JP5437675B2 - 磁気擾乱低減材、磁気擾乱低減材を使用したインプラント材又は建材、及びその製造方法 - Google Patents

磁気擾乱低減材、磁気擾乱低減材を使用したインプラント材又は建材、及びその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、磁場の内部又は周囲に配置される材であって、この磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材と、この磁気擾乱低減材を使用したインプラント材又は建材、及びこれらの製造方法に関する。
強磁場の内部又は周囲に磁性材料が配置された場合には、この磁性材料が磁化されることで誘導磁場が生成され、磁気擾乱が生じることが知られている。例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)室の内部に磁性材料が配置された場合には、この磁気擾乱が生じることによって人工偽像(artifact)が形成されてしまう。MRIにおいては、静磁場の不均一な領域は空間変化として解釈されるので、誘導磁場の強度が強くなるに伴って偽像も大きくなり、MRI画像上の歪みや信号欠損の要因になる。
例えば、MRI室の内部に配置される可能性がある磁性材料としては、人体内に埋め込まれる金属体内埋め込み材(以下「インプラント材」)がある。インプラント材としては、例えば、人工腰関節、人工歯、冠動脈ステント、あるいは脳動脈瘤クリップがある(例えば、人工歯に関しては非特許文献1、脳動脈瘤クリップに関しては非特許文献2参照)。従来、このようなインプラント材に起因する偽像の大きさは、インプラント材の磁化率の大きさに比例して形成されると考えられていた。このため、インプラント材を構成する材料としては、磁化率が小さい常磁性体材料であって、かつ、所要強度を有すると共に、人体に対する毒性がない材料、例えば、チタン(Ti)、コバルト・クロム・モリブデン合金(Co−Cr−Mo)が用いられていた。
また、インプラント材の他に、MRI室の内部や周囲に配置される可能性がある磁性材料としては、MRI室を建築するために使用される金属建材として、構造材料(柱、梁、床の鉄筋、鉄骨等)や仕上げ材料(天井吊ボルト、天井下地、グレーチング枠、間仕切り壁の下地、ダクト)等がある。このような建材を構成する材料としては、磁化率が小さい常磁性体材料であって、かつ、所要強度を有する材料、例えば、ステンレス鋼材やマンガン鋼材が用いられていた。
ここで、上述のように、インプラント材に起因する偽像の大きさは、インプラント材の磁化率の大きさに比例して形成されると考えられていたが、近年、低磁化率の材料でも偽像を発生させることが認められた。この理由は、主に常磁性体である材料の磁化率と反磁性体である人体組織の磁化率が異なるためであり、偽像の大きさは、材料の磁化率と人体の磁化率の差に比例するものと考えられる。このため、材料の磁化率を低減して人体の磁化率との差を小さくする試みが行われており、例えば、コバルト・クロム・モリブデン合金にジリコリウム(Zr)を加えることが試みられている。しかしながら、Co−29Cr−6Mo合金の電子軌道はすでに詰まっているので、Zrなどの元素を添加しても、これ以上常磁性磁化率を低減させることは限界であることから(例えば非特許文献3参照)、これまでの材料の改良技術的範囲内で、偽像を低減できる材料を作り出すことが要望されている。
このように、これまでの材料の改良技術的範囲内で偽像を低減するための方法として、誘導磁場の方向が異なる2種類の材料を組み合わせる方法が提案されている。例えば、球形の反磁性体(ビスマス材)の周囲を常磁性体(チタニウム材)で覆うことにより構成された複層球形モデルにおいて、当該複層球形モデルの外側における誘導磁場を完全にキャンセルすることができる関係が解析されている(例えば、非特許文献4参照)。具体的には、反磁性体の透磁率、反磁性体の半径、常磁性体の透磁率、及び常磁性体の半径を所定の関係とすることにより、複層球形モデルの外側の磁力線をほぼゼロにすることができる。
ジェイ・スタキュコバ(J. Starcukova),ゼット・スタキュ・ジュニア(Z. Starcuk Jr),エイチ・フバルコバ(H. Hubalkova),アイ・リネツキー(I. Linetskiy),「金属歯材料における磁化率及び導電率と、MR偽像におけるその影響(Magnetic susceptibility and electrical conductivity of metallic dental materials and their impact on MR imaging artifacts)」,歯科材料(DENTAL MATERIALS),2008年6月,第24巻,715−723頁 ディー・ウェイシャウプト(D. Weishaupt),エイチ・エイチ・クイック(H. H. Quick),ディー・ナンズ(D. Nanz),エム・シュミット(M. Schmidt),ピー・シー・カッシーナ(P. C. Cassina),ジェイ・エフ・デバティン(J. F. Debatin),「1.5Tでの3次元MR血管造影のための結合クリップ:試験管内評価(Ligating Clips for Three−dimensional MR Angiography at 1.5 T: In vitro Evaluation)」,放射線学(Radiology),2000年3月,902−907頁 能登宏七監修,千葉晶彦他,「磁気活用技術」(3.3 磁場を用いた実用Co合金の組織制御),工業調査会,29−38頁 ビー・チューベル(B. Chauvel),ジー・カセリネアウ(G. Cathelineau),ジェイ・ラサーフ(J. Lacerf)、ジェイ・ディー・デ・カーテインズ(J. D. de Certaines),「常磁性材料と反磁性材料の二重構造による金属誘導MRI偽像の除去:数学モデルと実証(Cancellation of Metal−Induced MRI Artifacts with Dual− Component Paramagnetic and Diamagnetic Material: Mathematical Modelization and Experimental Verification)」,磁気共鳴画像ジャーナル(Journal of Magnetic Resonance Imaging),1996年11月/12月,第6巻,第6号,937−938頁
