JP5442432B2 - 糖化ヘキサペプチドの測定方法 - Google Patents

糖化ヘキサペプチドの測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、糖化ヘキサペプチドの測定方法に関する。
糖化蛋白質は、蛋白質が非酵素的に糖化された蛋白質であり、糖、すなわちアルドース(アルデヒド基を潜在的に有する単糖及びその誘導体)側のアルデヒド基と、蛋白質側のアミノ基が非酵素的に共有結合することにより生成する。蛋白質側のアミノ基としては、N末端のα−アミノ基、内部リジン残基の側鎖ε−アミノ基などが挙げられ、これらが糖化されることにより、α−糖化蛋白質及び/又はε−糖化蛋白質が生成する。これらの糖化蛋白質は、反応中間体として生じたシッフ塩基がアマドリ転移を受けて形成されることから、いわゆるアマドリ化合物とも呼ばれる。
糖化蛋白質は、例えば、生体内の血液などの体液や、毛髪などの生体試料中に含有される。血液中に存在する糖化蛋白質の例としては、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミンなどがあり、これらの糖化蛋白質の生成は、血清中に溶解しているグルコースなどの糖類の濃度に強く依存する。糖尿病状態では糖化蛋白質の生成が亢進していることが知られており、糖化アルブミンや糖化ヘモグロビンは、血糖値を反映する指標として糖尿病の症状の診断や症状管理に利用され、特に赤血球に含まれるヘモグロビンA1c(ヘモグロビン「β鎖」N末端のVal(バリン)の、α−位のアミノ基にグルコースが結合した糖化蛋白質、以下HbA1cとする)は、過去の一定期間の平均血糖値を反映することから、糖尿病の症状の診断や症状管理において重要な測定指標となっている。
従来、IFCC(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)により定められたHbA1c測定法として、HbA1cβ鎖をGlu−Cプロテアーゼにより消化することによって糖化N末端アミノ酸を含む6アミノ酸からなるペプチド断片(α−糖化ヘキサペプチド)を遊離させ、これをHPLC−CE(HPLC−キャピラリー電気泳動法)又はHPLC−MS(HPLC−質量分析法)を用いて測定することによりHbA1c値を求める方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この方法は特異性に優れた実用基準法として現在も広く用いられているが、検出時に特殊な装置を必要とし、煩雑な操作を必要とするという課題を有している。
一方、糖化蛋白質をより簡便に測定する方法として、測定対象とする糖化ヘモグロビンもしくは糖化アルブミン等の糖化蛋白質をプロテアーゼ等により消化して糖化ペプチド又は糖化アミノ酸を遊離させ、次いで、遊離させた糖化ペプチド又は糖化アミノ酸にそれらに特異的な糖化アミノ酸オキシダーゼを作用させて、その生成物を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。さらに、これらの方法ではなお正確な測定が困難なHbA1cの測定のために、糖化されたN末端アミノ酸を含むオリゴペプチド、特にα−糖化ジペプチドに作用するα−糖化ペプチドオキシダーゼ(フルクトシルペプチドオキシダーゼ)が見出されている(例えば、特許文献5、6参照)。
HbA1c測定における上述の実用基準法(HPLC−CE又はHPLC−MSによる)及び酵素法を比較すると、前者は糖化ヘキサペプチドを測定対象としているのに対し、後者は主として糖化ジペプチドや糖化トリペプチド等の比較的短い糖化ペプチド、実質的には特に糖化ジペプチドを測定対象としている。これは公知のほとんどのフルクトシルペプチドオキシダーゼが比較的短い糖化ペプチドに高い反応性を有することに起因する。糖化ヘキサペプチドを測定し、それによりHbA1cを測定するという実用基準法と同じ原理に基づく酵素法の開発は、両者の相関性をより高めるという観点からも産業上非常に有意義であると考えられるが、HbA1cのβ鎖N末端に相当する糖化ヘキサペプチド(1−Deoxyfructosyl−Val−His−Leu−Thr−Pro−Glu)に良好に作用し、迅速にその定量を可能にし得る実用的な糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが見出されていなかったことから、未だ実現していない。唯一これまでに開示されたショウガ科植物由来の糖化ペプチドオキシダーゼ(例えば、特許文献7参照)は、糖化ヘキサペプチドとの反応において約16時間という長時間を要し、十分に実用的なものとはいえない。さらに、この酵素は植物起源であるため、遺伝子組換え微生物を利用した一般的な酵素の量産化プロセスに適用する際には技術的な各種課題を有することが予測される。すなわち、活性を持たない不溶性の形態で発現してしまう、あるいは活性に必要な翻訳後修飾が行われないといった問題が生じる可能性を有し、活性をもつ形で発現した場合でも、十分な量を得るためには多大な困難を伴い得る。
前述のとおり、IFCCの実用基準法によるとHbA1cにGlu−Cを作用させると、糖化ヘキサペプチドが切り出される(非特許文献1)。一方、糖化ヘキサペプチドにGlu−Cを作用させても、糖化アミノ酸や糖化ジペプチドはほとんど切り出されない(特許文献8)。これらのことから、HbA1cに対するGlu−Cの切断は糖化ヘキサペプチドまでで止まっているものと考えられる。
HbA1cにGlu−Cを作用させて切り出される糖化ヘキサペプチドを、免疫法で測定する方法が特許文献9に示されている。しかし、酵素法で測定する方法はこれまでになかった。なお、糖化アミノ酸に作用するFAOD(糖化アミノ酸オキシダーゼ)という酵素群が知られている(例えば非特許文献2)が、FAODが糖化ヘキサペプチドの測定に利用することは従来全く検討されていない。
特公平5−33997号公報 特公平6−65300号公報 特許第3034698号公報 特許第3157622号公報 国際公開第01/25475号パンフレット 特開2003−235585号公報 国際公開第04/038034号パンフレット 特開2005−110657号公報 国際公開第2006/120976号パンフレット Jeppsson JO, et al; Approved IFCC reference method for the measurement of HbA1c in human blood. Clin Chem Lab Med, 40,78−89,2002 Appl Environ Microbiol 70:5882−90(2004)
本発明は、HbA1c等の糖化蛋白質由来の糖化ヘキサペプチドを迅速、簡便に測定できる方法及び測定用試薬を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、糖化ヘキサペプチドを含む試料に糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを60分間以下の時間作用させ、その生成物又は消費物を測定することにより、試料中の糖化ヘキサペプチドを迅速、簡便に測定できることを知った。また、糸状菌の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ、例えば、Aspergillus属に属する微生物の生産する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、糖化ヘキサペプチドに対する優れた反応性を有し、前記の測定方法を実現する酵素として好適であることを見出した。そして、前記測定方法が、HbA1c由来の糖化ヘキサペプチドである1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluに好適であることを知った。