JP5443088B2 - ダイポールアンテナ装置 - Google Patents

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本発明は、放送波受信用のダイポールアンテナ装置に係り、特に、例えばVHF放送帯域とUHF地上デジタル放送帯域といった、異なる2つの帯域における電波を送受信することができるダイポールアンテナ装置に関するものである。
高周波電流を電磁波に変換したり、電磁波を高周波電流に変換したりするための装置として、古くからアンテナが用いられている。アンテナは、その形状から線状アンテナ、面状アンテナ、立体アンテナ等に分類されており、更に、線状アンテナは、その構造からダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、ループアンテナ等に分類されている。ダイポールアンテナは、例えば非特許文献1に開示されているように、極めて簡単な構造を有する線状アンテナであり、基地局アンテナ等として現在でも広く利用されている。
ところで、2003年12月1日から、関東・近畿・中京の3大広域圏で地上波のUHF帯(470MHz〜890MHz)を使用する地上デジタル放送のサービスが開始された。2011年7月よりアナログ放送が停止されることに伴い地上デジタル放送では、デジタル・ハイビジョンの高画質・高音質番組に加えて、双方向番組を提供することが可能となる。地上デジタルテレビ放送は、UHFアンテナで受信でき、また、走行している電車やバスなどに設置したテレビでもチラツキがなくきれいに受信・視聴することが可能になる。また、携帯情報端末などで、動画やデータ放送、音声放送を受信・視聴するサービスも予定されている。
ここで、携帯機器向けの受信アンテナとしては、一般に棒状のモノポールアンテナが使用される。モノポールアンテナは、ダイポールアンテナに比べ半分の長さ(すなわちλ/4)で済み、比較的小型に構成することができる。モノポールアンテナは、原理的には無限に広い導体板を必要とするが、携帯機器では非常に狭い導体板で代用され、「ロッドアンテナ」または「ホイップアンテナ」とも呼ばれる。導体の上面の放射電界はダイポールアンテナの指向性に等しい。
小型携帯用のテレビ受信機やラジオ受信機などでは、伸縮可能な構造を持つロッドアンテナが広く知られており、伸ばすと性能が発揮でき、縮めるとコンパクトになり便利である。
例えば、平面アンテナの給電ピンを伸縮自在のロッドアンテナで構成し、ロッドアンテナの引き出し導体と平面アンテナのパッチ状の導体との電気的な接続・分離により、円偏波アンテナと直線偏波アンテナとしての動作を可能にするアンテナ装置について提案がなされている。
また、ロッドアンテナの他の構成例として、ロッドにアンテナ線を螺旋状に巻設した「ヘリカルアンテナ」が知られている。波長に比べて長い導線を使ったアンテナは広帯域を持つが、ヘリカルアンテナは巻線構造により広帯域性を保ったまま小型化することができる。また、芯となるロッドに弾力性のある柔らかい素材を使用すると、折れにくく柔軟性(安全性)のあるフレキシブルアンテナとなる。
このような携帯機器用アンテナ装置は、地上波デジタル放送の視聴においてワンセグのみに対応させたタイプが主流であり、13セグメントをカバーするアンテナ装置は実現されていない。このため、同調回路を設け、全体(13セグメント)を電圧調整にて周波数を同調する必要があり、アンテナ装置に同調回路が必要であった。
地上デジタル放送は、6メガヘルツの帯域を13のセグメントに分けて送る放送方式であるが、13の真中のセグメント1つだけで携帯電話・移動体端末向けの映像、音声、データを配信する1セグメント部分受信サービス、すなわち「ワンセグ」が2006年4月1日(土)から開始されている。ワンセグの番組サービスは基本的に12セグメントを使って配信される通常のテレビ受信機向けの番組と同じ内容であり、普段は家庭内の設置テレビで見慣れた人気番組を外出先でも享受することができる。受信端末としては、携帯電話の他、カーナビ、パソコン、専用ポータブルテレビなど多種多様な受信機に搭載することができ、ワンセグタイプに比べ最も高画質の映像を受信することが可能である。
J.D.クラウス他著(J.D. Kraus and R.J. Marhefka)、「アンテナとその応用(Antennas For All Applications)」、第3版、(米国)、マグロウヒル(McGraw Hill)、2002年、p178−181
本発明者らは、地上デジタル放送の携帯機器やパーソナルコンピュータでの利用を普及させる上で、受信アンテナの構成方法が1つの重要な技術的課題になると思料する。
第一に、放送受信機能の未使用時におけるアンテナの収容スペースの問題がある。強電界の場所では内蔵アンテナでも十分に放送波を受信することができるが、弱電界では外付けアンテナが必要である。伸縮可能なロッドアンテナは縮めるとコンパクトにはなるが、携帯機器本体に収納するのは困難であった。
第二に、運搬時や外出先での使用時には、アンテナや機器本体はさまざまな衝撃に晒されているため、安全性を確保する必要がある。
伸縮可能なロッドアンテナは柔軟性に欠けるため、衝撃の印加により根元から折れる、あるいはユーザや物に刺さるといった危険がある。また、構造が複雑で、製造コストが割高である。
また、ヘリカルアンテナは、芯となるロッドに弾力性のある柔らかい素材を使用すると、折れにくく柔軟性(安全性)を持たせることができる。しかしながら、ヘリカルアンテナは、どの部分でも自由に屈曲可能であるが、利得低下や放射効率の悪化などの欠点があり、特に、振動による屈曲が生じた場合はアンテナ導線のコイル巻き間隔が不均一となり、インピーダンス変化を伴う。
