JP5443966B2 - マンホールの浮上防止構造 - Google Patents

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Description

本発明は、地震時などに発生する液状化現象によりマンホールの浮き上がりを防止するマンホールの浮上防止構造に関するものである。
近年、地震などにより発生した液状化現象によりマンホールやこれに接続された配管等の地下構造物が路面から浮き上がって破壊され、避難経路を塞ぎ、緊急車両の障害となって復興支援活動に支障をきたすため地震時の液状化現象によりマンホールが浮き上がらない地震対策が望まれている。
例えば、マンホールの浮上を防止するために、特開平09−003926号公報(特許文献1)には、マンホール本体の外周面に張出部を設けたもの、特開平10−018324号公報(特許文献2)には、上下筒体の間に、該筒体の外周面よりも突出する環状フランジを設けた接続ソケットを設けたものが記載されている。更に、特許第4182130号公報(特許文献3)には、マンホール本体の外周面に鋼製の張出バンドを取り付け、この張出バンドを覆うように浮上抑制体が設置されたもの、実用新案登録第3120761号公報(特許文献4)には、側壁間に側壁からの突出部の下部にテーパ面を付した環状のフランジ盤を配置したもの、特開2008−127919号公報(特許文献5)には、マンホール本体に逆円錐状のかご部材を取り付け、該かご部材の内部に路盤材等を充填して荷重ブロック体を形成したものが提案されている。
特開平09−003926号公報 特開平10−018324号公報 特許第4182130号公報 実用新案登録第3120761号公報 特開2008−127919号公報
しかしながら、前述の特許文献1の張出部、特許文献2の環状フランジ、特許文献3の浮上抑制体、特許文献4のフランジ盤の上面全体が水平面のみにより構成されていたためマンホールに浮揚力が作用した際に、各特許文献1の張出部、特許文献2の環状フランジ、特許文献3の浮上抑制体、特許文献4のフランジ盤のそれぞれの真上の土圧しか実質的に作用せず、効率的な浮上防止力が得られていなかった。
また、特許文献5の技術では、マンホール本体に逆円錐状のかご部材を取り付けるため、埋め戻し時において、かご周辺部に転圧不足が生じる可能性がある。
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、構成が簡単で材料費が安価で済み、地震時の液状化により発生する浮揚力がマンホールに作用しても該マンホールの外周に金属製プレートにより結合した浮上防止環状体が周囲地盤に及ぼす浮揚力を最小限に軽減し、周囲地盤のせん断破壊を防止してマンホールの浮上を防止することができるマンホールの浮上防止構造を提供せんとするものである。
前記目的を達成するための本発明に係るマンホールの浮上防止構造は、筒状管からなるマンホールの外周部に配置され、所定の重量を有する浮上防止環状体と、前記マンホールと前記浮上防止環状体とを結合する金属製プレートとを有し、前記浮上防止環状体は、上に凸の突出部の両側に外側テーパ面と内側テーパ面とを有し、前記マンホールに作用する浮揚力が、前記金属製プレートを介して前記浮上防止環状体に作用した際に、前記外側テーパ面と前記内側テーパ面とに作用する土圧により該浮上防止環状体を押圧し、その押圧力と前記浮上防止環状体の重量が協働して作用することで前記金属製プレートを介して固定された前記マンホールの浮上を防止することを特徴とする
本発明に係るマンホールの浮上防止構造によれば、地震による液状化現象によりマンホールに作用する浮揚力が金属製プレートを介して浮上防止環状体に作用した際に該浮上防止環状体の上に凸の突出部の外側テーパ面に作用する土圧により該浮上防止環状体を径方向内側に押圧すると共に、浮上防止環状体の上に凸の突出部の内側テーパ面に作用する土圧により該浮上防止環状体を径方向外側に押圧することで、両テーパ面の協働と浮上防止環状体の自重とが相まって効率的な浮上防止力が発揮され、前記金属製プレートを介して固定されたマンホールの浮上を防止することができる。
(a)は本発明に係るマンホールの浮上防止構造を説明する断面説明図、(b)は本発明に係るマンホールの浮上防止構造を説明する平面図である。 (a)は浮上防止環状体に1個のウエイトリングを取り付けた場合、(b)は浮上防止環状体に2個のウエイトリングを取り付けた場合のそれぞれの構成を示す断面説明図である。 (a)はマンホールの外周部に金属製プレートを介して浮上防止環状体が結合された様子を示す断面説明図、(b)は金属製プレートの三面図である。 (a)は比較的径の小さい0号、1号マンホール用浮上防止環状体の構成を示す平面図、(b)は(a)のP−P断面図、(c)は(a)のE−E断面図である。 (a)は比較的径の小さい0号、1号マンホール用浮上防止環状体の下部に連結されるウエイトリングの構成を示す平面図、(b)は(a)のG−G断面図、(c)は(a)のH−H断面図、(d)は(a)のI−I断面図である。 (a)は比較的径の大きい2号、3号マンホール用浮上防止環状体の構成を示す平面図、(b)は(a)のJ−J断面図、(c)は(a)のK−K断面図、(d)は(a)のL−L断面図である。 (a)は比較的径の大きい2号、3号マンホール用浮上防止環状体の下部に連結されるウエイトリングの構成を示す平面図、(b)は(a)のM−M断面図、(c)は(a)のN−N断面図、(d)は(a)のO−O断面図である。 (a),(b)は地震による液状化現象によりマンホールに作用する浮揚力が金属製プレートを介して浮上防止環状体に作用した際に該浮上防止環状体の外側テーパ面に作用する力と、内側テーパ面に作用する力と、外側テーパ面と内側テーパ面とを接続する浮上防止環状体の第1の水平上面となる天面に作用する力と、前記内側テーパ面の下端部と浮上防止環状体の内側面の上端部とを接続する第2の水平上面に作用する力との合成力をベクトル化して説明する図、(c)は外側テーパ面と内側テーパ面と第1、第2水平上面とにより浮上防止環状体の周囲の地盤に作用する力を分散させる様子を示す図、(d)は内側テーパ面により周囲の地盤に作用する力をベクトルFが該内側テーパ面の面積に比例すると考えて、該ベクトルFを傾斜角度θの三角形の斜辺の長さに設定し、該内側テーパ面の軸方向に対する投影面積Bをその三角形の底辺の長さに設定して三角関数によりベクトルFのX−Y座標を該内側テーパ面の軸方向に対する投影面積Bと、該内側テーパ面の水平面に対する傾斜角度θとにより定義する様子を説明する図である。 (a)は外側テーパ面の鉛直方向の高さh1が内側テーパ面の鉛直方向の高さh2よりも大きい場合の浮上防止環状体の形状及び寸法を説明する図、(b)は外側テーパ面の鉛直方向の高さh1と内側テーパ面の鉛直方向の高さh2とが等しい場合の浮上防止環状体の形状及び寸法を説明する図である。 本発明に係るマンホールの浮上防止構造の設計方法を説明する模式図である。 0号、1号、2号、3号マンホール用浮上防止環状体で外側テーパ面の鉛直方向の高さh1が内側テーパ面の鉛直方向の高さh2よりも50mm高い場合の浮上防止環状体の外側テーパ面の軸方向に対する投影面積A、該浮上防止環状体の内側テーパ面の軸方向に対する投影面積B、外側テーパ面と内側テーパ面とを接続する浮上防止環状体の第1の水平上面としての天面の面積C、内側テーパ面の下端部と浮上防止環状体の内側面の上端部とを接続する第2の水平上面の面積D、外側テーパ面の水平面に対する傾斜角度θ、内側テーパ面の水平面に対する傾斜角度θ、浮上防止環状体の一部の縦断面の図心をmとし、該図心mを原点として、マンホールに作用する浮揚力が金属製プレートを介して浮上防止環状体に作用した際に、外側テーパ面に作用する力をベクトルFとし、内側テーパ面に作用する力をベクトルFとし、第1の水平上面としての天面に作用する力をベクトルFとし、内側テーパ面の下端部と浮上防止環状体の内側面の上端部とを接続する第2の水平上面に作用する力をベクトルFとし、各ベクトルのX成分であるFAX,FBX,FCX,FDX、各ベクトルのY成分であるFAY,FBY,FCY,FDY、ベクトルFとベクトルFとベクトルFとベクトルFとを合成した力となる合成ベクトルFの絶対値(長さ)を示す図である。 0号、1号、2号、3号マンホール用浮上防止環状体で外側テーパ面の鉛直方向の高さh1と、内側テーパ面の鉛直方向の高さh2とが等しい場合の浮上防止環状体の外側テーパ面の軸方向に対する投影面積A、該浮上防止環状体の内側テーパ面の軸方向に対する投影面積B、外側テーパ面と内側テーパ面とを接続する浮上防止環状体の第1の水平上面としての天面の面積C、内側テーパ面の下端部と浮上防止環状体の内側面の上端部とを接続する第2の水平上面の面積D、外側テーパ面の水平面に対する傾斜角度θ、内側テーパ面の水平面に対する傾斜角度θ、浮上防止環状体の一部の縦断面の図心をmとし、該図心mを原点として、マンホールに作用する浮揚力が金属製プレートを介して浮上防止環状体に作用した際に、外側テーパ面に作用する力をベクトルFとし、内側テーパ面に作用する力をベクトルFとし、天面に作用する力をベクトルFとし、内側テーパ面の下端部と浮上防止環状体の内側面の上端部とを接続する第2の水平上面に作用する力をベクトルFとし、各ベクトルのX成分であるFAX,FBX,FCX,FDX、各ベクトルのY成分であるFAY,FBY,FCY,FDY、ベクトルFとベクトルFとベクトルFとベクトルFとを合成した力となる合成ベクトルFの絶対値(長さ)を示す図である。
図により本発明に係るマンホールの浮上防止構造の一実施形態を具体的に説明する。図1において、1は地盤9内に埋設されるコンクリート製筒状管からなるマンホールであり、底版2、直壁管3,4、斜壁管5、高さ及び角度調整リング6、マンホール蓋受けリング8を有している。マンホール蓋受けリング8にはマンホール蓋18が取り付けられる。直壁管3には排水管10が接続されている。直壁管3,4、斜壁管5の外周面にはインサートナット13が埋設されており、連結金具17の両端部に設けられた貫通穴にボルト11を挿入してインサートナット13に螺合締結することで直壁管3,4、斜壁管5相互が連結される。
マンホール1の直壁管4の外周部には、所定の重量を有する浮上防止環状体14が配置され、図3に示す金属製プレート12によりマンホール1の直壁管4と浮上防止環状体14とが結合される。浮上防止環状体14の上部には上に凸の突出部14aが設けられ、該突出部14aの両側に外側テーパ面14bと内側テーパ面14cが形成され、該外側テーパ面14bと内側テーパ面14cと、これらを接続する第1の水平上面となる天面14fとにより突出部14aが形成されている。また、突出部14aの一部を切り欠いて金属製プレート12を取り付けるための平坦面14gが形成されている。金属製プレート12は、図3に示すように、直壁管4に取り付けられる起立片12aと、浮上防止環状体14の平坦面14gに取り付けられる水平片12bと、該起立片12aと水平片12bとを接続する傾斜片12cとを有して構成される。浮上防止環状体14の平坦面14gにはインサートナット13が埋設されており、金属製プレート12の起立片12aと水平片12bとにそれぞれ設けられた貫通穴12a1,12b1にボルト11を挿入して直壁管4の外周面及び浮上防止環状体14の平坦面14gにそれぞれ埋設されたインサートナット13にそれぞれ螺合締結することで直壁管4と浮上防止環状体14とが剛に連結固定される。
