以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図11にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
なお、本実施形態において演出表示装置11には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、本実施形態における演出表示装置11に確定停止表示された全列の飾り図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。一方、演出表示装置11に確定停止表示された全列の飾り図柄が異なる場合、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。なお、「変動表示」とは、図柄を表示する表示装置11,12に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。そして、特別図柄表示装置12における図柄変動ゲームと、演出表示装置11における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
特別図柄表示装置12の左下方には、複数個(本実施形態では、4個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留記憶表示装置13が配設されている。特別図柄保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口15へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態では、4個の特別図柄保留発光部は、保留記憶数に応じて点灯又は消灯する。なお、保留記憶数は、実行が保留されている図柄変動ゲームの数となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、発射装置としての発射ハンドルが装備されている(図示しない)。この発射ハンドルは、パチンコ遊技機において遊技者が操作可能な位置に配置されている。そして、遊技者が発射ハンドルを操作することにより、遊技球が遊技盤10の遊技領域14に発射されるようになっている。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動入賞口15が配設されている。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた特別入賞手段としての大入賞口18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示装置11,12に大当りの図柄組み合わせ及び大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口18(の大入賞口扉17)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技では、大入賞口18の大入賞口扉17の開閉が所定回数行われる。また、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、規定個数(入球上限個数(本実施形態では、8個))の遊技球が入賞する、又は規定時間(ラウンド遊技時間(本実施形態では、25(秒)))が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や各種の演出装置を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW2が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12及び特別図柄保留記憶表示装置13が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で非当選の場合に、図柄変動ゲームにてリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。また、変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンがある。本実施形態では、図3に示すように、はずれ通常演出用の変動パターンとして変動パターンHP1、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンHP2,HP4、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンHP3,HP5が主制御用ROM30bに記憶されている。
また、リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り又ははずれの図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。なお、変動パターンHP1に基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、変動パターンHP2,HP4に基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、変動パターンHP3,HP5に基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。
また、リーチ演出が実行される変動パターンHP2〜HP5では、実行されるリーチ演出が異なる。具体的には、変動パターンHP2,HP3に基づいて行われる図柄変動ゲームではノーマルリーチ演出が実行され、変動パターンHP4,HP5に基づいて行われる図柄変動ゲームではスーパーリーチ演出が実行される。ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出は、リーチ演出の種類を示している。ノーマルリーチ演出とは、演出表示装置11において、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)が変動されて、飾り図柄が導出される演出内容のリーチ演出である。また、スーパーリーチ演出とは、リーチ演出の演出内容が2段階で構成されたものであり、ノーマルリーチ演出が実行されて、全列の飾り図柄が一旦停止表示された後又は中列の飾り図柄の変動表示中、例えば、キャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾り図柄が導出される演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出が1段階目となり、ノーマルリーチ演出から発展する内容となっている。
主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、リーチ判定値は、保留記憶数に応じてその数が異なっている。
