JP5441358B2 - 研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Description

本発明は半導体集積回路の製造工程において用いられる研磨液、及びそれを用いた研磨方法に関する。より詳細には、半導体基板におけるゲート形成に好適に使用できる研磨液、及びそれを用いた研磨方法に関し、特に、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む層を有する半導体基板を化学的機械的研磨により研磨する為の研磨液、及びそれを用いた研磨方法に関する。
半導体集積回路(以下「LSI」と記す場合がある。)で代表される半導体デバイスの開発においては、小型化・高速化のため、近年、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術として化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下「CMP」と記す場合がある。)等の種々の技術が用いられてきている。このCMPは層間絶縁膜等の被加工膜の表面平坦化、プラグ形成、埋め込み金属配線の形成等を行う場合に必須の技術であり、基板の平滑化等を行っている。
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基板(ウエハ)の表面(被研磨面)を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基板の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基板の表面を平坦化するものである。
CMPは、近年では、半導体製造における各工程に適用されてきており、その一態様として、例えばトランジスタ作製におけるゲート形成工程への適用が挙げられる。
ここで、従来のトランジスタでは、ポリシリコンにB等の不純物を注入した変性ポリシリコンを主としたゲートを作製していたが、45nm世代以降のトランジスタでは、スタンバイ時の消費電力低減と高電流駆動能力とを両立するため、高誘電率ゲート絶縁膜(High-k膜)と従来のポリシリコンに代わってメタルゲート電極との適用が検討されている。これらを適用した技術としていくつかの手法が提案されている。例えば、ダミーゲート絶縁膜及びダミーゲート電極を形成し、多結晶シリコン膜に自己整合的に不純物を注入してソース・ドレイン拡散層を形成し、ダミーゲート絶縁膜およびダミーゲート電極を除去した後、高誘電率ゲート絶縁膜及びメタルゲート電極を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
また、メタルゲート電極の形成法についてもいくつかの手法が提案されている。その中の一つの候補としてフルシリサイドゲート(Fully silicided gate、以下、「FUSIゲート」と称する。)がある。FUSIゲートは、従来のCMOSプロセスと同様にポリシリコンで形成したゲート電極をシリサイド化することで形成するが、従来はゲート電極の上部のみをシリサイド化していたのに対して、FUSIではゲート電極の全体をシリサイド化する。FUSIは、ダマシン・プロセスでメタルゲート電極を形成する手法と比べると、従来のCMOSプロセスのノウハウが有用となるためプロセス構築の上でのメリットが大きい。
近年では、このようなポリシリコン又は変性ポリシリコン(以下、単に「ポリシリコン等」と総称する場合がある。)用いたゲート形成において、当該ポリシリコン等と、その周辺を覆う第二、第三の材料(例えば、ポリシリコン等以外のケイ素系材料)とに対して、選択的にCMPを行うことが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、従来公知の研磨液を用いてCMPによりポリシリコン等を含む被研磨体を研磨すると、ゲート材料として残したいポリシリコン等が過剰に研磨されてしまうという問題があり、これは延いては得られたLSIの性能劣化等の要因ともなっていた。
特開2006−339597公報 特開2006−344836公報 特開2007−12922公報 特開2005−93816公報
本発明の目的は、半導体集積回路の作製において、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む層を有する被研磨体に対する化学的機械的研磨に用いることができ、ポリシリコン又は変性ポリシリコン以外のケイ素系材料を含む層の研磨速度が迅速であり、且つ、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む層の研磨を選択的に抑制しうる研磨液、及びそれを用いた研磨方法を提供することにある。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 半導体集積回路を作製する際の平坦化工程において、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む第1層と、窒化ケイ素を含む第2層と、を少なくとも有して構成される被研磨体の化学的機械的研磨に用いられ、下記(1)、(2)及び(3)で示される各成分を含有し、pHが1.5〜7.0であり、且つ、前記第1層に対して前記第2層を選択的に研磨しうることを特徴とする研磨液。
(1)コロイダルシリカ粒子
(2)有機酸
(3)ノニオン性界面活性剤及びノニオン性の親水性樹脂から選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤
<2> 前記第1層の研磨速度をRR(p−Si)とし、前記第2層の研磨速度をRR(other)とした場合に、RR(other)/RR(p−Si)で表される研磨速度比が1.5〜200の範囲で前記被研磨体を研磨しうることを特徴とする<1>に記載の研磨液。
<3> 前記コロイダルシリカの濃度が、研磨液の全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の研磨液。
<4> 前記コロイダルシリカが、平均一次粒径が5nm〜100nmであり、且つ平均二次粒径が10nm〜300nmの範囲であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載の研磨液。
<5> 前記有機酸が、その分子その分子構造中に少なくとも1つのカルボキシル基を含む有機酸であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の研磨液。
<6> 前記有機酸が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の研磨液。
一般式(I)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。これらの基は更にその他の官能基によって置換されていても良い。
<7> 前記有機酸の濃度が、研磨液の全質量に対して0.001質量%〜3質量%であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか1項に記載の研磨液。