すなわち、従来では、VHF放送帯域とUHF地上デジタル放送帯域といった、異なる2つの帯域における電波を、携帯機器やパーソナルコンピュータ等で送受信しようとした場合、携帯機器等に特有のコンパクト性や耐久性の問題を招くこと無く、いずれの電波に関する放射指向性も高いアンテナは実現されていなかった。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、携帯機器や、パーソナルコンピュータに装備される場合において、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する高い放射指向性を有するダイポールアンテナ装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るダイポールアンテナ装置は、給電部に接続された2つの線状の放射素子を有し、これらのうち一方が低周波帯域側放射素子となり、他方が高周波帯域側放射素子となるダイポールアンテナ装置において、前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれ少なくとも1回の折り返しパターンからなるメアンダ形状を有しており、それぞれのメアンダ形状の折り返し方向が互いに直交するように配置されることを特徴とする。
上記のダイポールアンテナ装置では、低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子のそれぞれのメアンダ形状の折り返し方向が互いに直交するように配置されているので、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性を向上させることができる。
前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれ前記メアンダ形状を有する先端部と、それぞれ給電部を取り囲みつつ互いに反対向きに引き出されて前記先端部に繋がる根本部と、を有することが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子が、それぞれ根本部が給電部を取り囲みつつ互いに反対向きに引き出されてメアンダ形状を有する先端部に繋がることにより、さらに放射指向性の向上を図ることができる。
前記低周波帯域側放射素子が有するメアンダ形状は、前記根本部の引き出し方向と垂直である折り返し方向を持ち、前記高周波帯域側放射素子が有するメアンダ形状は、前記根本部の引き出し方向と平行である折り返し方向を持つことが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子のメアンダ形状の折り返し方向を根本部の引き出し方向に垂直とし、高周波帯域側放射素子のメアンダ形状の折り返し方向を根本部の引き出し方向と平行とすることにより、低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子を、装置全体が占める面積を低減するように、最も効率よく配置することができる。
前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子の少なくとも一方は、それぞれのメアンダ形状上に配置され、それぞれのメアンダ形状内において短絡箇所を発生させるための1つまたは複数の短絡部材を有することが好ましい。
この場合、それぞれのメアンダ形状内において短絡箇所を発生させるための1つまたは複数の短絡部材を配置する際に、低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子のそれぞれの共振点が増加し、且つ、給電部における低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子のVSWR特性が安定するように、短絡部材を配置する位置及び箇所を決定することができる。
このため、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性をより一層向上させることができる。
前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子の少なくとも一方において、前記給電部に接続される給電線の下方に位置する線幅が、他の位置よりも広いことが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子の少なくとも一方において、給電線の下方に位置する線幅が、他の位置よりも広いので、給電部における低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子のVSWR特性が安定するインダクタンス整合を実現することができる。
このため、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性をより一層向上させることができる。
前記給電部に接続される給電線は、同軸ケーブルで構成されており、前記低周波帯域側放射素子は、その根本部が前記同軸ケーブルの外部導体に接続されており、前記高周波帯域側放射素子は、その根本部が前記同軸ケーブルの内部導体に接続されていることが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子の根本部が同軸ケーブルの外部導体に接続され、高周波帯域側放射素子の根本部が同軸ケーブルの内部導体に接続されているので、給電部における低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子のVSWR特性が安定するインダクタンス整合を実現することができる。
このため、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性をより一層向上させることができる。
前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれが前記給電部に接続される給電線と重畳する箇所の合算値が3カ所以下であることが好ましい。