次に、図2に示す演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用RAM31cには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づき、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する。保留記憶数が4未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、保留記憶数が4未満である場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では、大当り判定用乱数及び変動パターン振分用乱数の値)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、つまり、図柄変動ゲームの実行中又は大当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、且つ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する。保留記憶数が「0(零)」の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、保留記憶数が1以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かの大当り判定をする。この大当り判定の判定結果が肯定の場合、つまり、大当りの場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の中から大当り演出用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、本実施形態では、主制御用CPU30aは、変動パターンHP3,HP5の何れかの変動パターンを選択する。なお、本実施形態における主制御用CPU30aは、大当りのとき、ノーマルリーチ演出のみを演出内容に含む変動パターンHP3よりも、スーパーリーチ演出を演出内容に含む変動パターンHP5を決定し易くなっている。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値と保留記憶数に応じたリーチ判定値を比較し、当該リーチ判定値と一致するか否かのリーチ判定を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、リーチ演出が行われてはずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の中からはずれリーチ演出用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、本実施形態では、主制御用CPU30aは、変動パターンHP2,HP4のうち何れかの変動パターンを決定する。なお、本実施形態における主制御用CPU30aは、はずれのとき、スーパーリーチ演出を演出内容に含む変動パターンHP4よりも、ノーマルリーチ演出のみを演出内容に含む変動パターンHP2を決定し易くなっている。すなわち、本実施形態では、ノーマルリーチ演出のみが実行される場合よりも、スーパーリーチ演出が実行された方が、大当りへの期待感が高まるようになっている。そして、主制御用CPU30aは、リーチ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われないではずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の中からはずれ通常演出用の変動パターンを選択し、決定する。このとき、本実施形態では、主制御用CPU30aは、変動パターンHP1を決定する。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力するとともに、特別図柄を変動表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(飾り図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。なお、本実施形態では、主制御用CPU30aが、大当り判定手段及び変動パターン決定手段として機能する。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。具体的には、演出制御用CPU31aは、大当り演出用の変動パターンHP3,HP5が指定された場合、[111][222][333][444][555][666][777][888]の中から大当りの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンHP2,HP4が指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323][676]など)の中からはずれの図柄組み合わせを決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ通常演出用の変動パターンHP1が指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[234][566]など)の中からはずれの図柄組み合わせを決定する。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、決定した飾り図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
また、本実施形態では、変動パターンHP2〜HP5(以下、「特別変動パターン」と示す場合がある)に基づいて実行される図柄変動ゲームにおいて、変動パターン毎に予め定められた予告時間中に大当りとなる可能性を示唆する予告演出が実行される。予告演出とは、1回の図柄変動ゲームを通して、複数種類の遊技演出が所定の順番で段階的に行われ、実行された段階数で大当りとなる可能性を示唆する演出である。本実施形態における予告演出は、複数種類(10種類)の背景画像が所定の順番で段階的に演出表示装置11に表示される演出である。また、本実施形態では、背景画像を変更表示させる演出が遊技演出となる。
本実施形態では、10種類の背景画像HG1〜HG10が演出表示装置11に表示可能に構成されており、背景画像HG1→背景画像HG2→…→背景画像HG9→背景画像HG10の順に段階的に表示される。なお、予告演出が実行される図柄変動ゲーム開始時には、最初に背景画像HG1が演出表示装置11に表示される。
そして、本実施形態の予告演出が実行される場合、予告演出が実行される予告時間中に、予告演出の段階数が進行することを示唆する示唆演出が1又は複数回実行されるようになっている。そして、示唆演出が実行される毎に、予告演出の段階数が変化するようになっている。すなわち、示唆演出の実行を契機に、予告演出の段階数が進行するようになっている。本実施形態では、示唆演出が実行されるとき、「飛行機」をモチーフにした表示画像が演出表示装置11に表示されるようになっている。
ここで、予告演出を実行させるための制御について説明する。
演出制御用CPU31aは、特別変動パターンが指定された場合、当該特別変動パターンに予め定められた予告時間(本実施形態では、図柄変動ゲームが開始してからリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの時間)を特定する。各特別変動パターンには、各特別変動パターンの演出内容に含まれるリーチ演出が大当り期待度の高い演出であるほど、長い時間の予告時間が定められている。具体的には、図3に示すように、ノーマルリーチ演出のみが実行される変動パターンHP2,HP3には18秒の予告時間が定められており、スーパーリーチ演出が実行される変動パターンHP4,HP5には36秒の予告時間が定められている。そして、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンを特定することで、図柄変動ゲームの予告時間を特定する。
次に、演出制御用CPU31aは、特定した予告時間中に実行する示唆演出の回数及び演出時間を決定する。
演出制御用CPU31aは、大当りの場合には、予告時間中に演出時間が長く設定された示唆演出を実行する回数を多くするように、予告時間中に実行する示唆演出の回数及び演出時間を決定する。一方で、演出制御用CPU31aは、はずれの場合には、予告時間中に演出時間が長く設定された示唆演出を実行する回数を少なくするように、予告時間中に実行する示唆演出の回数及び演出時間を決定する。