<8> 前記ノニオン性添加剤が、下記一般式(II)で表されるノニオン性界面活性剤、下記一般式(III)で表されるノニオン性界面活性剤、下記一般式(IV)で表されるノニオン性界面活性剤、下記一般式(V)で表される構成単位を含む親水性樹脂、及び下記一般式(VI)で表される構成単位を含む親水性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項に記載の研磨液。
一般式(II)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、又はポリオキシエチレン鎖を表し、R及びRは互いに結合してもよい。aは1〜10の整数を表す。
一般式(III)中、Rは、炭素数6〜20のアルキル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。bは1〜10の整数を表す。
一般式(IV)中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を表し、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。cは1〜10の整数を表す。mは1〜100の整数を表し、nは1〜100の整数を表す。
一般式(V)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。
pは5以上の整数を表す。
一般式(VI)中、R10は、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。
qは5以上の整数を表す。
<9> 前記ノニオン性添加剤が、前記一般式(II)で表されるノニオン性界面活性剤、前記一般式(IV)で表されるノニオン性界面活性剤、及び前記一般式(V)で表される構成単位を含む親水性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤であることを特徴とする<8>に記載の研磨液。
<11> pHが3.5〜7.0であることを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1項に記載の研磨液。
<12> pHが5.0〜7.0であることを特徴とする<1>〜<10>のいずれか1項に記載の研磨液。
<10> 前記ノニオン性添加剤の濃度が、研磨液の全質量に対し0.001質量%〜1質量%であることを特徴とする<1>〜<>のいずれか1項に記載の研磨液。
13> <1>〜<12>のいずれか1項に記載の研磨液を、研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
本発明によれば、半導体集積回路の作製において、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む層を有する被研磨体に対する化学的機械的研磨に用いることができ、ポリシリコン又は変性ポリシリコン以外のケイ素系材料を含む層の研磨速度が迅速であり、且つ、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む層の研磨を選択的に抑制しうる研磨液、及びそれを用いた研磨方法を提供することができる。
以下、本発明の研磨液及びそれを用いた研磨方法について詳細に説明する。
[研磨液]
本発明の研磨液は、半導体集積回路を作製する際の平坦化工程において、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む第1層と、窒化ケイ素を含む第2層と、を少なくとも有して構成される被研磨体の化学的機械的研磨に用いられ、下記(1)、(2)及び(3)で示される各成分を含有し、pHが1.5〜7.0であり、且つ、前記第1層に対して前記第2層を選択的に研磨しうることを特徴とする研磨液。
(1)コロイダルシリカ粒子
(2)有機酸
(3)ノニオン性界面活性剤及びノニオン性の親水性樹脂から選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意味である。濃縮液又は濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調整された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水又は水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
本発明の研磨液は、電極材料としてポリシリコン又は変性ポリシリコンを適用し、CMPにより、半導体集積回路におけるゲート電極の形成を実施する際に好適に用いられるものである。より具体的には、本発明の研磨液は、半導体集積回路を作製する際の平坦化工程において、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む第1層と、窒化ケイ素を含む第2層と、を少なくとも有して構成される被研磨体の化学的機械的研磨に用いられる研磨液である。
本発明の研磨液は、前記(1)、(2)及び(3)で示される各成分を含有し、pHが1.5〜7.0であることを特徴としており、これにより、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む第1層に対して、前記窒化ケイ素を含む第2層を選択的に研磨することができる。
前記第1層に対する第2層の選択的な研磨については、本発明の研磨液は、前記第1層の研磨速度をRR(p−Si)とし、前記第2層の研磨速度をRR(other)とした場合に、RR(other)/RR(p−Si)で表される研磨速度比が1.5〜200の範囲で前記被研磨体を研磨しうるものであることが好ましい。RR(other)/RR(p−Si)で表される研磨速度比は、3〜100の範囲がより好ましい。RR(other)/RR(p−Si)で表される研磨速度比がこのような範囲であることで、第1層に対する所望されない研磨が抑制でき、且つ、研磨時に第1層とその下地層との膜界面に掛かる過剰な応力に起因して生じる第1層の不均一な剥離についても効果的に抑制しうる。
従って、本発明の研磨液を用いることにより、LSIの作製において、CMPによりポリシリコン又は変性ポリシリコンを含んで構成されるゲート電極の形成を実施した場合であっても、当該ゲート電極が過研磨されることがなく、一方、迅速な研磨が要求されるポリシリコン又は変性ポリシリコン以外のケイ素系材料である窒化ケイ素を含む層に対しては迅速に研磨することができる。
以下、本発明の研磨液を構成する各成分について詳細に説明する。
〔(1)コロイダルシリカ粒子〕
本発明の研磨液は、砥粒の少なくとも一部として、コロイダルシリカ粒子を含有する。コロイダルシリカ粒子としては、粒子内部にアルカリ金属などの不純物を含有しない、アルコキシシランの加水分解により得たコロイダルシリカ粒子であることが好ましい。一方、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去する方法で製造したコロイダルシリカ粒子も用いることができるものの、この場合、粒子の内部に残留するアルカリ金属が徐々に溶出し、研磨性能に影響を及ぼす懸念がある。このような観点からは、アルコキシシランの加水分解により得られたものが原料としてはより好ましい。