本実施形態では、比較的径の小さい0号、1号マンホール用浮上防止環状体(外径1600mm、外径1800mm)14の場合は、図1及び図4に示すように、浮上防止環状体14の上部に形成された上に凸の突出部14aを180度ずれた対向する位置に2箇所切り欠いて形成した平坦面14gに2個の金属製プレート12の水平片12bをボルト止めし、起立片12aを直壁管4の外周面上に180度ずれた位置にボルト止めして固定する。また、比較的径の大きい2号、3号マンホール用浮上防止環状体(外径2300mm、外径2800mm)14の場合は、図6に示すように、浮上防止環状体14の上部に形成された上に凸の突出部14aを互いに90度ずれた位置に4箇所切り欠いて形成した平坦面14gに4個の金属製プレート12の水平片12bをボルト止めし、起立片12aを直壁管4の外周面上に互いに90度ずれた位置にボルト止めして固定する。尚、金属製プレート12の個数や配置は本実施形態に限定されるものではなく、他の所定の筒状管の外周面で他の所定の角度で所定の個数を配置することでも良い。
既設のマンホール1に対して金属製プレート12を取り付ける場合には地盤9を開削して直壁管4を露出させる。そして、該直壁管4に予めインサートナット13が既に取り付けられている場合には、予め浮上防止環状体14の平坦面14gに水平片12bをボルト止めした金属製プレート12の起立片12aを直壁管4の外周面に当接し、ボルト止めして固定する。また、直壁管4にインサートナット13が取り付けられていない既設マンホール1の場合には、ボルト型アンカーボルト又はナット型アンカーボルトを既設マンホール1の直壁管4に設置した後、ナット又はボルトにて金属製プレート12の起立片12aを直壁管4に固定する。
地盤9内で且つマンホール1の外周には、該マンホール1の直壁管4の外周面に金属製プレート12により固定され、所定の重量を有し、直壁管4の外形よりも大きな内径を有するコンクリート製の浮上防止環状体14が配置して埋設される。浮上防止環状体14の下面直下の地固めは該浮上防止環状体14を設置する前に行うことが出来る。浮上防止環状体14は、上部に上に凸の突出部14aが設けられ、該突出部14aの両側に外側テーパ面14bと、内側テーパ面14cとが形成され、更に該外側テーパ面14bと、内側テーパ面14cとを接続する第1の水平上面からなる天面14fと、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lと、底面14d、内外側面14e,14hとを有する断面7角形状で構成される。突出部14aの一部には図4及び図6に示すように、金属製プレート12が取り付けられる位置に平坦面14gが形成されている。
図8(a)において、浮上防止環状体14の一部の縦断面の図心(図8(a)に示す7角形断面図上の重心)をmとし、図心mを原点として、マンホール1に作用する浮揚力が金属製プレート12を介して浮上防止環状体14に作用した際に、外側テーパ面14bに作用する力をベクトルFとし、内側テーパ面14cに作用する力をベクトルFとし、第1の水平上面となる天面14fに作用する力をベクトルFとし、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lに作用する力をベクトルFとし、ベクトルFとベクトルFとベクトルFとベクトルFとを合成した力をベクトルFとする。ベクトルFとベクトルFの大きさは、浮上防止環状体14に土砂が載荷する外側テーパ面14b及び内側テーパ面14cの鉛直方向(図8(a)の上下方向)におけるそれぞれの投影面積A,B(図1(b)参照)に比例すると考えることが出来、ベクトルF,Fの大きさはそれぞれ天面14fの面積と第2の水平上面14lの面積とにそれぞれ比例すると考えることが出来る。
そして、図8(a),(b)に示すように、各ベクトルF,F,F,FのX成分であるFAX,FBX,FCX,FDX、各ベクトルF,F,F,FのY成分であるFAY,FBY,FCY,FDYを用いて以下の数2式に示す合成ベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;長さ)が最小値となるように設定することで、地震による液状化現象によりマンホール1に作用する浮揚力が金属製プレート12を介して浮上防止環状体14に作用した際に、該浮上防止環状体14が周囲地盤に及ぼす浮揚力を最小限に軽減し、周囲地盤のせん断破壊を防止して金属製プレート12により固定されたマンホール1の浮上を効果的に防止することができる。マンホール1に作用する浮揚力が金属製プレート12を介して浮上防止環状体14に作用した際に外側テーパ面14bと内側テーパ面14cと天面14fに作用する土圧により該浮上防止環状体14を押圧し、その押圧力と浮上防止環状体14の重量が協働して作用することで該金属製プレート12により固定されたマンホール1の浮上を防止することが出来る。
図8(c)に示すように、浮上防止環状体14に作用する上向きの浮上がり力が同じである場合、コンクリート製品からなる浮上防止環状体14と周囲の地盤との接触面に作用する力(有効応力)を小さくすれば見掛け上の土のせん断抵抗力は増加する。そこで、本実施形態の浮上防止環状体14は、その上部形状を上の凸の突出部14aを形成する外側テーパ面14bと内側テーパ面14cと平坦な第1の水平上面からなる天面14fと内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lとにより構成したことで、浮上防止環状体14と周囲の地盤との接触面に作用する力(有効応力)を3方向に分散させて周囲の地盤に作用する力を軽減し、見掛け上の土壌の抵抗力を増加させ、その結果として浮上抑制効果を高めることが出来る。このため、外側テーパ面14bと内側テーパ面14cと第1の水平上面となる天面14fと第2の水平上面14lとにそれぞれ作用する力となる各ベクトルF,F,F,Fの合成ベクトルFが最小値となるように設定することにより浮上防止環状体14の周囲の地盤に作用する力を最小とし、その結果、浮上抑制効果を高めることが出来る。