本実施形態では、演出制御用ROM31bに、予告時間中に実行する示唆演出の回数及び演出時間を特定可能な演出パターンが記憶されており、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに基づいて演出パターンを決定することにより予告時間中に実行する示唆演出の回数及び演出時間を決定する。詳しく説明すると、演出パターンとして10種類の演出パターンEP1〜EP10が演出制御用ROM31bに記憶されている。各演出パターンには、乱数(0〜250までの全251個)が振り分けられており、各演出パターンに振り分けられた乱数の個数は、図4に示す演出パターン決定テーブルEPTで変動パターン毎に異なっている。具体的には、演出パターン決定テーブルEPTでは、大当りの場合、予告時間中に演出時間の長い示唆演出が多く実行されることを特定可能な演出パターンに多い個数の乱数が振り分けられている。一方、演出パターン決定テーブルEPTでは、はずれの場合、予告時間中に演出時間の長い示唆演出が多く実行されることを特定可能な演出パターンに少ない個数の乱数が振り分けられている。これにより、大当りの場合には、予告時間中に演出時間の長い示唆演出が多く実行されることを特定可能な演出パターンが決定されやすい一方で、はずれの場合には、予告時間中に演出時間の長い示唆演出が多く実行されることが特定可能な演出パターンが決定され難くなっている。
また、演出パターンEP1〜EP3は、18秒の予告時間中に実行する示唆演出の回数と演出時間が特定可能な演出パターンである。また、演出パターンEP4〜EP10は、36秒の予告時間中に実行する示唆演出の回数と演出時間が特定可能な演出パターンである。演出パターン決定テーブルEPTでは、18秒の予告時間が定められた変動パターンHP2,HP3が指定された場合、演出パターンEP4〜EP10には乱数が振り分けられていない。また、演出パターン決定テーブルEPTでは、36秒の予告時間が定められた変動パターンHP4,HP5が指定された場合、演出パターンEP1〜EP3には乱数が振り分けられていない。
また、演出パターン決定テーブルEPTでは、変動パターンHP3(大当り)が指定された場合、変動パターンHP2(はずれ)が指定された場合と比較して、演出パターンEP1〜EP3の中で演出時間の長い示唆演出が実行される回数が多い演出パターンEP3に多い個数の乱数が振り分けられている。一方で、演出パターン決定テーブルEPTでは、変動パターンHP3が指定された場合、変動パターンHP2が指定された場合と比較して、演出パターンEP1〜EP3の中で演出時間の長い示唆演出が実行される回数が少ない演出パターンEP1に少ない個数の乱数が振り分けられている。なお、本実施形態では、演出パターンEP1→演出パターンEP2→演出パターンEP3の順に、演出時間の長い示唆演出が実行される回数が多くなっている。これにより、演出パターン決定テーブルEPTにおいて、演出パターンEP1〜EP3の中では、演出パターンEP1→演出パターンEP2→演出パターンEP3の順に大当り期待度が高くなるように乱数が振り分けられている。
また、演出パターン決定テーブルEPTでは、変動パターンHP5(大当り)が指定された場合、変動パターンHP4(はずれ)が指定された場合と比較して、演出パターンEP4〜EP10の中で演出時間の長い示唆演出が実行される回数が多い演出パターンEP10に多い個数の乱数が振り分けられている。一方で、演出パターン決定テーブルEPTでは、変動パターンHP5が指定された場合、変動パターンHP4が指定された場合と比較して、演出パターンEP4〜EP10の中で演出時間の長い示唆演出が実行される回数が少ない演出パターンEP4に少ない個数の乱数が振り分けられている。なお、本実施形態では、演出パターンEP4→演出パターンEP5→…→演出パターンEP9→演出パターンEP10の順に、演出時間の長い示唆演出が実行される回数が多くなっている。これにより、演出パターン決定テーブルEPTにおいて、演出パターンEP4〜EP9の中では、演出パターンEP4→演出パターンEP5→…→演出パターンEP9→演出パターンEP10の順に大当り期待度が高くなるように乱数が振り分けられている。
そして、演出制御用CPU31aは、演出パターン決定テーブルEPTを参照し、指定された変動パターンに基づいて、演出パターンを決定する。例えば、演出制御用CPU31aは、変動パターンHP4が指定された場合には6/251の確率で演出パターンEP10を決定する一方で、変動パターンHP5が指定された場合には26/251の確率で演出パターンEP10を決定する。本実施形態では、演出パターンが決定されることにより、予告時間中に実行する示唆演出の回数及び演出時間が特定される。それとともに、本実施形態では、演出パターンが決定されると、予告時間中に実行される示唆演出の順番を特定できる。例えば、図5に示すように、演出パターンEP9が決定された場合には、予告時間中、1回目に短時間示唆演出(演出時間6秒)が実行され、2回目に中時間示唆演出(演出時間12秒)が実行され、3回目に長時間示唆演出(演出時間18秒)が実行されることを特定できる。なお、予告時間中に実行される示唆演出の順番を、図5では、左から順に示す。
また、本実施形態では、複数種類の示唆演出のうち、最も短い演出時間の短時間示唆演出以外の中時間示唆演出及び長時間示唆演出の演出時間は、短時間示唆演出の演出時間の整数倍の演出時間が設定されている。また、変動パターンに定められた予告時間(本実施形態では、18秒又は36秒)は、短時間示唆演出の演出時間の整数倍の演出時間となっている。
演出パターンを決定した後、演出制御用CPU31aは、示唆演出毎に到達させる予告演出の段階数を決定する。以下、予告演出の段階数を決定するための処理について説明する。
まず、演出制御用CPU31aは、図6に示す上限段階決定テーブルJDTを参照し、到達させることの可能な予告演出の段階数(以下、「上限段階」と示す)として決定し得る複数の予告演出の段階数の中から、指定された変動パターンに基づいて、予め定められた抽選確率で1つの予告演出の段階数を、上限段階として決定する。例えば、上限段階決定テーブルJDTでは、変動パターンHP2が決定されているとき、段階数「6」〜「9」の中から、120/251の確率で段階数「6」、110/251の確率で段階数「7」、15/251の確率で段階数「8」、6/251の確率で段階数「9」が上限段階として決定されるように抽選確率が定められている。
また、上限段階決定テーブルJDTでは、大当りの場合は、はずれの場合と比較して、上限段階として多くの段階数が決定されやすくなっている。具体的には、演出制御用CPU31aは、変動パターンHP4が指定された場合、30/251の確率で予告演出の段階数「9」を上限段階として決定する。一方で、演出制御用CPU31aは、変動パターンHP5が指定された場合、55/251の確率で予告演出の段階数「9」を上限段階として決定する。
また、上限段階決定テーブルJDTでは、リーチ演出の演出内容がスーパーリーチ演出である場合は、ノーマルリーチ演出である場合と比較して、上限段階として多くの段階数が決定されやすくなっている。具体的には、演出制御用CPU31aは、変動パターンHP3が指定された場合、11/251の確率で予告演出の段階数「10」を上限段階として決定する。一方で、演出制御用CPU31aは、変動パターンHP5が指定された場合、21/251の確率で予告演出の段階数「10」を上限段階として決定する。
そして、上限段階を決定した演出制御用CPU31aは、段階数決定処理を実行して、予告演出中に実行する示唆演出毎に到達させる予告演出の段階数を決定する。以下、段階数決定処理について図7に基づき説明する。