この場合、給電部における低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子のVSWR特性が安定するインダクタンス整合を実現することができるので、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性をより一層向上させることができる。
特に、4カ所以上で重畳した場合、インダクタンス整合が難しくなり、放射指向性において特性悪化を招くことになり、VSWR特性を十分良好な値に設定することが困難となる。
前記低周波帯域側放射素子の実効長は、前記低周波帯域側における電波の波長の2分の1であり、前記高周波帯域側放射素子の実効長は、前記高周波帯域側における電波の波長の2分の1であることが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子の実効長が低周波帯域側における電波の波長の2分の1となるように設定し、高周波帯域側放射素子の実効長が高周波帯域側における電波の波長の2分の1となるように設定することにより、低周波帯域側における電波及び高周波帯域側における電波のいずれも効率よく送受信することができる。
前記低周波帯域側放射素子は、2mm以上の線幅を持ち、前記高周波帯域側放射素子は、1.5mm以上の線幅を持つことが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子の実効長及び、高周波帯域側放射素子の実効長を効率よく延ばすことができるので、低周波帯域側における電波及び高周波帯域側における電波のいずれも効率よく送受信することができる。
特に、高周波帯域側素子の線幅が1.5mm未満、低周波帯域側素子の線幅が2mm未満とした場合、それらの折り曲げの効果が低下してしまう。このため、それぞれの実効長をより延ばす必要が生じ、その結果、装置全体が占める占有面積を増大させてしまうことになる。
前記低周波帯域側放射素子と前記高周波帯域側放射素子との間隔は、0.5mm以上であることが好ましい。
この場合、低周波帯域側放射素子と高周波帯域側放射素子との間隔を0.5mm以上とすることにより、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であってもそれぞれの電波に関する放射指向性の利得が向上するインダクタンス整合を実現することができる。
本発明のダイポールアンテナ装置は、以上のように、前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれ少なくとも1回の折り返しパターンからなるメアンダ形状を有しており、それぞれのメアンダ形状の折り返し方向が互いに直交するように配置されるものである。
それゆえ、携帯機器や、パーソナルコンピュータに装備される場合において、低周波帯域側の電波及び高周波帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係るダイポールアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。 (a)は、図1の巻込部の拡大図、(b)は、図1の巻込部の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るダイポールアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態3に係るダイポールアンテナ装置の巻込部の拡大図である。 本発明の実施の形態4に係るダイポールアンテナ装置の巻込部の拡大図である。 本発明に係るダイポールアンテナ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。 本発明に係るダイポールアンテナ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。 本発明に係るダイポールアンテナ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。 本発明に係るダイポールアンテナ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。 本発明に係るダイポールアンテナ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。 本発明に係るダイポールアンテナ装置の変形例の概略構成を示す平面図である。 アンテナの放射指向性を測定するための手順を説明するための図である。 アンテナの放射指向性を測定するための手順を説明するための図である。 アンテナの放射指向性を測定するための手順を説明するための図である。 アンテナの放射指向性を測定するための手順を説明するための図である。 図6のダイポールアンテナ装置のVSWR特性を示すグラフである。 図6のダイポールアンテナ装置の放射パターンを示すグラフである。
以下図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るダイポールアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。図1に示すように、ダイポールアンテナ装置101は、線状のVHF帯域放射素子(低周波帯域側放射素子)115と、線状のUHF帯域放射素子(高周波帯域側放射素子)116と、を備えることによって構成されている。そして、VHF帯域放射素子115は、その先端部がVHF帯域メアンダ部111を構成しており、その根本部が巻込部113を構成している。また、UHF帯域放射素子116は、その先端部がUHF帯域メアンダ部112を構成しており、その根本部が巻込部113を構成している。つまり、巻込部113は、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116の各根本部によって構成されている。