次に上記数2式に示される各ベクトルF,F,F,FのX成分であるFAX,FBX,FCX,FDX、各ベクトルF,F,F,FのY成分であるFAY,FBY,FCY,FDYを以下の数3式のように、外側テーパ面14bの軸方向に対する投影面積A、内側テーパ面14cの軸方向に対する投影面積B、第1の水平上面となる天面14fの面積C、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの面積D、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θ、内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θにより定義する方法について図8(d)を用いて以下に説明する。
ここで、図8(b)に示すように、ベクトルFをX−Y座標で表すと以下の数4式で表すことが出来る。
[数4]
(X,Y)=(Fsinθ,Fcosθ
次に図8(d)を用いてベクトルFと投影面積Bとの関係について考察する。ベクトルFは内側テーパ面14cが該内側テーパ面14cに対向する周囲の地盤に作用する力であるから該内側テーパ面14cの面積に比例すると考えると、図8(d)に示すように、該ベクトルFを傾斜角度θの三角形の斜辺の長さに設定し、該内側テーパ面14cの軸方向に対する投影面積Bをその三角形の底辺の長さに設定して三角関数により以下の数5式で表すことが出来る。
[数5]
B/F=cosθ
だから
=B/cosθ
従って、上記数5式を上記数4式に代入してFのX−Y座標を求めると以下の数6式で表すことが出来る。
[数6]
(X,Y)=(Fsinθ,Fcosθ)=(Bsinθ/cosθ,B)
同様にしてF,F,FのそれぞれのX−Y座標は以下の数7式で表すことが出来る。
[数7]
(X,Y)=(Fsinθ,Fcosθ)=(Asinθ/cosθ,A)
(X,Y)=(0,F)=(0,C)
(X,Y)=(0,F)=(0,D)
このようにして求めたF,F,F,FのそれぞれのX−Y座標を前記数2式に代入して以下の数3式を求めることが出来る。これにより、ベクトルF,F,F,Fの大きさを浮上防止環状体14の土砂が載荷する外側テーパ面14b及び内側テーパ面14cの鉛直方向(図8(a)の上下方向)におけるそれぞれの投影面積A,B、第1の水平上面となる天面14fの面積C、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの面積D(図1(b)参照)と、該外側テーパ面14bの水平面(図8(a)の左右方向)に対する傾斜角度θ、該内側テーパ面14cの水平面(図8の左右方向)に対する傾斜角度θを用いて簡易に換算することが出来るものである。
そして、ベクトルFとベクトルFとベクトルFとベクトルFとを合成した上記数3式により求められるベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;長さ)が最小値になるように設定することで、地震による液状化現象によりマンホール1に作用する浮揚力が金属製プレート12を介して浮上防止環状体14に作用した際に、該浮上防止環状体14が周囲地盤に及ぼす浮揚力を最小限に軽減し、周囲地盤のせん断破壊を防止して金属製プレート12により固定されたマンホール1の浮上を効果的に防止することができる。
マンホール1に作用する浮揚力は浮上防止環状体14の外側テーパ面14b、第1の水平上面となる天面14f、内側テーパ面14c、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14l、外側面14eによりそれぞれ周囲の地盤に分散して伝達され、地盤9のせん断破壊を軽減し、マンホール1の浮き上がり抵抗力を高める。
本実施形態では、図8(a)に示すように、浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの軸方向(図8(a)の上下方向)に対する投影面積をA、該浮上防止環状体14の内側テーパ面14cの軸方向に対する投影面積をB、外側テーパ面14bと内側テーパ面14cとを接続する浮上防止環状体14の天面14fの面積をC、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの面積をD、該外側テーパ面14bの水平面(図8(a)の左右方向)に対する傾斜角度をθ、該内側テーパ面14cの水平面(図8の左右方向)に対する傾斜角度をθとすると、上記数3式に示されるベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)が最小値となるように図11及び図12に示す実施例1〜実施例38に示すように適宜設定される。
ここで、図8(b)に示すように、水平方向をX軸、鉛直方向をY軸とし、浮上防止環状体14の一部の縦断面の図心(図8(a)に示す7角形断面図上の重心)をmとし、該図心mを原点とすると、ベクトルFのX軸成分は、−Fsinθとなり、Y軸成分は、+Fcosθとなり、ベクトルFのX軸成分は、+Fsinθとなり、Y軸成分は、+Fcosθとなり、ベクトルF及びベクトルFのX軸成分は、それぞれ「0」となり、Y軸成分は、それぞれ+F、+Fとなる。そして、合成ベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)は上記数3式により求められ、そのFが最小値となれば浮揚力を最小とすることができる。