しかしながら、上記非特許文献2の解析では、数値解析を用いた解析手法の限界から、解析対象を球形モデルに限定しており、現実に使用されるインプラント材や建材の形状に適合しないため、これら現実に使用される材に対して当該解析結果をそのまま適用することができない。特に、インプラント材は一般には棒状材または中空のクリップ状材として形成されることが多く、建材は一般には棒状材として形成されることが多いが、このような棒状材等の場合には球体と異なり、一様磁場の方向と棒状材とが平行の場合と、一様磁場の方向と棒状材とが直交する場合とで、誘導磁場に起因する偽像の範囲が異なる等、従来の解析結果とは異なる新たな知見が必要になっていた。また、上記従来の解析方法では、解析対象である球形モデルの外部が真空状態であることを前提としており、MRI撮影時に現実にはあり得ない状態を前提としていたので、現実に想定し得る状況下での解析を行うことが要望されていた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、棒状材であっても磁気擾乱を低減することが可能な磁気擾乱低減材と、この磁気擾乱低減材を使用したインプラント材又は建材、及びこれらの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、磁場の内部又は周囲に配置される材であって、前記磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材であり、長尺状の芯材と、当該芯材の長手方向の端面を覆う被覆材とを備え、前記芯材と前記被覆材のうち、一方が常磁性材料を含むと共に、他方が反磁性材料を含む。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、前記長尺状の芯材は、中実棒状体である。
請求項3に係る本発明は、請求項2に係る本発明において、前記芯材又は前記被覆材の端面を凸曲面状とした。
請求項4に係る本発明は、請求項1から3のいずれか一項に係る本発明において、前記芯材の長手方向に沿った側面を前記被覆材で覆った。
請求項5に係る本発明は、請求項1から4のいずれか一項に係る本発明において、前記芯材の長手方向の両端の各々における前記端面の全面を前記被覆材で覆った。
請求項6に係る本発明は、前記請求項1からのいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材を使用したインプラント材である。
請求項7に係る本発明は、前記請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材を使用した建材である。
請求項8に係る本発明は、前記磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材を製造するための製造方法であって、長尺状の芯材を、常磁性材料又は反磁性材料の一方で形成する芯材形成工程と、前記芯材の長手方向の両端面の各々を、常磁性材料又は反磁性材料の他方を含む被覆材で被覆する被覆工程とを含む。
請求項1に係る発明によれば、従来のような球状体ではなく、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い長尺状の磁気擾乱低減材に関しても磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。特に、芯材を長尺状とした場合において、特に磁気擾乱が集中する当該芯材の端面のみを被覆材で覆うことで、最小限の被覆材を用いて磁気擾乱を効果的に低減することが可能となる。例えば、MRI装置の磁場は、現在は1.5Tや3Tが主流であるが、将来はさらに高磁場化することが予測されており、この磁場が7Tや11.7Tとなれば、MRI装置周辺の建築材料、天井吊ボルト、床鉄筋、グレーチング材料による偽像への影響も大きくなると考えられ、本実施の形態に係る磁気擾乱低減材の有効性は増大する。
また、請求項2に係る発明によれば、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い中実棒状体の磁気擾乱低減材に関しても磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。
また、請求項3に係る発明によれば、芯材を棒状とした場合において、特に磁気擾乱が集中する芯材や被覆材の角部を除去して凸曲面状とすることで、磁気擾乱を一層効果的に低減することが可能となる。
また、請求項4に係る発明によれば、芯材の端部のみでなく側面も被覆材で被覆することで、磁気擾乱を一層低減することができる。
また、請求項に係る発明によれば、インプラント材を体内に埋め込まれた人がMRI室に入った場合であっても、このインプラント材による磁気擾乱を低減でき、MRI画像の信頼性や正確性を向上させることが可能となる。
また、請求項に係る発明によれば、建材がMRI室の内部構造や周囲構造に使用された場合であっても、この建材に起因する磁気擾乱を低減できるので、信頼性の高いMRI室を構築することが可能となる。
また、請求項に係る発明によれば、従来のような球状体ではなく、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い長尺状の磁気擾乱低減材に関してもその端面を被覆材で多くことで磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る磁気擾乱低減材の斜視図である。 図1のA−A矢視断面図である。 磁気擾乱低減材の各部の最適値を特定するための解析モデルを示す図である。 図3の解析モデルによる、常磁性材料の磁化率が比較的大きい場合の解析結果を示す図であり、(a)は反磁性材料を省略した場合の比較モデルによる解析結果、(b)は本実施の形態1による反磁性材料を用いた解析モデルによる解析結果、(c)は(b)とは被覆材の端面及び側面の厚みを変えた解析モデルによる解析結果を示す図である。 図3の解析モデルによる、常磁性材料の磁化率が比較的小さい場合の解析結果を示す図であり、(a)は反磁性材料を省略した場合の比較モデルによる解析結果、(b)は本実施の形態1による反磁性材料を用いた解析モデルによる解析結果を示す図である。 第1の製造方法を概念的に示す図である。 第2の製造方法を概念的に示す図である。 第3の製造方法を概念的に示す図である。 第4の製造方法を概念的に示す図である。 実施の形態2に係る磁気擾乱低減材の斜視図である。 図10のA−A矢視断面図である。 実施の形態2に係る磁気擾乱低減材の変形例の斜視図である。 実施の形態3に係る磁気擾乱低減材の斜視図である。 図13のA−A矢視断面図である。 解析モデルによる解析結果を示す図であり、目的関数を最小にする被覆材の厚みを示す図である。 解析モデルによる解析結果(被覆材の端面の厚み)を示す図であり、図15を常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率の2軸で示した図である。 解析モデルによる解析結果を示す図であり、最適化された場合の目的関数の値を示す図である。 反磁性材料にて形成された被覆材を省略した場合における、常磁性材料の磁化率と目的関数の大きさ(磁気擾乱の最大値)との関係を示す図である。 常磁性材料と反磁性材料を組み合わせた場合の解析結果を示す図であり、(a)は反磁性材料による被覆材を省略したケースの解析結果を示す図、(b)〜(d)は反磁性材料の磁化率を変えたケースの解析結果を示す図である。 反磁性材料の磁化率と被覆材の側面の厚みとの関係を示す図である。 反磁性材料の磁化率と目的関数との関係を示す図である。 