さらに、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ及び過酸化水素測定試薬を含む試薬が、糖化ヘキサペプチドの測定用試薬として好適であることを知り、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)糖化蛋白質由来の糖化ヘキサペプチドを含む試料に糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを60分間以下の時間作用させ、その作用による生成物又は消費物を測定することを特徴とする糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(2)糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、微生物由来である、上記(1)記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(3)糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、糸状菌由来である、上記(1)記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(4)糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、アスペルギルス属、ゲラシノスポラ属、ペニシリウム属、トリチュルス属、又はカエトミウム属に属する微生物由来である、上記(1)記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(5)糖化ヘキサペプチドがα−糖化ヘキサペプチドである、上記(1)〜(4)いずれか1に記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(6)α−糖化ヘキサペプチドが1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluである上記(5)記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(7)測定する生成物が過酸化水素である、上記(1)〜(6)いずれか1に記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
(8)糖化ヘキサペプチドに60分間以下の時間作用させたときに、測定可能な量の過酸化水素を生成する能力を有する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼと、過酸化水素を測定するための試薬とを含む、糖化ヘキサペプチド測定用試薬。
(9)糖化ヘキサペプチドがα−糖化ヘキサペプチドである、上記(8)記載の糖化ヘキサペプチド測定用試薬。
(10)α−糖化ヘキサペプチドが1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluである、上記(9)記載の糖化ヘキサペプチド測定用試薬。
本発明によれば、糖化蛋白質由来の糖化ヘキサペプチドを迅速、簡便に、かつ精度良く測定できる。本発明によって、既存の実用基準法と同じ原理に基づき、実用基準法との相関により優れたHbA1cの酵素法による測定方法の実現が期待できる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2007-54350号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
本発明の測定方法における糖化ヘキサペプチド量と吸光度変化量の相関を示す図である。 本発明の測定方法における吸光度測定値の経時的変化を示す図である。 本発明の測定方法における吸光度測定値の経時的変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(糖化蛋白質)
本発明における糖化蛋白質とは、蛋白質が非酵素的に糖化された蛋白質をいう。糖化蛋白質は、生体内にも生体外にも存在し得るが、生体内に存在する例としては、血液などの体液や、毛髪などがある。血液中に存在する糖化蛋白質の例としては、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミンなどがあり、糖化ヘモグロビンの1種としてHbA1cがある。生体外に存在する例としては、蛋白質やペプチドと糖が共存する液状調味料等の飲食品や輸液などがある。
糖化ペプチドとは、非酵素的に糖化されたペプチドをいう。ペプチド側のアミノ基としては、N末端のα−アミノ基、内部リジン残基の側鎖ε−アミノ基などが挙げられる。これらが糖化されることにより、α−糖化ペプチド及び/又はε−糖化ペプチドを生成する。非酵素的に糖化されたペプチドの長さは限定されない。残基数が数個程度のものを、別途、糖化オリゴペプチドと称する場合もある。
(糖化ヘキサペプチド)
本発明においては、糖化蛋白質由来の糖化ヘキサペプチドを測定対象とする。具体的には、糖化蛋白質から何らかの手段によって遊離させた糖化ペプチド、より具体的には、α−ヘキサペプチド(N末端のα−アミノ基が糖化された6アミノ酸残基長からなるペプチド)である。すなわち、N末端のα−アミノ基が糖化された糖化蛋白質から、何らかの手段、例えば、プロテアーゼによる消化等によって、そのN末端のα−糖化アミノ基を含む6アミノ酸残基長からなるペプチドを予め遊離させ、そのヘキサペプチドを測定する。本発明の方法を用いて、HbA1cを測定したい場合、該当する糖化ヘキサペプチドは1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluである。
(糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ)
本発明の測定方法に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの起源は、遺伝子組換えによる大量生産という利便を考慮すると、動植物よりも微生物がより好ましい。具体的な微生物の例としては、糸状菌が挙げられる。具体的には、例えば、アスペルギルス属、ゲラシノスポラ(Gelasinospora)属、ペニシリウム(Penicillium)属、トリチュルス(Trichurus)属、又はカエトミウム(Chaetomium)属に属する微生物由来が挙げられ、より具体的な好ましい微生物としては、Aspergillus oryzae、Aspergillus niger、Aspergillus versicolor、Aspergillus usamii、Gelasinospora pseudoreticulata、Penicillium cyclopium、Trichurus cylindricus、Chaetomium sp. NISL9335が属するChaetomium sp.等が挙げられる。さらに具体的な好ましい菌株として、例えばAspergillus oryzae RIB40、Aspergillus oryzae RIB 83、Aspergillus oryzae IFO 4206、Aspergillus oryzae RIB 333、Aspergillus oryzae IFO 5239、Aspergillus niger IAM 2534、Aspergillus versicolor IAM 2399、Aspergillus usamii mut.shirousamii IAM 2876、Gelasinospora pseudoreticulata NISL9332、Penicillium cyclopium IFO5847、Trichurus cylindricus IMI96753、Chaetomium sp. NISL9335が挙げられる。これらの微生物を起源とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、大腸菌を用いた組換え生産が可能であり、産業的な利用にも非常に適している。