尚、本実施形態では、浮上防止環状体14の水平上面として、外側テーパ面14bと内側テーパ面14cとを接続する第1の水平上面としての天面14fと、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lとの2つの水平上面を考慮して上記数3式を用いて合成ベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)が最小値となるように設定する一例を示したが、他の例として、1つの水平上面、或いは他の複数の水平上面を考慮して上記数1式を用いて合成ベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)が最小値となるように設定するすることができる。前記数1式では浮上防止環状体14の全ての水平上面の合計の面積をCとして包括的に示したものであり、前記数3式は2つの水平上面を考慮した場合の一例を示す式である。各水平上面のベクトルFのX軸成分は、それぞれ「0」となり、Y軸成分は、それぞれを加算した+Fとなる。そして、前記数1式により求めた合成ベクトルFのスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)が最小値となれば浮揚力を最小とすることができる。
以下に具体例における試算結果について図9〜図12を用いて説明する。具体例として0号、1号、2号、3号組立てマンホール1に使用する0号、1号、2号、3号マンホール用浮上防止環状体14についてそれぞれ試算を行う。例えば、図9(a)に示す具体例では、外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2よりも大きい場合の0号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが1600mm、内径直径φiが920mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が150mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が100mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が340mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が90mmとした。
同様に1号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが1800mm、内径直径φiが1070mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が150mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が150mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が365mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が65mmとした。
同様に2号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが2300mm、内径直径φiが1420mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が150mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が150mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が440mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が140mmとした。
同様に3号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが2800mm、内径直径φiが1770mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が150mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が150mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が515mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が215mmとした。
また、図9(b)に示す具体例では、外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1と、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2とが等しい場合の0号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが1600mm、内径直径φiが920mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が100mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が100mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が340mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が90mmとした。
同様に1号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが1800mm、内径直径φiが1070mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が100mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が150mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が365mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が65mmとした。