反磁性材料を省略した場合の解析結果を示す図である。 反磁性材料を設けた場合の解析結果を示す図である。 実施の形態4に係る磁気擾乱低減材を示す図であり、(a)は実施の形態4に係る磁気擾乱低減材の側面図、(b)は(a)の磁気擾乱低減材の中間解析モデルを示す図、(c)(d)は(a)の磁気擾乱低減材の解析モデルと磁場Boの方向を示す図である。 図24(c)のA領域の拡大図である。 図24(c)の解析モデルによる解析結果を示す図であり、常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率の絶対値をパラメータとして有限要素法により求めた磁気擾乱の最大値を示す図であって、目的関数を最小にする被覆材の端面の厚みを示す図である。 図26の解析結果(被覆材の端面の厚み)を常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率の絶対値の2軸で示した図である。 図24(d)の解析モデルによる解析結果を示す図であり、常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率の絶対値をパラメータとして有限要素法により求めた磁気擾乱の最大値を示す図であって、目的関数を最小にする被覆材の端面の厚みを示す図である。 図28の解析結果(被覆材の端面の厚み)を常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率の絶対値の2軸で示した図である。 図24(c)の印加方向における、常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率をパラメータとして有限要素法により求めた最適化された場合の目的関数の値を示す図である。 図24(d)の印加方向における、常磁性材料の磁化率と反磁性材料の磁化率をパラメータとして有限要素法により求めた最適化された場合の目的関数の値を示す図である。 反磁性材料にて形成された被覆材を省略した場合で、図24(c)の印加方向において、常磁性材料にて形成された芯材のみによって磁気擾乱低減材を構成した場合における、常磁性材料の磁化率と目的関数の大きさ(磁気擾乱の最大値)との関係を示す図である。 反磁性材料にて形成された被覆材を省略した場合で、図24(d)の印加方向において、常磁性材料にて形成された芯材のみによって磁気擾乱低減材を構成した場合における、常磁性材料の磁化率と目的関数の大きさ(磁気擾乱の最大値)との関係を示す図である。
以下に添付図面を参照して、各発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る磁気擾乱低減材は、磁場の内部又は周囲に配置される材であり、その具体的な目的な構造は特記する場合を除いて任意であるが、少なくとも、インプラント材自体又は建材自体として使用され、あるいは、これらインプラント材又は建材の少なくとも一部の部材として使用されるものを含む。インプラント材は、上述した人工腰関節、人工歯、冠動脈ステント、あるいは脳動脈瘤クリップ(以下「クリップ」)を含む。建材は、構造材料(柱、梁、床の鉄筋、鉄骨等)や仕上げ材料(天井吊ボルト、天井下地、グレーチング枠、間仕切り壁の下地、ダクト)を含む。
このような前提において、各実施の形態に共通の基本的特徴の一つは、磁気擾乱低減材は、長尺状の芯材と、当該芯材の長手方向の端部を覆う被覆材とを備えて構成されており、これら芯材と被覆材のうち、一方が常磁性材料を含むと共に、他方が反磁性材料を含む点にある。このように、長尺状の常磁性材料の端部を反磁性材料で覆い、あるいは、長尺状の反磁性材料の端部を常磁性材料で覆うことにより、長尺材による磁気擾乱を効率的に低減することが可能となる。
ここで、長尺状とは、棒状(丸棒状及び角棒状を含む)、この棒状の材から形成されたクリップ形状、及び長板状を含む概念であり、例えば、その長手方向寸法と短手方向寸法との比率はインプラント材の場合において5〜26:1前後である(材の寸法は、一例として、長さ=150mm〜400mmに対して直径=15mm〜30mmとすることができるが、その使用目的及び必要機能に応じて異なる寸法で構成することができる)。以下では、棒状の材について説明する。また、常磁性材料とは、チタンやコバルト・クロム・モリブデン合金に加えて、後述する目的関数を満たす磁化率を有する全ての常磁性材料を含む。また、反磁性材料とは、インジウム、アルミナ、モリブデン、ビスマス、ダイヤモンド、鉛、銀に加えて、後述する目的関数を満たす磁化率を有する全ての反磁性材料を含む。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、各実施の形態に係る磁気擾乱低減材及びその製造方法の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この形態は、常磁性材料にて形成した棒状の芯材の端部を、反磁性材料で覆った形態である。
(構成)
図1は本実施の形態1に係る磁気擾乱低減材の斜視図、図2は図1のA−A矢視断面図である。この磁気擾乱低減材1は、芯材2と被覆材3から構成されている。芯材2は、常磁性材料にて丸棒状に形成されている。一方、被覆材3は、反磁性材料で形成されており、芯材2の長手方向の両端部を覆っている。すなわち、被覆材3は、芯材2の外径よりも大きな径で、かつ、芯材2の半分の長さよりもさらに短い長さの丸筒状体であり、芯材2の長手方向の両端部において、この芯材2と同心状となるように配置されている。
次に、このように構成された磁気擾乱低減材1の各部の最適値を特定するための解析結果について説明する。図3には、この解析に用いた解析モデルを示す。この解析モデルは、長さ150mm×直径4mmの丸棒モデルを簡略化した角棒状の磁気擾乱低減材1であり、常磁性材料(コバルト・クロム・モリブデン合金)により形成した芯材2を、側面の厚みl×端面の厚みlの反磁性材料として形成した被覆材3にて被覆した磁気擾乱低減材1を、長さ1500mm×深さ40mmの水中に配置したものであり、一様な磁束密度の磁場をz方向に印加した場合を想定している(図3には磁気擾乱低減材1及び水中の左上4分の1の部分のみを示す)。ここでは、水の磁化率χwater=−9.035×10−6とし、制約条件として、被覆材3の側面の厚みlを、l≦1.0mm、被覆材3の端面の厚みlを、l≦1.0mm、反磁性材料の磁化率χdiaを、−1.0×10−4≦χdia≦−1.0×10−5とした。目的関数Wは、磁気擾乱低減材1と水との境界領域Rにおける磁気擾乱の最大値Bdisturbanceであり、以下の式(1)で表わされる(Bは図3のr方向の磁気擾乱、Bは図3のz方向の磁気擾乱、Bは印加磁場)。ここでは、目的関数Wの最大値Bdisturbanceの最小値を求めた。また、図3に示す境界領域R2は、常磁性材料にて形成した芯材2のみを配置した場合における当該芯材2と水との境界領域であり、境界領域Rと対比評価される領域である。また、図3において、rは境界領域Rのr方向の厚み、zは境界領域Rのz方向の厚みである(境界領域Rに関して、75.0≦z≦75.25かつ0.0≦r≦2.25、又は、0.0≦z≦75.0かつ2.0≦r≦2.25)(境界領域R2に関して、74.0≦z≦74.25かつ0.0≦r≦1.25、又は、0.0≦z≦74.0かつ1.0≦r≦1.25)。