コロイダルシリカ粒子の粒径は、使用目的に応じて適宜選択される。コロイダルシリカ粒子の粒径としては、平均一次粒径(体積基準)が5nm〜100nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmの範囲であり、更に好ましくは10nm〜80nmの範囲である。
また、コロイダルシリカ粒子の平均二次粒子径は、10nm〜300nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20nm〜200nmの範囲であり、更に好ましくは20nm〜150nmの範囲である。
本発明におけるコロイダルシリカ粒子としては、平均一次粒径が5nm〜100nmの範囲であり、且つ平均二次粒径が10nm〜300nmの範囲であるものが特に好ましい形態である。
コロイダルシリカ粒子の粒径が、上記の範囲を満たすことにより、研磨傷の発生を効果的に抑制できる。
ここで、本発明におけるコロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径とは、体積基準での粒度累積曲線を求め、この曲線の累積度数が50%のポイントでの粒子径を意味するものである。
なお、このコロイダルシリカ粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡(透過型)等で測定できる。
また、コロイダルシリカ粒子の一部が会合して形成される二次粒子の平均粒径(平均二次粒子径)は動的光散乱法から得られた粒度分布において求められる平均粒子径を表す。例えば、粒度分布を求める測定装置しては堀場製作所製LB−500等が用いられる。
本発明の研磨液中におけるコロイダルシリカ粒子の含有量(濃度)は、研磨に使用する際の研磨液の全質量に対して、好ましくは0.1質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.5質量%〜10質量%であり、更に好ましくは1質量%〜8質量%である。即ち、コロイダルシリカ粒子の含有量は、充分な研磨速度比を達成する点で0.1質量%以上が好ましく、研磨傷の発生を効果的に抑制できる点で10質量以下が好ましい
本発明の研磨液には、コロイダルシリカ粒子以外の砥粒を、本発明の効果を損なわない限りにおいて併用することができるが、その場合でも、全砥粒のうち、コロイダルシリカ粒子の含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。研磨液中に含有される砥粒の全てがコロイダルシリカ粒子であってもよい。
本発明の研磨液において、コロイダルシリカ粒子と併用しうる砥粒としては、ヒュームドシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等の砥粒が挙げられる。これら併用砥粒のサイズは、コロイダルシリカ粒子と同等か、それ以上、また、2倍以下であることが好ましい。
〔(2)有機酸〕
本発明の研磨液は少なくとも1種の有機酸を含有する。ここでいう有機酸は、金属の酸化剤ではなく、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。有機酸としては、水溶性のものが望ましく、例えば、水溶性の有機酸又はアミノ酸が挙げられる。該有機酸又はアミノ酸の例としては、例えば、以下の群から選ばれたものがより適している。
即ち、有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、アセドアミドイミノ二酢酸、ニトリロ三プロパン酸、ニトリロ三メチルホスホン酸、ジヒドロキシエチルグリシン、トリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、又はそれらの混合物等が挙げられる。
また、アミノ酸としては、例えば、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等が挙げられる。
有機酸の中でも、充分な研磨速度比を達成する点からは、分子構造中にカルボキシル基を少なくとも1つの有する有機酸であることが好ましい。特にその中でも、下記一般式(I)で表される化合物が好ましく挙げられる。
一般式(I)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。
Rで表される炭素数2〜20のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられ、中でも、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましい。
Rで表されるアルキニレン基としては、炭素数2〜10のものが好ましく、具体的には、エチニレン基、プロピニレン基等が挙げられる。
Rで表されるシクロアルキレン基としては、具体的には、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基等が挙げられ、中でもシクロヘキシレン基が好ましい。
Rで表されるアリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、中でもフェニレン基が好ましい。
Rで表される各基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
Rで表される各基は、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、ジグリコール酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、良好な選択比を達成する点からエチレンジアミン四酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ジグリコール酸が好ましく、シュウ酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ジグリコール酸がより好ましい。
研磨液に含有される有機酸は、1種のみであってもよいし、2種以上が併用されてもよい。
研磨液における有機酸の含有量は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.0001質量%〜10質量%が好ましく、0.001質量%〜1質量%がより好ましく、0.01質量%〜1質量%が更に好ましい。即ち、有機酸の含有量は、充分な研磨速度を達成する点で、0.0001質量%以上が好ましく、良好な平坦性を維持する点から、10質量%以下が好ましい。
〔(3)ノニオン性界面活性剤及び親水性樹脂から選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤〕
本発明の研磨液は、ノニオン性界面活性剤及びノニオン性の親水性樹脂から選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤を含有する。
ノニオン性添加剤として適用しうるノニオン性界面活性剤としては、例えば、直鎖ポリアルキレン鎖、分鎖ポリアルキレン鎖を含む界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。
また、ノニオン性添加剤として適用しうるノニオン性の親水性樹脂としては、例えば、脱離基を構造中に有さない親水性樹脂が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂などの親水性樹脂が包含される。