同様に2号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが2300mm、内径直径φiが1420mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が100mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が150mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が440mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が140mmとした。
同様に3号マンホール用浮上防止環状体14は、外径直径φoが2800mm、内径直径φiが1770mm、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が100mm、水平方向の幅w1が100mm、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2が100mm、水平方向の幅w2が150mm、該浮上防止環状体14の内径と外径との間の水平方向の幅w3が515mm、該浮上防止環状体14の第1の水平上面としての天面14fの水平方向の幅w4が50mm、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの水平方向の幅w5が215mmとした。
そして、図9(a),(b)に示す内側テーパ面14cの外径直径をφa、外側テーパ面14bの内径直径をφbとして、当該外径直径φa,内径直径φbを適宜変更した場合の浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの軸方向に対する投影面積A、浮上防止環状体14の内側テーパ面14cの軸方向に対する投影面積B、第1の水平上面としての天面14fの面積C、内側テーパ面14cの下端部と浮上防止環状体14の内側面14hの上端部とを接続する第2の水平上面14lの面積D、外側テーパ面14bの水平面(図8(a)の左右方向)に対する傾斜角度θ、該内側テーパ面14cの水平面(図8(a)の左右方向)に対する傾斜角度θ、該傾斜角度θから傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)、図8(a),(b)に示す各ベクトルF,F,F,Fの各X軸成分FAX,FBX,FCX,FDX、合成ベクトルFのX軸成分(FAX+FBX+FCX+FDX)、各ベクトルF,F,F,Fの各Y軸成分FAY,FBY,FCY,FDY、合成ベクトルFのY軸成分(FAY+FBY+FCY+FDY)、合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をそれぞれ図11及び図12に示す。
図11及び図12に示す実施例1〜実施例38は、前記数3式のFの最小値を求める際に、便宜的に図9(a),(b)に示す浮上防止環状体14の外径直径φo及び内径直径φiをそれぞれ所定の値に固定すると共に、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1及び内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2をそれぞれ所定の値に固定し、図10(a)〜(d)、或いは図10(e)〜(h)に示すように、浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの上端部と、内側テーパ面14cの上端部とに接続される該浮上防止環状体14の天面14fの幅w4を所定の値(図10では50mm)に固定した状態で該天面14fの位置を水平方向(図10の天面14fに沿った左右方向)に移動した時に変化する投影面積A,B(図4(a)、図6(a)参照)、傾斜角度θ,θ、のそれぞれの値に基づいて、前記数3式により求められるFの値を複数算出し、その算出した複数のFの値の最小値に対応する投影面積A,B、傾斜角度θ,θに基づいて浮上防止環状体14を設計した場合の一例を示す。
尚、図10(a)〜(d)は外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2よりも50mm高い場合で傾斜角度θをそれぞれ31°、45°、56°、90°に設定した場合の形状を示し、図10(e)〜(h)は外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1と、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2とが等しい場合で傾斜角度θをそれぞれ22°、34°、45°、90°に設定した場合の形状を示す。この場合、傾斜角度θ、外側テーパ面14bの水平方向の幅w1、内側テーパ面14cの水平方向の幅w2は傾斜角度θに連動して変化する。
このような設計方法によれば、上記数3式により求められるFの最小値を求める方法として、便宜的に浮上防止環状体14の外径直径φo及び内径直径φiをそれぞれ所定の値に固定すると共に、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1及び内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2をそれぞれ所定の値に固定し、該浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの上端部と、内側テーパ面14cの上端部とに接続される該浮上防止環状体14の天面14fの幅を所定の値に固定した状態で該天面14fの位置を水平方向に移動した時に変化する投影面積A,B、傾斜角度θ,θ、のそれぞれの値に基づいて、上記数3式により求められるFの値を複数算出し、その算出した複数のFの値の最小値を上記数3式により求められるFの最小値として便宜的に採用することができ、そのFの最小値に対応する投影面積A,B、固定された面積C、傾斜角度θ,θに基づいて浮上防止環状体14を容易に設計することができるものである。