実施例に使用した菌株のうち、Aspergillus oryzae IFO 5239、Aspergillus oryzae IFO 4206、及びPenicillium cyclopium IFO 5847は、日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8の独立行政法人製品評価技術基盤機構 バイオテクノロジー本部 生物遺伝資源開発部門から入手可能である。なお、IFO 4206はJCM 2060、IFO 5847はATCC 10433としてもそれぞれ保存されており入手可能である。
実施例に使用した菌株のうち、Aspergillus versicolor IAM 2399、Aspergillus niger IAM 2534、Aspergillus niger IAM 2106、Aspergillus oryzae IAM 2747、Aspergillus usamii IAM 2185、Aspergillus usamii mut.shirousamii IAM 2414、及びAspergillus usamii mut.shirousamii IAM 2876は、日本国埼玉県和光市広沢2-1の独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室から入手可能である。なお、IAM 2399はJCM 22327、IAM 2534はJCM 22344、IAM 2106は JCM 22266、IAM 2414は JCM 22328、IAM 2876は JCM 22413としてもそれぞれ保存されており入手可能である。
実施例に使用した菌株のうち、Aspergillus oryzae RIB 83、Aspergillus oryzae RIB 333、Aspergillus oryzae RIB 40、Aspergillus oryzae RIB 67、Aspergillus oryzae RIB 609、Aspergillus oryzae RIB 216、およびAspergillus oryzae RIB 1048は、日本国広島県東広島市鏡山3−7−1の独立行政法人 酒類総合研究所から入手可能である。なお、RIB 40はATCC 42149としても保存されており入手可能である。
実施例に使用した菌株のうち、Gelasinospora pseudoreticulata NISL9332、及びChaetomium sp. NISL9335は、日本国千葉県野田市野田399の財団法人 野田産業科学研究所から入手可能である。
実施例に使用した菌株のうち、Trichurus cylindricus IMI96753は、日本国千葉県野田市野田399の財団法人 野田産業科学研究所から入手可能である。
本発明に用いる糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、糖化ヘキサペプチドに60分間以下、より好ましくは0.5〜60分間、最も好ましくは1〜30分間の時間作用させたときに、測定可能な量の過酸化水素を生成する能力を有するものであることが好ましい。
(糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの製造)
本発明の測定方法に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、各種公知の酵素生産方法を用いて製造することができる。例えば、前述の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ生産微生物を培地中で培養して目的とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを産生させ、培養物あるいは培養菌体内部より酵素を採取することができる。微生物の培養は、通常の固体培養法で培養してもよいが、可能なかぎり液体培養法を採用して培養するのが好ましい。培養に用いる培地は、炭素源、窒素源、無機物、その他の栄養素を適宜含有するものであればよく、また、合成培地、天然培地の何れでもよく、目的の酵素を効率よく製造することのできる培地であれば、如何なる培地でもよい。
培地に使用する炭素源としては、同化可能な炭素化合物であればよく、例えばグルコース、デンプン加水分解物、グリセリン、フラクトース、糖蜜などが挙げられる。窒素源としては、利用可能な窒素化合物であればよく、例えば酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスチープリカー、大豆粉、マルツエキス、アミノ酸、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる。無機物としては、例えば、食塩、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸第1鉄、リン酸第1カリウム、リン酸第2カリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウムなどの種々の塩が挙げられる。その他、必要に応じてビタミン類、消泡剤などを添加してもよい。
また、本発明の測定方法に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが作用し得る基質やそれに類似の物質、例えば、糖化ペプチド類、フルクトシルアミノ酸、糖化蛋白部分分解物、糖化ヘモグロビン、糖化アルブミン、糖と共に加温する処理などにより人工的に糖化した糖化ペプチド、糖化蛋白質なども添加することにより目的の酵素の製造量を向上させることができる。これらの栄養源や添加する物質は、それぞれ単独で用いてもよいが、組み合わせて用いてもよい。培養条件は、培養する微生物により異なる。例えば、培地の初発pHは、pH5〜10に調整し、培養温度は、20〜40℃、培養時間は、10〜50時間、好ましくは15〜25時間、通気撹拌深部培養、振盪培養、静地培養などにより実施する。培地及び培養条件の一例として、イーストエキス0.1%、マルツエキス0.1%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH7.3、25℃、120rpmで4日間の振とう培養が挙げられる。
酵素生産微生物の培養終了後、該培養物あるいは培養菌体内部から本発明の方法に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを採取するには、通常の酵素の採取手段を用いることができる。上記酵素が菌体内に存在する場合には、培養物から、例えば、濾過、遠心分離などの操作により菌体を分離し、この菌体から酵素を採取するのが好ましい。例えば、超音波破砕機、フレンチプレス、ダイノミルなどの、通常の破壊手段を用いて菌体を破壊する方法、リゾチームなどの細胞壁溶解酵素を用いて菌体細胞壁を溶解する方法、トリトンX−100などの界面活性剤を用いて菌体から酵素を抽出する方法などを単独又は組み合わせて採用することができる。
次いで、濾過又は遠心分離などにより不溶物を取りのぞき、酵素抽出液を得る。得られた抽出液から、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを、必要に応じて単離、精製するには、必要により核酸を除去したのち、これに硫酸アンモニウム、アルコール、アセトンなどを添加して分画し、沈殿物を採取する。さらに精製度の高い酵素標品を得るには、例えば、セファデックス、ウルトラゲルもしくはバイオゲルなどを用いるゲル濾過法、イオン交換体、ヒドロキシアパタイトなどを用いる吸着溶出法、アフィニティクロマト法、分子ふるい膜もしくは中空糸膜などを用いる分画法などを適宜選択し、またこれらを組み合わせて実施する。例えばAspergillus oryzae RIB40由来の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、至適pH範囲をpH7〜9の範囲に有する、SDS−PAGE上、分子量約48kDaのポリペプチドとして得ることができる。