研磨液に含有されるノニオン性添加剤の好適な態様としては、充分な研磨速度を達成する観点から、下記一般式(II)で表されるノニオン性界面活性剤、一般式(III)で表されるノニオン性界面活性剤、一般式(IV)で表されるノニオン性界面活性剤、一般式(V)で表される構成単位を含む親水性樹脂、及び一般式(VI)で表されるで表される構成単位を含む親水性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤が挙げられる。ここで、下記一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)で表される化合物は、ノニオン性添加剤として用いうるノニオン性界面活性剤であり、下記一般式(V)及び一般式(VI)で表される化合物は、ノニオン性添加剤として用いうるノニオン性の親水性樹脂である。
一般式(II)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルカルボニル基又はポリオキシエチレン鎖を表し、R及びRは互いに結合してもよい。
aは1〜10の整数を表す。
又はRで表される炭素数6〜30のアルキル基としては、具体的には、例えば、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基、トリアコンチル基等が挙げられ、中でも、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、又はオクタデシル基であることが好ましい。
又はRで表されるアルケニル基としては、炭素数6〜30のものが好ましく、具体的には、例えば、デセル基、ドデセル基、テトラデセル基、ヘキサデセル基、オクタデセル基、イコセル基、トリアコンル基等が挙げられ、中でも、ドデセル基、テトラデセル基、ヘキサデセル基、又はオクタデセル基であることが好ましい。
又はRで表されるシクロアルキル基としては、具体的には、例えば、シクロヘキシル基、アルキル置換体シクロヘキシル基等が好ましい。
又はRで表されるアルキルカルボニル基としては、炭素数6〜30のものが好ましく、具体的には、例えば、デシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、テトラデシルデシルカルボニル基、ヘキサデシルデシルカルボニル基、オクタデシルデシルカルボニル基、イコシルデシルカルボニル基、トリアコンチルデシルカルボニル度基等が挙げられ、中でも、ドデシルデシルカルボニル基、テトラデシルデシルカルボニル基、ヘキサデシルデシルカルボニル基、又はオクタデシルデシルカルボニル基であることが好ましい。
又はRで表されるアリール基としては、具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい。
又はRで表されるアラルキル基としては、炭素数8〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、ベンジル基等が挙げられる。
又はRで表されるポリオキシエチレン鎖(EO鎖)としては、分子量50〜1,000の範囲のEO鎖が好ましく、分子量50〜500の範囲のEO鎖がより好ましい。
及びRは、更に置換基を有していてもよく、導入しうる置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、イミノ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基等が挙げられる。
一般式(II)におけるaは、1〜10の整数であり、研磨液の安定性の観点からは、1〜10の整数であることがより好ましく、2以上10以下の整数であることがより好ましい。
一般式(II)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明に適用しうる一般式(II)で表される化合物は、これらに限定されるものではない。
一般式(III)中、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。bは1〜10の整数を表す。
で表される炭素数1〜20のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、イコシル基等が挙げられ、中でも、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキシル、イコシル基が好ましい。
で表されるアルキニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、イコシニル基等が挙げられ、中でも、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキシル、イコシル基等が挙げられ、中でも、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、ヘキシニル基、イコシニル基が好ましい。
で表されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、具体的には、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、中でも、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基が好ましい。
で表されるアリール基としては、具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、中でもフェニル基が好ましい
一般式(III)におけるbは、1〜10の整数であり、研磨液の安定性の観点からは、1〜10の整数であることがより好ましく、2以上10以下の整数であることがより好ましい。
一般式(III)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明に適用しうる一般式(III)で表される化合物は、これらに限定されるものではない。
一般式(IV)中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を表し、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。cは1〜10の整数を表す。mは1〜100の整数を表し、nは1〜100の整数を表す。
で表されるアルキレン基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、又はイコシレン基等が挙げられる。
で表されるアルケニレン基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、デセニレン基、ドデセニレン基、又はイコセニレン基等が挙げられる。
で表されるアルキニレン基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、ヘプチニレン基、オクチニレン基、デシニレン基、ドデシニレン基、イコシニレン基等が挙げられる。