演出制御用CPU31aは、先に決定した演出パターンから予告時間中に実行する示唆演出の回数を特定し、当該特定した回数を、予告時間中の最終回の示唆演出までの示唆演出で、到達させる予告演出の段階数を決定していない示唆演出の数を示す残り回数として演出制御用RAM31cに記憶する(ステップS11)。そして、演出制御用CPU31aは、残り回数を読み出し、1減算し、演出制御用RAM31cに記憶する(ステップS12)。ステップS12の処理を終了した演出制御用CPU31aは、到達させる予告演出の段階数を決定した示唆演出の数を示す決定回数を読み出し、1加算し、演出制御用RAM31cに記憶する(ステップS13)。また、ステップS13の処理を終了した演出制御用CPU31aは、残り回数を読み出し、当該残り回数の値が1よりも大きい値であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14では、到達させる予告演出の段階数を決定する示唆演出が予告時間で実行される示唆演出のうち最終回又は最終回1回前の示唆演出でないか否かを判定している。
ステップS14の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、決定回数の値に基づいて、何回目の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定するか特定するとともに、当該示唆演出の演出時間を先に決定した演出パターンから特定する(ステップS15)。例えば、演出パターンEP1が決定されており、且つ、決定回数が「2」である場合、演出制御用CPU31aは、予告時間中の2回目に実行される示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定することを特定するとともに、当該示唆演出が短時間示唆演出であることを特定する。
ステップS15で示唆演出の演出時間を特定した演出制御用CPU31aは、特定した示唆演出の演出時間に基づいて、先に決定した上限段階を超えないように、到達させる予告演出の段階数を決定する(ステップS16)。詳しく説明すると、ステップS16において、演出制御用CPU31aは、図8に示す進行段階決定テーブルSDTを参照し、示唆演出毎に定められた抽選確率で、進行させる段階数として取り得る範囲の中から、到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数から進行させる段階数を1つ決定する。例えば、進行段階決定テーブルSDTでは、「0」〜「3」の中から、40/251の確率で「0」、101/251の確率で「1」、80/251の確率で「2」、30/251の確率で「3」を、到達させると決定してきた予告演出の段階数から、短時間示唆演出で進行させる予告演出の段階数として決定されるように抽選確率が定められている。
また、進行段階決定テーブルSDTでは、到達させる予告演出の段階数を決定する示唆演出の演出時間が長いほど、進行させる段階数として多い段階数を決定しやすいように、示唆演出の演出時間毎に抽選確率が定められている。すなわち、進行段階決定テーブルSDTでは、到達させる予告演出の段階数を決定する示唆演出の演出時間が短いほど、進行させる段階数として少ない段階数を決定しやすいように、示唆演出の演出時間毎に抽選確率が定められている。
演出制御用CPU31aは、到達させる予告演出の段階数を決定する示唆演出が中時間示唆演出である場合、20/251の確率で、それまでに決定してきた到達させる予告演出の段階数から「5」段階数分、進行させた段階数を到達させる予告演出の段階数として決定する。また、演出制御用CPU31aは、到達させる予告演出の段階数を決定する示唆演出が長時間示唆演出である場合、30/251の確率で、それまでに決定してきた到達させる予告演出の段階数から「5」段階数分、進行させた段階数を到達させる予告演出の段階数として決定する。
また、演出制御用CPU31aは、それまでに決定してきた到達させる予告演出の段階数を読み出す。次に、演出制御用CPU31aは、読み出した段階数に、進行させる予告演出の段階数として決定した段階数を加算した段階数が、先に決定した上限段階を超えるか否かの第1上限判定を行う。第1上限判定の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、読み出した到達させる予告演出の段階数をそのまま到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。一方で、第1上限判定の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、進行させる予告演出の段階数として決定した段階数を加算した段階数を到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。なお、本実施形態では、1回の示唆演出で進行させることができる段階数の最大(以下、「最大数」と示す)は、示唆演出の演出時間によって異なる。具体的には、図8に示すように、最大数は、短時間示唆演出である場合には「3」、中時間示唆演出である場合には「5」、長時間示唆演出である場合には「9」としている。
ステップS16において到達させる予告演出の段階数を確定的に決定した演出制御用CPU31aは、演出制御用RAM31cの決定回数の値に対応する記憶領域に、確定的に決定した到達させる予告演出の段階数を記憶する(ステップS17)。ステップS17において、例えば、決定回数の値が「1」である場合、演出制御用CPU31aは、予告時間中の1回目の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を、演出制御用RAM31cの決定回数「1」に対応する記憶領域に記憶する。ステップS17の処理を終了した演出制御用CPU31aは、ステップS12の処理へと戻る。
また、ステップS14の判定結果が否定の場合、つまり、残り回数が1以下である場合、演出制御用CPU31aは、残り回数が1であるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18では、到達させる予告演出の段階数を決定する示唆演出が予告時間中の最終回1回前の示唆演出であるか否かを判定している。そして、ステップS18の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、決定回数の値に基づいて、何回目の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定するか特定するとともに、当該示唆演出の演出時間を先に決定した演出パターンから特定する(ステップS19)。
次に、演出制御用CPU31aは、ステップS19で特定した示唆演出の演出時間に基づいて、最終回1回前の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定する(ステップS20)。詳しく説明すると、ステップS20において、演出制御用CPU31aは、決定した演出パターンを参照して予告時間中の最終回の示唆演出の演出時間を特定し、当該示唆演出に定められた最大数を特定する。また、演出制御用CPU31aは、それまでに決定してきた到達させる予告演出の段階数を読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、最終回の示唆演出の最大数を加算した段階数が、先に決定した上限段階を超えるか否かの第2上限判定を行う。第2上限判定の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、最終回1回前の示唆演出で進行させる予告演出の段階数を、進行段階決定テーブルSDTで定められた抽選確率で決定する。