本発明の測定に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、公知の遺伝子組換え手法を用いて大量生産してもよい。例えば、前述の各種糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの遺伝子配列及びアミノ酸配列を公知の方法により解析し、その情報に基づいて同様の構造・特性を有する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを、各種の宿主微生物中で大量生産させることができる。また、公知の各種技術を用いて糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの遺伝子配列及びアミノ酸配列の一部を欠失、置換、付加及び/又は挿入により改変して所望の特性を付与させた糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを製造することも可能である。
糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを生産する微生物から糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ遺伝子を取得するには、通常一般的に用いられている遺伝子のクローニング方法が用いられる。例えば、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ生産能を有する微生物菌体や種々の細胞から常法、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (WILEY Interscience,1989)記載の方法により、染色体DNA又はmRNAを抽出することができる。さらにmRNAを鋳型としてcDNAを合成することができる。このようにして得られた染色体DNA又はcDNAを用いて、染色体DNA又はcDNAのライブラリーを作製することができる。
次いで、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼのアミノ酸配列に基づき、適当なプローブDNAを合成して、これを用いて染色体DNA又はcDNAのライブラリーからスクリーニングする方法、あるいは、上記アミノ酸配列に基づき、適当なプライマーDNAを作製して、5’RACE法や3’RACE法などの適当なポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)により、目的の遺伝子断片を含むDNAを増幅させ、これらを連結させて全長の目的遺伝子を含むDNAを得ることができる。
このようにして得られた糖化ヘキサペプチドオキシダーゼをコードする遺伝子の好ましい一例として、アスペルギルス属由来の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子は、常法通り各種ベクターに連結されていることが、取扱い上好ましく、例えば、単離したAspergillus oryzae由来の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼをコードする遺伝子を含む組換え体プラスミドを作製し、そこから例えば、QIAGEN(キアゲン社製)を用いることにより、抽出、精製して得ることができる。本発明において用いることのできるベクターDNAとしては、例えば、プラスミドベクターDNA、バクテリオファージベクターDNA等を用いることができる。具体的には、例えば、pBluescriptII SK+ (STRATAGENE社製)等が好ましい。
上記方法により得られた糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ遺伝子の塩基配列の決定・確認は、例えば、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)等を用いることにより行い得る。
上述のように得られた糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ遺伝子を、常法により、バクテリオファージ、コスミド、又は原核細胞若しくは真核細胞の形質転換に用いられるプラスミド等のベクターに組み込み、各々のベクターに対応する宿主を常法により形質転換又は形質導入することができる。宿主としては、例えば、エッシェリヒア属に属する微生物、例えば、大腸菌K−12、好ましくは大腸菌JM109、DH5α(ともにタカラバイオ社製)等が挙げられ、これらの宿主を形質転換して、又はそれらに形質導入してそれぞれの菌株を得る。こうして得られた上記形質転換体を培養することによって、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを大量に生産することができる。
本発明の測定方法に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、例えば以下の方法で酵素力価を測定することができる。
(1)試薬の調製
試薬1(R1):1.0kUのパーオキシダーゼ(以下、PODと称する。キッコーマン社製)、100mgの4−アミノアンチピリン(以下、4AAと称する。東京化成社製)を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容する。
試薬2(R2):500mgのTOOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、同仁化学社製)をイオン交換水に溶解し、100mLに定容する。
試薬3(R3):α−糖化ヘキサペプチド(1−Deoxyfructosyl−Val−His−Leu−Thr−Pro−Glu;ペプチド研究所社製)50mgをイオン交換水に溶解し、2mLに定容する。
(2)測定
2.7mLのR1に、100μLのR2を加え、さらに、100μLの測定用酵素液を加えて混和し、37℃で、5分間予備加温する。その後、100μLのR3を加えてよく混合したのち、分光光度計(U−2000A、日立社製)を用い、37℃、5分間の555nmにおける吸光度の変化を測定する。なお、対照液は、100μLのR3の代わりに、100μLのイオン交換水を加える以外は前記と同様に操作する。予め調製した過酸化水素の標準溶液を用いて、その生成する色素量(吸光度)との関係より得られたグラフから、吸光度の変化に相当する過酸化水素量を求め、この数値を酵素液中の活性単位とする。1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uとする。
(糖化ヘキサペプチドを含む測定用試料の調製)
本発明の測定法においては、糖化蛋白質由来の糖化ヘキサペプチドを含む試料に糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを作用させ、その作用による生成物又は消費物を測定する。HbA1c等の糖化蛋白質の測定を目的として、測定対象の糖化蛋白質から糖化ヘキサペプチドを切り出すための好適な方法としては、プロテアーゼ消化が挙げられる。糖化ヘキサペプチドを遊離させるためのプロテアーゼとしては、臨床検査に使用が可能で、HbA1cから、少なくともα−糖化ヘキサペプチドを有効に切り出し得るものであれば、いかなるプロテアーゼを用いても良い。そのようなプロテアーゼの例としては、エンドプロテイナーゼGlu−C、V8プロテアーゼ、プロテイナーゼK、プロテイナーゼP、プロナーゼ、サーモリシン、サチライシン、カルボキシペプチダーゼ、キモトリプシン、ディスパーゼ、パパイン、フィシン、ブロメライン、アミノペプチダーゼ等のプロテアーゼあるいはペプチダーゼ等が挙げられ、特に好ましくは、エンドプロテイナーゼGlu−C、V8プロテアーゼが挙げられる。