で表されるシクロアルキレン基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、具体的には、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、又はシクロオクチレン基等が挙げられる。
で表されるアリーレン基としては、具体的には、例えば、フェニレン基、又はナフチレン基等が挙げられる。
、R、又はRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキシル基、又はイコシル基等が挙げられる。
、R、又はRで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ペンテニレン基、ヘキセニレン基、ヘプテニレン基、オクテニレン基、デセニレン基、ドデセニレン基、又はイコセニレン基、等が挙げられる。
、R、又はRで表されるアルキニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、デシニル基、ドデシニル基、イコシニル基等が挙げられ、中でも、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキシル、イコシル基等が挙げられる。
、R、又はRで表されるシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、具体的には、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、又はシクロオクチレン基等が挙げられる。
、R、又はRで表されるアリール基としては、具体的には、例えば、フェニル基、又はナフチル基等が挙げられる。
、R、又はRで表されるアラルキル基としては、炭素数8〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、ベンジル基等が挙げられる
で表される、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基としては、具体的には、R、R、又はRとして表される、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基の具体例として上述した基が挙げられる。
一般式(IV)におけるcは、1〜100の整数であり、1〜50の整数であることがよりが好ましい。
mは1〜100を表し、1〜20であることがより好ましい。nは1〜100を表し、1〜20であることがより好ましい。
一般式(IV)で表される化合物の分子量(Mw)は、1500〜3000が好ましい。
一般式(IV)で表される化合物の好ましい具体例を以下に示すが、本発明に適用しうる一般式(IV)で表される化合物は、これに限定されるものではない。
一般式(V)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。ppは5以上の整数を表す。
で表される炭素数1〜20のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
で表されるアルキニレン基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、ヘプチニレン基、オクチニレン基、デシニレン基、ドデシニレン基、イコシニレン基等が挙げられる。
で表されるシクロアルキレン基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、具体的には、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
で表されるアリーレン基としては、具体的には、例えば、フェニレン基、又はナフチレン基等が挙げられる。
が、上述した各基を2以上組み合わせてなる基である場合、そのような基として具体的には、それらの基の例として上述した各基を組み合わせてなる基が挙げられる。
また、Rは、導入可能な場合、更に置換基を有してもよい。
pは、5以上の整数であり、分散安定性の観点からは、5〜10000の整数であることがよりが好ましく、10〜5000の整数であることがより好ましい。
一般式(V)で表される化合物の分子量(Mw)は、200〜200000であることが好ましく、500〜50000であることがより好ましい。
一般式(V)で表される構成単位を含む親水性樹脂の好ましい具体例を以下に示すが、本発明に適用しうる一般式(V))で表される構成単位を含む親水性樹脂は、これらに限定されるものではない。
一般式(VI)中、R10は、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。qは5以上の整数を表す。*は隣接する構成単位との連結部位を表す。
10で表される炭素数1〜20のアルキレン基としては、具体的には、例えば、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
10で表されるアルキニレン基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体的には、例えば、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基、ヘプチニレン基、オクチニレン基、デシニレン基、ドデシニレン基、ヘキシニレン基、イコシニレン基等が挙げられ、中でも、オクチレン基、デシレン基、ドデシレン基、ヘキシレン、イコシニレン基等が挙げられ、中でも、オクチニレン基、デシニレン基、ドデシニレン基、ヘキシニレン基、イコシニレン基が好ましい
10で表されるシクロアルキレン基としては、炭素数5〜8のものが好ましく、具体的には、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等が挙げられ、中でも、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基が好ましい。
10で表されるアリーレン基としては、具体的には、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、等が挙げられる。
10が、上述した各基を2以上組み合わせてなる基である場合、そのような基として具体的には、それらの基の例として上述した各基を組み合わせてなる基が挙げられる。
また、R10は、導入可能な場合、更に置換基を有してもよい。
pは、5以上の整数であり、分散安定性の観点からは、5〜10000の整数であることがよりが好ましく、10〜5000の整数であることがより好ましい。
一般式(VI)で表される化合物の分子量(Mw)は、200〜200000であることが好ましく、500〜50000であることがより好ましい。
一般式(VI))で表される構成単位を含む親水性樹脂の好ましい具体例を以下に示すが、本発明に適用しうる一般式(VI))で表される構成単位を含む親水性樹脂は、これらに限定されるものではない。
研磨液に含有されるノニオン性添加剤は、1種のみであってもよいし2種以上を併用してもよい。また、ノニオン性添加剤を2種以上併用する場合には、ノニオン性界面活性剤及び親水性樹脂のいずれか一方を含有してもよいし、双方を含有してもよい。