なお、以下に説明する他の図面においては、上述した各構成部材に対応する変形例を図示することがある。これら変形例については、上述した対応する構成部材に付記した符号(数字)にa,b,c・・・のアルファベットを付記することにより、対応関係を明らかにしつつ変形例であることを示すこととする。
VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116のそれぞれの根本部は、巻込部113において、給電部114に接続されている。それぞれの根本部は、給電部114に接続された給電線(図示省略)から給電されている。
巻込部113においては、VHF帯域放射素子115の根本部の取り出しの向きが、図1における左向きであり(なお、VHF帯域放射素子115の根本部は、一旦、図1における左向きに取り出され、その後さらに下向きに折り曲げられている。)、UHF帯域放射素子116の根本部の取り出しの向きが、図1における右向きである。すなわち、これら2つの取り出しの向きは互いに反対向きとなっている。
VHF帯域放射素子115の先端部は、VHF帯域メアンダ部111において、少なくとも1回の折り返しパターンからなるメアンダ形状を有している。そして、このメアンダ形状の折り返しパターンの折り返し方向は、巻込部113におけるVHF帯域放射素子115の根本部の取り出しの向きと垂直である。
UHF帯域放射素子116の先端部は、UHF帯域メアンダ部112において、少なくとも1回の折り返しパターンからなるメアンダ形状を有している。そして、このメアンダ形状の折り返しパターンの折り返し方向は、巻込部113におけるUHF帯域放射素子116の根本部の取り出しの向きと平行である。
すなわち、ダイポールアンテナ装置101では、VHF帯域メアンダ部111においてVHF帯域放射素子115の先端部が有するメアンダ形状の折り返し方向と、UHF帯域メアンダ部112においてUHF帯域放射素子116の先端部が有するメアンダ形状の折り返し方向とは直交するように配置構成されている。
ダイポールアンテナ装置101は、この配置構成により、VHF帯域放射素子115がVHF帯域側の電波を送受信する場合、及び、UHF帯域放射素子116がUHF帯域側の電波を送受信する場合のいずれにおいても、それぞれの電波に関する放射指向性を向上させることができる。
なお、ダイポールアンテナ装置101では、UHF帯域側の電波を送受信する場合には、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116の両方が共振し、VHF帯域側の電波を送受信する場合には、VHF帯域放射素子115のみが共振する。
次に、図2(a)及び図2(b)に基づいて、巻込部113について説明する。なお、図2(a)では、図1の巻込部113を左右逆転して図示しているが、このことによる機能的な差異はない。
巻込部113は、VHF帯域放射素子115の根本部とUHF帯域放射素子116の根本部とによって構成されている。なお、本明細書では、概念的に、電流経路において給電部114に近い側を「根本」、その反対側を「先端」と捉えている。
VHF帯域放射素子115の根本部は、一方の端部から第1の向き(図2(a)において左向き)に伸びる第1の直線部と、屈曲部を介して第1の直線部に連結され、屈曲部から第1の向きとは逆向き(図2(a)において右向き)に伸びる第2の直線部とを有している。すなわち、VHF帯域放射素子115の根本部は、屈曲部を介して互いに隣接する第1の直線部と第2の直線部とが平行になるようにコの字状に折れ曲がるように形成されている。
また、UHF帯域放射素子116の根本部は、一方の端部から第1の向きとは逆向き(図2(a)において右向き)に伸びる第1の直線部と、屈曲部を介して第1の直線部に連結され、屈曲部から第1の向き(図2(a)において左向き)に伸びる第2の直線部とを有している。すなわち、UHF帯域放射素子116の根本部は、屈曲部を介して互いに隣接する第1の直線部と第2の直線部とが平行になるようにコの字状に折れ曲がるように形成されている。
そして、VHF帯域放射素子115のコの字状の部分と、UHF帯域放射素子116のコの字状の部分とは、互いに一方の第1の直線部が他方の第1の直線部、屈曲部、及び第2の直線部によって三方を囲まれた領域に入り込むように配置されている。このような配置は、VHF帯域放射素子115とUHF帯域放射素子116とが、それぞれの根本部において互いに巻き込みあっているともいえることから、この部分を巻込部113と称している。
VHF帯域放射素子115に対する給電は、VHF帯域放射素子115の端点からではなく、第1の直線部の中間に設けられた給電部114から行われる。UHF帯域放射素子116に対する給電も、同様に、第1の直線部の中間に設けられた給電部114から行われる。給電部114において、VHF帯域放射素子115はその幅方向が部分的に窪んでなる凹部を有し、UHF帯域放射素子116はその幅方向に突出する凸部を有している。そして、凸部が凹部に入り込むように配置されている。このようにすることによって、例えば給電線(同軸ケーブル)を第1の直線部の延伸方向(図2(a)における左右方向)に配置したときに、給電部114への接続が容易になる。
このように、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116それぞれの根本部は、給電部114を取り囲みつつ互いに反対向きに引き出され、図1に示したVHF帯域メアンダ部111及びUHF帯域メアンダ部112にそれぞれ繋がっている。
このような配置にすることによって、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116それぞれの根本部を比較的狭い矩形領域に収容することができる。したがって、上記配置は、給電部114の周辺部をコンパクトに形成することに寄与している。
図2(b)は、巻込部113の変形例である巻込部113iを示している。
巻込部113iも、VHF帯域放射素子115iの根本部とUHF帯域放射素子116iの根本部とによって構成されている。