Figure 0005437675
このような解析モデルによる解析結果を図4に示す。図4(a)には、反磁性材料を省略した場合の比較モデルによる解析結果、図4(b)には、本実施の形態による反磁性材料を用いた解析モデルによる解析結果、図4(c)には、本実施の形態による反磁性材料を用いた解析モデルであって、図4(b)とは被覆材3の端面及び側面の厚みを変えた解析モデルによる解析結果を示す。この図4の解析では、単位磁束密度ベクトルの磁場を1.5×10−3T、常磁性材料の磁化率χpara=1.0×10−3、図4(b)(c)における反磁性材料の磁化率χdia=−1.0×10−3とした。目的関数Wの最大値Bdisturbanceの最小値は、図4(a)でW=1.2×10−3T(図3の境界領域R2に対応する領域における最小値)、図4(b)でW=5.78×10−5T(図3の境界領域Rに対応する領域における最小値)、図4(c)でW=7.03×10−4T(図3の境界領域Rに対応する領域における最小値)となった。これらの結果から、図4(a)に比べて図4(b)(c)は最大値Bdisturbanceの最小値に関して大きな差異はなく、また、図4(b)(c)の場合において、図3の境界領域Rに対応する領域や図4(b)(c)に示した領域Pでは、外部への磁束漏れが大きいことが判った。このため、芯材2の端部を被覆材3で覆ったことによる磁気擾乱低減効果は、必ずしも高いとは言えないことが判った。
しかしながら、水の磁化率χwaterと反磁性材料の磁化率χdiaが近い場合には、芯材2の端部を被覆材3で覆うことにより、磁気擾乱を有効に低減できることが確認できた。図5は、図4と同じ解析モデルによる解析結果を示す図である。図5(a)には、反磁性材料を省略した場合の比較モデルによる解析結果、図5(b)には、本実施の形態による反磁性材料を用いた解析モデルによる解析結果を示す。この図5の解析では、単位磁束密度ベクトルの磁場を2.0×10−5T、常磁性材料の磁化率χpara=5.0×10−6、図4(b)における反磁性材料の磁化率χdia=−12.0×10−6とした。目的関数Wの最大値Bdisturbanceの最小値は、図5(a)でW=1.0×10−5T(図3の境界領域R2に対応する領域における最小値)、図5(b)でW=1.86×10−6T(図3の境界領域Rに対応する領域における最小値)となった。これらの結果から、図5(a)に比べて図5(b)は最大値Bdisturbanceの最小値が大幅に小さくなっており、また、図5(b)の場合において、図3の境界領域Rに対応する領域や図5(b)に示した領域Pにおける外部への磁束漏れは、図4(b)(c)の場合よりも小さくなっている。このため、水の磁化率χwaterと反磁性材料の磁化率χdiaが近い場合には(反磁性材料の磁化率χdiaが小さい場合には)、芯材2の端部を被覆材3で覆うことにより、磁気擾乱を有効に低減できることが判った。
(製造方法)
次に、このような磁気擾乱低減材1の製造方法として、第1から第5の製造方法について順次説明する。図6から図9は、第1から第4の製造方法を概念的に示す図である(第5の製造方法については図示を省略する)。これらいずれの製造方法においても、概略的には、芯材2を常磁性材料にて焼結や成型等の任意の方法で形成し(芯材形成工程)、その後に、芯材2の長手方向の両端部の各々を、反磁性材料を含む被覆材3で被覆する(被覆工程)。ただし、芯材2を反磁性材料にて形成し、この芯材2の両端部の各々を、常磁性材料を含む被覆材3で被覆する場合においても、後述する第1から第5の製造方法の説明において常磁性材料と反磁性材料を入れ替えることにより、これら第1から第5の製造方法を同様に適用することができる。また、図6から図9では、芯材2を角棒状とした場合における、その一端部のみを示しているが、芯材2を丸棒状にした場合にも同様の方法を適用できる。
ここで、図6に示す第1の製造方法では、被覆材3は、反磁性材料で形成した線材3aとして構成されており、被覆工程において、この線材3aを芯材2の両端部に巻き付けることによって当該両端部を被覆する(ただし、芯材2の端部から、少なくとも側面の被覆材3の厚みと同じ長さだけはみ出した状態で巻きつけ、その結果、線材3aが中空を形成した場合、この中空部には木、コルクなどの非磁性体を嵌め込み形状を安定させる)。また、被覆材3を巻き付けた後で、さらにその上から樹脂製テープ3b(例えばフッ素樹脂テープ。以下同じ)等を巻き付けることで、被覆材3の保護及び固定を行う。この第1の製造方法に用いる線材3aとしては、反磁性材料自体によって形成した線材(例えばインジウム線)や、任意の材料によって形成した線状基材に対して反磁性材料(例えばインジウムやアルミナ粉末)を蒸着や塗布することで形成した線材を採用することができる。
また、図7に示す第2の製造方法では、被覆材3は、反磁性材料で形成した帯状体3cとして構成されており、被覆工程において、この被覆材3を芯材2の両端部に巻き付けることによって当該両端部を被覆する(ただし、芯材2の端部から、少なくとも側面の被覆材3の厚みと同じ長さだけはみ出した状態で巻きつけ、その結果、帯状体3cが中空を形成した場合、この中空部には木、コルクなどの非磁性体を嵌め込み形状を安定させる)。この第1の製造方法に用いる帯状体3cとしては、反磁性材料自体によって形成した帯状体や、任意の材料によって形成した帯状基体に対して反磁性材料を蒸着や塗布することで形成した帯状体(例えばインジウムやアルミナ粉末を蒸着した圧延テープ)を採用することができる。
また、図8に示す第3の製造方法では、被覆材3は、芯材2の端部の外径に略適合した中空部を有するキャップ3dとして構成されており、被覆工程において、このキャップ3dに芯材2の両端部を挿入して嵌合させることによって、芯材2の両端部を被覆する(ただし、キャップは芯材2の端部と密着させず、隙間を確保する方が望ましい)。このキャップ3dは、例えば、高分子材料やプラスチックにて形成された弾性力のある基体に対して、反磁性材料を蒸着や塗布することで形成することができる。
また、図9に示す第4の製造方法では、被覆材3は、反磁性材料を液状体(ペースト状体を含む)や粉末材3e(例えばアルミナ粉末材)とすることで構成されており、被覆工程において、芯材2の両端部に液状体や粉末材3eを直接蒸着し、吹き付け、あるいは塗布することによって、当該両端部を被覆する(ただし、芯材2の端部から、少なくとも側面の蒸着材の厚みと同じ厚みだけ蒸着させる必要がある。)。このように蒸着、吹き付け、あるいは塗布を行った後で、被覆材3の上から樹脂製テープ3b等を巻き付けることで、被覆材3の保護及び固定を行う。