研磨液に含有されるノニオン性添加剤の総量は、研磨に使用する際の研磨液の全質量に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.001質量%〜0.5質量%がより好ましく、0.005質量%〜0.5質量%が更に好ましい。
〔その他の成分〕
(pH調整剤)
本発明の研磨液は、pH1.5〜7.0であることを要し、pH1.5〜5.0の範囲であることが好ましい。本発明の研磨液は、pHがこの範囲において優れた効果を発揮する。
研磨液のpHを上記範囲に調整するためには、アルカリ/酸又は緩衝剤が用いられる。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、アンモニア、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
(腐食抑制剤)
本発明の研磨液は、被研磨表面に吸着して皮膜を形成し、金属表面の腐食を制御する腐食抑制剤を含有する。本発明における腐食抑制剤としては、分子内に3以上の窒素原子を有し、且つ、縮環構造を有する複素芳香環化合物を含有することが好ましい。ここで、「3以上の窒素原子」は、縮環を構成する原子であることが好ましく、このような複素芳香環化合物としては、ベンゾトリアゾール、及び該ベンゾトリアゾールに種々の置換基が導入されてなる誘導体であることが好ましい。
腐食抑制剤としては、ベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、中でも、1,2,3−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−(1,2−ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、及び1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾールから選ばれることがより好ましい。
このような腐食抑制剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の質量に対して、0.01質量%〜0.2質量%が好ましく、0.05質量%〜0.2質量%が更に好ましい。即ち、このような腐食抑制剤の添加量は、ディッシングを拡大させない点で、0.01質量%以上が好ましく、保存安定性の点から、0.2質量%以下が好ましい。
(キレート剤)
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−アミノトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用してもよい。
キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
〔研磨対象〕
本発明の研磨液が適用される研磨対象は、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む第1層と、窒化ケイ素を含む第2層と、を少なくとも有して構成される被研磨体である。より詳細には、電極材料としてポリシリコン又は変性ポリシリコンを適用し、CMPにより、半導体集積回路におけるゲート電極の形成を実施する際に好適に用いられるものである。
なお、本発明における「変性ポリシリコン」は、ポリシリコンにBやP等の不純物元素をドーブしたシリコンを包含するものである。
通常、ゲート電極形成に際しては、基板表面に酸化ケイ素などからなる層を形成し、そこにエッチング等により凹部を形成し、形成された凹部にポリシリコン又は変性ポリシリコンを充填して第1の層を形成する。次に、その表面に研磨停止層、エッチング停止層の目的で、窒化ケイ素を含む第2層を積層する。
ゲート電極形成用のCMPでは、この第2層表面から研磨を開始し、第2層の研磨が進行し、第1層表面が露出したとき、研磨速度が急速に低下して第2層の研磨が終了したことが検知され、ゲート電極に用いられるポリシリコン又は変性ポリシリコン表の過研磨が抑制される。
その後、電極として機能するポリシリコン又は変性ポリシリコンとその周辺部の必要な酸化ケイ素層以外の箇所をエッチングにより除去することでゲート電極が形成される。
[研磨方法]
本発明の研磨方法は、既述した本発明の研磨液を用いるものであり、研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする。
本発明の研磨液は、1.濃縮液であって、使用する際に水又は水溶液を加えて希釈して使用液とする場合、2.各成分が次項に述べる水溶液の形態で準備され、これらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、3.使用液として調製されている場合がある。本発明の研磨方法には、はいずれの場合の研磨液も適用可能である。
研磨に用いられる装置としては、被研磨面を有する被研磨体(例えば、導電性材料膜が形成されたウエハ等)を保持するホルダーと、研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は被研磨体が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する被研磨体の研磨パッドへの押しつけ圧力は、0.68〜34.5kPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨体の面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、3.40〜20.7kPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには、研磨液をポンプ等で連続的に供給する。
研磨終了後の被研磨体は、流水中でよく洗浄された後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。
本発明において、前記1.の方法のように、濃縮液を希釈する際には、下記に示す水溶液を用いることができる。水溶液は、予め、有機酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水であり、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分と、を合計した成分が、研磨する際に使用する研磨液(使用液)の成分となるようにする。
このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液の使用液を研磨パッドに供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
更に、濃縮液を水又は水溶液などにより希釈しつつ、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
また、別の研磨方法としては、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法がある。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、例えば、添加剤、及び界面活性剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、それらを使用する際に水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