VHF帯域放射素子115iの根本部は、一方の端部から第1の向き(図2(b)において左向き)に伸びる第1の直線部と、第1の屈曲部を介して第1の直線部に連結され、第1の屈曲部から第1の向きとは逆向き(図2(b)において右向き)に伸びる第2の直線部と、第2の屈曲部を介して第2の直線部に連結され、第2の屈曲部から第1の向き(図2(b)において右向き)に伸びる第3の直線部とを有している。すなわち、VHF帯域放射素子115iの根本部は、第1及び第2の屈曲部を介して順次繋がる第1から第3の直線部が互いに平行になるように、矩形の渦巻き状に形成されている。
UHF帯域放射素子116iの根本部は、一方の端部から第1の向きとは逆向き(図2(b)において右向き)に伸びる第1の直線部と、第1の屈曲部を介して第1の直線部に連結され、第1の屈曲部から第1の向き(図2(b)において左向き)に伸びる第2の直線部と、第2の屈曲部を介して第2の直線部に連結され、第2の屈曲部から第1の向きとは逆向き(図2(b)において右向き)に伸びる第3の直線部とを有している。すなわち、UHF帯域放射素子116iの根本部は、第1及び第2の屈曲部を介して順次繋がる第1から第3の直線部が互いに平行になるように、矩形の渦巻き状に形成されている。
そして、それぞれの矩形の渦巻きは、互いに巻き込みあうように配置されている。
このような配置にすることによって、VHF帯域放射素子115i及びUHF帯域放射素子116iそれぞれの根本部を、図2(a)の場合よりも長くとりつつ、比較的狭い矩形領域に収容することができる。したがって、上記配置は、給電部114iの周辺部をコンパクトに形成することに寄与している。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態は、上記の実施の形態1に係るダイポールアンテナ装置101において、VHF帯域メアンダ部111においてVHF帯域放射素子115の先端部が有するメアンダ形状、及び、UHF帯域メアンダ部112においてUHF帯域放射素子116の先端部が有するメアンダ形状の少なくとも一方に、それぞれのメアンダ形状内において短絡箇所を発生させるための1つまたは複数の短絡部材を配置した実施の形態である。
図3は、本発明の実施の形態2に係るダイポールアンテナ装置の概略構成を示す平面図である。図3に示すダイポールアンテナ装置101では、VHF帯域メアンダ部111においてVHF帯域放射素子115の先端部が有するメアンダ形状内に短絡部材132、133が配置されている。
このような短絡部材132、133を配置する位置及び箇所の決定は、次のように行なわれる。すなわち、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116のそれぞれの共振点が増加し、且つ、給電部114におけるVHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116のVSWR特性が安定するように、短絡部材を配置する位置及び箇所を決定する。
そうすることにより、VHF帯域放射素子115がVHF帯域側の電波を送受信する場合、及び、UHF帯域放射素子116がUHF帯域側の電波を送受信する場合のいずれにおいても、それぞれの電波に関する放射指向性を向上させることができる。
なお、図3の例では、短絡部材132、133は、VHF帯域メアンダ部111においてVHF帯域放射素子115の先端部が有するメアンダ形状内のみに配置されているが、もちろん、UHF帯域メアンダ部112においてUHF帯域放射素子116の先端部が有するメアンダ形状内のみに配置されても構わないし、両方のメアンダ形状内に配置されることになってもよい。
要は、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116のそれぞれの共振点が増加し、且つ、給電部114におけるVHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116のVSWR特性が安定するように、短絡部材の位置及び箇所を決定すればよい。
本実施の形態に係るダイポールアンテナ装置101では、このような短絡部材132、133の配置により、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116の実効長は、当然のことながら変化することになる。
したがって、このような短絡部材132、133の配置により、VHF帯域放射素子の実効長をVHF帯域側における電波の波長の2分の1とし、UHF帯域放射素子の実効長をUHF帯域側における電波の波長の2分の1とすることにより、VHF帯域側における電波及びUHF帯域側における電波のいずれも効率よく送受信することが可能となる。
なお、短絡部材132、133は、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116を短絡させるものであり、例えば、金属材料などの導電材料を用いることができる。このような短絡部材132、133は、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116に直接接触し、VHF帯域放射素子115及びUHF帯域放射素子116を短絡させる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態は、上記の実施の形態1及び2において、給電部114に接続された給電線として同軸ケーブルを用いる実施の形態である。図4は、本発明の実施の形態3に係るダイポールアンテナ装置の巻込部の拡大図である。
図4に示す巻込部113aでは、給電線として同軸ケーブル121を用いている。そして、給電部114aにおいて、同軸ケーブル121の外部導体122がVHF帯域放射素子115aに給電し、同軸ケーブル121の内部導体123がUHF帯域放射素子116aに給電している。なお、同軸ケーブル121は、図4において左向きに延在している。