あるいは、第5の製造方法では、図示は省略するが、被覆材3は、反磁性材料を液状体(ペースト状体を含む。例えばモリブデンペースト)として構成されており、被覆工程において、被覆材3に芯材2の両端部を入れた後、当該被覆材3から当該芯材2を引き揚げ、当該芯材2に付着した当該被覆材3を自然に又は加熱して固化させることによって、当該両端部を被覆する。さらに、被覆材3の上から樹脂製テープ等を巻き付けることで、被覆材3の保護及び固定を行う。
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、従来のような球状体ではなく、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い棒状体に関しても磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。
特に、芯材2を棒状とした場合において、特に磁気擾乱が集中する当該芯材2の両端部のみを被覆材3で覆うことで、最小限の被覆材3を用いて磁気擾乱を効果的に低減することが可能となる。例えば、MRI装置の磁場は、現在は1.5Tや3Tが主流であるが、将来はさらに高磁場化することが予測されており、この磁場が7Tや11.7Tとなれば、MRI装置周辺の建築材料、天井吊ボルト、床鉄筋、グレーチング材料による偽像への影響も大きくなると考えられ、本実施の形態に係る磁気擾乱低減材1の有効性は増大する。また、芯材2の全体を覆うよりもその端部のみを覆うことで、被覆材3の使用量を低減できると共に、芯材2の特性を損ねることがない。
とりわけ、反磁性材料の磁化率χdiaが小さい場合(水よりわずかに小さい値)には、芯材2の端部を被覆材3で覆うことにより、芯材2の周囲が水のみの場合に比べても、磁気擾乱を有効に低減できる。
また、常磁性材料又は反磁性材料を、線材3aや帯状体3cとして芯材2に巻き付けることで、簡易かつ安価に磁気擾乱低減材1を製造できる。
また、常磁性材料又は反磁性材料を、キャップ3dとして形成し、このキャップ3dに芯材2を挿入することで、磁気擾乱低減材1を容易に製造できる。このため、必要に応じて現場で磁気擾乱低減材1を製造すること等が可能となる。
また、常磁性材料又は反磁性材料を粉末材3eとして芯材2に直接蒸着等したり、常磁性材料又は反磁性材料を液中に入れて固化させることで、芯材2が複雑な形状であっても、磁気擾乱低減材1を容易に製造できる。このため、人工腰関節、人工歯、冠動脈ステント、あるいはクリップのように、複雑な形状のインプラント材についても、磁気擾乱低減材1とすることができる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、芯材の端部を凸曲面状とした形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成については、必要に応じて、実施の形態1で用いたのと同一の名称又は符号を付して、その説明を省略する(実施の形態3以降も同じ)。また、本実施の形態2に係る磁気擾乱低減材は、特記する場合を除いて、実施の形態1と同様に製造することができるので、その製造方法の説明を省略する(実施の形態3以降も同じ)。
図10は本実施の形態2に係る磁気擾乱低減材の斜視図、図11は図10のA−A矢視断面図である。この磁気擾乱低減材10は、芯材11と被覆材12から構成されている。芯材11は、常磁性材料にて丸棒状に形成されており、被覆材12は、実施の形態1の被覆材3と同様に反磁性材料にて構成されている。
ここで、芯材11の両端部は、凸曲面状とされている。この凸曲面の具体的な形成方法は任意であるが、例えば、凸曲面を有する型枠を用いて常磁性材料を焼結したり、あるいは角部のある芯材11を形成した後で当該角部全体を切削等してもよい。
また、図12には本実施の形態2に係る磁気擾乱低減材10の変形例の斜視図を示す。この例では、芯材11に加えて、被覆材12についても端部が凸曲面状とされている。これら図10から図12に示す例において、芯材11や被覆材12の凸曲面の具体的な曲率は任意であり、例えば、芯材11や被覆材12の長さや肉厚をパラメータとした数値計算や、実験により、磁気擾乱が最も低減できる曲率を選択することが好ましい。
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、芯材11を棒状とした場合において、特に磁気擾乱が集中する芯材11や被覆材12の角部を除去して凸曲面状とすることで、磁気擾乱を一層効果的に低減することが可能となる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この形態は、芯材の端部のみでなく長手方向の側面についても被覆材で覆った形態である。
図13は本実施の形態3に係る磁気擾乱低減材の斜視図、図14は図13のA−A矢視断面図である。この磁気擾乱低減材20は、芯材21と被覆材22から構成されている。芯材21は、常磁性材料にて丸棒状に形成されている。被覆材22は、反磁性材料にて形成されたもので、芯材21の端部のみでなく側面を覆っており、すなわち芯材21の全面を覆っていて、芯材21を外部に対して非露出状としている。芯材21の端部を覆う被覆材22の形状や厚みと、芯材21の側面を覆う被覆材22の形状や厚みは、任意に変えることができるが、例えば、被覆材22の厚みを全体に渡りほぼ均一化することができる。
次に、このように構成された磁気擾乱低減材20の各部の最適値を特定するための解析結果について説明する。この解析に用いた解析モデルは、図3と同様であるが、ここでは、常磁性材料の磁化率χpara=1.0×10−4〜1.0×10−2、反磁性材料の磁化率χdia=−1.0×10−3〜−1.0×10−5、水の磁化率χwater=−9.035×10−6とし、制約条件として、被覆材22の側面の厚みlを、0.015mm≦l≦1.985mm、被覆材22の端面の厚みlを、0.015mm≦l≦1.985mmとした。目的関数Wは、磁気擾乱低減材20と水との境界領域Rにおける磁気擾乱の最大値Bdisturbanceであり、上記式(1)で表わされるもので、境界領域Rのr方向の厚みrと、境界領域Rのz方向の厚みzは、実施の形態1の解析と同じである。
このような解析モデルによる解析結果を図15、16に示す。図15は、常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaをパラメータとして有限要素法により求めた磁気擾乱の最大値Bdisturbanceを示す図であり、目的関数Wを最小にする被覆材22の厚みl(側面の厚みl、端面の厚みl)を示す図である。また、図16は、図15を常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaの2軸で示した図である。これら図15、16より、磁気擾乱及び偽像を最小化できる被覆材の厚みlを容易かつ正確に決定することができる。例えば、磁気擾乱の最大値Bdisturbanceが最も小さい値=0〜0.0002Tとなるのは、常磁性材料の磁化率χpara=約1.0×10−4〜約5.0×10−4、反磁性材料の磁化率χdia=約2.0×10−4〜約1.0×10−3、かつ、被覆材22の厚みl=約4.0×10−4〜約6.0×10−4の場合となる。