上記のような例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法である。
その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法がある。
上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、1つの構成成分と他の構成成分とを混合する際、又は、水若しくは水溶液を加え希釈する際に、液温を40℃以下とするようにすることができる。この方法は、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用し、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
上記の他の構成成分を室温から100℃の範囲で加温することで溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、低温状態の他の構成成分を用いる場合は、予め加温して析出した原料を溶解させる必要がある。これには、加温し、原料が溶解した他の構成成分を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し、配管を加温して溶解させる手段と、を採用することができる。加温した他の構成成分が、酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解する恐れがあるので、この加温した他の構成成分と酸化剤を含む1つの構成成分とを混合した場合、40℃以下となるようにすることが好ましい。
このように、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして被研磨面に供給してもよい。
本発明において、本発明においては、研磨液の成分を二分割以上に分割して、被研磨面に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの供給量の合計を表すものである。
〔パッド〕
本発明の研磨方法に適用しうる研磨用の研磨パッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に、一般的に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては、不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、被研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明における研磨液でCMPを行なう対象の被研磨体としてのウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
〔研磨装置〕
本発明の研磨液を用いて研磨を実施できる装置は、特に限定されないが、MA−300D(ムサシノ電子(株))、Mirra Mesa CMP、Reflexion CMP(アプライドマテリアルズ)、FREX200、FREX300 (荏原製作所)、NPS3301、NPS2301(ニコン)、A−FP−310A、A−FP−210A(東京精密)、2300 TERES(ラムリサーチ)、Momentum(Speedfam IPEC)などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−2〕
<研磨液の調製>
下記に示す組成及びpHを有する各研磨液(実施例1−1〜1−4の研磨液、及び比較例1−1〜1−2の研磨液)を調製した。
−研磨液組成−
・コロイダルシリカ粒子:A1 200g/L
・有機酸:クエン酸 0.5g/L
・非イオン界面活性剤:D9 0.05g/L
純水を加えて全量 1,000mL
pH(アンモニア水と硝酸で調整) 表2に示すpH
なお、本明細書における各実施例において、砥粒として用いたコロイダルシリカ粒子(A1〜A5)の形状及び粒径は下記表1に示す通りである。
〔評価〕
各研磨液を用いてCMPを行い、ポリシリコン層(p−Si層)の研磨における研磨速度のpH依存性について研磨評価を行った。評価方法は以下の通りである。
<評価方法>
−研磨装置−
研磨装置としてムサシノ電子社製装置「MA-300D」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、研磨対象物として下記に示すウエハを研磨した。
テ−ブル回転数: 112rpm
ヘッド回転数: 113rpm
研磨圧力: 18.4kPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 IC1400 XY−K−Pad
研磨液供給速度: 50ml/min
−研磨対象物−
研磨対象物としては、Si基板上にポリシリコン層を成膜した8インチウエハを、6cm×6cmにカットしたカットウエハを使用した。
−研磨速度−
研磨速度は、ポリシリコン層(p−Si層)について、研磨前後の層厚(nm)を測定し、下記式により算出した。
研磨速度(nm/分)=(研磨前の層厚−研磨後の層厚)/研磨時間
なお、層厚は、非接触式膜厚測定器FE-33(大塚電子製)により測定した。
得られた結果を表2に示す。なお、実施例1−1〜1−4及び比較例1−1〜1−4の各研磨液を用いて、CMPを実施した際における研磨速度(nm/mim)のpH依存性を示すグラフを図1に示した。
表2に示されるように、本発明の研磨液である実施例1−1〜1−4の研磨液は、ポリシリコン層に対する研磨速度が顕著に抑制されている一方、pHが本発明の研磨液の範囲外である比較例1−1〜1−4の研磨液は、各実施例の研磨液との対比においてポリシリコン層に対する研磨速度が上昇することが確認された。このことから、本発明の研磨液は、ポリシリコン層に対する特異的な研磨抑制の観点から、そのpHが1.5〜7の範囲であることが必須であることが確認された。
〔実施例2−1〕
<研磨液の調製>
下記に示す組成及びpHを有する研磨液(実施例2−1の研磨液)を調製した。
−研磨液組成−
・コロイダルシリカ粒子:A1 200g/L
・有機酸:クエン酸 0.5g/L
・ノニオン性添加剤:D1 0.10g/L
純水を加えて全量 1.000mL
pH(アンモニア水と硝酸で調整) 2.0
〔評価〕
実施例2の研磨液を用いて研磨評価を行った。
<評価方法>
−研磨装置−
研磨装置としてムサシノ電子社製装置「MA-300D」を使用し、下記の条件で、スラリーを供給しながら、研磨対象として下記に示すウエハを研磨した。
テ−ブル回転数: 112rpm
ヘッド回転数: 113rpm
研磨圧力: 18.4kPa
研磨パッド:ロデール・ニッタ株式会社製 IC1400 XY−K−Pad
研磨液供給速度: 50ml/min
−研磨対象物−
研磨対象物としては、Si基板上に、ポリシリコン層(p−Si層)、酸化シリコン層(SiO層)、窒化シリコン層(Si層)それぞれを成膜した8インチウエハを、6cm×6cmにカットしたカットウエハを使用した。
−研磨速度、研磨速度比−
研磨速度は、ポリシリコン層(p−Si層)、酸化シリコン層(SiO層)、及び窒化シリコン層(Si層)の各々について、研磨前後の層厚(nm)を測定し、下記式により算出した。なお、層厚は、非接触式膜厚測定器FE-33(大塚電子製)により測定した。