図4に示すように、同軸ケーブル121の下方に位置するUHF帯域放射素子116aの線幅は、同軸ケーブル121の下方に位置しない、他の位置の線幅よりも広くなっている。その結果、同軸ケーブル121の下方に位置するUHF帯域放射素子116aの線幅は、同軸ケーブル121の幅よりも広くなっている。
このため、給電部114aにおいて、UHF帯域放射素子116aのVSWR特性が安定するインダクタンス整合を実現することができる。
なお、図4の場合とは異なり、同軸ケーブル121の下方に位置するのがUHF帯域放射素子116aではなくVHF帯域放射素子115aである場合には、同軸ケーブル121の下方に位置するVHF帯域放射素子115aの線幅を、同軸ケーブル121の下方に位置しない他の位置の線幅よりも広くすればよい。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態は、上記の実施の形態1〜3の給電線と、VHF帯域放射素子及びUHF帯域放射素子とが重畳する箇所を3カ所以下とする実施の形態である。図5は、本発明の実施の形態4に係るダイポールアンテナ装置の巻込部の拡大図である。なお、本実施の形態においても、上記の実施の形態3と同様、給電線として同軸ケーブル121を用いている。
図5に示す巻込部113bでは、給電線である同軸ケーブル121と、VHF帯域放射素子115b及びUHF帯域放射素子116bとが重畳するのは、図5のVHF帯域放射素子115bのA部、UHF帯域放射素子116bのB部及びVHF帯域放射素子115bのC部においてである。すなわち、給電線である同軸ケーブル121と、VHF帯域放射素子115b及びUHF帯域放射素子116bとが重畳する箇所は、3カ所である。
このため、給電部におけるVHF帯域放射素子115b及びUHF帯域放射素子116bのVSWR特性が安定するインダクタンス整合を実現することができるので、VHF帯域側の電波及びUHF帯域側の電波のいずれを送受信する場合であっても、それぞれの電波に関する放射指向性を向上させることができる。
特に、4カ所以上で重畳をした場合、インダクタンス整合が難しくなり、放射指向性において特性悪化を招くことになり、VSWR特性を十分良好な値に設定することが困難となる。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態は、上記の実施の形態1〜4のVHF帯域放射素子の線幅を2mm以上とし、UHF帯域放射素子の線幅を1.5mm以上とする実施の形態である。
この場合、例えば図1に示したように、VHF帯域メアンダ部111においてVHF帯域放射素子115の先端部が有するメアンダ形状、及び、UHF帯域メアンダ部112においてUHF帯域放射素子116の先端部が有するメアンダ形状を効率よく折り曲げることが可能となる。
このため、VHF帯域メアンダ部111及びUHF帯域メアンダ部112が占める面積の増大を抑えつつ、それぞれのメアンダ形状の長さを延ばすことができる。
したがって、VHF帯域放射素子115の実効長、及び、UHF帯域放射素子116の実効長を効率よく延ばすことができるので、VHF帯域側における電波及びUHF帯域側における電波のいずれも効率よく送受信することができる。
特に、UHF帯域放射素子116の線幅が1.5mm未満、VHF帯域放射素子115の線幅が2mm未満とした場合、それぞれのメアンダ形状における折り曲げの効果が低下してしまう。このため、それぞれの実効長をより延ばす必要が生じ、その結果、装置全体が占める占有面積を増大させてしまうことになる。
本実施の形態ではさらに、VHF帯域放射素子とUHF帯域放射素子との間隔は、0.5mm以上であることが好ましい。
VHF帯域放射素子とUHF帯域放射素子との間隔を0.5mm以上とすることにより、VHF帯域側の電波及びUHF帯域側の電波のいずれを送受信する場合であってもそれぞれの電波に関する放射指向性の利得が向上するインダクタンス整合を実現することができるからである。
(変形例)
図6〜図11に、上記の実施の形態1〜5に係るダイポールアンテナ装置の各種の変形例の概略構成を示す。
図6に示すダイポールアンテナ装置101cでは、巻込部113cに短絡部材131cが配置され、VHF帯域メアンダ部111cに短絡部材132c、133cが配置され、UHF帯域メアンダ部112cに短絡部材134cが配置されている。
図7に示すダイポールアンテナ装置101dでは、巻込部113dに短絡部材131dが配置され、VHF帯域メアンダ部111dに短絡部材132d、133dが配置され、UHF帯域メアンダ部112dに短絡部材134d、135dが配置されている。
図8に示すダイポールアンテナ装置101eでは、巻込部113eに短絡部材131eが配置され、VHF帯域メアンダ部111eに短絡部材133eが配置され、UHF帯域メアンダ部112eに短絡部材134e、135eが配置されている。
さらに、図9〜図11に示すダイポールアンテナ装置101f〜101hのような構成を採用してもよい。なお、開発段階において短絡部材の配置位置が決まってしまえば、製造段階においては、図9〜図11に図示するように、VHF帯域放射素子やUHF帯域放射素子のパターンとして最初から短絡部材を織り込んだパターンを採用してもよい。
(放射指向性及びVSWR特性)
次に、本発明に係るダイポールアンテナ装置の放射指向性及びVSWR特性について説明する。
以下に、放射指向性及びVSWR特性の測定手順の概要を示す。
(1)ケーブル付きアンテナのVSWRを測定する。
(2)ケーブル付きアンテナの放射パワーを測定する。
(3)ケーブル付きアンテナの放射特性を計算する。
(4)必要に応じて、ケーブル抜きアンテナのVSWRを測定する。
(5)ケーブルの損失を測定する。
(6)ケーブル抜きアンテナの放射特性を計算する。
なお、この測定手順において利用される計算式及び、それら計算式中における変数は次の通りである。
Figure 0005443088
Figure 0005443088