また、図17には、常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaをパラメータとして有限要素法により求めた、最適化された場合の目的関数の値Woptimalを示す。この図17から、常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaをパラメータとして被覆材の厚みlが最適化された場合、常磁性材料の磁化率χparaによらず、反磁性材料の磁化率χdiaのみに依存して、目的関数Wの最適値Woptimalが決定されることが判る。これは、反磁性材料にて形成された被覆材22の表面(特に角部)の磁気擾乱の大きさは、この反磁性体の磁化率χdiaに依存するためであり、そのために磁化率χdiaが大きくなるに従い、目的関数Wの最適値Woptimalが大きくなるためである。また、このことから、実施の形態2で説明したように、被覆材22の角部を除去することが効果的であることが裏付けられる。
さらに、図18には、反磁性材料にて形成された被覆材22を省略し、常磁性材料にて形成された芯材21のみによって磁気擾乱低減材20を構成した場合における、常磁性材料の磁化率χparaと目的関数Wの大きさ(磁気擾乱の最大値)Woriginalとの関係を示す。この図18から、反磁性材料による被覆材22がない場合には、常磁性材料の磁化率χparaが大きくなるに伴って、目的関数Wの大きさWoriginalが大きくなることが判る。換言すれば、本実施の形態のように反磁性材料による被覆材22を設けることにより、目的関数Wの大きさWoriginalを低減できることが判る。
また、常磁性材料と反磁性材料を組み合わせた場合の最適化の解析例について説明する。ここでは、図3と同様の解析モデルを使用し、常磁性材料(コバルト・クロム・モリブデン合金)として形成した場合において、相互に条件が異なる4つのケース(以下「ケース0〜3」)を対比した。いずれのケース0〜3においても、常磁性材料の磁化率χpara=5.0×10−6(ただしcgs単位、SI単位では502×10−6)とし、空気の磁化率χ=0としている。ケース0は反磁性材料による被覆材22を省略したケース、ケース1〜3は反磁性材料にて形成した被覆材22により芯材21の側面及び端部を覆ったケースであり、ケース1では反磁性材料の磁化率χdia=−1.0×10−5、ケース2では反磁性材料の磁化率χdia=−1.0×10−6、ケース3では反磁性材料の磁化率χdiaを周囲の空気と同じく磁化率χdia=0とした。制約条件として、被覆材22の側面の厚みlを、0mm≦l≦1.0mm、被覆材22の端部の厚みlを、0mm≦l≦1.0mmとした。目的関数Wは、磁気擾乱低減材20と空気との境界領域Rにおける磁気擾乱の最大値Bdisturbanceであり、上記式(1)で表わされる。ここで、rは境界領域Rのr方向の厚み、zは境界領域Rのz方向の厚みである(75.0≦z≦75.25かつ0.0≦r≦2.25、又は、0.0≦z≦75.0かつ2.0≦r≦2.25)。
図19(a)〜(d)には、ケース0〜3における各々の解析結果を示す。これら図19(a)〜(d)から判るように、磁気擾乱の最大値Bdisturbanceは、ケース0では約4.19×10−6T、ケース1では約2.27×10−6T、ケース2では約0.399×10−6T、ケース3では約0.904×10−6Tとなっており、ケース0に比べて、ケース1では約1/2、ケース2では約1/10となっていて磁気擾乱が低減できていることが確認され、かつケース3(d)の芯材を(c)と同じ厚みとして被覆材22なしで空気のみとした場合に比べて、1/2以下に擾乱が低減できた。
図20は、反磁性材料の磁化率χdiaと被覆材22の側面の厚みlとの関係を示し、図21には、反磁性材料の磁化率χdiaと目的関数Wとの関係を示す。図20からは、反磁性材料の磁化率χdiaが大きくなるに伴って、被覆材22の側面の厚みlを小さくできることが判る。図21からは、反磁性材料の磁化率χdiaの最適値が、0から1.0×10−5の間における1.0×10−6に存在することが判る。また、目的関数Wの最大値は、反磁性材料のコーティングの側面と端面が交わる角部で常に最大となるので、この領域での磁束を最小にできるような、被覆材22の側面の厚みl、端面lの厚み、及び反磁性材料の磁化率χdiaが、磁気擾乱低減材20の最適値となる。
この解析結果を踏まえて、磁気擾乱低減材20の最適値として、MRIの一様磁場と平行に配置された磁気擾乱低減材20であって、直径が2mm、長さが150mmの常磁性体(ここではコバルト・クロム・モリブデン合金)の側面と端面に、反磁性材料をコーティングした場合の最適な組み合わせの解析結果を示す。ここでは、反磁性材料の側面の厚みl=1.0mm、反磁性材料の端面の厚みl=0.990mm、反磁性材料の磁化率χdia=−12.1×10−6とした。図22は、反磁性材料を省略した場合の解析結果、図23は、反磁性材料を設けた場合の解析結果を示す。図22の結果に比べて図23の結果では、9%以下に磁気擾乱を低減できることが確認された。
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、芯材21の端部のみでなく側面も被覆材22で被覆することで、磁気擾乱を一層低減することができる。
また、従来のような球状体ではなく、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い棒状体に関しても磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。特に、上記解析結果から、被覆材22の側面の厚みlと端面lの厚みにより形成される角部での磁気擾乱を最小にするような、被覆材22の側面の厚みl、端面lの厚み、及び反磁性材料の磁化率χdiaをそれぞれ選択することにより、磁気擾乱を最も効果的に低減できる。例えば、芯材の厚みが2倍になった場合、被覆材の最適厚みは2倍にすれば良い。また、逆に芯材に反磁性材料を用いた場合、被覆材料を常磁性材料とし、同様に被覆材料の最適厚みを設定することができる。
また、磁気擾乱及び偽像を最小化できる被覆材22の厚み等を容易かつ正確に決定することができる。特に、磁気擾乱低減材20をインプラント材として使用する場合において、従来のような真空ではなく、体内環境に近い水中での解析結果を得ることで、現実に想定し得る状況下での解析を行うことができた。
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この形態は、磁気擾乱低減材をクリップとして形成した形成である。
図24(a)は本実施の形態4に係る磁気擾乱低減材の側面図、図24(b)は(a)の磁気擾乱低減材の中間解析モデルを示す図、図24(c)(d)は(a)の磁気擾乱低減材の解析モデルを示す図、図24は、図24(c)のA領域の拡大図である。図24(a)に示すように、本実施の形態に係る磁気擾乱低減材30は、クリップとして構成されたものであって、常磁性材料にて形成した芯材31の端部及び側面を、反磁性材料にて形成した被覆材32にて覆って構成されている。