試料のプロテアーゼ処理条件は、用いるプロテアーゼが測定対象の糖化蛋白質に作用し、α−糖化ヘキサペプチドを短時間に効率よく遊離する条件であれば、いかなる条件でもよい。使用するプロテアーゼの量は、試料中に含まれるHbA1cの含量、あるいは処理条件等により適宜選択され、例えば、一例として、エンドプロテイナーゼGlu−C(例えば、ロシュ・ダイアグノスティックス社製)を、終濃度が0.1〜50U/mL、好ましくは1〜10U/mLとなるように加える。さらに必要により適宜他のプロテアーゼを加えてもよい。プロテアーゼで処理する際のpHは、無調整でもよく、使用するプロテアーゼの作用に好適なpHとなるように、例えば、適当なpH調整剤、例えば、塩酸、酢酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等により、pH2〜9、好ましくはpH3〜8に調整してもよい。処理温度は、例えば、20〜50℃で行ってもよく、用いる酵素によっては、より高温域の45〜70℃で行ってもよい。この際の処理時間は、HbA1cを分解するのに充分な時間であればよく、例えば、5秒間〜180分間、好ましくは1〜60分間で行うことができる。得られる処理液を、そのまま、あるいは必要により適宜、加熱、遠心分離、濃縮、希釈等を行ったのち、糖化ヘキサペプチドを含む試料として糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの反応に供する。
(遊離させた糖化ヘキサペプチドの測定)
上記の糖化ヘキサペプチドを含む試料に、本発明の測定法に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを作用させる。糖化ヘキサペプチドの切り出しと糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの作用の時期は連続的でも、同時でも、切り出しを終了してから糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを作用させてもよい。糖化ヘキサペプチドに対する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの作用時間は例えば、120分間以下、好ましくは60分間以下、より好ましくは0.5〜60分間、最も好ましくは1〜30分間とすることができる。作用時間が短すぎる場合、試料中の糖化ヘキサペプチドを十分に測定しきれず、良好な測定が行えない。一方、作用時間が長すぎる場合には、測定時間が延長し、測定処理の効率が悪いという問題に加え、試料及び測定試薬が測定条件下に長くさらされる結果、試料中の基質あるいは試薬中の成分の分解、変性を招くという問題を生じる。さらに、特に微量測定系においては、長時間経過による乾燥に起因する試料容量の減少による濃度変化なども誤差の原因となり得る。糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ作用時間を60分間以下、より好ましくは0.5〜60分間、最も好ましくは1〜30分間とすることにより、迅速かつ良好に糖化ヘキサペプチドを測定することができる。作用温度は、例えば、20〜45℃であり、通常の酵素反応に用いられる温度を適宜選択することができる。
本発明に使用する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの好適な使用量は、試料溶液中に含まれるα−糖化ヘキサペプチドの量にもよるが、例えば、終濃度が、0.1〜50U/mL、好ましくは0.2〜10U/mLとなるように添加すればよい。作用させる際のpHは、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの至適pHを考慮し、反応に適したpHとなるように緩衝剤を用いて調整することが好ましいが、作用可能なpHであればこれに限定されない。例えば、pH3〜11、特に好ましくはpH5〜9である。
本発明の測定方法においては、酵素や試薬の安定化や反応性向上等の目的でpHを調節及び/又は維持するため、必要により適宜、各種の緩衝剤を使用することが好ましい。使用可能な緩衝剤としては、例えば、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、硼酸塩、クエン酸塩、ジメチルグルタミン酸塩、トリシン、HEPES等が挙げられる。さらに必要により、溶解補助剤、安定化剤等として、界面活性剤(トリトンX−100、ブリッジ35、ツイーン80、コール酸塩等)、還元剤(ジチオスレイトール、メルカプトエタノール、L−システイン等)、牛血清アルブミン、糖類(グリセリン、乳糖、シュークロース等)等を適宜添加してもよい。
本発明は、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの作用による生成物あるいは消費物を測定することにより糖化ヘキサペプチドを測定する方法であるが、測定が容易な生成物であり、測定対象として好ましいものとして過酸化水素が挙げられる。糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの作用により生成した過酸化水素は、発色基質等によって検出してもよく、本発明に用いられる発色基質としては、4−アミノアンチピリンの他に、例えば、ADOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン)、ALOS(N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン)、DA−67(10−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−3、7−ビス(ジメチルアミノ)−フェノシアジン)、DA−64(N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4、4’−ビス(ジメチルアミノ)−ジフェニルアミン)等が挙げられる。過酸化水素の測定は、一般に、過酸化水素を生成する工程と同時に行うことが好ましく、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの作用時と同時に進行させることが好ましい。
本発明においては、上述の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ、過酸化水素の測定用試薬、それに所望により緩衝剤等を添加した糖化ヘキサペプチド測定用試薬を得ることができる。この試薬中には、各種既知の成分、例えば、界面活性剤、塩類、緩衝剤、pH調製剤や防腐剤などを適宜選択して添加することができる。上述の本発明の糖化ヘキサペプチド測定用試薬は、各試薬を異なる容器に含むものとして調製すれば良く、例えば液状品及び液状品の凍結物あるいは凍結乾燥品として提供することもできる。また、これらの測定用試薬は、乾燥物又は溶解した状態で用いてもよく、薄膜上の担体、例えば、シート含浸性の紙等に含浸させて用いてもよい。また、測定用試薬に用いられる酵素類は、常法により固定化させて反復使用することもできる。本発明の糖化ヘキサペプチド測定用試薬は、糖化蛋白質から糖化ヘキサペプチドを切り出すためのプロテアーゼを組み込んだ試薬キットの一部を構成することができる。