図11に示すように、浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1が内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2よりも50mm大きい場合において、マンホール1の外径が900mm(0号マンホール)の場合には、実施例2に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を11°に設定した場合には、0号マンホールについて合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例1〜実施例4の中では実施例2が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
また、マンホール1の外径が1050mm(1号マンホール)の場合には、実施例7に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を22°に設定した場合には、1号マンホールについても合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例5〜実施例9の中では実施例7が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
また、マンホール1の外径が1400mm(2号マンホール)の場合には、実施例12に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を22°に設定した場合には、2号マンホールについても合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例10〜実施例14の中では実施例12が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
また、マンホール1の外径が1750mm(3号マンホール)の場合には、実施例17に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を22°に設定した場合には、3号マンホールについても合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例15〜実施例19の中では実施例17が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
図12に示すように、浮上防止環状体14の外側テーパ面14bの鉛直方向の高さh1と、内側テーパ面14cの鉛直方向の高さh2とが等しい場合において、マンホール1の外径が900mm(0号マンホール)の場合には、実施例21に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を0°に設定した場合には、0号マンホールについて合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例20〜実施例23の中では実施例21が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
また、マンホール1の外径が1050mm(1号マンホール)の場合には、実施例26に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を11°に設定した場合には、1号マンホールについても合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例24〜実施例28の中では実施例26が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
また、マンホール1の外径が1400mm(2号マンホール)の場合には、実施例31に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を11°に設定した場合には、2号マンホールについても合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例29〜実施例33の中では実施例31が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
また、マンホール1の外径が1750mm(3号マンホール)の場合には、実施例36に示すように、外側テーパ面14bの水平面に対する傾斜角度θから内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度θを引いた角度差(θ−θ)を11°に設定した場合には、3号マンホールについても合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)をより小さく設定することができ、実施例34〜実施例38の中では実施例36が合成ベクトルFの上記数3式により求められるスカラー量(絶対値の大きさ;ベクトルの長さ)を最小値として採用することができる。
図2(a)は浮上防止環状体14の下部に所定の重量を有する1個のウエイトリング15を取り付けた場合、図2(b)は浮上防止環状体14に2個のウエイトリング15を取り付けた場合のそれぞれの構成を示す。比較的径の小さい0号、1号マンホール用浮上防止環状体14では、図4(a),(c)に示すように、浮上防止環状体14の外周部の所定位置で金属製プレート12を取り付ける平坦面14gからずれた位置で互いに180度ずれた位置に2箇所の平坦面14jが外側テーパ面14bの一部を切り欠いて設けられており、その平坦面14gを貫通して連結ボルト挿入孔14iが設けられている。比較的径の小さい0号、1号マンホール用浮上防止環状体14の下部に取り付けられる図5に示すウエイトリング15の外周部にも互いに90度ずつずれた位置に4箇所の連結ボルト挿入孔15aが貫通して設けられている。