ここでは、図24(a)の磁気擾乱低減材30を、図24(b)のように直径10mmで厚みが1mmの円環状モデルにモデル化し、この円環状モデルをさらに図24(c)(d)のように側面L字状のモデルにモデル化して解析を行った。この側面L字状のモデルは、一辺の長さ5mmの一対の扁平角棒を相互に直交させたものであり、図25に示すように、端面の高さ1mm×厚み0.5mmであって、その周囲に厚み0.05mmの境界領域Rを設定している。このようなモデルに対して、図24(c)に示すように、磁場Bをy方向と反対方向に印加した場合と、図24(d)に示すように、磁場Bをz方向と反対方向に印加した場合とを、それぞれ想定して解析を行った。ここでは、常磁性材料の磁化率χpara=1.0×10−4〜1.0×10−2、反磁性材料の磁化率χdia=−1.0×10−3〜−1.0×10−5、水の磁化率χwater=−9.035×10−6とし、制約条件として、被覆材32の端面の厚みlを、0mm≦l≦0.45mmとした。目的関数Wは、磁気擾乱低減材30と水との境界領域Rにおける磁気擾乱の最大値Bdisturbanceであり、以下の式(2)で表わされる。
Figure 0005437675
このような解析モデルによる解析結果を図26〜33に示す。図26、27、30、32は、図24(c)の印加方向における解析結果であり、図28、29、31、33は、図24(d)の印加方向における解析結果である。
図26、28は、常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaの絶対値|χdia|をパラメータとして有限要素法により求めた磁気擾乱の最大値Bdisturbanceを示す図であって、目的関数Wを最小にする被覆材32の端面の厚みlを示す図であり、図27は、図26の解析結果(被覆材の最適厚み)を常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaの絶対値|χdia|の2軸で示した図、図29は、図28の解析結果(被覆材の最適厚み)を常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaの絶対値|χdia|の2軸で示した図である。これら図26〜29より、磁気擾乱低減材30をクリップとして構成した場合における、磁気擾乱及び偽像を最小化できる被覆材32の端面の厚みlを容易かつ正確に決定することができる。
図30、31は、常磁性材料の磁化率χparaと反磁性材料の磁化率χdiaをパラメータとして有限要素法により求めた最適化された場合の目的関数の値Woptimalを示す。この図30、31から、常磁性材料の磁化率χparaを最適な値にすることにより、反磁性材料の磁化率χdiaのみに依存して、目的関数Wの値Woptimalが決定されることが判る。これは、反磁性材料にて形成された被覆材32の表面(特に角部)の磁気擾乱の大きさは、この反磁性体の磁化率χdiaに依存するためであり、そのために磁化率χdiaが大きくなるに従い、目的関数Wの最適値Woptimalが大きくなるためである。また、このことから、実施の形態2で説明したように、被覆材32の角部を除去することが効果的であることが裏付けられる。
図32、33は、反磁性材料にて形成された被覆材32を省略し、常磁性材料にて形成された芯材31のみによって磁気擾乱低減材30を構成した場合における、常磁性材料の磁化率χparaと目的関数Wの大きさ(磁気擾乱の最大値)Worinalとの関係を示す。この図32、33から、反磁性材料による被覆材32がない場合には、常磁性材料の磁化率χparaが大きくなるに伴って、目的関数Wの大きさ(磁気擾乱の最大値)Worinalが大きくなることが判る。換言すれば、本実施の形態のように反磁性材料による被覆材32を設けることにより、最適値Woptimalを低減できることが判る。
(実施の形態4の効果)
このように実施の形態4によれば、磁気擾乱低減材30をクリップとして構成した場合においても、芯材31の端部のみでなく側面も被覆材32で被覆することで、磁気擾乱を一層低減することができる、
また、磁気擾乱低減材30をクリップとして構成した場合においても、磁気擾乱及び偽像を最小化できる被覆材32の厚み等を容易かつ正確に決定することができる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(形状や数値について)
上記実施の形態で示した形状や数値は例示であり、例えば実施例の各寸法値は任意に変更することができる。例えば、芯材の厚みが2倍になった場合、被覆材の最適厚みは2倍にすれば良い。また、逆に芯材に反磁性材料を用いた場合、被覆材料を常磁性材料とし、同様に被覆材料の最適厚みを設定することができる。
(被覆材による被覆範囲について)
上記実施の形態では芯材の両端部を被覆材にて被覆しているが、一端部のみを被覆しても当該被覆された端部における磁気擾乱低減の効果を得ることができる。特に、材の一端部のみが磁場の内部又は周囲に配置され、他端部は磁場の内部又は周囲の外部に配置されるような場合においては、磁場の内部又は周囲に配置される方の端部のみに被覆材を配置することも有効である。あるいは、材が湾曲等されることで磁気特性が変化する場合には、当該湾曲部に被覆材を配置することも有効である。
(付記)
上述した課題を解決し、目的を達成するため、付記1に係る本発明は、磁場の内部又は周囲に配置される材であって、前記磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材であり、長尺状の芯材と、当該芯材の長手方向の端部を覆う被覆材とを備え、前記芯材と前記被覆材のうち、一方が常磁性材料を含むと共に、他方が反磁性材料を含む。
付記2に係る本発明は、付記1に係る本発明において、前記長尺状の芯材は、棒状の芯材である。
付記3に係る本発明は、付記2に係る本発明において、前記芯材又は前記被覆材の端部を凸曲面状とした。
付記4に係る本発明は、付記1から3のいずれか一項に係る本発明において、前記芯材の長手方向の側面を前記被覆材で覆った。
付記5に係る本発明は、前記付記1から4のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材を使用したインプラント材である。
付記6に係る本発明は、前記付記1から4のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材を使用した建材である。
付記7に係る本発明は、前記磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材を製造するための製造方法であって、長尺状の芯材を、常磁性材料又は反磁性材料の一方で形成する芯材形成工程と、前記芯材の長手方向の両端部の各々を、常磁性材料又は反磁性材料の他方を含む被覆材で被覆する被覆工程とを含む。