本発明の糖化ヘキサペプチド測定用試薬の仕様や使用条件は、その含有成分等に応じて最適なものを選択すればよいが、例えば、測定を20〜45℃において行うよう設定することができる。測定に要する時間も種々の測定条件により適宜選択できるが、例えば、60分間以下、好ましくは0.5〜60分間、より好ましくは、0.5〜30分間、さらに好ましくは1〜10分間が好ましい。例えば、上記測定試薬の発色の程度(吸光度変化量)を分光光度計により測定し、標準の吸光度と比較して、試料中に含まれる糖化ペプチドあるいは糖化蛋白質を測定することができる。測定には、通常の自動分析装置を用いることもできる。
以下、実験例及び実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
<実験例1:糸状菌由来糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性の確認>
(1)活性測定用試薬の調製
糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性の確認用に、以下の試薬を調製した。

試薬1:1.0kU POD (キッコーマン社製)
100mg 4−4AA(東京化成社製)
0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容
試薬2:500mg TOOS(同仁化学社製)
イオン交換水に溶解し、100mLに定容
試薬3:50mg 1−Deoxyfructosyl−Val−His
−Leu−Thr−Pro−Glu(ペプチド研究所社製)
イオン交換水に溶解し、2mLに定容
(2)各種糸状菌の培養と無細胞抽出液の調製
表1に記載の16株の糸状菌を20mLの培地(イーストエキス0.1%、マルツエキス0.1%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH7.3)に接種し、25℃、120rpmで4日間振とう培養した。この培養液から、遠心分離(15,000rpm、20分間、4℃)により菌体を回収し、50mMリン酸バッファー(pH8.0)に懸濁して、菌体をフレンチプレスにより破砕した。菌体破砕後、遠心分離(15,000rpm、20分間、4℃)して上清を回収し、無細胞抽出液とした。
(3)無細胞抽出液中の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性の確認
上記の無細胞抽出液各10μLに対して、上述の試薬1を135μL、試薬2を5μL、及び試薬3を1μL加えて反応を開始し、25℃、4時間反応後の吸光度の上昇を確認することにより糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性の有無を確認した。結果を表1に示す。
Figure 0005442432
表1より、Aspergillu versicolor IAM 2399、Aspergillus oryzae IFO 5239、Aspergillus oryzae IFO 4206、Aspergillus oryzae RIB 83、Aspergillus niger IAM 2534、Aspergillus oryzae RIB 333、Aspergillus usamii mut.shirousamii IAM 2876、Aspergillus oryzae RIB40、Aspergillus oryzae RIB67において特に高い吸光度変化が認められ、高い糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性が確認された。Aspergillus niger IAM 2106、Aspergillus oryzae RIB 609、Aspergillus oryzae IAM 2747、Aspergillus oryzae RIB 216、Aspergillus oryzae RIB 1048においても、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性が確認された。一方、Aspergillus usamii IAM 2185、Aspergillus usamii mut.shirousamii IAM 2414をはじめとするその他の糸状菌においては、吸光度変化が乏しく、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性が確認されなかった。なお、表1に記載していないその他多数の糸状菌についても同様に確認試験を行ったが、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性は確認されなかった。
<実験例2:組換え糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ生産菌の作製>
Aspergillus oryzae RIB40を5Lの培地(イーストエキス0.1%、マルツエキス0.1%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグネシウム0.05%、pH7.3)に接種し、25℃、120rpmで4日間振とう培養した。この培養液から、ブフナー漏斗を用いて菌体を回収した。得られた菌体は液体窒素で凍結した後、乳鉢で粉砕し、ISOGEN(和光純薬社製)で処理し、2,700rpmで5分間遠心することでRNA画分を得た。
約1μgのRNA、ATGACTGTCACCAAATCTTC(配列番号1)からなる塩基配列を有するプライマー1、CTACAGCTTCGCAGTATCCT(配列番号2)からなる塩基配列を有するプライマー2、及びRT−PCR Kit(タカラバイオ社製)を用いて、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼのcDNAを増幅した。得られた増幅断片は、SmaI切断したpUC19とライゲーションし、大腸菌DH5αを形質転換した。得られたプラスミドの挿入DNA配列をDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて解析したところ、目的とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼをコードする配列が挿入されていることを確認した。なお、この酵素のアミノ酸配列(配列番号3)及び遺伝子配列(配列番号4)は、Aspergillus oryzae RIB40 のゲノムのデータベース(DOGAN -Database Of Genomes Analyzed at NITE, URL:http://www.bio.nite.go.jp/dogan/Top)に登録されている、AO090023000307、及びDDBJ ACCESSION No BAE58870.1と配列がほぼ一致していた。
なお、このアミノ酸配列からなるタンパク質が糖化アミノ酸(Fru−Val, Nε−fructosyl Nα−Z−lysine)に作用するFAOD(糖化アミノ酸オキシダーゼ)であることは非特許文献2に記載されている。つまり、このタンパク質も既知のFAOD(糖化アミノ酸オキシダーゼ)と同様、糖化ヘキサペプチドには作用しないと考えられてきた。したがって、配列番号3記載のアミノ酸配列を有する酵素が糖化ヘキサペプチドにも作用することは、従来技術からは予測できない格別な効果である。
<実験例3:組換え糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ生産菌の培養及び酵素の精製>