また、比較的径の大きい2号、3号マンホール用浮上防止環状体14では、図6(a),(c)に示すように、浮上防止環状体14の外周部の所定位置で金属製プレート12を取り付ける平坦面14gからずれた位置で互いに90度ずれた位置に4箇所の平坦面14jが外側テーパ面14bの一部を切り欠いて設けられており、その平坦面14gを貫通して連結ボルト挿入孔14iが設けられている。比較的径の大きい2号、3号マンホール用浮上防止環状体14の下部に取り付けられる図7に示すウエイトリング15の外周部にも互いに45度ずつずれた位置に8箇所の連結ボルト挿入孔15aが貫通して設けられている。
なお、図4〜図7中の浮上防止環状体14とウエイトリング15のそれぞれの側面外周部に水平に埋設されたインサートナット13はクレーン等の吊り下げ用フックを螺合締結するためのものである。また、浮上防止環状体14とウエイトリング15のそれぞれの内周面に設けられた切欠溝14k,15bは、直壁管3,4、斜壁管5の外周面相互に連結された連結金具17を避けるためのものである。
そして、浮上防止環状体14の下面にウエイトリング15の上面を当接させ、対応する2箇所或いは4箇所の連結ボルト挿入孔14i,15aに連結ボルト16をそれぞれ挿入し、ナット止めにより浮上防止環状体14とウエイトリング15とを連結固定することが出来る。また、そのウエイトリング15の下部に更に別のウエイトリング15を取り付ける場合には、図2(b)に示すように、別のウエイトリング15を円周方向に図5に示すウエイトリング15では90度、図7に示すウエイトリング15では45度それぞれずらして、その上面を先に取り付けたウエイトリング15の下面に当接し、先に取り付けたウエイトリング15の残り2箇所或いは4箇所の連結ボルト挿入孔15aと、後から取り付けるウエイトリング15の対応する2箇所或いは4箇所の連結ボルト挿入孔15aに連結ボルト16をそれぞれ挿入し、ナット止めによりウエイトリング15相互を連結固定することが出来る。更にウエイトリング15を増設したい場合には同様にして増設することが出来る。
ウエイトリング15は互いに周方向に位置を90度、或いは45度ずらすことにより順次重ね合わせが出来る構造であるのでマンホール1に作用する浮揚力の程度に応じてウエイトリング15の取り付け枚数を適宜調整することが出来、経済的で最適な浮上防止構造を構築することが出来る。
本実施形態では、0号、1号、2号、3号マンホール用浮上防止環状体14の重量は、それぞれ766kg、956kg、2025kg、2908kgに設定され、更にそれぞれの浮上防止環状体14に対応する0号、1号、2号、3号マンホール用ウエイトリング15の個々の重量は639kg、785kg、1826kg、2653kgに設定される。
マンホール1に特殊な加工を施すことなく簡易な方法により低コストで施工できるため、新規のマンホール1のみならず、既設のマンホール1に対しても容易に浮き上がり抑制対策を施すことが出来る。また、浮上防止環状体14の使用材料は市販のプレキャストコンクリート製品であるため経済的である。また、浮上防止環状体14は、金属製プレート12によりマンホール1の外周面に固定され、転圧した地盤9の上に載せるだけの単純な構造であるため特殊な施工作業が必要でなく、施工性が良い。
本発明の活用例として、地震時などに発生する液状化現象によりマンホールの浮き上がりを防止するマンホールの浮上防止構造に適用できる。

A,B …投影面積
C…面積
m …図心
w1〜w4 …幅
FA,FB,FC,FD,FR…ベクトル
h1,h2…高さ
φa…内側テーパ面の外径直径
φb…外側テーパ面の内径直径
φo…浮上防止環状体の外径直径
φi…浮上防止環状体の内径直径
θA…外側テーパ面の水平面に対する傾斜角度
θB…内側テーパ面14cの水平面に対する傾斜角度
1 …マンホール
2 …底版
3,4 …直壁管
5 …斜壁管
6,7 …高さ調整リング
8 …マンホール蓋受けリング
9 …地盤
10 …排水管
11 …アンカーボルト
12 …金属製プレート
12a …起立片
12b …水平片
12a1,12b1…貫通穴
12c …傾斜片
13 …インサートナット
14 …浮上防止環状体
14a …突出部
14b …外側テーパ面
14c …内側テーパ面
14d …底面
14e …外側面
14f …天面(第1の水平上面)
14g …平坦面
14h …内側面
14i …連結ボルト挿入孔
14j …平坦面
14k …切欠溝
14l …第2の水平上面
15 …ウエイトリング
15a …連結ボルト挿入孔
15b …切欠溝
16 …連結ボルト
17 …連結金具

Claims (1)

  1. 筒状管からなるマンホールの外周部に配置され、所定の重量を有する浮上防止環状体と、
    前記マンホールと前記浮上防止環状体とを結合する金属製プレートと、
    を有し、
    前記浮上防止環状体は、
    上に凸の突出部の両側に外側テーパ面と内側テーパ面とを有し、
    前記マンホールに作用する浮揚力が、前記金属製プレートを介して前記浮上防止環状体に作用した際に、前記外側テーパ面と前記内側テーパ面とに作用する土圧により該浮上防止環状体を押圧し、その押圧力と前記浮上防止環状体の重量が協働して作用することで前記金属製プレートを介して固定された前記マンホールの浮上を防止することを特徴とするマンホールの浮上防止構造。
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