以下では、図6に示したダイポールアンテナ装置101cを例として、本発明に係るダイポールアンテナ装置の放射指向性及びVSWR特性について説明する。
図6に示したダイポールアンテナ装置101cでは、図示したように、xy面、yz面及びzx面が設定されている。
そして、図12及び図13に示すように、例えば、xy面を測定する場合には、上記の測定手順で示した(2)のアンテナの放射パワーを測定する際に、ターンテーブルに載置された測定用の受信アンテナの向きが、xy面内で順次、x軸正の向き、y軸正の向き、x軸負の向き、y軸正の向き、x軸正の向きとなるように、ターンテーブルの回転角度αを0°→360°と変化させてやればよい。
この変化の過程において、アンテナの放射パワーを表わす垂直偏波V及び水平偏波Hを測定し、それらの測定結果に基づき、各受信アンテナの向きにおける放射特性を計算する。
図12、図13及び図14に示すように、上記と同様に、yz面及びzx面の放射特性を計算する。
図16は、図6に示したダイポールアンテナ装置101cのVSWR特性を示すグラフである。また、図17(a)〜(c)は、図6に示したダイポールアンテナ装置101cの200MHz帯域における放射パターンを示すグラフである。なお、図17(a)は、xy面における放射パターンであり、図17(b)は、yz面における放射パターンであり、図17(c)は、zx面における放射パターンである。
図16によれば、地上波デジタルテレビ帯域のうち、500MHz以下の帯域においてVSWRを3.0以下に抑えられることが分かる。
また、図17図17(a)〜(c)によれば、xy面、yz面及びzx面のいずれの面においても、無指向性が実現されていることが分かる。
なお、本発明は、以下のようにも表現することができる。すなわち、本発明に係るダイポールアンテナ装置は、給電部よりそれぞれの放射素子を互いに巻き込み構造にし、180度以上を平行になるよう配置する。
また、放射素子幅をそれぞれの帯域に対し、(UHF帯域よりVHF帯域を広く取る)異なるサイズになるように配置する。(UHF帯域放射素子の幅は1.5mm以上有り、VHF帯域放射素子の幅は2mm以上ある)。
UHF帯域放射素子の導体幅は1.5mmでも良いが、VHF帯域放射素子の導体幅は2mm以上ないと、折り曲げの効果は無く、実行長はより長くなり面積は増加する。従って、VHF帯域及びUHF帯域の放射素子導体幅は2mm程度が好ましく、L型にレイアウトした場合、デッドスペースが発生することなく4角形に収めることができる。
また、放射素子間隔をそれぞれの帯域に対し、2mm以上とし、最低間隔を0.5mm以上にする。
給電点近傍のUHF帯域放射素子とVHF帯域放射素子の間隔を0.5mmとし、UHF帯域放射素子の折り曲げ部分及びVHF帯域放射素子の折り曲げ部分の間隔をそれぞれ最低間隔が1.5mm、2mmとなる。理由はVSWR特性が良好な値を示しても放射指向性の利得を十分得ることができない。
アンテナサイズを実装上最もコンパクト化でき且つ、放射指向性をどの方向に対しても良好に送受信できるよう全体形状をL型になるよう配置する。
どちらかの放射素子に幅広部分を設け且つ、幅広部分上に給電ケーブルを配置する。
放射素子の構造を給電部に対し帯域の高い方をケーブルの芯線にし、低い帯域側をグランド側にする。
給電用ケーブル線はUHF側(ダイポール型アンテナの高周波側)にケーブル線よりも幅広の導体を設けインダクタンス整合を行う。ケーブル線と給電点間にインダクタンス整合を行わないとVSWR特性を十分良好な値に設定できない。又、広帯域中のある部分においてVSWR特性が高くなり放射指向性が低下するのでこの対策は必要不可欠なインダクタンス整合パターンである。
給電ケーブルに対し交差する放射素子の交点を3以下になるように配置する。
給電ケーブル線路と交差する放射素子導体は、給電ケーブル線と放射素子が交差する回数はインダクタンス整合部を含めて3点以内でなければならない。4回以上交差をした場合インダクタンス整合が難しくなり放射指向性において特性悪化を招く事になる。VSWR特性を十分良好な値に設定することが難しい。このダイポールアンテナを設計する上で基本的な項目になる。
放射素子配置を給電線に対し高周波帯域(UHF)に相当する放射素子を給電ケーブルと反対方向の直線状に配置し、低周波側(VHF)を給電ケーブルと並行になるように配置する。
それぞれの放射素子長さを給電部又は平行線端より低周波側を4分の1波長、高周波側を4分の1波長になるように配置する。
上記アンテナ放射素子がそれぞれに多数の折り返し部位を有するパターン構造になるように配置し、放射素子の給電部から先端までの間に複数のショートバーを有する。
本発明の基本的なレイアウト方法であり、L型又は逆L型にすることで表面積を縮小することが可能である。基本レイアウトは給電ケーブル線を配しその直線上に高周波帯域の放射素子を配置する。給電線及び給電点インダクタンス整合パターン、高周波部放射素子の下方又は上方向に低周波側の放射素子をレイアウトしなければならない。この方法以外でレイアウトしても十分な放射指向性は得られない。
本発明は、平面構造で薄型、低表面積及び低体積性に優れ且つ、VHF帯域及び地上波デジタル放送のUHF帯域をフルカバーできる機能を持つアンテナ装置である。
地上デジタル放送による携帯機器向けのサービス開始に伴い、携帯機器用の受信アンテナの構成方法が1つの重要な技術的課題になる。まず、放送受信機能の未使用時におけるアンテナの収容スペースの問題がある。また、運搬時や外出先での使用時には、アンテナや機器本体はさまざまな衝撃に晒されているため、安全性を確保する必要がある。
本発明を適用して構成されるダイポールアンテナは、平面構造で且つ、厚さも0.2mm程度で面積も130mm×50mm程度であり、現行の携帯機器に実装する場合、放射素子近傍の金属部を排除する事により可能である。また、表示装置近傍に装着する事が可能な為に、より外部の影響を受けにくい特徴を持つ。