実験例2で得られた糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ生産能を有する大腸菌DH5αをLB−amp培地(1%(w/v) バクトトリプトン、0.5%(w/v) ペプトン、0.5%(w/v) NaCl、50μg/ml Ampicilin)6Lに植菌し、32℃、20時間振とう培養した。得られた培養液を9,000rpmで15分間遠心分離し、集めた菌体を0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁した。フレンチプレスにより菌体を破砕したのち、破砕液を10,000rpmで15分間遠心分離し、得られた上清を粗酵素液とし、以下の方法で精製した。
上述の上清(粗酵素液)に硫酸アンモニウムを50%飽和となるよう徐々に添加したのち、12,000rpm15分間の遠心分離によって、夾雑蛋白質を沈殿させ除去した。次いで、この上清に硫酸アンモニウムを70%飽和となるよう添加し、4℃で一晩放置後、12,000rpm、15分間の遠心分離を行い、目的蛋白質を沈殿させた。得られた沈殿に0.2M塩化カリウム、5%グリセロールを含有する100mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)を加え、沈殿を溶解させた後、同緩衝液であらかじめ平衡化したSephacryl S−200HR(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いたゲル濾過クロマトグラフィーに供し分画した。得られた溶出液について前記の糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの力価測定方法に基づいて活性を測定した後、活性を有する画分を集め、セントリプレップ−10(日本ミリポア社製)で濃縮した後、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)で透析した。その後、同緩衝液で平衡化したQセファロースFFカラムに吸着させ、同緩衝液で洗浄した後、塩化カリウム濃度0〜0.6Mの直線勾配の50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)で溶出させ、活性画分を回収した。さらに、この酵素液をセントリプレップ−10で濃縮し、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH8.5)で透析し、目的の酵素液を得た。
<糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを用いたα−糖化ヘキサペプチドの測定>
以下の組成からなる、α−糖化ヘキサペプチド測定用の試薬を調製した。
試薬1:1.0kU POD (キッコーマン社製)
100mg 4−4AA(東京化成社製)
0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容
試薬2:500mg TOOS(同仁化学社製)
イオン交換水に溶解し、100mLに定容
試薬3:実験例3で得られた糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ(本発明で利用)、あるいはFAOD−E、FAOX−TE(キッコーマン社製、比較例1及び2で利用)
25mg/mlのα−糖化ヘキサペプチド(1−Deoxyfructosyl−Val−His−Leu−Thr−Pro−Glu(ペプチド研究所社製))を、2、5、10、及び20μL分取し、それぞれに脱イオン水を加えて20μLに定容して、測定用糖化ヘキサペプチド含有試料とした。また、脱イオン水20μLを対照試料とした。各試料に、135μLの試薬1及び5μLの試薬2を添加し、37℃で5分間保温後、5μLの試薬3を添加し、37℃で20分間反応させて555nmにおける吸光度を測定し、反応20分後の吸光度の変化量(ΔOD)を求めた。各種濃度のα−糖化ヘキサペプチドの測定結果を図1に示す。
図1に示すように、α−糖化ヘキサペプチドの量とΔODと濃度との間には直線的な相関関係が示され、本発明の測定方法を用いて試料中のα−糖化ヘキサペプチドを短時間でかつ精度よく測定できることがわかった。一方、比較例として、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの代わりに既知のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(FAOD−E(比較例1)、FAOX−TE(比較例2);ともにキッコーマン社製)を用いて上記と同様に測定を行った場合には、何れの試料についても吸光度の変化量(ΔOD)を測定することはできず、糖化ヘキサペプチドを測定することができなかった。
<糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを用いたHbA1cの測定>
ヒト血液を遠心分離して得た血球を実験試料(以下、試料血球と称する)とし、本発明の測定方法を利用して試料血球中のHbA1c(HbA1c/全Hb=5.3%)を測定するために、以下の組成からなるα−糖化ヘキサペプチド測定用の試薬を調製した。
試薬A:
36mM MES緩衝液 (pH7.5)
11mM KCl
0.04% Triton X100 (和光純薬社製)
0.02% アジ化ナトリウム
15U/mL パーオキシダーゼ (キッコーマン社製)
0.2U/mL 糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ
0.012mM TPM−PS (同仁化学社製)
上記の試料血球を蒸留水によって溶血させ、その後8.4U/mlのGlu−Cプロテアーゼを加え、25℃で2時間反応させた。反応後、2μlの反応溶液に対し、100μlの試薬Aを添加、混合し、37℃で反応開始から5分間までの571nmにおける吸光度を測定した結果を図2に示す。
図2からわかるように、吸光度の測定値は経時的に上昇した。一方、対照としてGlu−Cプロテアーゼによる糖化ヘキサペプチドの切り出し処理を行わなかった試料においては、吸光度の上昇がみられなかった。この結果から、Glu−Cプロテアーゼで切り出されたHbA1c由来の糖化ヘキサペプチドが本発明の測定法で簡便かつ迅速に測定可能であることが示された。
<濃度の異なるHbA1cの測定>
HbA1cにGlu−Cを作用させると、糖化ヘキサペプチドが切り出される。この糖化ヘキサペプチドに糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを作用させて、HbA1cを測定することが可能かどうか確認した。まず、濃度の異なるHbA1c試料を測定するため、以下の組成からなる試薬を調製した。
R1試薬:
50mM Tricine (pH8.0)
1.0mM WST−3 (同仁化学社製)
0.2U/L 糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ
20U/mL パーオキシダーゼ (キッコーマン社製)
R2試薬:
150mM MOPS (pH8.0)
0.25mM DA67 (和光純薬社製)
0.01% Glu−C(和光純薬社製)
HbA1c試料:
HbA1c測定用標準物質(福祉・医療技術振興会製、HbA1c%=5.27%,7.41%,10.40%)を生理食塩水で15倍希釈したものをHbA1c試料とした。
方法
各HbA1c試料3μlにR1試薬90μlを添加、混合し、37℃で5分間インキュベートした後、30μlのR2試薬を添加し、37℃でプロテアーゼ処理および発色反応を行った。R1試薬を添加した時刻を0分とし、その後10分間の658nmにおける吸光度を測定した。対照として、Glu−Cを除いた試薬を作製し、その結果をR2試薬を用いた時の測定値より引いた値を図3に示した。図3から、HbA1c%が5.27%,7.41%,10.40%と上がるに従い、658nmにおける吸光度も上がっていくことが示された。このことから、Glu−Cプロテアーゼで切り出されたHbA1c由来の糖化ヘキサペプチドが、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼによって、簡便かつ迅速に測定できることが示された。