また、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、進行させる予告演出の段階数として決定した段階数を加算した段階数が、先に決定した上限段階を超えるか否かの第1上限判定を行う。第1上限判定の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、前記それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数をそのまま最終回1回前の示唆演出で到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。一方、第1上限判定の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、進行させる予告演出の段階数として決定した段階数を加算した段階数を、最終回1回前の示唆演出で到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。
また、第2上限判定の判定結果が否定の場合、つまり、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、最終回の示唆演出の最大数を加算した段階数が、先に決定した上限段階を超えない場合、演出制御用CPU31aは、最終回1回前の示唆演出に定められた最大数を特定する。そして、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、特定した最終回1回前の示唆演出に定められた最大数を加算した段階数を、最終回1回前の示唆演出で到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。本実施形態において、前記第2上限判定を行う制御及び当該第2上限判定の判定結果が否定の場合に行う制御が、最終回の示唆演出において到達する予告演出の段階数が上限段階となるように調整する制御となる。
ステップS20において最終回1回前の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を確定的に決定した演出制御用CPU31aは、決定回数の値に対応する記憶領域に、確定的に決定した到達させる予告演出の段階数を記憶する(ステップS21)。ステップS21の処理を終了した演出制御用CPU31aは、ステップS12の処理へと戻る。
また、ステップS18の判定結果が否定の場合、つまり、残り回数が0である場合、演出制御用CPU31aは、最終回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定することを特定する。そして、演出制御用CPU31aは、決定回数の値に基づいて、何回目の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定するか特定するとともに、当該示唆演出の演出時間を決定した演出パターンから特定する(ステップS22)。
次に、演出制御用CPU31aは、ステップS22で特定した示唆演出の演出時間に基づいて、最終回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定する(ステップS23)。詳しく説明すると、ステップS23において、演出制御用CPU31aは、それまでに決定してきた到達させる予告演出の段階数を読み出す。そして、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、最終回の示唆演出に定められた最大数を加算した段階数が、先に決定した上限段階を超えるか否かの第2上限判定を行う。第2上限判定の判定結果が肯定の場合、演出制御用CPU31aは、先に決定した上限段階を、最終回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。一方で、第2上限判定の判定結果が否定の場合、演出制御用CPU31aは、それまでに到達させる予告演出の段階数として決定してきた段階数に、最終回の示唆演出に定められた段階数を加算した段階数を、最終回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数として確定的に決定する。
そして、ステップS23において最終回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を確定的に決定した演出制御用CPU31aは、決定回数の値に対応する記憶領域に、確定的に決定した到達させる予告演出の段階数を記憶する(ステップS24)。ステップS24の処理を終了し、予告時間中に実行される全ての示唆演出において到達させる予告演出の段階数を決定した演出制御用CPU31aは、段階数決定処理を終了する。
なお、本実施形態では、演出制御用CPU31aが、段階数決定手段、演出制御手段、予告時間内決定手段及びゲーム上限段階決定手段として機能する。また、本実施形態では、演出制御用ROM31bが演出パターン記憶手段として機能する。
演出パターンを決定し、段階数決定処理を終了した演出制御用CPU31aは、示唆演出及び予告演出を実際に実行する実行処理を行う。
演出制御用CPU31aは、変動パターンに基づき図柄変動ゲームが開始されたとき、決定した演出パターンで予告時間中の1回目に実行すると定められた示唆演出を演出表示装置11に実行させる。また、演出制御用CPU31aは、1回目の示唆演出中、演出制御用RAM31cの決定回数「1」に対応する記憶領域に記憶された予告演出の段階数まで、予告演出の段階数を進行させる。このとき、演出制御用CPU31aは、演出表示装置11の背景画像を、背景画像HG1から、決定回数「1」に対応する記憶領域に記憶された予告演出の段階数まで進行させるために、当該段階数に対応する背景画像まで順番に変更表示させる。
そして、演出制御用CPU31aは、示唆演出の実行が終了すると、決定した演出パターンに定められた示唆演出の回数と、実行した示唆演出の回数を比較して、実行した示唆演出の回数の方が少ないか否かを判定することにより、次に実行する示唆演出があるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合には、実行する示唆演出の演出時間を演出パターンから特定して、特定した示唆演出を実行させる。一方で、前記判定結果が否定の場合には、示唆演出の実行に係る処理を終了する。例えば、予告時間中の3回目の示唆演出の実行が終了すると、演出制御用CPU31aは、決定した演出パターンに4回目に実行する示唆演出が定められているか否かを判定する。そして、演出パターンに4回目に実行する示唆演出が定められている場合、演出制御用CPU31aは、当該4回目に実行する示唆演出を実行させる。一方で、演出パターンに4回目に実行する示唆演出が定められていない場合、演出制御用CPU31aは、示唆演出を実行させない。
また、演出制御用CPU31aは、示唆演出を実行させる場合、当該示唆演出が予告時間において何回目に実行される示唆演出であるかに基づき、当該回数の決定回数に対応する記憶領域に記憶された予告演出の段階数まで、予告演出の段階数を進行させる。このとき、前の示唆演出で到達した予告演出の段階数から、継続して、予告演出の段階数を進行させるように、演出制御用CPU31aは、示唆演出開始時の予告演出の段階数に対応する背景画像から、今回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数に対応する背景画像まで順番に変更表示させる。