本発明は、ロッドアンテナやUSB端子に装着する事がないので(一切表面に現れない)安全性の向上及び同調回路のコストを節約できる。
本発明は、平面構造体にシールドケーブルを装着しているのでヘリカルアンテナと異なり製造コストの大幅な削減が出来る。
本アンテナの放射指向性は各軸方向へ充分な利得を持つ事が出来るのでアンテナ本体を内蔵していても角度調整や方向等の調整を行わなくてすむ。平面構造式で、且つ、薄型、広帯域で同調回路が不要であり、携帯機器等に内蔵されているので受信時の取り扱いにおいて角度調整や伸縮調整等が一切不必要になり、且つ、安価で提供が可能である。
本発明の目的は、地上デジタル及びVHF帯域放送を携帯機器で受信するための優れたアンテナ装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、表示装置付き携帯機器やパーソナルコンピュータに装備され、未使用時の収容スペースの問題を解決することができる、優れたアンテナ装置を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、携帯機器やパーソナルコンピュータに装備され、耐衝撃性や安全性に優れたアンテナ装置を提供することにある。
本発明は、放送波受信用のアンテナ装置に適用できる。具体的には、例えば、VHF放送帯域とUHF地上デジタル放送帯域の両帯域で送受信可能な、表示機能付き携帯機器やパーソナルコンピュータ等に装備されるアンテナ装置に利用することができる。
さらに詳しくは、本発明は、上記のような表示機能付き携帯機器等に装備され、未使用時の収容スペースの問題を解決するアンテナ装置に適用できる。特に、携帯機能付き機器に装備され、耐衝撃性や安全性に優れたアンテナ装置に利用することができる。
101 ダイポールアンテナ装置
111 VHF帯域メアンダ部(低周波帯域側放射素子の先端部)
112 UHF帯域メアンダ部(高周波帯域側放射素子の先端部)
113 巻込部(低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子の根本部)
114 給電部
115 VHF帯域放射素子(低周波帯域側放射素子)
116 UHF帯域放射素子(高周波帯域側放射素子)
121 同軸ケーブル
122 外部導体
123 内部導体
132,133 短絡部材

Claims (9)

  1. 給電部に接続された2つの線状の放射素子を有し、これらのうち一方が低周波帯域側放射素子となり、他方が高周波帯域側放射素子となるダイポールアンテナ装置において、
    前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれ少なくとも1回の折り返しパターンからなるメアンダ形状を有しており、それぞれのメアンダ形状の折り返し方向が互いに直交するように配置さ
    前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれ前記メアンダ形状を有する先端部と、それぞれ給電部を取り囲みつつ互いに反対向きに引き出されて前記先端部に繋がる根本部と、を有することを特徴とすダイポールアンテナ装置。
  2. 前記低周波帯域側放射素子が有するメアンダ形状は、前記根本部の引き出し方向と垂直である折り返し方向を持ち、
    前記高周波帯域側放射素子が有するメアンダ形状は、前記根本部の引き出し方向と平行である折り返し方向を持つことを特徴とする請求項に記載のダイポールアンテナ装置。
  3. 前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子の少なくとも一方は、それぞれのメアンダ形状上に配置され、それぞれのメアンダ形状内において短絡箇所を発生させるための1つまたは複数の短絡部材を有することを特徴とする請求項またはに記載のダイポールアンテナ装置。
  4. 前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子の少なくとも一方において、前記給電部に接続される給電線の下方に位置する線幅が、他の位置よりも広いことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のダイポールアンテナ装置。
  5. 前記給電部に接続される給電線は、同軸ケーブルで構成されており、
    前記低周波帯域側放射素子は、その根本部が前記同軸ケーブルの外部導体に接続されており、
    前記高周波帯域側放射素子は、その根本部が前記同軸ケーブルの内部導体に接続されていることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のダイポールアンテナ装置。
  6. 前記低周波帯域側放射素子及び高周波帯域側放射素子は、それぞれが前記給電部に接続される給電線と重畳する箇所が3カ所以下であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のダイポールアンテナ装置。
  7. 前記低周波帯域側放射素子の実効長は、前記低周波帯域側における電波の波長の2分の1であり、
    前記高周波帯域側放射素子の実効長は、前記高周波帯域側における電波の波長の2分の1であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のダイポールアンテナ装置。
  8. 前記低周波帯域側放射素子は、2mm以上の線幅を持ち、
    前記高周波帯域側放射素子は、1.5mm以上の線幅を持つことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のダイポールアンテナ装置。
  9. 前記低周波帯域側放射素子と前記高周波帯域側放射素子との間隔は、0.5mm以上であることを特徴とする請求項に記載のダイポールアンテナ装置。
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