実験例1に示した方法で、さらに多種の糸状菌について、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの有無を調べた。結果を表2に示す。表1で明らかになったAspergillus以外にも、Gelasinospora,Penicillium,Trichurus,Chaetomiumといった菌株が、糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性をもつことを見出した。
Figure 0005442432
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (8)

  1. 1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを含む試料に、1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを基質とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼを作用させ、その作用により生成する過酸化水素を測定することを特徴とする糖化ヘキサペプチドの測定方法、ここで前記糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、
    作用として1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを酸化して過酸化水素を生成し、
    至適pH範囲をpH7〜9の範囲に有し、
    作用pH範囲をpH5〜9の範囲に有し、
    作用温度が20〜45℃であり、
    SDS−PAGE上での分子量が約48KDaである、
    前記測定方法
  2. 1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを含む試料に配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ又は配列番号3に示される配列において1若しくは数個の置換、欠失もしくは付加を有するアミノ酸配列からなりかつ1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを基質とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性を有するポリペプチドを作用させ、その作用による生成物又は消費物を測定することを特徴とする糖化ヘキサペプチドの測定方法。
  3. 糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、アスペルギルス属、ゲラシノスポラ属、ペニシリウム属、トリチュルス属、又はカエトミウム属に属する微生物由来である、請求項1に記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
  4. 前記糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、Aspergillus versicolor、Aspergillus oryzae、Aspergillus niger、及びAspergillus usamii mut.shirousamii、Gelasinospora pseudoreticulata、Penicillium cyclopium、Trichurus cylindricus及びChaetomium sp. NISL9335が属するChaetomium sp.からなる群より選択される微生物由来である、請求項3に記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
  5. 前記糖化ヘキサペプチドオキシダーゼが、Aspergillus versicolor IAM 2399、Aspergillus oryzae IFO 5239、Aspergillus oryzae IFO 4206、Aspergillus oryzae RIB 83、Aspergillus niger IAM 2534、Aspergillus oryzae RIB 333、Aspergillus usamii mut.shirousamii IAM 2876、Aspergillus oryzae RIB40、Aspergillus oryzae RIB67、Aspergillus niger IAM 2106、Aspergillus oryzae RIB 609、Aspergillus oryzae IAM 2747、Aspergillus oryzae RIB 216、Aspergillus oryzae RIB 1048、Gelasinospora pseudoreticulata NISL 9332、Penicillium cyclopium IFO 5847、Trichurus cylindricus IMI 96753及びChaetomium sp. NISL 9335からなる群より選択される微生物由来である、請求項4に記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
  6. 前記糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ又は糖化ヘキサペプチドオキシダーゼ活性を有するポリペプチドがSDS−PAGE上での分子量が48KDaである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の糖化ヘキサペプチドの測定方法。
  7. 1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluに作用させたときに、測定可能な量の過酸化水素を生成する能力を有する1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを基質とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼと、過酸化水素を測定するための試薬とを含む、糖化ヘキサペプチド測定用試薬、ここで前記糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、
    作用として1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを酸化して過酸化水素を生成し、
    至適pH範囲をpH7〜9の範囲に有し、
    作用pH範囲をpH5〜9の範囲に有し、
    作用温度が20〜45℃であり、
    SDS−PAGE上での分子量が約48KDaである、
    前記糖化ヘキサペプチド測定用試薬
  8. 1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを測定する診断薬の製造における、1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを基質とする糖化ヘキサペプチドオキシダーゼの使用、ここで前記糖化ヘキサペプチドオキシダーゼは、
    作用として1−デオキシフルクトシル−Val−His−Leu−Thr−Pro−Gluを酸化して過酸化水素を生成し、
    至適pH範囲をpH7〜9の範囲に有し、
    作用pH範囲をpH5〜9の範囲に有し、
    作用温度が20〜45℃であり、
    SDS−PAGE上での分子量が約48KDaである、
    前記使用
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