ここで、示唆演出の実行タイミング及び予告演出の段階数が進行するタイミングについて、図9〜図11に基づき説明する。
まず、図9では、変動パターンHP4に基づく図柄変動ゲームの開始からリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまで、つまり、予告時間の開始から終了までを示す。なお、図9では、36秒の予告時間が設定された変動パターンHP4に基づいて、演出パターンとして演出パターンEP4が決定され、上限段階として「8」が決定されたものとする。
また、図9では、各示唆演出で到達させる予告演出の段階数は以下のように決定されたものとする。1回目の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「1」とすることが決定され、2回目の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「2」とすることが決定されたものとする。また、3回目の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「2」とすることが決定され、4回目の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「2」とすることが決定されたものとする。また、5回目(最終回1回前)の示唆演出(短時間示唆演出)において到達させる予告演出の段階数を「5」未満(例えば、「4」)とすることを決定した場合、6回目(最終回)の示唆演出(短時間示唆演出)で予告演出の段階数を上限段階「8」まで到達させることができない。そのため、5回目(最終回1回前)の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「5」とすることが決定されたものとする。また、6回目(最終回)の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「8」とすることが決定されたものとする。
以下、演出表示装置11の表示態様について、図9に基づき説明する。
図柄変動ゲームが開始すると、つまり、予告時間が開始すると、1回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT1)。1回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を進行させないことから、背景画像HG1が演出表示装置11に表示され続ける。また、1回目の示唆演出の実行が終了すると、2回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT2)。2回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を「2」に到達させるため、演出表示装置11の背景画像が背景画像HG1から背景画像HG2に変更表示される(タイミングT3)。また、2回目の示唆演出の実行が終了すると、3回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT4)。3回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を進行させないことから、背景画像HG2が演出表示装置11に表示され続ける。
また、3回目の示唆演出の実行が終了すると、4回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT5)。4回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を進行させないことから、背景画像HG2が演出表示装置11に表示され続ける。また、4回目の示唆演出の実行が終了すると、5回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT6)。5回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を「5」に到達させるため、演出表示装置11の背景画像が背景画像HG2から、背景画像HG3→背景画像HG4→背景画像HG5の順に、変更表示される(タイミングT7〜T9)。また、5回目の示唆演出の実行が終了すると、6回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT10)。6回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を「8」に到達させるため、演出表示装置11の背景画像が背景画像HG5から、背景画像HG6→背景画像HG7→背景画像HG8の順に、変更表示される(タイミングT11〜タイミングT13)。
次に、図10では、変動パターンHP4に基づく図柄変動ゲームの予告時間の開始から終了までを示す。また、図10では、演出パターンとして演出パターンEP9が決定され、上限段階として「9」が決定されたものとする。
また、図10では、各示唆演出で到達させる予告演出の段階数は以下のように決定されたものとする。1回目の示唆演出(短時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「1」とすることが決定され、2回目(最終回1回前)の示唆演出(中時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「3」とすることが決定されたものとする。また、3回目(最終回)の示唆演出(長時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「9」とすることが決定されたものとする。
以下、演出表示装置11の表示態様について、図10に基づき説明する。
図柄変動ゲームが開始すると、つまり、予告時間が開始すると、1回目の示唆演出として短時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT21)。1回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を進行させないことから、背景画像HG1が演出表示装置11に表示され続ける。また、1回目の示唆演出の実行が終了すると、2回目の示唆演出として中時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT22)。2回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を「3」に到達させるため、演出表示装置11の背景画像が背景画像HG1から、背景画像HG2→背景画像HG3の順に、変更表示される(タイミングT23,T24)。また、2回目の示唆演出の実行が終了すると、3回目の示唆演出として長時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT25)。3回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を「9」に到達させるため、演出表示装置11の背景画像が背景画像HG3から、背景画像HG4→背景画像HG5→背景画像HG6→背景画像HG7→背景画像HG8→背景画像HG9の順に、変更表示される(タイミングT26〜T31)。
次に、図11では、変動パターンHP5に基づく図柄変動ゲームの予告時間の開始から終了までを示す。また、図11では、演出パターンとして演出パターンEP10が決定され、上限段階として「10」が決定されたものとする。