付記8に係る本発明は、付記7に係る本発明において、前記被覆材を、前記常磁性材料又は前記反磁性材料の他方を線材又は帯状体とすることで形成し、前記被覆工程において、前記被覆材を前記芯材に巻き付ける。
付記9に係る本発明は、付記7に係る本発明において、前記被覆材を、線材又は帯状体に前記常磁性材料又は前記反磁性材料の他方を蒸着又は塗布することで形成し、前記被覆工程において、前記被覆材を前記芯材に巻き付ける。
付記10に係る本発明は、付記7に係る本発明において、前記被覆材を、前記常磁性材料又は前記反磁性材料の他方を含むキャップ体として形成し、前記被覆工程において、前記被覆材に前記芯材を挿入する。
付記11に係る本発明は、付記7に係る本発明において、前記被覆材を、前記常磁性材料又は前記反磁性材料の他方を含む粉末材として形成し、前記被覆工程において、前記被覆材を前記芯材に蒸着又は塗布する。
付記12に係る本発明は、付記7に係る本発明において、前記被覆材を、前記常磁性材料又は前記反磁性材料の他方を含む液状体として形成し、前記被覆工程において、前記被覆材に前記芯材を入れた後、当該被覆材から当該芯材を引き揚げ、当該芯材に付着した当該被覆材を固化させる。
(付記の効果)
付記1に係る発明によれば、従来のような球状体ではなく、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い長尺状の磁気擾乱低減材に関しても磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。特に、芯材を長尺状とした場合において、特に磁気擾乱が集中する当該芯材の両端部のみを被覆材で覆うことで、最小限の被覆材を用いて磁気擾乱を効果的に低減することが可能となる。例えば、MRI装置の磁場は、現在は1.5Tや3Tが主流であるが、将来はさらに高磁場化することが予測されており、この磁場が7Tや11.7Tとなれば、MRI装置周辺の建築材料、天井吊ボルト、床鉄筋、グレーチング材料による偽像への影響も大きくなると考えられ、本実施の形態に係る磁気擾乱低減材の有効性は増大する。
また、付記2に係る発明によれば、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い棒状状の磁気擾乱低減材に関しても磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。
また、付記3に係る発明によれば、芯材を棒状とした場合において、特に磁気擾乱が集中する芯材や被覆材の角部を除去して凸曲面状とすることで、磁気擾乱を一層効果的に低減することが可能となる。
また、付記4に係る発明によれば、芯材の端部のみでなく側面も被覆材で被覆することで、磁気擾乱を一層低減することができる。
また、付記5に係る発明によれば、インプラント材を体内に埋め込まれた人がMRI室に入った場合であっても、このインプラント材による磁気擾乱を低減でき、MRI画像の信頼性や正確性を向上させることが可能となる。
また、付記6に係る発明によれば、建材がMRI室の内部構造や周囲構造に使用された場合であっても、この建材に起因する磁気擾乱を低減できるので、信頼性の高いMRI室を構築することが可能となる。
また、付記7に係る発明によれば、従来のような球状体ではなく、インプラント材や建材として実際に使用される可能性が高い長尺状の磁気擾乱低減材に関してもその端部を被覆材で多くことで磁気擾乱を低減でき、偽像を低減できるので、MRI画像の信頼性や有効性を高めることが可能となる。
また、付記8に係る発明によれば、常磁性材料又は反磁性材料を、線材や帯状体として芯材に巻き付けることで、簡易かつ安価に磁気擾乱低減材を製造できる。
また、付記9に係る発明によれば、被覆材を、線材又は帯状体に常磁性材料又は反磁性材料の他方を蒸着又は塗布することで形成したので、被覆材自体を線材又は帯状体に加工することが困難な場合であっても、簡易かつ安価に磁気擾乱低減材を製造できる。
また、付記10に係る発明によれば、常磁性材料又は反磁性材料をキャップ状に形成し、このキャップに芯材を挿入することで、磁気擾乱低減材を容易に製造でき、必要に応じて現場で磁気擾乱低減材を製造すること等が可能となる。
また、付記11に係る発明によれば、被覆材を、常磁性材料又は反磁性材料の他方を含む粉末材として形成して芯材に蒸着又は塗布することで、芯材が複雑な形状であっても、磁気擾乱低減材を容易に製造できる。このため、人工腰関節、人工歯、冠動脈ステント、あるいはクリップのように、複雑な形状のインプラント材についても、磁気擾乱低減材とすることができる。
また、付記12に係る発明によれば、常磁性材料又は反磁性材料を液中に入れて固化させることで、芯材が複雑な形状であっても、磁気擾乱低減材を容易に製造できる。このため、人工腰関節、人工歯、冠動脈ステント、あるいはクリップのように、複雑な形状のインプラント材についても、磁気擾乱低減材とすることができる。
1、10、20、30 磁気擾乱低減材
2、11、21、31 芯材
3、12、22、32 被覆材
3a 線材
3b 樹脂製テープ
3c 帯状体
3d キャップ
3e 粉末材

Claims (8)

  1. 磁場の内部又は周囲に配置される材であって、前記磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材であり、
    長尺状の芯材と、当該芯材の長手方向の端面を覆う被覆材とを備え、
    前記芯材と前記被覆材のうち、一方が常磁性材料を含むと共に、他方が反磁性材料を含む、
    磁気擾乱低減材。
  2. 前記長尺状の芯材は、中実棒状体である、
    請求項1に記載の磁気擾乱低減材。
  3. 前記芯材又は前記被覆材の端面を凸曲面状とした、
    請求項2に記載の磁気擾乱低減材。
  4. 前記芯材の長手方向に沿った側面を前記被覆材で覆った、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材。
  5. 前記芯材の長手方向の両端の各々における前記端面の全面を前記被覆材で覆った、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材。
  6. 前記請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材を使用したインプラント材。
  7. 前記請求項1から5のいずれか一項に記載の磁気擾乱低減材を使用した建材。
  8. 前記磁場に対する当該材による磁気擾乱を低減するための磁気擾乱低減材を製造するための製造方法であって、
    長尺状の芯材を、常磁性材料又は反磁性材料の一方で形成する芯材形成工程と、
    前記芯材の長手方向の両端面の各々を、常磁性材料又は反磁性材料の他方を含む被覆材で被覆する被覆工程と、
    を含む磁気擾乱低減材の製造方法。
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