研磨速度(nm/分)=(研磨前の層厚−研磨後の層厚)/研磨時間
また、RR(other)/RR(p−Si)で表される研磨速度比について、p−Si層とSiO層、p−Si層とSi層について算出した。
得られた結果を表3に示す。
〔実施例2−1〜2−19、比較例2−1〜2−4〕
実施例2−1の研磨液の調製において、コロイダルシリカ粒子(研磨粒子)、ノニオン性添加剤、及び有機酸を下記表3に示す成分に変更し、pHを表3に示すように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、実施例2−1〜2−19及び比較例2−1〜2−4の各研磨液を調製した。
実施例2−1〜2−19及び比較例2−1〜2−4の各研磨液について、実施例2−1と同様にして、研磨速度及び研磨速度比を評価し、その評価結果を表3に示した。
なお、砥粒として用いたコロイダルシリカ粒子A1〜A5は、前記表1に示した通りである。
表3に示されるように、実施例の各研磨液は比較例の各研磨液との対比において、CMPに用いた際に、ポリシリコン層(p−Si層)以外のケイ素系材料を含む層(SiO層、Si層)に対しては研磨速度が迅速であり、且つ、ポリシリコン層の研磨は選択的に抑制するものであることが分った。
実施例の研磨液によるp−Si層に対する研磨速度のpH依存性を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 半導体集積回路を作製する際の平坦化工程において、ポリシリコン又は変性ポリシリコンを含む第1層と、窒化ケイ素を含む第2層と、を少なくとも有して構成される被研磨体の化学的機械的研磨に用いられ、下記(1)、(2)及び(3)で示される各成分を含有し、pHが1.5〜7.0であり、且つ、前記第1層に対して前記第2層を選択的に研磨しうることを特徴とする研磨液。
    (1)コロイダルシリカ粒子
    (2)有機酸
    (3)ノニオン性界面活性剤及びノニオン性の親水性樹脂から選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤
  2. 前記第1層の研磨速度をRR(p−Si)とし、前記第2層の研磨速度をRR(other)とした場合に、RR(other)/RR(p−Si)で表される研磨速度比が1.5〜200の範囲で前記被研磨体を研磨しうることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
  3. 前記コロイダルシリカの濃度が、研磨液の全質量に対して0.1質量%〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨液。
  4. 前記コロイダルシリカが、平均一次粒径が5nm〜100nmであり、且つ平均二次粒径が10nm〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨液。
  5. 前記有機酸が、その分子構造中に少なくとも1つのカルボキシル基を含む有機酸であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の研磨液。
  6. 前記有機酸が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の研磨液。

    [一般式(I)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。これらの基は更にその他の官能基によって置換されていても良い。]
  7. 前記有機酸の濃度が、研磨液の全質量に対して0.001質量%〜3質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
  8. 前記ノニオン性添加剤が、下記一般式(II)で表されるノニオン性界面活性剤、下記一般式(III)で表されるノニオン性界面活性剤、下記一般式(IV)で表されるノニオン性界面活性剤、下記一般式(V)で表される構成単位を含む親水性樹脂、及び下記一般式(VI)で表される構成単位を含む親水性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の研磨液。

    [一般式(II)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、炭素数6〜30のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルカルボニル基、又はポリオキシエチレン鎖を表し、R及びRは互いに結合してもよい。aは1〜10の整数を表す。]

    [一般式(III)中、Rは、炭素数6〜20のアルキル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。bは1〜10の整数を表す。]

    [一般式(IV)中、Rは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はアラルキレン基を表し、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。cは1〜10の整数を表す。mは1〜100の整数を表し、nは1〜100の整数を表す。]

    [一般式(V)中、Rは、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。pは5以上の整数を表す。]

    [一般式(VI)中、R10は、炭素数1〜20のアルキレン基、アルキニレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、又はこれらの基を2以上組み合わせてなる基を表す。
    qは5以上の整数を表す。]
  9. 前記ノニオン性添加剤が、前記一般式(II)で表されるノニオン性界面活性剤、前記一般式(IV)で表されるノニオン性界面活性剤、及び前記一般式(V)で表される構成単位を含む親水性樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のノニオン性添加剤であることを特徴とする請求項8に記載の研磨液。
  10. 前記ノニオン性添加剤の濃度が、研磨液の全質量に対し0.001質量%〜1質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の研磨液。
  11. pHが3.5〜7.0であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の研磨液。
  12. pHが5.0〜7.0であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の研磨液。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の研磨液を、研磨定盤上の研磨パッドに供給し、該研磨定盤を回転させることで、該研磨パッドを被研磨体の被研磨面と接触させつつ相対運動させて研磨することを特徴とする研磨方法。
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