また、図11では、各示唆演出で到達させる予告演出の段階数は以下のように決定されたものとする。1回目(最終回1回前)の示唆演出(長時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「1」とすることが決定され、2回目(最終回)の示唆演出(長時間示唆演出)では、到達させる予告演出の段階数を「10」とすることが決定されたものとする。
以下、演出表示装置11の表示態様について、図11に基づき説明する。
図柄変動ゲームが開始すると、つまり、予告時間が開始すると、1回目の示唆演出として長時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT41)。1回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を進行させないことから、演出表示装置11に背景画像HG1が表示され続ける。また、1回目の示唆演出が終了すると、2回目の示唆演出として長時間示唆演出が演出表示装置11で実行される(タイミングT42)。2回目の示唆演出では、前提の通り、予告演出の段階数を「10」に到達させるため、演出表示装置11の背景画像が背景画像HG1から、背景画像HG2→背景画像HG3→背景画像HG4→背景画像HG5→背景画像HG6→背景画像HG7→背景画像HG8→背景画像HG9→背景画像HG10の順に、変更表示される(タイミングT43〜T51)。
このように本実施形態では、示唆演出を実行する毎に予告演出の段階数が進行するため、示唆演出が繰り返される毎に、到達する予告演出の段階数が多くなる。また、大当りの場合には、はずれの場合と比較して、予告時間中に演出時間の長い示唆演出が実行される回数が多くなりやすい。そして、示唆演出の演出時間が長いほど、示唆演出中に進行する予告演出の段階数が多くなる。一方で、示唆演出の演出時間が短い場合には、予告時間中に示唆演出が実行される回数が多くなるので、予告演出の段階数が進行することを期待する回数が多くなる。
また、演出時間の短い示唆演出から順番に実行されることから、予告時間の後半ほど(予告時間の終了に近づくほど)、予告演出の段階数が進行しやすくなる。また、最終回1回前や最終回の示唆演出が、演出時間の長い示唆演出となりやすいので、最終的に到達する予告演出の段階数を上限段階に近い段階数となりやすくなる。
また、長時間示唆演出では、短時間示唆演出と比較して、示唆演出開始前の予告演出の段階数から多い段階数が進行した予告演出の段階数を到達する予告演出の段階数として決定されやすい。すなわち、長時間示唆演出が実行された場合には、大幅に予告演出の段階数が進行させることができる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)演出制御用CPU31aは、予告時間中に実行される示唆演出の回数及び演出時間を決定する際、大当りとなる場合には、演出時間が長く設定された長時間示唆演出が実行される回数を多く決定する一方で、はずれとなる場合には、演出時間が短く設定された短時間示唆演出の回数を多く決定する。これにより、同一の予告時間が予め定められた変動パターンが決定された場合であっても、大当り期待度に応じて、予告時間中に実行される示唆演出の回数と、実行される示唆演出の演出時間を変更することができる。よって、大当り期待度に応じて予告時間の異なる複数種類の変動パターンを備えなくても良く、ROMに記憶する変動パターン(情報量)を少なくすることができる。
更に、演出制御用CPU31aが、示唆演出毎に到達させる予告演出の段階数を決定する際、長時間示唆演出では、短時間示唆演出と比較して、高確率で予告演出の段階数が多く進行するように、到達させる予告演出の段階数を決定するようにした。これにより、演出時間が長い示唆演出が多く実行されるとき、すなわち、大当りの可能性が高いとき、予告演出の段階数が多く進行しやすくなる。このため、段階数が多く進行した場合には、大当りの期待度が高いのではないかと遊技者に思わせることができる。また、到達させる予告演出の段階数は、示唆演出が実行される毎に進行するため、演出時間の短い示唆演出が連続した場合であっても、遊技者に大当り期待度が高いのではないかと期待させることができる。よって、1回の図柄変動ゲームを通して、最終的に到達した予告演出の段階数がどれだけかについて注目させるとともに、予告演出の段階数が進行する毎に興趣を向上させることができる。
(2)演出制御用ROM31bには予告時間中に実行される示唆演出の回数と演出時間を特定可能な演出パターンを複数種類記憶され、当該記憶された演出パターンの中から、図柄変動ゲームが大当りか否かに基づき、演出制御用CPU31aが演出パターンを決定する。具体的には、大当りとなるときには、演出時間が長く設定された示唆演出の回数が多い演出パターンが高確率で決定される。一方で、はずれとなるときには、演出時間が長く設定された示唆演出の回数が多い演出パターンが決定され難い(少ない演出パターンが決定されやすい)ようにした。このように、予告時間中に実行される示唆演出の組み合わせ(回数と演出時間)を予め決めておくことにより、毎回の図柄変動ゲームで予告時間中に実行される示唆演出の回数と、その演出時間を、予告時間と示唆演出に設定された演出時間を考慮しながら決定するのに対して、制御的負担を軽減することができる。
(3)演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームが大当りか否かに基づいて、1回の図柄変動ゲームを通して到達可能な予告演出の上限段階を決定する。そして、上限段階を超えない範囲内で、示唆演出毎に到達させる予告演出の段階数を決定するようにした。このようにすることで、最終的な予告演出の段階数から大当り期待度を知ることができる場合(到達した予告演出の段階数が「10」である場合)がある。また、はずれなのに、図柄変動ゲーム終了時点の予告演出の段階数が多くなってしまうことを防ぐことができる。更に、上限段階を知りたい遊技者に、段階数が多く進行する演出時間が長く設定された示唆演出が多く実行されるか否かについて注目させることができる。
また、演出時間が長く設定された示唆演出にて到達させる予告演出の段階数を先に決定した場合には、段階数が進行しやすいため、当該示唆演出で到達させる予告演出の段階数として上限段階に近い段階数が決定されてしまう虞がある。このような場合には、後で演出時間が短い示唆演出にて到達させる予告演出の段階数を決定しようにも、上限段階に達してしまい、予告演出の段階数を進行させられなくなる。その結果、示唆演出が実行されても、予告演出の段階数が進行しないため、面白味がなくなってしまう。そのため、演出制御用CPU31aは、予告時間中に実行される示唆演出のうち、設定された演出時間が短い示唆演出から順番に到達させる予告演出の段階数を決定するようにした。これにより、全ての示唆演出で、予告演出の段階数が進むように段階数が決定されやすくすることができる。
(4)図柄変動ゲームが終了するまでに到達する予告演出の段階数を、図柄変動ゲームが大当りか否かに基づいて決定された上限段階に近い段階数となるように、最終回1回前と最終回の示唆演出で到達させる予告演出の段階数を決定するようにした。これにより、予告演出の段階数が大当り抽選の抽選結果を反映した演出となりやすいため、到達する予告演出の段階数に、より注目させることができる。
(5)予告時間中に演出時間の異なる示唆演出を実行する場合には、演出時間の短い示唆演出から順番に実行するようにした。これにより、予告時間の後半になるほど、演出時間が長く設定された示唆演出が実行されやすいことから予告演出の段階数が進行しやすくなる。そのため、予告時間の後半になるほど、次こそはと、遊技者を期待させることができる。また、それまでの予告演出の段階数が、上限段階より少なくても、図柄変動ゲーム終了までに到達する予告演出の段階数が上限段階に近いものなりやすくすることができる。
