」パワー・レベルと呼称される)は、典型的に、第1のパワー・レベル(「フル」パワー・レベルと呼称される)の凡そ1%から凡そ50%の間の範囲であり得、好ましい実施態様に於いては、フル・パワー・レベルの凡そ10%であり得る。ビーム端部からの散乱レベルが、安全散乱閾値未満である場合(ステップ310)、第1のパワー・レベルは維持され、より小さな特徴が検出され、そして検出感度が維持される。
幾つかの事例に於いて、表面検査走査が終了した場合(ステップ316)、本方法を終了することが可能である(ステップ318)。さもなくば、近接位置が現行位置となるように走査プロセスが継続される。入射ビームが欠陥上に移動する傍ら、本方法は、ビーム端部の散乱レベルを監視し続ける。散乱レベルが再度安全散乱閾値以下となり(ステップ310)、ビームの高密度中央部(即ち、ビーム中央)が試料を欠陥を通過したことを示す場合、第1のパワー・レベルが再度設定され(ステップ312)、小さな欠陥に関する試料の検査を継続する。
上に記載される如く、そして図1−図3に記載される如く高速のパワー減衰器を使用することにより、ここに記載されるシステムと方法は、ビーム中央が近傍位置に到達する以前に、高パワー・レベルと低パワー・レベルの間で容易に切り替え可能である。例えば、ビーム端部レベルは、ビーム中央の到達の数ミリ秒以前に、近傍にある大きな欠陥の存在を示すために使用可能である。一部、パワー減衰器サブシステム26の比較的早い応答(例えば、数ナノ秒から数ミリ秒のオーダー)のため、実施態様は、ビーム端部散乱レベルを監視することで、ビーム中央が欠陥に到達する以前に、入射ビーム・パワー・レベルを低減可能である。大きな粒子の走査中にパワー・レベルを大幅に低減し、大きな粒子の走査後にパワー・レベルを増加することで、ここに記載される実施態様は、システム・スループットと感度を維持しつつ、大きな粒子への熱損傷を低減する。
本技術関連分野に精通した者には、本発明の様々な見地の更なる変更と別の実施態様は明らかであろう。例えば、さまざまなパワー・レベルの光を用い試料を検査するシステムと方法が提供される。従って、この記載は、説明のためのみとして構築され、そして本発明を実施するための一般的方法を、本技術関連分野に精通した者に教示する目的にある。ここに示され、記載された本発明の形態は、現状で好ましい実施態様として解釈されるべきであることに留意されたい。ここに示され、記載された要素と材料は置換可能であり、部品とプロセスは順序を入れ替えることが可能であり、本発明のいくつかの特徴は独立して活用可能であり、本発明に記載された利点を理解した後、本技術関連分野に精通した者には、これら全ては明らかであろう。請求項に記載される本発明の思想と見地から逸脱することなく、此処に記載される要素は変更可能である。
10: 光源
12: ビーム生成ならびに偏光制御光学部品
14: 試料
16: コレクター
18: 光検出器
20: 増幅器
22: アナログ・デジタル変換器
23: 光学規格器
24: プロセッサ
26: パワー減衰器サブシステム
27: パワー検出器サブシステム
28: パワー・コントローラー・サブシステム
200: 波長板
202: ポッケルスセル
210: 偏光ビーム・スプリッター
220: ビーム廃棄
230: コントローラー
235: 可変電源
240: 分割器/規格器(散乱パワー計算機)
250: 比較器
260: 制御ループ・フィードバック・フィルター

Claims (15)

  1. 試料を検査するように設定されたシステムであって、
    光を生成するように設定された光源と、
    フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムと、
    前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用される出力を生成するように設定された検出サブシステムと、
    を備え、
    前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備え、前記ポッケルスセルのアラインメント角度は、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されており、
    前記パワー減衰器サブシステムは、前記最小パワー・レベルの安定性が完全消光のパワー・レベルの安定性よりも高いように更に設定されている、システム。
  2. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記パワー減衰器サブシステムは、前記最小パワー・レベルが光源のアラインメントの変化に対して実質的に影響されないように更に設定された、システム。
  3. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記パワー減衰器サブシステムが、前記パワー減衰器サブシステムの一つまたは複数の要素に印加される電圧の変化に対して実質的に影響されないように更に設定された、システム。
  4. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記パワー減衰器サブシステムが、前記ポッケルスセルへ印加される電圧を変化させることによりパワー・レベルを変更するように更に設定されている、システム。
  5. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記ポッケルスセルは、前記パワー減衰器サブシステムにより達成可能な前記最小パワー・レベルが前記フル・パワー・レベルの凡そ10%以上であるように配向されている、システム。
  6. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記ポッケルスセルは、前記ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ5度から凡そ40度の角度で配向されている、システム。
  7. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記ポッケルスセルは、前記ポッケルスセルの完全な消光位置から凡そ18.5度の角度で配向されている、システム。
  8. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記パワー減衰器サブシステムが、出力に基づきダイナミックにパワー・レベルを変更するように更に設定されている、システム。
  9. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記最小パワー・レベルが、前記試料上の予め設定されたサイズの特徴の熱損傷の発現に関連した入射パワー密度未満である、システム。
  10. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記最小パワー・レベルが、前記試料上の予め設定されたサイズの特徴の熱損傷の発現に関連した入射パワー密度より低く、かつ、前記試料上の欠陥を検出するために使用される出力を生成するために前記検出サブシステムにより検出されなくてはならない最小の散乱光に関連した入射パワー密度よりも高い、システム。
  11. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記パワー減衰器サブシステムが、前記試料上の予め設定されたサイズより小さい特徴の検査中に、前記パワー・レベルを前記フル・パワー・レベルへ変更するように更に設定されている、システム。
  12. 請求項1に記載のシステムであって、
    前記光源が、凡そ1kW/cm2から凡そ1000kW/cm2の出力パワー密度を有する、システム。
  13. 検査に関する試料の照明を提供するように設定されたシステムであって、
    フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムを備え、
    前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備え、前記ポッケルスセルのアラインメント角度は、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されている、システム。
  14. 試料の検査方法であって、
    ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備えるパワー減衰器サブシステムとして、前記ポッケルスセルのアラインメント角度が、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されているパワー減衰器サブシステムを使用して、フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更することと、
    前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用される出力を生成すること、
    を含む、試料の検査方法。
  15. 試料を検査するように設定されたシステムであって、
    光を生成するように設定された光源と、
    フル・パワー・レベルとフル・パワー・レベルの凡そ10%以上である最小パワー・レベルを含む少なくとも二つのパワー・レベル間で、検査中に前記試料へ指向される光のパワー・レベルを変更するように設定されたパワー減衰器サブシステムと、
    前記試料からの散乱光に応じた出力として、前記試料上の欠陥の検出に使用可能な出力を生成するように設定された検出サブシステムと、
    を備え、
    前記パワー減衰器サブシステムが、ポッケルスセルと偏光ビームスプリッタとを備え、前記ポッケルスセルのアラインメント角度は、前記ポッケルスセルと前記偏光ビームスプリッタとを通過した光が完全に消光する特定のアラインメント角度から凡そ0度または凡そ45度の角度を除くアラインメント角度になるように設定されている、システム。
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