(6)示唆演出の演出時間によって、進行させることが可能な段階数(最大数)を異ならせた。具体的には、演出時間が長く設定された示唆演出の方が、演出時間が短く設定された示唆演出よりも、進行させることが可能な段階数を多くした。これにより、はずれのときに到達する予告演出の段階数が多くなってしまうことを防ぐことができる。
(7)示唆演出の中で最も演出時間が短く設定された示唆演出以外の演出時間を、最も演出時間が短く設定された示唆演出の演出時間の整数倍の演出時間とした。また、変動パターンに予め定められた予告時間は、最も演出時間が短く設定された示唆演出の演出時間の整数倍の時間とした。これにより、予告時間と、各示唆演出の演出時間の合計時間と、を一致させやすくすることができる。すなわち、予告時間内において、隙間なく示唆演出を実行することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、予告時間の最終回の示唆演出で到達する予告演出の段階数が上限段階となるように進行させる段階数を決定する制御を行わなくても良い。すなわち、上限段階を超える段階数に到達しなければ、最終回の示唆演出で、上限段階に予告演出の段階数を到達させなくても良い。
・上記実施形態において、演出時間の異なる示唆演出を3種類としたが、任意に変更しても良い。例えば、短時間示唆演出と長時間示唆演出の2種類としても良い。また、上記実施形態で設定した演出時間とは異なる演出時間(例えば、3秒)の示唆演出を実行しても良い。但し、演出時間の異なる2種類の示唆演出を実行可能にしなければならない。
・上記実施形態において、最終回1回前の示唆演出において、最終回の示唆演出において到達する予告演出の段階数が上限段階となるように調整する制御を行ったが、行わなくても良い。また、最終回1回前に係らず、予告時間で実行される全ての示唆演出において、最終的に到達する予告演出の段階数が上限段階となるように調整する制御を行うようにしても良い。
・上記実施形態において、複数種類の示唆演出のうち最も短い示唆演出以外の示唆演出の演出時間を、最も短い示唆演出の演出時間の整数倍としなくても良い。また、変動パターンに設定された予告時間を、最も短い示唆演出の演出時間の整数倍としなくても良い。
・上記実施形態において、予告時間終了時(最終的)には、必ず上限段階に到達させるように予告演出の段階数を決定しても良い。例えば、最終回の示唆演出に定められた最大数に係らず、最終回の示唆演出では予告演出の段階数が上限段階に到達するように、到達させる予告演出の段階数を決定しても良い。
・上記実施形態において、予告時間中に実行される示唆演出の回数と、実行される示唆演出の演出時間を予め定めた演出パターンを備えなくても良い。この場合、演出制御用CPU31aが、決定された変動パターンに予め定められた予告時間中に実行する示唆演出を、1つ1つ決定する。例えば、36秒の予告時間が予め定められた変動パターンが指定された場合、演出制御用CPU31aは、36秒で実行可能な示唆演出を決定し、当該決定した示唆演出を実行した場合の残りの予告時間で実行可能な示唆演出を決定する。
・上記実施形態において、上限段階を決定しなくても良い。この場合、示唆演出が実行される毎に、進行させる予告演出の段階数を自由に決定することができる。また、長時間示唆演出では予告演出の段階数を多く進行させることが決定されやすいことから、結果的に、長時間示唆演出が実行される回数が多いほど最終的に到達する予告演出の段階数が高くなる。
・上記実施形態において、示唆演出の演出時間毎に最大数を予め決めたが、決めなくても良い。但し、演出時間の長い示唆演出中ほど、予告演出の段階数が進行しやすくなければならない。
・上記実施形態において、1回の示唆演出開始とともに飾り図柄を変動表示させて、示唆演出終了時に飾り図柄を一旦停止表示させるようにしても良い。このようにすることで、1回の示唆演出の開始と終了を飾り図柄の表示態様から認識させることができる。
・上記実施形態において、予告時間中に演出時間の短い示唆演出から順番に実行しなくても良い。例えば、予告時間の最初に長時間示唆演出を実行し、その後に、短時間示唆演出を実行するようにしても良い。
・上記実施形態では背景画像によって予告演出の段階数を示したが、背景画像でなくても良い。例えば、文字で予告演出の段階数を示すようにしても良いし、キャラクタを登場させて当該登場キャラクタの数で予告演出の段階数を示すようにしても良い。
・上記実施形態において、到達させると決定した予告演出の段階数までの背景まで、背景画像を1つ1つ変更表示させるようにしなくても良い。例えば、表示されている背景画像から、到達させると決定した予告演出の段階数までの途中の背景画像を表示しないで、到達させると決定した予告演出の段階数を示す背景画像を表示するようにしても良い。
・上記実施形態において、予告演出の段階数は進行する又は進行しない場合(「0」又は「1以上」進行させる場合)の2種類としたが、予告演出の段階数が後退する場合があっても良い。すなわち、予告演出の段階数を「−1(マイナス1)」進行させることが決定されるようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記演出制御手段は、予告時間中に実行される示唆演出の演出時間がそれぞれ異なる場合、演出時間が短く設定された示唆演出から順番に実行することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記示唆演出の演出時間に応じて進めることができる段階数が予め決められており、演出時間が長く設定された示唆演出では、演出時間が短く設定された示唆演出と比較して、多くの段階数を進めることが可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ハ)複数の示唆演出のうち、最も演出時間が短く設定された示唆演出よりも設定された演出時間が長い示唆演出の演出時間は、前記最も演出時間が短く設定された示唆演出の演出時間の整数倍に設定され、予告時間は、前記最も演出時間が短く設定された示唆演出の演出時間の整数倍に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ニ)前記演出実行手段は、示唆演出の開始とともに図柄を変動表示させて、当該示唆演出の終了時点で図柄を一旦停止表示させることを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
(ホ)前記示唆演出の演出時間に応じて進めることができる段階数が予め決められており、前記段階数決定手段は、最終回の示唆演出にて到達させる予告演出の段階数を決定する際、最終回の示唆演出の演出時間に応じて進めることができる段階数分進めても、前記上限段階に到達しない場合には、最終回の示唆演出の演出時間に応じて進めることができる段階数分進めるように到達させる予告演出の段階数を決定することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
(ヘ)前記示唆演出の演出時間に応じて進めることができる段階数が予め決められており、前記段階数決定手段は、最終回の示唆演出でない示唆演出が実行されるときに到達させる予告演出の段階数を決定する際、図柄変動ゲーム開始から実行された予告演出の段階数と、以降の示唆演出において進めることが可能とされる段階数の最大を示す決定可能段階数と、の和が、前記ゲーム上限段階決定手段が決定した上限段階よりも少ない場合には、前記上限段階と、前記決定可能段階数と、の差よりも多い段階数まで予告演出の段階数を到達させることを決定することを特徴とする請求項3又は技術的思想(ホ)の何れか一項に記載の遊技機。